JP3372048B2 - 自動演奏装置 - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メモリに記憶した演奏
データを再生して自動演奏を行なう自動演奏装置に関す
る。 【0002】 【従来の技術】従来、電子楽器において自動演奏機能を
備えたものがあり、例えば鍵盤で実際に演奏したときの
演奏データをメモリに記憶しておき、これを再生して自
動演奏を行なうものである。 【0003】このような自動演奏機能では、音の強弱な
ど演奏者が実際に演奏したときの情報をそのまま演奏デ
ータとして記録するので、表現力豊かな自動演奏が可能
である。 【0004】しかし、実際に表現力豊かに演奏すること
は初心者には難しいので、ステップレコーディングと称
する方法で音符の情報を一つ一つ入力していき、後で感
情表現に係わる音量やテンポなどのデータを細かく修正
して演奏データを作成する方法もある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなデータの修正は、パラメータを一つ一つ設定してい
くなど作業が大変細かく、容易ではなかった。また、デ
ータの修正は曲の一部分のみしか一度にできないので、
曲全体を通してのバランスがとりにくいという問題があ
った。さらに、各パラメータを独立に設定していくた
め、音量とテンポなど異なるパラメータ間の関連性がな
く、変化が不自然で真の感情表現とはならないことが多
かった。 【0006】本発明は、感情表現が付加された自動演奏
を簡単な操作で実現できる自動演奏装置を提供すること
を課題とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになした本発明の請求項1の自動演奏装置は、自動演
奏データを記憶する演奏データ記憶手段と、手で把持さ
れるグリップ型の入力手段であって、把持される手の握
力に相当する感情データを入力する感情データ入力手段
と、入力された感情データのピーク値と該ピーク値間の
デュレーションを検出して該ピーク値とデュレーション
を記憶する感情データ記憶手段と、該感情データ記憶手
段に記憶された感情データのピーク値とデュレーション
とに基づいて補間した感情曲線のデータを生成し、該感
情曲線のデータを複数の制御パラメータに変換する変換
手段と、前記演奏データ記憶手段に記憶された自動演奏
データに基づく自動演奏を行なうとともに前記変換手段
からの複数の制御パラメータに基づいて楽音要素を制御
する制御手段と、を備えたことを特徴とする。 【0008】 【作用】本発明の請求項1の自動演奏装置において、自
動演奏データが演奏データ記憶手段に記憶され、感情デ
ータ入力手段から入力された感情データのピーク値と該
ピーク値間のデュレーションが検出されて該ピーク値と
デュレーションが感情データ記憶手段に記憶される。制
御手段は、演奏データ記憶手段に記憶された自動演奏デ
ータに基づいて自動演奏を行なうとともに、変換手段に
より感情データのピーク値とデュレーションとに基づい
て補間した感情曲線のデータを生成し、該感情曲線のデ
ータを複数の制御パラメータに変換し、この複数の制御
パラメータに基づいて楽音要素を制御する。感情データ
入力手段は、手で把持されるグリップ型の入力手段であ
って、把持される手の握力に相当する感情データを入力
するので、この感情データは、気持ちの高ぶりや落着き
といった感情表現の違いを表すのに適した握る動作によ
り入力されるので、わかりやすく感情表現を自動演奏に
反映できる。 【0009】 【実施例】図1は本発明実施例の自動演奏装置のブロッ
ク図である。この装置は鍵盤式の電子楽器を構成してお
り、通常の鍵盤演奏を行なう通常モード、演奏データを
記録する演奏データ記録モード、感情データを記録する
感情データ記録モードおよび自動演奏を行なう再生モー
ドの各動作モードが、図示しないスイッチの操作によっ
て切換えられる。 【0010】また、通常モード以外のときは、従来の自
動演奏の制御と同様にテンポクロックに基づくタイミン
グ動作を行なう。なお、このテンポクロックは、例えば
1小節(4拍子)当り96クロックなど楽譜上でのタイ
ミング情報として発生されるもので、そのクロック周波
