JP3378947B2 - タフテッド人工芝生 - Google Patents

タフテッド人工芝生

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JP3378947B2
JP3378947B2 JP04470393A JP4470393A JP3378947B2 JP 3378947 B2 JP3378947 B2 JP 3378947B2 JP 04470393 A JP04470393 A JP 04470393A JP 4470393 A JP4470393 A JP 4470393A JP 3378947 B2 JP3378947 B2 JP 3378947B2
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寿夫 森田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、扁平断面の糸条を有す
るパイル糸を一次基布にタフテイングしたタフテッドパ
イル布帛原反の裏面に接着剤を裏打塗布して仕上げられ
たタフテッド人工芝生に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明者は、雨水が裏面へと抜け出て表
面に溜まらない透水性タフテッド人工芝生を得るため、
左右の経糸と前後の緯糸に囲まれる布目の大きい目粗な
織物を一次基布に使用し、その少なくとも一部の布目を
塞がず接着剤を裏打塗布する方法を特公昭61−275
10号と特公昭63−14121号に開示している。
又、本発明者は、目粗な一次基布を用いて透水性タフテ
ッド人工芝生を製造する過程において裏打塗布する接着
剤が、その一次基布の布目を透過してパイル面に滲み出
ないようにするため、一次基布の表面側に繊維ウエブを
積層する方法を特開平4−174105号に開示してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来技術によると、透
水性タフテッド人工芝生を得るには、布目隙間の大きい
目粗な織物を一次基布に使用することが必須となってい
る。ところでタフテッドパイル布帛原反の1個のパイル
を構成する2個1番の各パイル糸片はバックステッチか
ら折れ曲がってステッチ孔から立ち上がっており、各バ
ックステッチとその続く前後のパイル糸片とはU字形を
成して一次基布に係合しており、各パイルの根元は一次
基布の左右の経糸と前後の緯糸に挟まれている。従って
布目を形成する左右の経糸の間や前後の緯糸の間が広い
目粗な織物を一次基布に用いるときは、パイルの根元を
把持する経糸間や緯糸間でのパイル把持力が弱く、パイ
ルが一次基布から抜け易くなるので接着剤の塗布量を多
くしなければならず、バックステッチの前後に続くパイ
ル糸片はバックステッチから直角に折れ曲がらず、その
バックステッチの前後に続くパイル糸片の先端は互いに
外向きに拡がって一次基布から突出し、各バックステッ
チとその続く前後のパイル糸片はU字形にならずV字形
になる(図5)。勿論、バックステッチとその続く前後
のパイル糸片がU字形にならずV字形になっているとし
ても、接着剤によって一次基布に接着固定されるので、
パイルが抜け易いと言う問題は生じないが、タフテッド
パイル布帛原反の段階においてV字形に先端が拡がって
突き出たパイルを、その後においてU字形に矯正するこ
とは出来ない。このように目粗な一次基布に用いて透水
性タフテッド人工芝生を得ようとする場合には、パイル
糸片は、バックステッチから直角に折れ曲がらず一次基
布に対して傾斜気味になるので、パイルの毛並みは綺麗
に揃わず、パイルは“腰”の弱いものとなる。一方、パ
イル糸片がバックステッチから直角に折れ曲がっていて
パイルの“腰”の強いタフテッド人工芝生を得ようとす
ると、一次基布の布目隙間を細かくせざるを得ず、そう
するとパイル層に砂を入れて施工した場合に布目隙間に
目詰まりが起きて透水性が損なわれることになる(図
2)。
【0004】そこで本発明は、パイルの毛並みが揃って
