JP2000346673A - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

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JP2000346673A
JP2000346673A JP11162367A JP16236799A JP2000346673A JP 2000346673 A JP2000346673 A JP 2000346673A JP 11162367 A JP11162367 A JP 11162367A JP 16236799 A JP16236799 A JP 16236799A JP 2000346673 A JP2000346673 A JP 2000346673A
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poles
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magnetized
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
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    • F16C41/007Encoders, e.g. parts with a plurality of alternating magnetic poles
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    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/02Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、新たなスペースを確保せずに、検出
器及び被検出体を軸受内に収め、軸受の組込みスペース
のコンパクトさ、軸受のシール性能が共に、通常の軸受
と同等の機能をもつ回転パルス検出機能を有する転がり
軸受を提供する。 【解決手段】本発明の転がり軸受は、内輪1に取り付く
センサー用磁石10を、焼結磁石でなく、円周状にN極
とS極が交互に着磁、あるいはN極とS極と極無し又は
S極とN極と極無しが交互に着磁されたボンド磁石から
構成し、そのセンサーを外輪2で支持されるシール板3
より軌道面側に取り付け、そのシール板3と対向する面
を内輪1とすることにより、ボンド磁石がもつ占有面積
が小さいという特徴を活用して、磁気センサー11を設
置する軸受空間のスペースが広げ、限られた狭い軸受空
間にリード線を除くセンサー11、センサー用磁石10
が、通常の軸受と変わらずに収められるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】、本発明は、回転する回転側
軌道輪とこれに組合う固定側軌道輪とが相対的に回転す
るときに、回転角度に比例した電気的パルスが発生する
ようにした転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】転がり軸受には、回転パルス検出機能を
付加した軸受がある。
【0003】こうした転がり軸受には、例えば特開平6
−81833号に示されているような回転側軌道輪に被
検出体としてトーンホールと称する櫛歯状に加工した環
状の磁性体又は磁石を環状に製作しその磁石にNS交互
の着磁をしてなる環状の通常の永久磁石(焼結磁石より
なる)を取付け、これと対向するよう固定側軌道輪(回
転側軌道輪と組合う軌道輪)と隣接して外側に磁束密度
の変化を検出するホール素子等の磁気センサー(検出
器)を設置して、磁気センサーから回転側軌道輪の回転
角度に比例した電気的パルス(以下、回転パルスとい
う)が発生されるようにした構造が用いられていた。
【0004】またこの他、特開平5−69463号に示
されるような回転側軌道輪と固定側軌道輪間を覆うシー
ル部材にNS交互の着磁を施し、固定側に磁気センサー
を設置して、回転パルスを検出する構造も用いられてい
た。
【0005】しかしながら、前者の転がり軸受だと、ト
ーンホイールあるいは着磁された永久磁石は、かなり占
有面積を占める大きな焼結部品なので、同部品を取付け
るためには軸受内部あるいは軸受に隣接した部位にトー
ンホイールあるいは永久磁石を設置するためのスペース
を確保しておくことが求められる。この設置スペースを
確保するために通常の転がり軸受では、軸受寸法を軸方
向に伸ばすという変更が強いられる。
【0006】また後者の転がり軸受だと、磁石が取り付
く位置は、回転側軌道輪に固定されるシール部材に依存
するため、一般的には外輪が回転側となる場合だけの使
用に限られてしまう。
【0007】そこで、近時、特開平7−197938号
に開示されているような技術が提案されている。
【0008】同技術は、回転側軌道体に設置する永久磁
石(焼結磁石)の大きさを小さくできないことを鑑み
