JP3374740B2 - 膜モジュールによる水処理方法 - Google Patents

膜モジュールによる水処理方法

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JP3374740B2
JP3374740B2 JP01419898A JP1419898A JP3374740B2 JP 3374740 B2 JP3374740 B2 JP 3374740B2 JP 01419898 A JP01419898 A JP 01419898A JP 1419898 A JP1419898 A JP 1419898A JP 3374740 B2 JP3374740 B2 JP 3374740B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、精密濾過膜モジュ
ール、限外濾過膜モジュール、逆浸透膜分離膜モジュー
ルなどの膜モジュールによって水を膜分離処理する水処
理方法に関する。詳しくは分離膜をスパイラル状に巻回
したスパイラル型膜モジュールを用いた場合に好適な水
処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】膜モジュールによって水を膜分離処理す
る場合、周知の通り膜モジュールに原水を供給して膜を
透過させ、透過水と濃水とに分離する。
【0003】このような水の膜分離処理に用いられる膜
モジュールとして、集水管の外周に分離膜を巻回したス
パイラル型膜モジュールがある。
【0004】図5は従来のスパイラル型膜モジュールの
構造を示す一部分解斜視図である。
【0005】集水管1の外周に複数の袋状の分離膜2が
メッシュスペーサ3を介して巻回されている。
【0006】集水管1には管内外を連通するスリット状
開口が穿設されている。分離膜2は袋状のものであり、
その中央部が集水管1をくるんでいる。この袋状分離膜
2の内部にはメッシュスペーサ等よりなる流路材4が挿
入されており、この袋状分離膜(袋状膜)2の内部が透
過水流路となっている。
【0007】袋状膜2の巻回体5の両端にトップリング
6とエンドリング7とが設けられ、その外周にブライン
シール8が周設されている。
【0008】原水は、巻回体5の前端面から袋状膜2同
士の間の原水流路に流入し、そのまま巻回体5の長手方
向に流れ、巻回体5の後端面から濃縮水として流出す
る。この原水流路を流れる間に水が袋状膜2を透過して
その内部に入り、集水管1内に流入し、該集水管1の後
端側からモジュール外に取り出される。
【0009】従来、このようなスパイラル型膜モジュー
ルによる水処理方法においては、透過水量(フラック
ス)は0.5〜3.5m3/m2/dayと比較的低い値
に押さえられている。即ち、これよりも高い透過水量と
した場合、膜面に懸濁物質(以下、SSという)が付着
し、緻密で透過抵抗が大きいケーキ層が形成される。こ
のため、頻繁に逆洗を行う必要が生じると共に、SSが
膜の微細孔に入り込んで容易には剥離しないようになる
ため、逆洗を行っても膜透過性能が十分には回復しない
ようになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の通り、従来の膜
モジュールによる水処理方法では、透過水量が比較的少
なく、多量の透過水を得るためには膜モジュールを大型
化しなければならなかった。
【0011】本発明は、このような問題点を解決し、透
過水量を得ることができ、しかも膜面も閉塞しにくく逆
洗頻度も少なくて済む水処理方法を提供することを第1
の目的とする。
