JP3376713B2 - 水冷式エンジンのウォーターポンプおよびガバナ装置駆動構造 - Google Patents
水冷式エンジンのウォーターポンプおよびガバナ装置駆動構造Info
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- Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、クランクケース内に
設けられたウォーターポンプとガバナ装置がクランク軸
により駆動される水冷式エンジンのウォーターポンプお
よびガバナ装置駆動構造に関する。 【0002】 【従来の技術】自動二輪車等に搭載されている一般的な
水冷式エンジンは、クランクケース内に設けられた冷却
水循環用のウォーターポンプをクランク軸で駆動するよ
うになっている。また、ウォーターポンプ以外に、排気
時期制御装置を作動させるためのガバナ装置がクランク
ケース内に設けられることがあり、このガバナ装置もク
ランク軸により駆動される。 【0003】図4は、このような水冷式エンジンの一例
を示すクランクケースの横断面図である。この水冷式エ
ンジンは、クランクケース101内にクランク軸102
が回転自在に軸支され、このクランク軸102に隣接し
てガバナ装置103が設置され、ガバナ装置103の外
側にウォーターポンプ104が設けられている。 【0004】ガバナ装置103を作動させるガバナ駆動
軸105とウォーターポンプ104を作動させるポンプ
駆動軸106は、クランクケース101内で前後および
左右にずらされて軸支されている。そして、クランク軸
102に回転一体に設けられたドライブギヤ107がガ
バナ駆動軸105に固定されたガバナドリブンギヤ10
8に噛み合い、このガバナドリブンギヤ108に隣接し
て設けられたポンプドライブギヤ109がポンプ駆動軸
106に固定されたポンプドリブンギヤ110に噛み合
っている。 【0005】このため、クランク軸102の回転はドラ
イブギヤ107およびガバナドリブンギヤ108を経て
ガバナ装置103に伝達され、さらにポンプドライブギ
ヤ109およびポンプドリブンギヤ110を経てウォー
ターポンプ104に伝達される。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにガバナ装置103の駆動軸105とウォーターポン
プ104の駆動軸106がクランクケース101内で前
後および左右にずらされて独立的に軸支されているた
め、クランクケース101の横幅や縦幅が拡がり、エン
ジンが大型化してしまう。 【0007】また、上記両駆動軸105,106を、そ
れぞれ専用の軸受で支えるとともに、両軸105,10
6を連動させる専用のギヤ(ポンプドライブギヤ109
およびポンプドリブンギヤ110)が別途必要になる。
このため、部品点数が多くなり、エンジンの組立が困難
になるとともに製造コストが増大する。 【0008】さらに、ガバナ装置103を分解して整備
する場合には、ウォーターポンプ104も分解しなけれ
ばならないため、分解整備性が非常に悪い。 【0009】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたもので、エンジンのコンパクト化と部品点
数の削減を図るとともに、ウォーターポンプおよびガバ
ナ装置の分解整備性を向上させることのできる水冷式エ
ンジンのウォーターポンプおよびガバナ装置駆動構造を
提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る水冷式エンジンのウォーターポンプお
よびガバナ装置駆動構造は、クランクケースに設けられ
た冷却水循環用のウォーターポンプとガバナ装置とがク
ランク軸によって駆動される水冷式エンジンのウォータ
ーポンプおよびガバナ装置駆動構造において、上記ウォ
ーターポンプを作動させるポンプ駆動軸と、上記ガバナ
装置を作動させるガバナ駆動軸とを回転一体に連結する
とともに、上記ポンプ駆動軸とガバナ駆動軸の連結部を
軸方向に分断可能に構成し、上記ウォーターポンプのポ
ンプ室をクランクケースの合面に跨るように形成する一
