JP3379235B2 - 磁石ロータ - Google Patents

磁石ロータ

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JP3379235B2
JP3379235B2 JP20945194A JP20945194A JP3379235B2 JP 3379235 B2 JP3379235 B2 JP 3379235B2 JP 20945194 A JP20945194 A JP 20945194A JP 20945194 A JP20945194 A JP 20945194A JP 3379235 B2 JP3379235 B2 JP 3379235B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転体の回転速度を磁
気により計測する磁気式回転センサの磁石ロータに関す
る。
【0002】
【従来の技術】図10はこの種の磁石ロータの従来例を
示すものであり、例えば、特開昭63−26533号公
報に開示されている。図10において、磁石ロータ61
は、磁石62と補強用金属リング63とを備える。磁石
62は合成樹脂内に磁性材料を分散させた樹脂磁石であ
り、周方向に沿ってS極,N極が交互に着磁されてい
る。64は補強用金属リング63の内周面であり、この
内周面64を用いて磁石ロータ61が回転部品の外周面
に圧入嵌装される。磁石62のS極とN極によって、そ
の周辺空間にもれ磁束が磁極と同じ数だけ発生する。こ
のもれ磁束は、回転部品に取り付けられた磁石ロータ6
1の外周部に隣接して設けられた磁気ピックアップで計
測されて、回転部品の回転速度が計測される。
【0003】例えば、自動車のアンチロックブレーキシ
ステムの車輪速センサでは、磁石ロータ61は車輪スピ
ンドルに設けられたホイールハブに圧入される。この
時、磁石ロータ61はブレーキパッドに近接した位置に
取り付けられ、120〜150℃程度の高温環境にさら
されるので、磁石62は減磁して磁石ロータ61からの
もれ磁束が減少し、車輪速センサの性能に影響する。そ
のため、磁石62をフル着磁する必要があるが、磁石6
2に近接して配置された着磁器の着磁コイルには、磁石
62に含まれる磁性材料の保磁力(Hc)より大きな磁
界を発生させるために、15A程度の大電流を流すこと
ができる太さのコイルが必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】磁石62にS極,N極
を交互に多極着磁させる場合、着磁ピッチ間隔は着磁器
の着磁コイルのピッチ間隔と略同一であるため、太いコ
イルを使用すると、着磁ピッチ間隔は最小でも2.5m
m程度のものしか得られなかった。そのため、磁石62
の外周径が小さい場合、例えば、外周径が40mmの場
合は、その外周面に多極着磁させるとS極,N極が各2
5極の50極着磁程度が限界であった。
【0005】本発明の目的は、周期的もれ磁束のピッチ
が小さい磁石ロータを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】実施例を示す図5に対応
付けて説明すると、請求項1の発明の磁石ロータは、リ
ング状に形成されて厚み方向に着磁された磁石1と、磁
石1の外周側および内周側のいずれかに漏れる磁束を周
方向に周期的に形成する磁性材料から成る磁束形成部材
4とを具備することにより、上述の目的を達成する。図
1に対応付けて説明すると、請求項1の発明の磁石ロー
タは、リング状に形成されて厚み方向に着磁された磁石
1と、磁石1の外周側および内周側のいずれかに漏れる
磁束を周方向に周期的に形成する磁性材料から成る磁束
形成部材とを具備し、磁束形成部材は、磁性材料から成
り磁石1を保持する磁石支持体2となし、磁石支持体2
は、磁石1の外周面と接する外周保持板22および磁石
1の内周面と接して外周保持板22との間に磁石保持部
25を形成する内周保持板23を備え、外周保持板22
の周方向に周期的に切欠き21を設けたことにより上述
