JP3373036B2 - 導電性樹脂組成物 - Google Patents
導電性樹脂組成物Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐擦傷性、導電性、透
明性に優れた導電層が得られる導電性樹脂組成物に関す
る。 【0002】 【従来の技術】導電性高分子は半導体としての性質を活
かした電子デバイスや酸化還元時の吸収波長の変化を利
用したエレクトロクロミック材料、電池の電極材料や電
気化学的活性物質、帯電防止や電磁波シールド材料等の
導電フィラーとして実用化されつつある。 【0003】特にポリチオフェン、ポリピロール、ポリ
アニリン等は空気中で安定で、しかも導電性が100S
/cm以上となるものもあり、実用に適した導電性高分
子である。これら導電性高分子はドーパントと導電性高
分子の錯体を形成させるドーピングという処理により1
S/cm以上の高導電性が得られる。ポリピロール、ポ
リチオフェン等のドーパントとしてヨウ素、五弗化砒素
等の気体をドーピングする方法が比較的容易であるが、
時間とともにドーパントが導電性高分子から脱離し導電
性が低下する。また、アニオンをドーピングする方法が
知られているが、この場合導電性は比較的安定である
が、工程が煩雑で大量生産に向かないという欠点があ
る。 【0004】ポリアニリンは、ドーパントとして無機・
有機のプロトン酸を用いるため安定的な導電性を示す。
このため、溶剤に溶解し、ポリエステル等のバインダー
を用いて塗料とする方法が特開平1−131288号公
報に開示されている。しかしこの塗料から得られる導電
層は、硬度、強度が弱く、耐溶剤性、耐薬品性が弱いと
いう問題がある。特にポリアニリンはドーパントとして
の酸が溶剤に触れたとき流出したり、アルカリに触れた
ときにドーパントが脱離して導電性が低下するといった
問題がある。 【0005】また、特開昭60−60166号公報では
導電層の硬度・耐溶剤性を向上させるために、紫外線ま
たは可視光線などで容易に硬化できる塗料が開示されて
いるが、無機導電体を用いるので、導電体をバインダ−
に分散するのは容易でなく、多量の分散剤と分散に長時
間を必要とし、分散後も再凝集のために塗料としての保
存性安定性も悪いといった欠点を有する。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の欠点に
鑑みてなされたものであり、硬度、耐溶剤性、耐薬品
性、特に耐アルカリ性に優れた導電層が形成でき、塗料
の保存安定性にも優れた導電性樹脂組成物を提供するこ
とを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明で用いられる熱硬
化性樹脂は、熱で架橋し、硬化する樹脂であり、分子内
に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)
アクリレ−ト化合物を少なくとも含み、不飽和ポリエス
テル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂から選ばれる少
なくとも1種と併用されているものに限定される。 【0008】上記(メタ)アクリレ−ト化合物として
は、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ノナプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールト
リ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペン
タ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アク
リレート、トリス−(2−ヒドロキシエチル)−イソシ
アヌル酸エステル(メタ)アクリレート、2,2−ビス
[4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル]プロパ
ン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシジエトキシ)
フェニル]プロパン、3−フェノキシ−2−プロパノイ
ルアクリレート、1,6−ビス(3−アクリロキシ−2
−ヒドロキシプロピル)−ヘキシルエーテル、テトラメ
チロールメタンテトラ(メタ)アクリレートなどが挙げ
られる。 【0009】また、上記以外に、分子内にウレタン結合
を有する(メタ)アクリレ−トが挙げられ、該(メタ)
アクリレ−トを少なくとも1種添加すると耐擦傷性が向
上し好ましく、そのような(メタ)アクリレ−トとして
は、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘ
キサメチレンジイソシアネート、ペンタエリスリトール
トリアクリレートイソホロンジイソシアネート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレートトリレンジイソシアネ
ートなどのウレタンプレポリマーなどが挙げられる。 【0010】また、更に、分子内にエステル結合を有
し、且つ(メタ)アクリロイル基を少なくとも分子内に
2個以上持つポリエステルアクリレートなどが挙げら
れ、これらを用いると高度に架橋した構造となり、得ら
れる導電層の硬度と耐擦傷性が向上する。 【0011】上記不飽和ポリエステル樹脂としては、不
飽和ポリエステルを重合性単量体に溶解して得られる、
通常の不飽和ポリエステル樹脂を用いることができる。
上記不飽和ポリエステルは不飽和多塩基酸(無水物)を
多価アルコ−ルでエステル化する公知の方法により得ら
れる。 【0012】上記不飽和多塩基酸(無水物)としては無
水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、カ
ービック酸、無水カービック酸等が挙げられ、必要に応