方、上記ガバナ駆動軸のポンプ駆動軸との連結部側の端
部をクランクケース半身に設けた軸受により軸支し、ガ
バナ駆動軸の他端を上記クランクケース半身の外側面に
被装されるクラッチカバーに嵌合された軸受により軸支
した。 【0011】 【作用】上記構成とすれば、ポンプ駆動軸とガバナ駆動
軸が一軸化されたことによりクランクケースの横幅や縦
幅が狭まってエンジンがコンパクト化される。また、軸
受の数が少なくなるとともに軸を連動させるギヤが不要
になるため、部品点数が大幅に削減される。しかも、ポ
ンプ駆動軸あるいはガバナ駆動軸のどちらか一方を連結
部から切り離してクランクケース外に取り出すことがで
きるため、ウォーターポンプまたはガバナ装置の分解整
備性が向上する。 【0012】 【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら説明する。図1は、本発明に係るウォーターポ
ンプおよびガバナ装置駆動構造が適用された水冷式エン
ジンの縦断面図であり、図2は図1のII−II線に沿
って展開した横断面図である。 【0013】この水冷式エンジン1は、例えば自動二輪
車に搭載される2サイクル単気筒エンジンであり、図1
中の右側が前方、左側が後方となっている。水冷式エン
ジン1のクランクケース2上面には、シリンダブロック
3およびシリンダヘッド4からなるシリンダアッセンブ
リ5が直立して設けられている。 【0014】クランクケース2内には、前方よりクラン
ク軸6、カウンタ軸7、ドライブ軸8がそれぞれ車幅方
向に延びる形で回転自在に軸支され、上記クランク軸6
に回転一体に設けられたドライブギヤ10がカウンタ軸
7に軸装されたドリブンギヤ11に噛み合う一方、カウ
ンタ軸7とドライブ軸8との間には常時噛合式の多段変
速装置12が設けられている。また、カウンタ軸7には
クラッチ機構13が設置されている。 【0015】一方、前記シリンダブロック3内には円筒
状のシリンダボア14が形成されており、シリンダヘッ
ド4には上記シリンダボア14に整合する燃焼室15が
形成されている。また、シリンダボア14の例えば前側
には排気ポート16が設けられ、周囲には複数の掃気ポ
ート17が開設されている。なお、シリンダボア14の
後側には後斜め上方に延びる吸気通路19が設けられ、
この吸気通路19内に図示しないリードバルブが内蔵さ
れ、吸気通路19の外部にキャブレタ(非図示)が接続
される。 【0016】そして、シリンダボア14内にはピストン
20が摺動自在に挿入され、このピストン20のピスト
ンピン21と、前記クランク軸6に偏心装着されたクラ
ンクピン22とがコンロッド23で連結されている。こ
のため、シリンダボア14内におけるピストン20の往
復運動がクランク軸6の回転運動に変換され、クランク
軸6の回転はカウンタ軸7およびドライブ軸8を経て水
冷式2サイクルエンジン1の出力として取り出される。 【0017】シリンダボア14と燃焼室15の周囲には
冷却水循環用のウォータージャケット24が形成されて
いる。このウォータージャケット24は、シリンダボア
14の周囲を取り巻くシリンダジャケット25と、前記
排気ポート16の周囲を囲む排気ポートジャケット26
と、燃焼室15の周囲を覆う燃焼室ジャケット27とが
繋がって構成されており、シリンダヘッド4の上部に設
けられた冷却水取出口28が上記燃焼室ジャケット27
に繋がっている。 【0018】ところで、クランクケース2は、左側のケ
ース半身2Lと右側のケース半身2Rとが、クランク軸
6の軸方向に直交する合面Cに沿って分割される二分割
式のものであり、上記ケース半身2Lの左側部にはマグ
ネットカバー2a、ケース半身2Rの右側部にはクラッ
チカバー2bがそれぞれ別部品として被装される。な
お、図1には右側のケース半身2Rが取り外された状態
が示されている。 【0019】そして、クランクケース2の内部前方に
は、前記ウォータージャケット24内に冷却水を循環さ
せるウォーターポンプ30が設置されている。このウォ
ーターポンプ30のポンプ室31はクランクケース2の
合面Cに跨がるように形成されており、このポンプ室3
1に繋がる吸入通路32および吐出通路33がクランク