【0012】また、上記従来のスパイラル型膜モジュー
ルには、次のような解決すべき課題があった。
【0013】 集水管1内の透過水流量を多くするた
めには該集水管1を大径化する必要があるが、そのよう
にするとスパイラル型膜モジュールの径も大きくなって
しまう。 袋状膜2内に透過してきた透過水は、該袋状膜2内
をスパイラル状になりながら集水管1まで流れるため、
袋状膜2内の流通抵抗が大きい。しかも、袋状膜2内か
ら集水管1に流れ込む集水管スリット部付近での流通抵
抗も大きい。 原水流路を流れる原水流量は、下流側になるほど減
少する。(原水が濃縮される分だけ原水流量が減る。)
このため、原水流路下流域では原水流速が小さくなり、
汚れが付着し易くなる。
【0014】本発明は、上記従来の問題点を解決し、集
水管が不要であり、透過水流通抵抗が小さいスパイラル
型膜モジュールを用いた水処理方法提供することを第2
の目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の膜モジュールに
よる水処理方法は、膜モジュールに原水を通水して膜分
離処理する水処理方法において、原水に凝集剤を添加す
ると共に、透過水量を5m/m/day以上とする
水処理方法であって、前記膜モジュールは、分離膜をス
パイラル状に巻回してなり、原水が巻回体の一端面から
分離膜同士の間の原水流路に流入し他端面から濃縮水及
び透過水が流出するスパイラル型膜モジュールであり、
該スパイラル型膜モジュールは、袋状膜の内部に透過水
流路材が配置され、袋状膜同士の間には原水流路材が配
置されており、該袋状膜は第1、第2、第3及び第4の
辺部を有した略方形であり、該第1、第2及び第3の辺
部は封じられ、該第4の辺部は一部が開放部となり残部
が閉鎖部となっており、前記第4の辺部と直交する第1
の辺部をシャフトに当てて袋状膜を巻回して巻回体と
し、前記第4の辺部を該巻回体の後端面に臨ませ、該第
4の辺部に対向する第2の辺部を該巻回体の前端面に臨
ませ、該袋状膜同士の間の原水流路は、該第3の辺部の
全体が封じられると共に、第4の辺部にあっては前記袋
状膜の開放部と重なる箇所が閉鎖部となっており、且つ
前記袋状膜の閉鎖部と重なる箇所が開放部となっている
スパイラル型膜モジュールであることを特徴とするもの
である。
【0016】かかる水処理方法においては、原水に凝集
剤を添加することにより、SSが凝集して凝集フロック
となる。この凝集フロックが膜モジュール内に流入し、
膜面に捕捉されるが、この凝集フロックは未凝集のSS
に比べ疎であり、膜面には水の通過抵抗の小さい凝集フ
ロック付着層が形成される。従って、高透過水量となる
ように膜モジュールを運転しても膜の透過差圧はそれ程
上昇せず、長期にわたって5m3/m2/day以上の高
透過水量を得ることができ、また、この間、逆洗の頻度
を増やす必要もない。
【0017】なお、この凝集フロックによる濾過層が一
旦形成されると、この濾過層にSSが付着しても濾過層
の透過抵抗はそれ程増大しない。そのため、凝集剤を添
加した原水を膜モジュールに通水開始してからしばらく
経過した後は、凝集剤は原水に対し連的にではなく
欠的に添加されるだけでも良い。
【0018】この凝集フロックによる濾過層は、膜面か
ら剥がれ易いので、逆洗により簡単に除去される。従っ
て、本発明方法によると逆洗により透過水量を十分に回
復させることができる。なお、逆洗後は凝集フロックに
よる濾過層が除去されているため、再度通水するときに
は原水に凝集剤を添加し、凝集フロックによる濾過層を
膜面に形成する。
【0019】本発明において原水に凝集剤を添加する場
