JP3380163B2 - 高周波発振形近接センサ - Google Patents

高周波発振形近接センサ

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JP3380163B2
JP3380163B2 JP12631298A JP12631298A JP3380163B2 JP 3380163 B2 JP3380163 B2 JP 3380163B2 JP 12631298 A JP12631298 A JP 12631298A JP 12631298 A JP12631298 A JP 12631298A JP 3380163 B2 JP3380163 B2 JP 3380163B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属物体の位置検
出等を行う高周波発振形近接センサに関し、特に、その
回路をIC化した構成のものに関する。
【0002】
【従来の技術】この種のセンサは、図7に示すように、
検出コイルLおよびコンデンサCからなる並列形のLC
共振回路に帰還電流Ipfb を流して発振エネルギーを供
給する発振回路1と、検波・積分・比較等の回路により
発振状態の検出を行う発振状態検出回路2と、検出され
た結果に基づいてリレー等の負荷をオンオフする出力回
路3とから成り、前記各回路1〜3へは接地レベルに対
して正の単一の電圧が電源から供給されるようになって
おり、各回路1〜3は部品点数の削減等のためその一部
または全てをIC回路で組まれる。
【0003】これらのセンサの検出コイルに金属体が接
近すると、LC共振回路のコンダクタンスが変化して発
振が減衰し、発振状態検出回路2に設定された基準のし
きい値以下になると検出信号が出力回路3から出力され
て金属体の近接が検知される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記構成のこのような
センサでは、発振の振幅は検波積分された後、比較回路
において設定された上述の基準値と比較されるが、振幅
信号のリップル分や外来ノイズに起因するチャタリング
によるセンサの動作不良を防ぐために、通常は図6に示
すように、金属体の近接により振幅値が第1のしきい値
Vonを下回った時にオン信号を出力するオンレベルと、
金属体が遠ざかることにより振幅値が第2のしきい値V
off を上回った時にオフ信号を出力するオフレベルを設
け、その両者の差の大きさを前記リップル分や外来ノイ
ズが納まるように設定する。
【0005】そのため、オンレベルに相当する検出距離
dON(動作距離)とオフレベルに相当する検出距離dOF
F(復帰距離)が存在し、金属体が近接してくる場合と
遠ざかっていく場合では近接点の検出距離に違いが生ず
る。この検出距離の差をセンサの距離のヒステリシスと
称し、その度合いを(dOFF−dON)/dONで表現す
る。検出距離の差の大きさは、発振振幅Vosc が距離の
変化によっていかに変化するかによって決まり、ΔVos
c /Δdすなわち距離対振幅の特性の傾きが大きい程そ
のヒステリシスは小さくなる。金属体の近接によって振
幅が減衰する様子を示す図6の距離対振幅の特性は、帰
還電流Ipfb 、帰還電流を流す動作をさせる発振回路の
ゲイン、そのゲインに影響を与える温度等の要因によっ
て左右され、これらが高いほど距離対振幅特性は振幅が
増大する側に変化する。
【0006】そこで、帰還電流を増大させる要因を操作
して距離対振幅の特性の傾きを図6の曲線AからBに示
すように増大させることが望ましいが、すると金属体が
遠ざかっている時(オフ時)の発振状態の振幅が傾きの
増大とともに大きくなる。振幅が大きくなると、その振
幅の負の成分によって、元々正の単一電源で接地に対し
正の電位分布で設計してある回路に電位の逆転現象を生
じさせ、例えばnpnトランジスタの場合、トランジス
タのpn接合の順方向電圧を超えるような負の成分によ
り、p形半導体で作られるサブストレートとn形半導体
で作られるコレクタとの間に順方向の電圧が生じてコレ
クタとサブストレートが導通状態(寄生ダイオードが導
通状態)になる等、回路を構成するトランジスタやダイ
オード等が本来の機能を発揮しなくなってセンサの動作
を不良にする問題を生じる。
【0007】この問題を図7を参照して具体的に示せ
ば、次の通りである。ここで発振回路1では、LC共振
回路の振幅をレベルシフタ(ダイオード接続したトラン