ケース2に形成されている。 【0020】上記吸入通路32は、例えばポンプ室31
の中心部から車体左側に延びるようにケース半身2L側
に形成され、この吸入通路32の内径部に外部からユニ
オン34が圧入されている。上記ユニオン34には図示
しないホースが接続され、このホースの他端はラジエー
タに接続される。また、上記吐出通路33はポンプ室3
1の周部から接線方向に上方へ延びて前記排気ポートジ
ャケット26に通じるように、ケース半身2Lとケース
半身2Rに形成されている。 【0021】ポンプ室31には、車幅方向に延びる短い
ポンプ駆動軸36の左端部が突入しており、この部分に
回転一体に設けられたインペラ37がポンプ室31内で
回転するようになっている。 【0022】また、上記ポンプ駆動軸36の右側端部に
はガバナ駆動軸38がポンプ駆動軸36に対して回転一
体に連結されており、このガバナ駆動軸38にガバナ装
置39が軸装されている。ガバナ装置39は図1に示す
排気時期制御装置40をクランク軸6の回転速度に連動
させる装置である。 【0023】ポンプ駆動軸36とガバナ駆動軸38の連
結部41は、その軸方向に分断可能に構成されており、
図3は上記連結部41の構造例を示している。 【0024】図3(a)に示す連結部41Aは、ポンプ
駆動軸36の軸芯部に形成されためねじ42にガバナ駆
動軸38の左端部のおねじ43を締結させることによっ
てポンプ駆動軸36とガバナ駆動軸38を連結させる構
造となっている。 【0025】ここで、連結部41Aの両側には軸受44
および軸受45が配置されており、上記軸受44がポン
プ駆動軸36を軸支し、軸受45がガバナ駆動軸38の
左端部近傍を軸支する。なお、ガバナ駆動軸38の右端
部はクラッチカバー2bに嵌合された軸受46によって
軸支される(図2参照)。 【0026】ポンプ駆動軸36の左端部には六角レンチ
嵌合孔47が設けられており、ガバナ駆動軸38の右端
部にはスパナ嵌合部48が設けられている。このため、
図示しない六角レンチを吸入通路32から挿入し、この
六角レンチを上記六角レンチ嵌合孔47に嵌合させると
ともに、クラッチカバー2bを取り外して上記スパナ嵌
合部48にスパナを嵌合し、上記六角レンチおよびスパ
ナを捻ってポンプ駆動軸36とガバナ駆動軸38を逆方
向に回転させれば、連結部41Aのねじ締結が緩んでガ
バナ駆動軸38をガバナ装置39とともに右方へ引き抜
くことができる。 【0027】また、図3(b)に示す連結部41Bは、
ポンプ駆動軸36の右端部とガバナ駆動軸38の左端部
との間にドッグカム状に構成されている。そして、ポン
プ駆動軸36を支持する軸受44a,44bと、ガバナ
駆動軸38の左端部を支持する軸受45とが連結部41
Bの両側に配置されている。この連結部41Bの場合、
クラッチカバー2bを取り外すだけでガバナ駆動軸38
をガバナ装置39とともに右方へ引き抜くことができ
る。 【0028】なお、連結部41の構造は、ポンプ駆動軸
36とガバナ駆動軸38を軸方向に分断可能にするもの
であれば、上記の構成のみに限らず他の構成にしてもよ
い。 【0029】ところで、クランク軸6とガバナ駆動軸3
8との間には中間軸50が軸受51,52によって回転
自在に軸支されており、この中間軸50に第一中間ギヤ
53と第二中間ギヤ54が互いに回転一体に設けられて
いる。内側に位置する第一中間ギヤ53はクランク軸6
に設けられた前記ドライブギヤ10に噛み合い、外側に
位置する第二中間ギヤ54はガバナ装置39に設けられ
たガバナドリブンギヤ55に噛み合っている。 【0030】したがって、クランク軸6の回転が中間軸
50を経てガバナ駆動軸38およびポンプ駆動軸36に
伝達され、ウォーターポンプ30とガバナ装置39が駆
動される。 【0031】ウォーターポンプ30のインペラ37が回
転すると、ラジエータで熱交換された冷却水が吸入通路
32からポンプ室31内に吸入され、吐出通路33から
吐出される。吐出された冷却水は、排気ポートジャケッ
ト26、シリンダジャケット25、燃焼室ジャケット2
7の順に循環してシリンダアッセンブリ5全体を冷却す
る。その後、冷却水は前記冷却水取出口28より取り出
