JP3375748B2 - 接合構造および接合具 - Google Patents

接合構造および接合具

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JP3375748B2
JP3375748B2 JP21023794A JP21023794A JP3375748B2 JP 3375748 B2 JP3375748 B2 JP 3375748B2 JP 21023794 A JP21023794 A JP 21023794A JP 21023794 A JP21023794 A JP 21023794A JP 3375748 B2 JP3375748 B2 JP 3375748B2
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宗孝 大関
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば多数接合され
て筒状のトンネル壁体を構成するセグメントどうしを接
合するにあたり、特に、接合する一方側に貫通させた長
ボルトでセグメントどうしを接合する場合に好適な接合
構造および接合具に関する。
【0002】
【従来の技術】上記の如く長ボルトでセグメントどうし
を接合する構造としては、一方のセグメントに貫通させ
た長ボルトを、他方のセグメントの接合端部に埋設した
ナット部材であるインサート金具にねじ込んで締結する
構造がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記構造では、少しで
もセグメントの位置ずれが生じると長ボルトをインサー
ト金具に同軸的に一致させてねじ込むことが困難であ
り、逆に言うと両者が正確に同軸的でないと接合が困難
である。また、長ボルトが長ければ長いほど重量が増し
て、長ボルトをねじ込む作業が大変になるといった問題
もある。
【0004】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あって、長ボルト状のものを締結手段とする際、セグメ
ント等の部材どうしの少しの位置ずれがあっても締結が
容易で、かつ作業性にも優れる接合構造およびそれに好
適な接合具を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の接合構造は上記
目的を達成するためになされたもので、第1の部材と第
2の部材どうしを、互いの接合面を合わせた状態で接合
する構造であって、軸方向一端から他端に向けて内径が
拡径する内周面がテーパ状の筒状ケーシング内に、軸方
向に沿った分割面を有し径方向に分割可能な複数のピー
スからなり、分割面どうしを合わせるとケーシングの内
周面に沿ったテーパ筒状となるくさび材が、軸方向に移
動可能に収納され、かつ前記分割面どうしが当接される
如く付勢される接合具を、第1の部材の内部に、ケーシ
ングおよびくさび材の小径側が第1の部材の接合面に向
く状態で埋設し、第2の部材に形成した軸方向へ沿って
同径の貫通孔を、接合具と略同軸的に一致させて第1の
部材の接合面に第2の部材の接合面を合わせ、少なくと
も一端にねじ部が形成され、くさび材の挿入孔よりも大
径かつ他端側が軸方向に沿って同径のボルトロッドを、
他端部側から第2の部材の貫通孔に貫通させるとともに
その他端部を接合具のくさび材の内部に複数のピースを
径方向に分割させながら挿入し、このボルトロッドのね
じ部にねじ込んだナットを第2の部材に締め付けること
によりボルトロッドを第2の部材側に引き寄せてその他
端部を接合具に係止させることを特徴としている。
【0006】また本発明の接合具は、軸方向一端から他
端に向けて内径が拡径する内周面がテーパ状の筒状ケー
シングと、軸方向に沿った分割面を有し径方向に分割可
能な複数のピースで構成され、分割面どうしを合わせる
と、ケーシングの内周面に沿ったテーパ筒状となり、か
つ軸芯に軸方向に沿って同径の挿入孔を有し、その状態
でケーシング内に軸方向に移動可能に収納され、かつ前
記分割面どうしが当接される如く付勢されるくさび材
と、このくさび材の挿入孔に挿入されその外径が、複数
のピースが密接状態におけるくさび材の挿入孔よりも大
なる軸方向に沿って同径のボルトロッドとを具備し、該
ボルトロッドが前記くさび材の挿入孔に挿入されること
により、これらくさび材によって前記ボルトロッドが締
め付けられて互いに係止することを特徴としている。
【0007】またこの接合具において、くさび材を軟鋼
で作りその内周面を平滑に形成し、一方、ボルトロッド
