JP3380583B2 - ヒーター、定着装置および定着装置組込機器 - Google Patents

ヒーター、定着装置および定着装置組込機器

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JP3380583B2
JP3380583B2 JP07325693A JP7325693A JP3380583B2 JP 3380583 B2 JP3380583 B2 JP 3380583B2 JP 07325693 A JP07325693 A JP 07325693A JP 7325693 A JP7325693 A JP 7325693A JP 3380583 B2 JP3380583 B2 JP 3380583B2
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heater
palladium
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electrode layer
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啓之 松永
滋洋 佐藤
孝明 苅部
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Toshiba Lighting and Technology Corp
Toshiba Development and Engineering Corp
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Harison Toshiba Lighting Corp
Toshiba Digital Media Engineering Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえばプリンタや複
写機などのトナー定着用として好適なヒーター、これを
用いた定着装置および定着装置組込機器に関する。
【従来の技術】たとえば複写機やプリンタなどのOA機器
においては、トナー像を形成した複写紙をヒーター表面
に接触させながら通過させることにより、トナー像を紙
面に融着させて定着している。
【0002】このようなヒーターとして、厚膜印刷技術
を応用したものが知られている。このものは、アルミナ
セラミックスを材料とする細長い基板の一方の面に銀・
パラジウム系の抵抗材料からなる細長い抵抗発熱体を厚
膜印刷技術により形成し、この抵抗発熱体の両端に銀電
極層を形成し、この銀電極層を介して抵抗発熱体に電圧
を印加することにより、抵抗発熱体が発熱し、ヒーター
として機能する構造となっている。
【0003】上述した従来のヒーターは、抵抗発熱体を
発熱させるために、比較的大きな電流を流しても、銀電
極層が発熱しないようにするという機能を十分に果た
す。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この銀
電極層は、抵抗発熱体の発熱によって、ヒーター全体が
熱膨張して伸縮を繰り返す結果、たとえば電源側端子が
スプリング機能を持ったクリップなどの場合、電源側端
子と銀電極層が擦れ合って、銀電極層が禿げてしまい、
電源接続用の電極としての機能を果たさなくなるという
欠点があった。
【0004】電源側端子と電極層が擦れ合っても電極層
が禿げないようにするために、別の金属に代えることが
考えられるが、たとえば銅などは酸化してしまい、他の
金属も抵抗値が高くて発熱を生じるなどの欠点があっ
た。
【0005】本発明は、電源接続用電極層での発熱を避
けながら機械的強度が向上するように改良したヒータ
ー、これを用いた定着装置および定着装置組込機器を提
供することを目的とする。
【課題を解決するための手投】請求項1の発明のヒータ
ーは、電気絶縁性の基板と;基板上に形成された銀・パ
ラジウム系の抵抗材料を主体とする抵抗発熱体と;抵抗
発熱体の両端に直接的または間接的に接続し、かつ、少
なくとも一方は銀を主体に0.5〜1.5%の白金を含
有する銀・白金系合金からなり、基板上に形成された対