て、同永久磁石自体がシール部材の他端部と接するシー
ル面をなす形状にして、シール部材でシールを行うのに
必要とされていたスペースも永久磁石が占有するスペー
スの一部として含めて、大きな永久磁石を軸受に内蔵さ
せる技術である。
【0009】具体的には、回転側軌道体に設置される永
久磁石としては、中段から基部側を厚み寸法が外側に次
第に増すような三角形状の断面形状を有した環状の永久
磁石が用いられ、これを基部斜面がシール部材と交わる
地点に配置して回転側軌道輪の肩部に取り付け、この永
久磁石の基部斜面に対して固定側軌道輪から延びてくる
シール部材の他端部を接触させてシールすることによ
り、シール面を永久磁石自身に形成する分、大きな焼結
磁石が軸受内に収められるようにしてある。これだと、
シール部材に磁気センサー(検出器)を設置して、回転
パルスを検出するので、先のシール部材に着磁を施した
ときのような制約はない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、永久磁石に
は焼結磁石を用いているので、これでも軸受の寸法が通
常よりも大きくなることがある。
【0011】しかも、こうした永久磁石にシール部材を
接触させてシールする構造だと、磁気センサーとは反対
側で行なわれるシール部材のシール構造とは異なってし
まう。すなわち、磁気センサーとは反対側では、固定側
軌道輪から延びたシール部材の他端部は、通常、回転側
軌道輪と接してシールしている。このため、軸受の左右
において摩擦特性が異なり、どうしても軸受のシール特
性が両側で異なってしまう。このため、同構造を採用す
ると、バランスの採れた軸受のシール特性を確保するた
めに、軸受の左右で異なる設計が求められる。
【0012】また磁気センサーと反対側は、従来通りの
接触式で、磁気センサー側はシール部材の他端部を非接
触式とした構造も考えられるが、やはり上記と同様、軸
受の左右でシールを別設計で行うことが求められる。し
かも、異なる構造の組み合せは、軸受のシール性能の劣
化が懸念される上、軸受の生産性が悪くなる要素ともな
り、コスト高をきたしやすい。
【0013】回転パルス検出機能付き軸受は、こうした
通常の軸受を機器に組込むスペースより大きくなった
り、軸受のコストの上昇や軸受性能の低下をきたしたり
することなどのために、普及することが阻害されてい
る。
【0014】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、新たなスペースを確保す
ることなく、リード線を除く検出器および被検出体を軸
受内に収め、軸受の組み込みスペースのコンパクトさ、
および軸受のシール性能が共に、通常の軸受と同等の機
能を有する転がり軸受を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載した転がり軸受は、回転側軌道輪に取
り付く被検出体を、焼結磁石でなく、円周状にN極とS
極が交互に着磁、あるいはN極とS極と極無し又はS極
とN極と極無しが交互に着磁されたボンド磁石から構成
し、その被検出体を固定側軌道輪と回転側軌道輪間を覆
うシール部材又はシールド部材より軌道面側に取り付
け、そのシール部材又はシールド部材の他端部と対向す
る面を回転側軌道輪とすることにより、通常の軸受寸
法、シール構造を変更せずに、回転パルスを発生させる
被検出体、検出器を組込んだ軸受を実現するようにし
た。
【0016】すなわち、ボンド磁石を用いることによ
り、被検出体の断面占有面積は小さく、検出器を設置す
る軸受空間のスペースが広げられるので、限られた軸受
空間にリード線を除く検出器、被検出体を配置すること
ができ、通常の軸受(センサー無しの軸受)と同じ程度
にコンパクトとなる。しかも、通常の軸受と同様、シー
ル部材又はシールド部材の他端部と対向する面が回転側
軌道輪となるので、通常の軸受と同等のシール機能が確
保される。
【0017】具体的には、ボンド磁石には、ゴムマグネ
ット、プラスチックマグネット等があり、これらの磁石
は、従来の焼結磁石に比べ、 a.軽い。 b.割れ・欠けが生じにくい。 c.機械
的二次加工が容易。
【0018】d.薄肉・複雑な形状が可能。 e.射出
成形による大量生産性に優れる。
【0019】f.磁力調整が容易。 g.磁気特性のば
らつきが少ない。という特徴がある。
【0020】このため、被検出体は、焼結磁石に比べ格
段に小型化した部品となり、同部品を利用して軸受空間
スペースが広げられ、被検出体をシール部材又はシール
ド部材の内側で回転側軌道輪に取付けても、通常の軸受
のようにシール部材又はシールド部材の他端部と対向面
が回転側軌道輪となる転がり軸受が実現されるようにな
る。
【0021】しかも、ボンド磁石だと、センサー用磁石
として要求される性能、さらには取付けの容易性、耐久
性の大、量産性の大など多くの性能をもつので、小型で
ありながら、必要な性能は充分に確保される。さらに述
べれば、センサー用磁石で最も重要される精度は、磁気