の少なくともくさび材に挿入される他端部の外周面に、
略周方向に沿う溝を複数形成し、かつこの溝を形成した
他端部の外周面を熱処理等の手段により硬化処理を施し
ことを特徴としている。
【0008】さらに、くさび材を構成する各ピースを小
径側に付勢する付勢部材が設けられ、付勢部材によって
前記くさび材が分割面どうしを当接させる如く付勢され
ていること、さらにはケーシングの大径部側の底部に、
くさび材の挿入孔に向けて突出する突起部と、この突起
部の周囲に連続して形成されて各ピースの大径側底面に
面し、突起部がその突起方向と逆方向に付勢されること
によって各ピースの大径側底面を押圧し、くさび材を分
割面どうしが当接される如く付勢する弾性部とを有する
弾発部材を設けたことを含むものである。
【0009】
【作用】本発明の接合構造によれば、第1の部材と第2
の部材の接合面どうしを、第1の部材に埋設された接合
具と第2の部材の貫通孔が略同軸的になるよう合わせ、
ボルトロッドを他端部側から貫通孔に貫通させてその他
端部を接合具のくさび材の内部に挿入する。ここで、く
さび材の各ピースはボルトロッドにより径方向に分割さ
せられその内が拡径し、ボルトロッドの他端部はくさび
材の内部に挿入されていく。この状態からボルトロッド
を第2の部材側に引き寄せると分割面どうしが当接され
る如く付勢されるくさび材のくさび効果でボルトロッド
は接合具に係止されてそれ以上抜けなくなり、この状態
で、ボルトロッドの一端部のねじ部にねじ込んだナット
を第2のセグメントに締め付ければ各部材どうしが接合
される。また本発明の接合具によれば、上記構造を容易
に達し得る。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の第1実施例を
説明する。この第1実施例は、図1に示すコンクリート
製の第1のセグメント(第1の部材)1に、第2のセグ
メント(第2の部材)2を接合する構造であり、符号3
は締結用のボルトロッドである。このボルトロッド3は
接合具A1の雄型を構成するもので、雌型4が、第1の
セグメント1の接合端部に埋設されている。この雌型4
は、図2に示すように、テーパ筒状のケーシング5と、
このケーシング5内に収納されるやはりテーパ筒状のく
さび材6とを主として構成されている。
【0011】ケーシング5は、軸方向一端から他端に向
けて拡径するテーパ筒状で、内部7も外径に略沿ったテ
ーパ状の空洞であり、小径側の端部の開口8はボルトロ
ッド3の外径よりもやや大きく設定されている。またこ
の開口8は、内周面に拡径するテーパ面9が形成されて
いることにより端部に向けて開いている。また、ケーシ
ング5の大径側の内周面にはリング状のストッパ10が
固着され、さらに大径側の開口は、端面に固着された円
板11で塞がれている。このケーシング5は、小径側の
端面が第1のセグメント1の接合面1aと面一の状態で
埋設され、外周面にはその傾斜方向に延びるアンカー筋
12が、また円板11にはその外面方向に延びるアンカ
ー筋12がそれぞれ固着されている。
【0012】一方くさび材6は、図3にも示すように、
軸方向に沿った分割面13aを有し径方向に分割可能な
複数(この場合3つ)のピース13からなり、分割面1
3aどうしを合わせると、外径は前記ケーシング5の内
周面に沿った、そして内径は一定のテーパ筒状となるよ
う構成されている。このくさび材6は、各ピース13の
外周面に形成された周溝14に嵌められる複数(この場
合2つ)のバネ(付勢部材)15の力で、通常は各ピー
ス13が合体してテーパ筒状となっている。この合体状
態でくさび材6の軸芯に形成される挿入孔16の径(内
径)は、前記ボルトロッド3の外径よりも僅かに小さく
なるよう設定されている。そしてこのくさび材6は、テ
ーパ方向を一致させてケーシング5の内部に軸方向に移
動可能に収納されている。なお、図示例ではバネ15は
各ピース13の外周面に形成された周溝14に嵌められ
ているが、ケーシング5の内周面に周溝を形成してそこ
にバネ15を嵌めるか、あるいはケーシング5と各ピー
ス13双方にバネ15を嵌める周溝を形成してもよい。
【0013】第2のセグメント2には、第1のセグメン
ト1に対する接合面2aに直交する貫通孔20が形成さ
れている。この貫通孔20はボルトロッド3を通すこと
のできる内径を有し、接合面2aとは反対側の接合面2
bには、座ぐり21が形成されている。
【0014】前記ボルトロッド3は、一端部にねじ部3
aが所定長さ形成されており、他端部3bには何も形成
されていない構成で、その外径はくさび材6の内径より
