JP3376174B2 - 放電加工による表面処理方法および装置 - Google Patents

放電加工による表面処理方法および装置

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JP3376174B2
JP3376174B2 JP16863695A JP16863695A JP3376174B2 JP 3376174 B2 JP3376174 B2 JP 3376174B2 JP 16863695 A JP16863695 A JP 16863695A JP 16863695 A JP16863695 A JP 16863695A JP 3376174 B2 JP3376174 B2 JP 3376174B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、放電加工を利用した
表面処理方法および装置に係わるものであり、被加工物
表面に耐磨耗性の高い表面処理膜を形成するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図11は、例えば増井他による専門誌
電気加工技術、Vol.16No.53(1993)
38の放電加工による表面加工への展開に示される従来
の放電表面改質方法および装置を示した図である(参考
文献1)。図において、1は表面改質を行う工作物、2
は電極、3は改質材料粉末を混入した加工液、5は電極
2を保持する主軸であり、図示されない駆動装置により
上下方向に可動とされる。10は加工槽、15は加工用
電源である。
【0003】次に動作について説明する。図中、被加工
物たる工作物1と電極2の間には加工用電源15により
パルス電圧が印加され、放電が発生する。電極2は主軸
5とともに図示されない駆動装置により上下方向(Z軸
方向)にサーボ駆動され、加工が進行する。加工液3に
はタングステンの微粉末が混入されているため、工作物
1の表面においては放電により工作物1の母材が溶融さ
れるとともに、加工液中のタングステン粉末が混入し、
工作物1表面に改質層すなわちタングステン合金層が形
成される。文献によれば、正極性放電(電極−、工作物
+)において特に均一な改質層が得られることが報告さ
れている。また、その他シリコン、クロムなどの粉末を
加工液に混入して放電加工を行うことにより、金属表面
に同様な改質層が形成され、高い耐食性や耐磨耗性が得
られることが知られている。
【0004】また、金属表面に改質層を形成する別の方
法として、齋藤他、電気加工学会全国大会講演論文集
(1993)79の“液中放電の表面加工への展開”に
示す方法がある。この方法はタングステンカーバイトな
どの粉末を圧縮することにより形成した電極により、工
作物表面に1次表面処理層を形成したのち、銅電極によ
り2次加工を行って緻密な表面処理層を形成する方法で
あり、先の方法と比較してより緻密な表面処理層が得ら
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の放電加工による
表面処理装置は、上記のように構成されており、タング
ステンなどの粉末を加工液に混入して加工を行うが、加
工液に混入された粉末に吸収されるエネルギーはきわめ
て小さく、放電の熱エネルギーによる化学反応が進行し
ないため、炭化物が形成されない。よって、工作物表面
には、工作物表面の溶融により、粉末物質であるタング
ステンが工作物の金属にとけ込んだ合金層となり、耐磨
耗性が高い金属炭化物の表面処理層は得られず、機械特
性や高温特性に優れたセラミックス系膜の成膜ができな
いという問題があった。また、電極としてタングステン
カーバイトなどの炭化物の粉体を圧縮したものについて
は、粉体の結合が弱く電極がもろいことから、放電加工
における電極の消耗を大きくすることができるため、数
十μm程度の厚い堆積層が容易に形成できる。反面、電
極がもろいために十分な工作物表面の再溶融が行なわれ
にくく、その結果表面処理層も脆弱なものしか形成され
ない。このため、圧粉体電極による1次加工を行ったの
ちに、銅電極による再溶融加工(2次加工)を行う必要
があり、電極製作や加工工程の面でかなり負荷が増大す
るなどの問題があった。
【0006】この発明は上記のような従来のものの課題
を解消するためになされたもので、電極としてW(タン
グステン)、Ti(チタン)、V(バナジウム)、Ta
(タンタル)、Nb(ニオブ)など、耐磨耗性の高い炭
化物を作りやすい金属電極を用いるとともに、C(炭
素)を所定量含有する加工液、または前記加工液に耐磨
耗性の高いセラミックスを混入した加工液を用いること
により被加工物表面に耐磨耗性の高い強固な表面処理膜
を形成し、被加工物の耐磨耗性、耐食性を大幅に向上さ
せることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係わる放電加
工による表面処理方法は、加工液中において電極と被加
工物との極間に放電を発生させ、前記被加工物表面に改
質層を形成する放電加工による表面処理方法において、
前記電極として炭素と結合して炭化物を形成する金属材
料からなる金属電極を用い、前記加工液として前記被加
工物表面に前記炭化物を形成するのに十分な炭素を含有
する液体を用い、前記極間に供給される、パルス幅が5
〜500μsであるパルス電流により発生した熱エネル
ギーにより前記加工液中に浮遊又は前記被加工物表面
に付着した前記金属材料と前記加工液中の炭素との間に
化学反応を発生せしめ、前記被加工物表面に炭化物セラ
ミックスの改質層を形成するものである。
【0008】また、前記加工液に炭化物セラミックス、
窒化物セラミックス又は硼化物セラミックスの粉末を混
入してなるものである。
【0009】また、放電加工の電気条件として、電極消
耗が10%以上の電極有消耗条件で放電加工を行うもの
である。
【0010】また、前記極間に供給されるパルス電流の
ピーク値を1〜20Aとするものである。
【0011】また、放電加工による表面処理を行い形成
された改質層の堆積量が加工時間の経過により減少する
とき、被加工物の除去の進行が開始する以前に加工を終
了するかまたは加工位置を変更することにより、あらか
じめ形成された被加工物形状を損ねることなく、被加工
物表面に改質層を形成するものである。
【0012】この発明に係わる放電加工による表面装置
は、加工液中において電極と被加工物との極間に放電を
発生させ、前記被加工物表面に改質層を形成する放電加
工による表面処理装置において、炭素と結合して炭化物
を形成する金属材料からなる金属電極と、前記被加工物
表面に前記炭化物を形成するのに十分な炭素を含有する
加工液と、前記被加工物と前記金属電極との極間にパル
ス電流を供給する放電パルス供給手段とを備え、前記放
電パルス供給手段により前記極間に供給される、パルス
幅が5〜500μsパルス電流により発生した熱エネ
ルギーにより前記加工液中に浮遊又は前記被加工物表
面に付着した前記金属材料と前記加工液中の炭素とを化