美しく、パイルの“腰”が強い透水性タフテッド人工芝
生を得ることを第1の目的とする。本発明の第2の目的
は、多量の接着剤を用いずにパイルの抜糸強度の強い透
水性タフテッド人工芝生を得ることである。本発明の第
3の目的は、砂入れ施工した場合に目詰まりの起きにく
い透水性タフテッド人工芝生を得ることである。本発明
の第4の目的は、透水性タフテッド人工芝生を安定生産
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るタフテッド
人工芝生は、 (a) フイラメント糸を経糸11と緯糸12に用いて
平織組織によって織成された平織織物18の片面に繊維
ウエブ19を積層し、ニードルパンチングを施して当該
繊維ウエブの繊維の一部を平織織物18の他の片面側へ
と突き出して毛羽層20を形成したニードルパンチング
布帛を一次基布13としてパイル糸をタフテイングした
タフテッド人工芝生原反の裏面に接着剤15を塗布して
バックステッチ16を一次基布13に接着固定して仕上
げられており、 (b) 一次基布13を構成するフイラメント糸11・
12が実質的に無撚であり、 (c) 平織織物内18の経糸11と緯糸12は、それ
らの幅a・eが厚みb・fの5倍以上(a/b≧5、e
/f≧5)となる扁平断面を成し、 (d) 経糸間の平均間隔pは0.2mm以下で左右の
経糸11A・11Bが実質的に密着しており、 (e) 緯糸間の平均隙間qは0.2mm以上となって
おり、 (f) パイル14は、経糸2本以上(11A・11B
・11C………)につき1個となるニードルゲージg
と、緯糸2本以上(12A・12B・12C・12D・
12E………)につき1個となるステッチゲージsをも
ってタフテイングされており、 (g) タフテイングにより一次基布に生じるニードル
貫通孔内17におけるパイル糸(22)の太さdが、各
ニードルゲージ(1g)内に含まれる経糸11A・11
B・11C………の本数xと経糸間の平均隙間pとの積
の5倍以上(d≧5px)であり、 (h) ニードル貫通孔内17における2個1組のパイ
ル片(22A・22B)が、ステッチ方向に並んでいて
それぞれニードル貫通孔前後の緯糸12A・12Bに挟
持されており、 (i) タフテイングによって生じた左右のニードル貫
通孔17A・17Bに挟まれる左右のバックステッチ間
16A・16Bにおいて、ニードル貫通孔17の前後の
緯糸間12A・12Eの間がパイルの根元21によって
前後に押しやられて2本以上の経糸11A・11B・1
1C………だけがストライプ状に平行に並んでおり、そ
の平行に並んだ左右の経糸間(11Aと11B、11B
と11C、………)が透水孔(23)となっていて透水
性を有することを特徴とするものである。
【0006】経糸・緯糸11・12にはポリエステルや
ポリプロピレン等のフイラメント糸を使用することが出
来るが、それを無撚にし、経糸間の平均間隔pが0.2
mm以下で左右の経糸11A・11Bが実質的に密着す
る程度にし、経糸11をその幅aが厚みbの5倍以上
(a/b≧5、e/f≧5)となる扁平断面にするに
は、経糸11に長さ方向に沿って割裂し易い扁平断面の
ポリプロピレンモノフイラメント糸、就中、長さ方向に
沿って割裂し多数のマルチフイラメントに開繊し易いレ
フ型モノフイラメント糸を使用し、その幅aと略同じ間
隔をもって整経するとよい。
【0007】ここに「レフ型モノフイラメント糸」と
は、長さ方向に沿って複数本の筋溝を有し、針を突き刺
すとき生じる針孔から筋溝に沿って長さ方向に割裂し、
細かいマルチフイラメントに開繊し易いテープ状のフイ
ラメント糸を意味する。また「実質的に無撚」とは、コ
ーン等に巻かれたフイラメント糸の巻き替えし等によっ
て生じる10回/m以下の僅かな撚は無撚として扱われ
ることを意味する。経糸11のデニールは300デニー
ル程度にし、緯糸12のデニールはその約2倍の500
〜2000デニールにし、それらの幅a・eは0.5〜
2mmにして平織織物18の目付が60〜150g/m
2 になるようにするとよい。