も僅かに大きく設定されている。
【0015】次に、第1のセグメント1に第2のセグメ
ント2を接合する手順を説明する。まず、第2のセグメ
ント2の貫通孔20を、第1のセグメント1に埋設され
ている雌型4と略同軸的に一致させて、第2のセグメン
ト2の接合面2aを第1の接合面1aに合わせる。次い
で、ボルトロッド3を、他端部3b側から第2のセグメ
ント2の貫通孔20に貫通させ、他端部3bを雌型4の
くさび材6の挿入孔16に挿入する。ここで、くさび材
6の各ピース13はボルトロッド3によりバネ15の力
に抗して径方向に分割させられその挿入孔16が拡径
し、ボルトロッド3の他端部3bはくさび材6の挿入孔
16に挿入されていく。
【0016】くさび材6がストッパ10に当たり、かつ
ボルトロッド3が円板11に当たってそれ以上の挿入が
不可になったら、ボルトロッド3のねじ部3aにナット
30をねじ込む。このナット30を第2のセグメント2
に締め付けていくと、ボルトロッド3の他端部3bは少
し第2のセグメント2側に引き寄せられるが、くさび材
6が他端部3bを締め付けるくさび効果により、他端部
3bは雌型4から抜けることができないように係止され
る。このくさび効果は、ボルトロッド3の外径がくさび
材6の内径よりも大きいから生じる。つまり、いったん
ボルトロッド3を雌型4の内部(くさび材6の挿入孔1
6)に挿入した後それを引き抜いても、くさび材6で係
止された後は抜けないわけである。この状態からさらに
ナット30を第2のセグメント2に締め付ければ、第2
のセグメント2は第1のセグメント1に対し強固に接合
される。なお、ボルトロッド3の長さは上記接合状態で
ねじ部3aが第2のセグメント2の座ぐり21内に収ま
り、またねじ部3aの長さは充分なねじ込み代があるよ
う設定される。
【0017】上記本実施例の接合構造では、第1のセグ
メント1に対し第2のセグメント2が少し位置ずれして
いても、ボルトロッド3を雌型4の内部に挿入させるこ
とが可能である。したがって、各セグメント1、2の相
対的な位置ずれがあったりあるいは雌型4にボルトロッ
ド3が厳密に同軸的でなくても、双方を接合することが
容易となる。特に本実施例では雌型4のケーシング5の
小径側の端部つまりボルトロッド3が挿入される側の開
口には、テーパ面9が形成されていてボルトロッド3が
挿入されるやすくなっている。
【0018】また、ボルトロッド3が長大であっても、
このボルトロッド3を回転させてねじ込む構成ではな
く、ボルトロッド3よりもはるかに小さいナット30を
ねじ込む構成なので、作業性に優れる。
【0019】なお、ボルトロッド3の他端部3bの外周
面あるいはくさび材6の内周面のうち少なくとも一方を
高い摩擦力が得られるよう表面加工を施すなどして、ボ
ルトロッド3の抜け止めがさらに確実になされるよう構
成すると好ましい。
【0020】図4および図5は、第1のセグメント1へ
の雌型4の埋設の仕方およびボルトロッドの配設の形態
を変えた例を示している。図4の場合は、雌型4のケー
シング5が第1のセグメント1の接合面1aから少し突
出しその突出部分は、第2のセグメント2の接合面2a
に形成された凹所40に嵌合されている。第2のセグメ
ント2には、接合面2aと間隔をおいて継手凹所41が
形成され、これによりフランジ部42が形成されてい
る。このフランジ部42には、継手凹所41から雌型4
の内部7、挿入孔16に通じるボルト挿通孔43が形成
されている。そして、継手凹所41からこのボルト挿通
孔43を通して雌型4のくさび材6に挿入して係止させ
たボルトロッド44にナット45をねじ込んでフランジ
部42に締結している。
【0021】図5の場合は、第1のセグメント1に対す
る雌型4の配設は図4と同様であるが、フランジ部42
に代えて鋼板製の継手フランジ50が第1のセグメント
1に埋設されている。ケーシング5は継手フランジ50
の嵌合孔51に嵌合されている。継手フランジ50には
一対のアンカー板52が溶接され、その内部側の第2の
セグメント2には継手凹所53が形成されている。この
継手凹所53に雌型4の内部7、挿入孔16が連通して
おり、継手凹所53から雌型4のくさび材6に挿入して
係止させたボルトロッド54にナット55をねじ込んで
継手フランジ50に締結している。
【0022】次に、図6ないし図10を参照して本発明
の接合具の他の実施例を説明する。これら図において
は、先の実施例と同様の構成要素には同一の符号を付し
てあり説明を省略する。
【0023】図6に示す第2実施例の接合具A2は、雌
型4におけるバネ15の代わりにゴム等から成形された
