JP5112737B2 - アミノイミダゾール誘導体の製造方法 - Google Patents

アミノイミダゾール誘導体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アミノイミダゾール誘導体の製造方法に関する。さらに詳細には、ジアミノマレオニトリルを出発物質として、式(V)で表されるアミノイミダゾール誘導体を高収率で得ることができる製造方法に関する。
Figure 0005112737
(式(V)中、R1、およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基である。R4は、−CN、または−CONH2である。)
式(V)で表されるアミノイミダゾール誘導体の一種である、1H−4(5)−アミノイミダゾール−5(4)−カルボキサミド類(以下、AICAと略すことがある。)や、4(5)−アミノ−1H−イミダゾール−5(4)−カルボニトリル類(以下、AICNと略すことがある。)は、抗がん剤ダカルバジン(dacarbazine)及びテモゾロミド(temozoromide)、肝臓保護薬ウラザミド(urazamide)を製造するための有用な中間原料である。
式(V)で表されるアミノイミダゾール誘導体の合成法として、例えば、4−ニトロイミダゾール−5−カルボキサミドを接触還元する方法、フェニルアゾマロンアミジンを蟻酸中で還元閉環する方法、α−アミノ−α−シアノアセトアミドを原料とする方法、プリン核を有する化合物を分解する方法などが知られている。しかし、これらは原料の入手容易さや操作の容易さの点で工業的利用に難点がある。
工業原料として入手容易なジアミノマレオニトリル(以下、DAMNと略すことがある。)から4,5−ジシアノイミダゾールを合成(特公昭46−4373号公報)し、これを加水分解(特公昭41−21026号公報)して、1H−4(5)−シアノイミダゾール−5(4)−カルボキサミドを合成し、さらにそれをホフマン転位反応させて1H−4(5)−アミノイミダゾール−5(4)−カルボニトリルに変換(特公昭46−10889号公報)し、次いで、それを加水分解して1H−4(5)−アミノイミダゾール−5(4)−カルボキサミドを合成する方法が知られている。しかしながら、この合成法は収率が低い。
非特許文献1において、N−(2−アミノ−1,2−ジシアノビニル)ホルムアミジンを閉環してAICNを合成できることが報告されている。また、非特許文献2および非特許文献3において、N−(2−アミノ−1,2−ジシアノビニル)−N’−置換−ホルムアミジンを閉環して1−置換−5−アミノイミダゾール−4−カルボニトリルを合成できることが報告されている。
B.L.Booth等(J.Chem.Soc.Perkin Trans.I,1990,1705) B.L.Booth等(J.Chem.Soc.Perkin Trans.I,1992,2120) B.L.Booth等(J.Chem.Soc.Perkin Trans.I,1995,669)
特許文献1および特許文献2には、ジアミノマレオニトリルと、塩化水素と、イソブチロニトリルやシアン化水素とを有機溶媒中で反応させて、N−(2−アミノ−1,2−ジシアノビニル)ホルムアミジン誘導体(以下、AMDと略すことがある。)を得、AMDを水酸化ナトリウム水溶液で環化反応させ、AICNやAICAを合成する方法が開示されている。また、特許文献3には、ジアミノマレオニトリルと、ホルムアミドと、オキシ塩化リンとを、テトラヒドロフランなどの溶媒中で反応させて、AMDを得、該AMDの水溶液または水懸濁液に塩基性化合物を作用させて、AICNを合成する方法が開示されている。さらに特許文献4には、AMDを塩基性水溶液中で環化、加水分解してAICAを合成する方法が開示されている。
特開2001−158776号公報 WO04/035529 特開2002−155059号公報 特開2001−151760号公報
本発明の目的は、式(IV)で表される化合物及び/又はその塩を環化させて、式(V)で表されるアミノイミダゾール誘導体を高収率で得ることができる製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、ジアミノマレオニトリルを出発物質として、式(V)で表されるアミノイミダゾール誘導体を高収率で得ることができる製造方法を提供することにある。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意検討した結果、式(IV)で表される化合物及び/又はその塩を塩基性水溶液の存在下に環化させる工程(C)において、アルコールなどのプロトン性有機溶媒を多量に用いると副生成物が生成しやすく、収率を高くすることに限界があることを見出した。そこで、本発明者は、式(IV)で表される化合物及び/又はその塩を塩基性水溶液の存在下に環化させる工程(C)において、非プロトン性有機溶媒を用いたところ、副生成物が大幅に減り、式(V)で表されるアミノイミダゾール誘導体が高収率で得られることを見出した。
