JP3374629B2 - 偏平形電池の製造法 - Google Patents
偏平形電池の製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏平形電池の、と
くにその円形電極の製造法に関する。 【０００２】 【従来の技術】軟性金属を電極として用いる電池として
はリチウム電池がよく知られている。リチウム電極を使
用した偏平形電池の要部断面形状を図１に示す。図１に
おいて１は電池ケース、２は二酸化マンガンを主成分と
した正極合剤、３はセパレータ、４は金属リチウムまた
はリチウム合金からなる負極材料、５はガスケット、６
は封口板である。 【０００３】従来このような偏平形電池のリチウム負極
を組み立てる工法としては、図２に示すように、金属リ
チウムからなる軟性金属板から円形状に打ち抜いた金属
リチウムを、封口板内底部に圧着していた。この工法で
は円形状態に打ち抜いた以外の部分が無駄になるため、
非常に歩留まりが悪い工法であった。この問題の改善方
法として特開昭５９−６６０５５号公報に開示され、図
３に示したように、所定の大きさのリチウム片を多角形
状態に切り出し、その後この多角形状のリチウム片を円
形状態に加圧変形させることで、原材料の軟性金属板か
らの切断ロスによる歩留まりの低下を無くす提案がなさ
れている。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記工
法により金属リチウムまたはリチウム合金の角片を加圧
変形して円形状に加工しようとした場合、切断時にでき
た角片の角部が最終的に図４に示すように残ってしまう
ことがあった。 【０００５】このため封口板内底部に、角部が残った略
円形状の金属を圧着させようとした時、所定部分内に金
属リチウムまたはリチウム合金の角部が収まらないこと
が生じ、封口板内底部よりはみ出してしまう。 【０００６】本発明はこのような課題を解決するもの
で、加圧変形後の金属リチウムまたはリチウム合金の形
状安定化を目的としたものである。 【０００７】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題を解
消するために、従来金属リチウムまたはリチウム合金を
切断後そのままの形状で加圧変形させていた工程を、金
属リチウムまたはリチウム合金を切断後、予備的に金属
片の角部をＲ状に治具で、もって成型加工する工程、次
いで封口板内底部に配置し、略円形状に変形加圧する工
程とをすることによって解決するものである。 【０００８】 【発明の実施の形態】本発明の工程により、切断時の多
角形形状の角の部分が、円形または楕円、紡錘形に成形
されることでつぶされ、加圧変形後の形状に角となって
現れなくなり、理想形状に近い形状に変形させることが
でき、はみ出しを防止することができる。 【０００９】 【実施例】以下に本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。 【００１０】図３で示すように、従来工法と同様に金属
リチウム棒から所定体積のリチウム塊を多角形の立方体
状にて切り出す。この切断片を図５に示したような成形
面が曲面の成形型により、紡錘形に成形し、多角形の各
角をＲ状あるいは面取り状につぶした状態にした後、封
口板内底部に搬送し、封口板内底部にて、加圧変形させ
る。上記工法で加圧変形させた金属リチウムの形状の最
長辺をＮ＝３で実測し、比較した結果を表１に示す。こ
の時の切断片形状は厚みが３．５ｍｍ、投影面形状は１
辺が約１０ｍｍの正方形で加圧変形後の厚みを１．２ｍ
ｍとした。成形型の曲面はＲ７の形状である。 【００１１】 【表１】 【００１２】表１に示したように、前述した実施例でリ
チウム塊を加圧変形させた後の形状は、直径１９．２７
ｍｍの円形になる。これに対し予備成形無し加圧変形さ
せた物は圧着後に角が残るために、理想形状に対して約
９％程最大外形がおおきくなっているが、予備成形を工
程に付加した物では約３％に収まっており、効果があら
われていることがわかる。 【００１３】また、電池の容量を比較すると従来方式で
は、リチウムの充填量を計算値で約１％減少させねばな
らないが、本発明の工法のものであれば、その必要はな
くなり高容量の電池を提供できる。 【００１４】 【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
のように切断片の角を無くすための予備成形を従来工法
に付加することで、最終圧着形状の安定化がなり、より
安定した製造工程を実施する事が可能となる。本実施例
では軟性金属材料がリチウムで実施したが、本発明の工
法を適用できるのはリチウム以外に、少なくともＮａ、
Ｋ、Ｃａ、Ｐｂ、Ｚｎ、Ａｌ、Ｃｕの群から選ばれた１
種あるいはこれらの合金であれば十分適用できるもので
ある。
くにその円形電極の製造法に関する。 【０００２】 【従来の技術】軟性金属を電極として用いる電池として
はリチウム電池がよく知られている。リチウム電極を使
用した偏平形電池の要部断面形状を図１に示す。図１に
おいて１は電池ケース、２は二酸化マンガンを主成分と
した正極合剤、３はセパレータ、４は金属リチウムまた
はリチウム合金からなる負極材料、５はガスケット、６
は封口板である。 【０００３】従来このような偏平形電池のリチウム負極
を組み立てる工法としては、図２に示すように、金属リ
チウムからなる軟性金属板から円形状に打ち抜いた金属
リチウムを、封口板内底部に圧着していた。この工法で
は円形状態に打ち抜いた以外の部分が無駄になるため、
非常に歩留まりが悪い工法であった。この問題の改善方
法として特開昭５９−６６０５５号公報に開示され、図
３に示したように、所定の大きさのリチウム片を多角形
状態に切り出し、その後この多角形状のリチウム片を円
形状態に加圧変形させることで、原材料の軟性金属板か
らの切断ロスによる歩留まりの低下を無くす提案がなさ
れている。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記工
法により金属リチウムまたはリチウム合金の角片を加圧
変形して円形状に加工しようとした場合、切断時にでき
た角片の角部が最終的に図４に示すように残ってしまう
ことがあった。 【０００５】このため封口板内底部に、角部が残った略
円形状の金属を圧着させようとした時、所定部分内に金