数は演奏のテンポ値に応じた値になる。 【0011】鍵盤1は、押鍵または離鍵のキーイベント
があると、キーイベントのあった鍵に対応するキーコー
ド、押鍵または離鍵を示すキーオン信号、イニシャルタ
ッチ(ベロシティ)等のタッチ情報など、各種の鍵操作
情報を出力する。 【0012】通常モードまたは演奏データ記録モードが
選択されているときは、鍵盤1からの鍵操作情報は音源
回路2に入力され、音源回路2は鍵操作情報に応じた音
高で、所定の音色の楽音信号を発生して効果回路3に出
力する。 【0013】効果回路3はこの楽音信号にコーラスや残
響等の効果を付加してサウンドシステム4に出力し、サ
ウンドシステム4は入力される楽音信号の増幅等を行な
って楽音を発音する。 【0014】さらに、演奏データ記録モードのときは、
鍵盤1あるいは演奏データ入力スイッチ5により入力さ
れる演奏データ(時系列な鍵操作情報)が、テンポクロ
ックに基づいて書込み回路6によって記憶装置7に記録
される。 【0015】感情データ記録モードが選択されていると
きは、記憶装置7に記録された演奏データがテンポクロ
ックに基づいて読出し回路8によって読み出され、音源
回路2に供給されてこの演奏データに応じて記録時の楽
音がそのまま再生される。 【0016】感情データ入力装置9はデータグリッパ9
1とA/D変換回路92とピーク値検出回路93とで構
成されており、データグリッパ91から入力されるアナ
ログデータがA/D変換回路92でディジタルデータに
変換され、ピーク値検出回路93でディジタルデータの
ピーク値および各ピーク値間の時間間隔を示すデュレー
ションデータが作成される。 【0017】図2はデータグリッパ91を示す図であ
り、このデータグリッパ91は、両端にグリップ91a
を有するバネ91bの屈曲部分に変形量に応じて抵抗値
が変化する変位センサ91cを取り付けたものであり、
この変位センサ91cの抵抗値がA/D変換回路92で
電圧信号として検出されてディジタルデータに変換され
て、ピーク値検出回路93に入力される。ピーク値検出
回路93では、入力されたディジタルデータからピーク
値および各ピーク値間の時間間隔を示すデュレーション
データが作成される。 【0018】すなわち、操作者が両方のグリップ91a
を片手で握って図の矢印のように両グリップ91aを変
位させたときの握力に相当するデータを、A/D変換回
路92の出力データとして検出し、このA/D変換回路
92の出力データを操作者の感情の起伏を示す感情デー
タとして検出するように構成されている。 【0019】なお、グリップ91aが強く握られている
ときに出力される感情データを感情の昂りが激しい場合
に対応させ、弱く握られているときに出力される感情デ
ータを感情の昂りが低い場合に対応させるようにしてい
る。このようにすると、感情の起伏を握力の強さで入力
できるので操作感のよいものとなる。 【0020】そして、感情データの記録モードが選択さ
れているときに、操作者が再生音を聴きながら、感情の
ピークとなると思われるところでグリップ91aを強く
握ると、再生された演奏に対応する感情データ(ピーク
値およびデュレーションデータ)が、テンポクロックに
基づいて書込み回路10によって記憶装置7に記録され
る。 【0021】記憶装置7の記憶領域には、例えば図4に
示したように、自動演奏のテンポや拍子などの情報を記
録するヘッダ、演奏曲の複数の楽器や複数の楽音パート
などに対応して演奏データを記録するため複数の演奏デ
ータトラック、感情データを記録するための感情データ
トラックがそれぞれ設定されている。 【0022】図5は、演奏データトラックと感情データ
トラックにおけるデータの記録フォーマットの一例を示
す図であり、演奏データトラックにはキーオン/キーオ
フのイベントに対応するイベントデータと各イベントの
時間間隔を示すデュレーションデータ(テンポクロック
のクロック数)が記録される。また、感情データトラッ
クには感情データ入力装置9から出力される感情データ
(ピーク値およびデュレーションデータ)が記録され
る。 【0023】なお、演奏データトラックにおけるイベン
トデータは、キーオンイベントのときはキーオンとノー
トナンバおよびベロシティ(イニシャルタッチ情報)の