じて無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、モノ
クロルフタル酸、アジピン酸、コハク酸、セバチン酸等
の飽和多塩基酸を添加しても良い。 【0013】上記多価アルコールとしては、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、水添ビ
スフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド
付加物等のグリコール類や、ペンタエリスリトール、グ
リセリン、トリメチロールプロパン等の3価以上のアル
コールが挙げられる。 【0014】上記不飽和ポリエステルを溶解するために
用いられる重合性単量体としては、例えば、スチレン、
ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、(メタ)アクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル等が挙げられる。 【0015】上記不飽和ポリエステルは、メチルエチル
ケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ク
メンハイドロパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイ
ド等の有機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリルなど
のアゾ化合物等を用いて硬化される。この際、硬化促進
剤としてナフテン酸コバルト、オクテン酸コバルト、ナ
フテン酸マンガン等の金属石鹸類、ジメチルアニリン等
の芳香族第三級アミン類、ジメチルベンジルアンモニウ
ムクロライド等の第四級アンモニウム塩類などを用いる
ことができる。 【0016】上記エポキシ樹脂としては、エポキシ基を
有し、且つ硬化剤で硬化されるものであれば公知のもの
が使用でき、例えば、ビスフェノ−ルA型、ノボラック
型、脂肪族エポキシ樹脂等が好適に使用される。上記硬
化剤としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテ
トラミン、メタフェニレンジアミンなどのアミン類、無
水フタル酸、テトラハイドロフタリックアンハイドライ
ド、ヘキサハイドロフタリックアンハイドライドなどの
酸無水物、ポリアミン類、ポリアミド類、多硫化物硬化
剤等が挙げられる。 【0017】上記ウレタン樹脂は、ポリオールと分子内
に2個以上のイソシアネート基を有する化合物との混合
物であり、熱により付加重合され、硬化するものであ
る。上記ポリオールとしては、エチレングリコール、
1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,2−ブタンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、2,3−ブタンジオール、1,5−ヘプタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン
などの短鎖のジオールが好適に使用されが、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシ
テトラメチレングリコールなども使用できる。 【0018】上記以外のポリオ−ルとしては、アジピン
酸とエチレングリコール、アジピン酸とプロパンジオー
ル、アジピン酸とネオペンチルグリコール、アジピン酸
とブタンジオール、アジピン酸とヘキサンジオールとの
縮合ポリエステルグリコールが挙げられる。 【0019】上記分子内に2個以上のイソシアネート基
を有する化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、メチレンジフェニルジイソシアネート、トルエン
ジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、メチレ
ンジシクロヘキシルジイソシアネートなどが挙げられ
る。 【0020】 【0021】本発明で用いられるアニリン系重合体は従
来公知のアニリン誘導体モノマ−を重合して得られる導
電性のアニリン系重合体ならば特に限定されることなく
使用できる。市販品としては、例えばアライドシグナル
社製;バ−シコン(Versicon)がある。アニリ
ン系重合体の添加量は、少ないと得られる導電層の導電
性が不充分となり、多くなると架橋されたバインダーに
よるアニリン系重合体の保護効果が少なくなり耐擦傷
性、耐薬品性、耐溶剤性が低下するので、熱硬化性樹脂
100重量部に対して0.1〜30重量部である。 【0022】上記アニリン誘導体モノマーとしては、ア
ニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、ジ
フェニルアニリン、O−トルイジン、m−トルイジン、
2−エチルアニリン、3−エチルアニリン、2,4−ジ
メチルアニリン、2,5−ジメチルアニリン、2,6−
ジメチルアニリン、2,6−ジエチルアニリン、2−メ
トキシアニリン、4−メトキシアニリン、2,4−ジメ
トキシアニリン、O−フェニレンジアミン、m−フェニ
レンジアミン、2−アミノビフェニル、N,N−ジフェ
ニル−P−フェニレンジアミンなどが挙げられる。 【0023】上記導電層の導電性はアニリン系重合体の
添加量と厚みによって表面固有抵抗で101 〜1011Ω
/□の範囲で変えることができる。 【0024】本発明で用いられる(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル系重合体は、アニリン系重合体を熱硬化
性樹脂に分散するため用いられるものであり、(メタ)
アクリル酸アルキルエステルの単独重合体または共重合
