JP4790901B2 - 4−アミノ−5−シアノイミダゾール誘導体及びその中間体の製造方法 - Google Patents

4−アミノ−5−シアノイミダゾール誘導体及びその中間体の製造方法 Download PDF

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Description

【発明の属する技術分野】
本発明は、農薬、医薬の中間体として有用な4−アミノ−5−シアノイミダゾール誘導体及びその中間体の製造方法に関する。
【0001】
【従来の技術】
一般式(IV)
【0002】
【化5】
Figure 0004790901
【0003】
(式中、R’及びR’’は、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基等を表す。)で表される化合物(以下、「4−アミノ−5−シアノイミダゾール誘導体」という。)は、農薬、医薬の有用な中間体であり、特にアデニン合成の原料して使用されている。
【0004】
従来、4−アミノ−5−シアノイミダゾール誘導体は、例えば、ジアミノマレオニトリル(以下、「DAMN」という。)から4,5−ジシアノイミダゾールを合成し、次いで、このものを加水分解して4−シアノイミダゾール−5−カルボキサミドを得た後、ホフマン転移反応させることにより合成されていた(特公昭46−10889号公報)。しかしながら、この方法は、工程数が多い上に、ホフマン転移反応の収率が低いという問題があった。
【0005】
また、一般式(IV)で表される化合物を合成する際の中間体となり得る一般式(V)
【0006】
【化6】
Figure 0004790901
【0007】
で表される化合物の合成方法としては、例えば、DAMNとホルムアミジン酢酸塩をエタノール中還流する方法により、N−(2−アミノ−1,2−ジシアノビニル)ホルムアミジンを合成できることが報告されている(J.Org.Chem.,44,4532(1979))。しかしながら、この方法での収率はわずか2%である。
【0008】
また、DAMNとトリエチルオルトホルメートをジオキサン中で反応させて、エチル N−(2−アミノ−1,2−ジシアノビニル)ホルムイミデートを合成し、さらに、クロロホルム中でアニリン塩酸塩を触媒として用いて、−20℃以下の低温でアンモニアと反応させることにより、N−(2−アミノ−1,2−ジシアノビニル)ホルムアミジンが得られる旨の報告もある(J.Chem.Soc.Perkin Trans.I,1705(1990))。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように、DAMNを出発原料として一般式(IV)や(V)で表される化合物の製造方法は種々知られているが、上記いずれの方法も低収率であったり、反応操作が煩雑である等の問題点を有しており、工業的製造法としては満足できる程度のものではなかった。
本発明は、かかる実状に鑑みなされたものであって、4−アミノ−5−シアノイミダゾール誘導体及びその中間体の簡便で効率のよい製造方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、本発明は第1に、ジアミノマレオニトリルと、一般式(I):R1CONHR2(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいC1〜C10のアルキル基、脂環式骨格を有するC3〜C14の炭化水素基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいヘテロアルキル基、N無置換若しくは置換カルバモイル基、又はアルコキシカルボニル基を表す。)で表される化合物と、オキシ塩化リン、三塩化リン、五塩化リン、オキシ臭化リン、ジホスホリルクロリド、塩化スルホニル、塩化スルフリル、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲン、クロロギ酸トリクロロメチルエステルなる群より選ばれる化合物とを、溶媒中で反応させる工程を有する、一般式(II)
【0011】
【化7】
Figure 0004790901
【0012】
(式中、R1及びR2は前記と同じ意味を表す。)
で表される化合物又はその塩の製造方法を提供する。
【0013】
本発明は第2に、一般式(II)
【0014】
【化8】
Figure 0004790901
【0015】
(式中、R1及びR2は前記と同じ意味を表す。)
で表される化合物又はその塩に、塩基性化合物を作用させる工程を有する、一般式(III)
【化9】
Figure 0004790901
(式中、R1及びR2は前記と同じ意味を表す。)
で表される化合物の製造方法を提供する。
【0016】
また、本発明は第3に、ジアミノマレオニトリルと、一般式(I):R1CONHR2(式中、R1及びR2は前記と同じ意味を表す。)で表される化合物と、オキシ塩化リン、三塩化リン、五塩化リン、オキシ臭化リン、ジホスホリルクロリド、塩化スルホニル、塩化スルフリル、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲン、クロロギ酸トリクロロメチルエステルなる群より選ばれる化合物とを溶媒中で反応させることにより、前記一般式(II)で表される化合物又はその塩を得る工程と、