合、配管内を流通する原水に対し凝集剤を連統的に添加
しても良く、原水槽や凝集槽等の槽内の原水に対し凝集
剤を添加しても良い。
【0020】本発明の水処理方法で採用する膜モジュー
ルは、分離膜をスパイラル状に巻回してなり、原水が巻
回体の一端面から分離膜同士の間の原水流路に流入し他
端面から濃縮水及び透過水が流出するスパイラル型膜モ
ジュールである
【0021】かかるスパイラル型膜モジュールにあって
は、原水流入圧と濃縮水との差圧が適切であるため、長
期間にわたって比較的高い透過水量を維持することがで
き、総運転時間に均してみた場合に効率の良い膜分離処
理が行われることになる。
【0022】このスパイラル型膜モジュールは、袋状膜
の内部に透過水流路材が配置され、袋状膜同士の間には
原水流路材が配置されており、該袋状膜は第1、第2、
第3及び第4の辺部を有した略方形であり、該第1、第
2及び第3の辺部は封じられ、該第4の辺部は一部が開
放部となり残部が閉鎖部となっており、前記第4の辺部
と直交する第1の辺部をシャフトに当てて袋状膜を巻回
して巻回体とし、前記第4の辺部を該巻回体の後端面に
臨ませ、該第4の辺部に対向する第2の辺部を該巻回体
の前端面に臨ませ、該袋状膜同士の間の原水流路は、該
第3の辺部の全体が封じられると共に、第4の辺部にあ
っては前記袋状膜の開放部と重なる箇所が閉鎖部となっ
ており、且つ前記袋状膜の閉鎖部と重なる箇所が開放部
となっている。
【0023】かかるスパイラル型膜モジュールにおいて
は、巻回体の前端面から原水が原水流路に流入する。こ
の原水は、原水流路を巻回体軸心線と略平行方向に流
れ、次いで巻回体後端面の原水流路開放部から濃縮水と
して流出する。
【0024】袋状膜を透過した水は、袋状膜内を巻回体
軸心線と略平行方向に流れ、巻回体の後端面の袋状膜開
放部から流出する。
【0025】このように、透過水が袋状膜内を巻回体の
軸心線と平行方向に流れるため、従来のスパイラル型膜
モジュールに用いられていた集水管が不要となる。そし
て、袋状膜内から該集水管内に流れ込む際の流通抵抗が
無くなり、透過水流通抵抗が小さくなる。
【0026】なお、集水管を無くしているため、その分
だけ袋状膜の巻回方向の長さを大きくとることができ、
膜面積を拡張できる。そして、このように袋状膜の巻回
方向長さを大きくしても透過水の流通抵抗は増大せず、
透過水量を多くすることができる。
【0027】このスパイラル型膜モジュールでは、巻回
体の後端面の一部においてのみ原水流路を開放させるよ
うにしているため、原水流路の下流側での原水(濃縮
水)流速を従来よりも高めることができ、原水流路下流
域における汚れの付着を防止できる。
【0028】本発明では、袋状膜の開放部は巻回体の後
端面の外周側又は内周側に配置され、原水流路は巻回体
の後端面の内周側又は外周側に配置されており、袋状膜
の開放部から流出する透過水と原水流路の開放部から流
出する濃縮水とを離隔させるための環状部材が該巻回体
の後端面に接続されていることが好ましい。この環状部
材によって原水の流出側と濃縮水の流出側とが区画され
る。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明では、膜モジュールに原水
を供給する場合、この原水に凝集剤を添加する。前述の
通り、この凝集剤は常に原水に添加されても良い。ま
た、新品の膜を備えた膜モジュールに原水を供給開始す
るとき及び逆洗後の膜モジュールに原水を供給再開する
ときだけ常に凝集剤を原水に添加し、原水供給開始後所
定時間(例えば0.3〜0.5Hrとくに0.3〜0.