され、再びラジエータに流されて熱交換される。 【0032】以上のような構成によれば、まずポンプ駆
動軸36とガバナ駆動軸38とを回転一体に連結して一
軸化したことにより、クランクケース2の横幅や縦幅が
狭まって水冷式エンジン1がコンパクト化される。ま
た、軸受の数が少なくなるとともに軸を連動させるギヤ
が不要になるため、水冷式エンジン1の部品点数が大幅
に削減され、その組立が容易になるとともに製造コスト
が低減される。 【0033】また、ポンプ駆動軸36とガバナ駆動軸3
8の連結部41(41A,41B)を軸方向に分断可能
に構成するとともに、連結部41の両側に軸受44(4
4a,44b),45を配置したため、本実施例の場合
にはガバナ駆動軸38のみを連結部41から切り離して
クランクケース2の外に取り出すことができる上、切り
離したガバナ駆動軸38を再び連結する際には連結部4
1の両側に配置された軸受44,45により駆動軸3
6,38間の芯ずれが防止されるため、ガバナ駆動軸3
8の分解整備性が大きく向上する。 【0034】なお、本実施例では、連結部41を分断す
ることによってガバナ駆動軸38をクランクケース2か
ら取り出せるように構成されているが、ポンプ駆動軸3
6とガバナ駆動軸38を両方ともクランクケース2から
取り出せるように構成すれば、分解整備性を一層向上さ
せることができる。 【0035】 【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る水冷
式エンジンのウォーターポンプおよび補機類駆動構造に
よれば、クランクケースの横幅や縦幅を狭めてエンジン
のコンパクト化を図るとともに、エンジンの部品点数を
大幅に削減して組立を容易にすると同時に製造コストを
低減し、併せてウォーターポンプおよびガバナ装置の分
解整備性を向上させることができる。
設けられたウォーターポンプとガバナ装置がクランク軸
により駆動される水冷式エンジンのウォーターポンプお
よびガバナ装置駆動構造に関する。 【0002】 【従来の技術】自動二輪車等に搭載されている一般的な
水冷式エンジンは、クランクケース内に設けられた冷却
水循環用のウォーターポンプをクランク軸で駆動するよ
うになっている。また、ウォーターポンプ以外に、排気
時期制御装置を作動させるためのガバナ装置がクランク
ケース内に設けられることがあり、このガバナ装置もク
ランク軸により駆動される。 【0003】図4は、このような水冷式エンジンの一例
を示すクランクケースの横断面図である。この水冷式エ
ンジンは、クランクケース101内にクランク軸102
が回転自在に軸支され、このクランク軸102に隣接し
てガバナ装置103が設置され、ガバナ装置103の外
側にウォーターポンプ104が設けられている。 【0004】ガバナ装置103を作動させるガバナ駆動
軸105とウォーターポンプ104を作動させるポンプ
駆動軸106は、クランクケース101内で前後および
左右にずらされて軸支されている。そして、クランク軸
102に回転一体に設けられたドライブギヤ107がガ
バナ駆動軸105に固定されたガバナドリブンギヤ10
8に噛み合い、このガバナドリブンギヤ108に隣接し
て設けられたポンプドライブギヤ109がポンプ駆動軸
106に固定されたポンプドリブンギヤ110に噛み合
っている。 【0005】このため、クランク軸102の回転はドラ
イブギヤ107およびガバナドリブンギヤ108を経て
ガバナ装置103に伝達され、さらにポンプドライブギ
ヤ109およびポンプドリブンギヤ110を経てウォー
ターポンプ104に伝達される。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにガバナ装置103の駆動軸105とウォーターポン
プ104の駆動軸106がクランクケース101内で前
後および左右にずらされて独立的に軸支されているた
め、クランクケース101の横幅や縦幅が拡がり、エン
ジンが大型化してしまう。 【0007】また、上記両駆動軸105,106を、そ
れぞれ専用の軸受で支えるとともに、両軸105,10
6を連動させる専用のギヤ(ポンプドライブギヤ109