【0008】経糸11や緯糸12に無撚のレフ型フイラ
メント糸を用いるのは、(1) ニードルパンチングや
タフテイング時に差し込まれるニードルによって細かい
多数のマルチフイラメントに割裂・開繊してポーラスに
なり、平織織物全体18の透水性が高まるようにするこ
と、(2) ニードルパンチング過程で破断せず割裂し
て実質的に強度低下が生じないようにすること、(3)
割裂したフイラメント糸の割け目に繊維ウエブ19の
繊維が挟み込まれて平織織物19に絡み付くようにする
こと、(4) 細かい多数のマルチフイラメントに開繊
し、幅a・eが厚みb・fの5倍以上(a/b≧5、e
/f≧5)となる扁平断面になり、平織織物18が薄く
布目24の細かいものになるようにすること、第5に
は、タフテイング時に差し込まれるニードルとパイル糸
の前後左右に経糸11や緯糸12がズレ移動し易くする
ため等の理由による。
【0009】タフテイング前の平織織物18の緯糸間の
平均隙間qを0.2mm以上にするのは、タフテイング
時に差し込まれるニードルの太さが総じて2mm以上に
なっており、また、人工芝生のパイル糸の外径(太さ
d)も総じて1mm以上になっており、差し込まれたニ
ードルやパイル糸によって緯糸12が経糸方向にズレ易
くするためである。そのように緯糸12がズレ易くする
ためには、経糸11や緯糸12にレフ型モノフイラメン
ト糸を用いると共に、毛羽層20の目付が200g/m
2 以下、好ましくは100g/m2 以下にし、更に好ま
しくは10〜50g/m2 になるようにニードルパンチ
ングを施すことが望ましい。
【0010】何故なら、長さ方向に割裂・開繊しない一
般市販の紙テープや塩ビ・テープを縦横に交叉させて重
ね合わせ、その交叉箇所に針を突き差すと、それら縦横
2本のテープは針に接合されて相互間の移動が拘束さ
れ、敢えて移動させようとすると針の差込箇所から裂傷
してテープが切れてしまう。然るに、交叉させて重ね合
わせ針を差し込む縦横2本のテープが、長さ方向に割裂
し易いポリプロピレン・テープであれば、針の差込箇所
から左右に割裂してそれぞれ2本のテープに分かれ針か
ら外れてしまい、それら縦横2本のテープは相互に拘束
し合わない。それと同様に、ニードルパンチングの施さ
れたテープヤーンになる平織織物18の経糸11と緯糸
12の接結点(交叉箇所)では、ニードルパンチングに
より差し込まれた繊維ウエブ19の繊維によって接合さ
れる恰好になるが、それらの経糸11と緯糸12が無撚
のレフ型モノフイラメント糸(レフ型モノフイラメント
テープヤーン)であると長さ方向に割裂するので、ニー
ドルパンチングが施されても経糸11と緯糸12のズレ
移動し得る自由度は左程奪われず、タフテッド時に差し
込まれるニードルやパイル糸を避けるように経糸11と
緯糸12がズレ移動する。
【0011】その場合、ニードルパンチングにより繊維
ウエブ19の余りにも多くの繊維が、経糸11と緯糸1
2との交叉箇所(接結点)に差し込まれると、割裂して
生じた経糸11や緯糸12のマルチフイラメントの左右
が、差し込まれた繊維ウエブ19の多くの繊維によって
拘束されて経糸方向または緯糸方向にズレ移動し難くな
る。従って、経糸11と緯糸12がズレ移動し得るよう
にするには、余り多くの繊維ウエブ19の繊維が平織織
物18に差し込まれないようにしなければならない。
【0012】ところで、毛羽層20は平織織物18の表
裏に貫通した繊維ウエブ19の繊維によって構成され、
その平織織物18の表裏に貫通した繊維ウエブ19の繊
維の数が多くなると、毛羽層17の目付も多くなる。つ
まり、毛羽層17の目付は、平織織物18を貫通した繊
維ウエブ19の繊維の数に比例する訳であり、目付が6
0〜150g/m2 のモノフイラメントテープヤーンに
成る平織織物18に、繊度5〜30デニールの繊維に成
る繊維ウエブ19をニードルパンチングする場合におい
て、形成される毛羽層20の目付が200g/m2 以上
になると、差し込まれた繊維によって平織織物18の嵩
比重が増大し余りにも緻密になって経糸11や緯糸12