4Hr)経過後は間欠的に凝集剤を原水に添加しても良
い。
【0030】本発明において、原水としては下水排水、
有機物含有排水、河川水、無機物(鉄分、マンガン、ア
ルミニウム、粘土、土砂等)含有水などが例示される
が、これら以外のものであっても良い。凝集剤としては
硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、ポリ
硫酸鉄などの無機凝集剤のほか、各種のノニオン系、ア
ニオン系、カチオン系等の有機凝集剤を用いることもで
き、これらを併用しても良い。
【0031】凝集剤の種類及び添加量は原水水質に応じ
て選定するのが好ましい。
【0032】膜モジュールの膜としては、精密濾過膜、
限外濾過膜、逆浸透濾過膜など各種の水処理用濾過膜を
用いることができる。
【0033】膜モジュールの形態は、スパイラル型膜モ
ジュールである
【0034】本発明では、膜モジュールとしては次に述
べるように原水が分離膜巻回体の一端面から流入し他端
面から濃縮水と透過水とが別々に取り出される特定タイ
プのスパイラル型膜モジュールを用いる。
【0035】図1(a)はこのスパイラル型膜モジュー
ルに用いられる一枚の袋状膜及び該袋状膜が巻き付けら
れるシャフトの斜視図である。図1(b),(c)はそ
れぞれ図1(a)のB−B線、C−C線に沿う断面図で
ある。図2はシャフトの周りに袋状膜を巻き付ける方法
を示す断面図、図3は巻回体とソケットとの係合関係を
示す斜視図、図4はスパイラル型膜モジュールの側面図
である。
【0036】この実施の形態に用いられている袋状膜1
0は、正方形又は長方形状のものであり、第1の辺部1
1、第2の辺部12、第3の辺部13及び第4の辺部1
4を有している。この袋状膜10は、二枚の分離膜フィ
ルムを重ね合わせ、第1の辺部11、第2の辺部12、
第3の辺部13及び第4の辺部14の一部を接着するよ
うにしたものである。ただし、この袋状膜は、長い一枚
の分離膜フィルムを第2の辺部12の部分で二つに折り
返し、第1の辺部11及び第3の辺部13において折り
重なった分離膜フィルム同士を接着剤等によって接着
し、第4の辺部14の一部については接着を行うことな
く開放部とした袋状のものであっても良い。
【0037】この実施の形態においては、第4の辺部1
4の途中から第3の辺部13にかけて袋状膜10の分離
膜フィルム同士が接着されておらず、透過水流出用の開
放部30となっている。また、この第4の辺部14の該
途中から第1の辺部11にかけては、袋状膜10の分離
膜フィルム同士が接着されており、透過水の流出を阻止
する閉鎖部31となっている。
【0038】この袋状の膜10内に流路材(例えばメッ
シュスペーサ等よりなる。)15が挿入配置されてい
る。
【0039】この袋状膜10の一方の面には、接着剤1
6が付着されると共に他方の面には接着剤17,18が
付着され、この袋状膜10がシャフト20の周りに巻き
付けられる。接着剤16は第1の辺部16に沿って付着
され、接着剤17は第3の辺部13に沿って付着されて
いる。接着剤18は第4の辺部14の長手方向の前記途
中箇所から第3の辺部13にかけて、透過水流出用の開
放部30に沿って付着されている。
【0040】複数枚の袋状膜10をシャフト20の周囲
に巻き付けることにより、重なり合った袋状膜10同士
は接着剤16,17,18の部分において水密的に接合
される。これにより、袋状膜10,10……同士の間に
は原水(及び濃縮水)が流れる原水流路が構成される。
接着剤18が硬化することにより、巻回体の後端面に
は、内周側に原水(濃縮水)の流出用の開放部が形成さ
れ、外周側に原水流出阻止用の閉鎖部が形成される。
【0041】この実施の形態にあっては、第4の辺部1
4のうち透過水流出用の開放部30と透過水流出阻止用
の閉鎖部31との境界部分から、巻回体の後方に向って
フィン19が延設されている。このフィン19は、例え
ば合成樹脂フィルム又はシートよりなり、袋状膜10に
対し接着等により接合されるのが好ましい。
【0042】袋状膜10,10……をシャフト20の周
りに図2の如くメッシュスペーサ29を介して巻き付け
ることにより、図3に示すように巻回体24が形成され
る。この巻回体24の後端面からは、フィン19が延出
する。各袋状膜10の第4の辺部14において同一箇所
にフィン19を設けておくことにより、フィン19は巻
回体24の軸心から等半径位上に位置し、フィン19が
