JP3373196B2 - 帯電部材 - Google Patents

帯電部材

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JP3373196B2
JP3373196B2 JP2000343999A JP2000343999A JP3373196B2 JP 3373196 B2 JP3373196 B2 JP 3373196B2 JP 2000343999 A JP2000343999 A JP 2000343999A JP 2000343999 A JP2000343999 A JP 2000343999A JP 3373196 B2 JP3373196 B2 JP 3373196B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、帯電部材に関し、
特に電子写真装置等の画像形成装置に用いられる帯電ロ
ールなどの帯電部材に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真装置等の画像形成装置には、帯
電ロールを含む様々なゴムロールが装備されている。
【0003】このようなゴムロールを成形型内で無圧発
泡加硫して製造するとき、発泡時に気泡が外部へ抜ける
ために発泡不足、ピンホール欠陥、発泡セルの不均一
化、スキン層(表面)厚みの不均一化等の問題が起き
る。これらを防止するために、発泡性ゴム未加硫成形体
の表面に非発泡性ゴム層をスキン層として設ける方法が
知られている。
【0004】このような方法のゴムロール、帯電ロール
への適用例は、たとえば特開昭62−83131、特開
平7−295331に開示されている。しかしながら、
非発泡性ゴムは、内部の発泡圧、気泡を保持する必要が
あることから、ゴム粘度を上昇させると押出成形性が悪
くなり、また内部発泡圧で発泡性ゴムが膨らまないこと
もある。逆に、非発泡性ゴムの粘度を低くすると内部か
らの気泡を保持できずスキン層形成が不完全となる。さ
らに、ゴムの粘度調節そのものが配合面での制約が多
く、容易ではない。
【0005】ところで、電子写真装置等の画像形成装置
には、近年接触帯電方式が用いられてきている。
【0006】接触帯電方式は、電圧を印加した帯電部材
(導電性部材)を被帯電体に接触させることで被帯電体
面を所定の極性、電位に帯電させるもので、非接触帯電
方式と比較すると電源の低圧化が可能であり、オゾン等
のコロナ生成物の発生が少ない、構造が簡単で低コスト
化が図れる等の利点がある。
【0007】接触帯電方式では、よく知られているよう
に、帯電部材の一種である帯電ロールを被帯電体の一種
である感光体に押圧・接触した状態で、該帯電ロールに
電圧を交流重畳方式で印加すると、交流電界の周波数の
変化により帯電ロールと感光体との間に及ぼされる作用
力によって、感光体が振動させられる。コピーあるいは
プリント速度が高速化された高速複写機や高速プリンタ
等においては特にそれが顕著で、このような振動に伴っ
て、騒音(帯電音)が発生するといった問題がある。帯
電音は、接触帯電部材が帯電ロールである場合に限ら
ず、帯電ブレードや帯電パッド等でも発生する。
【0008】帯電音低減策として、前記特開平7−29
5331の帯電ロールも使用されており、これは既述の
ように軸体の外周上に発泡性ゴム層と、その外側に非発
泡性ゴム層が積層された構造を有する。このような構成
の帯電ロールではロールの振動吸収特性はある程度向上
される。
【0009】帯電音低減策の別のアプローチとして、帯
電部材のバネ定数を下げる、すなわち弾性率および硬度
を下げる方法も提案されている。ちなみにロールの振動
数は次式(1)により表されることが知られている。
【0010】
【数1】
【0011】したがって、帯電音(固有振動数)を低く
するためには、バネ定数を小さくするか、質量mを大き
くする、あるいはそれら両方を採用する必要がある。
【0012】発泡性ゴムから成るスポンジゴムは、バネ
定数を下げることができ、ある程度帯電音を抑えること
ができる。しかしながら、スポンジゴムの比重は小さ
く、帯電部材全体の重量も小さくなるため、逆に固有振
動数が上昇し、帯電音の抑制効果も相殺されかねない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、帯電
