JP3375776B2 - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法

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JP3375776B2 JP05060795A JP5060795A JP3375776B2 JP 3375776 B2 JP3375776 B2 JP 3375776B2 JP 05060795 A JP05060795 A JP 05060795A JP 5060795 A JP5060795 A JP 5060795A JP 3375776 B2 JP3375776 B2 JP 3375776B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、懸濁重合法による塩化
ビニル系重合体の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、塩化ビニル系重合体の製造方法と
しては、塩化ビニル単量体又は塩化ビニル単量体を主体
とする単量体混合物を水性媒体中で懸濁剤の存在下に懸
濁重合する方法が知られている。この懸濁剤としては、
例えば、高ケン化度の部分ケン化ポリビニルアルコール
や、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロ
ース誘導体が知られており、中でも優れた分散能力を有
するケン化度70〜94モル%の部分ケン化ポリビニル
アルコールが比較的多く使用されている。 【0003】しかし、懸濁重合法で得られる塩化ビニル
系重合体は、多孔性に乏しいという欠点がある。特に、
多孔性が乏しい塩化ビニル系重合体は、可塑剤吸収性が
悪いため、加工時の作業性が悪いという欠点があり、ま
たゲル化速度が遅いので、加工製品が不均一なものにな
り易く、フィッシュアイが増加するという欠点がある。
このように可塑剤吸収性が悪く、或いはゲル化速度が遅
いのは、懸濁重合法で得られる塩化ビニル系重合体の表
面にはスキン層と言われる殻が存在するためである。そ
のため可塑剤吸収性が良好でゲル化速度が早い、所謂ノ
ンスキンタイプの塩化ビニル系重合体が望まれている。 【0004】従来、ノンスキンタイプの塩化ビニル系重
合体を得る方法としては、懸濁剤として低ケン化度で低
重合度の油溶性部分ケン化ポリビニルアルコールを単独
で使用する方法が知られている。この方法でノンスキン
タイプの塩化ビニル系重合体を得るためには、多量の油
溶性部分ケン化ポリビニルアルコールを使用しなければ
ならない。しかし、多量の油溶性部分ケン化ポリビニル
アルコールを使用すると懸濁系が不均一になり、塩化ビ
ニル系重合体の粒度コントロールが困難になる。その結
果、粒径の細かいものが多く生じ、得られる塩化ビニル
系重合体の粒度分布がブロードになるという問題があ
る。また、懸濁系が不均一になると重合容器内に重合体
スケールが付着し易くなるという問題がある。 【0005】そこで、このような問題を解決することを
目的に、懸濁剤として、上記の油溶性部分ケン化ポリビ
ニルアルコールと、ケン化度70〜94モル%の水溶性
部分ケン化ポリビニルアルコールやヒドロキシプロピル
メチルセルロースなどのセルロース誘導体とを併用する
方法が提案されている。しかし、このような方法で得ら
れた塩化ビニル系重合体は、ノンスキンタイプのもので
あっても、可塑剤吸収性及びゲル化速度が十分に満足で
きるものではない。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、良好
な特定範囲の粒度分布を有し、可塑剤吸収性及びゲル化
速度が良好な、ノンスキンタイプの塩化ビニル系重合体
を重合容器内にスケールが付着することもなく得ること
ができ、しかも得られる塩化ビニル系重合体粒子の粒度
を容易にコントロールすることができる塩化ビニル系重
合体の製造方法を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を鋭意研究した結果、懸濁剤として、特定の低ケン化度
範囲に属し、かつ低重合度の部分ケン化ポリビニルアル
コールと、カルボキシル基含有架橋共重合体とを併用
し、そして前記部分ケン化ポリビニルアルコール及びカ
ルボキシル基含有架橋共重合体を、特定のpH範囲の水
溶液として重合系に添加すると、良好な特定範囲の粒度
分布を有し、可塑剤吸収性及びゲル化速度が良好なノン
スキンタイプの塩化ビニル系重合体を重合容器内にスケ
ールが付着することもなく得ることができることを見出
して本発明に到った。 【0008】即ち、本発明は、平均重合度が 150〜600
であり、ケン化度が20〜55モル%の部分ケン化ポリビニ
ルアルコール;1重量%水溶液の25℃における粘度が40
0 cP以上であるカルボキシル基含有架橋共重合体;塩化
ビニル単量体又は塩化ビニル単量体を主体とする単量体
混合物;油溶性重合開始剤;及び水を重合容器に仕込
み、前記単量体を水性媒体中で懸濁重合する方法であっ
て、前記部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ
ル基含有架橋共重合体及び水を、pH1.0〜4.0の水
溶液として重合系に添加することを特徴とする塩化ビニ
ル系重合体の製造方法である。以下、本発明を詳細に説
明する。 【0009】部分ケン化ポリビニルアルコール 本発明に用いる部分ケン化ポリビニルアルコールは、平
均重合度が 150〜600、好ましくは 200〜500 、より好