の目的を達成する。図4に対応付けて説明すると、請求
項2の発明の磁石ロータは、リング状に形成されて厚み
方向に着磁された磁石1と、磁石1の外周側および内周
側のいずれかに漏れる磁束を周方向に周期的に形成する
磁性材料から成る磁束形成部材とを具備し、磁束形成部
材は、磁性材料から成り磁石1を保持する磁石支持体2
Aとなし、磁石支持体2Aは、磁石1の外周面と接する
外周保持板22Aおよび磁石1の内周面と接して外周保
持板22Aとの間に磁石保持部25を形成する内周保持
板23Aを備え、内周保持板23Aの周方向に周期的に
切欠き21Aを設けたことにより上述の目的を達成す
る。図1および図7に対応付けて説明すると、請求項3
の発明の磁石ロータのように、磁石1は、複数のリング
形状磁石体11,12をそれぞれ同一の磁極同士が互い
に向い合うように重ねて接合して成るようにしてもよ
い。
【0007】
【作用】請求項1の発明の磁石ロータでは、外周保持板
22は、磁石1のN極から出た磁束線27を外周保持板
22内に集め磁石1のS極に送って、磁石1の外周側に
漏れる磁束を周方向に周期的に形成する。請求項2の発
明の磁石ロータでは、内周保持板23Aは、磁石1のN
極から出た磁束線30を内周保持板23A内に集め磁石
1のS極に送って、磁石1の内周側に漏れる磁束を周方
向に周期的に形成する。請求項3の発明の磁石ロータで
は、複数のリング形状磁石体11,12をそれぞれ同一
の磁極同士が互いに向い合うように重ねて接合して、接
合面付近の磁束線50,51の方向をそれぞれ接合面に
関して略平行にし、磁石の側面方向のもれ磁束を大きく
する。
【0008】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段と作用の項では、本発明を分かり易
くするために実施例の図を用いたが、これにより本発明
が実施例に限定されるものではない。
【0009】
【実施例】以下、図1〜図9を参照して本発明の実施例
を説明する。 −第1実施例− 図1は、本発明に係る磁石ロータの第1実施例を示す図
であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のAA’断面
図である。1はリング形状の磁石であり、上面がS極で
下面がN極となるように磁石の厚み方向に着磁されてい
る。磁石1は、フェライトのような酸化物磁性体磁石
や、磁性材料と合成樹脂とを複合化させたボンド磁石等
で形成される。2は磁性材料からなる磁石支持体であ
り、複数の切欠き21が周方向に周期的に設けられた外
周保持板22と、内周保持板23とを備える。磁石1
は、外周保持板22と内周保持板23との間に形成され
る磁石保持部25に保持され、外周保持板22の上端の
折り曲げ部24により磁石1の上面をかしめて固定され
る。なお、内周保持板23の内周面を不図示の回転シャ
フトや回転ハブに嵌装して磁石ロータが取り付けられ
る。
【0010】図2により磁石ロータの製作手順の一例を
説明する。図2(a)において、円板状の磁石支持体素
材2’の中心部には円形状の孔20を、磁石支持体素材
2’の周辺部には同一形状で同一ピッチを有する切欠き
21’をそれぞれ切断プレス加工によって形成する。図
2(b)において、深絞り曲げプレス加工によって、切
欠き21と外周保持板22と内周保持板23とを形成し
て、外周保持板22と内周保持板23との間に磁石保持
部25を形成する。その後、再度絞り加工を行い、内周
保持板23の内周面をしまりばめや中間ばめ等の嵌合が
可能なように寸法精度を向上させるとともに、外周保持
板22の垂直度の精度を向上させて磁石支持体2を形成
する。次いで図2(c)のように、厚み方向に着磁され
たリング形状磁石1を磁石保持部25に配置した後、図
2(d)に示すように、外周保持板22の折り曲げ部2
4をかしめ、磁石支持体2の保持部25に固定して磁石
ロータが完成する。なお、この製作方法では、磁石支持
体素材2’の板厚を0.4〜0.5mmとするのが好ま
しく、また、外周保持板22内を磁束が通り易いように