音の発生を低減させた振動吸収特性に優れた帯電部材を
提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、被帯電体に接
触する帯電部と、該帯電部を支持する支持部とから成る
帯電部材において、帯電部は、発泡倍率が2以上で、か
つ発泡後の比重が0.5以上となるように、発泡ゴム組
成物100重量部に対して2〜20重量部の硫酸バリウ
ム、亜鉛または酸化亜鉛の微粒子が含有され、この微粒
子の粒径は0.1〜100μmである発泡ゴム層から成
ることを特徴とする帯電部材である。
【0015】また本発明は、被帯電体に接触する帯電部
と、該帯電部を支持する支持部とから成る帯電部材にお
いて、帯電部は、発泡倍率が2以上で、かつ発泡後の比
重が0.5以上となるように、発泡ゴム組成物100重
量部に対して2〜20重量部の硫酸バリウムおよび酸化
亜鉛の微粒子が含有され、この微粒子の粒径は2.0〜
50μmである発泡ゴム層から成ることを特徴とする帯
電部材である。
【0016】また本発明は、前記帯電部は、発泡ゴム層
の外周上で被帯電体との接触面に103〜1010Ωcm
の半導電性熱可塑性樹脂層がコーティングされた層を有
することを特徴とする。
【0017】また本発明は、前記支持部は、軸体であ
り、帯電部材はゴムロールであることを特徴とする。
【0018】本発明者らは、前記構成に基づいて、帯電
部を発泡倍率が2以上で、かつ発泡後の比重が0.5以
上の発泡ゴム層から形成して帯電部材を製造すると、帯
電音が軽減された帯電部材が得られることを見い出し、
本発明を完成した。特に本発明は、帯電部を構成する発
泡ゴム組成物100重量部に対して微粒子にである硫酸
バリウム、亜鉛または酸化亜鉛を2〜20重量部含有
し、その微粒子の粒径0.1〜100μmとすることが
重要である。これによって帯電音の発生の低減を著しく
することが初めて可能になる。さらに本発明では、前記
微粒子は硫酸バリウムおよび酸化亜鉛の両者を含み、こ
れらの粒径2.0〜50μmに選ぶ。このような発泡ゴ
ム組成物を帯電部として用いることによって、帯電音の
低減効果をさらに向上させることができるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明を図面を参照してさ
らに詳しく説明する。
【0020】図1に本発明の第1の側面に係るゴムロー
ルの一例が縦断面図で示されている。図中、1は軸体
を、2は内側の発泡ゴム層を、3は外側の非発泡ゴム層
(スキン層)を、4はゴムロールを表す。
【0021】軸体1は、たとえば鉄やアルミニウム、各
種ステンレス鋼等の金属や、導電性を有する合成樹脂等
から成る。
【0022】軸体1の外周に設けられる発泡ゴム層2
は、好ましくは導電剤を配合した発泡ゴム組成物から形
成することができる。この発泡ゴム組成物のゴム成分と
しては、具体的にはクロロプレンゴム、スチレン−ブタ
ジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、ア
クリロニトリル−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、シ
リコンゴム等およびこれらのゴムの単量体を共重合して
得られるゴムが挙げられる。これらの合成ゴムおよび天
然ゴムのうちいずれか1種から成る単体、もしくは2種
以上の混合物を使用する。
【0023】ゴム組成物に配合できる導電剤としては、
カーボンブラック、グラファイト、金属、導電性の金属
酸化物(たとえば、酸化錫、酸化チタン)等の粒子が挙
げられる。
【0024】さらに、発泡ゴム組成物に配合する発泡剤
としては、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DP
T)、アゾジカルボンアミド(ADCA)、パラトルエ
ンスルフォニルヒドラジン、アゾビスイソブチロニトリ
ル、4,4′−オキシビスベンゼンスルフォニルヒドラ
ジン等の有機発泡剤、または重炭酸ソーダ等の無機発泡
剤が挙げられる。
【0025】発泡ゴム層2の外周面上に設けられる非発
泡ゴム層3は、好ましくは導電剤を配合した非発泡ゴム
組成物から形成することができる。この非発泡ゴム組成
物に用いられるゴム成分は、前記の種々のゴムの中から
