JP3375399B2 - 冷凍機油 - Google Patents

冷凍機油

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JP3375399B2 JP33516293A JP33516293A JP3375399B2 JP 3375399 B2 JP3375399 B2 JP 3375399B2 JP 33516293 A JP33516293 A JP 33516293A JP 33516293 A JP33516293 A JP 33516293A JP 3375399 B2 JP3375399 B2 JP 3375399B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、R22フロンの代替冷
媒であるハイドロフルオロアルカンの少なくとも1種か
らなる冷媒を使用する冷凍機油に関し、特に冷媒との相
溶性に優れた冷凍機油に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、ルームクーラー等の冷媒としてR
22(CHClF2 )冷媒が使用されているが、環境問
題からR22代替フロンの開発が緊急化している。そこ
で、R22の代替冷媒として冷凍機の冷凍効率、冷凍能
力、吐出圧力を考慮した時、R32(CH2 2 )、R
134a(CF3 CH2 F)、R125(CHF2 CF
3 )、R290(プロパン)(CH3 CH2 CH3 )、
R717(NH3 )、R143a(CF3 CH3 )等が
冷媒として提案されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、R134a
冷媒を使用する場合には、冷凍機油として使用する脂肪
族エステルにおける末端アルキル基の炭素数が直鎖部分
で炭素数9以下のエステル油であれば相溶性を確保でき
るが、R125、R143a、R32等の冷媒はR13
4a冷媒より分極度が更に高く、このようなエステル油
では相溶性を確保できないという問題がある。 【0004】本発明は、R22フロンの代替冷媒である
ハイドロフルオロアルカンの少なくとも1種からなる冷
媒を使用する冷凍機油であって、特にこの種の冷媒との
相溶性に優れた冷凍機油の提供を課題とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明の冷凍機油は、ハ
イドロフルオロアルカンの少なくとも1種からなる冷媒
を使用する冷凍機油において、該冷凍機油が、ヒドロキ
シピバリン酸エステルであって、溶解度パラメータが
8.8(cal/cm 1/2 以上、末端アルキル基
の炭素数が直鎖部分で炭素数6以下で、かつ分子量が9
00以下であることを特徴とする。 【0006】まず、本発明の冷凍機油が対象とするハイ
ドロフルオロアルカン冷媒について説明する。ハイドロ
フルオロアルカン冷媒としては、R32、R134a、
R125、R143aのいずれか1種であり、またその
混合冷媒としては、例えば R32/R125=60/40(重量%、以下同様)、 R32/R134a=30/70、 R32/R125/R134a=10/70/20、 R32/R125/R134a/R290=20/55
/20/5、 R32/R125/R134a=30/10/60、 R125/R143a=45/55、 R125/R143a/R134a=40/45/15
等が挙げられる。 【0007】本発明におけるエステル油としては、溶解
度パラメータが8.8(cal/cm 1/2 以上、
末端アルキル基の炭素数が直鎖部分で炭素数6以下で、
かつ分子量が900以下のものが、上述した冷媒に対し
て、優れた相溶性を有することが見出された。 【0008】本発明のエステル油を規定する「末端アル
キル基」とは、オキシカルボニル結合を介して結合する
アルキル基であって、官能基成分を有しないものをい
う。また、溶解度パラメータとは、Fedorsの方法
により計算されるもので、例えば向井淳二他1名著「技
術者のための実学高分子」73頁〜77頁、1981年
10月1日、株式会社講談社発行に記載されるものであ
る。更に、本発明においては、上述した冷媒との組合せ
において、エステル油の分子量は900以下であること
が必要であるが、エステル油の分子量は単一化合物の場
合にはその式量、混合物の場合には各化合物の式量の混
合比平均値、オリゴマーの場合にはその重量平均分子量
である。 【0009】本発明のエステル油においては、末端アル