をなす電源接続用電極層と;を具備していることを特徴
としている。
【0006】請求項2の発明のヒーターは、電気絶縁性
の基板と;基板上に形成された銀・パラジウム系の抵抗
材料を主体とする発熱体と;抵抗発熱体の両端に直接的
または間接的に接続し、かつ、少なくとも一方は銀を主
体に2〜4%のパラジウムを含有する銀・パラジウム系
合金からなり、基板上に形成された対をなす電源接続用
電極層と;を具備していることを特徴としている。
【0007】請求項3の発明のヒーターは、請求項1ま
たは2記載のヒーターにおいて、電源接続用電極層は、
銀を主成分とする材料からなる電極下地層および電極下
地層上に積層された所定範囲の白金を含有する銀・白金
系合金または所定範囲のパラジウムを含有する銀・パラ
ジウム系合金を主成分とする電極表面層により構成され
ていることを特徴としている。
【0008】請求項4の発明の定着装置は、請求項1な
いし3のいずれか一記載のヒーターをトナー定着用ヒー
ターとして組込んでいることを特徴としている。
【0009】請求項5の発明の定着装置組込機器は、請
求項4記載の定着装置を組込んでいることを特徴として
いる。
【作用】請求項1の発明のヒーターは、銀に下記所定範
囲内の白金を含有する銀・白金系合金を用いることで、
電源接続用電極層での発熱が避けられるとともに、摩擦
にも耐えられる程度に機械的強度が向上する。ここで重
要なのは、白金の含有量であって、白金の場合は0.5
〜1.5%の範囲である。この所定範囲内でないと、本
発明の目的とする良好な導電性および機械的強度の両方
を満足することができない。また、上記範囲内であれ
ば、銀に比較して高価な白金の使用量が少なくて済むの
で、コスト面でも有利である。
【0010】請求項2の発明のヒーターは、銀に下記所
定含範囲内のパラジウムを含有する銀・パラジウム系合
金を用いることで、電源接続用電極層での発熱が避けら
れるとともに、摩擦にも耐えられる程度に機械的強度が
向上する。ここで重要なのは、パラジウムの含有量であ
って、パラジウムの場合は2〜4%の範囲である。この
所定範囲内でないと、本発明の目的とする所要の導電性
および機械的強度の両方を満足することができない。ま
た、上記範囲内であれば、銀に比較して高価なパラジウ
ムの使用量が少なくて済むので、コスト面でも有利であ
る。
【0011】また、請求項1および2のいずれにおいて
も、抵抗発熱体が銀パラジウム系の抵抗材料を主体とし
ているので、抵抗発熱体の端部に電源接続用電極層が積
層して接続する態様において、抵抗発熱体と電源接続用
電極層とは、いずれも銀を十分に含んでいるので、それ
らの相性がよく、良好な接続が得られる。さらに、導体
パターンを介して抵抗発熱体の他端と電源接続用電極層
との間を間接的に接続する態様にあっても、導体パター
ンとして銀を主体とする導電材料を使用すれば、抵抗発
熱体と導体パターンの間および導体パターンと電源接続
用電極層の間の相性がよく、それぞれ良好な接続が得ら
れる。
【0012】なお、請求項1および2において、特に厚
膜印刷技術を用いて電源接続用電極層を抵抗発熱体と同
様に印刷する態様の場合、電源接続用電極層を容易に形
成できて好適である。
【0013】請求項3の発明のヒーターにおいては、抵
抗発熱体の端部には銀を主成分とする電極下地層を積層
し、この電極下地層の上に電極表面層を積層した構成で
あるので、抵抗発熱体および電源接続用電極層の間に電
気伝導度が大きくて異種金属との馴染みが良好な銀の下
地層が介在することにより、抵抗発熱体との接触抵抗値
をより一層低減するので、電源接続用電極層における発
熱をさらに低減させることが可能になる。
【0014】請求項4の発明の定着装置においては、請
求項1ないし3のいずれか一記載のヒーターを具備する
ことにより、それぞれのヒーターの作用、効果を奏す
る。
【0015】請求項5の発明の定着装置組込み機器にお
いては、請求項1ないし3のいずれか一記載のヒーター
を具備することにより、それぞれのヒーターの作用、効
果を奏する。
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0016】図1ないし図3は、本発明を複写機などの