選ばれ、発泡ゴム層2に用いられるゴム成分と同一であ
ってもよいし、異なっていてもよい。
【0026】ゴム組成物には、ゴム、導電剤、発泡剤以
外に、公知の加硫剤、加硫促進剤、軟化剤、充填剤、加
工助剤等の各種配合剤や添加剤等を添加、混合して使用
できる。
【0027】本発明において、外側の非発泡ゴム層3の
スコーチタイムが発泡ゴム層2のスコーチタイムより短
く設定されている。このため、予め発泡ゴム組成物、非
発泡ゴム組成物を調製し、加硫系での挙動を調べる必要
がある。スコーチタイムとしては、典型的にムーニース
コーチ試験から得られるムーニースコーチタイム(ML
125℃)t5を指標に用いる。ムーニースコーチタイ
ムの測定法については、未加硫ゴム物理試験方法JIS
K 6300(1974)に詳細に解説されており、
この測定法についての記載は本明細書の一部と見なされ
る。
【0028】前記ML125℃は、L形状のロータを用
いて試験温度125℃で測定したムーニー粘度を表し、
一方t5は、ムーニー粘度の最低値Vmから粘度の読み
が5M上昇するまでに経過した時間(分)を実測して取
る。このt5の値を発泡ゴム層2についてt1とし、非
発泡ゴム層についてt2とする。
【0029】特に好ましい効果は、t5基準でt1,t
2が0.5≦t1−t2の関係を満たすときに得られ
る。t1とt2の差が0.5分未満であると発泡ゴム層
2と非発泡ゴム層3のスコーチタイムが近くなりすぎ、
予期される効果が半減する。
【0030】さらに発泡ゴム層2のスコーチタイムは、
ムーニースコーチタイム(ML180℃)t5として測
定し、これをt3(分)と表すとt3≦60であること
が好ましい。t3が60分を超えると発泡ゴム層2の加
硫、硬化に要する時間が長くなりすぎ、ゴムロール製造
上、実用的でなくなる。ここで、ML180℃はJIS
K 6300に準じて試験温度180℃で測定したム
ーニー粘度を表す。発泡ゴム組成物、非発泡ゴム組成物
のt1,t2さらにt3がそれぞれ前記範囲内に入るよ
うに、各組成物に配合される加硫剤、加硫促進剤の量を
適宜、調整することは当業者が容易に成し得る。
【0031】発泡ゴム層2、非発泡ゴム層3の硬度は、
アスカーCで20°〜70°である。さらに発泡ゴム層
2、非発泡ゴム層3の厚みについては、内側の発泡ゴム
層2が1〜50mm、好ましくは2〜10mmで、外側
の非発泡ゴム層3が0.1〜3mm、好ましくは0.5
〜2mmとする。
【0032】本発明のゴムロール4が帯電ロールとして
使用される場合、ロールに要求される電気特性に応じ
て、発泡ゴム組成物あるいは非発泡ゴム組成物に配合さ
れる導電剤の量が決定されるが、望ましい帯電ロールと
してはロールの抵抗値が103〜107Ω、ゴム層の体積
抵抗率は101〜1013Ωcmである。
【0033】このような帯電ロールには、外側の非発泡
ゴム層の外周面上に、表面被覆層がコーティングにより
設けられてもよい。表面被覆層は、導電剤が分散された
半導電性熱可塑性樹脂等(たとえばウレタン)から形成
される。
【0034】前記発泡、非発泡ゴム組成物を用いて、ゴ
ムロール4は、たとえば特開平7−295331に開示
されているように、様々な押出成形法によって製造され
る。これらのうち特に好適な押出成形方法は、共押出が
可能なクロスヘッド押出成形機20を用い、内側の発泡
ゴム層2を形成する発泡ゴム組成物と、外側の非発泡ゴ
ム層3を形成する非発泡ゴム組成物とを同時に押し出
し、図2に示されるように、21で表される連続した円
筒状の積層体を得る方法である。
【0035】図2中、22は所定の長さに切断された軸
体であり、ゴム組成物の共押出とともに押出方向に搬送
される。軸体22の外周に2層のゴム層が成形された積
層体21を得た後、つかみ軸が軸体22の切断された境
目を掴み、ゴム層を軸体22の長さにあわせて切断する
と、軸体を備える所望の長さの成形体が得られる。この
ような成形体を適当な寸法(発泡による膨張を考慮し
た)の円筒形状のキャピティを有する金型に装填する。
図3にそのような金型の一例を示すが、図中、1は軸
体、5は金型、6は前記成形体、7はフランジを表す。
金型5に配置された成形体6は、加熱による加硫、発泡
を行って、内側の発泡ゴム層2、外側の非発泡ゴム層
3、および軸体1を一体化し、金型5の内周面に沿った