ジスタTr4)により電圧を1VBE分シフトしてトランジ
スタTr3のベースに入力し、振幅の正の半周期の間Tr1
がオンになってそのコレクタ電流Ic が流れ、それに伴
ってトランジスタTr1,Tr2によるカレントミラー回路
の作用により、帰還電流Ipfb をLC共振回路に帰還さ
せてエネルギーを補充することによりLとCの充放電の
繰り返しが継続され、正負の振幅の発振が持続されるも
のである。そのレベルシフタは、振幅が正の半周期の電
圧においてトランジスタTr1が確実に動作するために必
要なものであるが、発振振幅Vosc が−2VBEを超える
と、その負の周期において、トランジスタTr4のベース
・エミッタ間のpn接合の順方向電圧とそのコレクタ・
サブストレート間に存在する寄生ダイオードDp のpn
接合の順方向電圧との和を超えることになり、寄生ダイ
オードDp が導通し、LC共振回路の電流がその寄生ダ
イオードDp を通して接地ラインに流れ、消費電流の増
大を招く。しかも、IC回路ではTr4のトランジスタと
他のトランジスタやダイオードが同一チップ内にあるの
で、寄生ダイオードDp の導通の影響は迷走電流となっ
て他の素子へも及ぶ。それらの結果、発振は歪み、不安
定となりセンサの動作を不良にするのである。
【0008】そこで、従来のこの種のセンサにあって
は、帰還電流Ipfb の帰還率を設定する抵抗体R3 の抵
抗値を大きくするとともに、発振回路1のゲインを小さ
く抑え、金属体が遠ざかっている時の最大振幅が、温度
上昇によるゲインの増加等を見込んでも上記の問題を発
生しない範囲Vmax 内に納まるように設定される必要が
あり、そのため図6の曲線Aのように、傾きの小さい距
離対振幅特性しか得られず、ヒステリシスが10%以上
にもなって動作距離と復帰距離に大きな差が生ずるとい
う問題があった。
【0009】そのため、金属体が近接してオン信号を出
力した後復帰させるのにそれだけ大きく金属体を移動さ
せる必要があり、移動距離の小さい金属体の検出に用い
ることができないという問題があった。また、発振エネ
ルギーの吸収が小さい微小金属体を検出しようとする
と、発振の振幅の変化が元々小さいので、センサ自体の
ヒステリシスが大きい場合には動作距離と復帰距離の差
が極端に大となり、実用上は動作点あるいは復帰点が存
在しなくなって検出不能となってしまう。
【0010】さらに、直列に接続された負荷(リレー
等)と電源の両端にセンサの出力線を接続する2線式セ
ンサにおいては、オフ時に負荷を流れる漏れ電流(消費
電流)が過大となって負荷の誤動作を生じさせないよう
厳しい制約を必要とするが、センサがオフの時における
共振回路の上記振幅の負の成分によって生じる寄生ダイ
オードの導通状態発生の問題により、オフ時の漏れ電流
がセンサの製品規格で規定されている制限値以上に容易
に増大してしまうという問題がある。そのため振幅の増
大を一層抑えるために、ゲインを余裕を持って小さく保
つ必要があり、良好なヒステリシスが得られないばかり
か、基板に組込む際の検出距離の設定も距離の小さい範
囲にしか設定できないという問題があり、動作距離の小
さなセンサしか提供できなかった。
【0011】一方、R1 を可変抵抗器によって構成する
ことで可変抵抗器R1 によるゲイン調整で検出距離の設
定を可能にするタイプのセンサもある。このタイプで
は、近い距離を設定する場合には図6の破線に示すよう
にゲインを上げることによって、しきい値を通過する振
幅の減衰現象が近い距離において発生するように設定す
る必要がある。すると、金属体が遠ざかっている時の振
幅は一層大きくなり、負成分の振幅が大きくなって上述
の寄生ダイオードの導通が発生し易くなり、結局、近い
距離を検出可能な範囲に設定できないという問題があっ
た。
【0012】そこで、本発明は、回路のIC化によって
不可避的に生じてしまう寄生ダイオードの導通等に起因
する動作不良を防止しつつ距離対振幅特性の傾きを大き
くでき、もって移動距離の小さい、或いは小型の被検出
体でも安定的に検出することができる高周波発振形近接
センサを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明では、検出コイルを含んだLC共振
回路を備え、そのLC共振回路の振幅電圧をレベルシフ
トして電圧電流変換し、その振幅電圧に応じた電流を前
記LC共振回路に帰還させることで発振を持続させる発
振回路と、前記検出コイルへの金属体の接近に伴う前記
発振回路の振幅電圧の変化を検出してそれに応じてスイ
