JP3378016B2 - カルバモイル基を有するイミダゾール誘導体の製造法 - Google Patents

カルバモイル基を有するイミダゾール誘導体の製造法

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誠 羽嶋
好行 武内
浩二 松田
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D233/00Heterocyclic compounds containing 1,3-diazole or hydrogenated 1,3-diazole rings, not condensed with other rings
    • C07D233/54Heterocyclic compounds containing 1,3-diazole or hydrogenated 1,3-diazole rings, not condensed with other rings having two double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D233/66Heterocyclic compounds containing 1,3-diazole or hydrogenated 1,3-diazole rings, not condensed with other rings having two double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D233/84Sulfur atoms

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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、カルバモイル基を有するイミダゾール誘導
体の製造法に関する。
背景技術 各種イミダゾール誘導体に関する研究は、医薬への応
用の見地からこれまで種々行われており、イミダゾール
誘導体は、抗ウイルス剤またはエイズの治療剤として有
用であると考えられる。
イミダゾール誘導体の製造法として、アルコール体を
4,5−ジシアノイミダゾール、ジエチルアゾジカルボキ
シレートおよびトリフェニルホスフィンと反応させる方
法が記載されている(Tetrahedron Asymmetry Vol.5,N
o.2,181−184(1994)に記載)が、この方法にはカルバ
モイル基を有するイミダゾール誘導体のN−アルキル化
反応は包含されていない。また、イミダゾール環の2位
にカルバモイル基を有する化合物の製造法として、イミ
ダゾール環の1位のアルキル化を行った後、次いで2位
のカルバモイル基を導入する方法が記載されている(国
際特許出願WO96/10019号)が、この方法はアルキル化の
反応条件が緩和ではない。
発明の開示 本発明者は、カルバモイル基を有するイミダゾール誘
導体の製造法として、カルバモイル基を保護せずに、緩
和な条件でN−アルキル化しうる方法を目的として鋭意
研究を重ねた結果、式(I)で示される化合物を、ジア
ルキルアゾジカルボキシレートまたはテトラアルキルア
ゾジカルボキサミドおよびホスフィンの存在下、式(I
I)で示される化合物と反応させ、式(III)で示される
化合物へと導くことに成功し、本発明を完成した。
即ち、本発明は式(I): (式中、R1は置換されていてもよいアルキルまたは置換
されていてもよいアリールであり、R2は置換されていて
もよいアルキルであり、nは1〜3の整数である) で示される化合物を、ジアルキルアゾジカルボキシレー
トまたはテトラアルキルアゾジカルボキサミドおよびホ
スフィンの存在下、式(II): R3OH (II) (式中、R3は置換されていてもよいアルキル、置換され
ていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアラル
キルまたは置換されていてもよいヘテロアリールアルキ
ルである) で示される化合物と反応させることを特徴とする式(II
I): (式中、R1、R2、R3およびnは前記と同意義である)で
示される化合物の製造法を提供する。
発明を実施するための最良の形態 好ましい態様としては、R3OHがピコリルアルコールで
ある場合、ジアルキルアゾジカルボキシレートがジイソ