また、ジアミノマレオニトリルと、式(I)で表される化合物とを、強酸の存在下で反応させて、式(II)で表される化合物を得る工程(A)、 式(II)で表される化合物と、式(III)で表される化合物とを、反応させて、式(IV)で表される化合物及び/又はその塩を得る工程(B)、 および式(IV)で表される化合物及び/又はその塩を塩基性水溶液の存在下に環化させる工程(C)のいずれにおいても、非プロトン性有機溶媒を用いることによって、ジアミノマレオニトリルから式(V)で表されるアミノイミダゾール誘導体を短時間に高収率でワンポット合成できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいてさらに検討した結果完成したものである。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
(1) 式(IV)で表される化合物及び/又はその塩を塩基性水溶液の存在下に環化させる工程(C)を、非プロトン性有機溶媒の存在下で行うことを含む、 式(V)で表されるアミノイミダゾール誘導体の製造方法。
Figure 0005112737
(式(IV)中、R1およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基である。)
Figure 0005112737
(式(V)中、R1およびR3は、式(IV)中のものと同じものを表す。R4は、−CN、または−CONH2である。)
(2) ジアミノマレオニトリルと、式(I)で表される化合物とを、強酸の存在下で反応させて、式(II)で表される化合物を得る工程(A)、
CR1(OR23 (I)
(式(I)中、R1は、水素原子であり、R2は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基である。)
Figure 0005112737
(式(II)中、R1およびR2は、式(I)中のものと同じものを表す。)

式(II)で表される化合物と、式(III)で表される化合物とを、反応させて、式(IV)で表される化合物及び/又はその塩を得る工程(B)、
NH23 (III)
(式(III)中、R3は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基である。)
Figure 0005112737
(式(IV)中、R1は、式(I)中のものと同じものを表す。R3は式(III)中のものと同じものを表す。)
および
式(IV)で表される化合物及び/又はその塩を塩基性水溶液の存在下に環化させる工程(C)を、いずれも、
非プロトン性有機溶媒の存在下で行うことを含む、式(V)で表されるアミノイミダゾール誘導体の製造方法。
Figure 0005112737
(式(V)中、R1は式(I)中のものと同じものを表す。R3は式(III)中のものと同じものを表す。R4は、−CN、または−CONH2である。)
(3) 強酸がトリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸または濃硫酸である前記のアミノイミダゾール誘導体の製造方法。
(4) 工程(B)を、式(II)で表される化合物の非プロトン性有機溶媒溶液もしくは懸濁液と、式(III)で表される化合物の水溶液とを混合することによって、行う、前記のアミノイミダゾール誘導体の製造方法。
(5) 非プロトン性有機溶媒がテトラヒドロフランである、前記のアミノイミダゾール誘導体の製造方法。
本発明の製造方法によって、副生成物が大幅に減り、式(V)で表されるアミノイミダゾール誘導体が高収率で得られる。本発明の製造方法では、出発原料であるジアミノマレオニトリルから、式(V)で表されるアミノイミダゾール誘導体を得るまでの各工程で使用する溶媒を、非プロトン性有機溶媒で統一できるので、ジアミノマレオニトリルから、式(V)で表されるアミノイミダゾール誘導体を短時間に高収率でワンポット合成できる。
本発明の製造方法の出発物質である、ジアミノマレオニトリル(DAMN)は、青酸の四量化反応から容易に合成することができ、また工業的に入手可能な化合物である。
式(I)で表される化合物は、オルト蟻酸トリエステル、オルト酢酸トリエステルなどとして知られるオルトカルボン酸トリエステルである。これらは工業的に入手可能な化合物である。
式(I)中のR1は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基である。
置換基を有してもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、n−デシル基、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、4−アセトキシ−3−アセトキシメチル−ブチル基、4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−ブチル基、2−ヒドロキシエトキシメチル基、2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エトキシメチル基、4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−ブチル基、5−(N−メチルカルバモイルオキシ)ブチル基、ヒドロキシカルボニルメチル基、2−クロロエチル基、2−ジメチルアミノエチル基、N−置換−2−アスパラギル基などが挙げられる。