各データで構成され、キーオフのときはキーオフおよび
ノートナンバの各データで構成される。 【0024】次に、感情データが記録されて再生モード
が選択されたときは、先ず、感情曲線作成回路11は記
憶装置7から感情データを読み出してこの感情データに
基づいて次のような感情曲線の式を演算する。 【0025】図3は感情データと感情曲線を概念的に示
す図であり、感情データのデュレーションから、各ピー
ク値について自動演奏の経過時間に対応するテンポクロ
ックのクロック数を求め、このピーク値とクロック数に
より、図の破線で示したような各ピーク値間を補間する
曲線式(例えば懸垂曲線の式:y=(a/2)( e(x/a) +e
-(x/a)) )をもとに演算し、この曲線式の係数等を感情
曲線メモリ12に記憶する。 【0026】そして、曲線式の係数等を感情曲線メモリ
12に記憶すると、読出し回路8が記憶装置7から演奏
データを読み出すとともに、この読出しタイミングに応
じて感情曲線作成回路11は感情曲線の式から得られる
感情データを制御回路13に出力する。 【0027】ここで、感情パターンテーブル14には、
テンポ、アインザッツ、音量、音色、ビブラート、エフ
ェクタ、修飾音付加などの各種楽音要素を制御する制御
パラメータについて、感情データを引数として各々の制
御パラメータを出力する複数の変換テーブルが記憶され
ている。 【0028】制御回路13は、感情曲線作成回路11か
ら出力される感情データに基づいて感情パターンテーブ
ル14から制御パラメータを取込み、この制御パラメー
タを、各パラメータの種類に応じて読出し回路8、音源
回路2および効果回路3に出力する。なお、この制御パ
ラメータは図示しないスイッチの操作によって所望のも
のを複数選択できるようになっている。 【0029】読出し回路8は、例えばテンポの制御パラ
メータが入力されるとテンポクロックの周波数を制御し
てテンポ値を変化させる。また、アインザッツの制御パ
ラメータが入力されると記憶装置7の各演奏データトラ
ック毎に読出しタイミングを僅かにシフトして各演奏デ
ータトラック毎に発音のタイミングを僅かに異ならせて
複数楽器間の発音のバラツキ効果を制御する。 【0030】音源回路2は、例えば音色の制御パラメー
タが入力されるとエンベロープを制御してアタックの立
上り等を制御したり、ローパスフィルタの係数を制御し
たりする。また、音量の制御パラメータが入力されると
エンベロープを制御して音量を制御する。 【0031】効果回路3は、例えばエフェクタの制御パ
ラメータが入力されるとコーラス効果等のかかり具合い
や、残響等の音場の制御を行なう。 【0032】図6は上記のような制御の一例を示す図で
あり、感情曲線の式に応じてテンポと音量を制御した場
合を示している。この例では、感情データがピークに向
かうに従ってテンポを下げるとともに音量を上げてクレ
シェンドで盛り上げるように制御している。 【0033】このように、予め記憶されている演奏デー
タを再生し、その再生音を聴きながら感情データを入力
すればよいので、入力操作が容易になり、演奏曲全体を
通じてバランスがとり易くなる。また、入力された1種
類の感情データに応じて複数の制御パラメータを生成す
るので、音量とテンポなど異なるパラメータ間に関連性
を持たせることができ、真の感情表現となる。 【0034】上記の実施例では、感情曲線の式を記憶す
るようにしているが、感情曲線の値そのものを予め演算
して記憶しておき、この記憶されている感情曲線の値を
再生時のテンポクロックに同期して逐次読み出すように
してもよい。 【0035】また、感情データのピーク値だけを記憶す
るようにしているが、データグリッパ91における握り
具合いに応じて出力される感情データをテンポクロック
に対応させてそのまま記憶するようにしてもよい。 【0036】 【0037】また、演奏を再生しながら感情データを入
力する方法に限らず、例えばディスプレイに演奏データ
を楽譜等で表示するなど、演奏曲の感じがつかめるよう
な状態にし、感情のピークとなるような所をピックアッ
プして所望レベルの感情データを入力するようにしても
よい。 【0038】 【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1の