体である。 【0025】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2エチルヘ
キシル等が挙げられる。 【0026】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
系重合体の添加量は少なくなると分散効果がなくなり得
られる導電層の透明性が低下し、塗料にした時、粘度が
低くなり塗工性が低下し、多くなると耐擦傷性が悪くな
るので、熱硬化性樹脂100重量部に対して10〜10
0重量部に限定される。分子量は、小さくなって、大き
くなっても、塗工性が低下するため10万〜100万が
好ましく、より好ましくは30万〜80万である。 【0027】本発明の導電性樹脂組成物は、上述の通り
の構成であるが上記のもの以外に、酸化防止剤、熱重合
禁止剤などを必要に応じて添加してもよく、これらは公
知の種々のものを用いることができる。酸化防止剤とし
ては、例えば、フェノール系抗酸化剤、リン系酸化防止
剤、イオウ系酸化防止剤などが挙げられ、熱重合禁止剤
としては、例えば、ヒドロキノン、P−メトキシフェノ
ールなどが挙げられる。 【0028】本発明の導電性樹脂組成物には、必要に応
じて有機溶剤を添加して塗料とすることができ、用いら
れる有機溶剤としては、特に限定されないが、沸点が低
いもの、もしくは揮発性の強いものは塗工中に蒸発し、
塗料粘度が変化するという問題があり、高沸点のものは
乾燥工程に時間を要することになので、沸点70〜16
0℃程度の溶剤が好ましく、例えば、シクロヘキサノ
ン、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセ
ロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル
(エチルセロソルブ)、ジエチレングリコールジメチル
エーテル、酢酸ブチル、イソプロピルアセトン、メチル
エチルケトン、トルエン、キシレン、アニソールなどが
挙げられる。 【0029】前記アニリン系重合体の製造方法として
は、例えば、アニリン誘導体モノマーと酸の水やジメチ
ルホルムアミド(以下「DMF」という。)の溶液に、
酸化剤の水またはDMF溶液を滴下し、酸化重合させる
方法が挙げられる。 【0030】上記アニリン誘導体モノマー溶液の濃度は
水、DMFに対して0.1〜1モル/リットルが好適で
ある。 【0031】上記酸としては塩酸、硫酸、硝酸などの無
機プロトン酸、P−トルエンスルホン酸:長鎖アルキル
スルホン酸などの有機酸が挙げられる。上記アニリン誘
導体モノマ−溶液中の酸濃度としては0.1N〜1Nが
好適に用いられる。 【0032】上記酸化剤としては過硫酸塩、過酸化水
素、過マンガン酸塩、二酸化鉛、重クロム酸塩、二酸化
マンガン、塩化鉄などが挙げることができ、酸化剤溶液
の濃度は水、DMFに対して0.1〜1モル/リットル
が好適に用いられる。 【0033】前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
系重合体は、公知の溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合
法、塊状重合法などで製造される。 【0034】本発明の導電性樹脂組成物は、例えば、上
記(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂の溶液に
アニリン系重合体を加えて混合した後、熱硬化性樹脂、
を加え、さらに混合して得られる物、その塗料をシ−
ト、フィルム、プ−ト、射出成形体等の成形体に塗工
し、熱硬化し、形成した導電層も含む。上記混合には、
微粉末を塗料中に充分分散させるために通常用いられる
機器、例えば、サンドミル、ボールミル、アトライタ
ー、高速回転撹拌装置、三本ロールなどが使用される。
上記混合後のアニリン系重合体の平均粒径は0.4μm
以下であることが好ましい。 【0035】上記成形体としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリ
メチルメタクリレート、ABS樹脂、ガラス繊維で補強
された樹脂成形体(FRP)、ポリイミド、ポリエーテ
ルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂
などのプラスチック板や射出成形品が好適に使用され
る。またプラスチック以外のガラス、セラッミクス、樹
脂で被覆された金属などの無機物質にも適用できる。 【0036】 【実施例】以下に実施例を示す。「部」とあるのは「重
量部」を意味する。 【0037】(実施例1) (アニリン重合体の調製)p−トルエンスルホン酸16
0g(0.8モル)を脱イオン水1000ミリリトルに
溶解させ、水溶液を調製した。これを500ミリリット
ルづつに分け、一方にはアニリン36.5ミリリットル
(0.4モル)を加え、もう一方にはペルオキソ2硫酸
アンモニウム91gを溶解させた。次いで、冷却管、撹
拌機および滴下ロートを備えた反応容器に、上記アニリ
ンを添加した水溶液を仕込み、水浴で昇温を抑えなが
ら、ペルオキソ2硫酸アンモニウムを添加した水溶液5
00ミリリットルを30分かけて滴下し、3時間撹拌を
続け、得られた沈澱物を濾取し充分メタノールで洗浄し
て、平均粒径0.3μmの緑色のアニリン重合体粉末を
得た。 【0038】 (アニリン重合体分散液の調製) 上記で合成されたアニリン重合体 : 20部 重量平均分子量(以下「Mw」という。)50万のポリメチルメタクリレート (根上工業製;ハイパールHPA) : 40部 キシレン :140部 上記組成で8時間アトライターで分散し、アニリン重合
体分散液を得た。この分散液中のアニリン重合体の粒子
を電子顕微鏡で観察したところ平均粒子径は1μm以下