プロピルアゾジカルボキシレートである場合および/ま
たはホスフィンがトリフェニルホスフィンである場合が
挙げられる。
本明細書中、「アルキル」としては直鎖状若しくは分
枝状のC1〜C8のアルキルを意味し、例えば、メチル、エ
チル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−
ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、
n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル等を挙げる
ことができる。置換基は、ハロゲン(フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素)、アリール、シクロアルキル(例えば、シ
クロプロピル)等を挙げることができる。これらはすべ
ての可能な位置で1個以上置換しうる。
「アリール」としては、C6〜C12の芳香環基を意味
し、例えば、フェニル、ナフチル等が挙げられる。置換
基は、ハロゲン、アルキル(例えば、メチル、エチ
ル)、アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ)、ニ
トロ等を挙げることができる。これらはすべての可能な
位置で1個以上置換しうる。具体的には、3−フルオロ
フェニル、3−クロロフェニル、3,5−ジフルオロフェ
ニル、3,5−ジクロロフェニル、3−メチルフェニル、
3,5−ジメチルフェニル、3−メトキシフェニル、3,5−
ジメトキシフェニル、3−ニトロフェニル等が挙げられ
る。
「アルケニル」としては直鎖状若しくは分枝状のC2〜
C8のアルケニルを意味し、例えば、ビニル、アリル、プ
ロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテ
ニル等を挙げることができる。該アルケニルにおける置
換基は前記アルキルにおける置換基と同様である。
「アラルキル」としては、前記アルキルにアリールが
置換したものであり、例えば、ベンジル、1−フェニル
エチル、ナフチルメチル、2−ナフチルエチル等を挙げ
ることができる。該アラルキルにおける置換基は前記ア
リールにおける置換基と同様である。
「ヘテロアリールアルキル」とは、前記アルキルにヘ
テロアリールが置換したものであり、ヘテロアリールと
は任意に選ばれる酸素原子、硫黄原子または窒素原子を
環内に1個以上含み、かつ炭素環もしくは他の複素環と
縮合していてもよい5〜6員の環を意味し、これらは置
換可能な全ての位置で結合しうる。例えば、ピリジル
(例えば、4−ピリジル)、ピリダジニル(例えば、5
−ピリダジニル)、ピリミジニル(例えば、4−ピリミ
ジニル)、ピラジル(例えば、2−ピラジル)、イミダ
ゾリル(例えば、2−イミダゾリル)、オキサゾリル
(例えば、4−オキサゾリル)、チアゾリル(例えば、
5−チアゾリル)、チエニル(例えば、2−チエニ
ル)、キノリル(例えば、2−キノリル)等を挙げるこ
とができる。ヘテロアリールアルキルとしては、例え
ば、ピリジルメチル(例えば、4−ピリジルメチル)、
ピリジルエチル(例えば、1−(2−ピリジル)エチ
ル)、ピリダジニルメチル(例えば、5−ピリダジニル
メチル)、ピリミジニルメチル(例えば、4−ピリミジ
ニルメチル)、ピラジルメチル(例えば、2−ピラジル
メチル)、イミダゾリルメチル(例えば、1−メチル−
2−イミダゾリメチル)、オキサゾリルメチル(例え
ば、4−オキサゾリルメチル)、チアゾリルメチル(例
えば、5−チアゾリルメチル)、チエニルメチル(例え
ば、2−チエニルメチル)、キノリルメチル(例えば、
2−キノリルメチル)等を挙げることができる。該ヘテ
ロアリールにおける置換基は前記アリールにおける置換
基と同様である。
本発明は、式(I)で示される化合物を、ジアルキル
アゾジカルボキシレートまたはテトラアルキルアゾジカ
ルボキサミドおよびホスフィンの存在下、式(II)で示
される化合物と反応させることにより式(III)で示さ
れるイミダゾール誘導体を製造する。本発明の出発物質
である式(I)で示される化合物の一部のものは既知化
合物であり、例えば、国際特許出願WO96/10019号に記載
の方法に準じて製造することができる。本発明に用いる
式(I)で示される化合物の具体例としては、5−(3,
5−ジクロロフェニル)チオ−4−イソプロピル−1H−