キル基の直鎖部分での炭素数、溶解度パラメータ、分子
量が共に上述した範囲に満たされる時に、本発明におけ
る冷媒との相溶性に優れるものである。以下、本発明に
おけるエステル油について説明する。 【0010】ポリオールエステル類、多価カルボン酸エ
ステル類、フマル酸エステルオリゴマー、炭酸エステル
類、ヒドロキシビバリン酸エステル類及びそれらの組合
せのエステル油が挙げられる。まず、ポリオールエステ
ル類としては、(1)脂肪族多価アルコールと直鎖状又
は分枝状の脂肪酸とのポリオールエステル類、又はその
部分エステル類で、脂肪酸におけるアルキル基の炭素数
が直鎖部分で炭素数6以下のもの、(2)ネオペンチル
グリコールと、アルキル基の炭素数が直鎖部分で6以下
の脂肪酸とのジエステル類、(3)脂肪族多価アルコー
ルと、アルキル基の炭素数が直鎖部分で6以下の直鎖状
又は分枝状の脂肪酸との部分エステル類と、直鎖状又は
分枝状の脂肪族二塩基酸とのコンプレックスエステル
類、(4)直鎖状又は分枝状の脂肪族二塩基酸と、アル
キル基の炭素数が直鎖部分で6以下の脂肪族アルコール
とのエステル類、(5)アルキル基の炭素数が直鎖部分
で6以下の一価脂肪族アルコール及びそれらの異性体
と、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイド、アミレンオキサイド等、及び
それらの異性体から選ばれるアルキレンオキサイドの1
モル〜10モル、好ましくは1〜6モル付加物、(6)
グリセリン、トリメチロールプロパン等の多価アルコー
ルと、アルキレンオキサイドの1モル〜10モル、好ま
しくは1〜6モル付加物、(7)アルキル基の炭素数が
直鎖部分で6以下の一価脂肪族アルコールのアルキレン
オキサイド付加物と脂肪族二塩基酸とのジエステル類、
(8)グリセリン、トリメチロールプロパン等の多価ア
ルコールのアルキレンオキサイドの1〜10モル付加物
と、アルキル基の炭素数が直鎖部分で6以下の直鎖状又
は分枝状の脂肪酸とのエステル類等が挙げられる。 【0011】上記のポリオールエステル類として、具体
的には、ペンタエリスリトールと2−エチルヘキシル酸
とのエステル〔分子量640、溶解度パラメータ値
(cal/cm 1/2 、以下、S.P.という)
9.14〕、ペンタエリスリトールと、2−エチルヘキ
シル酸と3,5,5−トリメチルヘキサン酸との混合酸
とのエステル(分子量685、S.P.8.9〕、ペン
タエリスリトールと、n−ヘキシル酸とn−ペンチル酸
との混合酸とのエステル(分子量500、S.P.9.
5〕、ペンタエリスリトールとn−ペンチル酸とのエス
テル(分子量472、S.P.9.6〕、ジペンタエリ
スリトールと、n−ヘキシル酸とn−ペンチル酸との混
合酸とのエステル(分子量784、S.P.9.5)等
のエステルが挙げられる。 【0012】また、アジピン酸とイソオクチルアルコー
ルとのエステル(分子量342、S.P.8.9〕、コ
ハク酸とイソオクチルアルコールとのエステル(分子量
318、S.P.9.0 〕等のエステルも挙げること
ができる。 【0013】また、これらのエステル類は、単独で使用
してもよいが、後述する各種の用途に応じた粘度範囲に
調節するために、適宜組合せ使用してもよく、例えば、
上記(3)のコンプレックスタイプの有機カルボン酸エ
ステルであって、粘度が高い場合には、脂肪族多価アル
コールとアルキル基の炭素数が直鎖部分で6以下の脂肪
酸とのエステル油で、100℃における粘度が6mm2/s
以下のものを添加して用途に応じた粘度範囲に調整する
ことができる。 【0014】また、粘度の低い場合には有機カルボン酸
エステル油にポリマー類を添加して、粘度を調整すると
よい。ポリマーは100℃における粘度が10mm2/s 以
上のものが好ましい。 【0015】このようなポリマーとしては、ポリアルキ
ルメタクリレート(例えば、アルキル基が直鎖部分で炭
素数1〜6のもの)、ポリアルキレングリコール(例え
ば、ポリプロピレングリコール、又ポリエチレングリコ
ール成分とポリプロピレングリコール成分からなる共重
合体、ポリプロピレングリコール成分とポリテトラメチ
レングリコール成分とからなる共重合体等)、ネオペン
チルグリコールと脂肪族二塩基酸とのポリエステルで下
記式で示されるもの 【0016】 【化1】 【0017】等を挙げることができる。ポリマーの添加
量は、所望の粘度及び相溶性を有するエステル油が得ら
れるならば特に限定されるものではないが、通常1重量
%〜99重量%の範囲とすることができる。 【0018】また、多価カルボン酸エステル類として