学反応させ、前記被加工物表面に炭化物セラミックス
改質層を形成するものである。
【0013】また、前記加工液に炭化物セラミックス、
窒化物セラミックス又は硼化物セラミックスの粉末を混
入してなるものである。
【0014】また、加工液中において電極と被加工物と
の極間に放電を発生させ、前記被加工物表面に改質層を
形成する放電加工による表面処理装置において、炭素と
結合して炭化物を形成する金属材料からなるワイヤ電極
又は炭素と結合して炭化物を形成する金属材料をコーテ
ィングされたワイヤ電極と、前記被加工物表面に前記炭
化物を形成するのに十分な炭素を含有する加工液と、前
記被加工物と前記ワイヤ電極との極間にパルス電流を供
給する放電パルス供給手段とを備え、前記放電パルス供
給手段により前記極間に供給される、パルス幅が5〜5
00μsパルス電流により発生した熱エネルギーによ
り前記加工液中に浮遊又は前記被加工物表面に付着した
前記金属材料と前記加工液中の炭素とを化学反応させ、
前記被加工物表面に炭化物セラミックスの改質層を形成
するものである。
【0015】また、放電加工の電気条件として、電極消
耗が10%以上の電極有消耗条件で放電加工を行うもの
である。
【0016】また、前記極間に供給されるパルス電流の
ピーク値を1〜20Aとするものである。
【0017】また、電極を単純形状電極とし、この単純
電極形状電極を被加工物表面に対して平行方向に移動さ
せるよう制御を行う軌跡移動制御手段を備え、前記単純
形状電極により被加工物表面をスキャニングしながら放
電加工を行うものである。
【0018】また、電極の被加工物表面に対する平行方
向移動量に応じて発生する電極の長手方向の消耗に対し
て電極の垂直方向の位置を補正する電極消耗補正手段を
備えたものである。
【0019】また、放電加工による表面処理を行い形成
された改質層の堆積量が加工時間の経過により減少する
場合、被加工物の除去の進行が開始するまでの時間を記
憶する記憶手段を備え、被加工物の除去の進行が開始す
る以前に放電加工を終了することにより、あらかじめ形
成された被加工物形状を損ねることなく、被加工物表面
に改質層を形成するものである。
【0020】また、被加工物の除去の進行しないような
スキャニング速度を決定するパラメータを記憶する記憶
手段を備え、被加工物の除去の進行が開始する以前に放
電位置を移動することにより、あらかじめ形成された被
加工物形状を損ねることなく、被加工物表面に改質層を
形成するものである。
【0021】また、前記被加工物表面への表面処理と仕
上加工を同時に行うものである。
【0022】また、加工液中において電極と被加工物と
の極間に放電を発生させ、前記被加工物表面に改質層を
形成する放電加工による表面処理方法において、前記電
極として炭素と結合して炭化物を形成する金属材料から
なる金属電極を用い、前記加工液として前記被加工物表
面に前記炭化物を形成するのに十分な炭素を含有する液
体を用いると共に、立ち上がりがスロープ状の波形を有
するパルス電流を前記極間に供給し、前記パルス電流に
より発生した熱エネルギーにより、前記加工液中に浮遊
又は前記被加工物表面に付着した前記金属材料と前記加
工液中の炭素との間に化学反応を発生せしめ、前記被加
工物表面に炭化物セラミックスの改質層を形成するもの
である。
【0023】また、スロープ状の波形を有するパルス電
流の前記立ち上がり勾配を変化させて放電加工を行なう
ものである。
【0024】また、加工液中において電極と被加工物と
の極間に放電を発生させ、前記被加工物表面に改質層を
形成する放電加工による表面処理装置において、炭素と
結合して炭化物を形成する金属材料からなる金属電極
と、前記被加工物表面に前記炭化物を形成するのに十分
な炭素を含有する加工液と、前記被加工物と前記金属電
極との極間にパルス電流を供給する放電パルス供給手段
とを備え、前記放電パルス供給手段は、立ち上がりがス
ロープ状の波形を有するパルス電流を前記極間に供給す
るものであり、前記パルス電流により発生した熱エネル
ギーにより、前記加工液中に浮遊又は前記被加工物表面
に付着した前記金属材料と前記加工液中の炭素とを化学
反応させ、前記被加工物表面に炭化物セラミックスの改
質層を形成するものである。
【0025】また、スロープ状の波形を有するパルス電
流の前記立ち上がり勾配は、変更できるものである。
【0026】
【作用】この発明における放電加工による表面処理方法
は、加工液中において電極と被加工物との極間に放電を
発生させ、前記被加工物表面に改質層を形成する放電加
工による表面処理方法において、前記電極として炭素と
結合して炭化物を形成する金属材料からなる金属電極を
用い、前記加工液として前記被加工物表面に前記炭化物
を形成するのに十分な炭素を含有する液体を用い、前記
極間に供給される、パルス幅が5〜500μsパルス
電流により発生した熱エネルギーにより前記加工液中に
浮遊又は前記被加工物表面に付着した前記金属材料と前
記加工液中の炭素との間に化学反応を発生せしめ、被加
工物表面に炭化物セラミックスの改質層を形成する。
【0027】また、前記加工液に炭化物セラミックス、
窒化物セラミックス又は硼化物セラミックスの粉末を混
入して放電加工による表面処理を行う。
【0028】また、放電加工の電気条件として、電極消
耗が10%以上の電極有消耗条件で放電加工による表面
処理を行う。
【0029】また、前記極間に供給されるパルス電流の
ピーク値を1〜20Aとして放電加工による表面処理を
行う。
【0030】また、放電加工による表面処理を行い形成
された改質層の堆積量が加工時間の経過により減少する
とき、被加工物の除去の進行が開始する以前に加工を終
了するかまたは加工位置を変更することにより、あらか
じめ形成された被加工物形状を損ねることなく、被加工
物表面に改質層を形成する。
【0031】この発明における放電加工による表面処理
装置は、加工液中において電極と被加工物との極間に放
電を発生させ、前記被加工物表面に改質層を形成する放
電加工による表面処理装置において、炭素と結合して炭
化物を形成する金属材料からなる金属電極と、前記被加
工物表面に前記炭化物を形成するのに十分な炭素を含有
する加工液と、前記被加工物と前記金属電極との極間に
パルス電流を供給する放電パルス供給手段とを備え、前
記放電パルス供給手段により前記極間に供給される、パ
ルス幅が5〜500μsパルス電流により発生した熱
エネルギーにより前記加工液中に浮遊又は前記被加工物
表面に付着した前記金属材料と前記加工液中の炭素とを
化学反応させ、前記被加工物表面に炭化物セラミックス
の改質層を形成する。
【0032】また、前記加工液に炭化物セラミックス、
窒化物セラミックス又は硼化物セラミックスの粉末を混
入する。
【0033】また、加工液中において電極と被加工物と
の極間に放電を発生させ、前記被加工物表面に改質層を
形成する放電加工による表面処理装置において、炭素と
結合して炭化物を形成する金属材料からなるワイヤ電極
又は炭素と結合して炭化物を形成する金属材料をコーテ
