JP3377946B2 - モールドコンベヤ及びその運転方法 - Google Patents

モールドコンベヤ及びその運転方法

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JP3377946B2
JP3377946B2 JP12694798A JP12694798A JP3377946B2 JP 3377946 B2 JP3377946 B2 JP 3377946B2 JP 12694798 A JP12694798 A JP 12694798A JP 12694798 A JP12694798 A JP 12694798A JP 3377946 B2 JP3377946 B2 JP 3377946B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼却残滓や飛灰等
の被溶融物を溶融処理する溶融炉から出湯された溶融ス
ラグを、移送中に空冷固化して空冷スラグとして取り出
せるようにしたモールドコンベヤとその運転方法の改良
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、都市ごみや産業廃棄物等を焼却
処理する焼却炉から排出される焼却残滓や飛灰は、その
多くが埋立て処理されて来た。しかし、前記焼却残滓や
飛灰は、重金属やダイオキシン等の有害物質が含まれて
いる為、埋立て処理後に有害物質が溶出して環境汚染を
生じる虞れがある。又、埋立て地の確保も年々困難にな
りつつあるうえ、埋立て地に於いて粒子径の小さい飛灰
が飛散したりすることがあり、実務上様々な問題を生じ
ている。
【0003】そこで、近年、焼却炉から排出される焼却
残滓や飛灰の減容化及び無害化を図る為、焼却残滓及び
飛灰の溶融固化処理法が注目され、実用に供されてい
る。即ち、焼却残滓や飛灰から成る被溶融物を溶融処理
して固化すると、容積を1/2〜1/3に減らすことが
できると共に、重金属等の有害物質の溶出防止や溶融ス
ラグの再利用(骨材や路盤材等への利用)、最終埋立て
処分場の延命等が可能になるからである。
【0004】而して、焼却残滓等の被溶融物の溶融処理
方法には、アーク溶融炉やプラズマアーク炉、電気抵抗
炉等を使用し、電気エネルギーによって被溶融物を溶融
する方法と、表面溶融炉や旋回溶融炉、コークスベッド
炉等を使用し、燃料の燃焼エネルギーによって被溶融物
を溶融する方法とが多く利用されている。中でも、ごみ
焼却設備に発電設備が併置されている場合には、前者の
電気エネルギーを用いる方法が、又、発電設備が併置さ
れていない場合には、後者の燃焼エネルギーを用いる方
法が夫々多く採用されている。
【0005】更に、溶融炉から出湯された溶融スラグを
冷却固化する方法としては、溶融スラグを溶融炉の下方
位置に配設した水槽内へ落下させ、水により急冷固化し
て水砕スラグとする水冷方法と、溶融スラグを溶融炉の
下方位置に配設したモールドコンベヤのモールド内へ落
下させ、モールドの移動中にモールド内の溶融スラグを
大気中或いはハウジング内で自然冷却することにより、
空冷スラグとする空冷方法とがある。
【0006】図3は、溶融炉20から出湯された溶融ス
ラグSを空冷スラグS1 として取り出す従来のモールド
コンベヤ21の概略縦断面図であり、当該モールドコン
ベヤ21は、溶融炉20の出湯口20aに排出シュート
22を介して連通状態で接続されたハウジング23内に
若干傾斜する姿勢でもって配設されて居り、ハウジング
23内を略水平方向へ周回するチェーン24に溶融スラ
グSを受け入れる複数のトレー形状のモールド25(鋳
鋼製若しくは鋳鉄製)を隣接状態で取り付けたものであ
る。
【0007】而して、前記モールドコンベヤ21は、溶
融炉20の出湯口20aから排出シュート22を経てハ
ウジング23内へ落下排出された溶融スラグSをモール
ド25により受け取り、モールド25がハウジング23
内を移動する間にモールド25内の溶融スラグSを自然
冷却して空冷スラグS1 とし、この空冷スラグS1 をモ