重なり合うことによりフィン19がリング状の突出部を
形成することになる。このリング状の突出部内に円筒状
のソケット25の後端を挿入し、該ソケット25とフィ
ン19を接着剤等により接合する。なお、ソケット25
をフィン19に外嵌めしても良い。また、フィン19に
沿って巻回体24の後端面に旋盤で切込み溝を付け、該
溝にソケット25の端部を埋め込むようにしても良い。
【0043】このようにソケット25とフィン19とを
接合することにより、巻回体24の後端面の外周側の透
過水流出領域とソケット25の内周側の濃縮水流出領域
とが区画される。
【0044】なお、袋状膜10をシャフト20の周りに
巻き付けるに際しては、図2に示すように、袋状膜10
同士の間にメッシュスペーサ29を介在させておく。こ
れらのメッシュスペーサ29を介在させることにより、
原水流路が構成される。
【0045】図4に示すように、巻回体24の前縁及び
後縁にそれぞれトップリング26及びエンドリング27
を合成樹脂モールド等により形成し、トップリング26
の外周にブラインシール28を周設する。
【0046】このスパイラル型膜モジュールにおいて
は、図4に示すように、巻回体24の前端面から原水が
袋状膜10,10……同士の間の原水流路に流入する。
この原水は、巻回体24の軸心線と略平行方向に原水流
路を流れ、巻回体24の後端のソケット25の内側の端
面から取り出される。そして、このように原水が原水流
路を流れる間に、水が袋状膜10内に透過し、透過水は
巻回体24の後端面のうちソケット25の外周側から流
出する。
【0047】なお、このスパイラル型膜モジュールにあ
っては、透過水が袋状膜10内を巻回体24の軸心線と
平行方向に流れて後端面から取り出されるため、従来の
スパイラル型膜モジュールに用いられていた集水管が不
要である。このため、袋状膜から集水管内に流れ込む際
の流通抵抗が無くなり、透過水流通抵抗が著しく小さく
なる。
【0048】また、集水管を省略しており、その分だけ
袋状膜10の巻回方向の長さを大きくとることができ、
膜面積を大きくとることが可能である。袋状膜の巻回方
向の長さを大きくしても、透過水流通抵抗は増大せず、
透過水量を多くすることができる。
【0049】この実施の形態にあっては、原水流路の出
口部分をソケット25の内側だけに設けており、原水流
路の出口(最下流部)を絞った構成としているため、原
水流路の下流側においても原水(濃縮水)の流速が十分
に大きなものとなり、原水流路下流域における汚れの付
着を防止することができる。なお、ソケット25の内側
の面積と外側の面積(接着剤18の辺部14方向の長
さ)は、このスパイラル型膜モジュールの水回収率に応
じて決めるのが好ましい。
【0050】また、この実施の形態にあっては、ソケッ
ト25をフィン19を用いて巻回体24に接続してお
り、ソケット25と巻回体24との接続強度が高い。そ
して、このソケット25によって原水の流入側と濃縮水
の流出側とが水密的に区画分離される。
【0051】なお、上記実施の形態においては、ソケッ
ト25の外周側に透過水流出部を配置し、ソケット25
の内側に濃縮水流出部を配置しているが、逆にソケット
25の内側を透過水流出部とし、ソケット25の外周側
を濃縮水流出部とするように構成しても良い。
【0052】
【実施例】以下、実施例及び比較例について説明する。
【0053】実施例1 図1〜4に示す膜モジュールによって原水として通水試
験用有機排水(市水に有機汚泥をSS25〜30ppm
となるように添加して調整)を処理した。この原水には
凝集剤として硫酸第二鉄を30mg/Lの割合で常に添
加し、透過水量は6m3/m2/dayとした。透過差圧
が3kg/cm2に達したときに逆洗用水を透過水流路
に供給して膜モジュールの逆洗を行った。
【0054】通水開始後の透過差圧の変化を図6(a)
に示す。
【0055】なお、この膜モジュールの膜の種類は精密
濾過膜(MF膜)、膜面積は7.7m2である。
【0056】実施例2 通水開始後0.5Hr経過した後は原水への凝集剤添加
を停止し、通水開始後4〜8Hrで凝集剤を添加した後
は凝集剤添加を停止した。そのほかは実施例1と同様に
して原水の膜透過処理を行った。このときの透過差圧の
経時変化を図6(b)に示す。
【0057】比較例1 原水に対し凝集剤を全く添加しなかったほかは実施例1
と同様にして原水の膜透過処理を行った。このときの透
過差圧の経時変化を図6(c)に示す。