は、多価カルボン酸が、1,2,3,4−ブタンテトラ
カルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、1,4−シク
ロヘキサンカルボン酸等の脂肪族、脂環式多価カルボン
酸であり、またアルコールがアルキル基の炭素数が直鎖
部分で6以下の直鎖又は分枝状のアルキル基を有する1
価アルコール類、または一般式 H−(AO)n −R
(式中Aは炭素数2〜8のアルキレン基、Rは直鎖部分
で炭素数1〜6のアルキル基、nは1〜10の整数)で
示されるポリアルキレングリコールのモノオール体であ
り、これらの多価アルコールとアルコールをエステル化
反応させて得られる多価カルボン酸エステル類、または
上記多価カルボン酸及びアルコールに更にエチレングリ
コール、プロピレングリコール等の多価アルコールを加
えエステル化反応させて得られるコンプレックスエステ
ル類等も挙げられる。 【0019】次に、フマル酸エステルオリゴマーは、フ
マル酸エステルのホモ重合体またはフマル酸エステルと
不飽和脂肪族炭化水素との共重合体であり、下記式で示
される。下記式における両末端は、重合反応に際して使
用される重合開始剤残基であり、式中においてはその記
載を省略している。 【0020】 【化2】 【0021】(式中、R1 、R2 は直鎖部分で炭素数1
〜6の直鎖又は分枝状のアルキル基、または直鎖部分で
炭素数1〜6の直鎖又は分枝状のアルキル基で置換また
未置換ポリアルキレンオキサイド基であり、同一でも相
違していてもよく、R3 は炭素数2〜12で、直鎖部分
で炭素数1〜6の直鎖、分枝又は環状のアルキレン基、
またはポリアルキレンオキサイド基、mは0以上、nは
1以上、好ましくは1〜12の整数であって、R3 は全
体の50モル%以下である。) 具体的には、ジエチルフマレートのエステルオリゴマ
ー、ジブチルフマレートのエステルオリゴマー等が挙げ
られる。 【0022】また、下記構造式 【0023】 【化3】 【0024】で示される構造単位を1〜50モル%及び
下記一般式 【0025】 【化4】 【0026】(式中、Rはそれぞれ独立して、直鎖部分
で炭素原子6以下の直鎖又は分枝状のアルキル基であ
る)で示される構造単位を50〜99モル%含むフマル
酸アルキルエステル共重合体を挙げることができる。 【0027】次に、炭酸エステル類としては、一般式 【0028】 【化5】 【0029】(式中、R1 は直鎖部分で炭素原子6以下
の直鎖又は分枝状のアルキル基、Rは炭素原子2〜1
0個を有し、かつ直鎖部分で炭素原子6以下のアルキレ
ン基、またはシクロアルキレン基、nは1〜4の整数で
ある)で表される炭酸エステル類、または、一般式 【0030】 【化6】 【0031】(式中、Rは2〜6個の水酸基を有す
る多価アルコール残基、R2 は直鎖部分で炭素原子6以
下の直鎖又は分枝状のアルキル基、nは2〜6の整数で
ある)で表される炭酸エステル類を使用することができ
る。上記炭酸エステル類は、ジメチルカーボネートとア
ルコール類とを塩基性触媒の存在下でのエステル交換反
応により製造される。 【0032】また、一般式 【0033】 【化7】 【0034】(式中、R1 は直鎖部分で炭素原子1〜6
個の直鎖又は分枝状のアルキル基、R2 は直鎖部分で炭
素原子2〜10個の直鎖又は分枝状のアルキレン基、m
は2〜10の整数、nは2〜100の整数であり、−A
O−は−CH2 −CH(CH3)−O−が好ましく、ま
た−CH2 −CH2 −O−でもよい。)で表される炭酸
エステル類を使用することができる。この炭酸エステル
類は、例えば炭酸とアルキレンオキサイドとを反応させ
て得られるものであるが、そのアルキレンオキサイド付
加量は2〜3モルのものが適当である。又、アルキレン
オキサイドの付加形態は、エチレンオキサイド単独又は
プロピレンオキサイド単独でもよく、また混合体でもよ
い。 【0035】次に、ヒドロキシピバリン酸エステルとし
ては、一般式 【0036】 【化8】 【0037】(式中R、R′は直鎖部分で炭素原子2〜
6個を有する直鎖又は分枝状のアルキル基、nは1〜5
の整数である)で表されるものか挙げられる。また、こ
れらヒドロキシピバリン酸に二塩基酸を加えてコンプレ
ックスエステルとしたものを使用してもよい。 【0038】具体的には、上記式におけるR、R′がイ
ソヘプチル基のヒドロキシピバリン酸エステル(分子量
444、S.P.9.1)、R、R′がイソヘプチル基
のヒドロキシピバリン酸エステル(分子量556、S.
