JP3378364B2 - 繊維廃棄物燃焼用ボイラ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、布や合成繊維や糸屑等
の繊維廃棄物を燃焼して廃棄処理するために使用される
繊維廃棄物燃焼用ボイラに関し、特に、熱可塑性樹脂系
の繊維廃棄物であっても、熱硬化性樹脂系の繊維廃棄物
であっても、燃焼によって生じる燃えにくい残溜炭素と
これに混入した未燃物と灰分（以下、この明細書におい
て残渣と略す）の発生を抑え、且つ良好な燃焼を保持す
ることが出来る繊維廃棄物燃焼用ボイラに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、布切れや合成繊維や糸屑等の繊
維系廃棄物は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂にかかわら
ず、火格子を設けて燃焼させると、特に熱可塑性樹脂系
の繊維系廃棄物は燃焼熱で軟化溶融し、火格子の間より
溶融滴下して、火格子の下でも激しく燃え、このために
火格子は、上面と下面より過熱されて著しく燃損するた
めに火格子を設けず、炉床上で燃焼させる炉床燃焼方法
が採用されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の樹脂系の繊維廃
棄物を燃焼するボイラにおいては、ボイラ内に投入され
た繊維廃棄物を燃焼している際に燃焼を継続させるに
は、この繊維廃棄物の燃焼がある程度進んだときに次に
燃焼させる繊維廃棄物を投入する間欠的な燃焼を行って
いたが、この燃焼によって生じた残渣が炉床上に積み重
なった状態となって、炉床に形成された空気供給口が塞
がれて空気の供給量が少なくなるので、燃焼速度が急激
に低下するという問題がある。しかも、この状態で次々
に繊維廃棄物を投入すると、これが炉床上に残留累積し
て燃焼量が少なくなるという問題がある。

【０００４】これを防ぐために、炉床上の燃焼中の繊維
廃棄物を攪拌することが行われているが、この攪拌する
ときに，マンホールを開けると多量の冷たい空気がボイ
ラ内に入り込むので、燃焼温度が低下してしまって燃焼
の継続性がなく、不完全燃焼による発煙が生じるという
問題がある。また、ボイラ内に繊維廃棄物を投入すると
きには、燃焼中の繊維廃棄物が燃え尽きる直前であるた
めに、火勢が弱く且つ燃焼温度も低く、投入口からの冷
たい空気が入り込むために、燃焼ゾーンの温度が下がっ
て、投入された繊維廃棄物の着火が遅れ、一時的な発煙
が生じるという問題がある。

【０００５】また、残渣が高温度の燃焼熱で局部過熱さ
れ、図５に示すような残渣Ｃが生じると、燃焼が増々悪
くなり、次にボイラ内に投入された繊維廃棄物の燃焼を
阻害してボイラの連続運転が出来なくなるという問題が
ある。また、これらの残渣Ｃの攪拌及び灰出しは、可能
なかぎり燃焼の継続性を維持するため、燃焼炉の後部マ
ンホールより、掻き出し用棒材（レイキ）Ｋなどで人手
によって行うが、高温度の炉内で炉の後部より長い掻き
出し用棒材（レイキ）Ｋなどを操作することは困難であ
る。

【０００６】一方、火格子を設け、繊維屑燃焼の特性で
ある溶融滴下を利用して火格子の下で燃えている状態で
新しい繊維廃棄物を火格子上に投入すると、火格子下の
燃焼熱と火焔で着火が敏速に行われ燃焼の継続性が良く
なるという利点はあるが、火格子の激しい焼損が生じ、
また火格子下にある燃えにくい残渣が累積し、火格子下
が残渣で満たされ、上記従来の炉床燃焼の場合と同様の
問題がある。本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされ
たものであって、熱可塑性樹脂系の繊維廃棄物であって
も、熱硬化性樹脂系の繊維廃棄物であっても、残渣の発
生を抑えることができ、且つ良好な燃焼を保持すること
ができる繊維廃棄物燃焼用ボイラを提供することを目的
としている．