トナー定着用として適用する場合におけるヒーターを示
し、図1は平面図、図2は背面図、図3は正面図であ
る。ヒーターは、基板1、抵抗発熱体3、第1の電源接
続用電極層5、第2の電源接続用電極層7、第1導体パ
ターン9、第2導体パターン11および付帯構造などを
具備している。なお、付帯構造は、サーミスタ21、第
3導体パターン17、第4導体パターン19、第1の回
路接続用電極層25および第2の回路接続用電極層27
などである。
【0017】基板1は、厚さ約1mm、幅10mm、長
さ300mmの細長いアルミナセラミックスにより構成
されている。そして、基板1は、図3から判るように、
前面1a側に凹むように湾曲している。
【0018】抵抗発熱体3は、基板1の前面1a上に銀
・パラジウム系の抵抗材料を厚膜印刷技術により形成さ
れ、幅約1mm、長さ約250mmの帯状をなしてい
る。抵抗発熱体3のパラジウム濃度は、抵抗温度係数が
最も小さくなる、したがって抵抗値の変動の小さくなる
55%近傍に設定されている。
【0019】なお、抵抗発熱体3あるいは導体を厚膜印
刷技術により形成する場合、所定の金属または合金とガ
ラス成分との各粉末を混合してペースト状にし、これを
スクリーン印刷により塗布し、その後焼成して焼き付け
を行なえば、所望の抵抗発熱体3あるいは導体を形成す
ることができる。
【0020】第1の電源接続用電極層5および第1導体
パターン9は、基板1の前面1a上に厚膜印刷により形
成されている。
【0021】第1の電源接続用電極層5は、その一部が
抵抗発熱体3の一端部に積層されて、抵抗発熱体3に電
気的に接続している。そして、抵抗値の低い銀を主成分
とする銀・白金系合金または銀・パラジウム系合金によ
り構成されている。銀・白金系合金の場合、白金濃度は
0.5〜1.5%、好ましくは、0.8〜1.0%前後
である。銀・パラジウム系合金の場合、パラジウム濃度
は2〜4%、好ましくは2.5〜3%である。
【0022】また、第1の電源接続用電極層5は、上述
のように抵抗発熱体3の端部に部分的に積層されている
が、それ自体は、図4に示すような積層構造を有してい
る。すなわち、第1の電源接続用電極層5は、電極下地
層5aおよび電極表面層5bの2層構造をなしている。
そして、電極下地層5aは、銀を主成分とする材料から
なる。電極表面層5bは、電極下地層5aの上に積層さ
れていて、銀・パラジウム系合金または銀・白金系合金
を主成分として構成されている。したがって、電極表面
層5bが特許請求の範囲にいう電源接続用電極層に相当
する。
【0023】一方、第2の電源接続用電極層7および第
2導体パターン11は、基板1の裏面1b上に厚膜印刷
により形成されている。
【0024】第2の電源接続用電極層7、第1の導体パ
ターン9および第2の導体パターン11は、発熱を避け
るために、抵抗値の低い銀を主成分として構成されてい
る。そして、第2の電源接続用電極層7は、第2導体パ
ターン11と同時に、かつ、連続的に印刷形成されてい
る。
【0025】上述のように、第2の電源接続用電極層7
は、白金やパラジウムが添加されていない銀だけで構成
されているが、もちろん、第1の電源接続用電極層5と
同様の積層構造を採用してもよい。また、第1の電源接
続用電極層5は、抵抗発熱体3に流れる電流が小さく、
第1の電源接続用電極層5における発熱の弊害が小さけ
れば、電極下地層5aを設けないで、電極表面層5bだ
けからなる構成でもよい。さらに、第2の導体パターン
11および第2の電源接続用電極層7をともに銀・白金
系合金または銀・パラジウム系合金を用いて形成しても
よい。
【0026】基板1の前面1aの第1導体パターン9
と、裏面1bの第2導体パターン11とは、基板1を貫
通する2つの第1スルーホール13により導電的に接続
されている。第1スルーホール13は、その内表面に導
体(図示しない。)が付着するか、または充填されてい
る。第1スルーホール13の内表面に付着するか、また
は充填された導体は、第1導体パターン9と第2導体パ
ターン11とを厚膜印刷形成する際、同時に、かつ、自
動的に形成される。第1導体パターン9の接続部9a