であった。 【0039】 (導電層の作製) 上記アニリン重合体分散液 :100部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート : 80部 (日本化薬製;DPHA) 不飽和ポリエステル樹脂 : 20部 (昭和高分子製;リゴラックG−2141) ナフテン酸コバルト(金属分6重量%) :0.2部 メチルエチルケトンパ−オキサイド55重量%ジメチルフタレ−ト溶液 :2.0部 キシレン :150部 上記組成でアトライターで20分間撹拌し導電性樹脂組
成物を得、ポリメチルメタクリレ−ト板上にバーコート
し、80℃で30分の条件で硬化させ厚み2μmの導電
層を得た。 【0040】(実施例2) 実施例1のアニリン重合体分散液 :100部 ジペンタエリスリト−ルヘキサアクリレ−ト : 50部 不飽和ポリエステル樹脂 : 50部 (昭和高分子製;リゴラックG−2141) ナフテン酸コバルト(金属分6重量%) :0.2部 メチルエチルケトンパ−オキサイド55重量%ジメチルフタレ−ト溶液 :2.0部 キシレン :150部 上記組成で実施例1と同様にして、厚み2μmの導電層
を得た。 【0041】(実施例3) 実施例1のアニリン重合体分散液 :100部 ジペンタエリスリト−ルヘキサアクリレ−ト : 80部 エポキシ樹脂 : 20部 (油化シェルエポキシ製;エピコ−ト828) ジエチレントリアミン : 1部 キシレン :150部 上記組成で実施例1と同様にして、厚み2μmの導電層
を得た。 【0042】(実施例4) 実施例1のアニリン重合体分散液 :100部 ジペンタエリスリト−ルヘキサアクリレ−ト : 50部 エポキシ樹脂 : 50部 ジエチレントリアミン : 1部 キシレン :150部 上記組成で実施例1と同様にして、厚み2μmの導電層
を得た。 【0043】(実施例5) 実施例1のアニリン重合体分散液 :100部 ジペンタエリスリト−ルヘキサアクリレ−ト : 80部 ヘキサメチレンジイソシアネ−ト : 7部 ポリエチレングリコ−ル(平均分子量458) ; 13部 ジブチルスズジラウレ−ト : 1部 キシレン :150部 上記組成で実施例1と同様にして、厚み2μmの導電層
を得た。 【0044】(実施例6) 実施例1のアニリン重合体分散液 :100部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート : 50部 ヘキサメチレンジイソシアネ−ト : 18部 ポリエチレングリコ−ル(平均分子量458) ; 32部 ジブチルスズジラウレ−ト : 1部 キシレン :150部 上記組成で実施例1と同様にして、厚み2μmの導電層
を得た。 【0045】 【0046】(実施例7) 実施例1のアニリン重合体分散液 :200部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート : 80部 不飽和ポリエステル樹脂 : 20部 ナフテン酸コバルト(金属分6重量%) :0.2部 メチルエチルケトンパ−オキサイド55重量%ジメチルフタレ−ト溶液 :2.0部 キシレン :150部 上記組成で実施例1と同様にして、厚み2μmの導電層
を得た。 【0047】 【0048】 【0049】(比較例1) (アニリン重合体分散液の調製) 実施例1のアニリン重合体 : 20部 キシレン :180部 上記組成で8時間アトライターで分散し、アニリン重合
体分散液を得た。 【0050】 (導電性樹脂組成物の調製) 上記のアニリン重合体分散液 :100部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート : 80部 不飽和ポリエステル樹脂 : 20部 ナフテン酸コバルト(金属分6重量%) :0.2部 メチルエチルケトンパ−オキサイド55重量%ジメチルフタレ−ト溶液 :2.0部 キシレン :150部 上記組成で実施例1と同様にして、厚み2μmの導電層
を得た。 【0051】(比較例2) 実施例1のアニリン重合体分散液 :0.5部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート : 80部 不飽和ポリエステル樹脂 : 20部 ナフテン酸コバルト(金属分6重量%) :0.2部 メチルエチルケトンパ−オキサイド55重量%ジメチルフタレ−ト溶液 :2.0部 キシレン :150部 上記組成で実施例1と同様にして、厚み2μmの導電層
を得た。 【0052】(比較例3) 実施例1のアニリン重合体分散液 :500部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート : 80部 不飽和ポリエステル樹脂 : 20部 ナフテン酸コバルト(金属分6重量%) :0.2部 メチルエチルケトンパ−オキサイド55重量%ジメチルフタレ−ト溶液 :2.0部 キシレン :150部 上記組成で実施例1と同様にして、厚み2μmの導電層
を得た。 【0053】 【0054】実施例1〜7、比較例1〜3で作製した導
電層の表面固有抵抗、全光線透過率、表面硬度を測定
し、その結果を表1に示した。 【0055】 【表1】【0056】上記測定の方法は下記の通りである。 【0057】表面固有抵抗はASTM D257に、全
光線透過率はASTM D1003に、表面硬度は鉛筆
硬度計を用いJIS K5400にそれぞれ準拠して評
価した。 【0058】 【発明の効果】本発明の導電性樹脂組成物は上述の構成
であるから熱で容易に硬化され、形成された導電層は表
面硬度、耐薬品性、耐擦傷性、透明性に優れているので
半導体関連帯電防止材料などに好適に使用される。
明性に優れた導電層が得られる導電性樹脂組成物に関す
る。 【0002】 【従来の技術】導電性高分子は半導体としての性質を活
かした電子デバイスや酸化還元時の吸収波長の変化を利
用したエレクトロクロミック材料、電池の電極材料や電
気化学的活性物質、帯電防止や電磁波シールド材料等の
導電フィラーとして実用化されつつある。 【0003】特にポリチオフェン、ポリピロール、ポリ