特性のばらつきが小さく、磁力調整が容易であるという
特徴により、充分に満足する。また取付性の点は、焼結
磁石だと、脆いので回転側軌道輪への取付けは難しい
が、ボンド磁石だと回転側軌道輪への取付けは容易であ
る。しかも、焼結磁石だと、回転中に生じる温度上昇や
遠心力で発生する引っ張り応力により割れやすいが、ボ
ンド磁石は、比重が小さく遠心力による影響が少ない
上、弾性があるので多少の歪みが生じても弾性限度内で
吸収するので、取付後の破損の心配はない。さらに低コ
ストでの量産が可能なので、センサー用磁石としては充
分な性能がもたらせられる。
【0022】そのうえ、円周状にN極、S極、極なし又
はS極、N極、極無しが交互に着磁されたボンド磁石を
用いることにより、1つのセンサーだけで、回転方向の
識別が行なえる。
【0023】好ましくは、軸受内のボンド磁石は、同磁
石の外周面と検出器の検出部とが対向(周対向)するよ
うに設置するのが望ましい。このように設置すると、シ
ール部材に、固定側軌道輪に取り付けるときに外側に向
かうモーメントが作用しても、ボンド磁石と検出器間の
距離(隙間)が小さくなる方向に検出器が変位するよう
になるので、同距離が大きくなるを原因とした信号の検
出エラーが発生せずにすむ。しかも、ボンド磁石は、通
常の焼結磁石より密度が小さいため、回転中の遠心力に
よる膨張が小さく、焼結磁石のときのような膨張による
検出器との間の距離が小さくなり過ぎたり、検出器と接
触したりすることが未然に回避される。またこうしたこ
とにより、ボンド磁石の周面と検出器とは安定して小隙
間に保てるから、小隙間が要求されるような着磁ピッチ
の細かい被検出体でも回転パルスの検出が行なえる。し
かも、着磁は、回転側軌道輪に着磁前の被検出体を回転
側軌道輪に取り付けた後、被検出体の外周面に対して行
なうことが望ましい。このように取付後、着磁を行なう
ようにすると、着磁装置の取り外しに伴う着磁性能の劣
化が防止される。また球状の転動体を用いた転がり軸受
では、ボンド磁石および検出器を含めた高さが、転動体
中心からの距離より内側に配置されるように設定するこ
とが望ましい。このようにすると、転動体の中央の出っ
張りを避けて、軸受の幅方向中央寄りの空間を利用して
中側で検出器の設置が行なえるので、軸受幅が広くなる
ことが防げる。また回転側軌道体と固定側軌道体との間
で転動する転動体を保持する保持器として、転動体中心
に対し、幅方向の厚さ寸法が異なる保持器を用いて、被
検出体が取り付く軌道輪側が幅寸法の小さい側となるよ
うに組み付ける構造が望ましく、このようにすると、被
検出体が中側へ設置しやすくなる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図1ないし図7に
示す第1の実施形態にもとづいて説明する。
【0025】図1は、本発明を適用した転がり軸受、例
えば深溝玉軸受を示している。図中1は内輪、2は同内
輪1の外周側に配置された外輪、3は両輪間を覆うシー
ル部材、例えば薄板で環状に形成された一対のシール板
である。そして、内輪1の外周面に形成された環状の凹
面よりなる軌道面1aと、これに向き合うよう外輪2の
内周面に形成された環状の凹面よりなる軌道面2aとの
間には、保持器、例えば冠型保持器4で環状に配置され
た複数の転動体、例えば複数の球5が転動自在に介装し
てある。また外輪2の肩部内側には、周方向に沿って環
状の凹溝6(係合溝)が形成されている。この凹溝6
は、シール板3の組付性を考慮して、開口が外側に向く
ように形成されている。そして。この外向きの凹溝6と
シール板3の外周端部とが係合して、軸受両側にそれぞ
れシール板3を取り付けている。具体的には、シール板
3は、断面がL字状に形成されていて、短辺部には係止
部、例えば爪部6aが形成してある。またこの爪部6a
の中心から外側の長辺部で、両輪間を覆う支柱部6bを
形成している。そして、このシール板3を直径方向に弾
性変形させて爪部6aを凹溝6に係合させることによっ
て、支柱部6bを内外輪間の開口を遮る位置で固定させ
ている。これにより、内外輪両側にシール板3が取り付
けてある。この取付けにより、シール板3の内周側の端
部は、内輪1の肩部と対向するように配置される。そし
て、この対向面間が、シール構造でシールされ、軸受の
内部空間をシールしている。本実施形態では、シール構
造として、例えば内輪1の肩部に周方向に沿って凹溝8
aを形成し、同凹溝8a内に支柱部6bの先端に形成し
てある環状のシール突起8bを挿入配置させてなるラビ
リンスシール8(被接触式のシール)を用いている。
【0026】この構造から、例えば内径φ25mm、外
径φ52mm、幅15mmといった寸法をもつ、内輪2
を回転側軌道輪とし、外輪3固定側軌道輪とした深溝玉
軸受を構成している。
【0027】こうした玉軸受に回転パルス検出機能が組
み付けてある。
【0028】この回転パルス検出機能は、シール板3よ
り軌道面側の内輪部分、具体的には冠型保持器4がある
側とは反対側の内輪2の肩部に、被検出体として、外周
