JP3372329B2 - 香味改善剤および改善された香味を有する飲食物 - Google Patents
香味改善剤および改善された香味を有する飲食物Info
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Description
び匂い立ちを改善する(S)−(+)−2−メチル酪酸
およびそのエステル類が含有された香味改善剤、並びに
上記の光学活性体を含有する改善された香味を有する飲
食物に関する。
味改善剤の多くは、ラセミ体が用いられている。光学活
性な化合物を食品添加物等に使用する例は少ない。ラセ
ミ体の2−メチル酪酸およびそのエステル類は、天然物
中、特に果実類中に広く存在することが知られている。
そして、これらラセミ体のうち、特に2−メチル酪酸お
よび炭素数1〜5のアルキルエステルが、食品の発酵臭
や果実の完熟感を与える等の目的で、従来より食品香料
として用いられている。
た発酵臭や果実の完熟感を与えるという点では一応満足
されるが、未だ十分であるとはいえない。また、匂い立
ちを与えるという点でも改善の余地が十分残されてい
る。
が、A.Monsandle 等は、Dtsch.Lebensm.-Rundsch., vo
l.86, no.12, pp.375-379 (1990) 、Tetrahedron:Asymm
etry, vol.2, no.10, pp.965-968 (1991)およびKontakt
e(Darmstadt), no.3, pp.38-48(1992 )で、(S)−
(+)−2−メチル酪酸およびそのエチルエステル、並
びにその光学対掌体である(R)−(−)−2−メチル
酪酸およびそのエチルエステルを、ガスクロマトグラフ
ィーによって分析し、個々の香気について報告してい
る。
2−メチル酪酸の香気は快い甘さで、繊細な果実様であ
るが、(R)−(−)−2−メチル酪酸の香気はチーズ
様で汗様であり、また、(S)−(+)−2−メチル酪
酸エチルの香気はエーテル様で甘く、かなり希釈した時
には快いりんごの香りがするが、(R)−(−)−2−
メチル酪酸エチルは最初に薬品臭、フェノール臭がし、
次いで甘い果実様の香りがする、と記載されている。
の香味とは直接関係のない化合物単体の香気を評価した
にすぎないものとなっている。(S)−(+)−2−メ
チル酪酸およびそのエステル類を飲食物に実際に用い、
香味および匂い立ちを評価したものではない。
香味、および従来改善することが困難とされていた匂い
立ちを解決することができる特定の香料、すなわち飲料
用香味改善剤およびこれを用いた飲料の香味を検討して
いたところ、たまたま光学純度が70%e.e.以上の
(S)−(+)−2−メチル酪酸およびそのエステル類
を飲料に添加すると、ラセミ体の発酵臭や果実の完熟感
とは異なる新鮮な感じの香味を与えること、さらにラセ
ミ体に比べて匂い立ちが著しく優れていることを発見す
るに至った。すなわち、未完熟で新鮮な感じが引き立
ち、匂いが軽く、匂い立ちが広がる、またフレーバー処
方の香味が強化され、匂い立ちが広がる等、香味および
匂い立ちの点で著しく優れた飲料となることを見出し
た。そして、この知見に基づき、さらに食品にまで検討
を進めて適用範囲を広め、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の課題は、新鮮な香味と著しい匂い立
ちを与える新規な香味改善剤および改善された香味を有
する飲食物を提供することである。
の通りである。 (1) (S)−(+)−2−メチル酪酸およびそのエ
ステル類からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合
物が、光学純度が70%e.e.以上で、含有されてい
ることを特徴とする香味改善剤。 (2) (S)−(+)−2−メチル酪酸が、光学純度
80%e.e.以上で、含有されている(1)項記載の
香味改善剤。 (3) (S)−(+)−2−メチル酪酸メチルが、光
学純度70%e.e.以上で、含有されている(1)項