アニリン等は空気中で安定で、しかも導電性が100S
/cm以上となるものもあり、実用に適した導電性高分
子である。これら導電性高分子はドーパントと導電性高
分子の錯体を形成させるドーピングという処理により1
S/cm以上の高導電性が得られる。ポリピロール、ポ
リチオフェン等のドーパントとしてヨウ素、五弗化砒素
等の気体をドーピングする方法が比較的容易であるが、
時間とともにドーパントが導電性高分子から脱離し導電
性が低下する。また、アニオンをドーピングする方法が
知られているが、この場合導電性は比較的安定である
が、工程が煩雑で大量生産に向かないという欠点があ
る。 【0004】ポリアニリンは、ドーパントとして無機・
有機のプロトン酸を用いるため安定的な導電性を示す。
このため、溶剤に溶解し、ポリエステル等のバインダー
を用いて塗料とする方法が特開平1−131288号公
報に開示されている。しかしこの塗料から得られる導電
層は、硬度、強度が弱く、耐溶剤性、耐薬品性が弱いと
いう問題がある。特にポリアニリンはドーパントとして
の酸が溶剤に触れたとき流出したり、アルカリに触れた
ときにドーパントが脱離して導電性が低下するといった
問題がある。 【0005】また、特開昭60−60166号公報では
導電層の硬度・耐溶剤性を向上させるために、紫外線ま
たは可視光線などで容易に硬化できる塗料が開示されて
いるが、無機導電体を用いるので、導電体をバインダ−
に分散するのは容易でなく、多量の分散剤と分散に長時
間を必要とし、分散後も再凝集のために塗料としての保
存性安定性も悪いといった欠点を有する。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の欠点に
鑑みてなされたものであり、硬度、耐溶剤性、耐薬品
性、特に耐アルカリ性に優れた導電層が形成でき、塗料
の保存安定性にも優れた導電性樹脂組成物を提供するこ
とを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明で用いられる熱硬
化性樹脂は、熱で架橋し、硬化する樹脂であり、分子内
に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)
アクリレ−ト化合物を少なくとも含み、不飽和ポリエス
テル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂から選ばれる少
なくとも1種と併用されているものに限定される。 【0008】上記(メタ)アクリレ−ト化合物として
は、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ノナプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールト
リ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペン
タ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アク
リレート、トリス−(2−ヒドロキシエチル)−イソシ
アヌル酸エステル(メタ)アクリレート、2,2−ビス
[4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル]プロパ
ン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシジエトキシ)
フェニル]プロパン、3−フェノキシ−2−プロパノイ
ルアクリレート、1,6−ビス(3−アクリロキシ−2
−ヒドロキシプロピル)−ヘキシルエーテル、テトラメ
チロールメタンテトラ(メタ)アクリレートなどが挙げ
られる。 【0009】また、上記以外に、分子内にウレタン結合
を有する(メタ)アクリレ−トが挙げられ、該(メタ)
アクリレ−トを少なくとも1種添加すると耐擦傷性が向
上し好ましく、そのような(メタ)アクリレ−トとして
は、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘ
キサメチレンジイソシアネート、ペンタエリスリトール
トリアクリレートイソホロンジイソシアネート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレートトリレンジイソシアネ
ートなどのウレタンプレポリマーなどが挙げられる。 【0010】また、更に、分子内にエステル結合を有
し、且つ(メタ)アクリロイル基を少なくとも分子内に
2個以上持つポリエステルアクリレートなどが挙げら
れ、これらを用いると高度に架橋した構造となり、得ら
れる導電層の硬度と耐擦傷性が向上する。 【0011】上記不飽和ポリエステル樹脂としては、不
飽和ポリエステルを重合性単量体に溶解して得られる、
通常の不飽和ポリエステル樹脂を用いることができる。
上記不飽和ポリエステルは不飽和多塩基酸(無水物)を
多価アルコ−ルでエステル化する公知の方法により得ら
れる。 【0012】上記不飽和多塩基酸(無水物)としては無
水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、カ
ービック酸、無水カービック酸等が挙げられ、必要に応
じて無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、モノ
クロルフタル酸、アジピン酸、コハク酸、セバチン酸等
の飽和多塩基酸を添加しても良い。 【0013】上記多価アルコールとしては、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、水添ビ
スフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド
付加物等のグリコール類や、ペンタエリスリトール、グ
リセリン、トリメチロールプロパン等の3価以上のアル