ールドの反転時にハウジング23の一端部側に形成した
空冷スラグ排出口23aから落下排出させるようになっ
ている。
【0008】このようにして、溶融スラグSを固形状の
空冷スラグS1 とすると、焼却残滓や飛灰等の被溶融物
に比較して大幅に減容することができ、埋立て処理に有
利になると共に、物理的・化学的に安定して重金属等の
有害物質の溶出もなくなり、無公害化を達成することが
できる。又、空冷スラグS1 は、路盤材や骨材等への有
効利用が可能となる。
【0009】ところで、溶融炉20から出湯される溶融
スラグSの量は、必ずしも一定ではなく、一度に多量の
溶融スラグSが出湯されることがある。その為、モール
ドコンベヤ21に於いては、隣接するモールド25の周
縁部分を重ね合わせて居り、溶融炉20から多量の溶融
スラグSが出湯されたときには、溶融スラグSの一部が
モールド25からオーバーフローして後続のモールド2
5内へ流れ込むようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、従来のモー
ルドコンベヤ21に於いては、溶融炉20から一時に極
めて多量の溶融スラグSが出湯された場合、オーバーフ
ローした溶融スラグSを後続の複数のモールド25で受
け取ることができず、溶融スラグSがモールド25の両
側部から溢れ落ちて、チェーン24を損傷すると云う問
題があった。
【0011】又、従来のモールドコンベヤ21は、モー
ルド25の移動速度が一定となるように運転されている
為、溶融スラグSから出湯される溶融スラグSの量が変
化した場合には、モールド25内の溶融スラグSの厚み
がまちまちになり、モールド25から排出される空冷ス
ラグS1 の厚みや大きさ等が一定しないと云う問題があ
った。例えば、溶融スラグSの出湯量が少ない場合に
は、溶融スラグSの厚さが10mmにも満たない状態で
モールド25が移動することになり、モールドコンベヤ
21から排出される空冷スラグS1 は極めて薄いものと
なる。反対に、溶融スラグSの出湯量が多い場合には、
モールド25内が溶融スラグSで一杯になった状態でモ
ールド25が移動することになり、モールドコンベヤ2
1から排出される空冷スラグS1 は極めて分厚いものと
なる。
【0012】このように、従来のモールドコンベヤ21
に於いては、溶融スラグSがモールド25から溢れ出し
てチェーン24を損傷させることがあるうえ、空冷スラ
グS 1 の厚みや大きさ等がまちまちになって均一な厚み
の空冷スラグS1 を得られないと云う問題があった。
【0013】本発明は、このような問題点に鑑みて為さ
れたものであり、その目的は、モールドから溶融スラグ
が溢れ出てチェーン等を損傷するのを防止できると共
に、モールド内へ略一定量の溶融スラグを入れることに
より、モールドから排出される空冷スラグの厚みや大き
さ等を略一定にできるようにしたモールドコンベヤとそ
の運転方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に記載の発明は、溶融炉から出湯
された溶融スラグを、スプロケットに巻回された無端状
チェーンに取り付けられて隣接状態で移動するモールド
により受け取り、モールドの移動中にモールド内の溶融
スラグを空冷固化するようにした密閉型のモールドコン
ベヤに於いて、前記モールドをトレー形のモールドとす
ると共にモールドの後方の周縁部の上端に鍔部を形成
し、当該鍔部を後続するモールドの前方の周縁部の上端
へ重ねた状態で複数のモールドを、モールド内への溶融
スラグの受入れ位置に於いて後方の鍔部上面が前方の周
縁部の上端より低位置となる姿勢で相互に連結し、更に
溶融スラグを受入れ中のモールドとこれに隣接する後続
のモールドとの間の上方位置に、出湯中の溶融スラグや
溶融スラグを受入れ中のモールド内に溜まっている溶融
スラグからの輻射熱や光を遮蔽する遮蔽板を配設し、こ
の遮蔽板の後方位置に、溶融スラグを受入れ中のモール
ドから溶融スラグが後続のモールドへオーバーフローす