およびポンプドリブンギヤ110)が別途必要になる。
このため、部品点数が多くなり、エンジンの組立が困難
になるとともに製造コストが増大する。 【0008】さらに、ガバナ装置103を分解して整備
する場合には、ウォーターポンプ104も分解しなけれ
ばならないため、分解整備性が非常に悪い。 【0009】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたもので、エンジンのコンパクト化と部品点
数の削減を図るとともに、ウォーターポンプおよびガバ
ナ装置の分解整備性を向上させることのできる水冷式エ
ンジンのウォーターポンプおよびガバナ装置駆動構造を
提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る水冷式エンジンのウォーターポンプお
よびガバナ装置駆動構造は、クランクケースに設けられ
た冷却水循環用のウォーターポンプとガバナ装置とがク
ランク軸によって駆動される水冷式エンジンのウォータ
ーポンプおよびガバナ装置駆動構造において、上記ウォ
ーターポンプを作動させるポンプ駆動軸と、上記ガバナ
装置を作動させるガバナ駆動軸とを回転一体に連結する
とともに、上記ポンプ駆動軸とガバナ駆動軸の連結部を
軸方向に分断可能に構成し、上記ウォーターポンプのポ
ンプ室をクランクケースの合面に跨るように形成する一
方、上記ガバナ駆動軸のポンプ駆動軸との連結部側の端
部をクランクケース半身に設けた軸受により軸支し、ガ
バナ駆動軸の他端を上記クランクケース半身の外側面に
被装されるクラッチカバーに嵌合された軸受により軸支
した。 【0011】 【作用】上記構成とすれば、ポンプ駆動軸とガバナ駆動
軸が一軸化されたことによりクランクケースの横幅や縦
幅が狭まってエンジンがコンパクト化される。また、軸
受の数が少なくなるとともに軸を連動させるギヤが不要
になるため、部品点数が大幅に削減される。しかも、ポ
ンプ駆動軸あるいはガバナ駆動軸のどちらか一方を連結
部から切り離してクランクケース外に取り出すことがで
きるため、ウォーターポンプまたはガバナ装置の分解整
備性が向上する。 【0012】 【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら説明する。図1は、本発明に係るウォーターポ
ンプおよびガバナ装置駆動構造が適用された水冷式エン
ジンの縦断面図であり、図2は図1のII−II線に沿
って展開した横断面図である。 【0013】この水冷式エンジン1は、例えば自動二輪
車に搭載される2サイクル単気筒エンジンであり、図1
中の右側が前方、左側が後方となっている。水冷式エン
ジン1のクランクケース2上面には、シリンダブロック
3およびシリンダヘッド4からなるシリンダアッセンブ
リ5が直立して設けられている。 【0014】クランクケース2内には、前方よりクラン
ク軸6、カウンタ軸7、ドライブ軸8がそれぞれ車幅方
向に延びる形で回転自在に軸支され、上記クランク軸6
に回転一体に設けられたドライブギヤ10がカウンタ軸
7に軸装されたドリブンギヤ11に噛み合う一方、カウ
ンタ軸7とドライブ軸8との間には常時噛合式の多段変
速装置12が設けられている。また、カウンタ軸7には
クラッチ機構13が設置されている。 【0015】一方、前記シリンダブロック3内には円筒
状のシリンダボア14が形成されており、シリンダヘッ
ド4には上記シリンダボア14に整合する燃焼室15が
形成されている。また、シリンダボア14の例えば前側
には排気ポート16が設けられ、周囲には複数の掃気ポ
ート17が開設されている。なお、シリンダボア14の
後側には後斜め上方に延びる吸気通路19が設けられ、
この吸気通路19内に図示しないリードバルブが内蔵さ
れ、吸気通路19の外部にキャブレタ(非図示)が接続
される。 【0016】そして、シリンダボア14内にはピストン
20が摺動自在に挿入され、このピストン20のピスト
ンピン21と、前記クランク軸6に偏心装着されたクラ
ンクピン22とがコンロッド23で連結されている。こ
のため、シリンダボア14内におけるピストン20の往
復運動がクランク軸6の回転運動に変換され、クランク
