JP3374691B2 - 水性印刷インキ - Google Patents
水性印刷インキInfo
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Description
適に用いられる水性印刷インキに関する。
剤の揮散問題、省資源、省エネルギーの面から、また作
業環境の改善及び防災上の意識の高まりから、印刷イン
キの水性化が望まれ一部実用化されつつある。水性印刷
インキのベヒクルとしては、従来より、シェラック、ロ
ジンマレイン酸系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸
共重合樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)ア
クリル酸共重合樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂、セルロース誘導体等の水溶性樹脂を単独で、もしく
は必要に応じて適宜配合した組成物を用いている。
水溶性樹脂をベヒクルとする印刷インキの塗膜物性は、
アルカリ、アルコール等の耐薬品性において極めて不十
分である。従って、耐薬品性が要求される分野では、有
機溶剤型インキあるいは架橋剤を用いる2液配合型水性
印刷インキが用いられているが、2液配合型水性印刷イ
ンキの使用においては、架橋剤配合後の印刷インキの可
使時間による版詰まり等の作業性の問題、配合インキの
経時安定性不良による経済性の問題がある。
クルに用いるインキの検討もなされていたが、塗膜物性
の向上は図られるものの、顔料分散性、再溶解性、版か
ぶり性不良等のインキ化適性、印刷適性の面で問題があ
る場合が多かった。一般的な樹脂エマルジョンの平均粒
子径というのは、体積分布における平均粒子径として表
記されており、通常の水性印刷インキには、体積分布に
おける平均粒子径が50〜800nmの樹脂エマルジョ
ンが用いられていた。つまり、従来は、樹脂エマルジョ
ン中に存在している粒子径の小さい粒子には着目されて
おらず、樹脂エマルジョンをベヒクルとして用いた水性
印刷インキのインキ化適性や印刷適性等の品質が一定し
ないため、実用化には至っていなかった。
キ安定性、印刷効果、印刷適性の優れ、塗膜物性(接着
性、耐水性、耐摩擦性、耐薬品性、耐汚染性等)を有す
る水性印刷インキを得ることにある。
ルジョンをベヒクルとして用いた水性印刷インキにおい
て、粒子径50nm未満の粒子が印刷時の版づまりの原
因となることを見出し、本発明に至った。
子径分布の粒子径50nm未満の粒子が全粒子の20重
量%未満であり、かつ粒径50〜600nmの範囲の粒
子が全粒子の60重量%以上である粒子径分布を有する
樹脂エマルジョンをベヒクルとして用いる水性印刷イン
キであって、樹脂エマルジョンが、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル系共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル系共
重合体およびアクリル酸エステル系重合体からなる群よ
り選ばれる1種または2種以上の樹脂のエマルジョンで
あることを特徴とする水性印刷インキを提供する。さら
に、本発明は、リン酸誘導体を含むことを特徴とする上
記水性印刷インキを提供する。さらに、本発明は、顔料
分散体を含むことを特徴とする上記水性印刷インキを提
供する。
ルとして用いる樹脂エマルジョンは、個数分布における
粒子径分布の粒子径50nm未満の粒子が全粒子の20
重量%未満であり、かつ粒子径50〜600nmの範囲
の粒子が全粒子の60重量%以上であるような粒子径分
布を有する。粒子径50nm未満の粒子は少なければ少
ないほどよく、全く含まれていなくてもよい。また、粒
子径50〜600nmの範囲の粒子は100重量%であ
ってもよい。樹脂エマルジョンは、個数分布における粒
子径分布の粒子径100〜400nmの範囲の粒子が全
粒子の60重量%以上であるような粒子径分布を有する
ことが好ましい。
子径とは、レーザー光散乱法による粒度分布測定器(P
ACIFIC SCIENTIFIC社製「NICOM
PModel 370」)を使用し、得られた個数分布
の粒子径をいう。個数分布における粒子径分布の粒子径
50nm未満の粒子が全粒子の20重量%以上の場合
は、インキの再溶解性、洗版性等の印刷適性が不良とな