P.9.2)等が挙げられる。 【0039】これらのエステル油類において、ナトリウ
ム及び/又はカリウム濃度が0.1ppm 以下とすること
により、さらに優れた冷凍機油とできる。 【0040】まず、上述したポリオールポリエステル類
は、一般にアルコール類と脂肪酸類とを酸触媒、例えば
燐酸の存在下エステル化反応させて得られるが、このよ
うな調製法によると全酸価が0.1〜0.5mg KOH /g
、灰分(ナトリウム分、カリウム分、鉄分、チタン
分、硅素分等)が5〜50ppm、水分が300〜100
0ppmのものが得られる。 【0041】冷凍機油において、酸価が高いと金属部分
に腐食等の問題が生じるため、冷凍機油には適さない。
このため、冷凍機油としての全酸価は0.1mg KOH /g
未満、好ましくは0.05mg KOH /g 以下とするとよ
い。また、潤滑油の絶縁性は酸価や油中の不純物によっ
て変わると考えられていたが、エステル油においては、
酸価が高くても絶縁性に与える影響は意外にも小さく、
またエステル油中の全ての灰分が絶縁性と相関しない。
エステル油の体積抵抗率を下げる要因物質は、原材料
中、または合成工程で使用される触媒、更には精製工程
で使用される中和剤等により混入すると考えられる灰分
の中で、鉄分、チタン分、硅素分等はその絶縁性に影響
を与えないが、油中におけるナトリウム分とカリウム分
の総量濃度が0.1ppm を越えると極端に絶縁性が低下
する。 【0042】そのため、ポリオールエステル、フマル酸
エステルオリゴマー、炭酸エステル、ヒドロキシビバリ
ン酸エステルを精製するに際して、絶縁性に与える成分
を含有しない精製手段を採用することが好ましく、特に
ナトリウム分は精製により除去が困難であるので、ナト
リウムを構成元素とする化合物の使用を避ける方法を採
用することにより、少ない精製工程で高い絶縁性を示す
エステルを得ることができる。ナトリウム分を避ける方
法としては、例えばエステル化反応後の遊離脂肪酸の中
和に水酸化カリウム、水酸化カルシウム等を利用するこ
とが有用である。また、冷媒安定性を高めるためには、
パーオキサイド価1meq./Kg 以下、アルデヒド価1mg K
OH /g 以下、臭素価指数10mg /100g以下とするとよ
い。 【0043】エステルの精製は、シリカゲル、活性アル
ミナ、活性炭、ゼオライト等と接触処理により行うとよ
い。この際の接触条件は各種状況に応じて適宜定めると
よく、温度は100℃以下で行うのが好ましい。他のエ
ステル精製方法としては、コストが高くなるが、イオン
交換樹脂或いは無機イオン交換体(東亜合成化学製)に
よる方法によってもよい。 【0044】なお、本発明における冷凍機油であるエス
テル油には、冷媒との相溶性を阻害しない範囲で、他の
基油を配合してもよい。 【0045】次に、本発明の冷凍機油には、酸化防止
剤、腐食防止剤、摩耗防止剤、消泡剤、金属不活性化
剤、防錆剤等が添加されるとよい。酸化防止剤として
は、例えばジ(アルキルフェニル)アミン(アルキル基
は炭素数4〜20)、フェニル−α−ナフチルアミン、
アルキルジフェニルアミン(アルキル基は炭素数4〜2
0)、N−ニトロソジフェニルアミン、フェノチアジ
ン、N,N’−ジナフチル−p−フェニレンジアミン、
アクリジン、N−メチルフェノチアジン、N−エチルフ
ェノチアジン、ジピリジルアミン、ジフェニルアミン、
フェノールアミン、2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメ
チルアミノパラクレゾール等のアミン系酸化防止剤、
2.6−ジ−t−ブチルパラクレゾ−ル、4.4’−メ
チレンビス(2.6−ジ−t−ブチルフェノ−ル)、
2.6−ジ−t−ブチル−4−N,N−ジメチルアミノ
メチルフェノール、2.6−ジ−t−ブチルフェノ−ル