軸6の回転はカウンタ軸7およびドライブ軸8を経て水
冷式2サイクルエンジン1の出力として取り出される。 【0017】シリンダボア14と燃焼室15の周囲には
冷却水循環用のウォータージャケット24が形成されて
いる。このウォータージャケット24は、シリンダボア
14の周囲を取り巻くシリンダジャケット25と、前記
排気ポート16の周囲を囲む排気ポートジャケット26
と、燃焼室15の周囲を覆う燃焼室ジャケット27とが
繋がって構成されており、シリンダヘッド4の上部に設
けられた冷却水取出口28が上記燃焼室ジャケット27
に繋がっている。 【0018】ところで、クランクケース2は、左側のケ
ース半身2Lと右側のケース半身2Rとが、クランク軸
6の軸方向に直交する合面Cに沿って分割される二分割
式のものであり、上記ケース半身2Lの左側部にはマグ
ネットカバー2a、ケース半身2Rの右側部にはクラッ
チカバー2bがそれぞれ別部品として被装される。な
お、図1には右側のケース半身2Rが取り外された状態
が示されている。 【0019】そして、クランクケース2の内部前方に
は、前記ウォータージャケット24内に冷却水を循環さ
せるウォーターポンプ30が設置されている。このウォ
ーターポンプ30のポンプ室31はクランクケース2の
合面Cに跨がるように形成されており、このポンプ室3
1に繋がる吸入通路32および吐出通路33がクランク
ケース2に形成されている。 【0020】上記吸入通路32は、例えばポンプ室31
の中心部から車体左側に延びるようにケース半身2L側
に形成され、この吸入通路32の内径部に外部からユニ
オン34が圧入されている。上記ユニオン34には図示
しないホースが接続され、このホースの他端はラジエー
タに接続される。また、上記吐出通路33はポンプ室3
1の周部から接線方向に上方へ延びて前記排気ポートジ
ャケット26に通じるように、ケース半身2Lとケース
半身2Rに形成されている。 【0021】ポンプ室31には、車幅方向に延びる短い
ポンプ駆動軸36の左端部が突入しており、この部分に
回転一体に設けられたインペラ37がポンプ室31内で
回転するようになっている。 【0022】また、上記ポンプ駆動軸36の右側端部に
はガバナ駆動軸38がポンプ駆動軸36に対して回転一
体に連結されており、このガバナ駆動軸38にガバナ装
置39が軸装されている。ガバナ装置39は図1に示す
排気時期制御装置40をクランク軸6の回転速度に連動
させる装置である。 【0023】ポンプ駆動軸36とガバナ駆動軸38の連
結部41は、その軸方向に分断可能に構成されており、
図3は上記連結部41の構造例を示している。 【0024】図3(a)に示す連結部41Aは、ポンプ
駆動軸36の軸芯部に形成されためねじ42にガバナ駆
動軸38の左端部のおねじ43を締結させることによっ
てポンプ駆動軸36とガバナ駆動軸38を連結させる構
造となっている。 【0025】ここで、連結部41Aの両側には軸受44
および軸受45が配置されており、上記軸受44がポン
プ駆動軸36を軸支し、軸受45がガバナ駆動軸38の
左端部近傍を軸支する。なお、ガバナ駆動軸38の右端
部はクラッチカバー2bに嵌合された軸受46によって
軸支される(図2参照)。 【0026】ポンプ駆動軸36の左端部には六角レンチ
嵌合孔47が設けられており、ガバナ駆動軸38の右端
部にはスパナ嵌合部48が設けられている。このため、
図示しない六角レンチを吸入通路32から挿入し、この
六角レンチを上記六角レンチ嵌合孔47に嵌合させると
ともに、クラッチカバー2bを取り外して上記スパナ嵌
合部48にスパナを嵌合し、上記六角レンチおよびスパ
ナを捻ってポンプ駆動軸36とガバナ駆動軸38を逆方
向に回転させれば、連結部41Aのねじ締結が緩んでガ
バナ駆動軸38をガバナ装置39とともに右方へ引き抜
くことができる。 【0027】また、図3(b)に示す連結部41Bは、
ポンプ駆動軸36の右端部とガバナ駆動軸38の左端部
との間にドッグカム状に構成されている。そして、ポン
プ駆動軸36を支持する軸受44a,44bと、ガバナ
駆動軸38の左端部を支持する軸受45とが連結部41
Bの両側に配置されている。この連結部41Bの場合、