面にN極とS極とが交互に着磁されたセンサー用磁石1
0を取り付け、同じ側にあるシール板3の内面に、磁束
変化を検出する磁気センサーとしてホール素子11(検
出器)を装着して形成される。
【0029】このうちセンサー用磁石10には、図2に
も示されるように例えば円環状に成形され、外周面にN
極とS極とが交互に着磁されたボンド磁石、例えばNd
(ネオジム)系ボンド磁石が用いられている。
【0030】そして、このボンド磁石がもつ占有面積が
小さい特徴を利用して、新たなスペースを確保すること
なく、センサー用磁石10およびホール素子11の軸受
空間内への組付けを実現している。
【0031】すなわち、ボンド磁石は、従来の焼結磁石
に比べ、 a.軽い。 b.割れ・欠けが生じにくい。 c.機械
的二次加工が容易。
【0032】d.薄肉・複雑な形状が可能。 e.射出
成形による大量生産性に優れる。
【0033】f.磁力調整が容易。 g.磁気特性のば
らつきが少ない。という特徴がある。
【0034】この特徴により、ボンド磁石で構成される
センサー用磁石10は、焼結磁石で形成されるセンサー
用磁石に比べ格段に小型化した部品となる。例えば本実
施形態で用いられるNd系ボンド磁石は、幅が約1.5
mm、肉厚が約0.75mmといった小型化の円環状部
品となる。このボンド磁石が内輪1の肩部に嵌まり、狭
い軸受空間内に余裕でボンド磁石全体を収めてある。
【0035】ホール素子11は、ホール素子11の検出
部がボンド磁石の外周面(着磁面)と近接対向するよう
シール板3に取付ける構造が用いられている。これによ
り、ボンド磁石の周面と対向するホ−ル素子11から回
転パルスの検出が行なえるようにしてある。
【0036】こうしたボンド磁石とホール素子11とを
周面対向で組合わせると、ボンド磁石の採用で広げたボ
ンド磁石の直上の空間、すなわち軸受の直径方向のスペ
ースを活用して、効率良く、狭い軸受空間内に、リード
線11aを除くホール素子全体が収められるようにな
る。具体的には、例えば大きさが約2mmx3mmx
1.5mmのホール素子11が用いられる場合、同ホー
ル素子11は、所定の隙間、例えば約0.35mmの隙
間で、ボンド磁石の周面と対向するように軸受内部に組
み付けられるようになった。
【0037】特に図1に示されるようにボンド磁石およ
びホール素子11を含めた高さH1が、球5の中心から
の距離H2より内側に配置されるように設定することに
より、球5の中央の出っ張りを避けて、軸受の幅方向中
央寄りの空間を利用して軸受の中側へホール素子11の
設置が行なえるようになるので、ホール素子11の設置
によって軸受幅が広くなることが防げる。また冠型保持
器4として、図1に示されるように球4の中心に対し、
半幅方向の厚さ寸法が異なる保持器を用いて、ボンド磁
石が取り付く内輪1が幅寸法の小さい側となるように組
み付けると、ボンド磁石は設置しやすい。
【0038】よって、軸受寸法、シール構造を変更する
ことなくセンサー用磁石10、ホール素子11は、通常
の大きさの軸受に内蔵させることができ、通常の深溝玉
軸受と同じ、軸受の組み込みスペースのコンパクトさ、
さらには軸受のシール特性をもつ回転パルス検出機能付
き転がり軸受が実現できる。もちろん、この回転パルス
検出機能が付いた深溝玉軸受は、通常の軸受と同様、内
輪1が回転すると、磁極の変化に伴いホール素子11か
ら内輪1の回転角度に比例した回転パルスが出力され
る。そして、この出力が、ホール素子11につながる増
幅器(図示しない)を介して例えば約3Vの電圧でパル
ス状に出力され、この出力から軸受の回転位置検出が行
なわれるようになる。
【0039】しかも、シール構造は左右共、同じシール
面の設計が行なえるので、コストの低減化も図れる。
【0040】そのうえ、センサー用磁石10にボンド磁
石を採用したことにより、センサー用磁石として要求さ
れる性能、さらには取付けの容易性、耐久性の大、量産
性の大など多くの性能をもつので、小型な磁石でありな
がら、必要な性能は充分に確保できる。
【0041】すなわち、センサー用磁石10で最も重要
とされる精度は、ボンド磁石がもつ磁気特性のばらつき
が小さく、磁力調整が容易であるという特徴により、充
分に満足する。また取付性の点は、焼結磁石だと、脆い
ので内輪1(回転側軌道輪)への取付けは難しいが、ボ
ンド磁石だと、脆性材料でないので、内輪1への取付け
は容易である。しかも、焼結磁石だと、回転中に生じる
温度上昇や遠心力で発生する引っ張り応力により割れや
すいが、ボンド磁石は、比重が小さく遠心力による影響
が少ない上、弾性があるので多少の歪みが生じても弾性
限度内で吸収するので、取付後の破損の心配はない。さ
らに生産性の点を見ても、ボンド磁石は低コストでの量
産が可能なので、センサー用磁石10としては充分な性
能が確保できる。
【0042】またシール板3に、ボンド磁石と周面対向
するホール素子11を組み付けたことにより、シール板
3の取付け時に作用するモーメントの影響が回避され
る。