るのを検出する溶融スラグ溢流検知器を設け、溶融スラ
グ溢流検出器からの検出信号に基づいてモールドコンベ
ヤの駆動速度を制御するようにしたことを発明の基本構
成とするものである。
【0015】又、本発明の請求項2に記載の発明は、請
求項1の発明に於いて、溶融スラグ溢流検出器を赤外線
熱電対型温度検出器とし、当該温度検出器近傍の雰囲気
温度の上昇から溶融スラグのオーバーフローを検出する
ようにしたものである。
【0016】
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態
に係るモールドコンベヤ1の概略縦断面図を示し、当該
モールドコンベヤ1は、溶融炉2の下方位置に配設した
ハウジング3内に収納されて居り、溶融炉2からハウジ
ング3内へ落下排出された溶融スラグSを受け取り、こ
れを移送中にハウジング3内で自然冷却して空冷スラグ
1 として取り出せるようにしたものである。
【0018】尚、溶融炉2は、都市ごみや産業廃棄物等
の焼却炉から排出された焼却残滓や飛灰等の被溶融物
を、溶融点以上(通常1300℃〜1500℃)に加熱
して溶融スラグSとし、この溶融スラグSを出湯口2a
から落下排出するようにしたものである。この溶融炉2
には、電気エネルギーを用いる電気溶融炉(アーク溶融
炉、プラズマアーク炉及び電気抵抗炉等)や油、ガス等
の燃料の燃焼エネルギーを用いる燃焼式溶融炉(表面溶
融炉、旋回溶融炉及びコークスベッド炉等)が使用され
ている。
【0019】又、モールドコンベヤ1を収納するハウジ
ング3は、図1に示す如く、耐熱性や耐火性等を有する
鋼板材により断面形状が略矩形の長い箱状に形成されて
居り、その一端部側(図1の右側)には空冷スラグS1
を排出する為の下方へ開放された空冷スラグ排出口3a
が形成されている。このハウジング3は、溶融炉2の出
湯口2aの下方位置に若干傾斜する姿勢(空冷スラグ排
出口3aを形成した一端部が他端部側よりも若干高くな
る傾斜姿勢)でもって配設されて居り、溶融炉2の出湯
口2aとハウジング3の上壁との間に配設されて溶融ス
ラグ落口4aを形成する鋼板製の排出シュート4によ
り、溶融炉2の出湯口2aに気密状で且つ連通状に接続
されている。
【0020】本発明の実施の形態に係るモールドコンベ
ヤ1は、ハウジング3内に終端部側(図1の右側)が始
端部側(図1の左側)よりも若干高くなる傾斜姿勢でも
って収納されて居り、溶融スラグ落口4aからハウジン
グ3内へ落下排出された溶融スラグSを隣接状態で周回
移動するモールド5で受け取り、モールド5がハウジン
グ3内を溶融スラグ落口4aの下方位置から空冷スラグ
排出口3a側へ移動する間に、モールド5内の溶融スラ
グSを自然冷却によって空冷スラグS1 とするようにし
たものである。
【0021】即ち、前記モールドコンベヤ1は、図1に
示す如く、ハウジング3内の一端部(空冷スラグ排出口
3aの上方位置)に駆動軸6を介して回転自在に配設さ
れた一対の駆動スプロケット7と、同じくハウジング3
内の他端部に従動軸8を介して回転自在に配設された一
対の従動スプロケット9と、両スプロケット7,9に巻
き回された一対の平行な無端状のチェーン10と、チェ
ーン10間に取り付けられ、溶融スラグ落口4aから排
出された溶融スラグSを受け取る複数のモールド5と、
ハウジング3外に配設され、上側に位置するモールド5
が空冷スラグ排出口3a側へ移動するように駆動軸6及
び駆動スプロケット7を回転駆動する駆動装置11(モ
ータ及び伝動機構等から成る)と、駆動装置11を制御
する制御装置12と、ハウジング3内で且つモールド5
の上方位置に配設された遮蔽板13と、遮蔽板13の後
方位置に配設された溶融スラグ溢流検知器14とから構
成されている。
【0022】前記各モールド5は、図2に示す如く、高
温の溶融スラグSに耐えられるように耐熱性や耐浸食性
等に優れた鋳鋼や鋳鉄等によりトレー形状に形成されて
居り、周縁部の一辺には外方(後方)へ突出する鍔部5
aが一体的に形成されている。この鍔部5aを形成した