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために提案されたものであって、請求項１の繊維
廃棄物燃焼用ボイラは、繊維廃棄物投入口と燃焼室と熱
交換装置を備えた繊維廃棄物燃焼用ボイラであって、こ
の燃焼室の炉床及び側壁に所要数設けられた空気噴出ノ
ズルと、この燃焼室側方に設けられ上記繊維廃棄物を投
入するための前記投入口と、この投入口から燃焼室に繊
維廃棄物を押し入れるための押し込み手段と、前記燃焼
室の残渣残留部の上方に、繊維廃棄物押入口側から排出
口に向けて所定長さ配置された水冷火格子と、前記燃焼
室の炉床の残渣残留部に残留している残渣を、前記火格
子上に投入された繊維廃棄物が前記残渣の燃焼で着火が
終わる時点で該残渣を排出口に移動させるように、排出
側に向けて押し出すために燃焼室内に出没し、上記燃焼
室の外部に配置された水冷式残渣押し出し手段とを備え
ているものである。

【０００８】請求項２の繊維廃棄物燃焼用ボイラは、前
記水冷火格子が、燃焼室の押入口から燃焼室内部に向け
て、斜め上向きに傾斜した状態で配置されているもので
ある。この傾斜は水冷火格子内の冷却水の循環不良によ
る水冷火格子の焼損を防ぐためである。請求項３の繊維
廃棄物燃焼用ボイラは、前記燃焼室の底部の炉床が，残
渣発生部から排出口にわたって段階的に低くなる段部に
よって順次低い位置に形成され、これら複数の段部の各
々に，残渣を排出口に向けて押し出す水冷式残渣押し出
し手段を出没可能に配設したものである。

【０００９】

【作用】請求項１の繊維廃棄物燃焼用ボイラにおいて
は、投入口から投入された熱可塑性樹脂系の繊維廃棄物
では、押し込み手段によって燃焼室内に押し入れられ
て、燃焼室の残渣残留部の上方に配置された水冷火格子
上で受けられ、この水冷火格子上で燃焼される。繊維廃
棄物の燃焼によって火格子の間から炉床上に溶融落下し
たものは、この炉床上で更に燃焼されて残渣となる。そ
して、次に投入口から投入され、押し込み手段によって
燃焼室内に押し入れられた繊維廃棄物の火格子上での燃
焼は、前記の炉床上での燃焼によってこの火格子上の繊
維廃棄物が着火され連続して燃焼が行われる。

【００１０】しかも、このように、投入された水冷火格
子上の繊維廃棄物が、炉床上の火焔で下部より瞬時に着
火されるので、繊維廃棄物の投入によるボイラ内の温度
低下の影響が少なく、且つ不完全燃焼による発煙が生じ
ることがない。更に、水冷火格子を使用しているので、
水冷火格子の上下で樹脂系の繊維廃棄物とその溶融物と
が燃焼されても、この水冷火格子が焼損することがな
い。

【００１１】一方、特に熱硬化性樹脂系の繊維廃棄物で
は、炉床上での燃焼により生じた残渣が、火格子上に投
入された新しい繊維廃棄物を着火するのに必要な残渣が
残るように、水冷式残渣押し出し手段によって排出口側
に押し出し、押し出された残渣は、火格子上及び火格子
下の炉床での燃焼によって発生した熱と火焔と炉床に設
けられた空気ノズルより供給される空気で更に燃焼を行
い、次の水冷式残渣押し出し手段によって排出口側に押
し出すときに、燃焼させながら完全な灰化を行う。

【００１２】これによって、火格子下の炉床に残渣が累
積しないため、炉床の空気供給口が塞がることがなく、
空気の供給が妨げられず、火格子下の炉床での燃焼が継
続する。このことによって、火格子上に投入された繊維
廃棄物への着火が充分となり、繊維廃棄物は間欠投入に
もかかわらず常に安定した連続燃焼が行われ、燃焼能力
が損なわれず、且つ水冷式残渣押し出し手段によって自
動的に残渣の排出を行うことができ、省力化を図ること
ができる。