【0043】すなわち、シール板3を取付ける外輪2の
凹溝6は、組付性を考慮して、外向きに形成してあるこ
とが多い。このとき、シール板3の組み付けは、直径方
向に弾性変形させながら爪部6aを凹溝6に係合させる
ことにより行なわれるが、シール板3の支柱部6bは爪
部6aの中心から外側(軸方向)にあるので、組み付け
時に発生するシール板3の反力を受けて、モーメント作
用により図1中の矢印で示されるように支柱部6b全体
が爪部6を支点として外側へ開く方向に変位する。この
とき、従来に見られるような被検出体と検出器とを軸受
の軸心方向に対向させて組み付ける、いわゆる平面対向
の組み合せだと、支柱部5bの変位で、被検出体と検出
器との距離が大きくなり、信号の検出エラーが発生しや
すくなるが、軸受の直径方向でボンド磁石(被検出体)
とホール素子11(検出器)を対向させる構造(周面対
向)だと、逆に支柱部5の変位で、ボンド磁石とホール
素子の距離が小さくなるので、シール板3の変位を要因
とした信号の検出エラーが発生せずにすむようになる。
なお、このシール板3が変位して隙間が小さくなっても
良好なシール効果が保てるよう、本実施形態ではラビリ
ンスシール8を採用してある。
【0044】しかも、通常の焼結磁石だと、密度が大き
いために、回転中の遠心力による膨張が大きく、その膨
張する分だけ軸方向に縮むので、先のような平面対向の
組み合せだと、シール板3の変位で被検出体と検出器と
の距離が大きくなる傾向に加えて焼結磁石が軸方向に縮
み、被検出体と検出器との距離が相乗的に離れ、一層、
信号の検出のエラーが発生しやすくなるが、ボンド磁石
は、通常の焼結磁石より密度が小さいため、回転中の遠
心力による膨張は小さいので、上記周面対向によりホー
ル素子11との距離が縮んでも、ホール素子11(検出
器)との間の距離が小さくなり過ぎたり、検出器と接触
したりすることが回避される。そのうえ、ホール素子1
1との初期隙間の設定は容易(初期隙間の設定範囲を広
くとるだけ)である。
【0045】またこうした利点により、ボンド磁石の周
面とホール素子11とは安定して小隙間に保てるから、
小隙間が要求されるような着磁ピッチの細かい多極着磁
磁石を被検出体として用いても回転パルスの検出を行な
うことができる。
【0046】すなわち、図3に示されるように多極着磁
磁石を被検出体として磁束密度の変化を検出器で検出す
る場合、図中の矢印で示す磁力線の流れからわかるよう
に隣の磁極へ向かう磁力線の範囲δ内に検出器を置くこ
とが求められる。ここで、同範囲δは、図4(a)〜
(c)に示されるように着磁ピッチが広い程、大きく
(δ1)、着磁ピッチが狭くなる程、小さく(δ3)な
る。つまり、着磁ピッチに比例する。特に回転時の測定
信号の精度を上げるには、図3(c)に示されるように
磁極の数を多くして分解能を良くする。このとき、磁極
ピッチは小さくなるので、ホール素子11(検出器)と
ボンド磁石(被検出体)との隙間を小さくする必要があ
る。
【0047】このとき、従来に見られるような被検出体
と検出器とを軸受の軸心方向に対向させる平面対向の組
み合せだと、シール板3の取付け時の変形や遠心力によ
る被検出体の縮みにより隙間が大きくなる傾向にある
が、先に述べたようにボンド磁石の採用、ボンド磁石と
ホール素子11(検出器)とを円周対向で配置する構造
の採用により、同隙間を小さく管理できる。これによ
り、約1.7mm間隔でN極、S極が交互に各32極着
磁されている被検出体でも回転パルスを検出でき、容易
に高い分解能を有する軸受が実現できる。
【0048】また、周面に着磁するボンド磁石だと、従
来に見られるような平面対向の磁石では困難であった、
内輪1に着磁前の磁石母材(磁性体)を組み付け後、同
母材の円周方向着磁を行なうという、つぎに述べるよう
な新たな着磁装置、着磁方法も採用できる。
【0049】すなわち、従来、平面対向で設置される磁
石に着磁を施すときは、磁石の平面形状と対応する円板
状の鉄心を用いた着磁ヨーク(1極毎にエネナメル線を
巻き、その後、固めて作られるもの)が用いられてい
る。この着磁ヨークは、隣合う極ごとにそれぞれエナメ
ル線の巻く方向を逆にすることにより磁極を変化させて
あり、着磁を施すときは、同着磁ヨークに、着磁前の円
板状の磁石母材をセットし、この母材を着磁ヨークとで
挟むようにヨークをセットしてから、着磁ヨークへ電源
を投入することにより、磁石母材の平面に、N−S−N
−S−…となるように着磁する方法が用いられている。
【0050】ところが、これだと、着磁前の磁石母材を
内輪(回転側軌道輪)に取付けてから、同母材に着磁を
することは難しい。
【0051】そこで、対象を周対向の磁石に変え、内輪
1(回転側軌道輪)に磁化前の磁石母材を取付けてか
ら、同母材の周面に着磁する磁石の着磁装置、同じく着
磁方法を開発した。
【0052】同着磁装置の構造が図5〜図7に示されて
いる。図5中20は着磁ヨークである。着磁ヨーク20
は、円筒状に形成されていて、一端側の開口部には着磁
ワーク(着磁しようとする物体)が入出可能なワークセ