ッチング信号を出力する発振状態検出回路と、そのスイ
ッチング信号に基づいてオンオフ動作を行う出力回路と
を備えた高周波発振形近接センサであって、少なくとも
前記発振回路がIC化されたものにおいて、前記発振回
路における発振の振幅電圧が前記ICのトランジスタの
pn接合の順方向電圧以下の所定値を超えて変化するよ
うに電流の帰還率が設定された状態において、発振回路
の発振の振幅電圧が所定値より大きくなったことを検出
して検出信号を出力する誤差検出回路と、誤差検出回路
から検出信号を受けたことを条件にLC共振回路に帰還
させる電流を抑制する帰還電流制限回路を設けたとこ
ろに特徴を有する。
【0014】また、請求項2の発明は、請求項1のもの
において、前記発振回路はカレントミラー回路を備え、
そのカレントミラー回路の一方のトランジスタからLC
共振回路に電流を帰還させると共に、他方のトランジス
タにエミッタフォロワ接続のトランジスタを直列に接続
しており、前記帰還電流制限回路が、前記エミッタフォ
ロワ接続のトランジスタのエミッタ電位を制御する構成
としたところに特徴を有する
【0015】
【発明の作用・効果】本発明によれば、発振回路におけ
る発振の振幅電圧がICを構成するトランジスタのpn
接合の順方向電圧以下の所定値を超えて変化しようとす
ると、帰還電流制限回路がLC共振回路に帰還させる電
流を抑制するように機能するから、共振回路が発生する
振幅の大きさをIC回路に不都合を生じさせない範囲の
所定値に納めることが可能である。しかも、本発明のよ
うに、その値をトランジスタのpn接合の順方向電圧を
目安にそれを少し下回る値に選んでおけば、常温から高
温に至るまで、寄生ダイオードを導通させるような過大
な負の振幅は生じない。従って、その不都合が生ずるの
を防ぐために振幅傾度設定手段やゲイン調整手段を距離
対振幅の傾きが小さくなるように設定しておく必要がな
く、これらが大きくなるように設定することによって、
金属体が近接するもしくは遠ざかるに伴う振幅の変化を
大きい割合で変化させることができるので、センサの距
離とのヒステリシスが(例えば2.5〜4.0%程度まで)小
さくなる。この結果、センサの動作距離と復帰距離の違
いがその分少なく改善される効果があり、それだけ移動
距離の短い金属体や微小物体の検出が可能となる。
【0016】また出力線が2線式のセンサにおいては、
振幅の負の成分による障害がもたらす漏れ電流の増大が
なくなるから、基板に組込む前のゲイン調整用抵抗体R
1の設定が自由になり、検出可能な距離をより広く自由
に設定して組込める効果がある。
【0017】また、アンプ部分離形センサのように、基
板に組み込み後も調整可能なゲイン調整抵抗体R1を有
するセンサにおいては、振幅の負の成分によるIC回路
への影響が存在しなくなるため、アンプ部を製造コスト
の安いICで製作することができ、使用者は安価なアン
プ部分離形センサを使って自由に近い距離を設定できる
効果がある。
【0018】
【発明の実施の形態】<第1実施形態>以下、本発明の
第1実施形態について図1及び図5を参照して説明す
る。図1中、10は発振回路であって、検出コイル11
及びコンデンサ12からなるLC共振回路13に、カレ
ントミラー回路のTr1から正帰還電流Ipfb を供給して
発振を持続させるようになっている。カレントミラー回
路の他方のトランジスタTr2には、ゲイン調整用抵抗R
1 を備えてエミッタフォロワ型に構成したトランジスタ
Tr3が直列接続されており、そのエミッタ電位(ゲイン
調整用抵抗R1 の電位)に応じて正帰還電流Ipfb が制
御される。
【0019】一方、電流源14がダイオード接続された
トランジスタTr4を介して前記LC共振回路13に接続
され、そのトランジスタTr4のベース・コレクタがトラ
ンジスタTr3のベースに接続されている。これにより、
LC共振回路13の発振振幅VoscはトランジスタTr4
のVBE分だけレベルシフトされてトランジスタTr1のベ
ースに入力され、そのコレクタ電流Ic に応じてカレン
トミラー回路の作用によって、帰還電流IpfbがLC共
振回路13に正帰還される。なお、LC共振回路13及
びゲイン調節用抵抗R1 を除く上述の回路は、後述する
諸回路とともに同一のサブストレート上にIC化されて
おり、正の単一電源によって動作する。
【0020】上記発振回路10には帰還電流Ipfb の帰
還率を決定する帰還率設定手段としての抵抗R3 が設け
られており、これによって発振振幅Vosc に対する帰還