複数の弾性体61が装着されている。この弾性体61
は、断面円形の棒状体で適宜な弾性を有するものであ
り、その形状に応じてケーシング5の内周面と各ピース
13の外周面にそれぞれテーパ方向に沿って形成された
溝62、63内に収納される状態で装着されている。こ
のように弾性体61が装着された状態でくさび材6は各
ピース13の分割面13aが当接している。
【0024】この接合具A2によれば、くさび材6の挿
入孔16にボルトロッド3を挿入すると、弾性体61が
弾性変形してくさび材6の各ピース13が径方向に分割
させられその挿入孔16が拡径し、ボルトロッド3が挿
入孔16に挿入されていく。そして挿入動作を終えると
弾性体61の弾性復帰にともないくさび材6がボルトロ
ッド3を締め付け、さらにボルトロッド3を上記のよう
にナット30のねじ込みにより引っ張ればくさび効果が
発揮されて係止される。
【0025】図7に示す第3実施例の接合具A3は、上
記雌型4の弾性体61の代わりに、弾性体71をくさび
材6と円板11との間に介装された構成となっている。
弾性体71は中心に孔71aが空いている円板状のもの
で、くさび材6の各ピース13を分割面13aどうしが
当接するように小径側に常時押圧している。なお、場合
によっては弾性体71に孔71aを形成せずともよい。
【0026】この接合具A3によれば、くさび材6の挿
入孔16にボルトロッド3を挿入すると、各ピース13
が弾性体71に抗して大径側に押しやられることにより
挿入孔16が拡径してボルトロッド3の挿入がなされ、
挿入動作を終えると弾性体71の弾性復帰にともないく
さび材6がボルトロッド3を締め付け、さらにボルトロ
ッド3をナット30のねじ込みにより引っ張ればくさび
効果が発揮されて係止される。
【0027】図8に示す第4実施例の接合具A4におい
ては、雌型4のくさび材6と円板11との間に皿ばね状
の弾発部材81が介装されているとともに、ケーシング
5の開口部にコイルばね82が装着されている。弾発部
材81は、くさび材6の挿入孔16に向けて突出する突
起部83と、突起部83の周囲に連続して形成されてく
さび材6の各ピース13の大径側底面に面する弾性部8
4とが一体に構成されたものである。この弾発部材81
によると、通常状態から、突起部83がその突起方向と
逆方向すなわちケーシング5の底部側にへこまされて付
勢されると、弾性部84が各ピース13の大径側底面を
押圧して各ピース13を開口部方向に移動させ、その結
果くさび材6の挿入孔16が縮径する。くさび材6の各
ピース13は弾発部材81とコイルバネ82に挟まれて
がたつきなくケーシング5内に収納されており、コイル
ばね82の力は弾発部材81の弾発力より小さく設定さ
れている。
【0028】上記接合具A4によれば、ボルトロッド3
をくさび材6の挿入孔16に挿入して弾発部材81の突
起部83をへこますことにより各ピース13が開口部側
にスライドし、その結果各ピース13がボルトロッド3
を挟み付けてボルトロッド3を不動状態とする。したが
ってナット30をねじ込む際のボルトロッド3のがたつ
きが防がれ、操作性の向上が図られる。
【0029】図9に示す第5実施例の接合具A5におけ
る雌型4は、くさび材6と円板11との間に皿ばねであ
る弾発部材91が介装されている。そして、くさび材6
の各ピース13は、軟鋼の生材でできているとともにそ
の内周面は平滑に形成されている。一方、ボルトロッド
92におけるくさび材6に挿入される部分の外周面に
は、図10に示すように、螺旋状の溝93が多数形成さ
れることにより凹凸面となっている。これら溝93が形
成された外周面は、焼き入れによる熱処理等の手段によ
り硬化処理が施されている。溝93は、雌型4からの抜
き方向に鋭角に突出形成された山93aにより形成さ
れ、挿入しやすく、抜けにくい構造になっている。な
お、溝93は螺旋状でなく周方向に沿った1つ1つの周
溝であってもよい。
【0030】図11は第5実施例の変形例であって、こ
の場合の接合具A6における雌型4は、接合具A5とは
逆に、ボルトロッド94は軟鋼の生材でできており、そ
の外周面は平滑に形成されており、一方、図12に示す
ように、くさび材6の各ピース13の内周面には周方向
に沿う溝95が複数形成されて凹凸面となっているとと
もに、これら溝95が形成された内周面は熱処理等の手
段により硬化処理が施されている。溝95は、ボルトロ
ッド94の挿入方向に鋭角に突出形成された山95aに
より形成され、挿入しやすく、抜けにくい構造になって
いる。なお、溝95は螺旋状でなく周方向に沿った1つ
1つの周溝であってもよい。