は、抵抗発熱体3の他端部の上に積層された構造となっ
ている。
【0027】以上の説明から理解できるように、第1の
電源接続用電極層5、抵抗発熱体3、第1導体パターン
9、第2導体パターン11および第2の電源接続用電極
層7は、記述した順に直列接続されている。
【0028】次に、付帯構造について説明する。基板1
の裏面1bには、図2に示すように、互いに平行な2本
の第3導体パターン17および第4導体パターン19が
離間して厚膜印刷により形成されている。また、基板1
の表面には、第1の回路接続用電極25および第2の回
路接続用電極27が互いに離間して厚膜印刷により形成
されている。さらに、第3導体パターン17および第4
導体パターン19の一端部間を電気的に橋絡するように
サーミスタ21が設けられている。
【0029】第3導体パターン17および第4導体パタ
ーン19の構成材料は、銀ペーストを塗布焼成したもの
であり、焼成後は銀が主成分となっている。サーミスタ
21は、抵抗発熱体3の真裏に位置している。第3導体
パターン17および第4導体パターン19の他端部は、
スーホール23を介して、前面1a側に形成された第1
の回路接続用電極層25および第2の電源接続用電極層
27と電気的に接続している。なお、スーホール23の
構成は、スーホール13と同様である。
【0030】サーミスタ21は、図5の断面図に示すよ
うに、導電性接着剤29により第3導体パターン17お
よび第4導体パターン19に電気的に接続し、かつ、機
械的に固定されている。なお、図5は、図2のY−Y´
線に沿った断面図である。導電性接着剤29は、第3導
体パターン17および第4導体パターン19の表面に複
数の領域に分割して施与された後、それらの上からサー
ミスタ21を載せて接着固定している。なお、複数の領
域に分割して付けられた導電性接着剤29の様子は、サ
ーミスタ21を取り付ける前の基板1の裏面1bを表す
図6の円Aで囲まれた部分を拡大した図7に示されてい
る。本実施例において、導電性接着剤29は、第3導体
パターン17および第4導体パターン19のそれぞれ
に、2列に分割され、しかも、各列3つに分割して塗布
される。また、導電性接着剤29は、たとえばエポキシ
樹脂を主成分とし、導電性を付与するために銀・パラジ
ウム系合金が添加されたものである。
【0031】サーミスタ21と基板1との間には、図5
に示すように、ポリイミドなどの耐熱樹脂31が充填さ
れている。この耐熱樹脂31としては、たとえば鐘紡社
製のIP−600(商品名:サーミッド)などの超耐熱
性ポリイミド系樹脂が好適である。そうして、溶剤に溶
かされた状態の前記ポリイミド系樹脂をサーミスタ21
と基板1との間隙付近に付着させ、次に毛細管現象によ
り前記間隙全域に行きわたらせ、その後にこのポリイミ
ド系樹脂を加熱して付加重合させることによって、耐熱
樹脂31をしてサーミスタ21と基板1との間を固着さ
せている。
【0032】上記サーミスタ21は、基板1を介して抵
抗発熱体3に対面する位置にあり、抵抗発熱体3と熱結
合していているので、抵抗発熱体3の温度変化に応じて
その抵抗値が変化する。第1の回路接続用電極層25、
第2の回路接続用電極層27は、サーミスタ21の抵抗
値変化を測定する温度検知回路に接続される。ヒーター
の温度制御は、温度検知回路によって検知した抵抗発熱
体3の温度に基づいて行われるように構成されている。
【0033】なお、図面には示していないが、基板1の
前面1aおよび裏面1bの各種パターンが形成された主
要部分は、第1の電源接続用電極層5、第2の電源接続
用電極層7、第1の回路接続用電極層25および第2の
回路接続用電極層27ならびにサーミスタ21およびそ
の近傍を除いてガラス保護層によりオーバーコートされ
ている。ガラス保護層を配設する理由は、互いに近接す
る銀を含む導体パターンのマイグレーションを防止する
ためである。第1の電源接続用電極層5、第2の電源接
続用電極層7、第1の回路接続用電極層25および第2
の回路接続用電極層27は、電源や温度検知回路に接続
する部分であるため、オーバーコートできない。また、
サーミスタ21近傍は、オーバーコートの後にサーミス