形状を有する目的のゴムロール4とする。
【0036】本発明によれば、非発泡ゴム層3のスコー
チタイムが発泡ゴム層2のスコーチタイムより短く設定
されているので、加硫、発泡の際に非発泡ゴム層3が速
やかに硬化し、発泡ゴム層2の発泡により生じる内圧、
気泡を保持できる。
【0037】さらに、非発泡ゴム層3は、金型5の内面
に接触すると表面の硬化が速やかに進行し、表面欠陥の
ない平滑な表面(スキン層)を形成する。したがって、
全体として発泡状態が良好で、かつ表面状態の優れたゴ
ムロール4が製造できる。
【0038】ゴムロール4を帯電ロールとして用いる場
合、好適には、さらにロール表面(すなわち、外側の非
発泡ゴム層3の外周面)に表面被覆層を常法を用いてコ
ーティングする。
【0039】本発明のゴムロールは、帯電部材、たとえ
ば帯電ロールに適用するのが最適であるが、OA関連機
器に用いられる転写ロール、現像ロール等にも使用可能
である。
【0040】本発明の第2の側面に従えば、帯電部材に
おいて、帯電部は発泡倍率が2以上で、かつ発泡後の比
重が0.5以上の発泡ゴム層から成ることを特徴とす
る。
【0041】図4は、本発明の帯電部材の一例である帯
電ロールの断面図であり、図中、1は軸体を、10は発
泡ゴム層を、11は表面被覆層を、14は帯電ロールを
表す。
【0042】軸体1の外周に設けられる発泡ゴム層10
は、好ましくは導電剤を配合した発泡ゴム組成物から形
成することができる。この発泡ゴム組成物のゴム成分と
しては、本発明のゴムロールに関して、既に列挙された
各種のゴム材料を使用することができる。導電剤、発泡
剤、その他の配合剤、添加剤についても、同様に従来公
知のもの、あるいは特定的に記載されたものが挙げられ
る。
【0043】本発明において、発泡ゴム層10の発泡倍
率が2.0以上に設定されているが、これは前記発泡ゴ
ム組成物に配合される発泡剤の量を適宜、調整すること
によって達成できる。発泡倍率が2.0未満であると発
泡ゴム層10の帯電音吸収性が悪くなり好ましくない。
【0044】さらに本発明において、発泡ゴム層の発泡
後の比重が0.5以上となるように調整する。このため
に発泡ゴム組成物に真比重4以上の微粒子を含有させ
て、発泡させる。このような微粒子としては、硫酸バリ
ウム粉末、亜鉛粉末、酸化亜鉛等が挙げられるが、前者
が特に好ましい。
【0045】微粒子は、粒径が0.1〜100μm、好
ましくは2.0〜50μmの範囲にあるものを用いる。
粒径が100μmを超えると発泡ゴム組成物中への分散
が悪く、発泡後、均一に分散されず、充分な消音効果が
得られない。粒径が0.1μm未満でも、同様に充分な
消音効果が得られないが、これは微粒子が発泡ゴム組成
物中のゴム材料以外の添加剤等に吸着されるためと考え
られる。
【0046】微粒子の発泡ゴム組成物への配合量は、ゴ
ム基材重量部100に対して2〜20重量部(好ましく
は〜10重量部)であるが、本発明の帯電部材の用途
(ロール等)、発泡ゴム組成物中の他の配合剤、添加剤
の関係でこの範囲に限定されるものではない。
【0047】本発明の帯電部材の特徴は、帯電部の発泡
ゴム層に真比重4.0以上の微粒子を含有させたので、
スポンジゴムを用いる利点(バネ定数を下げる)を維持
したまま帯電部材の重量(質量)を増加することができ
る点にある。こうして前述のように式(1)に従い、帯
電部材固有振動数が低下され、したがって帯電音が軽減
される。
【0048】本発明の帯電部材の一実施の形態である帯
電ロール14は、たとえば次のようにして製造される。
すなわち、軸体1の外周面に前記発泡ゴム組成物をチュ
ーブ状に押出し成形した後、軸体1を嵌挿する。次いで
円筒形状のキャビテイを有する金型(たとえば図3)に
設置し、加熱して発泡、加硫することにより図4に示す
ような帯電ロール14を製造することができる。
【0049】帯電ロール14の最外層(すなわち、発泡
ゴム層10の外周上、被帯電体との接触面)に、表面被
覆層11がコーティングにより設けられてもよい。表面
被覆層は、導電剤が分散された半導電性熱可塑性樹脂等
(たとえばウレタン)から形成される。帯電ロール14
の電気抵抗は半導体領域(103〜1010Ωcm)にあ
るように調整される。
【0050】実施例および比較例を用いて、本発明の実
施の形態をさらに説明するが、これらは本発明の範囲を