【００１３】請求項２の繊維廃棄物燃焼用ボイラにおい
ては、水冷火格子が、燃焼室の押入口から燃焼室内部に
向けて、斜め上向きに傾斜した状態で配置されているの
で、水冷火格子内で発生した蒸気が、水冷火格子の傾斜
によって斜め上方向に順次上昇されるので、水冷火格子
が焼損することはない。尚、水冷火格子の冷却による燃
焼温度の低下の障害と水冷火格子上の残渣が累積しない
ように水冷火格子の数と間隙を考慮した配列としてい
る。

【００１４】請求項３の繊維廃棄物燃焼用ボイラにおい
ては、熱硬化性樹脂系の繊維廃棄物では、燃焼によって
生じた残渣が、水冷式残渣押し出し手段で段部を介して
前記炉床より低い炉床上に押し出され、更に次の水冷式
残渣押し出し手段で段部を介してより低い次の炉床上に
押し出される。このように段部を設けることにより、階
段部で残渣の反転による攪拌作用が起こるために残渣の
の燃焼速度が早くなり、未燃焼物が排出口より出ること
がない。

【００１５】残渣押し出し手段を数段に設ける場合は、
水冷火格子下の炉床では、残渣の量が多く、排出口に向
かって燃焼が行われ、残渣が減容するために、排出口に
向かう程水冷式残渣押し出し手段による押し出し回数を
減じる必要があるが、その回数調整が各段毎に可変する
ことは可能である。また、残渣が長時間静止していない
ため、燃焼熱によって残渣が溶融して炉床に膠着するこ
とがない。水冷式残渣押し出し手段は、高温度の残渣に
接触するため水によって冷却し、接触熱により蒸発する
蒸気による過熱焼損をしないように強制循環ポンプによ
り強制循環を行っている。このように、段部を介して段
階的に低くなる炉床上に、残渣が順次押し出されて残渣
が攪拌及び燃焼されるので、クリンカーの発生も抑える
ことができる。

【００１６】

【実施例】以下、本発明に係る繊維廃棄物燃焼用ボイラ
の実施例について、図面を参照しつつ説明する。図１，
図２は、第１実施例の繊維廃棄物燃焼用ボイラ１Ａを示
すものである。この第１実施例の繊維廃棄物燃焼用ボイ
ラ１Ａは、図１に示すように、繊維廃棄物投入口１０と
燃焼室２０と水壁３１で構成された熱交換装置３０を備
えている。

【００１７】この燃焼室２０の炉床２１及び側壁２２に
は、所要数設けられた空気噴出ノズル４０が設けられて
いる。この空気の噴出圧は、炉床２１側が側壁２２側よ
り大きく設定されている。その理由は、繊維廃棄物を炉
床２１に残渣が少し堆積しても、空気が残渣層を貫通す
るようにするためである。また、燃焼室２０の側方に設
けられ繊維廃棄物（図示略）を投入するための前記投入
口１０と、この投入口１０から燃焼室２０に繊維廃棄物
を押し入れるためのエアーシリンダ又は油圧シリンダ５
０からなる押し込み手段が設けられている。

【００１８】更に、燃焼室２０の炉床２１の残渣残留部
に残留している残渣（図示略）を排出側に向けて押し出
すために燃焼室２０内に出没し、燃焼室２０の外部に配
置されたエアーシリンダ又は油圧シリンダ６０からなる
水冷式残渣押し出し手段と、燃焼室２０の残渣残留部の
上方に、繊維廃棄物押入口２３側から排出口２４に向け
て所定長さ配置された火格子７０とが備えられている。