得られた前記一般式(II)で表される化合物又はその塩に、塩基性化合物を作用させる工程とを有する、前記一般式(III)で表される化合物の製造方法を提供する。
【0017】
第1及び第2の発明によれば、DAMNを出発原料として、簡便かつ効率よく一般式(II)及び(III)で表される化合物を製造することができる。
また、第3の発明によればDAMNを出発原料として、一般式(II)で表される化合物を得た後、このものを単離・精製することなく連続的に一般式(III)で表される化合物を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の一般式(II)で表される化合物は、下記反応式に示すように、DAMNと一般式(I):R1CONHR2で表される化合物とを、オキシ塩化リン、三塩化リン、五塩化リン、オキシ臭化リン、ジホスホリルクロリド、塩化スルホニル、塩化スルフリル、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲン、クロロギ酸トリクロロメチルエステルなる群より選ばれる化合物(以下、「ハロゲン化剤」と略す。)とを、適当な溶媒中で反応させることにより製造することができる。
【0019】
【化10】
Figure 0004790901
【0020】
式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいC1〜C10のアルキル基、脂環式骨格を有するC3〜C14の炭化水素基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいヘテロアルキル基、N無置換若しくは置換カルバモイル基、又はアルコキシカルボニル基を表す。
【0021】
前記置換基を有していてもよいC1〜C10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−デシル基、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、4−アセトキシ−3−アセトキシメチル−ブチル基、4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−ブチル基、2−ヒドロキシエトキメチル基、2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エトキシメチル基、4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−ブチル基、5−(N−メチルカルバモイルオキシ)ブチル基、ヒドロキシカルボニルメチル基、2−クロロエチル基、2−ジメチルアミノエチル基、N−置換−2−アスパラギル基等を挙げることができる。
【0022】
脂環式骨格を有するC3〜C14の炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、1−アダマンチル基、1−アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,3−エポキシ−5−イル基、シクロブチル基、2,3−ヒドロキシメチルシクロブチル基、シクロペンチル基、1,2−ヒドロキシメチルシクロプロピルメチル基等を挙げることができる。
【0023】
置換基を有していてもよいアルケニル基としては、ビニル基、2−メチルビニル基、1,2−ジクロロビニル基、シンナモイル基、3’,4’−ジメトキシシンナモイル基、アリル基、1−メチルアリル基、3−クロロ−2−プロペニル基、3−ヒドロキシ−1−ブテニル基、3−メトキシ−2−プロペニル基等を例示することができる。
【0024】
置換基を有していてもよいアルキニル基としては、例えば、エチニル基、2−プロピニル基、2−クロロエチニル基、3−クロロ−2−プロピニル基、3−ヒドロキシ−1−ブテニル基、3−アルコキシ−1−ブテニル基、3−フェニル−2−プロピニル基、3−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−プロペニル基等を挙げることができる。
【0025】
置換基を有していてもよいアリール基としては、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、3,5―ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−フェノキシフェニル基、4−フェニルフェニル基、4−(2−クロロフェニル)フェニル基、4−(3−イソオキサゾリルフェニル)フェニル基、3−ベンジルフェニル基、2−ピリジルメチルフェニル基等を例示することができる。
【0026】