記載の香味改善剤。 (4) (S)−(+)−2−メチル酪酸エチルが、光
学純度75%e.e.以上で、含有されている(1)項
記載の香味改善剤。
(S)−(+)−2−メチル酪酸およびそのエステル類
からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を、飲
食物に対して、光学純度100%に換算して1〜150
ppmの割合で含有することを特徴とする改善された香
味を有する飲食物。 (6) 光学純度80%e.e.以上の(S)−(+)
−2−メチル酪酸を含有する(5)項記載の改善された
香味を有する飲食物。 (7) 光学純度70%e.e.以上の(S)−(+)
−2−メチル酪酸メチルを含有する(5)項記載の改善
された香味を有する飲食物。 (8) 光学純度75%e.e.以上の(S)−(+)
−2−メチル酪酸エチルを含有する(5)項記載の改善
された香味を有する飲食物。
酪酸およびそのエステル類からなる群から選ばれた少な
くとも1種の化合物が必須成分として用いられる。この
うち、(S)−(+)−2−メチル酪酸のエステル類に
ついて例示すると、(S)−(+)−2−メチル酪酸の
メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、
ブチルエステル、2−メチルプロピルエステル、ペンチ
ルエステル、2−メチルブチルエステル、3−メチルブ
チルエステル、ヘキシルエステル、cis−3−ヘキセ
ニルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、
フェニルメチルエステル、2−フェニルエチルエステ
ル、3−フェニル−2−プロピルエステル等を挙げるこ
とができる。これらの化合物の中で、本発明において最
も好ましい成分は、(S)−(+)−2−メチル酪酸、
および炭素数1〜5のアルキルエステルである。
ル酪酸およびそのエステル類は、天然物から抽出して得
ることもできるし、また生化学的合成法および化学的合
成法により得ることもできる。生化学的合成法として
は、例えば、K.H.Engel Tetrahedron:Asymmetry, vol.
2, no.3, pp.165-168 (1991)によって、ラセミ体の2−
メチル酪酸を、リパーゼを用いてエナンチオ選択的にエ
ステル化して、(S)−(+)−2−メチル酪酸エステ
ル類を得る方法が採用できる。
およびそのエステル類を多量に取得するには、化学的合
成法を用いることが好ましい。化学的合成法としては、
特開昭63−239245号公報に記載の方法が挙げら
れる。すなわち、市販品を容易に入手できるチグリン酸
((E)−2−メチル−2−ブテン酸)を原料とし、こ
れを特定の絶対配置を有するルテニウム−光学活性ホス
フィン錯体を触媒として不斉水素化すれば、目的化合物
の一つである(S)−(+)−2−メチル酪酸を製造で
き、さらに、これを公知の方法で、任意のアルコールと
反応させることにより、目的化合物である(S)−
(+)−2−メチル酪酸エステル類を製造することがで
きる。
をさらに詳しく説明すると、チグリン酸をメタノール、
エタノールのような溶媒に溶解し、不活性ガスで置換し
たオートクレーブに仕込み、これにルテニウム−光学活
性ホスフィン錯体を、チグリン酸に対して1/100〜
1/1000倍モル加えて、水素圧4〜125kg/c
m2 、反応温度5〜50℃で、1〜100時間攪拌して
水素化を行うことによって実施する。水素源として、水
素ガスを用いない特開平3−157346号公報記載の
方法を用いることもできる。この方法によれば、水素供
与体として第一級または第二級アルコールを大過剰に用
いる。反応後、溶媒を留去して残留物を減圧下で蒸留す
れば、目的とする(S)−(+)−2−メチル酪酸を得
ることができる。
学活性ホスフィン錯体としては、例えば次のものが挙げ
られる。 Rux Hy Clz 〔(−)−(R−BINAP)〕2 (S)p (1) (式中、(−)−(R−BINAP)は、(−)−2,