自動演奏装置によれば、自動演奏における感情の起伏に
対応させた感情データを、手で把持されるグリップ型の
入力手段で把持される手の握力に相当するデータとして
入力してそのピーク値と該ピーク値間のデュレーション
を検出して該ピーク値をとデュレーションを記憶し、自
動演奏データに基づいて自動演奏を行なうときに、変換
手段により、感情データのピーク値とデュレーションと
に基づいて補間した感情曲線のデータを生成し、該感情
曲線のデータを複数の制御パラメータに変換し、この複
数の制御パラメータに基づいて自動演奏の楽音要素を制
御するようにしたので、入力するデータは一種類の感情
データだけでよく、この一種類のデータに複数の制御パ
ラメータが対応するので異なる楽音要素間で関連性のあ
る制御となる。したがって、楽音の変化が自然で感情表
現が付加された自動演奏を簡単な操作で実現することが
できる。また、把持される手の握力に相当する感情デー
タを入力するので、感情表現の違いを表すのに適した握
る動作により、わかりやすく感情表現を自動演奏に反映
できる。
データを再生して自動演奏を行なう自動演奏装置に関す
る。 【0002】 【従来の技術】従来、電子楽器において自動演奏機能を
備えたものがあり、例えば鍵盤で実際に演奏したときの
演奏データをメモリに記憶しておき、これを再生して自
動演奏を行なうものである。 【0003】このような自動演奏機能では、音の強弱な
ど演奏者が実際に演奏したときの情報をそのまま演奏デ
ータとして記録するので、表現力豊かな自動演奏が可能
である。 【0004】しかし、実際に表現力豊かに演奏すること
は初心者には難しいので、ステップレコーディングと称
する方法で音符の情報を一つ一つ入力していき、後で感
情表現に係わる音量やテンポなどのデータを細かく修正
して演奏データを作成する方法もある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなデータの修正は、パラメータを一つ一つ設定してい
くなど作業が大変細かく、容易ではなかった。また、デ
ータの修正は曲の一部分のみしか一度にできないので、
曲全体を通してのバランスがとりにくいという問題があ
った。さらに、各パラメータを独立に設定していくた
め、音量とテンポなど異なるパラメータ間の関連性がな
く、変化が不自然で真の感情表現とはならないことが多
かった。 【0006】本発明は、感情表現が付加された自動演奏
を簡単な操作で実現できる自動演奏装置を提供すること
を課題とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになした本発明の請求項1の自動演奏装置は、自動演
奏データを記憶する演奏データ記憶手段と、手で把持さ
れるグリップ型の入力手段であって、把持される手の握
力に相当する感情データを入力する感情データ入力手段
と、入力された感情データのピーク値と該ピーク値間の
デュレーションを検出して該ピーク値とデュレーション
を記憶する感情データ記憶手段と、該感情データ記憶手
段に記憶された感情データのピーク値とデュレーション
とに基づいて補間した感情曲線のデータを生成し、該感
情曲線のデータを複数の制御パラメータに変換する変換
手段と、前記演奏データ記憶手段に記憶された自動演奏
データに基づく自動演奏を行なうとともに前記変換手段
からの複数の制御パラメータに基づいて楽音要素を制御
する制御手段と、を備えたことを特徴とする。 【0008】 【作用】本発明の請求項1の自動演奏装置において、自
動演奏データが演奏データ記憶手段に記憶され、感情デ
ータ入力手段から入力された感情データのピーク値と該
ピーク値間のデュレーションが検出されて該ピーク値と
デュレーションが感情データ記憶手段に記憶される。制
御手段は、演奏データ記憶手段に記憶された自動演奏デ
ータに基づいて自動演奏を行なうとともに、変換手段に
より感情データのピーク値とデュレーションとに基づい
て補間した感情曲線のデータを生成し、該感情曲線のデ
ータを複数の制御パラメータに変換し、この複数の制御
パラメータに基づいて楽音要素を制御する。感情データ
入力手段は、手で把持されるグリップ型の入力手段であ