電流の大きさが決定され、金属体の検出コイル11への
接近及び離間に伴う発振振幅Vosc の変化度合いを示す
振幅傾度が定まる。
【0021】トランジスタTr4のベース・コレクタは検
波積分回路15に接続され、ここからの出力信号が比較
回路16にて基準値設定回路17の基準値と比較され
る。これらは発振状態検出回路18を構成するもので、
発振回路10の発振振幅Voscが設定されたオンレベル
を下回ったときに図示しない出力回路にオン信号を出力
し、オフレベルを上回ったときにオフ信号を出力するよ
うになっている。
【0022】さて、前記検波積分回路15の出力は誤差
検出回路19にも与えられる。この誤差検出回路19は
差動増幅器により構成されており、その反転入力端子
(-)に検波積分回路15の出力信号が与えられると共
に、非反転入力端子(+)にはVmax設定回路20からの設
定値Vmax が与えられ、その差分に応じた信号が帰還電
流制限回路21に与えられる。ここで、設定値Vmax
は、発振振幅Vosc の負の成分によってIC回路に不都
合を生じさせない範囲で、かつ、温度の影響を考慮した
最大値に選ばれ、具体的には次のように決定されてい
る。
【0023】一般に、ICのサブストレートとトランジ
スタのコレクタとの間に形成されてしまう寄生ダイオー
ドDpとトランジスタTr4のベース・エミッタの経路
は、発振振幅Vosc が−2VBEより負方向に大となった
ときに導通するが、周囲温度が高いと寄生ダイオードD
p とトランジスタのpn接合の順方向電圧が低下するた
め、そのほぼ1/2に近い振幅でも導通する場合があ
る。そこで、前記順方向電圧を目安とし、その値の半分
である−VBE(−0.6V)下回る程度の値を選び、誤
差検出回路19での設定値Vmax を、発振振幅Vosc が
−0.6Vとなったときの検波積分回路15の出力信号
と等しくなるように設定しているのである。
【0024】帰還電流制限回路21は、pnp形のトラ
ンジスタTr5のエミッタを正の電源ラインに接続すると
共に、コレクタを発振回路10のトランジスタTr3のエ
ミッタに接続し、ベースをダイオードD5 を介して誤差
検出回路19の出力端子に接続して構成されており、誤
差検出回路19からの信号に応じた大きさのバイアス電
流Id をコレクタから発振回路10のゲイン調節用抵抗
R1 に流し込む機能を有する。
【0025】本実施形態の作用は次のようである。発振
回路10において発振が持続されているとき、検出コイ
ル11に金属製の被検出体が接近すると、そのコンダク
タンスが変化するために発振振幅Vosc が小さくなる。
すると、検波積分回路15の出力レベルも低下すること
になり、それが比較回路16にて基準値設定回路17の
基準値と比較され、設定されたオンレベルを下回ったと
きにオン信号が出力される。また、被検出体が検出コイ
ル11から離れると発振振幅Vosc が大きくなり、その
結果、検波積分回路15の出力レベルが設定されたオフ
レベルを上回ったときにオフ信号が出力される。
【0026】ところで、例えば微小物体の検出等のため
に距離対振幅特性の傾きを大きく設定しようとすると、
従来では図6の曲線Bに示すように、被検出体が近くに
存在しない場合の発振振幅Vosc が過剰に大きくなり、
それがために寄生ダイオードDp が導通して動作不良を
発生させることは、既に従来技術の問題点として指摘し
た通りである。これに対して本実施例では、発振回路1
0の発振振幅Vosc が大きくなって検波積分回路15の
出力電圧が予め設定したVmax を上回るようになると、
その差分に相当するバイアス電流Id がトランジスタT
r5からゲイン調節用抵抗R1 に流し込まれ、トランジス
タTr3のエミッタ電位が上昇するために、そのコレクタ
電流Ic が減少する。すなわち、トランジスタTr3のコ
レクタ電流Ic は、トランジスタTr3の入力電圧をVi
、そのベース・エミッタ間電圧をVBE、ゲイン調節用
抵抗R1 の抵抗値をR1 で表すと次式で表され、直流バ
イアス電流Id の大きさに従って小さくなるのである。
【0027】Ic ={(Vi −VBE)/R1 }−Id
【0028】この結果、発振回路10の発振振幅Vosc
が異常に大きくなり始めると、直ちにLC共振回路13
へ供給される帰還電流Ipfb が抑えられることになるの
で、誤差検出回路19で比較される振幅信号値と設定値
Vmax との差が無くなるように発振振幅Vosc が抑えら
れ、結局、発振振幅Vosc は図5に示すように所定の値