2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナ
フチルまたは(−)−2,2′−ビス(ジ−p−メチル
フェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチルを示す。
Sは第三級アミンを示す。yが0のときxは2、Zは
4、pは1を示し、yが1のときxは1、Zは1、pは
0を示す。)
チル基の5位および5′位にアミノ基、アセチルアミノ
基またはスルホン基が置換してもよく、並びに四つのフ
ェニル基のp位に低級アルキル基が置換してもよい
(−)−2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−
1,1′−ビナフチルを示す。R1 およびR2 は低級ア
ルキル基、ハロゲノ低級アルキル基、低級アルキル基が
置換してもよいフェニル基、α−アミノアルキル基また
はα−アミノフェニルアルキル基を示すか、あるいはR
1 とR2 が一緒になってアルキレン基を示す。qは1ま
たは2を示す。)
を示す。YはClO4 、BF4 またはPF6 を示す。l
が0のときvは1、wは2を示し、lが1のときvは
2、wは1を示す。)
2′−ジメチル−6,6′−ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)−1,1′−ビフェニル、(−)−2,2′−ジメ
チル−6,6′−ビス(ジ−p−メチルフェニルホスフ
ィノ)−1,1′−ビフェニル、または(−)−2,
2′−ジメチル−6,6′−ビス(ジ−p−メトキシフ
ェニルホスフィノ)−1,1′−ビフェニルを示す。Y
は前記と同じ内容を示す。)
学活性ホスフィン錯体は、いずれも特開昭63−239
245号公報に記載の方法で得ることができる。また、
(4)のルテニウム−光学活性ホスフィン錯体は、特開
昭63−145292号公報に記載の錯体である。
酪酸およびそのエステル類からなる群から選ばれた少な
くとも1種の化合物は、その光学純度が70%e.e.
以上で用いられることが必要である。
載の方法に準じて合成された(S)−(+)−2−メチ
ル酪酸およびそのエステル類は、光学純度88%e.
e.程度の高い純度で得られたが、(S)体の効果が、
どの程度の光学純度のもので顕れるかを試験したとこ
ろ、本発明においては、ほぼ70%e.e.程度の高い
光学純度で(S)体の効果が顕れはじめることが判っ
た。さらに、(S)体の効果がはっきりと確実に出る好
ましい光学純度について試験したところ、(S)−
(+)−2−メチル酪酸を用いる場合は80%e.e.
以上、(S)−(+)−2−メチル酪酸メチルを用いる
場合は70%e.e.以上、(S)−(+)−2−メチ
ル酪酸エチルを用いる場合は75%e.e.以上である
ことが判った。さらに、上記の結果に基づいて、その他
のエステル類についても、光学純度80%e.e.以上
のものであれば本発明の効果が確実に期待できることが
予想されるに至った。したがって、これらの光学純度以
上のものであれば、精製することなくそのまま用いて、
飲食物の香味および匂い立ちの効果を確実に期待できる
ことが判った。
に口中で広がることをいうだけでなく、口近くに飲食物
が存在するだけで、香りが感じられることをいう。
のを得るため、前記した化学的合成方で得られる高い光
学純度の(S)−(+)−2−メチル酪酸およびそのエ
ステル類と、天然物中、特に果実類中に広く存在するこ
とが知られているラセミ体の2−メチル酪酸およびその
エステル類とを、適宜混合することができる。
のエステル類としては、例えば、2−メチル酪酸はアプ
リコット、りんご、いちご等に、2−メチル酪酸メチル
はアプリコット、りんご、なし、いちご、メロン等に、
2−メチル酪酸エチルはメロン、りんご、いちご、パパ
イア、マンゴー、キウィフルーツ等に、2−メチル酪酸
プロピルはメロン、りんご等に、2−メチル酪酸ブチル
は、りんご、いちご等に、2−メチル酪酸2−メチルプ
ロピルはアプリコット、メロン、パパイア等に、2−メ
チル酪酸ペンチルはアプリコット、りんご等に、また2