って、把持される手の握力に相当する感情データを入力
するので、この感情データは、気持ちの高ぶりや落着き
といった感情表現の違いを表すのに適した握る動作によ
り入力されるので、わかりやすく感情表現を自動演奏に
反映できる。 【0009】 【実施例】図1は本発明実施例の自動演奏装置のブロッ
ク図である。この装置は鍵盤式の電子楽器を構成してお
り、通常の鍵盤演奏を行なう通常モード、演奏データを
記録する演奏データ記録モード、感情データを記録する
感情データ記録モードおよび自動演奏を行なう再生モー
ドの各動作モードが、図示しないスイッチの操作によっ
て切換えられる。 【0010】また、通常モード以外のときは、従来の自
動演奏の制御と同様にテンポクロックに基づくタイミン
グ動作を行なう。なお、このテンポクロックは、例えば
1小節(4拍子)当り96クロックなど楽譜上でのタイ
ミング情報として発生されるもので、そのクロック周波
数は演奏のテンポ値に応じた値になる。 【0011】鍵盤1は、押鍵または離鍵のキーイベント
があると、キーイベントのあった鍵に対応するキーコー
ド、押鍵または離鍵を示すキーオン信号、イニシャルタ
ッチ(ベロシティ)等のタッチ情報など、各種の鍵操作
情報を出力する。 【0012】通常モードまたは演奏データ記録モードが
選択されているときは、鍵盤1からの鍵操作情報は音源
回路2に入力され、音源回路2は鍵操作情報に応じた音
高で、所定の音色の楽音信号を発生して効果回路3に出
力する。 【0013】効果回路3はこの楽音信号にコーラスや残
響等の効果を付加してサウンドシステム4に出力し、サ
ウンドシステム4は入力される楽音信号の増幅等を行な
って楽音を発音する。 【0014】さらに、演奏データ記録モードのときは、
鍵盤1あるいは演奏データ入力スイッチ5により入力さ
れる演奏データ(時系列な鍵操作情報)が、テンポクロ
ックに基づいて書込み回路6によって記憶装置7に記録
される。 【0015】感情データ記録モードが選択されていると
きは、記憶装置7に記録された演奏データがテンポクロ
ックに基づいて読出し回路8によって読み出され、音源
回路2に供給されてこの演奏データに応じて記録時の楽
音がそのまま再生される。 【0016】感情データ入力装置9はデータグリッパ9
1とA/D変換回路92とピーク値検出回路93とで構
成されており、データグリッパ91から入力されるアナ
ログデータがA/D変換回路92でディジタルデータに
変換され、ピーク値検出回路93でディジタルデータの
ピーク値および各ピーク値間の時間間隔を示すデュレー
ションデータが作成される。 【0017】図2はデータグリッパ91を示す図であ
り、このデータグリッパ91は、両端にグリップ91a
を有するバネ91bの屈曲部分に変形量に応じて抵抗値
が変化する変位センサ91cを取り付けたものであり、
この変位センサ91cの抵抗値がA/D変換回路92で
電圧信号として検出されてディジタルデータに変換され
て、ピーク値検出回路93に入力される。ピーク値検出
回路93では、入力されたディジタルデータからピーク
値および各ピーク値間の時間間隔を示すデュレーション
データが作成される。 【0018】すなわち、操作者が両方のグリップ91a
を片手で握って図の矢印のように両グリップ91aを変
位させたときの握力に相当するデータを、A/D変換回
路92の出力データとして検出し、このA/D変換回路
92の出力データを操作者の感情の起伏を示す感情デー
タとして検出するように構成されている。 【0019】なお、グリップ91aが強く握られている
ときに出力される感情データを感情の昂りが激しい場合
に対応させ、弱く握られているときに出力される感情デ
ータを感情の昂りが低い場合に対応させるようにしてい
る。このようにすると、感情の起伏を握力の強さで入力
できるので操作感のよいものとなる。 【0020】そして、感情データの記録モードが選択さ
れているときに、操作者が再生音を聴きながら、感情の
ピークとなると思われるところでグリップ91aを強く
握ると、再生された演奏に対応する感情データ(ピーク
値およびデュレーションデータ)が、テンポクロックに
基づいて書込み回路10によって記憶装置7に記録され