透磁率の大きい磁性材料を用いるのが好ましい。
【0011】図3により磁石ロータのもれ磁束の様子に
ついて説明する。図3(a)において、厚み方向に着磁
された磁石1の外周側にもれる磁束は磁束線26として
示している。なお、本実施例では、リング形状の磁石1
の外周側にもれる磁束に着目しており、その他のもれ磁
束の説明は省略する。
【0012】磁石1のN極を出た磁束線26は、磁石1
の外側の空間を通りS極に入る。図3(b)のように磁
石1を磁性材料から成る磁石支持体2で保持すると、外
周保持板22が形成されている(立っている)部分で
は、N極を出た磁束線27は外周保持板22内を通りS
極に入る。一方、切欠き21の部分では、N極から磁石
支持体2内に出た磁束線28は、一旦、磁石ロータの外
周側の空間に漏れ出てからS極に入る。図3(c)は磁
石ロータの側面図であり、x1〜x7は外周保持板22の
位置を示し、y1〜y7は切欠き21の位置を示す。図3
(d)は、図3(c)の空間位置E(磁石ロータの軸に
直交する平面上において、軸から等しい距離にある位
置:×印で示す)におけるもれ磁束の大きさを示す図で
ある。横軸は周方向の位置を、縦軸はその位置でのもれ
磁束の大きさをそれぞれ表わしており、磁石ロータの外
周側の空間には、切欠き21の周期に対応する位置y1
〜y7に磁束の大きさのピークを有するもれ磁束が形成
される。
【0013】磁石ロータは、内周保持板23(図2)の
内周面を用いて回転部品に取り付けられる。磁石ロータ
の外周側の空間には切欠き21の周期に対応して周期的
もれ磁束が切欠き21と同数形成されるため、磁石ロー
タの外周部に隣接して設けられた磁気ピックアップによ
り回転部品の回転速度が計測される。磁石支持体2の材
料として0.4mmの薄板を用いた場合、切欠き21同
士の間隔は薄板の厚さ程度にすることができ、着磁器に
より多極着磁したときの極数よりも多数の周期的もれ磁
束を形成することができる。本実施例では、磁石支持体
2の加工例として深絞りプレス加工を用いたが、他の加
工方法を用いてもよく、薄板の厚さについても0.4〜
0.5mmに限定されない。また、折り曲げ部24をか
しめることにより磁石1を磁石支持体2に固定したが、
接着剤等を用いて磁石1を接着固定してもよい。
【0014】−第2実施例− 図4は、本発明に係る磁石ロータの第2実施例を示す図
であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のBB’断面
図である。図4において、図1と共通部分には同一の符
号を付ける。磁性材料からなる磁石支持体2Aは、複数
の切欠き21Aが周方向に周期的に設けられた内周保持
板23Aと、外周保持板22Aとを備える。リング形状
の磁石1は、外周保持板22Aと内周保持板23Aとの
間に形成される磁石保持部25に保持され、内周保持板
23Aの上端の折り曲げ部29により磁石1の上面をか
しめて固定される。なお、外周保持板22Aの外周面を
不図示の回転体に嵌装して磁石ロータが取り付けられ
る。
【0015】本実施例では、リング形状の磁石1の内周
側にもれる磁束に着目しており、その他のもれ磁束の説
明は省略する。図4(b)に示すように、内周保持板2
3Aが形成される(立上がる)部分では、磁石1のN極
を出た磁束線30は内周保持板23A内を通りS極に入
る。一方、切欠き21Aの部分では、N極から磁石支持
体2A内に出た磁束線31は、一旦、磁石ロータの内周
側の空間に漏れ出てからS極に入る。
【0016】磁石ロータは、外周保持板22Aの外周面
を用いて回転部品に取り付けられる。磁石ロータの内周
側の空間には、切欠き21Aの周期に対応して周期的も
れ磁束が切欠き21Aと同数形成されて、磁石ロータの
内周部に隣接して設けられた磁気ピックアップにより回
転部品の回転速度が計測される。なお、磁石支持体2A
は第1実施例と同様の方法で製作され、折り曲げ部29
をかしめることにより磁石1を磁石支持体2Aに固定し
たが、接着剤等を用いて磁石1を接着固定してもよい。