部分は、モールド5の他の周縁部よりも若干低くなって
いる。又、各モールド5は、略水平方向へ周回するチェ
ーン10間に隣接する状態で取り付けられて居り、鍔部
5aが隣接するモールド5の周縁部に重なり合うように
なっている。このように、モールド5の鍔部5aを隣接
するモールド5の周縁部に重ね合わすのは、溶融スラグ
落口4aから落下排出された溶融スラグSがモールド5
間の隙間から落下するのを防止したり、或いは溶融炉2
から出湯される溶融スラグS量の変動に伴って溶融スラ
グSがモールド5からオーバーフローしたときに後続の
モールド5内へ流れ込むようにする為である。
【0023】尚、各モールド5の大きさは、溶融スラグ
Sがモールド5内へ落下したときに溶融スラグS中に混
在している未溶融物や不完全溶融物を溶融スラグS内へ
確実に巻き込め、且つ溶融スラグSの保有熱によって未
燃溶融物や不完全溶融物を完全に溶融させることができ
るだけの量の溶融スラグSを入れられるように設定され
ている。
【0024】前記遮蔽板13は、耐熱性や耐浸食性等に
優れた金属材(鋳鋼、鋳鉄等)やセラミック材等により
長方形の板状に形成されて居り、ハウジング3内で且つ
モールド5の上方位置に配設され、溶融スラグ落口4a
(排出シュート4)から流れ落ちる溶融スラグSや溶融
スラグSを受入れ中のモールド5内に溜まっている溶融
スラグSからの輻射熱や光を遮蔽するものである。具体
的には、遮蔽板13は、図1及び図2に示す如く、溶融
スラグSを受入れ中のモールド5とこれに隣接する後続
のモールド5との間の上方位置に、モールドコンベヤ1
の幅方向に沿って垂下姿勢で配置されて居り、ハウジン
グ3の上壁下面に溶接により固着されている。
【0025】尚、遮蔽板13の大きさは、溶融スラグ落
口4aから流れ落ちる溶融スラグSや溶融スラグSを受
入れ中のモールド5内に溜まっている溶融スラグSから
の輻射熱や光を略遮蔽し、これらが後続のモールド5の
上方空間へ達しないようにように設定されている。又、
遮蔽板13の下端とモールド5の上端との間隔は、溶融
スラグSを受入れ中のモールド5から溶融スラグSがオ
ーバーフローして後続のモールド5へ流れ込むときに、
この溶融スラグSが遮蔽板13に接触しないように設定
されている。
【0026】前記溶融スラグ溢流検知器14は、溶融ス
ラグSを受入れ中のモールド5から溶融スラグSが後続
のモールド5へオーバーフローするのを検出するもので
あり、この溶融スラグ溢流検知器14には従来公知の赤
外線熱電対型温度検出器が使用されている。即ち、溶融
スラグ溢流検知器14は、遮蔽板13の後方位置(図2
に示す遮蔽板13の左側位置)で且つハウジング3の上
壁にこれを貫通する状態で着脱自在に取り付けられて居
り、溶融スラグSを受入れ中のモールド5に隣接する後
続のモールド5の上方空間の温度を測定することによ
り、その空間温度の上昇から溶融スラグSがオーバーフ
ローしたことを検出する。具体的には、溶融スラグSの
オーバーフローが始まると、温度検出器14の近傍温度
が約300℃〜600℃から約800℃〜1000℃程
度にまで上昇する。
【0027】そして、前記溶融スラグ溢流検知器14が
溶融スラグSのオーバーフローを検出すると、溶融スラ
グ溢流検知器14からの検出信号がモールドコンベヤ1
の制御装置12へ入力され、これにより制御装置12を
介して駆動装置11の速度制御が行われ、後続するモー
ルド5が溶融スラグ落口4aの下方へ後続で移動するよ
うに構成されている。即ち、モールドコンベヤ1は、溶
融スラグ落口4aの真下に位置するモールド5から溶融
スラグSがオーバーフローすると、オーバーフローした
溶融スラグSを受け入れた後続のモールド5が速やかに
溶融スラグ落口4aの真下へ移動するようにように駆動
制御される。従って、溶融スラグ落口4aの真下を通過
したモールド5は、溶融スラグSを一杯に受け入れた状
態でハウジング3内を空冷スラグ排出口3a側へ移動す
ることになる。
【0028】次に、以上のように構成されたモールドコ
ンベヤ1を用いて溶融炉2から出湯される溶融スラグS