る。また、粒子径50〜600nmの範囲の粒子が全粒
子の60重量%未満の場合は、インキの発色性等インキ
化適性が不良となる。
酢酸ビニル系共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステ
ル系共重合体およびアクリル酸エステル系重合体からな
る群より選ばれる1種または2種以上の樹脂のエマルジ
ョンが用いられる。個数分布における粒子径分布の粒子
径50nm未満の粒子が全粒子の20重量%未満であ
り、かつ粒子径50〜600nmの範囲の粒子が全粒子
の60重量%以上であるような粒子径分布を有する樹脂
エマルジョンは、樹脂固形分30〜60重量%程度のも
のであり、水性印刷インキ中に、5〜95重量%、さら
には60〜85重量%の範囲で用いることが好ましい。
樹脂エマルジョンの使用量が5重量%未満の場合は、印
刷適性及びインキの接着性、耐薬品性等の諸物性におい
て不十分となり、95重量%を越える場合は、インキ安
定性等、インキ化適性が不十分となる。
ける粒子径分布の粒子径50nm未満の粒子が全粒子の
20重量%未満であり、かつ粒径50〜600nmの範
囲の粒子が全粒子の60重量%以上であるような粒子径
分布を有する樹脂エマルジョンと、着色剤、必要に応じ
てリン酸誘導体、水、水可溶性有機溶剤、各種添加剤等
を配合し、公知の分散機、混合機、混練機等により分
散、混合、混練することにより製造される。
性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、ナフトール系顔料、イソ
インドリノン系顔料、酸化チタン、カーボンブラック、
炭酸カルシウム、沈降性バリウム等の有機、無機及び体
質顔料が挙げられる。インキとして充分な発色を得るた
めには、上記顔料を界面活性剤を用いて水に30〜75
重量%の高濃度分散して得られる顔料分散体(コンクベ
ース)を使用することが好ましい。
向上させるために、水性印刷インキ中に、1〜5重量
%、好ましくは1〜3重量%の範囲で用いることができ
る。リン酸誘導体の使用量が少な過ぎる場合は、版かぶ
り等の印刷適性が不十分となり、多過ぎる場合は、イン
キの安定性等のインキ化適性が不十分となる。リン酸誘
導体としては、トリメチルホスフェート(TMP)、ト
リエチルホスフェート(TEP)、トリブチルホスフェ
ート(TBP)、トリ−(2−エチルヘキシル)ホスフ
ェート(TOP)、トリブトキシエチルホスフェート
(TBXP)が挙げられる。
ール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、N
−プロピルアルコール等のアルコール類、エチレングリ
コール、プロピレングリコール等のグリコール類、ブチ
ルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類が挙
げられる。水と水可溶性有機溶剤の重量比率は、100
/0〜40/60であることが好ましい。また、アルコ
ール類を用いる場合は、防災上の観点から、水とアルコ
ール類の重量比率は、100/0〜98/2であること
が好ましい。
料の他に、必要に応じて、アンモニア、トリエチルアミ
ン、アミノメチルプロパノール、モノエタノールアミ
ン、ジエチルアミノエタノール、水酸化ナトリウム,水
酸化カリウム等の塩基類、気相法シリカ、湿式法シリ
カ、有機処理シリカ、アルミナ処理シリカ等の微粉末シ
リカ、ポリエチレンワックス、消泡剤、レベリング剤、
粘着性付与剤、防腐剤、防黴剤、抗菌剤、防錆剤等を配
合することができる。
る。なお、実施例中の部および%は、重量部および重量
%をそれぞれ表す。また、樹脂エマルジョンの粒子径
は、粒度分布測定器(PACIFIC SCIENTI
FIC社製「NICOMP Model 370」)を
使用して得られた個数分布の粒子径である。〔実施例
1〕下記組成中の (1)〜(6) を攪拌機で混合後、卓上サ
ンドミルで分散し、(7) を攪拌機で混合し、粒度がグラ
インドゲージで30μの水性印刷インキを得た。 (1)アクリル酸エステル系重合体エマルジョン 68.0部 (粒子径50nm未満の粒子の割合:全粒子の3%、 粒子径50〜600nmの粒子の割合:全粒子の95%、 平均粒子径240nm、固型分34%) (2)ポリエチレンワックス 3.0部 (3)水 3.9部 (4)シリコーン系消泡剤 0.1部 (5)TBXP 2.0部 (6)ウレタン変性ポリエーテル系粘着性付与剤 3.0部 (7)フタロシアニン顔料分散体(顔料分42.5%) 20.0部