【0017】−第3実施例− 図5は、本発明に係る磁石ロータの第3実施例を示す図
であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のCC’断面
図である。図5において、図1と共通部分には同一の符
号を付ける。内周保持板23Bを備える磁石支持体2B
には、リング形状の磁石1が接着剤等により取り付けら
れる。なお、本実施例において、磁石支持体2Bは、磁
性材料および非磁性材料のいずれの材料で形成してもよ
い。4は磁性材料から成る磁束形成部材であり、折り曲
げ部41および42をかしめて磁石1の外周面に装着さ
れる。磁束形成部材4において、磁石1の外周面に沿っ
て複数の同一形状の側面部43および同数の同一形状の
切欠き44が交互に設けられている。磁石ロータは、内
周保持板23の内周面を用いて回転部品に取り付けられ
る。
【0018】本実施例では、リング形状の磁石1の外周
側にもれる磁束に着目しており、その他のもれ磁束の説
明は省略する。図5(b)に示すように、側面部43の
ある部分では、磁石1のN極を出た磁束線45は側面部
43内を通りS極に入る。一方、切欠き44の部分で
は、N極から磁石支持体2B内に出た磁束線46は、一
旦、磁石ロータの外周側の空間に漏れ出てからS極に入
る。よって、磁石ロータの外周側の空間には、切欠き4
4の周期に対応して周期的もれ磁束が切欠き44と同数
形成される。
【0019】なお、本実施例では、磁性材料から成る磁
束形成部材4の磁石1の外周面に位置する部分に側面部
43および切欠き44を交互に設けて周期的もれ磁束を
形成したが、磁石1の外周面に磁性材料部と非磁性材料
部を交互に配した磁束形成部材によっても周期的もれ磁
束を形成できる。
【0020】−第4実施例− 図6は、本発明に係る磁石ロータの第4実施例を示す図
であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のDD’断面
図である。図6において、図5と共通部分には同一の符
号を付ける。外周保持板22Cを備える磁石支持体2C
には、リング形状の磁石1が接着剤等により取り付けら
れる。側面部43,44を備えた第3実施例と同様の磁
束形成部材4Aは、磁石1の内周面に装着される。磁石
ロータは、外周保持板22Cの外周面を用いて回転部品
に取り付けられる。
【0021】本実施例では第3実施例とは逆に、リング
形状の磁石1の内周側にもれる磁束に着目しており、そ
の他のもれ磁束の説明は省略する。図6(b)に示すよ
うに、側面部43Aのある部分では、磁石1のN極を出
た磁束線47は側面部43A内を通りS極に入る。一
方、切欠き44Aの部分では、N極から磁石支持体2C
内に出た磁束線48は、一旦、磁石ロータの内周側の空
間に漏れ出てからS極に入る。よって、磁石ロータの内
周側の空間には、切欠き44Aの周期に対応して周期的
もれ磁束が切欠き44Aと同数形成される。
【0022】−第5実施例− 図7は、本発明に係る磁石ロータの第5実施例を示す図
であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のFF’断面
図である。図7において、図1と共通部分には同一の符
号を付ける。本実施例の磁石ロータでは、2つのリング
形状磁石体を用いる。リング形状磁石体以外の部分につ
いては第1実施例と同様であり、説明を省略する。厚み
方向に着磁された同一形状のリング形状磁石体11およ
び12は、N極同士が互いに向い合うように重ねて接合
される。この接合された2つの磁石体は、磁石支持体2
Dの外周保持板22Dと内周保持板23Dとの間に形成
される磁石保持部25に保持され、外周保持板22Dの
上端の折り曲げ部24Dによりリング形状磁石体11の
上面をかしめて固定される。
【0023】図8を用いて、N極同士が接合されたリン
グ形状磁石体11および12により形成されるもれ磁束
について説明する。なお、本実施例では、リング形状磁
石体の外周側にもれる磁束に着目しており、その他のも
れ磁束の説明は省略する。図8(a)には、リング形状