Vosc-maxにクランプされることになる。これにて、発
振振幅Vosc が異常に大きくなることがなく、ICのサ
ブストレートとトランジスタとの間に形成されている寄
生ダイオードDp が導通してしまうことがなくなる。従
って、発振振幅Vosc の過大化による寄生ダイオードD
p の導通を気にすることなく距離対振幅特性の傾きを大
きく設定でき、もって、移動距離の小さな物体や、微小
物体の検出も可能になるという優れた効果が得られる。
なお、この実施形態では、ゲイン調節用抵抗R1 の一方
を接地ラインに接続する構成であるから、後述のそうで
ない例に比べてIC回路の抵抗体接続用のパッド(図1
中で白丸印にて表してある)を少なくできるという利点
がある。
【0029】<第2実施形態>図2は本発明の第2実施
形態を示す。前記第1実施形態と同一部分には同一符号
を付して重複する説明は省略し、異なるところのみを説
明する。すなわち、発振回路10のゲイン調整用抵抗R
1 と接地ラインとの間にnpn形の電流制限トランジス
タTr6を設け、そのベースに前記第1実施例と同様な誤
差検出回路19の出力端子を接続して帰還電流制限回路
22を構成してある。
【0030】この実施形態によれば、発振回路10の発
振振幅Vosc が大きくなると検波積分回路15の出力電
圧とVmax 設定回路20との差が反転されて電流制限ト
ランジスタTr6のベースに与えられる。従って、発振振
幅Vosc が十分に小さい場合には、トランジスタTr6の
ベース電流が十分に流れてLC共振回路13への帰還電
流Ipfb が十分に供給されるが、発振振幅Vosc が設定
値よりも大きくなると、電流制限トランジスタTr6のベ
ース電流が抑えられるので、そのトランジスタTr6のコ
レクタ電流すなわちトランジスタTr3のエミッタ電流を
制限することになってLC共振回路13へ供給される帰
還電流Ipfb が抑えられる。この結果、第1実施形態と
同様に、発振振幅Vosc が異常に大きくなることがな
く、寄生ダイオードDp の導通を防止して、移動距離の
小さな物体や微小物体の検出も可能になるという効果が
得られる。
【0031】なお、この実施形態では、トランジスタT
r3のエミッタ側に作用して帰還電流Ipbf を制限する構
成であるから、後述のカレントミラー回路の電流を吸引
する構成や発振回路から直接に振幅信号を取り出したり
する構成に比べて、LC共振回路のキャパシタンスやコ
ンダクタンスへの影響が極めて少なく、発振動作を安定
化できるという利点がある。
【0032】<第3実施形態>図3は本発明の第3実施
形態を示す。前記第1実施形態と同一部分には同一符号
を付して重複する説明は省略し、異なるところのみを説
明する。前記第1実施例とは入力側の極性を逆にした誤
差検出回路23が設けられ、その出力端子をダイオード
D6 を介してnpn形の電流吸引トランジスタTr7のベ
ースに接続してある。そのトランジスタTr7のコレクタ
は発振回路10のカレントミラー回路を構成するトラン
ジスタTr1のエミッタに接続してあり、トランジスタT
r7のエミッタは接地ラインに接続して電流吸引形の帰還
電流制限回路24を構成してある。
【0033】この構成とすると、発振回路10の発振振
幅Vosc が大きくなると検波積分回路15の出力電圧と
Vmax 設定回路20との差に相当する電圧が電流吸引ト
ランジスタTr7のベースに与えられる。従って、発振振
幅Vosc が十分に小さい場合には、トランジスタTr7の
ベース電流は流れずにカレントミラー回路のトランジス
タTr1から電流は吸引されずにLC共振回路13への帰
還電流Ipfb が十分に供給されるが、発振振幅Vosc が
設定値よりも大きくなると、電流吸引トランジスタTr7
のベース電流が流れ始めるので、カレントミラー回路の
抵抗R3 に流れる電流を吸引することになり、その抵抗
R3 における電圧降下が増大し、トランジスタTr1のベ
ース・エミッタ間電位が減少してLC共振回路13へ供
給される帰還電流Ipfb が抑えられる。この結果、第1
実施形態と同様に、発振振幅Vosc が異常に大きくなる
ことがなく、寄生ダイオードDp の導通を防止して、移
動距離の小さな物体や微小物体の検出も可能になるとい
う効果が得られる。
【0034】なお、第1ないし第3の各実施形態では、
検波積分回路15から振幅信号を誤差検出回路19に入
力させるものであるから、発振回路から専用の交直変換
回路を介して振幅信号を取り出す例に比べて誤差検出回