ましくは200 〜400 のものである。この平均重合度が 1
50未満であると得られる塩化ビニル系重合体のかさ比重
が低くなり、600 を超えると重合体の多孔性が乏しくな
るため好ましくない。また、本発明に用いる部分ケン化
ポリビニルアルコールは、ケン化度が20〜55モル%、好
ましくは30〜50モル%、より好ましくは30〜50モル%で
ある。このケン化度が20モル%未満であると重合体のか
さ比重が低くなり、55モル%を超えると重合体の多孔性
が乏しくなるため好ましくない。 【0010】カルボキシル基含有架橋共重合体 本発明に用いるカルボキシル基含有架橋共重合体は、25
℃における該カルボキシル基含有架橋共重合体の1重量
%水溶液の粘度が400 cP以上、好ましくは1000cP以上、
さらに好ましくは1000〜4000cPである。この粘度が400
cP未満であると懸濁重合系が不安定となり、重合容器内
壁等の、単量体が接触する箇所に重合体スケールが付着
したり、得られる塩化ビニル重合体が粗粒化し易くなる
ため、好ましくない。本発明に用いるカルボキシル基含
有架橋共重合体は、重合性不飽和結合を有するカルボン
酸化合物と架橋剤とを、重合開始剤を用いて架橋共重合
(copolymerization with crosslinking)させたものであ
る。 【0011】前記重合性不飽和結合を有するカルボン酸
化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、
イタコン酸、クロロアクリル酸、シアノアクリル酸、α
−フェニルアクリル酸、α−ベンジルアクリル酸、クロ
トン酸、マレイン酸、フマル酸、ソルビン酸等が挙げら
れる。これらは1種単独で、或いは2種以上を組合わせ
て用いることができる。前記架橋剤としては、例えば、
1分子中に2個又はそれ以上の重合性の 【0012】 【化1】 【0013】を末端に有する化合物が挙げられ、具体的
には、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン
等の芳香族ジビニル化合物;ポリブタジエン、エチレン
グリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタ
クリレート、アリルアクリレート、メチレンビスアクリ
ルアミド、ジビニルエーテル、ジアリルエーテル等の可
溶性の重合性ジエン;ポリビニル;下記一般式(1): 【0014】 【化2】 【0015】(式中、Rは独立に水素原子又はメチル基
を表し、p、m及びnは、それぞれ0以上の数であっ
て、0<p+m+n≦500 を満足する数を示す。ただ
し、Rが水素原子で、かつn=0の場合に限りp+m=
1を満足する数を除外する)で示される化合物、例え
ば、ジエチレングリコールビスアリルエーテル、ジエチ
レングリコールビスメタリルエーテル、或いは次式: 【0016】 【化3】 【0017】等で示される化合物などが挙げられる。こ
れらは1種単独で、或いは2種以上を組合わせて用いる
ことができる。前記架橋重合に用いる重合開始剤として
は、アゾ系、過酸化物系、レドックス系の重合開始剤が
挙げられ、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,
2′−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレ
ロニトリル)、ベンゾイルパーオキシド、クメンハイド
ロパーオキシド、第三級ブチルハイドロパーオキシド、
過硫酸塩、あるいは過硫酸塩と過炭酸塩とを組み合せた
もの、過硫酸塩と亜硫酸塩とを組み合せたものなどが挙
げられる。これらの重合開始剤は、例えば、ベンゼン、
トルエン、n−ヘキサン、酢酸エチル等の溶媒に溶解し
て用いるのが好ましい。 【0018】重合性不飽和結合を有するカルボン酸化合
物と架橋剤との配合割合は、通常、該カルボン酸化合物
100 重量部に対して、架橋剤0.05〜10重量部が好まし
く、さらに好ましくは 0.1〜5重量部である。架橋剤の
配合量が少なすぎると架橋が十分でなく、多すぎると架
橋化が過度になって、得られたカルボキシル基含有架橋
共重合体による、塩化ビニル単量体等の分散効果が得ら
れなくなる場合がある。 【0019】このようにして得られる、カルボキシル基
含有架橋共重合体として好適なものは、前記重合性不飽
和結合を有するカルボン酸化合物と、前記一般式(I)
で表される架橋剤との架橋重合体であり、さらに好まし
くは、アクリル酸と、ジエチレングリコールビスアリル
エーテル又はジエチレングリコールビスメタリルエーテ
ルとの架橋重合体であり、特に好ましくは、アクリル酸
100 重量部とジエチレングリコールビスアリルエーテル
又はジエチレングリコールビスメタリルエーテル0.05〜
10重量部との架橋重合体である。 【0020】塩化ビニル単量体又は塩化ビニル単量体を
主体とする単量体混合物 本発明の製造方法で懸濁重合する単量体は、塩化ビニル
単量体単独、或いは塩化ビニル単量体を主体とし、これ
と共重合し得る他の単量体との混合物(通常、塩化ビニ
ルを50重量%以上)である。この塩化ビニル単量体と共
重合させる単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステルもしくは
メタクリル酸エステル;エチレン、プロピレン等のオレ
フィン;無水マレイン酸;アクリロニトリル;スチレ
ン;塩化ビニリデン等の単量体が挙げられる。 【0021】油溶性重合開始剤 本発明に用いる油溶性重合開始剤としては、従来、塩化