磁石体11が単体で存在する時の磁束線49の様子を示
す。N極から出た磁束線49は、リング形状磁石体11
の外周側の空間を通りS極に入る。図8(b)のよう
に、リング形状磁石体11および12のN極同士を向い
合せて接合した場合、反発するN極同士が接しているた
め、リング形状磁石体11のN極から出た磁束線50は
2つのリング形状磁石体11,12の接合面に沿って進
み、磁束線49よりもリング形状磁石体11から離れた
空間を大きく廻り込んでリング形状磁石体11のS極に
入る。リング形状磁石体12の磁束線51は接合面に関
して磁束線50と対称である。図8(b)のリング形状
磁石体11,12を磁石支持体2Dに固定したものが図
8(c)である。外周保持板22Dが形成される(立上
がる)部分では、リング形状磁石体11のN極を出た磁
束線52は、外周保持板22D内を通ってリング形状磁
石体11のS極に入り、同様に、リング形状磁石体12
のN極を出た磁束線53は、外周保持板22D内を通っ
てS極に入る。切欠き21の部分では、リング形状磁石
体11のN極を接合面に沿って出た磁束線54は、磁束
線50と同様にリング形状磁石体11の外周側の空間を
大きく廻り込んでリング形状磁石体11のS極に入る。
リング形状磁石体12のN極を出た磁束線55は、磁束
線54と同様にリング形状磁石体12の外周側の空間を
大きく廻り込んだ後、磁石支持体2Dを通過してN極に
入る。このようにして、第1実施例と同様に磁石ロータ
の周方向に周期的もれ磁束が形成される。
【0024】本実施例の磁石ロータのように、2つのリ
ング形状磁石体の同極同士を向い合せて接合した磁石を
用いると、磁石が1つのリング形状磁石体から成る磁石
ロータに比べより遠くの空間までも磁束が漏れるため、
同じ位置での磁束の大きさも大きくなる。例えば、異方
性のストロンチウムフェライト磁石の場合、1つのリン
グ形状磁石体では磁石表面から2mm離れた位置で70
ガウス程度であるが、本実施例の磁石では100ガウス
程度まで大きくなる。また、同様の条件で等方性のネオ
ジウム・ボロン・鉄磁石の場合を比較すると、150ガ
ウス程度であったものが220ガウス程度まで大きくな
る。
【0025】なお、本実施例ではリング形状磁石体を2
つ用いているが、3つ以上用いてもよい。さらに、磁束
形成部材として周方向に周期的に切欠きが設けられた外
周保持板を用いているが、第2実施例のように周方向に
周期的に切欠きが設けられた内周保持板を用いてもよ
く、また、第3実施例および第4実施例のように磁束形
成部材と磁石支持体とが別体であってもよい。
【0026】−第5実施例の変形例− 図9は、第5実施例の変形例を示す図である。第5実施
例では2つのリング形状磁石体の接合面は平面であった
が、本実施例ではリング形状磁石体13の接合面側の形
状は凹状で、リング形状磁石体14の接合面側の形状は
凸状であり、この凹状部分と凸状部分とが嵌合されて接
合される。13Aは凹状部分の側面部、14Aは凸状部
の側面部である。磁石ロータを構成するその他の部分に
ついては、第5実施例と同様であり説明を省略する。
【0027】2つの磁石を同極同士を向い合せて接合す
る場合、互いの磁石がわずかでも横方向にずれると磁石
には接合面と平行方向の力が加わるが、本実施例では凹
状部分の側面部13Aと凸状部分の側面部14Aとによ
り接合時の横ずれを防止することができ、磁石接合時の
作業性が向上すると共に、位置決め性も良くなり磁石の
接合性をより確実なものとする。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
厚み方向に着磁されたリング形状の磁石と、周方向に所
定のピッチに形成された切欠きを有する薄板の磁束形成
部材を用いたので、従来の多極着磁によるもれ磁束のピ
ッチより小さなもれ磁束ピッチを形成することができ
る。特に請求項3の発明のように、複数のリング形状磁
石体の同極同士を向い合せて接合した磁石を用いた磁石
ロータでは、磁石が1つのリング形状磁石体で成る磁石