−メチル酪酸2−メチルブチルはアプリコット、メロ
ン、パイナップル、グアバ等に含有されていることが知
られている。その他にも、2−メチル酪酸の3−メチル
ブチルエステル、ヘキシルエステル、cis−3−ヘキ
セニルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステ
ル、フェニルメチルエステル、2−フェニルエチルエス
テル、3−フェニル−2−プロピルエステル等が、種々
の果実等に含有されていることが知られている。
純度が70%e.e.以上の(S)−(+)−2−メチ
ル酪酸およびそのエステル類は、これらの1種または2
種以上を混合し、他の香料等の成分を配合して香味改善
剤とし、飲食物に添加される。この香味改善剤には、通
常の食品香料に使用される成分であれば、特に限定され
ることなく配合することができる。香味改善剤中の
(S)−(+)−2−メチル酪酸およびそのエステル類
の含有量は特に限定されないが、香味改善剤中に1〜1
5重量%程度の割合で含有させることが好ましい。
(S)−(+)−2−メチル酪酸およびそのエステル類
は、これらの1種または2種以上を混合し、各種飲食物
に添加して飲食物の香味および匂い立ちを改善すること
ができる。(S)−(+)−2−メチル酪酸およびその
エステル類の各種飲食物への添加量は、添加する飲食物
の種類によって適宜変えることができるが、飲食物に対
して約1〜150ppmとするとよい。添加量が約1p
pm未満の少ない量では添加の効果がはっきりと顕れ
ず、また約150ppmを超える多い量では該飲食物そ
のものの風味を損ねかねない。特に飲料に添加する場合
には、添加量を該飲料に対して約1〜100ppmとす
るとよい。なお、前記した香味改善剤を各種飲食物へ添
加する場合には、(S)−(+)−2−メチル酪酸およ
びそのエステル類の添加量が上記の範囲となるよう配慮
するとよい。
およびそのエステル類を含有する香味改善剤は、このも
のの香味改善効果を期待する各種飲食物であれば特に限
定することなく添加することができる。例えば、食品と
しては、キャラメル、キャンデー、チョコレート、チュ
ーインガム、焼菓子等の菓子類、アイスクリーム、シャ
ーベット等の冷菓、プリン、ゼリー等を挙げることがで
きる。また、飲料としては、サイダー、レモン・ライ
ム、各種フルーツソーダ、ガラナ、コーラ飲料のような
炭酸飲料、無果汁または天然果汁含有の各種果汁飲料、
ネクター、希釈用の濃厚シロップ、乳飲料、嗜好飲料、
機能性飲料、洋酒類等を挙げることができる。
酸およびそのエステル類からなる群から選ばれた少なく
とも1種の、光学純度70%e.e.以上の化合物を含
有する香味改善剤は、果汁飲料、食品等の種々の飲食物
に添加することによって、その香味の質、特に従来より
解決することが困難であった匂い立ちを著しく改善する
ことができる。すなわち、未完熟で新鮮な感じが引き立
つ、匂いが軽く、匂い立ちが広がる、またフレーバー処
方の香味が強化され、匂い立ちが広がる等、香味および
匂い立ちの点で著しく優れた新規な飲食物を提供するこ
とができる。したがって、これら飲食物の商品価値を著
しく高めることができる。
よびそのエステル類、これらの対掌体である(R)−
(−)−2−メチル酪酸およびそのエステル類、並びに
従来より食品香料として用いられていたこれらのラセミ
体を飲料に添加した場合の香味の比較を次のようにして
行った。なお、エステル類としては、メチルエステルお
よびエチルエステルを試料として選んだ。
香料を創る者)を、男性8名、女性2名の計10名選定
した。
ってラセミ体を得、(S)体、(R)体およびラセミ体
の各化合物を水で希釈した場合に、感知可能な最低濃度
(いき値)を、3点比較法(2種の試料を識別するの
に、どちらか一方を2個、他方を1個、合計3個を1組
にしてパネラーに示し、どれが異なる1個であるか、ま
たはどの2個が同じであるかを当てさせ、数回の繰り返
しで得られた正解数から2種の試料間に差があるかどう
か判定する方法;日科技連官能検査委員会編「新版 官