がズレ移動し難くなる。従って、経糸11と緯糸12の
ズレ移動し得る自由度を考慮し、ニードルパンチング
は、毛羽層20の目付が200g/m2 以下、好ましく
は100g/m2以下になる程度に施し、更に好ましく
は10〜50g/m2 になる程度にする。
【0013】ニードル貫通孔内17でのパイル糸(2
2)の太さdと、各ニードルゲージ内の経糸(11A・
11B・11C………)の本数xと、経糸間の隙間pと
の関係をd≧5px(mm)とするのは、各ニードルゲ
ージ(g)内での経糸間の隙間pを合計するとpxとな
り、その値(px)がパイル糸(22)の太さ(d)の
半分よりも小さければ、各パイルの根元21は、左右の
経糸11A・11Cの間で確りと挟持される。一方、ニ
ードル貫通孔内17には2個1組となるパイル片22A
・22Bがステッチゲージ(s)の方向に並んでおり、
各ステッチゲージ(s)内の緯糸間の隙間(q)を合計
するとqyとなり、その値がニードル貫通孔内17に並
んだ2個のパイル片22A・22Bの太さの合計値(2
d)よりも小さければ、各パイルの根元21は前後の緯
糸12A・12Eによって確りと挟持されることにな
る。従ってd≧5px(mm)、2d≧qy(mm)な
る関係が成り立ち、経糸11や緯糸12の割裂したマル
チフイラメントがそれぞれ直交する経糸または緯糸方向
にズレ移動し易い状態に置かれる場合には、パイルの根
元21は経糸11A・11Cと緯糸12A・12Eによ
って前後左右から確りと挟持され、バックステッチ16
を介して前後に続くパイル片22A・22Bは一次基布
13に垂直になってパイル14の立ちのよい人工芝生が
得られる。
【0014】そのようにパイル14が確りと挟持されて
いるタフテッドパイル布帛原反では、パイル14を一次
基布13に固定するための接着剤15の使用量が少なく
て済む。また、繊維ウエブ19をバックステッチ側(1
6)に向けてタフテイングした場合には、そのバックス
テッチ側の繊維ウエブ19の多数の繊維にバックステッ
チ16が絡み込まれて接着されることになり、また、毛
羽層20をバックステッチ側(16)に向けてタフテイ
ングした場合には、そのバックステッチ側の毛羽層20
の多数の繊維にバックステッチ16が絡み込まれて接着
されることになり、そのように何れの場合にもバックス
テッチ16は一次基布13の裏面に突き出た多数の繊維
に絡合し覆われるので強固に接着されるので、この点か
らしても接着剤15の使用量が少なくて済むことにな
る。
【0015】このように接着剤15の使用量が少なくて
済むと共に、タフテッドパイル布帛原反の裏面は繊維ウ
エブ19か毛羽層20の繊維毛羽に覆われていて接着剤
15が内部浸透し難く、一次基布内の平織織物18に達
し難くなっており、また、経糸11と緯糸12がニード
ルパンチングやタフテイング時のニードルに細かく割裂
・開繊されてポーラスになっているので、平織織物全体
18の透水性が高くなっている。その上更に、タフテイ
ングによって生じるニードル貫通孔17は、その前後の
緯糸12A・12Eの間を押し広げて出来るものであ
り、緯糸12A・12Eは前後にズレ移動し易くなって
いてタフテイング時に押し広げられ易い。このため、左
右のニードル貫通孔17A・17Bに挟まれるバックス
テッチ間では、緯糸12A・12Eが前後に押しやら
れ、そこに2本以上の経糸11A・11B・11C……
…だけがストライプ状に平行に並ぶことになる。そして
そのように平行に並んだ各左右の経糸間(11Aと11
B、11Bと11C、………)には、パイル片22の太
さ(d)の2倍に相応する長さhのスリット状縦長孔2
3が出来、透水効果を発揮する。
【0016】とは言え、バックステッチ側におかれる繊
維ウエブ19または毛羽層20の繊維間の空隙を埋め尽
くして余りある多量の接着剤を塗布する場合には、仮
令、スリット状縦長孔23が接着剤によって塞がれない
としても、裏面に接着剤15による防水層が形成されて
透水性タフテッド人工芝生は得られなくなる。この点で
接着剤15の塗布量は、繊維ウエブ19または毛羽層2