【0031】上記接合具A5、A6では、接合具A5の
場合は硬化処理されたボルトロッド92の溝93が軟鋼
の生材であるくさび材6に、また、接合具A6の場合は
硬化処理されたくさび材6の各ピース13の溝95が軟
鋼の生材であるボルトロッド94に対してよく食い付
き、ボルトロッド92、94の抜け止め作用が十分に発
揮されてセグメントどうしの接合が確実になされる。ま
た、特に接合具A5のようにボルトロッド92側に溝9
3を形成し、くさび材6を軟鋼の生材としてその内周面
を平滑にしたものとする組み合わせは、機能上および加
工コストの面で有利である。
【0032】なお、上記各実施例ではセグメントどうし
の接合であるが、本発明はこれに限られず、他の種類の
部材どうしの接合にも適用できる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の接合構造
によれば、第1の部材に埋設した接合具の分割面どうし
が当接される如く付勢されるくさび材に第2の部材に貫
通させたボルトロッドを挿入してその端部をくさび効果
により抜け不能に係止し、このボルトロッドのねじ部に
ねじ込んだナットを第2の部材に締め付ける構成を特徴
とするもので、双方の部材に相対的な少しの位置ずれが
あっても、ボルトロッドを接合具の内部に挿入させるこ
とが可能であるから接合が容易となる。また、ボルトロ
ッドが長大であっても、このボルトロッドを回転させて
ねじ込む構成ではなくボルトロッドよりもはるかに小さ
いナットをねじ込む構成なので作業性に優れる。また本
発明の接合具によれば、上記構造を容易に達し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例により第1、第2のセ
グメントを接合した状態の断面図である。
【図2】 第1実施例の要部断面図である。
【図3】 くさび材の斜視図である。
【図4】 第1のセグメントへの雌型の埋設の仕方お
よびボルトロッドの配設の形態を変えた一例を示した断
面図である。
【図5】 同他の例の断面図である。
【図6】 本発明の接合具の第2実施例の断面図であ
る。
【図7】 本発明の接合具の第3実施例の断面図であ
る。
【図8】 本発明の接合具の第4実施例の断面図であ
る。
【図9】 本発明の接合具の第5実施例の断面図であ
る。
【図10】 第5実施例のボルトロッドの一部断面図で
ある。
【図11】 本発明の接合具の第6実施例の断面図であ
る。
【図12】 第6実施例のくさび材のピースの側面図で
ある。
【符号の説明】
1…第1のセグメント、1a,2a…接合面、2…第2
のセグメント、3,44,54,92,94…ボルトロ
ッド、3a…ねじ部、3b…他端部、A1,A2,A
3,A4,A5,A6…接合具、5…ケーシング、6…
くさび材、13…ピース、13a…分割面、16…挿入
孔、20…貫通孔、30,45,55…ナット、61,
71…付勢部材、81…弾発部材、83…突起部、84
…弾性部、93,95…溝。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮 清 東京都千代田区神田司町2−3 株式会 社大林組 東京本社内 (56)参考文献 特開 平6−146794(JP,A) 特開 平5−202918(JP,A) 特開 昭62−137345(JP,A) 特開 昭56−12452(JP,A) 実開 平1−98817(JP,U) 実公 昭55−48171(JP,Y2) 実公 平3−52805(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16B 37/04 F16B 35/04 E04C 5/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の部材と第2の部材どうしを、互い
    の接合面を合わせた状態で接合する構造であって、 軸方向一端から他端に向けて内径が拡径する内周面がテ
    ーパ状の筒状ケーシング内に、軸方向に沿った分割面を
    有し径方向に分割可能な複数のピースからなり分割面ど
    うしを合わせると前記ケーシングの内周面に沿ったテー
    パ筒状となるくさび材が、軸方向に移動可能に収納さ
    れ、かつ前記分割面どうしが当接される如く付勢される
    接合具を、第1の部材の内部に、前記ケーシングおよび
    前記くさび材の小径側が第1の部材の接合面に向く状態
    で埋設し、前記第2の部材に形成した軸方向へ沿って同
    径の貫通孔を、前記接合具と略同軸的に一致させて第1