【００１９】前記火格子７０は任意の金属製火格子から
成るがこの実施例においては複数本の水冷火格子７１で
構成されている。この水冷火格子７１が、燃焼室２０の
押入口２３から燃焼室２０内部に向けて、斜め上向きに
傾斜した状態で配置され、その先端が両側外向きに曲成
されて、水壁３１に接続され水管と連絡されている。繊
維廃棄物投入口１０から投入される繊維廃棄物は、火格
子７０上に押し込められ火格子７０上で燃焼し、樹脂系
繊維屑などの溶融物及び残渣が炉床２１へ落下する。

【００２０】空気噴出ノズル４０は、燃焼室２０の炉床
２１及び側壁２２に付設された複数本の配管４１に、燃
焼室２０内に向けて所要数設けられている。前記の如
く、炉床２１側の空気噴出ノズル４０は、高圧力とさ
れ、融解物が炉床直近傍上方へ吹き上げながら燃焼す
る。また、残渣は炉床上で燃焼する。エアーシリンダ５
０又は油圧シリンダのシリンダ本体５１は、投入口１０
の後部側に配置され、そのロッド５２が投入口１０に出
没するように構成され、このロッド５２の先端には押し
出し用の押板５３が取付けられている。

【００２１】エアーシリンダ又は油圧シリンダ６０のロ
ッド６１の先端には、水冷式で薄いボックス状の長尺な
押し出し板６２が取付けられており、この押し出し板６
２の先端部で、エアーシリンダ又は油圧シリンダ６０の
駆動時に、炉床２１上の残渣を排出口２４に向けて押し
出すように構成されている。従って、水冷火格子７０に
投入された燃焼物が、水冷火格子７０の下方の炉床の残
渣の燃焼で着火が終わる時点で残渣を排出口に２４に移
動させるので残渣が累積しない。

【００２２】また、図３に示すように、燃焼室２０の側
壁には、全周部冷却水Ｗで満たされて燃焼室２０が所定
温度以上に上がらないように燃焼熱を吸収している。
尚、図３において、符号８５は水蒸気放出管を示し、９
０は空気管、９１はこの空気管９０に連通接続された空
気ボックスを示し、２１Ａは炉床２１に設けられた空気
ノズルである。

【００２３】次に、上記構成の第１実施例の繊維廃棄物
燃焼用ボイラ１Ａの作用について説明する。投入口１０
から投入された繊維廃棄物（図示略）は、エアーシリン
ダ又は油圧シリンダ５０の駆動によるロッド５２の前進
動作によって燃焼室２０内に押し入れられて、燃焼室２
０の残渣残留部の上方に配置された複数本の水冷火格子
７１上で受けられて、この水冷火格子７１上で燃焼され
る。

【００２４】水冷火格子７１上で燃焼される繊維廃棄物
は、複数本の水冷火格子７１の間から炉床２１上に溶融
落下して再燃焼される。従って、次に投入口から投入さ
れ、エアーシリンダ又は油圧シリンダ５０のロッド５１
によって、燃焼室２０内に押し入れられた繊維廃棄物は
水冷火格子７１上で炉床２１上の燃焼によって瞬時に着
火されて燃焼される。

【００２５】更に、火格子７０として水冷火格子７１を
使用しているので、水冷火格子７１の上下で繊維廃棄物
とその溶融物とが燃焼されても、この水冷火格子７１が
焼損することがない。一方、燃焼によって生じた炉床２
１上の残渣は、エアーシリンダ又は油圧シリンダ６０の
駆動によるロッド６１の前進動作によって排出口２４側
に押し出される。これにより、水冷火格子７０の下の炉
床２１で残渣の累積がないので、燃焼効率が良く、次の
繊維廃棄物の燃焼を連続して行うことが出来、ボイラ１
Ａの連続運転が可能である。