ィングされたワイヤ電極と、前記被加工物表面に前記炭
化物を形成するのに十分な炭素を含有する加工液と、前
記被加工物と前記ワイヤ電極との極間にパルス電流を供
給する放電パルス供給手段とを備え、前記放電パルス供
給手段により前記極間に供給される、パルス幅が5〜5
00μsのパルス電流により発生した熱エネルギーによ
り前記加工液中に浮遊又は前記被加工物表面に付着した
前記金属材料と前記加工液中の炭素とを化学反応させ、
前記被加工物表面に炭化物セラミックスの改質層を形成
する。
【0034】また、放電加工の電気条件として、電極消
耗が10%以上の電極有消耗条件で放電加工による表面
処理を行う。
【0035】また、前記極間に供給されるパルス電流の
ピーク値を1〜20Aとして放電加工による表面処理を
行う。
【0036】また、電極を単純形状電極とし、この単純
電極形状電極を被加工物表面に対して平行方向に移動さ
せるよう制御を行う軌跡移動制御手段を備え、前記単純
形状電極により被加工物表面をスキャニングしながら放
電加工を行うことにより、被加工物表面に改質層を形成
する。
【0037】また、電極の被加工物表面に対する平行方
向移動量に応じて発生する電極の長手方向の消耗に対し
て電極の垂直方向の位置を補正する電極消耗補正手段を
備え、放電加工による表面処理を行う。
【0038】また、放電加工による表面処理を行い形成
された改質層の堆積量が加工時間の経過により減少する
場合、被加工物の除去の進行が開始するまでの時間を記
憶する記憶手段を備え、被加工物の除去の進行が開始す
る以前に放電加工を終了することにより、あらかじめ形
成された被加工物形状を損ねることなく、被加工物表面
に改質層を形成する。
【0039】また、被加工物の除去の進行しないような
スキャニング速度を決定するパラメータを記憶する記憶
手段を備え、被加工物の除去の進行が開始する以前に放
電位置を移動することにより、あらかじめ形成された被
加工物形状を損ねることなく、被加工物表面に改質層を
形成する。
【0040】また、被加工物表面への表面処理と仕上げ
加工を同時に行うことにより、被加工物表面に改質層を
形成する。
【0041】また、加工液中において電極と被加工物と
の極間に放電を発生させ、前記被加工物表面に改質層を
形成する放電加工による表面処理方法において、前記電
極として炭素と結合して炭化物を形成する金属材料から
なる金属電極を用い、前記加工液として前記被加工物表
面に前記炭化物を形成するのに十分な炭素を含有する液
体を用いると共に、立ち上がりがスロープ状の波形を有
するパルス電流を前記極間に供給し、前記パルス電流に
より発生した熱エネルギーにより、前記加工液中に浮遊
又は前記被加工物表面に付着した前記金属材料と前記加
工液中の炭素との間に化学反応を発生せしめ、前記被加
工物表面に炭化物セラミックスの改質層を形成する。
【0042】また、スロープ状の波形を有するパルス電
流の前記立ち上がり勾配を変化させて放電加工を行な
う。
【0043】また、加工液中において電極と被加工物と
の極間に放電を発生させ、前記被加工物表面に改質層を
形成する放電加工による表面処理装置において、炭素と
結合して炭化物を形成する金属材料からなる金属電極
と、前記被加工物表面に前記炭化物を形成するのに十分
な炭素を含有する加工液と、前記被加工物と前記金属電
極との極間にパルス電流を供給する放電パルス供給手段
とを備え、前記放電パルス供給手段は、立ち上がりがス
ロープ状の波形を有するパルス電流を前記極間に供給す
るものであり、前記パルス電流により発生した熱エネル
ギーにより、前記加工液中に浮遊又は前記被加工物表面
に付着した前記金属材料と前記加工液中の炭素とを化学
反応させ、前記被加工物表面に炭化物セラミックスの改
質層を形成する。
【0044】また、スロープ状の波形を有するパルス電
流の前記立ち上がり勾配は、変更できる。
【0045】
【実施例】実施例1. 以下、この発明の実施例1を図に基づき説明する。図1
はこの発明の実施例1の放電加工による表面処理装置を
示す構成図であり、1は加工および表面処理を行う被加
工物たる工作物、2は例えばTi(チタン)により形成
された表面処理用電極、3はC(炭素)を多く含有する
灯油系放電加工油、4は通常の放電用電極と表面処理用
電極2を交換する電極交換装置、5は電極の垂直方向の
駆動を行うZ軸駆動装置、6は工作物の水平方向(X方
向)駆動を行うためのXテーブル、7は工作物の水平方
向(Y方向)駆動を行うためのYテーブル、8はXテー
ブル6用の図示されない駆動モーターを制御するX軸サ
ーボアンプ、9はYテーブル7用の図示されない駆動モ
ーターを制御するY軸サーボアンプ、10は加工槽、1
1はCNC制御装置、12はCNC制御装置11内部に
設けられ、表面処理用電極2による加工時における電極
の動きを制御する軌跡移動制御装置、13は表面処理用
電極2による加工のための電極パスプログラム(NCプ
ログラム)を軌跡移動制御装置12に供給する電極軌跡
生成用CAM、14は加工液3を極間に供給する加工液
供給装置、15は前記電極金属物質と加工液中の炭素と
の間に化学反応を発生させるようなスロープ状で所定の
立ち上がり時間を有する電極パルスを供給する放電パル
ス供給電源である。
【0046】次に、動作について説明する。工作物1は
放電加工を行う前工程にて、切削加工、放電加工などに
よりあらかじめ加工がなされ、形状はすでに形成されて
いる。この状態の工作物1を加工槽10内にセットす
る。工作物1のセッティングを行った後、電極交換装置
4により表面処理用電極2をZ軸駆動装置5に取付け、
加工を開始する。加工中、加工槽10にはTiの炭化物
を工作物表面に形成するのに十分の量のC(炭素)を含
有する灯油系放電加工油3が常時供給され、単純形状の
表面処理用電極2によって前荒加工工程による加工表面
を横方向になぞるように加工を行う。すなわち、CNC
制御装置11内部に設けられた軌跡移動制御装置12は
あらかじめ電極移動軌跡生成用CAM13によって作成
された電極パス情報(NCプログラム)に基づき、表面
処理用電極2の横方向の移動の制御を行う。
【0047】加工中、放電により発生した熱エネルギー
により、電極材料であるTi(チタン)が加工部分の加
工液中に浮遊するとともに、工作物表面に付着する。ま
た、同時に加工液3の中のC(炭素)が放電の熱エネル
ギーにより分解し、加工液から離脱する。この分解した
炭素と前記加工液中および工作物表面に付着したTi
(チタン)との間の化学反応により、Tiの炭化物(T
iC)が形成され、工作物表面に硬質被膜が形成され
る。
【0048】また、電極として、Ti(チタン)の粉体
を加圧成形したものを用いた場合、1次加工だけでは処
理用粉体自体の溶融が不十分であるため、再溶融加工を
行い、表面処理層を緻密にする必要がある。その際に
は、銅電極などにより、2次加工(再溶融加工)を実施
するのが一般的である。一方、本実施例のように、電極
としてTi金属を用いた場合、圧粉体電極の場合と比較
して、工作物表面に厚い堆積層を形成することは困難で