限定するものではない。すべての部は特に示す以外、重
量基準である。
【0051】(製造例)エチレン−プロピレン−ジエン
三元共重合体(EPDM:EP65 JSR社製)10
0部に対して、カーボンブラック(SRFクラスカーボ
ン)40部、パラフィンオイル80部、微粒子である酸
化亜鉛3部、加硫剤(硫黄)2部、ステアリン酸1部を
配合して、オープンロールで混練し、マスターバッチ
(MB)を調製した。このマスターバッチを用いて、M
B 278部、発泡剤としてジニトロソペンタメチレン
テトラミン(DPT)3.0部、発泡助剤としてセルト
ンN(三協化成社製)3.0部、加硫剤(硫黄)1.5
部、加硫促進剤として亜鉛ジメチルジチオカルバメート
1.5部を配合して、オープンロールで混練し、発泡ゴ
ム層用の組成物を調製した。
【0052】同様にマスターバッチ(MB 278部)
を用いて、下記の配合比(表1)で各種添加剤を添加
し、オープンロールで混練し、非発泡ゴム層用の組成物
を調製した。
【0053】
【表1】
【0054】発泡ゴム層用の組成物(発泡ゴム)、およ
び非発泡ゴム用の組成物(配合1〜5)の各々につい
て、JIS K 6300(1974)に従い、スコー
チタイムt5を測定した。この測定値を表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】(実施例1)発泡ゴムを内層用に、配合1
を外層用に、2色押出成形機を用いて、一体的に押出成
形を行い、一方成形機の口金の略中央部から軸体(直径
6mm、長さ250mmのステンレス丸棒)を送出し、
内側層、外側層の2層と軸体から成る成形体を得、これ
を軸体の長さにあわせて所定の長さに切断した。
【0057】得られた成形体を円筒金型内に装填し、金
型をオーブン中で、180℃で30分間加熱し発泡加硫
を行った。発泡倍率は、約3倍であった。
【0058】加硫終了後、金型から成型物を取り出し、
室温になるまで放置し、本発明のゴムロールを得た。
【0059】本実施例のゴムロールに関して、発泡ゴム
層のムーニースコーチタイム(ML125℃)t5(す
なわちt1)と非発泡ゴム層のムーニースコーチタイム
(ML125℃)t5(すなわちt2)の差は3.21
分であった。
【0060】(実施例2)発泡ゴムを内層用に、配合2
を外層用に押出成形した以外は実施例1と全く同様の方
法で、本発明のゴムロールを製造した。
【0061】本実施例のゴムロールに関して、発泡ゴム
層のムーニースコーチタイム(ML125℃)t5と非
発泡ゴム層のムーニースコーチタイム(ML125℃)
t5の差は1.5分であった。
【0062】(実施例3)発泡ゴムを内層用に、配合3
を外層用に押出成形した以外は実施例1と全く同様の方
法で、本発明のゴムロールを製造した。
【0063】本実施例のゴムロールに関して、発泡ゴム
層のムーニースコーチタイム(ML125℃)t5と非
発泡ゴム層のムーニースコーチタイム(ML125℃)
t5の差は0.72分であった。
【0064】(比較例1)発泡ゴムを内層用に、配合4
を外層用に押出成形した以外は実施例1と全く同様の方
法で、ゴムロールを製造した。
【0065】本例のゴムロールに関して、発泡ゴム層の
ムーニースコーチタイム(ML125℃)t5が非発泡
ゴム層のムーニースコーチタイム(ML125℃)t5
より短かかった。
【0066】(比較例2)発泡ゴムを内層用に、配合5
を外層用に押出成形した以外は実施例1と全く同様の方
法で、ゴムロールを製造した。
【0067】本例のゴムロールに関して、発泡ゴム層の
ムーニースコーチタイムが(ML125℃)t5と非発
泡ゴム層のムーニースコーチタイム(ML125℃)t
5より短かかった。
【0068】ロールの評価 前記実施例および比較例から得られたそれぞれのゴムロ
ールについて表面状態を目視により評価した。それらの
結果を表3に示す。
【0069】
【表3】
【0070】表1から明らかなように、実施例のゴムロ
ールは、表面が平滑で欠陥がなかったのに対し、比較例
のゴムロールには、表面にシワやピンホールが混在し
た。
【0071】(実施例4)EPDM(EP65 JSR
社製)100部に対して、カーボンブラック(SRFク
ラスカーボン)50部、軟化剤(たとえばパラフィンオ
イル)80部、酸化亜鉛5部、加硫剤(硫黄)1.5