0の繊維間の空隙を埋め尽さず、且つ、全ての縦長孔2
3を完全には塞がない程度に、外観的に言えば、バック
ステッチ間16A・16Bに塗着した接着剤の塗膜15
が繊維ウエブ19または毛羽層20の繊維に押し上げら
れてバックステッチ間に毛羽立った形の凹凸面が出来る
程度に、更に具体的に言えば、接着剤の塗布量(乾燥重
量)を1200g/m2 以下、好ましくは600g/m
2 以下、より好ましくは200〜500g/m2 程度に
し、且つ、バックステッチ面に介在する繊維ウエブ19
または毛羽層20の目付の50倍以下、好ましくは30
倍以下にして繊維ウエブ19または毛羽層20が接着剤
15の含浸したポーラスな積層を形成するようにする。
【0017】そのようにバックステッチ面に介在する繊
維ウエブ19または毛羽層20が接着剤15の含浸した
ポーラスな透水層になるようにするには、接着剤の塗布
面(15)に圧搾空気(ブロアー)を吹き付け、塗布し
た際に繊維ウエブまたは毛羽層の繊維間に細かくフイル
ム状または泡状に出来る接着剤の皮膜(15)を破壊
し、接着剤15が非透水性の皮膜を形成しないようにす
ると共に、繊維ウエブ19または毛羽層20の繊維毛羽
がバックステッチ16を覆い絡み合って接着するように
するとよい。タフテッド人工芝生の「透水性」の程度
は、タフテッド人工芝生の10センチメートル平方(1
00cm2 )につき、その表面または裏面に付与した水
が30秒以内に他の面に滲み出る程度であればよく、従
って、繊維ウエブ19または毛羽層20を透過して平織
織物18に達した接着剤15によってスリット状縦長孔
23が塞がれることがあっても、その一部が接着剤15
に塞がれずに透水孔として残存すればよく、スリット状
縦長孔23の全てが元通りの長い隙間のままに残る程に
接着剤15の塗布量を極端に少なくする必要はない。
【0018】特に、経糸11と緯糸12は、細かく割裂
・開繊しポーラスになっており、接着剤15を吸収し易
い状態になっている。このため、塗布されて内部浸透し
平織織物18に達した接着剤15は、その割裂・開繊し
た経糸11と緯糸12に吸収され、その分だけスリット
状縦長孔23が接着剤15に塞がれ難くなる。従って、
接着剤15の塗布量や浸透度合にバラツキが生じても透
水性タフテッド人工芝生が安定生産され、その生産工程
が管理し易くなる。
【0019】
【発明の効果】このように本発明によると、パイル14
を一次基布13に固定する接着剤15の使用量が少なく
て済み、その接着剤15も繊維毛羽(19・20)に阻
まれて平織織物18に達し難く、バックステッチ間に出
来るスリット状縦長孔23は透水孔としての機能を発揮
し、平織織物全体18も経糸11と緯糸12がポーラス
に割裂・開繊していて透水性に優れたタフテッド人工芝
生が得られる。
【0020】パイル14を一次基布13に固定する接着
剤15の使用量が少なくて済むので、裏打塗布した接着
剤15の乾燥加熱も簡略化され、その裏打仕上工程が高
速化され、原材料コストも低減する。
【0021】接着剤15の塗布量にバラツキが生じた
り、接着剤15が平織織物18に達する程度に深く浸透
しても、ポーラスに開繊した経糸11と緯糸12に吸収
されるので、平織織物18のスリット状縦長孔23は透
水孔として残り、パイルの抜糸強度に優れた透水性タフ
テッド人工芝生が安定生産される。
【0022】繊維ウエブ19または毛羽層20の繊維毛
羽がバックステッチ16を覆い絡み合って接着している
ので、パイルの抜糸強度が向上する。
【0023】パイルの根元21は経糸11A・11Cと
緯糸12A・12Eによって前後左右から確りと挟持さ
れ、バックステッチ16を介して前後に続くパイル片2
2A・22Bは一次基布13に垂直になってパイル14
の“腰”が強く、また、パイルの立ちがよく、砂25を
パイル間に入れて行うグランド等の人工芝生の砂入れ施
工がし易くなる。
【0024】パイル面側の繊維ウエブ19または毛羽層
20によって平織織物18のスリット状縦長孔23が覆
われるので、砂入れ施工してもスリット状縦長孔23に