路19に信号を与えるまでの回路構成が簡素となるとい
う利点がある。
【0035】<他の実施形態>本発明は上記記述及び図
面によって説明した実施の形態に限定されるものではな
く、例えば次のような実施の形態も本発明の技術的範囲
に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲
内で種々変更して実施することができる。
【0036】(1)本発明は、二線式センサに適用する
こともでき、その場合の回路図は図4に示すようにな
る。このタイプでは、出力回路30が負荷31と電源3
2との間に直列接続されるが、その出力回路30にオン
オフ信号を与えるための回路構成は前記第1ないし第3
の各実施形態のいずれの構成を利用してもよい。また、
図4に示すような直流二線式に限らず、交流二線式であ
っても良いことは勿論である。
【0037】(2)上記各実施形態では、発振回路10
の発振振幅を検波積分回路15から取り出すようにした
が、これに限らず、発振回路から交直変換回路と平滑回
路とを介して振幅信号を取り出すようにしてもよい。
【0038】(3)本発明は、ゲイン調整用抵抗R1 の
抵抗値がIC回路の基板に組み込まれる前に調整される
アンプ部内蔵形センサおよび組込み後に調整可とするア
ンプ分離形センサのいずれにおいても実施可能である。
【0039】(4)上記各実施形態では、アンプ部全体
がIC化されている例で示したが、上記IC回路に不都
合を生ずる振幅の負の成分はもっぱら発振回路において
生ずるので、発振回路だけがIC化されているセンサや
発振回路を含むアンプの一部がIC化されたセンサにお
いても本発明は有効である。
【0040】(5)また、以上の実施形態では振幅制限
手段として誤差検出回路と帰還電流制限回路を設ける例
を示したが、これに限らず、電圧差を検出してその差分
に応じて電流を供給または吸引する任意の回路が使用可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す回路図
【図2】本発明の第2実施形態を示す回路図
【図3】本発明の第3実施形態を示す回路図
【図4】本発明の他の実施形態を示す回路図
【図5】本発明の各実施形態における発振回路の距離対
振幅特性を示すグラフ
【図6】従来例における発振回路の距離対振幅特性を示
すグラフ
【図7】従来例を示す回路図
【符号の説明】
10…発振回路 11…検出コイル 13…LC共振回路 15…検波積分回路 16…比較回路 18…発振状態検出回路 19…誤差検出回路 21,22,24…帰還電流制限回路

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出コイルを含んだLC共振回路を備
    え、そのLC共振回路の振幅電圧をレベルシフトして電
    圧電流変換し、その振幅電圧に応じた電流を前記LC共
    振回路に帰還させることで発振を持続させる発振回路
    と、前記検出コイルへの金属体の接近に伴う前記発振回
    路の振幅電圧の変化を検出してそれに応じてスイッチン
    グ信号を出力する発振状態検出回路と、そのスイッチン
    グ信号に基づいてオンオフ動作を行う出力回路とを備え
    た高周波発振形近接センサであって、少なくとも前記発
    振回路がIC化されたものにおいて、 前記発振回路における発振の振幅電圧が前記ICのトラ
    ンジスタのpn接合の順方向電圧以下の所定値を超えて
    変化するように電流の帰還率が設定された状態におい
    て、前記発振回路の発振の振幅電圧が前記所定値より大きく
    なったことを検出して検出信号を出力する誤差検出回路
    と、前記誤差検出回路から前記検出信号を受けたことを
    条件に 前記LC共振回路に帰還させる電流を抑制する帰
    還電流制限回路を設けたことを特徴とする高周波発振
    形近接センサ。
  2. 【請求項2】 前記発振回路はカレントミラー回路を備
    え、そのカレントミラー回路の一方のトランジスタから
    前記LC共振回路に電流を帰還させると共に、他方のト
    ランジスタにエミッタフォロワ接続のトランジスタを直
    列に接続し、前記帰還電流制限回路は前記エミッタフォ
    ロワ接続のトランジスタのエミッタ電位を制御する構成
    であることを特徴とする請求項1記載の高周波発振形近
    接センサ。
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