【００２６】更に水冷火格子７０の下の炉床２１より押
し出された残渣は，水冷火格子７０の燃焼物の燃焼を熱
源として燃焼を促がされて未燃焼物のない灰となる。ま
た、繊維廃棄物の燃焼で発生する熱によって、水壁３１
内の水が蒸発した水蒸気及び水冷火格子７１内の水が蒸
発した水蒸気の熱を有効利用することが出来る。

【００２７】図４は、第２実施例の繊維廃棄物燃焼用ボ
イラ１Ｂを示すものである。この第２実施例の繊維廃棄
物燃焼用ボイラ１Ｂでは、燃焼室２０の底部の炉床２１
が，残渣発生部２５から排出口２６にわたって段階的に
低くなる段部２７，２８，２９によって順次低い位置に
形成され、これら複数の段部２７，２８，２９の各々
に，残渣を排出口２６に向けて押し出すエアーシリンダ
又は油圧シリンダ６１，６２，６３からなる水冷式残渣
押し出し手段を出没可能に配設したものである。また、
排出口２４には、上下開閉可能な開閉蓋２４ａが設けら
れている。その他の部分の構成は、前記第１実施例の繊
維廃棄物燃焼用ボイラ１Ａとほぼ同様の構成なので、同
一符号を付して説明を省略する。

【００２８】次に、この第２実施例の繊維廃棄物燃焼用
ボイラ１Ｂの作用について説明する。繊維廃棄物のうち
熱硬化性樹脂系を多く含む繊維廃棄物は、水冷火格子７
１の下の炉床で多量の残渣が発生し、水冷火格子７１の
下の炉床より残渣が押し出された炉床だけでは残渣が燃
え切らず累積するので、更に水冷式残渣押し出し手段を
設けて、また水冷式残渣押し出し手段の階段落差による
残渣の反転、攪拌を行いつつ残渣を再燃焼させ、順次排
出口に移動させる。残渣の燃えきった燃焼灰は高い温度
の炉内に長時間滞溜しないために、軟化溶融による炉床
への燃焼灰の固着がないので、炉床の耐火物の破損は少
なくなる利点もある。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１に記載の
繊維廃棄物燃焼用ボイラによれば、燃焼室の炉床及び側
壁に所要数設けられた空気噴出ノズルと、この燃焼室側
方に設けられ上記繊維廃棄物を投入するための前記投入
口と、この投入口から燃焼室に繊維廃棄物を押し入れる
ための押し込み手段と、前記燃焼室の残渣残留部の上方
に、繊維廃棄物押入口側から排出口に向けて所定長さ配
置された水冷火格子と、前記燃焼室の炉床の残渣残留部
に残留している残渣を、前記火格子上に投入された繊維
廃棄物が前記残渣の燃焼で着火が終わる時点で該残渣を
排出口に移動させるように、排出側に向けて押し出すた
めに燃焼室内に出没し、上記燃焼室の外部に配置された
水冷式残渣押し出し手段とを備えたものであるから、熱
可塑性樹脂系及び熱硬化性樹脂系のいずれの繊維廃棄物
も、火格子上で燃焼され、火格子の間から溶融落下して
炉床上で再燃焼される。

【００３０】しかも、投入された炉床上の繊維廃棄物
が、炉床上の火焔で下部より瞬時に着火されるので、繊
維廃棄物の投入によるボイラ内の温度低下の影響が少な
く、且つ不完全燃焼による発煙が生じることがない。更
に、水冷火格子を使用しているので、水冷火格子の上下
で繊維廃棄物とその溶融物とが燃焼されても、この水冷
火格子が焼損することがない。更に、残渣は、水冷式残
渣押し出し手段によって排出口側に押し出されるので、
自動的に残渣の排出を行うことができ、省力化を図るこ
とが出来る。

【００３１】請求項２に記載の繊維廃棄物燃焼用ボイラ
によれば、火格子が水冷火格子で構成され、この水冷火
格子が、燃焼室の押入口から燃焼室内部に向けて、斜め
上向きに傾斜した状態で配置されているから、繊維廃棄
物の燃焼によって発生する熱によって水蒸気が発生する
が、この水蒸気は水冷火格子内に滞溜することがないの
で、水冷火格子が過熱焼損することがない。