機で混合後、卓上サンドミルにて分散し、粒度がグライ
ンドゲージで30μの水性印刷インキを得た。 (1)塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体エマルジョン 75.9部 (粒子径50nm未満の粒子の割合:全粒子の3%、 粒子径50〜600nmの粒子の割合:全粒子の95%、 平均粒子径180nm、固型分47%) (2)ポリエチレンワックス 3.0部 (3)水 7.0部 (4)シリコーン系消泡剤 0.1部 (5)TOP 3.0部 (6)ウレタン変性ポリエーテル系粘着性付与剤 3.0部 (7)縮合アゾ顔料 8.0部
組成の水性印刷インキを得た。 (1)塩化ビニル−アクリル酸エステル系共重合体エマルジョン 73.9部 (粒子径50nm未満の粒子の割合:全粒子の15%、 粒子径50〜600nmの粒子の割合:全粒子の65%、 平均粒子径80nm、固型分47%) (2)ポリエチレンワックス 3.0部 (3)水 4.0部 (4)シリコーン系消泡剤 0.1部 (5)TBP 1.0部 (6)ウレタン変性ポリエーテル系粘着性付与剤 3.0部 (7)カーボンブラック分散体(顔料分40.5%) 15.0部
拌機で混合後、卓上サンドミルで分散し、(6) を攪拌機
で混合し、粒度がグラインドゲージで30μの水性印刷
インキを得た。 (1)アクリル酸エステル系重合体エマルジョン 69.5部 (粒子径50nm未満の粒子の割合:全粒子の3%、 粒子径50〜600nmの粒子の割合:全粒子の95%、 平均粒子径100nm、固型分34%) (2)ポリエチレンワックス 3.0部 (3)水 4.4部 (4)シリコーン系消泡剤 0.1部 (5)ウレタン変性ポリエーテル系粘着性付与剤 3.0部 (6)フタロシアニン顔料分散体(顔料分42.5%) 20.0部
組成の水性印刷インキを得た。 (1)酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル系共重合体エマルジョン69.0部 (粒子径50nm未満の粒子の割合:全粒子の40%、 平均粒子径120nm、固型分50%) (2)ポリエチレンワックス 3.0部 (3)水 3.9部 (4)シリコーン系消泡剤 0.1部 (5)TBXP 1.0部 (6)ウレタン変性ポリエーテル系粘着性付与剤 3.0部 (7)フタロシアニン顔料分散体(顔料分42.5%) 20.0部
組成の水性印刷インキを得た。 (1)塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体エマルジョン 71.0部 (粒子径50nm未満の粒子の割合:全粒子の80%、 平均粒子径40nm、固型分45%) (2)ポリエチレンワックス 3.0部 (3)水 13.9部 (4)シリコーン系消泡剤 0.1部 (5)TBP 1.0部 (6)ウレタン変性ポリエーテル系粘着性付与剤 3.0部 (7)フタロシアニン顔料 8.0部
組成の水性印刷インキを得た。 (1)塩化ビニル系樹脂エマルジョン 67.0部 (粒子径50nm未満の粒子の割合:全粒子の40%、 平均粒子径55nm、固型分43%) (2)ポリエチレンワックス 3.0部 (3)水 6.9部 (4)シリコーン系消泡剤 0.1部 (5)ウレタン変性ポリエーテル系粘着性付与剤 3.0部 (6)顔料分散体(フタロシアニン顔料、顔料分42.5%) 20.0部
ンキにつき、印刷適性(再溶解性、洗版性、版かぶり
性)を評価した。また、実施例および比較例で得られた
水性印刷インキを水にてザーンカップ#3−25秒に希
釈し、発泡塩化ビニルゾルコート込み塩ビ壁紙原反に、
ヘリオクリッショ175線/インチの版を用いてグラビ
ア印刷したのち、該印刷物を220℃の熱風オーブンに
て45秒間加熱発泡させ、加熱発泡加工後の塗膜物性
(接着性、耐水性、耐摩擦性、耐薬品性)を評価した。
結果を表1に示す。なお、印刷適性における判定は△〜
○が、塗膜物性における判定は○が実用範囲である。評
価方法及び判定基準は以下の通りである。
る。次に印刷機を停止し15分後に再び印刷機を運転し
印刷物を得る。再運転後の印刷物を初めの印刷物と比較
し、画線の再現性を目視判定する。 判定基準 ○良好 △やや不良 ×不良 洗版性 :再溶解性評価方法で15分停止したグラビ