タ21を回路パターンに接続する製造手順を採用する場
合には、オーバーコートされない。
【0034】以上説明したヒーターは、図8に示すよう
に、トナーの定着用として定着装置に組込んで使用され
る。すなわち、コピー紙が定着装置に搬送されてくる
と、ヒーターの第1の電源接続用電極層5と第2の電源
接続用電極層7の間に電源電圧が印加され、抵抗発熱体
3が発熱する。この熱がヒーターの抵抗発熱体3上を接
するように通過するコピー紙に付着しているトナーを溶
融して定着させる。
【0035】なお、図8は複写機の全体構成を示してお
り、41は読み取り用の原稿を上面ガラスG上に載せて
左右に移動する原稿台、43は露光用光源、45は原稿
からの反射光をドラム47上に結像する光学系、49は
トナーバッグ、51はコピー紙Pをストック台Sから搬
送する送り出しローラー、53はトナー回収装置、55
は除電装置、57はコピー紙搬送ベルト、59は本発明
のヒーターHを登載した定着装置、61はコピー完了紙
載置台である。
【0036】そうして、上記実施例では、第1の電源接
続用電極層5は、銀を主成分とする材料の電極下地層5
aの上に銀・白金系合金または銀・パラジウム系合金を
主成分とする電極表面層5bが積層された構成になって
いる。このため、強度の強い電極が構成できるとともに
発熱を抑えることができる。銀・白金系合金または銀・
パラジウム系合金は、銀単独の導電材料と異なり、固い
ため、図4に一点鎖線で示したように、スプリングアク
ション機能を有する電極端子15などが当接した態様に
おいては、電極端子15と第1の電源接続用電極層5と
が擦れて電極としての機能が維持できなくなることを防
止する。また、第1の電源接続用電極層5にリード線を
半田付けする場合などにも、このような電極表面層5b
は必要であり、半田付けの際、銀電極が解けて禿げてし
まい、接続できなくなるのを防止できる。一方、この白
金やパラジウムを添加することで抵抗値が高くなるとと
もに、添加金属の濃度を極めて低くしているので、電極
部分で発熱することによる弊害を避けることができる。
銀・白金系台金ならばプラチナ濃度は0.5〜1.5
%、好ましくは0.8〜1.0%前後であり、銀・パラ
ジウ系合金ならばパラジウム濃度は2〜4%、好ましく
は2.5〜3%である。
【0037】これに対して、第2の電源接続用電極層7
は、白金やパラジウムが添加されていない銀だけで構成
されているが、もちろん、第1の電源接続用電極層5と
同様の積層構造を採用してもよい。さらに、第1の電源
接続用電極層5は、抵抗発熱体3に流れる電流が小さ
く、第1の電源接続用電極層5における発熱の弊害が小
さければ、電極下地層5aを設けないで、電極表面層5
bだけで構成してもよい。また、第2導体パターン1
1、第2の電源接続用電極層7ともに白金やパラジウム
が上記のように添加されたものであってもよい。
【0038】なお、上記実施例では、導電性接着剤29
は複数の領域に分割塗布されるので上からサーミスタ2
1を載せることで、導電性接着剤29が押し拡げられて
も、導電性接着剤29が第3導体パターン17と第4導
体パターン19の領域からはみ出す虞が少なくなる。ま
た、第3導体パターン17と第4導体パターン19の間
の絶縁距離は、はみ出しがあった場合、はみ出した分だ
け小さくなるので、第3導体パターン17と第4導体パ
ターン19の間の電界強度は、はみ出した部分で強くな
り、銀の電界による移動すなわちマイグレーションがこ
の部分で大きくなる。しかしながら、本発明のように、
導電性接着剤29のはみ出しがなければ、上記のような
原因によるマイグレーションが防止できる。したがっ
て、サーミスタの動作は常に安定しヒーターとして長期
間適切な発熱を行うことができる。また上記のように厚
膜印刷技術により各電極、各導体パターンとともに導電
性接着剤29が塗布形成されているので、接着剤塗布だ
けのための特別な工程を必要としない。
【0039】以上のヒーターを定着用として定着装置に
組込んで使用した場合、長期間にわたりトナーの定着不
良や定着フィルムヘの付着の発生を防ぐことができる。
また、この定着装置をたとえば複写機やプリンタまたは