【0058】図6から明らかな通り、本発明例によると
長期にわたって高透過水量を安定して得ることができる
が、比較例によると短時間のうちに膜が目詰りして透過
差圧が著しく増大し、しかも逆洗しても透過差圧が十分
には低くならない。
【0059】
【発明の効果】以上の通り、本発明によると、透過差圧
の経時的上昇が小さく、高透過水量を長期にわたって安
定して得ることが可能となる。本発明で援用するスパイ
ラル型膜モジュールにおいては、集水管が不要であり、
透過水の流通抵抗が小さい。また、膜面積を大きくとる
ことができ、しかも膜面積を大きくしても透過水流通抵
抗が増大しない。さらに、原水流路の下流域における原
水(濃縮水)の流速を大きくし、原水流路下流域におけ
る汚れの付着を防止することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)図は実施の形態に係る水処理方法で用い
られる袋状膜の斜視図、(b)図は(a)図のB−B線
に沿う断面図、(c)図は(a)図のC−C線に沿う断
面図である。
【図2】実施の形態に係る水処理方法に用いられるスパ
イラル型膜モジュールの袋状膜の巻き付け方法を示す断
面図である。
【図3】巻回体とソケットとの係合関係を示す斜視図で
ある。
【図4】実施の形態に係るスパイラル型膜モジュールの
側面図である。
【図5】従来のスパイラル型膜モジュールの構造を示す
一部分解斜視図である。
【図6】実施例及び比較例の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10 袋状膜 11 第1の辺部 12 第2の辺部 13 第3の辺部 14 第4の辺部 15 流路材 16,17,18 接着剤 19 フィン 20 シャフト 24 巻回体 25 ソケット 29 メッシュスペーサ 30 透過水流出用の開放部 31 透過水流出阻止用の閉鎖部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C02F 1/52 C02F 1/52 Z (56)参考文献 特開 平9−85262(JP,A) 特開 平9−29070(JP,A) 特開 昭62−61700(JP,A) 特開 平2−180693(JP,A) 特開 平5−208120(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/44 B01D 21/00 B01D 61/14 B01D 63/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜モジュールに原水を通水して膜分離処
    理する水処理方法において、原水に凝集剤を添加すると
    共に、透過水量を5m/m/day以上とする水処
    理方法であって、 前記膜モジュールは、分離膜をスパイラル状に巻回して
    なり、原水が巻回体の一端面から分離膜同士の間の原水
    流路に流入し他端面から濃縮水及び透過水が流出するス
    パイラル型膜モジュールであり、 該スパイラル型膜モジュールは、袋状膜の内部に透過水
    流路材が配置され、袋状膜同士の間には原水流路材が配
    置されており、 該袋状膜は第1、第2、第3及び第4の辺部を有した略
    方形であり、該第1、第2及び第3の辺部は封じられ、
    該第4の辺部は一部が開放部となり残部が閉鎖部となっ
    ており、 前記第4の辺部と直交する第1の辺部をシャフトに当て
    て袋状膜を巻回して巻回体とし、前記第4の辺部を該巻
    回体の後端面に臨ませ、該第4の辺部に対向する第2の
    辺部を該巻回体の前端面に臨ませ、 該袋状膜同士の間の原水流路は、該第3の辺部の全体が
    封じられると共に、第4の辺部にあっては前記袋状膜の
    開放部と重なる箇所が閉鎖部となっており、且つ前記袋
    状膜の閉鎖部と重なる箇所が開放部となっているスパイ
    ラル型膜モジュールである ことを特徴とする膜モジュー
    ルによる水処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、原水の通水開始初期
    時には原水に凝集剤を常に添加すると共に、その後は原
    水に凝集剤を間欠的に添加することを特徴とする膜モジ
    ュールによる水処理方法。
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