コールが挙げられる。 【0014】上記不飽和ポリエステルを溶解するために
用いられる重合性単量体としては、例えば、スチレン、
ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、(メタ)アクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル等が挙げられる。 【0015】上記不飽和ポリエステルは、メチルエチル
ケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ク
メンハイドロパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイ
ド等の有機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリルなど
のアゾ化合物等を用いて硬化される。この際、硬化促進
剤としてナフテン酸コバルト、オクテン酸コバルト、ナ
フテン酸マンガン等の金属石鹸類、ジメチルアニリン等
の芳香族第三級アミン類、ジメチルベンジルアンモニウ
ムクロライド等の第四級アンモニウム塩類などを用いる
ことができる。 【0016】上記エポキシ樹脂としては、エポキシ基を
有し、且つ硬化剤で硬化されるものであれば公知のもの
が使用でき、例えば、ビスフェノ−ルA型、ノボラック
型、脂肪族エポキシ樹脂等が好適に使用される。上記硬
化剤としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテ
トラミン、メタフェニレンジアミンなどのアミン類、無
水フタル酸、テトラハイドロフタリックアンハイドライ
ド、ヘキサハイドロフタリックアンハイドライドなどの
酸無水物、ポリアミン類、ポリアミド類、多硫化物硬化
剤等が挙げられる。 【0017】上記ウレタン樹脂は、ポリオールと分子内
に2個以上のイソシアネート基を有する化合物との混合
物であり、熱により付加重合され、硬化するものであ
る。上記ポリオールとしては、エチレングリコール、
1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,2−ブタンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、2,3−ブタンジオール、1,5−ヘプタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン
などの短鎖のジオールが好適に使用されが、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシ
テトラメチレングリコールなども使用できる。 【0018】上記以外のポリオ−ルとしては、アジピン
酸とエチレングリコール、アジピン酸とプロパンジオー
ル、アジピン酸とネオペンチルグリコール、アジピン酸
とブタンジオール、アジピン酸とヘキサンジオールとの
縮合ポリエステルグリコールが挙げられる。 【0019】上記分子内に2個以上のイソシアネート基
を有する化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、メチレンジフェニルジイソシアネート、トルエン
ジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、メチレ
ンジシクロヘキシルジイソシアネートなどが挙げられ
る。 【0020】 【0021】本発明で用いられるアニリン系重合体は従
来公知のアニリン誘導体モノマ−を重合して得られる導
電性のアニリン系重合体ならば特に限定されることなく
使用できる。市販品としては、例えばアライドシグナル
社製;バ−シコン(Versicon)がある。アニリ
ン系重合体の添加量は、少ないと得られる導電層の導電
性が不充分となり、多くなると架橋されたバインダーに
よるアニリン系重合体の保護効果が少なくなり耐擦傷
性、耐薬品性、耐溶剤性が低下するので、熱硬化性樹脂
100重量部に対して0.1〜30重量部である。 【0022】上記アニリン誘導体モノマーとしては、ア
ニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、ジ
フェニルアニリン、O−トルイジン、m−トルイジン、
2−エチルアニリン、3−エチルアニリン、2,4−ジ
メチルアニリン、2,5−ジメチルアニリン、2,6−
ジメチルアニリン、2,6−ジエチルアニリン、2−メ
トキシアニリン、4−メトキシアニリン、2,4−ジメ
トキシアニリン、O−フェニレンジアミン、m−フェニ
レンジアミン、2−アミノビフェニル、N,N−ジフェ
ニル−P−フェニレンジアミンなどが挙げられる。 【0023】上記導電層の導電性はアニリン系重合体の
添加量と厚みによって表面固有抵抗で101 〜1011Ω
/□の範囲で変えることができる。 【0024】本発明で用いられる(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル系重合体は、アニリン系重合体を熱硬化
性樹脂に分散するため用いられるものであり、(メタ)
アクリル酸アルキルエステルの単独重合体または共重合
体である。 【0025】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2エチルヘ
キシル等が挙げられる。 【0026】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
系重合体の添加量は少なくなると分散効果がなくなり得
られる導電層の透明性が低下し、塗料にした時、粘度が
低くなり塗工性が低下し、多くなると耐擦傷性が悪くな
るので、熱硬化性樹脂100重量部に対して10〜10
0重量部に限定される。分子量は、小さくなって、大き
くなっても、塗工性が低下するため10万〜100万が