置換基を有していてもよいアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、1−メチルベンジル基、フェネチル基、4−メチルフェニルメチル基、4−クロロフェニルメチル基、3−メトキシフェニルメチル基、3−フェノキシフェニルメチル基、4−フェニル−フェニルメチル基、4−[2−(3−テトラゾリル)フェニル]フェニルメチル基、4−(2−ピリジル)フェニルメチル基、3−ベンジルフェニルメチル基、3−(2−ピリジルメチル)フェニルメチル基等を挙げることができる。
【0027】
置換基を有していてもよい複素環基としては、例えば、2−ピリジル基、6−メチル−2−ピリジル基、6−クロロ−2−ピリジル基、6−メトキシ−2−ピリジル基、4−フェニル−2−ピリジル基、4−(4−メチルフェニル)−2−ピリジル基、6−(2−ピリジル)−2−ピリジル基、6−(2−ピリジルメチル)−2−ピリジル基、4−テトラヒドロピラニル基、3−イソオキサゾリル基、β−D−アラビノフラノシル基、β−D−リボフラノシル基、5−ベンジルアミノ−5−デオキシ−β−D−リボフラノシル基、5−O−メチル−β−D−リボフラノシル基、5−ホスホニル−5−デオキシ−β−D−リボフラノシル基、2−デオキシ−β−D−アラビノフラノシル基、2−デオキシ−β−D−リボフラノシル基等を挙げることができる。
【0028】
置換基を有していてもよいヘテロアルキル基としては、例えば、2−ピリジルメチル基、3−ピリジルメチル基、6−クロロ−ピリジルメチル基、6−メトキシ−2−ピリジルメチル基、3−フェニル−2−ピリジルメチル基、4−(4−メチルフェニル)−2−ピリジルメチル基、6−(2−ピリジル)−2−ピリジルメチル基、4−ベンジル−2−ピリジルメチル基、4−(3−イソオキサゾリル)−2−ピリジルメチル基、1−メチル−5−クロロ−4−ピラゾリルメチル基等を挙げることができる。
【0029】
また、N−無置換若しくは置換カルバモイル基としては、例えば、N−メチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基等を挙げることができ、アルコキシカルボニル基としては、例えば、t−ブトキシカルボニル基、メトキシカルボニル基等を挙げることができる。
これらの中でも、R1及びR2は、それぞれ水素原子又はC1〜10のアルキル基であるのが好ましく、ともに水素原子であるのが特に好ましい。
一般式(I)で表される化合物の使用量は、DAMN1モルに対して、通常、1.0〜2.0倍当量、好ましくは1.0〜1.2倍当量の範囲である。
【0030】
本反応に用いられるハロゲン化剤としては、ジアミノマレオニトリルと前記一般式(I)で表される化合物とから、前記一般式(II)で表される化合物を与えるものであれば特に制限はない。例えば、オキシ塩化リン、三塩化リン、五塩化リン、オキシ臭化リン、ジホスホリルクロリド、塩化スルホニル、塩化スルフリル、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲン、クロロギ酸トリクロロメチルエステルなる群より選ばれる1種若しくは2種以上の化合物を好ましく挙げることができる。ハロゲン化剤の使用量は、一般式(I)で表される化合物1モルに対して、通常、1.0〜1.5倍当量、好ましくは1.0〜1.2倍当量の範囲である。
【0031】
本反応は、▲1▼DAMN及び一般式(I)で表される化合物の溶液または懸濁液中に、ハロゲン化剤を添加する方法、▲2▼一般式(I)で表される化合物の溶液または懸濁液中に、ハロゲン化剤を添加し、さらにDAMNを添加する方法、▲3▼ハロゲン化剤の溶液又は懸濁液中に、DAMN及び一般式(I)で表される化合物の溶液または懸濁液を添加する方法等いずれの方法でも行うことができる。これらの方法の中で、反応操作が簡便であり、目的物が収率よく得られる観点から、▲1▼の方法が特に好ましい。
【0032】
この反応に用いられる溶媒としては、不活性溶媒であれば、一般的に工業的に使用できるものを用いることができる。その具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒;クロロホルム、塩化メチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;等が挙げられる。これらは単独で、あるいは2種以上の混合溶媒として使用することができる。溶媒の使用量には特に制限はないが、DAMN1モルに対して、通常、0.1〜10リットル、好ましくは0.3〜2リットル、より好ましくは0.3〜0.6リットルの範囲である。
【0033】
反応は反応を制御するために低温で行うのが好ましい。反応温度としては、通常、−20〜40℃、好ましくは−10〜40℃、より好ましくは0〜30℃の範囲である。特に、オキシ塩化リン等のハロゲン化剤を添加又はハロゲン化剤に添加する場合にはさらに低温で行うのが好ましく、具体的には、−20〜30℃、より好ましくは−10〜10℃の範囲で反応を行う。また、前記▲1▼の方法で反応させる場合は、ハロゲン化剤を0〜10℃で添加した後、室温まで昇温するのが好ましい。
【0034】