ビニル単量体又は塩化ビニル単量体を主体とする単量体
混合物の重合に使用されているものを使用することがで
き、具体的には、t−ブチルパーオキシネオデカネー
ト、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパ
ーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルネオヘキサノ
エート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、α−クミ
ルパーオキシネオデカネート、2,4,4−トリメチル
ぺンチル−2−パーオキシ−2−ネオデカネート等のパ
ーエステル化合物;ジイソプロピルパーオキシジカーボ
ネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネ
ート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネー
ト、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネート等のパ
ーカーボネート化合物;デカノイルパーオキシド、ベン
ゾイルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、シ
クロヘキサノンパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾ
イルパーオキシド、p−メタンハイドロパーオキシド、
イソブチリルパーオキシド、アセチルシクロヘキシルス
ルホニルパーオキシド、2,4,4−トリメチルペンチ
ル−2−パーオキシフェノキシアセテート、3,5,5
−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、ラウロイルパ
ーオキシド等の過酸化物;α,α′−アゾビスイソブチ
ロニトリル、α,α′−アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)、α,α′−アゾビス(4−メトキシ−
2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物など
が挙げられ、これらは単独で、或いは2種以上を組合わ
せて使用することができる。また、これらの油溶性重合
開始剤は、必要により、過硫酸カリウム、過硫酸アンモ
ニウム、過酸化水素等の水溶性重合開始剤と併用するこ
ともできる。 【0022】重合容器への仕込み 本発明の製造方法では、前記部分ケン化ポリビニルアル
コール、カルボキシル基含有架橋共重合体及び水を、pH
1.0〜4.0、好ましくはpH1.0〜3.5、さらに
好ましくはpH1.0〜2.7の水溶液として重合容器に
仕込む。このpHが、小さ過ぎると製造装置が腐食し易く
なるので好ましくなく、大き過ぎると、得られる塩化ビ
ニル系重合体の粒度の改善効果が得られない。前記部分
ケン化ポリビニルアルコール及びカルボキシル基含有架
橋共重合体の水溶液のpHを1.0〜4.0にするには、
公知の無機酸又は有機酸、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、
酢酸等を添加する。これらの中でも好ましいのは硫酸で
ある。 【0023】前記部分ケン化ポリビニルアルコール、カ
ルボキシル基含有架橋共重合体、水、油溶性重合開始剤
及び塩化ビニル単量体を仕込む順番としては、例えば、 前記部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ
ル基含有架橋共重合体及び水を、pH1.0〜4.0の水
溶液として重合容器内に仕込み、 重合容器内の排気を行った後、塩化ビニル単量体を
重合容器内に仕込み、 重合容器内の内容物を攪拌しながら重合開始剤を添
加した後、重合容器内の内容物を予め設定した重合温度
にまで昇温して重合を行う手順でよい。 【0024】前記の部分ケン化ポリビニルアルコール及
びカルボキシル基含有架橋共重合体からなる懸濁剤の仕
込み量は、塩化ビニル単量体又は塩化ビニル単量体を主
体とする単量体混合物の仕込み量に対して0.01〜1.0 重
量%、好ましくは0.05〜1.0重量%である。仕込み量が
少な過ぎると重合系が不安定となる場合があり、多過ぎ
ると得られる重合体の粒径が小さくなりすぎる場合があ
り、レジン粉体を取り扱う上で好ましくない。 【0025】前記部分ケン化ポリビニルアルコールと、
カルボキシル基含有架橋共重合体との配合比は、カルボ
キシル基含有架橋共重合体に対する部分ケン化ポリビニ
ルアルコールの重量比で、通常、2〜5であり、好まし
くは2〜4である。この比が小さ過ぎると、得られる重
合体粒子の表面にスキン層が形成されてノンスキンタイ
プの重合体を得ることができなくなる場合があり、大き
過ぎると、重合系が不安定となり、得られる重合体粒子
が粗粒化し易くなり、また、重合容器内壁等の、単量体
が接触する箇所に重合体スケールが付着し易くなるので
好ましくない。前記油溶性重合開始剤の使用量は、仕込
む塩化ビニル単量体 100重量部当たり、通常、 0.001〜
3重量部、好ましくは0.01〜0.1 重量部である。 【0026】重合条件 本発明の製造方法は、前記部分ケン化ポリビニルアルコ
ール及びカルボキシル基含有架橋共重合体からなる懸濁
剤を用い、さらに前記部分ケン化ポリビニルアルコー
ル、カルボキシル基含有架橋共重合体及び水を、pH1.