ロータに比べて空間へのもれ磁束が大きくなるため、磁
気式回転センサの性能が向上するとともに、磁石ロータ
が高温環境にさらされて減磁しても充分なもれ磁束を有
することができる。さらに、本発明では、リング形状の
磁石として厚み方向に着磁した2極着磁磁石を用いるた
め、従来の多極着磁磁石の着磁器のようなコアが不要と
なり、磁石製作のコストを低減することができる。ま
た、着磁器のコアにコイルを巻き付ける時のようにスペ
ースの制限が無いので、充分太いコイルを用いて容易に
フル着磁が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁石ロータの第1実施例を示す図であ
り、(a)は斜視図、(b)は(a)のAA’断面図で
ある。
【図2】図1に示す磁石ロータの製作手順を説明する図
である。
【図3】図1に示す磁石ロータのもれ磁束を説明する図
である。
【図4】本発明の磁石ロータの第2実施例を示す図であ
り、(a)は斜視図、(b)は(a)のBB’断面図で
ある。
【図5】本発明の磁石ロータの第3実施例を示す図であ
り、(a)は斜視図、(b)は(a)のCC’断面図で
ある。
【図6】本発明の磁石ロータの第4実施例を示す図であ
り、(a)は斜視図、(b)は(a)のDD’断面図で
ある。
【図7】本発明の磁石ロータの第5実施例を示す図であ
り、(a)は斜視図、(b)は(a)のFF’断面図で
ある。
【図8】図7に示す磁石ロータのもれ磁束を説明する図
である。
【図9】本発明の磁石ロータの第5実施例の変形例を示
す断面図である。
【図10】従来の磁石ロータを示す斜視図。
【符号の説明】
1 磁石 11,12,13,14 リング形状磁石体 2,2A,2B,2C,2D 磁石支持体 4,4A 磁束形成部材 21,21D,21’,21A,44,44A 切欠き 22,22A,22C,22D 外周保持板 23,23A,23B,23D 内周保持板 25 磁石保持部 43,43A 側面部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01D 5/00 - 5/62 G01B 7/00 - 7/34 G01P 1/00 - 3/80

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リング状に形成されて厚み方向に着磁さ
    れた磁石と、 その磁石の外周側および内周側のいずれかに漏れる磁束
    を周方向に周期的に形成する磁性材料から成る磁束形成
    部材とを具備し、 前記磁束形成部材は、磁性材料から成り前記磁石を保持
    する磁石支持体となし、この磁石支持体は、前記磁石の
    外周面と接する外周保持板および前記磁石の内周面と接
    して前記外周保持板との間に磁石保持部を形成する内周
    保持板を備え、前記外周保持板の周方向に周期的に切欠
    きを設けて成ることを特徴とする磁石ロータ。
  2. 【請求項2】 リング状に形成されて厚み方向に着磁さ
    れた磁石と、 その磁石の外周側および内周側のいずれかに漏れる磁束
    を周方向に周期的に形成する磁性材料から成る磁束形成
    部材とを具備し、 前記磁束形成部材は、磁性材料から成り前記磁石を保持
    する磁石支持体となし、この磁石支持体は、前記磁石の
    外周面と接する外周保持板および前記磁石の内周面と接
    して前記外周保持板との間に磁石保持部を形成する内周
    保持板を備え、前記内周保持板の周方向に周期的に切欠
    きを設けて成ることを特徴とする磁石ロータ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2 に記載の磁石ロータに
    おいて、 前記磁石は、複数のリング形状磁石体をそれぞれ同一の
    磁極同士が互いに向い合うように重ねて接合して成るこ
    とを特徴とする磁石ロータ。
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