あるが、加工が安定であるので1次加工のみで再溶融が
可能であり、2次加工を行うことなく硬質な表面処理層
が得られる。
【0049】なお、上記実施例では、単純形状のTi電
極を用い、工作物表面を横方向にスキャンしながら加工
を行う例を示したが、Ti金属により表面処理形状にあ
わせて形成された総型電極を作成し、表面処理を行うよ
うにしても良い。
【0050】また、電極に使用する金属としては、Ti
(チタン)以外に、V(バナジウム)、Ta(タンタ
ル)、W(タングステン)、Nb(ニオブ)など、耐磨
耗性の高い炭化物を作りやすい他の金属電極を用いても
良い。特に、TiにNbを混合した成分の電極で加工を
行うことにより、表面処理層と母材の密着表面処理層の
靱性が向上する。また、Vを混合することによりTDプ
ロセスと同様、耐熱性の高い被膜を形成することがで
き、耐熱部品の処理に適した表面被覆を行うことができ
る。鉄系工作物の表面処理についてはW電極により安定
した処理層を形成することができる。また、Taは表面
処理層の耐食性を向上させる効果がある。これらの材料
を混合した電極を用いることにより、工作物表面にTi
C、VC、TaC、WCなどのセラミックス系膜を形成
することが可能となる。また、電極成分の比率を変化さ
せることにより、用途、工作物材料に応じた様々な特性
の表面処理層を容易に得ることができる。
【0051】また、前記実施例においては、加工液とし
て放電加工油を用いたが、グリセリンなどの高分子化合
物系加工液、ポリエチレングリコールなどの高分子化合
物を混合した水系加工液、など、C(炭素)を多く含有
する他の加工液を用いても、同様な効果が得られる。特
にこれらの加工液を用いることにより、火災の危険のな
い、不燃性加工を行うことができる。
【0052】こうした、金属炭化物を形成するための放
電電流の波形としては、電流ピーク、およびパルス幅が
きわめて重要である。さらに、表面処理を行うに当って
は良好な加工面あらさを維持しつつ良質な表面処理層を
得ることが必要である。図2、図3はパルス幅および電
流ピークに対する表面処理層(TiC系)の耐磨耗性お
よび表面あらさを示したものである。耐磨耗性は工作物
1として例えば工具に表面処理を実施した場合の切削可
能距離で示す。図より、パルス幅については、ある程度
の幅以上でないと耐磨耗性の高い表面処理層が得られ
ず、5μs以上のパルス幅が必要である。これは金属と
炭素との化学反応が進行するために、ある程度の時間が
必要なためと考えられる。一方、パルス幅が大きくなる
と面あらさ20μmRmax以下の領域においては耐磨
耗性の向上が見られるものの、パルス幅が500μse
c以上の場合には加工が不安定となり、耐磨耗性も低下
する。よってパルス幅としては5〜500μsecの範
囲を用いる必要がある。また、電流ピークについても1
〜20A程度が望ましい。これらの範囲の電流パルスを
用いることにより、加工面特性の良い表面処理層が得ら
れる。
【0053】こうした、表面処理に関しては、電極をあ
る程度消耗させ、工作物表面に多く電極材料が付着する
ような状況にて加工を行うようにすると安定した表面処
理層が得られる。具体的には電極消耗が10%以上の有
消耗領域を用いると良い。
【0054】また、電流波形の立ち上がり時間も処理特
性に大きく影響を与える。電流立ち上がり時間が急峻な
場合には電極の消耗が増大するため、工作物への付着量
が増大する。このため厚い被膜を短時間で形成する場合
には、電流立ち上がり速度が早い波形が望ましい。こう
した波形による処理では厚い堆積層が形成される反面、
溶融が十分ではなく処理層は比較的もろい層となる。一
方、電流立ち上がりが緩やかな波形の場合、堆積速度は
低下するが、溶融が十分に行なわれ易いため、形成され
る処理層はきわめて硬度の高い緻密な層となる。このた
め、処理の初期においては電流立ち上がりの速い波形を
用い、金属の付着(堆積層形成)の後は立ち上がりの遅
い波形を用いると良い。図4に電流立ち上がりスロープ
率と堆積速度、硬度の関係を示す。このように電流立ち
上がりスロープ率(電流立ち上がり勾配)を加工中に変
更できる加工電源を用いることにより、きわめて効率よ
く良質な表面処理層が得られる。特に、TiCなどの粉
末物質を混入せず、Ti電極で加工を行う場合について
は、もともと厚い堆積層を形成するのは困難であるた
め、はじめから電流立ち上がりが緩やかなスロープ状の
波形を用いるのが一般的である。硬度の高い緻密な溶融
層を得るためには、電流の立ち上がりスロープ率(電流
立ち上がり勾配)としては、1A/μsec以下の緩や
かなスロープを用いる必要がある。なお、こうしたスロ
ープ状の電流波形は、スイッチング素子によるスロープ
コントロールを行うのが望ましいが、インダクタンス素
子などを用いて電流の立ち上がりをなまらした波形を用
いても、ある程度の効果が得られる。また、処理の後半
においては、極力ギャップの狭い加工を行うことによ
り、より緻密な表面処理層を得ることができる。
【0055】また、図5は電極極性による表面処理面の
硬度の違いを示したものである。図より、電極極性
(−)にて処理を行ったものの方が表面の硬度が明らか
に高い。また、ヒートサイクル試験を行った結果も、電
極極性(−)での処理の方が剥離もなく、クラックの発
生も少なかった。さらに、両極性(交流)パルスにて処
理を行ったものも比較的高い硬度が得られている。加工
液として油系の加工液を用いる場合は電解作用による影
響はないが、加工液として水系の加工液に高分子化合物
を混合したものを用いる場合、電極極性(−)では工作
物側に電解腐食が発生し処理面にダメージを与える。両
極性(交流)のパルスを用いることにより、こうした電
解腐食を防止することができる。
【0056】上記電極の形状としては、円筒形状、角柱
状、パイプ状の電極が用いられる。こうした単純形状の
電極を工作物表面に対して水平方向にスキャニングしな
がら加工を行うことにより、複雑形状、曲面形状への表
面処理が可能である。一方、前記Ti、W、Ta、V、
Nbなどの金属により、総型電極を製作し、総型電極に
よって表面処理を行うこともできる。その場合は、荒加
工、中仕上用に銅電極を、仕上加工、表面処理用に前記
表面処理用金属電極を用いると良い。
【0057】本加工方法は一般に電極有消耗領域を用い
て加工を行うため、特に単純形状電極による表面処理を
行う場合については、電極の消耗を補正しながら加工を
行う必要がある。すなわち、加工面に平行な方向(XY
方向)にスキャニング加工を行うと、電極が長手方向に
消耗し、処理不能となるため、図6に示すように所定距
離XY方向に進行するごとに所定分だけ電極長手方向
(Z軸方向)に電極送りを行うことにより、広い面積の
複雑形状の表面処理が可能となる。このほか、XY方向
に一定速度で電極を送りつつ、Z軸方向に電極サーボを
行うようにして加工を行うことにより、電極の長さ方向
の消耗を見かけ上補正しながら加工を行うこともでき
る。
【0058】また、本実施例での加工の特徴として、処