を空冷スラグS1 として取り出す場合について説明す
る。
【0029】溶融炉2の出湯口2aから出湯された溶融
スラグSは、溶融スラグ落口4a(排出シュート4)を
流れ落ちてハウジング3内へ落下排出され、溶融スラグ
落口4aの真下に位置するモールド5に受け取られる。
このとき、溶融スラグS中に未溶融物や不完全溶融物が
塊状に混入している場合、これらはモールド5内へ落下
したときに溶融スラグSが流動性を有している為に溶融
スラグS内へ自然に巻き込まれる。又、未溶融物や不完
全溶融物は、溶融炉2内で加熱されているうえ、溶融ス
ラグSの量に比して可なり少ない。その結果、未溶融物
や不完全溶融物は、溶融スラグS内に巻き込まれること
によって、溶融スラグSの保有熱で確実に溶融すること
になる。
【0030】溶融スラグ落口4aの真下に位置するモー
ルド5内が溶融スラグSで一杯になると、余分の溶融ス
ラグSはモールド5の周縁部の低くなっている部分(鍔
部5a)からオーバーフローし、後続のモールド5内へ
流れ込む。このとき、モールド5の鍔部5aが隣接する
モールド5の周縁部に重なり合っている為、オーバーフ
ローした溶融スラグSはモールド5間の隙間からハウジ
ング3内へ落下することがなく、後続のモールド5内へ
流れ込むことになる。然も、モールド5の鍔部5aが低
くなっている為、オーバーフローした溶融スラグSは後
続のモールド5内へ確実且つスムースに流れ込むことに
なる。
【0031】オーバーフローした溶融スラグSが後続の
モールド5内へ流れ込むと、このモールド5の上方位置
に配設した溶融スラグ溢流検知器14が溶融スラグSの
オーバーフローを検出する。このとき、溶融スラグ溢流
検知器14の前方位置に遮蔽板13を配設している為、
溶融スラグ溢流検知器14は、溶融スラグ落口4aから
流れ落ちる溶融スラグSや溶融スラグ落口4aの真下に
位置するモールド5内に溜まっている溶融スラグSから
の輻射熱や光の影響を受けることもなく、オーバーフロ
ーする溶融スラグSを確実且つ良好に検出することがで
きる。
【0032】溶融スラグ溢流検知器14が溶融スラグS
のオーバーフローを検出すると、溶融スラグ溢流検知器
14からの検出信号が制御装置12へ入力され、これに
基づいて制御装置12を介して駆動装置11が制御さ
れ、モールド5を速やかに溶融スラグ落口4aの下方へ
移動させる。即ち、モールドコンベヤ1は、オーバーフ
ローした溶融スラグSを受け入れたモールド5が速やか
に溶融スラグ落口4aの真下へ移動するように制御装置
12及び駆動装置11によって駆動制御される。その結
果、既に溶融スラグSを受け入れているモールド5内へ
必要以上の溶融スラグSが落ち込むことがなく、モール
ド5の側壁部から溶融スラグSが溢れ出るのを防止する
ことができる。
【0033】溶融スラグ落口4aの真下に移動したモー
ルド5は、引き続き溶融スラグ落口4aから流れ落ちる
溶融スラグSを受け入れ、内部が溶融スラグSで一杯に
なって溶融スラグSが後続のモールド5へオーバーフロ
ーすると、上記と同様にして次のモールド5が溶融スラ
グ落口4aの下方へ速やかに移動することになる。
【0034】このように、このモールドコンベヤ1は、
溶融スラグSを受け入れているモールド5から溶融スラ
グSが後続のモールド5へオーバーフローすると、直ぐ
にモールド5が高速で移動し、溶融スラグSが殆ど溜ま
っていないモールド5が溶融スラグ落口4aの真下へ移
動するように構成されている。その結果、溶融スラグ落
口4aから一度に多量の溶融スラグSが流れ落ちた場合
でも、溶融スラグSがモールド5から溢れ出ると云うこ
とがなく、溶融スラグSによるモールドコンベヤ1のチ
ェーン10の損傷を未然に防止することができる。又、
溶融スラグSを受け入れているモールド5から、溶融ス
ラグSが後続のモールド5へオーバーフローしたとき
に、後続のモールド5が高速で溶融スラグ落口4aの下
方へ移動するようになっている為、溶融スラグ落口4a
の下方位置を通過したモールド5は、溶融スラグ落口4