能検査ハンドブック」252-253 頁 (1973))によって測
定し、このいき値から各々の相対強度を明らかにした。
いき値が等しかった場合は、パネラーの正解率によって
相対強度を評価した。これらの結果を表1に示す。
の調製 既存のフレーバー処方箋中のラセミ体の2−メチル酪酸
およびそのエステル類を(S)体または(R)体に組み
替えて飲料用香味改善剤を調製した。なお、(S)体、
(R)体およびラセミ体において、で行った相対強度
に差がある場合は、相対強度が強いものが必ずしも良い
香味を与えるとは限らず、また、相対強度が異なるまま
比較すると純粋に香味を比較することができないので、
これらの使用量を調整することによって相対強度を同等
にした。
て、(S)体、(R)体またはラセミ体が添加された場
合の香味の比較を行った。およびの結果は、後記実
施例および比較例に記す。
は、印藤元一著、「香料の実際知識」(昭和50年3月
25日)東洋経済新報社、3頁に記載されている表現を
参考にした。また、実施例および比較例中、表に示す処
方の単位は重量部で表わした。
オートクレーブに、チグリン酸0.2g(2mmol)
とメタノール20mlを入れ、続いてRu〔(−)−B
INAP〕(BF4 )2 ((−)−BINAPは、
(−)−2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−
1,1′−ビナフチルを示す。)6.0mg(0.00
7mmol)を入れ、水素圧4kg/cm2 、反応温度
20℃で、12時間攪拌して水素化を行い、溶媒を留去
して目的とする(S)−(+)−2−メチル酪酸0.2
g(収率100%)を得た。旋光度は、[α]D 25=+
16.7°(neat)、またガスクロマトグラフィー
による純度は100%であった。これを、(S)−1−
フェニルエチルアミンと反応させ、アミドを合成し、ガ
スクロマトグラフィーで分析した結果、(S)−(+)
−2−メチル酪酸の光学純度は、88%e.e.であっ
た。
酪酸9g(88mmol)を、水酸化ナトリウム4.2
g(105mmol)を水24mlに溶解した水溶液に
加えて溶解後、45℃まで加温した。溶液の温度を45
〜50℃に保ちながら、ここへ、硫酸ジメチル13.4
g(106mmol)を30分かけて滴下し、同温で3
時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、50%
水酸化ナトリウム水溶液8.5g(106mmol)を
滴下して、過剰の硫酸ジメチルを加水分解した。油層を
n−ヘキサンで抽出し、飽和食塩水で中性になるまで洗
浄し、次いで、常圧蒸留により、n−ヘキサンを回収
後、沸点115℃/760mmHgの(S)−(+)−
2−メチル酪酸メチル7.2g(収率70.6%)を得
た。旋光度は、[α]D 25=+18.97°(nea
t)、またガスクロマトグラフィーによる純度は100
%であった。
酪酸9g(88mmol)を、濃硫酸0.4gを含む9
9.5vol%エタノール20.24gと混合し、4時
間加熱還流した。反応終了後、室温まで冷却し、飽和食
塩水150mlへ注入した。油層をn−ヘキサンで抽出
して水層と分離した後、さらに飽和食塩水で2回洗浄
し、塩化カルシウムで脱水した。次いで、常圧蒸留によ
り、n−ヘキサンを回収し、さらに加熱温度を上昇させ
て、沸点135℃/760mmHgの(S)−(+)−
2−メチル酪酸エチル9.3g(収率81.3%)を取
得した。旋光度は、[α]D 25=+15.61°(ne
at)、またガスクロマトグラフィーによる純度は10
0%であった。
の代わりにRu[(+)−BINAP](BF4 )2 を
用いた以外は参考例1と全く同様の方法で、(R)−
(−)−2−メチル酪酸を得た。旋光度は、[α]D 25
=−17.01°(neat)、またガスクロマトグラ
フィーによる純度は100%であった。これを、(S)
−1−フェニルエチルアミンと反応させ、アミドを合成
し、ガスクロマトグラフィーで分析した結果、(S)−
(+)−2−メチル酪酸の光学純度は、89%e.e.