置換基を有してもよいアリール基としては、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−フェノキシフェニル基、4−フェニルフェニル基、4−(2−クロロフェニル)フェニル基、4−(3−イソオキサゾリルフェニル)フェニル基、3−ベンジルフェニル基、2−ピリジルメチルフェニル基などが挙げられる。これらのうち、R1は、工程(B)のアミジン化反応の効率を考慮すると水素原子が好ましい。R1がメチル基やフェニル基であるときは工程(C)の環化反応時にジシアノイミダゾール誘導体の生成が優先的になる。
式(I)中のR2は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基である。R2における、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基の具体例としては、上記R1で例示したものと同様のものが挙げられる。式(I)中のR2は、すべて同じものであってもよいし、異なっていてもよい。本発明の製法によると、式(I)中のR2に由来するアルコール(R2OH)が副生する。副生するアルコールを効率的に除去回収しやすいという観点から、R2としては、C1〜C5のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基が最も好ましい。
工程(A)では、ジアミノマレオニトリルと、式(I)で表される化合物とを、強酸の存在下で反応させて、式(II)で表される化合物を得る。
式(I)で表される化合物は、DAMNに対して、通常1〜2当量、好ましくは1.05〜1.3当量を使用して反応させる。
工程(A)に用いられる強酸は、水溶液中でほとんど完全に電離する酸である。具体的には硫酸、臭化水素酸、沃化水素酸、硝酸、塩酸、過塩素酸;メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トルフルオロメタンスルホン酸などが挙げられる。炭酸、酢酸、硼酸、硫化水素などの弱酸は、本発明の製造方法には適さない。強酸の使用量は、DAMNに対して0.2〜0.5モル%が好ましい。強酸の量が多くなりすぎると、副生成物の量が増加傾向になる。
工程(A)は非プロトン性有機溶媒の存在下で行うことが好ましい。非プロトン性有機溶媒は、プロトン供与性を持たない溶媒である。工程(A)において使用する非プロトン性有機溶媒の量はDAMN1モルに対して、通常0.1〜1L、好ましくは0.1〜0.3Lである。非プロトン性有機溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル;アセトンなどのケトンが挙げられる。これらのうち、テトラヒドロフランが好ましい。
工程(A)では、DAMNと式(I)で表される化合物との反応において強酸が存在すればよく、合成原料の添加順序、添加速度など特に制限されない。工程(A)では、通常、先ず反応器に溶媒を仕込み、それに所定量のDAMNおよび式(I)で表される化合物を一緒にまたは別々に添加し、次いで強酸を添加する。強酸添加後、所定の温度に維持し、反応させる。
工程(A)における反応温度は特に制限されないが、低温すぎると反応が遅く製造に長時間を要するようになり、高温すぎると4,5−ジシアノイミダゾールなどの副生成物が増加し、純度が低下傾向になる。したがって、反応温度は、通常、室温(20℃前後)から溶媒還流温度までの温度、好ましくは30〜50℃である。また、反応時間は1時間以内であることが好ましい。反応時間が長くなりすぎると副生成物が増加し、純度が低下傾向になる。 工程(A)で得られた、式(II)で表される化合物が含まれる反応液は、そのまま工程(B)に供することができる。
工程(B)では、式(II)で表される化合物と、式(III)で表される化合物とを、反応させて、式(IV)で表される化合物及び/又はその塩を得る。工程(B)は工程(A)と同様に非プロトン性有機溶媒の存在下で行うことが好ましい。
NH23 (III)
式(III)中、R3は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基である。R3における、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基の具体例としては、上記R1で例示したものと同様のものが挙げられる。
工程(B)は、式(II)で表される化合物の非プロトン性有機溶媒溶液もしくは懸濁液と、式(III)で表される化合物の水溶液とを混合して、次いで所定の温度に維持して、行うことが好ましい。
式(II)で表される化合物の非プロトン性有機溶媒溶液もしくは懸濁液として工程(A)で得られた反応液をそのまま使用することによってワンポット合成をすることができる。