等のフェノ−ル系酸化防止剤、また鉄オクトエ−ト、フ
ェロセン、鉄ナフトエ−ト等の有機鉄塩、セリウムナフ
トエ−ト、セリウムトルエ−ト等の有機セリウム塩、ジ
リコニウムオクトエ−ト等の有機ジリコニウム塩等の有
機金属化合物系酸化防止剤、更にトリジ−t−ブチルフ
ェニルフォスファイト、トリオクチルフォスファイト等
のフォスファイト類を使用するとよい。また上記の酸化
防止剤は単独で使用してもよいが、二種以上組み合わせ
て使用することにより相乗効果を奏するようにして使用
することもできる。酸化防止剤の使用割合は、基油に対
して0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜2重
量%を使用するとよい。 【0046】腐食防止剤としては、イソステアレート、
n−オクタデシルアンモニウムステアレート、デュオミ
ンT・デオレート、ナフテン酸鉛、ソルビタンオレー
ト、ペンタエリスリット・オレート、オレイルザルコシ
ン、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸及びこれら
の誘導体等があり、その使用割合はエステル基油に対し
て0.001〜1.0重量%、好ましくは0.01〜
0.5重量%使用するとよい。 【0047】摩耗防止剤としては、一般式 (RO)3
P=S (式中Rはアルキル基、アリル基、フェニル基
であり、同一又は異種でもよい。)で示され、具体的に
はトリアルキルフォスフォロチオネート、トリフェニル
フォスフォロチオネート、アルキルジアリルフォスフォ
ロチオネート等の硫黄系摩耗防止剤、ジフェニルスルフ
ィド、ジフェニルジスルフィド、ジn−ブチルスルフィ
ド、ジ−n−ブチルジスルフィド、ジ-tert-ドデシルジ
スルフィド、ジ-tert-ドデシルトリスルフィド等のスル
フィド類、スルファライズドスパームオイル、スルファ
ライズドジペンテン等の硫化油脂類、キサンチックジサ
ルファイド等のチオカーボネート類、一級アルキルチオ
燐酸亜鉛、二級アルキルチオ燐酸亜鉛、アルキル−アリ
ルチオ燐酸亜鉛、アリルチオ燐酸亜鉛等のチオ燐酸亜鉛
系摩耗防止剤等を使用することができる。また、燐系摩
耗防止剤としては、ベンジルジフェニルフォスフェー
ト、アリルジフェニルフォスフェート、トリフェニルフ
ォスフェート、トリクレジルフォスフェート、エチルジ
フェニルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、
ジブチルフェニルフォスフェート、クレジルジフェニル
フォスフェート、ジクレジルフェニルフォスフェート、
エチルフェニルジフェニルフォスフェート、ジエチルフ
ェニルフェニルフォスフェート、プロピルフェニルジフ
ェニルフォスフェート、ジプロピルフェニルフェニルフ
ォスフェート、トリエチルフェニルフォスフェート、ト
リプロピルフェニルフォスフェート、ブチルフェニルジ
フェニルフォスフェート、ジブチルフェニルフェニルフ
ォスフェート、トリブチルフェニルフォスフェート等の
リン酸エステル、トリイソプロピル亜リン酸エステル、
ジイソプロピル亜リン酸エステル等の亜リン酸エステ
ル、ヘキサメチルフォスフォリックトリアミド、n−ブ
チル−n−ジオクチルホスフィネート、ジ−n−ブチル
ヘキシルホスホネート、アミンジブチルホスホネート、
ジブチルホスホロアミデート等のその他のリン系化合物
を使用することができる。 【0048】上記摩耗防止剤の使用割合は、エステル油
に対して0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜3重
量%使用するとよい。また上記の摩耗防止剤は単独で使
用してもよいが、二種以上組み合わせて使用することも
できる。 【0049】消泡剤としては、シリコーンを使用すると
よく、その使用割合は基油に対して0.0001〜0.