であった。
を、参考例2と同様にエステル化して、(R)−(−)
−2−メチル酪酸メチルを得た。旋光度は、[α]D 25
=−19.54°(neat)、またガスクロマトグラ
フィーによる純度は99.3%であった。
を、参考例3と同様にエステル化して、(R)−(−)
−2−メチル酪酸エチルを得た。旋光度は、[α]D 25
=−16.03°(neat)、またガスクロマトグラ
フィーによる純度は98.8%であった。
リーフレーバー処方に基づき、飲料用香味改善剤を調製
した。参考例1で得られた(S)−(+)−2−メチル
酪酸を含有するものを実施例1、参考例4で得られた
(R)−(−)−2−メチル酪酸を含有するものを比較
例1、さらにラセミ体の2−メチル酪酸を含有するもの
を比較例2としたが、これらの成分の含有量は、前述の
相対強度の差を補正するために調整し、エチルアルコー
ル(95%)の添加量でいずれも全量が100となるよ
うに調節した。得られた各飲料用香味改善剤を、グルコ
ース10重量%およびクエン酸0.1重量%を含有する
無果汁炭酸飲料にそれぞれ0.001重量%の割合で添
加した。各飲料について、前述のフレバリスト10名に
よって香味を評価した結果を表3に示した。
メチル酪酸を含有する実施例1の飲料用香味改善剤を添
加した飲料は、未完熟で、新鮮な感じが引き立つのに対
し、(R)−(−)−2−メチル酪酸を含有する比較例
1の飲料用香味改善剤を添加したものは、完熟感は増す
が、新鮮さに乏しかった。また、ラセミ体を含有する比
較例2の飲料用香味改善剤を添加したものは、(R)−
(−)−2−メチル酪酸を添加した時の甘い完熟感が目
立ち、(S)−(+)−2−メチル酪酸を添加した時の
新鮮さは全く感じられなかった。
加した飲料は、未完熟で新鮮な感じが引き立ち、他のも
のに比べて、著しく優れていることが明らかとなった。
リーフレーバー処方に基づき、飲料用香味改善剤を調製
した。なお、参考例2で得られた(S)−(+)−2−
メチル酪酸メチルを含有するものを実施例2、参考例5
で得られた(R)−(−)−2−メチル酪酸メチルを含
有するものを比較例3、さらにラセミ体の2−メチル酪
酸メチルを含有するものを比較例4とした。得られた各
飲料用香味改善剤を、グルコース10重量%およびクエ
ン酸0.1重量%を含有する無果汁炭酸飲料にそれぞれ
0.001重量%の割合で添加した。 各飲料につい
て、前述のフレバリスト10名によって香味を評価した
結果を表5に示した。
メチル酪酸メチルを含有する実施例2の飲料用香味改善
剤を添加した飲料は、匂いが軽く、匂い立ちにおいて果
実感が広がるのに対し、(R)−(−)−2−メチル酪
酸メチルを含有する比較例3の飲料用香味改善剤を添加
したものは、匂いが重く、油っぽかった。また、ラセミ
体を含有する比較例4の飲料用香味改善剤を添加したも
のは、重く、油っぽく、(S)−(+)−2−メチル酪
酸メチルを添加した時の特徴が全く感じられなかった。
加した飲料は、匂いが軽く、匂い立ちが広がり、他のも
のに比べ、著しく優れていることが明らかとなった。
トフレーバー処方に基づき、飲料用香味改善剤を調製し
た。なお、参考例3で得られた(S)−(+)−2−メ
チル酪酸エチルを含有するものを実施例3、参考例6で
得られた(R)−(−)−2−メチル酪酸エチルを含有
するものを比較例5、さらにラセミ体の2−メチル酪酸
エチルを含有するものを比較例6とした。得られた各飲
料用香味改善剤を、グルコース10重量%およびクエン
酸0.1重量%を含有する無果汁炭酸飲料にそれぞれ
0.001重量%の割合で添加した。 各飲料につい
て、前述のフレバリスト10名によって香味を評価した
結果を表7に示した。
メチル酪酸エチルを含有する実施例3の飲料用香味改善
剤を添加した飲料は、マスカットの香気が強化され、匂
い立ちが広がるのに対し、(R)−(−)−2−メチル
酪酸エチルを含有する比較例5の飲料用香味改善剤を添