目詰まりが起き難く、長期にわたって透水性が維持され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る人工芝生の砂入れ施工した状態を
裏面視して示す斜視図である。
【図2】従来の人工芝生の砂入れ施工した状態を裏面視
して示す斜視図である。
【図3】本発明に係る一次基布の毛羽層を剥離した状態
での斜視図である。
【図4】本発明に係る人工芝生のタフテッドパイル布帛
原反の断面図である。
【図5】従来の人工芝生のタフテッドパイル布帛原反の
断面図である。
【図6】本発明に係る一次基布の毛羽層の一部を剥離し
た状態での平面図である。
【図7】本発明に係る人工芝生のタフテッドパイル布帛
原反の毛羽層の一部を剥離した状態での平面図である。
【符号の説明】
11 経糸 12 緯糸 13 一次基布 14 パイル 15 接着剤(塗膜) 16 バックステッチ 17 ニードル貫通孔 18 平織織物 19 繊維ウエブ 20 毛羽層 21 パイル根元 22 パイル片 23 経長孔 24 布目 25 砂
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−20707(JP,A) 特開 平4−174105(JP,A) 実開 昭47−38182(JP,U) 特許2799630(JP,B2) 特許2756842(JP,B2) 特許2551898(JP,B2) 特公 平1−54465(JP,B2) 特公 平6−37742(JP,B2) 特公 昭53−18620(JP,B1) 特公 昭61−27510(JP,B1) 特公 昭63−14121(JP,B1) 実公 平5−10002(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E05C 17/02 E01C 13/08 A47G 27/00 - 27/06 D03D 1/00 - 27/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) フイラメント糸を経糸11
    緯糸12に用いて平織組織によって織成された平織
    織物18の片面に繊維ウエブ19を積層し、ニ
    ードルパンチングを施して当該繊維ウエブの繊維の一部
    を平織織物18の他の片面側へと突き出して毛羽層
    20を形成したニードルパンチング布帛を一次基布
    13としてパイル糸をタフテイングしたタフテッド
    人工芝生原反の裏面に接着剤15を塗布してバック
    ステッチ16を一次基布13に接着固定して仕
    上げられており、 (b) 一次基布13を構成するフイラメント糸
    11・12が実質的に無撚であり、 (c) 平織織物内18の経糸11と緯糸
    は、それらの幅a・eが厚みb・fの5倍以上(a
    /b≧5、e/f≧5)となる扁平断面を成し、(d)
    経糸間の平均間隔pは0.2mm以下で左右の経糸
    11A・11Bが実質的に密着しており、 (e) 緯糸間の平均隙間qは0.2mm以上となって
    おり、 (f) パイル14は、経糸2本以上(11A・1
    1B・11C………)につき1個となるニードルゲージ
    gと、緯糸2本以上(12A・12B・12C・12D
    ・12E………)につき1個となるステッチゲージsを
    もってタフテイングされており、 (g) タフテイングにより一次基布に生じるニードル
    貫通孔内17におけるパイル糸(22)の太さd
    が、各ニードルゲージ(1g)内に含まれる経糸11
    A・11B・11C………の本数xと経糸間の平均隙
    間pとの積の5倍以上(d≧5px)であり、 (h) ニードル貫通孔内17における2個1組
    パイル片(22A・22B)が、ステッチ方向に並んで
    いてそれぞれニードル貫通孔前後の緯糸12A・12
    に挟持されており、 (i) タフテイングによって生じた左右のニードル貫
    通孔17A・17Bに挟まれる左右のバックステッ
    チ間16A・16Bにおいて、ニードル貫通孔