反応完了後は、必要に応じて塩基性化合物の溶液を用いて反応液を中和して、析出した結晶を濾過することにより、あるいは溶媒抽出により、一般式(II)で表される化合物を得ることができる。中和に用いられる塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属炭酸塩等が挙げられる。
【0035】
また、以上のようにして得られる一般式(II)で表される化合物には、例えば、下記式に示すような異性体が存在し得るが、これらの異性体はすべて本発明に含まれる。
【0036】
【化11】
Figure 0004790901
【0037】
次に、4−アミノ−5−シアノイミダゾール誘導体(III)の製造方法について説明する。4−アミノ−5−シアノイミダゾール誘導体(III)は、一般式(II)で表される化合物に、塩基性化合物を作用させることにより製造することができる。
【0038】
【化12】
Figure 0004790901
【0039】
(上記式中、R1及びR2は前記と同じ意味を表す。)
この反応に用いられる塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム t−ブトキシド、マグネシウムエトキシド等の金属アルコキシド;水素化ナトリウム、水素化カルシウム等の金属水素化物;n−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド等の有機金属類;等が挙げられる。
これらの中でも、本発明においては、反応操作の簡便さ及び目的物が収率よく得られる観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の使用が好ましい。
【0040】
反応溶媒としては、水;テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒;アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセタミド等の極性溶媒を用いることができる。これらの溶媒は、単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。また、これらの溶媒は、用いられる塩基性化合物の種類に応じて適宜選択して使用する必要がある。例えば、水酸化ナトリムや水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物を用いる場合には、水溶液で使用することが好ましい。
【0041】
これらの塩基性化合物の使用量は、一般式(II)で表される化合物1モルに対して、通常、1〜10倍当量、好ましくは1〜3倍当量の範囲である。
【0042】
また、一般式(II)で表される化合物は、例えば塩酸塩のような塩の状態で用いてもよい。この場合においては、塩の中和に塩基が消費されるため、それに相当する分だけ過剰量の塩基性化合物を添加する必要がある。
【0043】
反応は、通常、室温〜還流温度の範囲で円滑に進行する。反応時間は、反応温度に依存するが、通常、1〜48時間である。
【0044】
反応終了後においては、反応液から溶媒抽出を行うことによって、あるいは反応液を必要により中和した後、溶媒を留去して得られた残留物を溶媒抽出すること等の方法により、4−アミノ−5−シアノイミダゾール誘導体(III)を得ることができる。
【0045】
本発明においては、得られた4−アミノ−5−シアノイミダゾール誘導体を塩の形で単離することもできる。また、得られた塩を一旦中和した後、別の酸を加え、又は直接塩交換を行うことによっても塩を得ることができる。さらに、得られた4−アミノ−5−シアノイミダゾール誘導体(III)の塩を結晶として単離した後、中和することによって、4−アミノ−5−シアノイミダゾール誘導体(III)を単離することもできる。
【0046】
また、前記一般式(II)及び(III)で表される化合物において、R2が水素原子である化合物は、反応終了後、反応液を室温まで冷却し、pHを等電点に調整し生成した結晶を濾別することにより、目的とする一般式(III)で表わされる化合物を高純度で得ることができる。等電点は化合物によって異なるが、通常、pHを9〜13の範囲、好ましくは11〜12の範囲に調整した場合によい結果を与える。
【0047】
さらに、本発明においては、反応完結後、室温まで冷却しpH調整を行う前に、活性炭等を用いて後処理する工程を設けると、得られる結晶の純度を向上させたり、着色の問題を解決することができる場合がある。
【0048】
【実施例】
次に、実施例で本発明を詳しく説明するが、本発明は、下記の実施例のみに限定されるものではない。
(1)N−(2−アミノ−1,2−ジシアノビニル)ホルムアミジンの製造
【0049】
【化13】
Figure 0004790901
【0050】
(実施例1)
DAMN(純度98%)11.03g(0.1mol)とホルムアミド4.95g(0.11mol)をTHF100mlに溶解し、5℃に冷却した。内温を5℃に保ちながら、オキシ塩化リン16.87g(0.11mol)を30分かけて滴下した後、液温を徐々に室温まで昇温し終夜撹拌した。反応液に5%炭酸水素ナトリウム水溶液383.92gを加えて中和し、析出した結晶を濾過、乾燥し、目的のN−(2−アミノ−1,2−ジシアノビニル)ホルムアミジン9.20gを得た。(収率68.1%)