式(III)で表される化合物の水溶液は、式(II)で表される化合物に対して、式(III)で表される化合物が、好ましく1〜10当量、より好ましくは3〜6当量になるように添加する。
式(III)で表される化合物の具体例としては、アンモニア;メチルアミン、エチルアミンなどのアミン類;メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、イソプロパノールアミンなどのアルカノールアミン等が挙げられる。
工程(B)における反応温度は特に制限されないが、低温すぎると反応が遅く製造に長時間を要するようになり、高温すぎると副生成物が増加し、純度が低下傾向になる。したがって、反応温度は、通常、0〜50℃、好ましくは10〜30℃である。また、反応時間は1時間以内であることが好ましい。反応時間が長くなりすぎると副生成物が増加し、純度が低下傾向になる。 工程(B)で得られた、式(IV)で表される化合物及び/又はその塩が含まれる反応液は、そのまま工程(C)に供することができる。
工程(C)では、式(IV)で表される化合物及び/又はその塩を塩基性水溶液の存在下に環化させる。工程(C)は非プロトン性有機溶媒の存在下で行う。この環化反応によって式(V)で表される化合物が得られる。
塩基性水溶液は塩基性化合物を水に溶解させたものである。塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;アンモニア、アミンなどが挙げられる。これらのうちアルカリ金属水酸化物が好ましい。
塩基性水溶液を、式(IV)で表される化合物及び/又はその塩に対して、塩基性化合物が、好ましくは1〜3当量、より好ましくは1.5〜2.5当量になるように添加し、工程(C)における反応温度を、好ましくは0〜50℃、より好ましくは0〜30℃にすると環化反応が進み、R4が−CNの誘導体(AICN)が得られる。
塩基性水溶液を、式(IV)で表される化合物及び/又はその塩に対して、塩基性化合物が、好ましくは3〜5当量になるように添加し、工程(C)における反応温度を溶媒還流温度にすると環化加水分解反応が進み、R4が−CONH2の誘導体(AICA)が得られる。
工程(C)完了後、式(V)で表される化合物を精製することができる。精製方法としては、例えば、工程(C)で得られた反応液に塩酸などの酸を添加し、塩酸塩等にして抽出または濃縮する方法が挙げられる。また、特開2004−75610号公報に記載されるように、上記抽出液に活性炭などの脱色剤を添加して脱色処理する方法が挙げられる。
本発明の製造方法で得られた式(V)で表される化合物、特に1H−4(5)−アミノイミダゾール−5(4)−カルボキサミドや、4(5)−アミノ−1H−イミダゾール−5(4)−カルボニトリルは、抗がん剤ダカルバジン(dacarbazine)及びテモゾロミド(temozoromide)、肝臓保護薬ウラザミド(urazamide)を製造するための有用な中間原料として利用できる。
次に、本発明を、実施例および比較例を示して、より詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1(DAMN −> MMD −> AMD −> AICN)
容量3Lの四つ口フラスコにテトラヒドロフラン(THF) 400mLを仕込み、DAMN 219.1g(純度98.7%、2.00mol)、およびオルトギ酸トリメチル 254.7g(2.40mol)を加えた。この混合物にメタンスルホン酸 480mgを加え、40℃に維持して1時間攪拌し、MMDのスラリーを得た。
該MMDスラリーにTHF 200mLを加え、25%アンモニア水 545.0g(8.0mol)を加えて、30℃に維持して1時間攪拌した。
次に、25%水酸化ナトリウム水溶液 640.0g(4.0mol)を加え、30〜40℃の温度に維持して1時間攪拌して、AICNの反応液を得た。
得られた反応液からアンモニア分を減圧留去し、35%塩酸560g(5.4mol)を加えてpHを6に調整した。析出した黒色不溶物を濾過で取り除いた。
次いで、THF 1.2Lを加えてAICNの抽出操作を3回繰り返した。THF抽出液中のAICNを定量分析したところ、AICN含有量は169g(1.56mol)であった。
このTHF抽出液を濃縮し、次いで水を加えてTHFを留去し、AICN水溶液を得た。この水溶液に活性炭40gを加えて、50℃で30分間攪拌した。活性炭を濾別し、得られた濾液の重量が1000gになるように水を添加した。該液を徐々に冷却して、0〜5℃の温度を維持して30分間攪拌して結晶を析出させ、該結晶を濾過した。結晶を冷水300mLで洗浄し、40〜50℃で減圧乾燥し、AICNの結晶を146.2g(純度98.1%、収率66.4%)得た。
Figure 0005112737
実施例2
容量200mLの四つ口フラスコにTHF 20mLを仕込み、DAMN 10.95g(純度98.7%、0.100mol)、およびオルトギ酸トリメチル 12.73g(0.120mol)を加えた。この混合物にメタンスルホン酸 27mgを加え、40℃に維持して1時間攪拌し、MMDスラリーを得た。