好ましく、より好ましくは30万〜80万である。 【0027】本発明の導電性樹脂組成物は、上述の通り
の構成であるが上記のもの以外に、酸化防止剤、熱重合
禁止剤などを必要に応じて添加してもよく、これらは公
知の種々のものを用いることができる。酸化防止剤とし
ては、例えば、フェノール系抗酸化剤、リン系酸化防止
剤、イオウ系酸化防止剤などが挙げられ、熱重合禁止剤
としては、例えば、ヒドロキノン、P−メトキシフェノ
ールなどが挙げられる。 【0028】本発明の導電性樹脂組成物には、必要に応
じて有機溶剤を添加して塗料とすることができ、用いら
れる有機溶剤としては、特に限定されないが、沸点が低
いもの、もしくは揮発性の強いものは塗工中に蒸発し、
塗料粘度が変化するという問題があり、高沸点のものは
乾燥工程に時間を要することになので、沸点70〜16
0℃程度の溶剤が好ましく、例えば、シクロヘキサノ
ン、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセ
ロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル
(エチルセロソルブ)、ジエチレングリコールジメチル
エーテル、酢酸ブチル、イソプロピルアセトン、メチル
エチルケトン、トルエン、キシレン、アニソールなどが
挙げられる。 【0029】前記アニリン系重合体の製造方法として
は、例えば、アニリン誘導体モノマーと酸の水やジメチ
ルホルムアミド(以下「DMF」という。)の溶液に、
酸化剤の水またはDMF溶液を滴下し、酸化重合させる
方法が挙げられる。 【0030】上記アニリン誘導体モノマー溶液の濃度は
水、DMFに対して0.1〜1モル/リットルが好適で
ある。 【0031】上記酸としては塩酸、硫酸、硝酸などの無
機プロトン酸、P−トルエンスルホン酸:長鎖アルキル
スルホン酸などの有機酸が挙げられる。上記アニリン誘
導体モノマ−溶液中の酸濃度としては0.1N〜1Nが
好適に用いられる。 【0032】上記酸化剤としては過硫酸塩、過酸化水
素、過マンガン酸塩、二酸化鉛、重クロム酸塩、二酸化
マンガン、塩化鉄などが挙げることができ、酸化剤溶液
の濃度は水、DMFに対して0.1〜1モル/リットル
が好適に用いられる。 【0033】前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
系重合体は、公知の溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合
法、塊状重合法などで製造される。 【0034】本発明の導電性樹脂組成物は、例えば、上
記(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂の溶液に
アニリン系重合体を加えて混合した後、熱硬化性樹脂、
を加え、さらに混合して得られる物、その塗料をシ−
ト、フィルム、プ−ト、射出成形体等の成形体に塗工
し、熱硬化し、形成した導電層も含む。上記混合には、
微粉末を塗料中に充分分散させるために通常用いられる
機器、例えば、サンドミル、ボールミル、アトライタ
ー、高速回転撹拌装置、三本ロールなどが使用される。
上記混合後のアニリン系重合体の平均粒径は0.4μm
以下であることが好ましい。 【0035】上記成形体としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリ
メチルメタクリレート、ABS樹脂、ガラス繊維で補強
された樹脂成形体(FRP)、ポリイミド、ポリエーテ
ルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂
などのプラスチック板や射出成形品が好適に使用され
る。またプラスチック以外のガラス、セラッミクス、樹
脂で被覆された金属などの無機物質にも適用できる。 【0036】 【実施例】以下に実施例を示す。「部」とあるのは「重
量部」を意味する。 【0037】(実施例1) (アニリン重合体の調製)p−トルエンスルホン酸16
0g(0.8モル)を脱イオン水1000ミリリトルに
溶解させ、水溶液を調製した。これを500ミリリット
ルづつに分け、一方にはアニリン36.5ミリリットル
(0.4モル)を加え、もう一方にはペルオキソ2硫酸
アンモニウム91gを溶解させた。次いで、冷却管、撹
拌機および滴下ロートを備えた反応容器に、上記アニリ
ンを添加した水溶液を仕込み、水浴で昇温を抑えなが
ら、ペルオキソ2硫酸アンモニウムを添加した水溶液5
00ミリリットルを30分かけて滴下し、3時間撹拌を
続け、得られた沈澱物を濾取し充分メタノールで洗浄し
て、平均粒径0.3μmの緑色のアニリン重合体粉末を
得た。 【0038】 (アニリン重合体分散液の調製) 上記で合成されたアニリン重合体 : 20部 重量平均分子量(以下「Mw」という。)50万のポリメチルメタクリレート (根上工業製;ハイパールHPA) : 40部 キシレン :140部 上記組成で8時間アトライターで分散し、アニリン重合
体分散液を得た。この分散液中のアニリン重合体の粒子
を電子顕微鏡で観察したところ平均粒子径は1μm以下
であった。 【0039】 (導電層の作製) 上記アニリン重合体分散液 :100部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート : 80部 (日本化薬製;DPHA) 不飽和ポリエステル樹脂 : 20部 (昭和高分子製;リゴラックG−2141) ナフテン酸コバルト(金属分6重量%) :0.2部 メチルエチルケトンパ−オキサイド55重量%ジメチルフタレ−ト溶液 :2.0部 キシレン :150部 上記組成でアトライターで20分間撹拌し導電性樹脂組
成物を得、ポリメチルメタクリレ−ト板上にバーコート
し、80℃で30分の条件で硬化させ厚み2μmの導電