属リチウムまたはリチウム合金の角部が収まらないこと
が生じ、封口板内底部よりはみ出してしまう。 【０００６】本発明はこのような課題を解決するもの
で、加圧変形後の金属リチウムまたはリチウム合金の形
状安定化を目的としたものである。 【０００７】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題を解
消するために、従来金属リチウムまたはリチウム合金を
切断後そのままの形状で加圧変形させていた工程を、金
属リチウムまたはリチウム合金を切断後、予備的に金属
片の角部をＲ状に治具で、もって成型加工する工程、次
いで封口板内底部に配置し、略円形状に変形加圧する工
程とをすることによって解決するものである。 【０００８】 【発明の実施の形態】本発明の工程により、切断時の多
角形形状の角の部分が、円形または楕円、紡錘形に成形
されることでつぶされ、加圧変形後の形状に角となって
現れなくなり、理想形状に近い形状に変形させることが
でき、はみ出しを防止することができる。 【０００９】 【実施例】以下に本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。 【００１０】図３で示すように、従来工法と同様に金属
リチウム棒から所定体積のリチウム塊を多角形の立方体
状にて切り出す。この切断片を図５に示したような成形
面が曲面の成形型により、紡錘形に成形し、多角形の各
角をＲ状あるいは面取り状につぶした状態にした後、封
口板内底部に搬送し、封口板内底部にて、加圧変形させ
る。上記工法で加圧変形させた金属リチウムの形状の最
長辺をＮ＝３で実測し、比較した結果を表１に示す。こ
の時の切断片形状は厚みが３．５ｍｍ、投影面形状は１
辺が約１０ｍｍの正方形で加圧変形後の厚みを１．２ｍ
ｍとした。成形型の曲面はＲ７の形状である。 【００１１】 【表１】 【００１２】表１に示したように、前述した実施例でリ
チウム塊を加圧変形させた後の形状は、直径１９．２７
ｍｍの円形になる。これに対し予備成形無し加圧変形さ
せた物は圧着後に角が残るために、理想形状に対して約
９％程最大外形がおおきくなっているが、予備成形を工
程に付加した物では約３％に収まっており、効果があら
われていることがわかる。 【００１３】また、電池の容量を比較すると従来方式で
は、リチウムの充填量を計算値で約１％減少させねばな
らないが、本発明の工法のものであれば、その必要はな
くなり高容量の電池を提供できる。 【００１４】 【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
のように切断片の角を無くすための予備成形を従来工法
に付加することで、最終圧着形状の安定化がなり、より
安定した製造工程を実施する事が可能となる。本実施例
では軟性金属材料がリチウムで実施したが、本発明の工
法を適用できるのはリチウム以外に、少なくともＮａ、
Ｋ、Ｃａ、Ｐｂ、Ｚｎ、Ａｌ、Ｃｕの群から選ばれた１
種あるいはこれらの合金であれば十分適用できるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による電池を示す断面図
【図２】従来工法による組み立て図
【図３】従来工法によるその他の組み立て図
【図４】従来の略円形状金属を示す図
【図５】本発明の工法を示す図
【符号の説明】
１ 正極ケース
２ 正極合剤
３ セパレータ
４ 負極（金属リチウム）
５ ガスケット
６ 封口板
７ 切断刃
８ 成形金型
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 大尾 文夫
大阪府門真市大字門真1006番地 松下電
器産業株式会社内
(56)参考文献 特開 昭59−66055（ＪＰ，Ａ)
特開 昭59−184465（ＪＰ，Ａ)
実開 平１−88465（ＪＰ，Ｕ)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
H01M 4/06 - 4/12
H01M 6/00 - 6/22
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 リチウムもしくはリチウム合金の金属板
より多角形状の金属片を、隣接する金属片の少なくとも
一辺を共通として打ち抜きあるいは切断した後、前記金
属片の角部を丸みを帯びた形状とし、ついでこの金属片
を円形状の負極端子兼封口板の内底面に配置した状態で
加圧して、前記金属片をさらに略円形状に変形加工して
電極を構成する偏平形電池の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32543395A JP3374629B2 (ja) | 1995-12-14 | 1995-12-14 | 偏平形電池の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32543395A JP3374629B2 (ja) | 1995-12-14 | 1995-12-14 | 偏平形電池の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09161782A JPH09161782A (ja) | 1997-06-20 |
| JP3374629B2 true JP3374629B2 (ja) | 2003-02-10 |
Family
ID=18176812
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32543395A Expired - Fee Related JP3374629B2 (ja) | 1995-12-14 | 1995-12-14 | 偏平形電池の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3374629B2 (ja) |
-
1995
- 1995-12-14 JP JP32543395A patent/JP3374629B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH09161782A (ja) | 1997-06-20 |
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