003重量%、好ましくは0.0001〜0.001重
量%使用するとよい。 【0050】金属不活性化剤としては、本発明における
トリアゾール誘導体に加えて、例えばベンゾトリアゾー
ルチアジアゾール、チアジアゾール誘導体、トリアゾー
ル、トリアゾール誘導体、ジチオカルバメート等を使用
してもよく、その使用割合は、基油に対して0.01重
量%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜1.0
重量%を使用するとよい。 【0051】防錆剤として、例えばコハク酸、コハク酸
エステル、オレイン酸牛脂アミド、バリウムスルホネー
ト、カルシウムスルホネート等を使用するとよく、その
使用割合は0.01重量%〜10重量%、好ましくは
0.01重量%〜1.0重量%を使用するとよい。 【0052】次に、本発明の冷凍機油の粘度範囲は、例
えば冷蔵庫用としては100℃における粘度が2mm2/s
〜9mm2/s 、好ましくは3mm2/s 〜7mm2/s のものであ
り、又、カーエアコンにおける冷凍機油としては7mm2/
s 〜35mm2/s のものとするとよく、カーエアコンにお
いてもレシプロタイプのコンプレッサーにおいては7mm
2/s 〜15mm2/s 、好ましくは8mm2/s 〜11mm2/s 、
ロータリータイプのコンプレッサーにおいては15mm2/
s 〜35mm2/s 、好ましくは20mm2/s 〜30mm2/s の
粘度範囲のエステル油が好適に使用される。粘度範囲が
2mm2/s 未満であると高温での冷媒との相溶性は高いに
しても粘度が低くすぎ、潤滑性、シール特性が悪く使用
できず、更に熱安定性も低いので好ましくなく、また3
5mm2/sを越えると冷媒との相溶性が低下するので好ま
しくない。又、この範囲内であっても上記のように使用
機種によりその使用粘度範囲が相違し、冷蔵庫用にあっ
ては9mm2/s を越えると摺動部における摩擦損失が大と
なる問題がある。更に、レシプロタイプのカーエアコン
においては7mm2/s 未満であると潤滑性の問題があり1
5mm2/s を越えると摺動部における摩擦損失が大きいと
いう問題が生じ、又、ロータリータイプのエアコンにお
いては15mm2/s 未満であるとシール特性の問題があ
り、35mm2/s を越えると冷媒との相溶性の問題があ
る。 【0053】 【作用及び発明の効果】本発明は、冷凍機油として、脂
肪酸と脂肪族アルコールとから形成される脂肪族エステ
ルであって、溶解度パラメータが8.8以上、末端アル
キル基の炭素数が直鎖部分で炭素数6以下で、かつ分子
量が900以下のエステル油を使用することにより、ハ
イドロフルオロアルカン冷媒との相溶性に優れる冷凍機
油となしうるものであり、特に、R32、R134a、
R125、R143aのいずれか1種、またはその混合
冷媒との相溶性に優れるものである。以下、本発明を実
施例、比較例により説明する。 【0054】 【実施例1】ペンタエリスリトール1モルとn−ペンタ
ン酸(直鎖部分でC酸)4モルとをエステル化反応
〔触媒Ti(OC〕させ、エステル油(分子
量472、溶解度パラメータ9.6(cal/cm
1/2 、40℃での粘度16.0mm/s)を得た。
このエステル油に水酸化カリウムを56gを添加して触
媒を中和した後、蒸留水により水洗して精製し、試料油
1とした。 【0055】 【実施例2】ペンタエリスリトール1モルと2−エチル
ヘキサン酸(直鎖部分でC酸)4モルとをエステル化
反応〔触媒Ti(OC〕させ、エステル油
(分子量640、S.P.値9.1(cal/cm
1/2 、40℃での粘度44.4mm/s)を得、実
施例1と同様の処理をし、試料油2とした。 【0056】 【実施例3】ペンタエリスリトール1モルと、直鎖部分
でC酸と直鎖部分でC酸との混合酸4モルとをエス
テル化反応〔触媒Ti(OC〕させ、エステ
ル油(分子量500、S.P.値9.5(cal/cm
1/2 、40℃での粘度22.3mm/s)を
得、実施例1と同様の処理をし、試料油3とした。 【0057】 【実施例4】ジペンタエリスリトール1モルと、直鎖部