クラッチカバー2bを取り外すだけでガバナ駆動軸38
をガバナ装置39とともに右方へ引き抜くことができ
る。 【0028】なお、連結部41の構造は、ポンプ駆動軸
36とガバナ駆動軸38を軸方向に分断可能にするもの
であれば、上記の構成のみに限らず他の構成にしてもよ
い。 【0029】ところで、クランク軸6とガバナ駆動軸3
8との間には中間軸50が軸受51,52によって回転
自在に軸支されており、この中間軸50に第一中間ギヤ
53と第二中間ギヤ54が互いに回転一体に設けられて
いる。内側に位置する第一中間ギヤ53はクランク軸6
に設けられた前記ドライブギヤ10に噛み合い、外側に
位置する第二中間ギヤ54はガバナ装置39に設けられ
たガバナドリブンギヤ55に噛み合っている。 【0030】したがって、クランク軸6の回転が中間軸
50を経てガバナ駆動軸38およびポンプ駆動軸36に
伝達され、ウォーターポンプ30とガバナ装置39が駆
動される。 【0031】ウォーターポンプ30のインペラ37が回
転すると、ラジエータで熱交換された冷却水が吸入通路
32からポンプ室31内に吸入され、吐出通路33から
吐出される。吐出された冷却水は、排気ポートジャケッ
ト26、シリンダジャケット25、燃焼室ジャケット2
7の順に循環してシリンダアッセンブリ5全体を冷却す
る。その後、冷却水は前記冷却水取出口28より取り出
され、再びラジエータに流されて熱交換される。 【0032】以上のような構成によれば、まずポンプ駆
動軸36とガバナ駆動軸38とを回転一体に連結して一
軸化したことにより、クランクケース2の横幅や縦幅が
狭まって水冷式エンジン1がコンパクト化される。ま
た、軸受の数が少なくなるとともに軸を連動させるギヤ
が不要になるため、水冷式エンジン1の部品点数が大幅
に削減され、その組立が容易になるとともに製造コスト
が低減される。 【0033】また、ポンプ駆動軸36とガバナ駆動軸3
8の連結部41(41A,41B)を軸方向に分断可能
に構成するとともに、連結部41の両側に軸受44(4
4a,44b),45を配置したため、本実施例の場合
にはガバナ駆動軸38のみを連結部41から切り離して
クランクケース2の外に取り出すことができる上、切り
離したガバナ駆動軸38を再び連結する際には連結部4
1の両側に配置された軸受44,45により駆動軸3
6,38間の芯ずれが防止されるため、ガバナ駆動軸3
8の分解整備性が大きく向上する。 【0034】なお、本実施例では、連結部41を分断す
ることによってガバナ駆動軸38をクランクケース2か
ら取り出せるように構成されているが、ポンプ駆動軸3
6とガバナ駆動軸38を両方ともクランクケース2から
取り出せるように構成すれば、分解整備性を一層向上さ
せることができる。 【0035】 【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る水冷
式エンジンのウォーターポンプおよび補機類駆動構造に
よれば、クランクケースの横幅や縦幅を狭めてエンジン
のコンパクト化を図るとともに、エンジンの部品点数を
大幅に削減して組立を容易にすると同時に製造コストを
低減し、併せてウォーターポンプおよびガバナ装置の分
解整備性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された水冷式エンジンの縦断面
図。 【図2】図1のII−II線に沿って展開した横断面
図。 【図3】本発明の一実施例を示すもので、(a)および
(b)は、それぞれ連結部の構造例を示す断面図。 【図4】従来の技術を示す水冷式エンジンのクランクケ
ース横断面図。 【符号の説明】 1 水冷式エンジン 2 クランクケース 2b クラッチカバー 6 クランク軸 30 ウォーターポンプ 31 ポンプ室 36 ポンプ駆動軸 37 インペラ 38 ガバナ駆動軸 39 ガバナ装置 41(41A,41B) 連結部 44(44a,44b),45 軸受 C クランクケースの合面
図。 【図2】図1のII−II線に沿って展開した横断面
図。 【図3】本発明の一実施例を示すもので、(a)および
(b)は、それぞれ連結部の構造例を示す断面図。 【図4】従来の技術を示す水冷式エンジンのクランクケ