理前半は表面に堆積が行われるが、長時間加工を行うと
逆に工作物の加工が進行してしまい、工作物の形状を崩
してしまうという特性がある。図7に処理時間に対する
堆積量を示す。図において堆積量(−)は加工面が彫ら
れてしまったことを示している。以上のことから、本方
法においては、処理を適正な時間で終了するようにあら
かじめ設定しておく必要がある。通常は工作物の除去の
進行が開始するまでの時間をあらかじめ入力、記憶させ
ておき、その時間で処理を完了するようにする。
【0059】また、横方向にスキャニング処理を行う場
合には、横方向の移動速度が遅すぎると加工が進行して
しまうため、適正な速度で横方向に移動するよう、横方
向速度を決定するパラメータをセットし、加工を行う。
これにより、工作物表面の加工が進行することなく表面
処理を行うことができる。
【0060】また、前述のように、Ti、W、Ta、
V、Nbなどの金属により総型電極を製作し、総型電極
によって表面処理を行う場合、工作物表面への表面処理
と仕上加工を同時に行うことにより、トータルの加工時
間を短縮できるとともに、加工面全体に均一かつ良質な
表面処理層を形成することができる。
【0061】さらに、上記金属(Ti、W、V、Ta、
Nb)に、これらの金属の炭化物(TiC、WC、V
C、TaC、NbC)、窒化物(TiNなど)を混合し
ても良い。また、Co、Niなどのバインダとなる物質
を混ぜることにより、処理層の靱性を高めることができ
る。
【0062】実施例2. 以下、この発明の実施例2を図に基づき説明する。図8
はこの発明の実施例2の放電加工による表面処理装置を
示す構成図であり、1は加工および表面処理を行う工作
物、2は総型銅電極、103は灯油系放電加工油にTi
C粉末を混入した加工液、4は前記総型電極2を交換す
る電極交換装置、5は電極の垂直方向の駆動を行うZ軸
駆動装置、6は工作物の水平方向(X方向)駆動を行う
ためのXテーブル、7は工作物の水平方向(Y方向)駆
動を行うためのYテーブル、8はXテーブル6用の図示
されない駆動モーターを制御するX軸サーボアンプ、9
はYテーブル7用の図示されない駆動モーターを制御す
るY軸サーボアンプ、10は加工槽、11はCNC制御
装置、14は加工液103を極間に供給する加工液供給
装置、15は放電パルス供給電源である。
【0063】次に、動作について説明する。工作物1の
セッティングを行った後、実施例1とは異なり、電極交
換装置4により総型銅電極2をZ軸駆動装置5に取付
け、加工を開始する。加工中、加工槽10には灯油系放
電加工油にTiC粉末を混入した加工液103が常時供
給され、総型銅電極2によって加工を行う。
【0064】加工中、放電により発生した熱エネルギー
により、加工液中のTiCが工作物表面に付着するとと
もに放電の熱エネルギーにより工作物表面が溶融し、工
作物表面にTiCの硬質被膜が形成される。加工液中の
TiC粉末の一部は放電の熱エネルギーにより分解され
るが、加工液中のC(炭素)成分と分解されたTiとの
間の化学反応により、工作物表面において再度結合し、
被膜を形成する。実施例1の場合と異なる点はあらかじ
め処理材料としてTiCなどを加工液に混入している点
である。これにより、実施例1の場合には炭化物を形成
する化学反応を起こすことができなかったパルス幅の短
い条件や、電流ピークの低い条件においても、比較的強
固な表面処理層を形成することができる。一般に表面処
理層は母材となる組成となるため、引張応力が残留しや
すく、表面にクラックなどが発生しやすい。特に、放電
がある領域に集中した場合、クラックの発生が顕著とな
り、加工面の品質が著しく低下する。こうした点に対し
て、粉末混入加工は放電の分散性を高める効果があるた
め、表面処理層のクラックの発生を大幅に低減でき、そ
の結果きわめて良質に表面処理層が得られる。また、粉
末を混入した加工液を用いる方法であるため、通常の放
電加工と同様な総型電極を用いて表面処理を行うことが
可能となる。
【0065】加工液に混入する粉末としては、上記Ti
Cの他必要とする処理面の特性に応じて、VC、Ta
C、NbC、WCなど炭化物セラミックスを用いても良
い。また、TiN、TiBなどの窒化物、硼化物セラミ
ックスの粉末を用いても良い。これらの材料は、TiC
などの炭化物に比べて熱により分解し易く、実際に形成
される被膜としては、TiCNなどの組成になる場合が
多い。
【0066】実施例3. 以下、この発明の実施例3を図に基づき説明する。図9
はこの発明の実施例3の放電加工による表面処理装置を
示す構成図であり、1は加工および表面処理を行う工作
物、2は金属Ti(チタン)により形成された表面処理
用電極、103はC(炭素)を多く含有する灯油系放電
加工油にTiC粉末を混入した加工液、4は通常の放電
用電極および表面処理用電極2を交換する電極交換装
置、5は電極の垂直方向の駆動を行うZ軸駆動装置、6
は工作物の水平方向(X方向)駆動を行うためのXテー
ブル、7は工作物の水平方向(Y方向)駆動を行うため
のYテーブル、8はXテーブル6用の図示されない駆動
モーターを制御するX軸サーボアンプ、9はYテーブル
7用の図示されない駆動モーターを制御するY軸サーボ
アンプ、10は加工槽、11はCNC制御装置、12は
CNC制御装置11内部に設けられ、表面処理用電極2
による加工時における電極の動きを制御する軌跡移動制
御装置、13は表面処理用電極2による加工のための電
極パスプログラム(NCプログラム)を軌跡移動制御装
置12に供給する電極軌跡生成用CAM、14は加工液
103を極間に供給する加工液供給装置、15は前記電
極金属物質と加工液中の炭素との間に化学反応を発生さ
せる放電電流パルスを供給する放電パルス供給電源であ
る。
【0067】次に、動作について説明する。実施例1と
同様、工作物は放電加工を行う前工程にて、切削加工、
放電加工などによりあらかじめ加工がなされ、形状はす
でに形成されている。この状態の工作物1を加工槽10
にセットする。工作物1のセッティングを行った後、電
極交換装置4により表面処理用電極2をZ軸駆動装置5
に取付け、加工を開始する。加工中、加工槽10にはC
(炭素)を多く含有する灯油系放電加工油にTiC粉末
を混入した加工液103が常時供給され、単純形状の表
面処理用電極2によって前荒加工工程による加工表面を
横方向になぞるように加工を行う。CNC制御装置11
内部に設けられた軌跡移動制御装置12はあらかじめ電
極移動軌跡生成用CAM13によって作成された電極パ
ス情報(NCプログラム)に基づき、表面処理用電極2
の横方向の移動の制御を行う。
【0068】加工中、放電により発生した熱エネルギー
により、加工液中のTiCが工作物表面に付着するとと
もに放電の熱エネルギーにより工作物表面が溶融し、硬
質被膜が形成される。また、電極材料であるTi(チタ
ン)も放電のエネルギーにより溶融し、工作物表面に付
着する。その際、TiはTiCより融点が低いため、容
易に溶融して工作物表面に付着し、加工液中のTiCを
取り込んだ形で被膜を形成する。加工表面に付着したT