ット部21が形成してある。このワークセット部21の
周面が嵌まる開口縁部には、図6に拡大して示されるよ
うに着磁するN極とS極の極数に応じて着磁用コイル2
2が組み付けられていて、ワークセット部21に嵌まる
着磁ワークの外周面に対して着磁を施せる構造にしてあ
る。
【0053】そして、内輪1に取り付けた磁化前の環状
のセンサー用磁石10(ボンド磁石)に着磁を施すとき
は、図7に示されるように内輪1に付いている磁化前の
センサー用磁石10の周りに、着磁ヨーク20のワーク
セット部21を嵌めて、着磁ヨーク20の着磁面とセン
サー用磁石10の外周面とが対向するように位置決めし
てから、着磁ヨークへ電源を投入すれば、内輪1自身が
ヨークとして働いて、図2に示されるようにセンサー用
磁石10の外周面にN−S−N−S−…となる着磁を行
なうことができる。
【0054】しかも、磁石は、着磁後、ヨークを取り外
すことにより磁気特性が低下するが、こうした着磁前の
状態で内輪1(回転側軌道輪)に取り付けた後、着磁す
る方法だと、ヨークとして働く内輪1が着磁前から着磁
を終えた後もセンサー用磁石10と一体のままなので、
着磁時の取り外しによる着磁性能の劣化なく、磁石の磁
気特性の低下を防ぐことができ、優れた磁気特性のセン
サー用磁石10が得られる。
【0055】むろん、内輪1(回転側軌道輪)に、直
接、母材(磁性体)を成形してから、その後で同母材に
着磁を行ってセンサー用磁石10を形成してもよい。も
ちろん、着磁装置で、内輪1に嵌め込まれる前に磁石に
着磁することもできる。
【0056】なお、第1の実施形態は、内径φ25m
m、外径φ52mmの深溝玉軸受の例であるが、軸受寸
法は内径φ10mm程度からφ100mm程度までの広
い範囲で適用可能である。また被検出体を構成する磁石
もNd系ボンド磁石に限らず、アルコニ系、フェライト
系、希土類コバルト系等の他の磁石でも良い。被検出体
の大きさも幅約1.5mm、肉厚約0.75mmに限ら
ず、軸受の寸法に応じて幅約1mm〜15mm、肉厚約
0.5mm〜5mmの間で設定すればよい。また検出器
は、ホール素子の他、ホールICでもよく、大きさも
1.5mmx2mmx1mm〜20mmx30mmx1
5mmまでの範囲が一般的に想定され、形状も直方体だ
けでなく円柱状、その他の形状でもよい。また被検出体
との隙間は0.2mm〜0.7mmの範囲が望ましく、
出力電圧は増幅器により通常0〜5Vの範囲に入るよう
に設定すればよい。
【0057】図8は、本発明の第2の実施形態を示す。
【0058】本実施形態は、ラビリンスシールでなく、
接触式シールの軸受に本発明を適用したものである。
【0059】具体的には、シール構造には、内輪1の両
肩部に周方向に沿って円弧状の切欠部25を形成し、シ
ール板3の下端に切欠部25に対して弾性的に押し付け
られるリップ部26を形成して構成してあり、この軸受
の内輪1の肩部にボンド磁石で構成されたセンサー用磁
石10が取り付け、シール板3にセンサー用磁石10の
周面と対向するようにほぼL形にホール素子11を取り
付けたものである。
【0060】図9は、本発明の第3の実施形態を示す。
【0061】本実施形態は、第2の実施形態の変形例
で、平坦な肩部にシール板3の下端に形成されている接
触シール部27を接触させてシールする構造に用い、シ
ール板3に、センサー用磁石10の周面と対向するよ
う、細径軸状のホール素子11を取り付けるようにした
ものである。
【0062】図10は、本発明の第4の実施形態を示
す。
【0063】本実施形態は、内輪1の肩部を、周方向に
沿って切り欠いて、その環状の切欠部30内に、肩部と
同じ面(面一)となるように、ボンド磁石で構成された
センサー用磁石10を埋め込んだものである。この場合
も、磁化前の磁石を取り付けてから、後で着磁するよう
にしている。
【0064】このようにすれば、センサー用磁石10お
よびホール素子11を含めた高さH1は、一層、球5の
中心からの距離H2より内側に配置されるので、ホール
素子11の設置によって、より軸受幅が広くなることを
防ぐことができる。
【0065】図11〜図15は、本発明の第5の実施形
態を示す。
【0066】本実施形態は、N極、S極、極無しが交互
に着磁されたボンド磁石でセンサー用磁石10(被検出
体)を構成して、1つのセンサーで、軸受の回転方向の
識別が行えるようにしたものである。
【0067】すなわち、回転している軸受の回転速度の
検出は、回転側にN極、S極を交互に配置した被検出体
を配置し、固定側に磁束の変化を検出するセンサー(検
出器)を配置することで検出されるが、これだと、回転
パルスを取り出すことはできても、回転方向が時計方向
か反時計方向かの判別はできない。
【0068】つまり、軸受の回転に伴い、着磁磁化が移
動する場合の波形を、N極を検出した場合を正とした正
弦波を検出するように回路で変換して表すと、図14に
示されるようにN極を検出するときは正の正弦波形が現
れ、S極を検出するときは負の正弦波形が現れるだけ