該MMDスラリーにTHF 15mLを加え、25%アンモニア水 27.25g(0.400mol)を加え、30℃に維持して1時間攪拌した。
次に、25%水酸化ナトリウム水溶液 32.00g(0.200mol)を加え、30〜40℃の温度で1時間攪拌してAICNの反応液を得た。
得られた反応液に35%塩酸 20.8g(0.20mol)を加えた。溶液中のAICNを定量分析したところ、AICNは9.43g(0.0872mol)含まれていた。
比較例
容量100mLの四つ口フラスコにMMD3.00g(20mmol)およびメタノール10mLを加え、MMDスラリーを得た。
該MMDスラリーにアンモニア1.77g(100mmol)のメタノール溶液10mLを加え、室温で3時間攪拌してAMDのスラリーを得た。
次に、25%水酸化ナトリウム水溶液 3.20g(20mmol)を加え、室温で20時間攪拌した。反応液をHPLCで分析したところ、面積比でAICN46%、DCI4%、式(VI)で表されるAIC−イミデート35%であった。
Figure 0005112737
実施例3
実施例1と同様にしてMMDスラリーを得た。該MMDスラリー(MMD9.0g(0.06mol)、THF60mL)にイソプロパノールアミン(R)4.89g(0.066mol)を5℃で加え、5〜10℃で4時間攪拌して式(IVa)で表される化合物の液を得た。
次に、25%水酸化ナトリウム水溶液 14.4g(90mmol)を10℃で10分間掛けて滴下し、滴下完了後、10℃で18時間攪拌した。得られた反応液に35%塩酸 11.8g(0.11mol)を加え、30分間攪拌した。反応液をHPLCで分析したところ、面積比で式(Va)で表されるAICN−(R)HPが82.0%含まれていた。
Figure 0005112737
Figure 0005112737
実施例4
イソプロパノールアミン(R)をイソプロパノールアミン(S)に替えた他は実施例3と同様にして、式(IVb)で表される化合物および式(Vb)で表されるAICN−(S)HPを得た。HPLCで分析したところ、面積比で式(Vb)で表されるAICN−(S)HPが90.2%含まれていた。
Figure 0005112737
Figure 0005112737
以上の結果から、メタノールなどのプロトン性有機溶媒を用いた場合には、副反応が多く起きてアミノイミダゾール誘導体の収率が高くならない。一方、本発明に従って、テトラヒドロフランなどの非プロトン性溶媒を用いると、ジアミノマレオニトリルから式(V)で表されるアミノイミダゾール誘導体が高収率で得られることがわかる。

Claims (4)

  1. ジアミノマレオニトリルと、式(I)で表される化合物とを、強酸の存在下で反応させて、式(II)で表される化合物を得る工程(A)、
    CR1(OR23 (I)
    (式(I)中、R1は、水素原子であり、R2は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基である。)
    Figure 0005112737
    (式(II)中、R1およびR2は、式(I)中のものと同じものを表す。)

    式(II)で表される化合物と、式(III)で表される化合物とを、反応させて、式(IV)で表される化合物及び/又はその塩を得る工程(B)、
    NH23 (III)
    (式(III)中、R3は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基である。)
    Figure 0005112737
    (式(IV)中、R1は、式(I)中のものと同じものを表す。R3は式(III)中のものと同じものを表す。)
    および
    式(IV)で表される化合物及び/又はその塩を塩基性水溶液の存在下に環化させる工程(C)を、いずれも
    非プロトン性有機溶媒の存在下で行うことを含む、式(V)で表されるアミノイミダゾール誘導体の製造方法。
    Figure 0005112737
    (式(V)中、R1は式(I)中のものと同じものを表す。R3は式(III)中のものと同じものを表す。R4は、−CN、または−CONH2である。)
  2. 強酸がトリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸または濃硫酸である請求項に記載のアミノイミダゾール誘導体の製造方法。
  3. 工程(B)を、式(II)で表される化合物の非プロトン性有機溶媒溶液もしくは懸濁液と、式(III)で表される化合物の水溶液とを混合することによって、行う、請求項1または2に記載のアミノイミダゾール誘導体の製造方法。
  4. 非プロトン性有機溶媒がテトラヒドロフランである、請求項1〜のいずれかひとつに記載のアミノイミダゾール誘導体の製造方法。
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