イミダゾール−2−イルメチル カルバメート、5−n
−ブチルチオ−4−エチル−1H−イミダゾール−2−イ
ルプロピル カルバメート、5−(4−ニトロフェニル
チオ)−4−(2−エチルプロピル)−1H−イミダゾー
ル−2−イル エチルカルバメート、5−(2,3,4−ト
リクロロフェニルチオ)−4−イソブチル−1H−イミダ
ゾール−2−イルメチル カルバメート等が挙げられ
る。
化合物(II)としては、ピコリルアルコール(例え
ば、γ−ピコリルアルコール)、エタノール、シクロヘ
キシルメチルアルコール、クロロエタノール(例えば、
1−クロロエタノール)、グリコール酸エチル、2−ヒ
ドロキシアセトフェノン、アリルアルコール、4−メチ
ルンベンジルアルコール、フルフリルアルコール、カル
バモイルオキシエタノール等が挙げられる。
化合物(I)に化合物(II)を反応させる際に使用さ
れるジアルキルアゾジカルボキシレートとしては、ジイ
ソプロピルアゾジカルボキシレート、ジエチルアゾジカ
ルボキシレート等が挙げられ、テトラアルキルアゾジカ
ルボキサミドとしては、テトラメチルアゾジカルボキサ
ミド等が挙げられる。また、ホスフィンとしては、トリ
フェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、ト
リ−m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィ
ン等のトリアリールホスフィンが挙げられ、トリメチル
ホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピ
ルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n
−ブチルホスフィン、トリ−t−ブチルホスフィン等の
トリアルキルホスフィン等が挙げられる。溶媒として
は、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、トルエン、
酢酸エチル、アセトニトリル等の非プロトン性溶媒が挙
げられる。該化合物(I)に対して、ジアルキルアゾジ
カルボキシレートまたはテトラアルキルアゾジカルボキ
サミドを1.0〜2.0当量、好ましくは、1.5〜1.7当量、ホ
スフィンを1.0〜2.0当量、好ましくは、1.5〜1.7当量、
化合物(II)を1.0〜1.5当量、好ましくは、1.1〜1.2当
量反応させる。反応温度は、5℃〜30℃で行う。好まし
くは、15℃〜20℃である。
以下に実施例を掲げて本発明を詳しく説明するが、本
発明はこれらのみに限定されるものではない。
本実施例中における略語の意味を示す。
Bn ベンジル 参考例1 5−(3,5−ジクロロフェニル)チオ−4−イソプロピ
ル−1H−イミダゾール−2−イルメチル カルバメート
(第1工程) [5−(3,5−ジクロロフェニル)チオ−4−イソプロ
ピル−1H−イミダゾール−2−イル]メタノール 2 化合物1 10.0g(24.5mmol)に濃塩酸50mlを加え、8
0℃で5時間攪拌した。この反応混合物に水50mlとトル
エン30mlを加え混合し、トルエン層を除去した後、30%
水酸化ナトリウム溶液を滴下し、中和した。次いで、こ
の混合物に酢酸エチル80mlを加え、目的物を抽出した。
酢酸エチル層を分離し、水30mlで洗浄した。それぞれの
水層を酢酸エチル30mlで順次抽出し、作の酢酸エチル層
と合併した。この酢酸エチル溶液を減圧下、濃縮した。
得られたスラリーを氷冷下、2時間攪拌した後、濾過
し、冷却した酢酸エチルで洗浄し、乾燥して、白色結晶
の化合物2を6.8g得た。収率87%。
mp 191〜192℃。1 H−NMR(d6−DMSO−TMS)δppm:1.17(d,J=7Hz,6H),
3.0−3.2(m,1H),4.47(d,5Hz,2H),5.47(t,5Hz,1
H),6.99(s,2H),7.31(s,1H),12.43(bs,1H). (第2工程) 5−(3,5−ジクロロフェニル)チオ−4−イオプロピ
ル−1H−イミダゾール−2−イルメチル カルバメート
3 第1工程で得た化合物2 40g(126mmol)をアセトニ
トリル400mlに懸濁した。窒素気流下、これを冷却し、
クロロスルホニルイソシアネート24.3g(171mmol)を−
20〜−25℃で1時間かけて滴下した。次いで、この混合
液に水400mlを10℃以下で流入し、濃塩酸40mlを加えて5