で、同波形からは回転方向の判別が行えない。なお、こ
のときのN極とS極の両方を通過したときを、着磁ピッ
チ1サイクルと定義すると、この位相角が360°とな
り、正弦波の出力0から最大又は最小のピークが表れる
位相は90°、すなわち着磁ピッチ/4のときとなる。
【0069】そこで、このような回転方向の判別が求め
られるときは、2つのセンサーを用いて、同センサーで
検出した矩形波、又は正弦波の2相(A相、B相)を検
出し、同2相の信号の進み遅れから回転方向を判断する
ことが考えられる。具体的には、図15(a)に示され
るように2つのセンサーを「着磁ピッチの整数倍+1/
4着磁ピッチ」離して設置しておくことにより、図15
(b),(c)に示されるように1個のセンサーが0を
検出するとき、もう1個のセンサーは必ず最大値か最小
値を検出するので、軸受の回転方向が判別できる。つま
り、A相が負から正になるとき、B相が正か負かによっ
て軸受の回転方向が判別される。むろん、A相とB相の
間隔が、着磁ピッチの1倍、0.5倍であると、2個の
センサーからの情報では回転方向が決定できない。
【0070】ところが、これだと、2つのセンサーを
「着磁ピッチの整数倍+1/4着磁ピッチ」で離してお
くことが求められるが、これが技術的に難しく、回転方
向の検出が可能な軸受の量産には適していない。
【0071】本実施形態は、こうしたことに鑑み、1個
のセンサーだけで、軸受の回転方向の判別が行えるよ
う、図11に示されるようにN極、S極、極無しの順で
交互に着磁(ほぼ一定ピッチ)された、ボンド磁石で構
成されたセンサー用磁石10を用いた。
【0072】回転方向の判別に必要な回路としては、例
えば図11に示されるように検出器となる1個のホール
素子11に前置増幅器35を接続し、この前置増幅器3
5に対し、波形整形して一定回転角度毎に回転パルスを
出力させる波形整形回路36と、回転方向を弁別して回
転方向信号を出力する回転方向検出回路37とを並列に
接続して、2系統に分ける構造が用いてある。また回転
方向検出回路37には、例えばホール素子11からの信
号を微分波形する微分機能、同微分波形から回転方向を
判別する判別機能が設けてある。
【0073】こうした回路において、今、例えば軸が正
回転(時計方向)するとする。すると、軸受の回転に伴
い、図12(a)のセンサー用軸受10が移動し、ホー
ル素子11からは、N極、S極、極無しの検出にしたが
い、前置増幅器35によって一定のレベルまで増幅した
信号、すなわち図12(b)に示されるような磁束密度
に比例した電圧の信号が出力される。
【0074】このとき、検出すべき磁極がN極ならば、
例えばプラスの出力電圧が出力され、S極ならばマイナ
スの出力電圧が出力され、極無しなら出力は0となる。
【0075】そして、この信号が微分機能で微分される
と、図12(c)に示されるように正方向にパルスが2
個続けて出力され、つぎに負方向のパルスが1個出力さ
れる微分波形となる。
【0076】ここで、軸受が反対に回転しているなら
ば、逆に図13(c)に示されるように負方向にパルス
が2個続けて出力され、つぎに正方向のパルスが1個出
力される微分波形となる。
【0077】これにより、判別機能によって、微分波形
において正方向にパルスが2個続けて出力されてからつ
ぎに負方向のパルスが1個出力されたことが検出される
と、軸受が時計方向に回転していると判別され、反対に
微分波形において負方向にパルスが2個続けて出力され
てからつぎに正方向のパルスが1個出力されたことが検
出されると、軸受が反時計方向に回転していると判別さ
れる。
【0078】しかも、絶対値微分波形を絶対値で検波す
る検波機能により処理することにより、図12(d),
図13(d)に示されるように必要な回転パルスの検出
が行える。
【0079】つまり、N極、S極、極無しを交互に着磁
することにより、簡単に1つのセンサーで、回転パルス
の検出と回転方向の判別が可能となる。
【0080】なお、環状の磁性体に極無しを形成するこ
とが困難なときは、図16に示す第6の実施形態のよう
に環状のボンド磁石のうち、極無しに相当する外周部分
に凹加工を施して、0着磁とみなされるまで、センサー
と着磁面との距離を長くするか、同部分を予めセンサか
ら着磁面までの距離を長くしておき、センサーでN極も
S極も検出しないようにする。つまり、0信号となるよ
うにすればよい。むろん、図17に示す第7の実施形態
のように内輪1に磁石を形成する際、極無しとする部分
に磁石母材を形成しない、あるいはその部分を取り去る
などの加工を行った後、N極、S極の着磁を行って、N
極、S極、極無しを形成してもよい。
【0081】こうしたN極、S極、極無しを用いて、1
つのセンサーで回転方向を判別する技術は、図18に示
す第8の実施形態に示されるようにセンサー用磁石10
の側面にホール素子11(センサー)を対向(平面対
向)させて、回転パルスを検出可能転がり軸受にも適用
できる。
【0082】もちろん、順番を変えて、S極、N極、極
無しの順で交互に着磁するようにしても同様に1つのセ