iは加工液中の分解炭素との化学反応により、再溶融の
過程でTiの炭化物(TiC)が形成され、工作物表面
に硬質被膜が形成される。通常、電極としてはTi金属
を主体とした電極を、また加工液中に混入する粉末とし
てはTiC粉末を用いると加工がより安定となり、良質
の表面処理層が短時間で得られる。電極としてTiにT
iCを含んだ電極を用いることもできるが、TiCの比
率が高くなると電極の導電度が低下し、加工が不安定と
なるとともに、電極消耗が著しく増大する場合がある。
これに対し、上記のように電極に金属Tiを主体とした
電極を用いることにより、加工の安定度を維持すること
ができる。本実施例においては、加工液中にTiCが含
まれているため、実施例1の場合には炭化物を形成する
化学反応を起こすことができなかったパルス幅の短い条
件や、電流ピークの低い条件においても、比較的強固な
表面処理層を形成することができる。また、加工液中の
TiC粉末に替えて実施例2において記載した他のセラ
ミックスでも良く、さらに、電極全量がC(炭素)と化
学反応して工作物表面に形成されるセラミックス膜と加
工液中のセラミックスが溶融した工作物表面に付着して
形成されるセラミックス膜は異なる場合でも良く、その
場合セラミックスの複合相が表面処理層として形成され
る。
【0069】実施例4. 以下、この発明の実施例4を図に基づき説明する。図1
0はこの発明の実施例4の放電加工による表面処理装置
を示す構成図であり、1は加工および表面処理を行う工
作物、16はTi(チタン)をワイヤ状にした表面処理
用ワイヤ電極、17は通常の加工を行う黄銅ワイヤ電
極、3はC(炭素)を多く含有する灯油系放電加工油、
18は黄銅ワイヤ電極17と表面処理用ワイヤ電極16
を交換する電極自動交換装置、6は工作物の水平方向
(X方向)駆動を行うためのXテーブル、7は工作物の
水平方向(Y方向)駆動を行うためのYテーブル、8は
Xテーブル6用の図示されない駆動モーターを制御する
X軸サーボアンプ、9はYテーブル7用の図示されない
駆動モーターを制御するY軸サーボアンプ、10は加工
槽、11はCNC制御装置、14は加工液3を極間に供
給する加工液供給装置、15は前記電極金属物質と加工
液中の炭素との間に化学反応を発生させる放電電流パル
スを供給する放電パルス供給電源である。
【0070】次に、動作について説明する。まず、電極
自動交換装置18により黄銅電極17がセットされ、工
作物の荒加工が行われる。ついで電極自動交換装置18
により、ワイヤ電極を表面処理用ワイヤ電極16に交換
し、表面処理を行う。加工中、加工槽10にはC(炭
素)を多く含有する灯油系放電加工油3が常時供給さ
れ、表面処理用ワイヤ電極16によって仕上加工が行わ
れる。CNC制御装置11内部に設けられた軌跡移動制
御装置12はあらかじめ電極移動軌跡生成用CAM13
によって作成された電極パス情報(NCプログラム)に
基づき、表面処理用ワイヤ電極17の横方向の移動、す
なわち、Xテーブル、Yテーブル駆動の制御を行う。
【0071】加工中、放電により発生した熱エネルギー
により、ワイヤ電極材料であるTi(チタン)が加工部
分の加工液中に浮遊するとともに、工作物表面に付着す
る。また、同時に加工液3の中のC(炭素)が放電の熱
エネルギーにより分解し、加工液から離脱する。この分
解した炭素と前記加工液中および工作物表面に付着した
Ti(チタン)との間の化学反応により、Tiの炭化物
(TiC)が形成され、工作物表面に硬質被膜が形成さ
れる。本方法により、通常のワイヤ放電加工面の全域に
おいて、表面処理を行うことが可能である。
【0072】また、本実施例においては、黄銅ワイヤ電
極と表面処理用ワイヤ電極を交換して加工を行う例を示
したが、加工形状やワイヤ電極径が小さい場合には、荒
加工から仕上げ・表面処理まですべてをTiなどの表面
処理用電極で行っても良い。
【0073】また、本実施例においては、表面処理用電
極としてTi電極を用いた例を示したが、黄銅などの表
面にTiなどの表面処理材をコーティングした電極を用
いても良い。
【0074】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、炭素
と結合して炭化物を形成する金属材料からなる金属電極
と、前記被加工物表面に前記炭化物を形成するのに十分
な炭素を含有する加工液と、前記被加工物と前記金属電
極との極間にパルス電流を供給し、前記極間に供給され
る、パルス幅が5〜500μsパルス電流により発生
した熱エネルギーにより前記加工液中に浮遊又は前記被
加工物表面に付着した前記金属材料と前記加工液中の炭
素とを化学反応させ、前記被加工物表面に炭化物セラミ
ックスの改質層を形成するようにしたため、1次加工の
みで再溶融が可能であり2次加工を行うことなく、容易
に硬質かつ緻密な耐磨耗性の高い表面処理層が得られる
効果がある。
【0075】また、前記加工液に炭化物セラミックス、
窒化物セラミックス又は硼化物セラミックスの粉末を混
入してなるものであるため、放電パルス電流の条件の制
限を受けることなく硬質の表面処理層が安定かつ短時間
で得られるとともに、表面処理層のクラックの発生を低
減することができ、その結果良好な表面処理層が得られ
る。また、耐磨耗性の高いセラミックス粉末を混入した
加工液を用いているため、電極金属の炭化物と異なるセ
ラミックスを選択すれば複合相からなる表面処理層が得
られる効果がある。
【0076】また、加工液中において電極と被加工物と
の極間に放電を発生させ、前記被加工物表面に改質層を
形成する放電加工による表面処理装置において、炭素と
結合して炭化物を形成する金属材料からなるワイヤ電極
又は炭素と結合して炭化物を形成する金属材料をコーテ
ィングされたワイヤ電極と、前記被加工物表面に前記炭
化物を形成するのに十分な炭素を含有する加工液と、前
記被加工物と前記ワイヤ電極との極間にパルス電流を供
給する放電パルス供給手段とを備え、前記放電パルス供
給手段により前記極間に供給されたパルス電流により発
生した熱エネルギーにより前記加工液中に浮遊又は前記
被加工物表面に付着した前記金属材料と前記加工液中の
炭素とを化学反応させ、前記被加工物表面に炭化物セラ
ミックスの改質層を形成するようにしたため、通常のワ
イヤ放電加工面全域において、表面処理を行うことが可
能となり、複雑・微細な形状の表面処理を容易に行える
効果がある。
【0077】また、放電加工の電気条件として、電極消
耗が10%以上の電極有消耗条件で放電加工を行うこと
により、被加工物表面に改質層を形成するようにしたた
め、加工面特性の良い表面処理層が安定かつ効率よく得
られる効果がある。
【0078】また、前記極間に供給されるパルス電流の
ピーク値を1〜20Aとして放電加工を行うため、加工
面特性の良い表面処理層が得られる効果がある。
【0079】また、電極を単純形状電極とし、この単純
電極形状電極を被加工物表面に対して平行方向に移動さ
せるよう制御を行う軌跡移動制御手段を備え、単純形状
電極により被加工物表面をスキャニングしながら放電加