分でC酸と直鎖部分でC酸との混合酸4モルとをエ
ステル化反応〔触媒Ti(OC〕させ、エス
テル油(分子量784、S.P.値9.5(cal/c
1/2 、40℃での粘度72.3mm/s)を
得、実施例1と同様の処理をし、試料油4とした。 【0058】 【実施例5】上記の〔化8〕におけるR、R′がイソヘ
プチル基(直鎖部分でC)のヒドロキシピバリン酸エ
ステル(分子量444、S.P.値9.1(cal/c
1/2 、40℃での粘度99.5mm/s)を
試料油5とした。 【0059】 【実施例6】アジピン酸1モルと、イソオクチルアルコ
ール(直鎖部分でCアルコール)2モルとをエステル
化反応〔触媒Ti(OC〕させ、エステル油
(分子量342、S.P.値8.9(cal/cm
1/2 、40℃での粘度9.0mm/s)を得、実施
例1と同様の処理をし、試料油6とした。 【0060】 【比較例1】ペンタエリスリトール1モルと直鎖部分で
酸4モルとをエステル化反応〔触媒Ti(OC
〕させ、エステル油(分子量584、S.P.値
9.4(cal/cm 1/2 、40℃での粘度2
1.7mm/s)を得た。このエステル油に水酸化カ
リウムを56gを添加して触媒を中和した後、蒸留水に
より水洗して精製し、比較油1とした。 【0061】 【比較例2】ジペンタエリスリトール1モルと2−エチ
ルヘキサン酸(直鎖部分でC酸)4モルとをエステル
化反応〔触媒Ti(OC〕させ、エステル油
(分子量994、S.P.値9.2(cal/cm
1/2 、40℃での粘度137.1mm/s)を得、
実施例1と同様の処理をし、比較油2とした。 【0062】 【比較例3】トリメチロールプロパン1モルと、直鎖部
分でC酸3モルとをエステル化反応〔触媒Ti(OC
〕させ、エステル油(分子量554、S.
P.値9.1(cal/cm 1/2 、40℃での粘
度20.1mm/s)を得、実施例1と同様の処理を
し、比較油3とした。 【0063】 【比較例4】アジピン酸1モルと、トリデカンアルコー
ル〔i−C13(直鎖部分でC12アルコール)〕2モ
ルとをエステル化反応〔触媒Ti(OC〕さ
せ、エステル油(分子量510、S.P.値8.7(c
al/cm 1/2 、40℃での粘度24.3mm
/s)を得、実施例1と同様の処理をし、比較油4とし
た。 【0064】これらの各試料油、比較油と、冷媒として R134a ・・・ 4重量% R125 ・・・42重量% R143a ・・・54重量% からなる混合冷媒との相溶性について、高温側での相溶
性を維持する温度を測定し、比較した。各試料油につい
ての結果を下記表1に示す。尚、低温側ではいずれも−
40℃で相溶性を維持していた。 【0065】 【表1】 【0066】この表からわかるように、本発明の試料油
は、上述したハイドロフルオロアルカンの中で最も分極
度の高いR143aを54重量%も含有する混合冷媒に
対しても優れた相溶性を示すことがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−179268(JP,A) 特開 平5−279680(JP,A) 特開 平5−271676(JP,A) 特開 平4−311797(JP,A) 特開 平5−209171(JP,A) 特開 平5−209181(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10M 105/40 - 105/42 C10N 20:00 C10N 20:04 C10N 40:30

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ハイドロフルオロアルカンの少なくとも
    1種からなる冷媒を使用する冷凍機油において、該冷凍
    機油が、ヒドロキシピバリン酸エステルであって、溶解
    度パラメータが8.8(cal/cm 1/2 以上、
    末端アルキル基の炭素数が直鎖部分で炭素数6以下で、
    かつ分子量が900以下であることを特徴とする冷凍機
    油。
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