aから流れ落ちる溶融スラグSの量に関係なく、常に一
定量(略一杯)の溶融スラグSを受け入れた状態となっ
ている。
【0035】そして、モールド5内へ入れられた溶融ス
ラグSは、順次溶融スラグ落口4aの下方位置からハウ
ジング3の空冷スラグ排出口3a側へ移送され、この間
に、未溶融物や不完全溶融物が溶融して全体が均質化し
たモールド5内の溶融スラグSは、自然冷却されて固化
し、空冷スラグS1 となる。
【0036】モールド5内の空冷スラグS1 は、モール
ド5が空冷スラグ排出口3aの上方位置(駆動スプロケ
ット7の部分)で反転する際にモールド5から外れて落
下し、空冷スラグ排出口3aから排出される。
【0037】尚、モールド5内に常時一定量の溶融スラ
グSを入れるようにしている為、モールド5から排出さ
れる空冷スラグS1 はその大きさや厚み、形状等を略一
定にすることができる。又、空冷スラグS1 は、未溶融
物や不完全溶融物を含んでいない為、空冷スラグS1
品質が大幅に向上することになり、これを埋立て処理し
たり、有価物として有効利用する場合にも、重金属類が
溶出して2次公害問題を引き起こすと云うこともない。
【0038】一方、空冷スラグS1 が落下して空になっ
たモールド5は、引き続き反転姿勢のままハウジング3
内を走行し、従動スプロケット9を通過する際に元の姿
勢に戻って溶融スラグSを受け取る姿勢となる。
【0039】このようにして、溶融炉2の溶融スラグ落
口4aから落下排出される溶融スラグSは、逐次モール
ド5内に落下して空冷固化されて空冷スラグS1 とな
り、モールド5の反転時にモールド5から落下して空冷
スラグ排出口3aから排出される。
【0040】尚、上記実施の形態に於いては、焼却残滓
や飛灰から成る被溶融物を溶融スラグSとし、これをモ
ールドコンベヤ1を用いて空冷スラグS1 とするように
したが、他の実施の形態に於いては、下水汚泥や破砕不
燃物等を溶融して溶融スラグSとし、これをモールドコ
ンベヤ1を用いて空冷スラグS1 とするようにしても良
い。
【0041】上記実施の形態に於いては、ハウジング3
及びモールドコンベヤ1を若干傾斜する姿勢で配設する
ようにしたが、他の実施の形態に於いては、ハウジング
3及びモールドコンベヤ1を水平姿勢で配設するように
しても良い。この場合、溶融スラグSがモールド5から
オーバーフローしたときに後続のモールド5内へ流れ込
むようにしておくことは勿論である。
【0042】上記実施の形態に於いては、モールドコン
ベヤ1をハウジング3内に収納し、ハウジング3内で溶
融スラグSを自然冷却により空冷スラグS1 とするよう
にしたが、他の実施の形態に於いては、ハウジング3を
省略し、モールド5内の溶融スラグSを大気中で空冷固
化して空冷スラグS1 とするようにしても良い。
【0043】上記実施の形態に於いては、モールドコン
ベヤ1のモールド5をトレー形状としたが、モールド5
の形状等は、上記例のものに限定されるものではなく、
溶融スラグSを受け取って未溶融物や不完全溶融物を溶
融スラグSの保有熱で溶融することができ、且つ溶融ス
ラグSの移送中に空気により固化することができれば、
如何なる形状及び構造のものであっても良い。
【0044】上記実施の形態に於いては、遮蔽板13を
ハウジング3の上壁下面に溶接により固着するようにし
たが、他の実施の形態に於いては、遮蔽板13をハウジ
ング3の上壁下面にボルト等により着脱自在に取り付け
るようにしても良い。
【0045】上記実施の形態に於いては、溶融スラグ溢
流検知器14に赤外線熱電対を使用するようにしたが、
溶融スラグ溢流検知器14は上記のものに限定されるも
のではなく、オーバーフローした溶融スラグSを検出す
ることができれば、如何なる構造のものであっても良
く、例えば、溶融スラグ溢流検知器14に輝度センサ
ー、熱電対、赤外線カメラ等を使用するようにしても良
い。
【0046】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば、溶融スラグを受入れ中のモールドとこれに