0℃で2時間攪拌した。この混合物を−10℃に冷却し、
同温で1時間晶析させた。得られたスラリーを濾過し、
冷却したアセトニトリルで洗浄し、乾燥して白色結晶の
化合物3を43.2g得た。収率83%。mp 102〜105℃(分
解)。1 H−NMR(d6−DMSO−TMS)δppm:1.25(d,7Hz,6H),3.1
9(sept,1H),5.17(br,2H),7.23(d,J=2Hz,2H),7.4
8(s,1H). 元素分析 (C14H18O3N3SCl3) 計算値(%):C,40.54;H,4.37;N,10.13;S,7.73;Cl 25.6
4 実測値(%):C,39.97;H,4.36;N,10.16;S,7.66;Cl 25.4
9 実施例1 5−(3,5−ジクロロフェニル)チオ−4−イソプロピ
ル−1−(4−ピリジル)メチル−1H−イミダゾール−
2−イルメチル カルバメート 4 参考例1で得た化合物3 1.0g(2.41mmol)を酢酸エ
チル10mlに懸濁した。これに7%重曹水4mlを加え溶解
し、酢酸エチル層を分離した。この抽出液を酢酸エチル
(10ml×3)を使用して減圧下、脱水濃縮し、10gの濃
縮液とした。これにピコリルアルコール300mg(2.75mmo
l)とトリフェニルホスフィン1.0g(3.97mmol)を加え
て溶解した。窒素気流下、ジイソプロピルアゾジカルボ
キシレート800mg(3.96mmol)の酢酸エチル7.8ml溶液
を、15℃で45分間かけて滴下し、同温で1時間攪拌し
た。この反応混合物に水3ml、次いで、10%塩酸2.5mlを
加えて攪拌し、水層を分離した。さらに酢酸エチル層を
3%塩酸1.5mlで抽出し、分離して先の水層と合併し
た。この水層に酢酸エチル10mlを加え、7%重曹水14ml
を流入して中和した。酢酸エチル層を分離し、飽和食塩
水5mlで洗浄後の抽出液に活性炭50mgを加えて脱色し
た。活性炭を濾去し、濃縮してメタノール3mlを加え
た。この混合物に水9mlを滴下してスラリー化し、氷冷
下1時間攪拌した。得られたスラリーを濾過し、水で洗
浄し、乾燥して白色結晶の化合物4を920mg得た。収率8
5%。1 H−NMR(d6−DMSO−TMS)δppm:1.18(d,J=7Hz,6H),
2.9−3.1(m,1H),5.11(s,2H),5.30(s,2H),6.66(b
s,2H),6.75(d,J=2Hz,2H),6.96(d,J=6Hz,2H),7.2
7(t,J=2Hz,1H),8.34(d,J=6Hz,2H). 産業上の利用可能性 本発明は、カルバモイル基を有するイミダゾール誘導
体(I)をカルバモイル基を保護せずに、N−アルキル
化しうる製造法を提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 233/84 CA(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I): (式中、R1は置換されていてもよいアルキルまたは置換
    されていてもよいアリールであり、R2は置換されていて
    もよいアルキルであり、nは1〜3の整数である) で示される化合物を、ジアルキルアゾジカルボキシレー
    トまたはテトラアルキルアゾジカルボキサミドおよびホ
    スフィンの存在下、式(II): R3OH (II) (式中、R3は置換されていてもよいアルキル、置換され
    ていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアラル
    キルまたは置換されていてもよいヘテロアリールアルキ
    ルである) で示される化合物と反応させることを特徴とする式(II
    I): (式中、R1、R2、R3およびnは前記と同意義である) で示される化合物の製造法。
  2. 【請求項2】R3OHがピコリルアルコールである請求の範
    囲第1項記載の製造法。
  3. 【請求項3】ジアルキルアゾジカルボキシレートがジイ
    ソプロピルアゾジカルボキシレートである請求の範囲第
    1項または第2項記載の製造法。
  4. 【請求項4】ホスフィンがトリフェニルフスフィンであ
    る請求の範囲第1項〜第3項のいずれかに記載の製造
    法。
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