部、ステアリン酸1部、発泡剤としてアゾジカルボンア
ミド(ADCA)3部、発泡助剤としてセルトンNP
(三協化成社製)3部、加硫促進剤として亜鉛ジメチル
ジチオカルバメート2.5部、吸湿剤として酸化カルシ
ウム5部を配合して、オープンロールで混練し、発泡ゴ
ム層用組成物を調製した。この調製物100部に対し
て、さらに硫酸バリウムを添加、混練し、均一に分散さ
せた。
【0072】この組成物をダイを用いて押出し、円筒の
ロール素材を作成した。これに軸体(直径6mm、長さ
250mmのステンレス丸棒)を通し円筒金型内で、加
熱処理(200℃、20分間)を行い、発泡加硫し、軸
体の外周に導電性発泡ゴム層を形成してロールを得た。
発泡倍率は約3倍であり、発泡ゴム層の比重が0.7で
あった。
【0073】その後、金型を室温まで冷却し、成型体ロ
ールを取出し、溶剤でロール表面を洗浄した。これをさ
らに、ウレタン塗布液(レザミンME−3119 10
0部;カーボンブラック ATL8794 40部;メ
チルエチルケトン 91部;ジメチルフォルムアミド
49部)に浸漬し、浸漬後室温で乾燥させ、発泡ゴム層
の外周面上に約100μmの厚みを有する表面被覆膜を
形成して、本発明の帯電ロールを得た。
【0074】(比較例3)実施例4で得られた発泡ゴム
層用組成物に、硫酸バリウムを添加せずに実施例4と全
く同様にして帯電ロールを製造した。
【0075】ロールの評価 前記実施例および比較例から得られたそれぞれの帯電ロ
ールについて、物性を測定するとともに、種々の評価を
行った。
【0076】帯電試験は、帯電ロールを積載した接触帯
電装置を無響室にセットし、発生帯電音を測定した。測
定はISO 7779−6に準拠し、交流電圧2.0k
V、周波数500Hz、および直流電圧(−700V)
の重量振動電圧を帯電ロールに印加して行った。
【0077】画質の評価は、帯電ロールを実機に取り付
け、4000枚複写後得られたコピーの画質で判断し
た。これらの結果を表4に示す。
【0078】
【表4】
【0079】表4から明らかなように実施例の帯電ロー
ルは、低硬度が保持され、帯電時の騒音の発生が抑制さ
れている。
【0080】上述の本発明のゴムロールは、軸体の外周
面上に発泡ゴム層を設け、さらに該発泡ゴム層の外周面
上に非発泡ゴム層を設けて成るゴムロールにおいて、非
発泡ゴム層のスコーチタイムが発泡ゴムロールコーチタ
イムより短いことを特徴とする。
【0081】好ましくは、発泡ゴム層および非発泡ゴム
層のスコーチタイムをJIS K6300に規定された
ML125℃のt5として測定した時間(分)で、それ
ぞれt1,t2と表すと、関係式0.5≦t1−t2が
成立する。
【0082】さらに好ましくは、発泡ゴム層のスコーチ
タイムをJIS K 6300の規定に準じたML18
0℃のt5として測定した時間(分)で、t3と表す
と、t3≦60である。
【0083】前記ゴムロールにおいて、好ましくは発泡
ゴム層が真比重4.0以上の微粒子を含む。
【0084】好ましくは、軸体の外周面上に発泡ゴム層
を設け、さらに該発泡ゴム層の外周面上に非発泡ゴム層
を設けて成るゴムロールの製造方法において、発泡ゴム
層形成用組成物および非発泡ゴム層形成用組成物であ
り、該非発泡ゴム層形成用組成物のスコーチタイムが発
泡ゴム層形成用組成物のスコーチタイムより短いものを
別々の押出機により、軸体の外周面上に同時一体的に押
出し、積層体を成形し、該積層体を、その外径よりも大
きくかつ所望のゴムロール外径に略等しい内径を有する
断面が円形状の金型内に配置した後、加熱することによ
り積層体の発泡と加硫とを同時に行うことを特徴とする
ゴムロールの製造方法が提供される。
【0085】前記構成に基づいて、軸体の外周にスコー
チタイムのより長い発泡ゴム層を、その外側にスコーチ
タイムのより短い非発泡ゴム層を積層して形成すると、
発泡時には、発泡内圧、気泡が適正に保持され、加硫が
速やかに進行し、発泡状態が良好な発泡ゴム層と表面特
性に優れた非発泡ゴム層とを備えたゴムロールが得られ
る。
【0086】上述のゴムロールは、軸体の外周面上に発
泡ゴム層を設け、さらに該発泡ゴム層の外周面上に非発
泡ゴム層を設けて成るゴムロールにおいて、非発泡ゴム
層のスコーチタイムを発泡ゴム層のスコーチタイムより
短く設定したので、非発泡ゴム層が一定厚みのスキン層