    の部材の接合面に第2の部材の接合面を合わせ、少なく
    とも一端にねじ部が形成され、くさび材の挿入孔よりも
    大径かつ他端側が軸方向に沿って同径のボルトロッド
    を、他端部側から第2の部材の貫通孔に貫通させるとと
    もにその他端部を前記接合具の前記くさび材の内部に前
    記複数のピースを径方向に分割させながら挿入し、この
    ボルトロッドの前記ねじ部にねじ込んだナットを第2の
    部材に締め付けることにより、ボルトロッドを第2の部
    材側に引き寄せてその他端部を接合具に係止させること
    を特徴とする接合構造。
  2. 【請求項2】 軸方向一端から他端に向けて内径が拡径
    する内周面がテーパ状の筒状ケーシングと、軸方向に沿
    った分割面を有し径方向に分割可能な複数のピースで構
    成され、分割面どうしを合わせると、前記ケーシングの
    内周面に沿ったテーパ筒状となり、かつ軸芯に軸方向に
    沿って同径の挿入孔を有し、その状態でケーシング内に
    軸方向に移動可能に収納され、かつ前記分割面どうしが
    当接される如く付勢されるくさび材と、このくさび材の
    挿入孔に挿入され、その外径が、前記複数のピースが密
    接状態におけるくさび材の挿入孔よりも大なる軸方向に
    沿って同径のボルトロッドとを具備し、該ボルトロッド
    が前記くさび材の挿入孔に挿入されることにより、これ
    らくさび材によって前記ボルトロッドが締め付けられて
    互いに係止され、前記くさび材は軟鋼でできているとと
    もにその内周面は平滑に形成され、一方、前記ボルトロ
    ッドの少なくともくさび材に挿入される前記他端部の外
    周面には、略周方向に沿う溝が複数形成され、かつこの
    溝が形成さ れた他端部の外周面は熱処理等の手段により
    硬化処理が施されていることを特徴とする接合具。
  3. 【請求項3】 軸方向一端から他端に向けて内径が拡径
    する内周面がテーパ状の筒状ケーシングと、軸方向に沿
    った分割面を有し径方向に分割可能な複数のピースで構
    成され、分割面どうしを合わせると、前記ケーシングの
    内周面に沿ったテーパ筒状となり、かつ軸芯に軸方向に
    沿って同径の挿入孔を有し、その状態でケーシング内に
    軸方向に移動可能に収納され、かつ前記分割面どうしが
    当接される如く付勢されるくさび材と、このくさび材の
    挿入孔に挿入され、その外径が、前記複数のピースが密
    接状態におけるくさび材の挿入孔よりも大なる軸方向に
    沿って同径のボルトロッドとを具備し、該ボルトロッド
    が前記くさび材の挿入孔に挿入されることにより、これ
    らくさび材によって前記ボルトロッドが締め付けられて
    互いに係止され、前記くさび材を構成する各ピースを小
    径側に付勢する付勢部材が設けられ、該付勢部材によっ
    て前記くさび材が分割面どうしを当接させる如く付勢さ
    れていることを特徴とする接合具。
  4. 【請求項4】 軸方向一端から他端に向けて内径が拡径
    する内周面がテーパ状の筒状ケーシングと、軸方向に沿
    った分割面を有し径方向に分割可能な複数のピースで構
    成され、分割面どうしを合わせると、前記ケーシングの
    内周面に沿ったテーパ筒状となり、かつ軸芯に軸方向に
    沿って同径の挿入孔を有し、その状態でケーシング内に
    軸方向に移動可能に収納され、かつ前記分割面どうしが
    当接される如く付勢されるくさび材と、このくさび材の
    挿入孔に挿入され、その外径が、前記複数のピースが密
    接状態におけるくさび材の挿入孔よりも大なる軸方向に
    沿って同径のボルトロッドとを具備し、該ボルトロッド
    が前記くさび材の挿入孔に挿入されることにより、これ
    らくさび材によって前記ボルトロッドが締め付けられて
    互いに係止され、前記ケーシングの大径部側の底部に
    は、前記くさび材の挿入孔に向けて突出する突起部と、
    この突起部の周囲に連続して形成されて前記各ピースの
    大径側底面に面し、突起部がその突起方向と逆方向に付
    勢されることによって各ピースの大径側底面を押圧し、
    前記くさび材を分割面どうしが当接される如く付勢する
    弾性部とを有する弾発部材が設けられていることを特徴
    とする接合具。
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