隣接する後続のモールドとの間の上方位置に遮蔽板及び
溶融スラグ溢流検知器を配設し、溶融スラグを受入れ中
のモールドから溶融スラグがオーバーフローして後続の
モールド内へ流れ込むのを溶融スラグ溢流検知器により
検出し、この検出信号によりモールドの移動速度を制御
するようにしている為、一度に多量の溶融スラグがモー
ルド内に流れ落ちた場合でも、溶融スラグがモールドか
ら溢れ出ると云うことがない。その結果、溢れ出した溶
融スラグによるモールドコンベヤのチェーン等の損傷を
未然に防止することができる。又、溶融スラグがオーバ
ーフローしたときにモールドが高速で移動するようにな
っている為、モールドは常に一定量の溶融スラグを受入
れた状態で移動することになる。その結果、コンベヤか
ら排出される空冷スラグの大きさや厚み、形状等を略一
定にすることができ、空冷スラグの品質を大幅に向上さ
せることができる。更に、出湯中の溶融スラグや溶融ス
ラグを受入れ中のモールド内に溜まった溶融スラグから
の輻射熱や光を遮蔽する遮蔽板を設けている為、溶融ス
ラグ溢流検知器により後続のモールド内への溶融スラグ
のオーバーフローを確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るモールドコンベヤの
概略縦断面図である。
【図2】モールドコンベヤの要部の概略拡大縦断面図で
ある。
【図3】従来のモールドコンベヤの概略縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1はモールドコンベヤ、2は溶融炉、5はモールド、1
1は駆動装置、13は遮蔽板、14は溶融スラグ溢流検
知器、Sは溶融スラグ、S1 は空冷スラグ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 紀生 新潟県糸魚川市大字大野978番地 株式 会社タナベ内 (56)参考文献 特開 平3−91609(JP,A) 特開 平6−114499(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23J 1/02 B65G 17/12 B65G 43/00 B22D 5/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融炉から出湯された溶融スラグを、
    プロケットに巻回された無端状チェーンに取り付けられ
    隣接状態で移動するモールドにより受け取り、モール
    ドの移動中にモールド内の溶融スラグを空冷固化するよ
    うにした密閉型のモールドコンベヤに於いて、前記モー
    ルドをトレー形のモールドとすると共にモールドの後方
    の周縁部の上端に鍔部を形成し、当該鍔部を後続するモ
    ールドの前方の周縁部の上端へ重ねた状態で複数のモー
    ルドを、モールド内への溶融スラグの受入れ位置に於い
    て後方の鍔部上面が前方の周縁部の上端より低位置とな
    る姿勢で相互に連結し、更に溶融スラグを受入れ中のモ
    ールドとこれに隣接する後続のモールドとの間の上方位
    置に、出湯中の溶融スラグや溶融スラグを受入れ中のモ
    ールド内に溜まっている溶融スラグからの輻射熱や光を
    遮蔽する遮蔽板を配設し、この遮蔽板の後方位置に、溶
    融スラグを受入れ中のモールドから溶融スラグが後続の
    モールドへオーバーフローするのを検出する溶融スラグ
    溢流検知器を設け、溶融スラグ溢流検出器からの検出信
    号に基づいてモールドコンベヤの駆動速度を制御するよ
    うにしたことを特徴とするモールドコンベヤ。
  2. 【請求項2】 溶融スラグ溢流検出器を赤外線熱電対型
    温度検出器とし、当該温度検出器近傍の雰囲気温度の上
    昇から溶融スラグのオーバーフローを検出するようにし
    た請求項1に記載のモールドコンベヤ。
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