を形成し、発泡ゴム層の発泡時に内圧を保持し、表面か
らのガス抜けを防止する。こうして表面収縮によるシ
ワ、ピンホール等表面欠陥のない平滑な表面を有するゴ
ムロールが得られた。
【0087】
【発明の効果】以上のように本発明の帯電部材は、帯電
部の発泡ゴム層の発泡倍率を2.0以上、発泡後の比重
を0.5以上としたので、帯電部材のバネ定数を低く抑
えたまま、部材の重量を増大させ、固有振動数を小さく
することを可能にした。こうして、画像形成装置に実装
され、電圧が印加されたときの発生帯電音を顕著に軽減
できる帯電部材が得られた。さらに、帯電部材が帯電ロ
ールとして用いられるとき、ロールの低硬度が保持さ
れ、表面特性もよいので、画像形成時に画像ムラが起こ
らない。特に本発明は、帯電部を構成する発泡ゴム組成
物100重量部に対して微粒子にである硫酸バリウム、
亜鉛または酸化亜鉛を2〜20重量部含有し、その微粒
子の粒径0.1〜100μmとすることが重要である。
これによって帯電音の発生の低減を著しくすることが初
めて可能になる。さらに本発明では、前記微粒子は硫酸
バリウムおよび酸化亜鉛の両者を含み、これらの粒径
2.0〜50μmに選ぶ。このような発泡ゴム組成物を
帯電部として用いることによって、帯電音の低減効果を
さらに向上させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゴムロールの縦断面図である。
【図2】本発明に従って、ゴムロールを製造する際の一
工程を示す図であり、共押出成形による積層体の成形の
説明のための断面図である。
【図3】本発明に従って、ゴムロールを製造する際の別
の工程を示す図であり、円筒金型内で積層体を発泡、加
硫成型する際の説明のための断面図である。
【図4】本発明の帯電部材の一例である帯電ロールの断
面図である。
【符号の説明】
1,22 軸体 2,10 発泡ゴム層 3 非発泡ゴム層 4 ゴムロール 11 表面被覆層 14 帯電ロール 20 押出成形機 21 積層体
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−169974(JP,A) 特開 平8−63014(JP,A) 特開 平8−253616(JP,A) 特開 平7−92775(JP,A) 特開 平8−202113(JP,A) 特開 平8−262835(JP,A) 特開 平8−238687(JP,A) 特開 平8−286470(JP,A) 特開 平6−317917(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/02 101

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被帯電体に接触する帯電部と、該帯電部
    を支持する支持部とから成る帯電部材において、 帯電部は、 発泡倍率が2以上で、かつ発泡後の比重が0.5以上と
    なるように、発泡ゴム組成物100重量部に対して2〜
    20重量部の硫酸バリウム、亜鉛または酸化亜鉛の微粒
    子が含有され、 この微粒子の粒径は0.1〜100μmである発泡ゴム
    層から成ることを特徴とする帯電部材。
  2. 【請求項2】 被帯電体に接触する帯電部と、該帯電部
    を支持する支持部とから成る帯電部材において、 帯電部は、 発泡倍率が2以上で、かつ発泡後の比重が0.5以上と
    なるように、発泡ゴム組成物100重量部に対して2〜
    20重量部の硫酸バリウムおよび酸化亜鉛の微粒子が含
    有され、 この微粒子の粒径は2.0〜50μmである発泡ゴム層
    から成ることを特徴とする帯電部材。
  3. 【請求項3】 前記帯電部は、発泡ゴム層の外周上で被
    帯電体との接触面に103〜1010Ωcmの半導電性熱
    可塑性樹脂層がコーティングされた層を有することを特
    徴とする請求項1記載の帯電部材。
  4. 【請求項4】 前記支持部は、軸体であり、帯電部材は
    ゴムロールであることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の帯電部材。
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