ンサーで回転方向の判別が行えることはいうまでもな
い。
【0083】なお、上述した各実施形態において、第1
の実施形態と同じ部分には同一符号を付してその説明を
省略した。
【0084】また本発明は、深溝玉軸受を基に説明した
が、アンギュラ軸受等の玉軸受および球面ころ軸受等の
転動体が球面を有する軸受に同じように適用できるもの
である。また円すいころ軸受の場合にも保持器をテーパ
形状として大径側を連続する端面とすることにより同じ
構造が可能である。複列の軸受の場合は中央部に保持器
を配置して両端面に保持器がでない構造とすることがで
きるので、円筒ころ軸受、円すいころ軸受、アンギュラ
玉軸受、深溝玉軸受等のいずれも軸受にも適用できる。
むろん、いずれの軸受にも、保持器の連続する側と逆の
軸受端面側の内輪は肩部を有しているので、その肩部に
被検出体を取り付ければよい。もちろん、内輪が回転側
軌道輪、外輪が固定側軌道輪となる軸受だけでなく、内
輪が固定側軌道輪、外輪が回転側軌道輪となる軸受にも
本発明を適用できる。またシール部材の代わりにシール
ド部材をもつ軸受では、シールド部材に被検出体を設け
られば、上述した実施形態と同様の効果を奏する。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の発
明によれば、被検出体をボンド磁石から構成することに
よって、同ボンド磁石がもつ特徴を活用して、軸受内
に、新たなスペースを確保せずに、リード線を除く検出
器および被検出体を収めることができる上、軸受の組み
込みスペースのコンパクトさ、および軸受のシール性能
が共に、通常の軸受と同等の機能をもつ転がり軸受をす
ることが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る転がり軸受を示
す半断面図。
【図2】同軸受の被検出体が付いた内輪を示す斜視図。
【図3】その被検出体に形成してある各極の磁力線の流
れを示す図。
【図4】その磁力線が作用する領域が、着磁される極の
着磁ピッチにしたがって変化することを説明するための
図。
【図5】同被検出体に着磁を施すのに用いられる着磁ヨ
ークの外観を示す斜視図。
【図6】その着磁ヨークの一部コイル周辺を拡大して示
す平面図。
【図7】同着磁ヨークに、被検出体を内輪に取り付けて
着磁する時の状態を説明するための平面図。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る転がり軸受を示
す半断面図。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る転がり軸受を示
す半断面図。
【図10】本発明の第4の実施形態に係る転がり軸受を
示す半断面図。
【図11】本発明の第5の実施形態に係る転がり軸受
を、1つのセンサーで回転方向を判別する回路と共に示
す図。
【図12】同回路で、軸が正回転したときに検出される
パルス信号を説明するための図。
【図13】同じく軸が逆回転したときに検出されるパル
ス信号を説明するための図。
【図14】センサーが出力する信号を説明するための
図。
【図15】2つのセンサーで回転方向を判別する方法を
説明するための図。
【図16】本発明の第6の実施形態の要部となる着磁の
仕方を説明するための平面図。
【図17】本発明の第7の実施形態の要部となる着磁の
仕方を説明するための平面図。
【図18】本発明の第8の実施形態の要部となる被検出
体、検出器の設置構造を示す一部断面した斜視図。
【符号の説明】
1…内輪(回転側軌道輪) 2…外輪(固定側軌道輪) 3…シール板(シール部材) 4…保持器 5…球(転動体) 6…凹溝 6a…爪部(係止部) 6b…支柱部 8…ラビリンスシール(シール部) 10…センサー用磁石(ボンド磁石で構成された被検出
体)) 11…ホール素子(検出器) 11a…リード線 20…着磁ヨーク 22…着磁用コイル。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転する回転側軌道輪と、前記軌道輪と
    組合う固定側軌道輪と、前記回転側軌道輪に設けられた
    複数着磁されてなる被検出体と、前記固定側軌道輪に一
    端部が支持されて該固定側軌道輪から前記回転側軌道輪
    間を覆うように配置されるシール部材又はシールド部材
    と、前記シール部材又はシールド部材に装着され前記被
    検出体の磁束変化を検出する検出器とを具備し、 前記被検出体を円周状にN極とS極が交互に着磁、ある
    いはN極とS極と極無し又はS極とN極と極無しが交互
    に着磁されたボンド磁石から構成し、 その被検出体を前記シール部材又はシールド部材より軌
    道面側に取り付け、前記シール部材又はシールド部材の
    他端部と対向する面を前記回転側軌道輪としてなること
    を特徴とする転がり軸受。
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