【0051】
(実施例2)
DAMN(純度98%)11.03g(0.1mol)とホルムアミド4.95g(0.11mol)をTHF50mlに溶解し、5℃に冷却した。内温を5℃に保ちながら、オキシ塩化リン16.87g(0.11mol)を45分かけて滴下した後、液温を徐々に室温まで昇温し終夜撹拌した。反応液に5%炭酸水素ナトリウム水溶液505.33gを加えて中和し、析出した結晶を濾過、乾燥し、目的のN−(2−アミノ−1,2−ジシアノビニル)ホルムアミジン12.39gを得た。(収率91.7%)
(実施例3)
【0052】
DAMN(純度98%)110.32g(1.0mol)とホルムアミド49.54g(1.1mol)をTHF500mlに溶解し、5℃に冷却した。内温を5℃に保ちながら、オキシ塩化リン168.66g(1.1mol)を1.5時間かけて滴下した後、液温を徐々に室温まで昇温し終夜撹拌した。反応液に5%炭酸水素ナトリウム水溶液5362.9gを加えて中和し、析出した結晶を濾過、乾燥し、N−(2−アミノ−1,2−ジシアノビニル)ホルムアミジン118.17gを得た。(収率87.4%)
【0053】
(2)4−アミノ−5−シアノイミダゾールの製造
【0054】
【化14】
Figure 0004790901
【0055】
(実施例4)
N−(2−アミノ−1,2−ジシアノビニル)ホルムアミジン1.35g(0.01mol)を水10mlに溶解し、25%水酸化ナトリウム水溶液1.76g(0.011mol)を室温で滴下した後、3時間攪拌した。反応液を5℃まで冷却し35%塩酸で中和した後、反応液をセライト濾過してハルツを取り除き、濾液を濃縮乾固した。得られた残留物にアセトンを加え、不溶塩を濾過で取り除いた後、減圧濃縮、減圧乾燥し、目的物を0.89g得た。(収率82.4%)
【0056】
(実施例5)
N−(2−アミノ−1,2−ジシアノビニル)ホルムアミジン40.54g(0.3mol)を水300mlに溶解し、25%水酸化ナトリウム水溶液58.08g(0.33mol)を室温で30分かけて滴下し、1時間攪拌した。反応液を10℃まで冷却し35%塩酸で中和した後、水150mlを減圧留去した。得られた反応液をセライト濾過することによりハルツを取り除き、酢酸エチル(200mlで8回)で抽出した後、抽出液を減圧濃縮、乾燥し、目的物を19.40g得た。(収率59.8%)
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、農薬、医薬の中間体として有用な4−アミノ−5−シアノイミダゾール誘導体及びその中間体を、簡便かつ効率よく、工業的に有利に製造することができる。

Claims (2)

  1. 一般式(II)
    Figure 0004790901
    (式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいC1〜C10のアルキル基、脂環式骨格を有するC3〜C14の炭化水素基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいヘテロアルキル基、N無置換若しくは置換カルバモイル基、又はアルコキシカルボニル基を表す。)
    で表される化合物に、
    アルカリ金属水酸化物を作用させる工程を有する、
    一般式(III)
    Figure 0004790901
    (式中、R1及びR2は前記と同じ意味を表す。)
    で表される化合物の製造方法。
  2. ジアミノマレオニトリルと、一般式(I): 1 CONHR2(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいC1〜C10のアルキル基、脂環式骨格を有するC3〜C14の炭化水素基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいヘテロアルキル基、N無置換若しくは置換カルバモイル基、又はアルコキシカルボニル基を表す。)で表される化合物と、
    オキシ塩化リン、三塩化リン、五塩化リン、オキシ臭化リン、ジホスホリルクロリド、塩化スルホニル、塩化スルフリル、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲン、クロロギ酸トリクロロメチルエステルなる群より選ばれる化合物とを、溶媒中で反応させて、
    一般式(II)
    Figure 0004790901
    (式中、R1及びR2は前記と同じ意味を表す。)
    で表される化合物を得る工程と、
    得られた一般式(II)で表される化合物に、アルカリ金属水酸化物を作用させる工程を有する、一般式(III)
    Figure 0004790901
    (式中、R1及びR2は前記と同じ意味を表す。)
    で表される化合物の製造方法。
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