工を行うことにより、被加工物表面に改質層を形成する
ようにしたため、特別の形状の電極を製造することな
く、複雑形状、曲面形状への表面処理を容易に行える効
果がある。
【0080】また、電極の被加工物表面に対する平行移
動量に応じて発生する電極の長手方向の消耗に対して電
極の垂直方向の位置を補正する電極消耗補正手段を備え
たことにより、被加工物表面に改質層を形成するように
したため、広い面積の複雑形状の表面処理を高精度に行
える効果がある。
【0081】また、放電加工による表面処理を行い形成
された改質層の堆積量が加工時間の経過により減少する
場合、被加工物の除去の進行が開始するまでの時間を記
憶する記憶手段を備え、被加工物の除去の進行が開始す
る以前に放電加工を終了することにより、あらかじめ形
成された被加工物形状を損ねることなく、被加工物表面
に改質層を形成するようにしたため、前加工における被
加工物の形状を損なうことなく表面処理を行える効果が
ある。
【0082】また、被加工物の除去の進行しないような
スキャニング速度を決定するパラメータを記憶する記憶
手段を備え、被加工物の除去の進行が開始する以前に放
電位置を移動することにより、あらかじめ形成された被
加工物形状を損ねることなく、被加工物表面に改質層を
形成するようにしたため、被加工物表面の侵食が行われ
ることなく表面処理を行える効果がある。
【0083】また、被加工物表面への表面処理と仕上げ
加工を同時に行うことにより、トータルの加工時間を短
縮できるとともに、加工面全体に均一かつ良質な表面処
理層が得られる効果がある。
【0084】また、この発明によれば、炭素と結合して
炭化物を形成する金属材料からなる金属電極を用い、前
記加工液として前記被加工物表面に前記炭化物を形成す
るのに十分な炭素を含有する液体を用いると共に、立ち
上がりがスロープ状の波形を有するパルス電流を前記極
間に供給し、前記パルス電流により発生した熱エネルギ
ーにより、前記加工液中に浮遊又は前記被加工物表面に
付着した前記金属材料と前記加工液中の炭素との間に化
学反応を発生せしめ、前記被加工物表面に炭化物セラミ
ックスの改質層を形成するようにしたため、立ち上がり
スロープの勾配を変更することにより、堆積層の厚み、
硬度を効率よく良質な表面処理層が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1の放電加工による表面処
理装置を示す構成図である。
【図2】 この発明の実施例1の放電加工による表面処
理装置の電流パルスのパルス幅に対する表面処理層の耐
磨耗性および面あらさを示す図である。
【図3】 この発明の実施例1の放電加工による表面処
理装置の電流パルスの電流ピークに対する表面処理層の
耐磨耗性および面あらさを示す図である。
【図4】 この発明の実施例1の放電加工による表面処
理装置の電流パルスの電流立ち上がり時間と堆積速度、
硬度の関係を示す図である。
【図5】 この発明の実施例1の放電加工による表面処
理装置の電流パルスのパルス幅と各電極極性による表面
処理面の硬度の違いを示す図である。
【図6】 電極の消耗を補正方法を示す図である。
【図7】 処理時間に対する表面処理堆積量の関係を示
す図である。
【図8】 この発明の実施例2の放電加工による表面処
理装置を示す構成図である。
【図9】 この発明の実施例3の放電加工による表面処
理装置を示す構成図である。
【図10】 この発明の実施例4の放電加工による表面
処理装置を示す構成図である。
【図11】 従来の放電加工による表面処理装置を示す
構成図である。
【符号の説明】
1 工作物、2 表面処理用電極、3 灯油系放電加工
油、4 電極交換装置、5 Z軸駆動装置、6 Xテー
ブル、7 Yテーブル、8 X軸サーボアンプ、9 Y
軸サーボアンプ、10 加工槽、11 CNC制御装
置、12 軌跡移動制御装置、13 電極軌跡生成用C
AM、14 加工液供給装置、15 放電パルス供給電
源、16 表面処理用ワイヤ電極、17 黄銅ワイヤ電
極、18ワイヤ電極自動交換装置、103 粉末混入加
工液。
フロントページの続き (72)発明者 斎藤 長男 愛知県春日井市岩成台9丁目12番地12 (72)発明者 毛利 尚武 名古屋市天白区八事石坂661 (72)発明者 真柄 卓司 名古屋市東区矢田南五丁目1番14号 三 菱電機株式会社 名古屋製作所内 (72)発明者 後藤 昭弘 名古屋市東区矢田南五丁目1番14号 三 菱電機株式会社 名古屋製作所内 (56)参考文献 特開 昭53−137010(JP,A) 特開 平6−182626(JP,A) 特開 平7−112329(JP,A) 特開 昭56−15938(JP,A) 特開 昭58−45820(JP,A) 特公 昭54−357(JP,B2) 特表 平5−508684(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23H 1/08

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工液中において電極と被加工物との極
    間に放電を発生させ、前記被加工物表面に改質層を形成
    する放電加工による表面処理方法において、 前記電極として炭素と結合して炭化物を形成する金属材
    料からなる金属電極を用い、前記加工液として前記被加
    工物表面に前記炭化物を形成するのに十分な炭素を含有
    する液体を用い、前記極間に供給される、パルス幅が5
    〜500μsパルス電流により発生した熱エネルギー
    により前記加工液中に浮遊又は前記被加工物表面に付
    着した前記金属材料と前記加工液中の炭素との間に化学
    反応を発生せしめ、前記被加工物表面に炭化物セラミッ
    クスの改質層を形成することを特徴とする放電加工によ
    る表面処理方法。
  2. 【請求項2】 加工液に炭化物セラミックス、窒化物セ
    ラミックス又は硼化物セラミックスの粉末を混入してな
    ることを特徴とする請求項1記載の放電加工による表面
    処理方法。
  3. 【請求項3】 放電加工の電気条件として、電極消耗が
    10%以上の電極有消耗条件で放電加工を行うことを特
    徴とする請求項1又は2に記載の放電加工による表面処
    理方法。
  4. 【請求項4】 極間に供給されるパルス電流のピーク値
    を1〜20Aとすることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の放電加工による表面処理方法。
  5. 【請求項5】 放電加工による表面処理を行い形成され
    た改質層の堆積量が加工時間の経過により減少すると
    き、被加工物の除去の進行が開始する以前に加工を終了
    するかまたは加工位置を変更することにより、あらかじ
    め形成された被加工物形状を損ねることなく、被加工物
    表面に改質層を形成することを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載の放電加工による表面処理方法。