    の前後の緯糸間12A・12Eの間がパイルの
    根元21によって前後に押しやられて2本以上の経
    11A・11B・11C………だけがストライプ
    状に平行に並んでおり、その平行に並んだ左右の経糸間
    (11Aと11B、11Bと11C、………)が透水孔
    (23)となっていて透水性を有することを特徴とする
    タフテッド人工芝生。
  2. 【請求項2】 前掲請求項1に記載のタフテイングによ
    り一次基布に生じるニードル貫通孔内17における
    パイル糸(22)の太さdが、各ステッチゲージ(1
    s)内に含まれる緯糸12A・12B・12C・12
    D・12E………)の本数yと緯糸間の平均隙間qとの
    積の0.5倍以上(2d≧qy)であることを特徴とす
    る前掲請求項1に記載のタフテッド人工芝生。
  3. 【請求項3】(a) 前掲請求項1に記載のフイラメン
    ト糸11・12が、その長さ方向に沿って複数本の
    筋溝を有していて割裂し易い扁平断面のレフ型モノフイ
    ラメント糸であって複数本のフイラメントに割裂し開繊
    しており、 (b) その平織織物内18で開繊した経糸
    と緯糸12の各幅a・eが、厚みb・fの5倍
    以上(a/b≧5、e/f≧5)になっていることを特
    徴とする前掲請求項1に記載のタフテッド人工芝生。
  4. 【請求項4】(a) 前掲請求項1に記載のフイラメン
    ト糸11・12が、その長さ方向に沿って割裂し易
    い扁平断面のレフ型モノフイラメント糸であって複数本
    のフイラメントに割裂し開繊しており、 (b) 毛羽層17の目付けが200g/m2 以下
    であり、 (c) 接着剤15の塗布量(乾燥重量)が120
    0g/m2 以下であり、且つ、バックステッチ面(1
    6)に介在する繊維ウエブ19または毛羽層
    の目付の60倍以下であり、 (d) バックステッチ間16A・16Bに塗着し
    た接着剤の塗膜15が、繊維ウエブ19または
    毛羽層20の繊維に押し上げられた凹凸面を形成し
    ていることを特徴とする前掲請求項1に記載のタフテッ
    ド人工芝生。
  5. 【請求項5】(a) 前掲請求項1に記載のフイラメン
    ト糸11・12が、その長さ方向に沿って割裂する
    扁平断面のポリプロピレンモノフイラメント糸であって
    複数本のフイラメントに割裂し開繊しており、 (b) 毛羽層17の目付けが100g/m2 以下
    であり、 (c) 接着剤15の塗布量(乾燥重量)が600
    g/m2 以下であり、且つ、バックステッチ面(16)
    に介在する繊維ウエブ19または毛羽層20の目
    付の60倍以下であり、 (d) バックステッチ間16A・16Bに塗着し
    た接着剤の塗膜15が、繊維ウエブ19または
    毛羽層20の繊維に押し上げられた凹凸面を形成し
    ていることを特徴とする前掲請求項1に記載のタフテッ
    ド人工芝生。
  6. 【請求項6】(a) 前掲請求項1に記載のフイラメン
    ト糸11・12が、その長さ方向に沿って割裂し易
    い扁平断面のレフ型ポリプロピレンモノフイラメント糸
    であって複数本のマルチフイラメントに割裂し開繊して
    おり、 (b) 毛羽層17の目付けが100g/m2 以下
    であり、 (c) 接着剤15の塗布量(乾燥重量)が200
    〜500g/m2 であり、且つ、バックステッチ面(1
    6)に介在する繊維ウエブ19または毛羽層
    の目付の40倍以下であり、 (d) バックステッチ間16A・16Bに塗着し
    た接着剤の塗膜15が、繊維ウエブ19または
    毛羽層20の繊維に押し上げられた凹凸面を形成し
    ていることを特徴とする前掲請求項1に記載のタフテッ
    ド人工芝生。
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