0〜4.0の水溶液として重合系に添加すること以外は
公知の条件で懸濁重合を行うことができる。例えば、塩
化ビニル単量体又は塩化ビニル単量体を主体とする単量
体混合物を懸濁分散させるために必要な水性媒体の仕込
み量は、従来の方法と同様、塩化ビニル単量体又は塩化
ビニル単量体を主体とする単量体混合物との仕込比(水
/単量体比)が 1.0〜2.5 程度で良く、必要に応じて重
合の途中で水を追加することができる。更に本発明にお
いては、重合温度、圧力等は、従来から採用されている
程度でよく、また必要に応じて塩化ビニル単量体又は塩
化ビニル単量体を主体とする単量体混合物の重合に適宜
使用される重合調整剤を重合系に添加することも任意で
ある。 【0027】 【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明をさら
に具体的に説明するが、本発明は下記に限定されるもの
ではない。 〔実施例1〕内容積 100リットルの撹拌機及びジャケッ
ト付ステンレス製重合容器に、懸濁剤として、平均重合
度230 、ケン化度48モル%の部分ケン化ポリビニルアル
コール 60gと、1重量%水溶液の25℃における粘度が25
00cPである架橋アクリル酸共重合体( アクリル酸100
重量部とジエチレングリコールビスアリルエーテル1重
量部との架橋アクリル酸共重合体)30g とを、硫酸10g
を添加した加温水60kg(pH=2.5)に溶解して仕込んだ。
このときの重合容器内の内容物である水性媒体のpHは、
2.0であった。次に、器内を排気し、次いで塩化ビニ
ル単量体30kgを仕込み、3分間撹拌した後に、重合開始
剤としてt−ブチルパーオキシネオデカネート21g を仕
込み、57℃に昇温して重合を開始した。そして、温度を
57℃に保ちながら重合を行い、重合器内圧が6kg/cm2 G
に降下した時点で重合を終了させ、次いで未反応単量体
を回収し、得られた重合体をスラリー状で器外に抜き出
し、脱水、乾燥して重合体を得た。 【0028】〔実施例2〕実施例1において、硫酸の添
加量を10g から1gに代えた加温水60kg(pH=3.5)を用い
た以外は実施例1と同様に重合を行い、重合体を得た。
なお、塩化ビニル単量体を仕込む前の水性媒体のpHは、
3.0であった。 【0029】〔実施例3〕実施例1において架橋アクリ
ル酸共重合体の仕込量を30g から15g に代えた以外は実
施例1と同様に重合を行い、重合体を得た。なお、塩化
ビニル単量体を仕込む前の水性媒体のpHは、2.6であ
った。 【0030】〔比較例1〕実施例1において、硫酸を添
加しない加温水60kg(pH=6.3)に部分ケン化ポリビニル
アルコールと架橋アクリル酸共重合体とを溶解して仕込
んだほかは、実施例1と同様に重合体を得た。なお、塩
化ビニル単量体を仕込む前の水性媒体のpHは、4.5で
あった。 【0031】〔比較例2〕実施例1において、硫酸を添
加しない加温水60kg(pH=6.3)に部分ケン化ポリビニル
アルコール60g と架橋アクリル酸共重合体15g とを溶解
して仕込んだほかは、実施例1と同様に重合体を得た。
なお、塩化ビニル単量体を仕込む前の水性媒体のpHは、
5.0であった。 【0032】〔比較例3〕実施例1において、硫酸を添
加しない加温水60kg(pH=6.3)に部分ケン化ポリビニル
アルコール30g と架橋アクリル酸共重合体60g とを溶解
して仕込んだほかは、実施例1と同様に重合体を得た。
なお、塩化ビニル単量体を仕込む前の水性媒体のpHは、
4.2であった。上記実施例1〜3、及び比較例1〜3
で得られた塩化ビニル重合体について、下記の方法でか
さ比重、粒度分布、可塑剤吸収量、可塑剤吸収時間、ス
ケール付着、及びスキン層の有無について評価した。結
果を表1に示す。 【0033】〈かさ比重〉得られた重合体について、JI
S K-6721に従って測定した。 〈粒度分布〉JIS Z-8801に準じた#60、#100、及び#200
の各篩を用い、得られた重合体の粉末を篩分けし、篩を