層を得た。 【0040】(実施例2) 実施例1のアニリン重合体分散液 :100部 ジペンタエリスリト−ルヘキサアクリレ−ト : 50部 不飽和ポリエステル樹脂 : 50部 (昭和高分子製;リゴラックG−2141) ナフテン酸コバルト(金属分6重量%) :0.2部 メチルエチルケトンパ−オキサイド55重量%ジメチルフタレ−ト溶液 :2.0部 キシレン :150部 上記組成で実施例1と同様にして、厚み2μmの導電層
を得た。 【0041】(実施例3) 実施例1のアニリン重合体分散液 :100部 ジペンタエリスリト−ルヘキサアクリレ−ト : 80部 エポキシ樹脂 : 20部 (油化シェルエポキシ製;エピコ−ト828) ジエチレントリアミン : 1部 キシレン :150部 上記組成で実施例1と同様にして、厚み2μmの導電層
を得た。 【0042】(実施例4) 実施例1のアニリン重合体分散液 :100部 ジペンタエリスリト−ルヘキサアクリレ−ト : 50部 エポキシ樹脂 : 50部 ジエチレントリアミン : 1部 キシレン :150部 上記組成で実施例1と同様にして、厚み2μmの導電層
を得た。 【0043】(実施例5) 実施例1のアニリン重合体分散液 :100部 ジペンタエリスリト−ルヘキサアクリレ−ト : 80部 ヘキサメチレンジイソシアネ−ト : 7部 ポリエチレングリコ−ル(平均分子量458) ; 13部 ジブチルスズジラウレ−ト : 1部 キシレン :150部 上記組成で実施例1と同様にして、厚み2μmの導電層
を得た。 【0044】(実施例6) 実施例1のアニリン重合体分散液 :100部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート : 50部 ヘキサメチレンジイソシアネ−ト : 18部 ポリエチレングリコ−ル(平均分子量458) ; 32部 ジブチルスズジラウレ−ト : 1部 キシレン :150部 上記組成で実施例1と同様にして、厚み2μmの導電層
を得た。 【0045】 【0046】(実施例7) 実施例1のアニリン重合体分散液 :200部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート : 80部 不飽和ポリエステル樹脂 : 20部 ナフテン酸コバルト(金属分6重量%) :0.2部 メチルエチルケトンパ−オキサイド55重量%ジメチルフタレ−ト溶液 :2.0部 キシレン :150部 上記組成で実施例1と同様にして、厚み2μmの導電層
を得た。 【0047】 【0048】 【0049】(比較例1) (アニリン重合体分散液の調製) 実施例1のアニリン重合体 : 20部 キシレン :180部 上記組成で8時間アトライターで分散し、アニリン重合
体分散液を得た。 【0050】 (導電性樹脂組成物の調製) 上記のアニリン重合体分散液 :100部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート : 80部 不飽和ポリエステル樹脂 : 20部 ナフテン酸コバルト(金属分6重量%) :0.2部 メチルエチルケトンパ−オキサイド55重量%ジメチルフタレ−ト溶液 :2.0部 キシレン :150部 上記組成で実施例1と同様にして、厚み2μmの導電層
を得た。 【0051】(比較例2) 実施例1のアニリン重合体分散液 :0.5部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート : 80部 不飽和ポリエステル樹脂 : 20部 ナフテン酸コバルト(金属分6重量%) :0.2部 メチルエチルケトンパ−オキサイド55重量%ジメチルフタレ−ト溶液 :2.0部 キシレン :150部 上記組成で実施例1と同様にして、厚み2μmの導電層
を得た。 【0052】(比較例3) 実施例1のアニリン重合体分散液 :500部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート : 80部 不飽和ポリエステル樹脂 : 20部 ナフテン酸コバルト(金属分6重量%) :0.2部 メチルエチルケトンパ−オキサイド55重量%ジメチルフタレ−ト溶液 :2.0部 キシレン :150部 上記組成で実施例1と同様にして、厚み2μmの導電層
を得た。 【0053】 【0054】実施例1〜7、比較例1〜3で作製した導
電層の表面固有抵抗、全光線透過率、表面硬度を測定
し、その結果を表1に示した。 【0055】 【表1】【0056】上記測定の方法は下記の通りである。 【0057】表面固有抵抗はASTM D257に、全
光線透過率はASTM D1003に、表面硬度は鉛筆
硬度計を用いJIS K5400にそれぞれ準拠して評
価した。 【0058】 【発明の効果】本発明の導電性樹脂組成物は上述の構成
であるから熱で容易に硬化され、形成された導電層は表
面硬度、耐薬品性、耐擦傷性、透明性に優れているので
半導体関連帯電防止材料などに好適に使用される。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
C09D 5/24 C09D 5/24
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル
基を有する(メタ)アクリレ−ト化合物を少なくとも含
み、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン
樹脂から選ばれる少なくとも1種と併用されている熱硬
化性樹脂100重量部、アニリン系重合体0.1〜30
重量部および(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重
合体10〜100重量部よりなることを特徴とする導電
性樹脂組成物
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1994
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