ファクシミリなどのOA機器に組込んで使用した場合には
非常に鮮明な印刷画像を安定して提供することができ
る。上記実施例では、導電性接着剤29は導電パターン
毎に2列、各列3か所に分割接着してあるが、これに限
るものではない。また、サーミスタ21を載せるまで分
割されていても、サーミスタ21を載せることで、それ
ぞれ分割されていた導電性接着剤29が押し拡げられ、
隣り合う導電性接着剤29同志、繋がって一つになって
いてもよい。導電性接着剤29が塗布される際、分割塗
布されていればよい。
【0040】なお、上記実施例では、基板1は、前面1
a側に凹むように湾曲している。しかし、ヒーターが動
作して抵抗発熱体3が発熱すると、抵抗発熱体3の形成
されている基板1の前面1a側が膨脹して、前面1a側
に凹む湾曲が解消され、むしろ裏面1b側に凹む湾曲が
生じる。この方向の湾曲は、定着されるコピー紙が抵抗
発熱体3の上を通過する際、紙の寄りなどいわゆるジャ
ミングをなくすため、定着機構として必須のものであ
り、また、動作前の湾曲が逆になっているので、動作時
の裏面1b側に凹む湾曲が強くなり過ぎず、ジャミング
防止にとって好ましいものとなる。さらに裏面1b側に
凹む湾曲が強くなり過ぎるとサーミスタ21を固定して
いる導電性接着剤29が剥がれやすくなるので、動作し
ていないとき基板1が前面1a側へに凹むように湾曲し
ているのはこの導電性接着剤29の剥がれ抑制にも役立
つ。
【0041】さらに、上記実施例では抵抗発熱体のパラ
ジウム濃度は抵抗温度係数が最も小さくなる、したがっ
て抵抗値の変動の小さくなる55%近傍である。このた
め、このヒーターが動作するに当たって温度変化にとも
なう入力電力の変動が小さくて済み、電源回路の許容電
力幅を小さくできるので電源回路を簡素化することが可
能となる。パラジウム濃度が55%のときの抵抗温度係
数は、約80ppmであり、最低200ppm(パラジ
ウム濃度は45〜65%の範囲内)、好ましくは100
ppm以下(パラジウム濃度は50〜60%の範囲内)
である。
【0042】さらにまた、上記実施例のヒーターは基板
1上に形成されたサーミスタ21と基板1との間隙に空
気よりも熱伝導度が高いポリイミドなどの耐熱樹脂31
を充填しているため、抵抗発熱体3が設けられた基板1
の温度変化がサーミスタ21に非常に伝わりやすくな
る。
【0043】さらにまた、サーミスタ21と基板1との
間に耐熱樹脂31を充填させればサーミスタ21の固定
強度を向上させることもできる。耐熱樹脂31としてポ
リイミドを充填させたヒーターのサーミスタ21の固定
強度はポリイミドを使用しないものの約4倍であった。
このような耐熱樹脂31はサーミスタ21と基板1との
間隙だけでなく、サーミスタ21全体を覆うように塗布
してもよい。
【発明の効果】請求項1の発明によれば、基板と、銀・
パラジウム系の抵抗材料を主体とする抵抗発熱体と、抵
抗発熱体の両端に直接的または間接的に接続し、かつ、
少なくとも一方は銀を主体に0.5〜1.5%の白金を
含有する銀・白金系合金からなり、基板上に形成された
対をなす電源接続用電極層とを具備していることによ
り、電源接続用電極層の発熱が避けられるとともに、摩
擦にも耐えられる程度に強度が向上して、長期間の使用
に際しても確実な動作を維持するヒーターを提供するこ
とができる。
【0044】請求項2の発明によれば、基板と、銀・パ
ラジウム系の抵抗材料を主体とする抵抗発熱体と、抵抗
発熱体の両端に直接的または間接的に接続し、かつ、少
なくとも一方は銀を主体に2〜4%のパラジウムを含有
する銀・パラジウム系合金からなり、基板上に形成され
た対をなす電源接続用電極層とを具備していることによ
り、電源接続用電極層の発熱が避けられるとともに、摩
擦にも耐えられる程度に強度が向上して、長期間の使用
に際しても確実な動作を維持するヒーターを提供するこ
とができる。
【0045】請求項3の発明によれば、電源接続用電極
層は、銀を主成分とする材料からなる電極下地層および
電極下地層上に積層された所定範囲の白金を含有する銀
・白金系合金また所定範囲のパラジウムを含有するは銀
・パラジウム系合金を主成分とする電極表面層により構