加したものは、匂いが重く、油っぽかった。また、ラセ
ミ体を含有する比較例6の飲料用香味改善剤を添加した
ものは、重く、油っぽく、(S)−(+)−2−メチル
酪酸エチルを添加した時の特徴が全く感じられなかっ
た。
加した飲料は、マスカットの香気が強化され、匂い立ち
が広がり、他のものに比べてきわめて優れていることが
明らかとなった。
方法に準じて合成された(S)−(+)−2−メチル酪
酸およびそのエステル類は、光学純度88%e.e.程
度の高い純度で得られたが、(S)体の効果が、どの程
度の光学純度のもので確実に顕れるかを試験した。
(R)体を任意の割合で混合することによって、任意の
光学純度の(S)−(+)−2−メチル酪酸およびその
エステル類を調製し、(S)体の効果がはっきりと確実
に識別できる光学純度を、2:2点識別法(AおよびB
の2種の試料を識別するのに、最初に試料AおよびBを
明試料としてパネラーに提示して、その特徴を記憶させ
たのち、AとBを盲試料として提示し、Aとは異なる方
の試料を指摘させ、数回の繰り返しで得られた正解数か
ら2種の試料間に差があるかどうか判定する方法;佐藤
信「官能検査入門」54頁 (1978年10月16日、株式会社日
科技連出版社発行) )を応用して測定した。その結果を
表8に示す。
(S)−(+)−2−メチル酪酸を用いる場合は光学純
度80%e.e.以上、(S)−(+)−2−メチル酪
酸メチルを用いる場合は70%e.e.以上、(S)−
(+)−2−メチル酪酸エチルを用いる場合は75%
e.e.以上のものであれば、精製することなくそのま
ま用いて、飲食物の香味改善効果を確実に期待できるこ
とが判った。また、その他のエステル類についても、上
記の結果に基づいて、光学純度80%e.e.以上のも
のであれば本発明の効果を確実に期待できることが判っ
た。
Claims (8)
- 【請求項1】 (S)−(+)−2−メチル酪酸および
そのエステル類からなる群から選ばれた少なくとも1種
の化合物が、光学純度70%e.e.以上で、含有され
ていることを特徴とする香味改善剤。 - 【請求項2】 (S)−(+)−2−メチル酪酸が、光
学純度80%e.e.以上で、含有されている請求項1
記載の香味改善剤。 - 【請求項3】 (S)−(+)−2−メチル酪酸メチル
が、光学純度70%e.e.以上で、含有されている請
求項1記載の香味改善剤。 - 【請求項4】 (S)−(+)−2−メチル酪酸エチル
が、光学純度75%e.e.以上で、含有されている請
求項1記載の香味改善剤。 - 【請求項5】 光学純度が70%e.e.以上の(S)
−(+)−2−メチル酪酸およびそのエステル類からな
る群から選ばれた少なくとも1種の化合物を、飲食物に
対して、光学純度100%に換算して1〜150ppm
の割合で含有することを特徴とする改善された香味を有
する飲食物。 - 【請求項6】 光学純度80%e.e.以上の(S)−
(+)−2−メチル酪酸を含有する請求項5記載の改善
された香味を有する飲食物。 - 【請求項7】 光学純度70%e.e.以上の(S)−
(+)−2−メチル酪酸メチルを含有する請求項5記載
の改善された香味を有する飲食物。 - 【請求項8】 光学純度75%e.e.以上の(S)−
(+)−2−メチル酪酸エチルを含有する請求項5記載
の改善された香味を有する飲食物。
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- 1993-11-24 JP JP31580393A patent/JP3372329B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Tetrahedron:Asymmetry,2[10](1991)p.965−968 |
香料,145(1985)p.23−31 |
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