  6. 【請求項6】 加工液中において電極と被加工物との極
    間に放電を発生させ、前記被加工物表面に改質層を形成
    する放電加工による表面処理装置において、 炭素と結合して炭化物を形成する金属材料からなる金属
    電極と、 前記被加工物表面に前記炭化物を形成するのに十分な炭
    素を含有する加工液と、 前記被加工物と前記金属電極との極間にパルス電流を供
    給する放電パルス供給手段とを備え、 前記放電パルス供給手段により前記極間に供給される、
    パルス幅が5〜500μsパルス電流により発生した
    熱エネルギーにより前記加工液中に浮遊又は前記被加
    工物表面に付着した前記金属材料と前記加工液中の炭素
    とを化学反応させ、前記被加工物表面に炭化物セラミッ
    クスの改質層を形成することを特徴とする放電加工によ
    る表面処理装置。
  7. 【請求項7】 加工液に炭化物セラミックス、窒化物セ
    ラミックス又は硼化物セラミックスの粉末を混入してな
    ることを特徴とする請求項6記載の放電加工による表面
    処理装置。
  8. 【請求項8】 加工液中において電極と被加工物との極
    間に放電を発生させ、前記被加工物表面に改質層を形成
    する放電加工による表面処理装置において、 炭素と結合して炭化物を形成する金属材料からなるワイ
    ヤ電極又は炭素と結合して炭化物を形成する金属材料を
    コーティングされたワイヤ電極と、 前記被加工物表面に前記炭化物を形成するのに十分な炭
    素を含有する加工液と、 前記被加工物と前記ワイヤ電極との極間にパルス電流を
    供給する放電パルス供給手段とを備え、 前記放電パルス供給手段により前記極間に供給される、
    パルス幅が5〜500μsパルス電流により発生した
    熱エネルギーにより前記加工液中に浮遊又は前記被加
    工物表面に付着した前記金属材料と前記加工液中の炭素
    とを化学反応させ、前記被加工物表面に炭化物セラミッ
    クスの改質層を形成することを特徴とする放電加工によ
    る表面処理装置。
  9. 【請求項9】 放電加工の電気条件として、電極消耗が
    10%以上の電極有消耗条件で放電加工を行うことを特
    徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の放電加工によ
    る表面処理装置
  10. 【請求項10】 極間に供給されるパルス電流のピーク
    値を1〜20Aとすることを特徴とする請求項6〜9の
    いずれかに記載の放電加工による表面処理装置。
  11. 【請求項11】 電極を単純形状電極とし、この単純電
    極形状電極を被加工物表面に対して平行方向に移動させ
    るよう制御を行う軌跡移動制御手段を備え、前記単純形
    状電極により被加工物表面をスキャニングしながら放電
    加工を行うことを特徴とする請求項6〜7及び9〜10
    のいずれかに記載の放電加工による表面処理装置。
  12. 【請求項12】 電極の被加工物表面に対する平行方向
    移動量に応じて発生する電極の長手方向の消耗に対して
    電極の垂直方向の位置を補正する電極消耗補正手段を備
    えたことを特徴とする請求項11記載の放電加工による
    表面処理装置。
  13. 【請求項13】 放電加工による表面処理を行い形成さ
    れた改質層の堆積量が加工時間の経過により減少する場
    合、被加工物の除去の進行が開始するまでの時間を記憶
    する記憶手段を備え、被加工物の除去の進行が開始する
    以前に放電加工を終了することにより、あらかじめ形成
    された被加工物形状を損ねることなく、被加工物表面に
    改質層を形成することを特徴とする請求項6〜12のい
    ずれかに記載の放電加工による表面処理装置。
  14. 【請求項14】 被加工物の除去の進行しないようなス
    キャニング速度を決定するパラメータを記憶する記憶手
    段を備え、被加工物の除去の進行が開始する以前に放電
    位置を移動することにより、あらかじめ形成された被加
    工物形状を損ねることなく、被加工物表面に改質層を形
    成することを特徴とする請求項11記載の放電加工によ
    る表面処理装置。
  15. 【請求項15】 被加工物表面への表面処理と仕上加工
    を同時に行うことを特徴とする請求項6〜14のいずれ
    かに記載の放電加工による表面処理装置。
  16. 【請求項16】 加工液中において電極と被加工物との
    極間に放電を発生させ、前記被加工物表面に改質層を形
    成する放電加工による表面処理方法において、 前記電極として炭素と結合して炭化物を形成する金属材
    料からなる金属電極を用い、前記加工液として前記被加
    工物表面に前記炭化物を形成するのに十分な炭 素を含有
    する液体を用いると共に、立ち上がりがスロープ状の波
    形を有するパルス電流を前記極間に供給し、前記パルス
    電流により発生した熱エネルギーにより、前記加工液中
    に浮遊又は前記被加工物表面に付着した前記金属材料と
    前記加工液中の炭素との間に化学反応を発生せしめ、前
    記被加工物表面に炭化物セラミックスの改質層を形成す
    ることを特徴とする放電加工による表面処理方法。
  17. 【請求項17】 スロープ状の波形を有するパルス電流
    の前記立ち上がり勾配を変化させて放電加工を行なうこ
    とを特徴とする請求項16記載の放電加工による表面処
    理方法。
  18. 【請求項18】 加工液中において電極と被加工物との
    極間に放電を発生させ、前記被加工物表面に改質層を形
    成する放電加工による表面処理装置において、 炭素と結合して炭化物を形成する金属材料からなる金属
    電極と、 前記被加工物表面に前記炭化物を形成するのに十分な炭
    素を含有する加工液と、 前記被加工物と前記金属電極との極間にパルス電流を供
    給する放電パルス供給手段とを備え、 前記放電パルス供給手段は、立ち上がりがスロープ状の
    波形を有するパルス電流を前記極間に供給するものであ
    り、前記パルス電流により発生した熱エネルギーによ
    り、前記加工液中に浮遊又は前記被加工物表面に付着し
    た前記金属材料と前記加工液中の炭素とを化学反応さ
    せ、前記被加工物表面に炭化物セラミックスの改質層を
    形成することを特徴とする放電加工による表面処理装
    置。
  19. 【請求項19】 スロープ状の波形を有するパルス電流
    の前記立ち上がり勾配は、変更できるものであることを
    特徴とする請求項18記載の放電加工による表面処理装
    置。
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