【００３２】請求項３に記載の繊維廃棄物燃焼用ボイラ
によれば、燃焼室の底部の炉床が，残渣発生部から排出
口にわたって段階的に低くなる段部に順次低い位置に形
成され、これら複数の段部の各々に，残渣を排出口に向
けて押し出す水冷式残渣押し出し手段を出没可能に配設
したから、段部を介して段階的に低くなる炉床上に、残
渣が順次押し出されて残渣の再燃焼がなされているの
で、炉内に残渣が累積することがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る繊維廃棄物燃焼用ボイラの第１実
施例の正面縦断面図である。

【図２】第１実施例の繊維廃棄物燃焼用ボイラの平面横
断面図である。

【図３】第１実施例の繊維廃棄物燃焼用ボイラの側面縦
断面図である。

【図４】第２実施例の繊維廃棄物燃焼用ボイラの正面縦
断面図である。

【図５】従来の繊維廃棄物燃焼用ボイラでの繊維廃棄物
の燃焼時における残渣の再燃焼によって生じたクリンカ
ーを示す斜視図である。

【符号の説明】

１Ａ，１Ｂ 繊維廃棄物燃焼用ボイラ １０ 繊維廃棄物投入口 ２０ 燃焼室 ２１ 炉床 ２１ａ，２１ｂ，２１ｃ 炉床 ２２ 側壁 ２３ 繊維廃棄物押入口 ２４ 排出口 ２５ 残渣発生部 ２６ 排出口 ２７，２８，２９ 段部 ３０ 熱交換装置 ４０ 空気噴出ノズル ５０ エアーシリンダ又は油圧シリ
ンダ（押し込み手段） ６０ エアーシリンダ又は油圧シリ
ンダ（水冷式残渣押し出し手段） ６１，６２，６３ エアーシリンダ又は油圧シリ
ンダ（水冷式残渣押し出し手段） ７０ 火格子 ７１ 水冷火格子

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F23G 5/00 119 F23G 5/00 ZAB F23G 5/46 ZAB F23H 3/02 ZAB

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 繊維廃棄物投入口と燃焼室と熱交換装置
   を備えた繊維廃棄物燃焼用ボイラであって、 この燃焼室の炉床及び側壁に所要数設けられた空気噴出
   ノズルと、この燃焼室側方に設けられ上記繊維廃棄物を
   投入するための前記投入口と、 この投入口から燃焼室に繊維廃棄物を押し入れるための
   押し込み手段と、前記燃焼室の残渣残留部の上方に、繊維廃棄物押入口側
   から排出口に向けて所定長さ配置された水冷火格子と、 前記燃焼室の炉床の残渣残留部に残留している残渣を、
   前記火格子上に投入された繊維廃棄物が前記残渣の燃焼
   で着火が終わる時点で該残渣を排出口に移動させるよう
   に、排出側に向けて押し出すために燃焼室内に出没し、
   上記燃焼室の外部に配置された水冷式残渣押し出し手段
   と、 を備えていることを特徴とする繊維廃棄物燃焼用ボイ
   ラ。
2. 【請求項２】 前記水冷火格子が、燃焼室の押入口から
   燃焼室内部に向けて、斜め上向きに傾斜した状態で配置
   されている請求項１に記載の繊維廃棄物燃焼用ボイラ。
3. 【請求項３】 前記燃焼室の底部の炉床が，残渣発生部
   から排出口にわたって段階的に低くなる段部によって順
   次低い位置に形成され、これら複数の段部の各々に，残
   渣を排出口に向けて押し出す水冷式残渣押し出し手段を
   出没可能に配設した請求項１又は２のいずれかに記載の
   繊維廃棄物燃焼用ボイラ。