ア版を水で洗浄し、版に付着したインキの落ち具合を判
定する。 判定基準 ○良好 △やや不良 ×不良 版かぶり性:印刷速度70m/分でまず1分間印刷し、
次に印刷しない状態で版を30分間空転させた。その
後、再び1分間印刷し、被印刷体無地部分への地汚れの
程度を目視で判定した。 判定基準 ○版かぶりが全くないもの △版かぶりが僅かにあるもの ×版かぶりが著しく現れているもの
を印刷面に均一になるよう押さえつけ、次にセロファン
テープを印刷面より素早く剥離する。この時セロファン
テープに取られたインキ塗膜の状態を判定した。 判定基準 ○インキ剥離なし △僅かにインキ剥離あり ×著しいインキ剥離あり 耐水性 :学振型堅牢度摩擦試験機を用い、荷重20
0g、100回往復の条件にて、対含水綿布で摩擦しイ
ンキの溶出状態により判定する。 判定基準 ○良好 △やや不良 ×不良 耐摩擦性 :耐水性評価と同様の条件にて、対上質紙に
て摩擦しインキの剥落状態を判定する。 判定基準 ○良好 △やや不良 ×不良
庭用洗剤):5%塩酸水溶液及び5%苛性ソーダ水溶液
を含んだ脱脂綿をそれぞれ印刷物上に1時間放置した後
のインキの溶出状態により判定する。また、特級エタノ
ールを含んだ脱脂綿での100回ラビングによるインキ
の溶出状態を判定する。また、市販の家庭用洗剤(大日
本除虫菊社製「サンポール」、ライオン社製「ママレモ
ン」、花王社製「キッチンハイター」、「マイペッ
ト」)をそれぞれ印刷物上に原液で1時間放置した後の
印刷物上の汚染状態により判定する。なお、表1には、
総合評価結果を示す。 判定基準 ○すべて良好 △一部不良 ×すべ
て不良
性、印刷効果に優れ、且つ塗膜物性(接着性、耐水性、
耐摩擦性、耐薬品性、耐汚染性等)を有する水性印刷イ
ンキを得られるようになり、その工業的価値は多大であ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】個数分布における粒子径分布の粒子径50
nm未満の粒子が全粒子の20重量%未満であり、かつ
粒子径50〜600nmの範囲の粒子が全粒子の60重
量%以上である粒子径分布を有する樹脂エマルジョンを
ベヒクルとして用いる水性印刷インキであって、樹脂エ
マルジョンが、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、塩
化ビニル−アクリル酸エステル系共重合体およびアクリ
ル酸エステル系重合体からなる群より選ばれる1種また
は2種以上の樹脂のエマルジョンであることを特徴とす
る水性印刷インキ。 - 【請求項2】リン酸誘導体を含むことを特徴とする請求
項1記載の水性印刷インキ。 - 【請求項3】顔料分散体を含むことを特徴とする請求項
1または2に記載の水性印刷インキ。
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JP01210097A JP3374691B2 (ja) | 1997-01-27 | 1997-01-27 | 水性印刷インキ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01210097A JP3374691B2 (ja) | 1997-01-27 | 1997-01-27 | 水性印刷インキ |
Publications (2)
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JPH10204361A JPH10204361A (ja) | 1998-08-04 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01210097A Expired - Fee Related JP3374691B2 (ja) | 1997-01-27 | 1997-01-27 | 水性印刷インキ |
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-
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- 1997-01-27 JP JP01210097A patent/JP3374691B2/ja not_active Expired - Fee Related
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