成されていることにより、電源接続用電極層の発熱が一
層良好に避けられるとともに、摩擦にも耐えられる程度
に強度が向上して、長期間の使用に際しても確実な動作
を維持するヒーターを提供することができる。
【0046】請求項4の発明によれば、トナー定着用ヒ
ーターとして請求項1または2記載のヒーターを組込ん
でいることにより、請求項1ないし3の効果を有する定
着装置を提供することができる。
【0047】請求項5の発明によれば、請求項4記載の
定着装置を組込んでいることにより、請求項1ないし3
の効果を有する定着装置組込機器を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヒーターの実施例の平面図
【図2】同じく背面図
【図3】同じく実施例の正面図
【図4】図1におけるヒーターのX−X´線に沿った部
分断面図
【図5】同じくヒーターのY−Y´線に沿った断面図
【図6】図1のヒーターからサーミスタ21を取り除い
たときの平面図
【図7】図6のA部分の拡大図
【図8】本発明のヒーターを組み込んだ定着装置ならび
に定着装置組込機器の一実施例を示す断面図
【符号の説明】
1…基板、1a…前面、3…抵抗発熱体、5…第1の電
源接続用電極層、7…第2の電源接続用電極層、9…第
1導体パターン、11…第2導体パターン、17…第3
導体ーン、19…第4導体パターン、21…サーミス
タ、29…導電性接着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 滋洋 東京都港区三田一丁目4番28号 東芝ラ イテック株式会社内 (72)発明者 苅部 孝明 東京都港区新橋三丁目3番9号 東芝エ ー・ブイ・イー株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−81877(JP,A) 特開 昭58−110467(JP,A) 特開 昭55−43751(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 3/02 G03G 15/20 101 H05B 3/03 H05B 3/12 H05B 3/16 - 3/18 H05B 3/20 H05B 3/00 335

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気絶縁性の基板と; 基板上に形成された銀・パラジウム系の抵抗材料を主体
    とする抵抗発熱体と; 抵抗発熱体の両端に直接的または間接的に接続し、か
    つ、少なくとも一方は銀を主体に0.5〜1.5%の白
    金を含有する銀・白金系合金からなり、基板上に形成さ
    れた対をなす電源接続用電極層と; を具備していることを特徴とするヒーター。
  2. 【請求項2】電気絶縁性の基板と; 基板上に形成された銀・パラジウム系の抵抗材料を主体
    とする抵抗発熱体と; 抵抗発熱体の両端に直接的または間接的に接続し、か
    つ、少なくとも一方は銀を主体に2〜4%のパラジウム
    を含有する銀・パラジウム系合金からなり、基板上に形
    成された対をなす電源接続用電極層と; を具備していることを特徴とするヒーター。
  3. 【請求項3】電源接続用電極層は、銀を主成分とする材
    料からなる電極下地層および電極下地層上に積層された
    所定範囲の白金を含有する銀・白金系合金または所定範
    囲のパラジウムを含有する銀・パラジウム系合金を主成
    分とする電極表面層により構成されていることを特徴と
    する請求項1または2記載のヒーター。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれか一記載のヒー
    ターをトナー定着用ヒーターとして組込んでいることを
    特徴とする定着装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の定着装置を組込んでいるこ
    とを特徴とする定着装置組込機器。
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