ース横断面図。 【符号の説明】 1 水冷式エンジン 2 クランクケース 2b クラッチカバー 6 クランク軸 30 ウォーターポンプ 31 ポンプ室 36 ポンプ駆動軸 37 インペラ 38 ガバナ駆動軸 39 ガバナ装置 41(41A,41B) 連結部 44(44a,44b),45 軸受 C クランクケースの合面
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
F16D 3/04 F16D 1/06 S
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
F01P 5/12
F02B 67/00
F02B 77/14
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 クランクケースに設けられた冷却水循環
用のウォーターポンプとガバナ装置とがクランク軸によ
って駆動される水冷式エンジンのウォーターポンプおよ
びガバナ装置駆動構造において、上記ウォーターポンプ
を作動させるポンプ駆動軸と、上記ガバナ装置を作動さ
せるガバナ駆動軸とを回転一体に連結するとともに、上
記ポンプ駆動軸とガバナ駆動軸の連結部を軸方向に分断
可能に構成し、上記ウォーターポンプのポンプ室をクラ
ンクケースの合面に跨るように形成する一方、上記ガバ
ナ駆動軸のポンプ駆動軸との連結部側の端部をクランク
ケース半身に設けた軸受により軸支し、ガバナ駆動軸の
他端を上記クランクケース半身の外側面に被装されるク
ラッチカバーに嵌合された軸受により軸支したことを特
徴とする水冷式エンジンのウォーターポンプおよびガバ
ナ装置駆動構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23564494A JP3376713B2 (ja) | 1994-09-29 | 1994-09-29 | 水冷式エンジンのウォーターポンプおよびガバナ装置駆動構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23564494A JP3376713B2 (ja) | 1994-09-29 | 1994-09-29 | 水冷式エンジンのウォーターポンプおよびガバナ装置駆動構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08100652A JPH08100652A (ja) | 1996-04-16 |
JP3376713B2 true JP3376713B2 (ja) | 2003-02-10 |
Family
ID=16989075
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP23564494A Expired - Fee Related JP3376713B2 (ja) | 1994-09-29 | 1994-09-29 | 水冷式エンジンのウォーターポンプおよびガバナ装置駆動構造 |
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JP (1) | JP3376713B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006266188A (ja) | 2005-03-24 | 2006-10-05 | Aisin Seiki Co Ltd | ウォータポンプ用羽根車装置及びウォータポンプ |
JP4810186B2 (ja) * | 2005-10-21 | 2011-11-09 | 株式会社リコー | 画像形成装置、カラー画像形成装置 |
-
1994
- 1994-09-29 JP JP23564494A patent/JP3376713B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH08100652A (ja) | 1996-04-16 |
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