通過した粉末の重量%を求めた。 〈可塑剤吸収量〉内径25mm、深さ85mmのアルミニウム合
金製容器の底にグラスファイバーを詰め、得られた塩化
ビニル重合体10g を試料として投入した。これにジオク
チルフタレート(DOP) 15cc を加え、30分間放置してDO
P を重合体に十分浸透させた。その後、1500G の加速度
下に過剰のDOP を遠心分離し、重合体10g に吸収したDO
Pの量を測定して、重合体100g当たりに換算した。 【0034】〈可塑剤吸収時間〉プラストグラフ(プラ
ネタリーミキサー)に塩化ビニル重合体の粉末400gを入
れ、60rpm で撹拌しながら予熱(4分)して80℃にした
後、これにDOP を200g添加し、その添加時よりトルクの
降下が完了した時点までの時間を測定して、可塑剤吸収
時間とした。 〈スケール付着〉重合終了後に重合器内の重合体スケー
ル付着状況を目視で観察した。 〈スキン層の有無〉重合体レジンを電子顕微鏡により観
察して、スキン層の有無を観察した。 【0035】 【表1】【0036】表1の結果から明らかなように、本発明の
製造方法で得られた塩化ビニル重合体の粉末は、その表
面にスキン層が認められなかった。そして、粒度分布測
定においては、# 60の篩のパス分が100重量%であ
り、#100の篩のパス分が35重量%以下であり、粒度分
布がシャープであることが認められ、かつ粒度コントロ
ールも容易であることが判明した。また、可塑剤吸収性
に優れ、重合器内のスケール付着もほとんどない。 【0037】これに対し、本発明の懸濁剤と同じ部分ケ
ン化ポリビニルアルコール、及び架橋共重合体を使用し
ても、塩化ビニル単量体を仕込む前の水性媒体のpHが
4.5〜5.0の場合( 比較例1 、2)には、表面にスキ
ン層がなく、可塑剤吸収性も本発明と同等のものである
が、粒度がかなり細かくなっており、粒度コントロール
が困難である。また塩化ビニル単量体を仕込む前の水性
媒体のpHが4.2であり、かつ部分ケン化ポリビニルア
ルコールの割合を減らした場合( 比較例3)には、粒度は
改善されるが、表面にスキン層が生成し、可塑剤吸収性
が悪く、重合器内にスケールが付着することが認められ
た。 【0038】 【発明の効果】本発明によると、粗粒の発生がなく粒径
が均一であり、可塑剤吸収性及びゲル化性が良好な、ノ
ンスキンタイプの塩化ビニル系重合体を重合容器内にス
ケールが付着することもなく得ることができ、しかも得
られる塩化ビニル系重合体の粒度を容易にコントロール
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−217805(JP,A) 特開 平7−70211(JP,A) 特開 平2−305804(JP,A) 特開 昭49−34584(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/00 - 2/60

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 平均重合度が 150〜600 であり、ケン化
    度が20〜55モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール;
    1重量%水溶液の25℃における粘度が400 cP以上である
    カルボキシル基含有架橋共重合体;塩化ビニル単量体又
    は塩化ビニル単量体を主体とする単量体混合物;油溶性
    重合開始剤;及び水を重合容器に仕込み、前記単量体を
    水性媒体中で懸濁重合する方法であって、 前記部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシル基
    含有架橋共重合体及び水を、pH1.0〜4.0の水溶液
    として重合系に添加することを特徴とする塩化ビニル系
    重合体の製造方法。
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