る。 【0021】記憶装置7の記憶領域には、例えば図4に
示したように、自動演奏のテンポや拍子などの情報を記
録するヘッダ、演奏曲の複数の楽器や複数の楽音パート
などに対応して演奏データを記録するため複数の演奏デ
ータトラック、感情データを記録するための感情データ
トラックがそれぞれ設定されている。 【0022】図5は、演奏データトラックと感情データ
トラックにおけるデータの記録フォーマットの一例を示
す図であり、演奏データトラックにはキーオン/キーオ
フのイベントに対応するイベントデータと各イベントの
時間間隔を示すデュレーションデータ(テンポクロック
のクロック数)が記録される。また、感情データトラッ
クには感情データ入力装置9から出力される感情データ
(ピーク値およびデュレーションデータ)が記録され
る。 【0023】なお、演奏データトラックにおけるイベン
トデータは、キーオンイベントのときはキーオンとノー
トナンバおよびベロシティ(イニシャルタッチ情報)の
各データで構成され、キーオフのときはキーオフおよび
ノートナンバの各データで構成される。 【0024】次に、感情データが記録されて再生モード
が選択されたときは、先ず、感情曲線作成回路11は記
憶装置7から感情データを読み出してこの感情データに
基づいて次のような感情曲線の式を演算する。 【0025】図3は感情データと感情曲線を概念的に示
す図であり、感情データのデュレーションから、各ピー
ク値について自動演奏の経過時間に対応するテンポクロ
ックのクロック数を求め、このピーク値とクロック数に
より、図の破線で示したような各ピーク値間を補間する
曲線式(例えば懸垂曲線の式:y=(a/2)( e(x/a) +e
-(x/a)) )をもとに演算し、この曲線式の係数等を感情
曲線メモリ12に記憶する。 【0026】そして、曲線式の係数等を感情曲線メモリ
12に記憶すると、読出し回路8が記憶装置7から演奏
データを読み出すとともに、この読出しタイミングに応
じて感情曲線作成回路11は感情曲線の式から得られる
感情データを制御回路13に出力する。 【0027】ここで、感情パターンテーブル14には、
テンポ、アインザッツ、音量、音色、ビブラート、エフ
ェクタ、修飾音付加などの各種楽音要素を制御する制御
パラメータについて、感情データを引数として各々の制
御パラメータを出力する複数の変換テーブルが記憶され
ている。 【0028】制御回路13は、感情曲線作成回路11か
ら出力される感情データに基づいて感情パターンテーブ
ル14から制御パラメータを取込み、この制御パラメー
タを、各パラメータの種類に応じて読出し回路8、音源
回路2および効果回路3に出力する。なお、この制御パ
ラメータは図示しないスイッチの操作によって所望のも
のを複数選択できるようになっている。 【0029】読出し回路8は、例えばテンポの制御パラ
メータが入力されるとテンポクロックの周波数を制御し
てテンポ値を変化させる。また、アインザッツの制御パ
ラメータが入力されると記憶装置7の各演奏データトラ
ック毎に読出しタイミングを僅かにシフトして各演奏デ
ータトラック毎に発音のタイミングを僅かに異ならせて
複数楽器間の発音のバラツキ効果を制御する。 【0030】音源回路2は、例えば音色の制御パラメー
タが入力されるとエンベロープを制御してアタックの立
上り等を制御したり、ローパスフィルタの係数を制御し
たりする。また、音量の制御パラメータが入力されると
エンベロープを制御して音量を制御する。 【0031】効果回路3は、例えばエフェクタの制御パ
ラメータが入力されるとコーラス効果等のかかり具合い
や、残響等の音場の制御を行なう。 【0032】図6は上記のような制御の一例を示す図で
あり、感情曲線の式に応じてテンポと音量を制御した場
合を示している。この例では、感情データがピークに向
かうに従ってテンポを下げるとともに音量を上げてクレ
シェンドで盛り上げるように制御している。 【0033】このように、予め記憶されている演奏デー
タを再生し、その再生音を聴きながら感情データを入力
すればよいので、入力操作が容易になり、演奏曲全体を
通じてバランスがとり易くなる。また、入力された1種
類の感情データに応じて複数の制御パラメータを生成す
るので、音量とテンポなど異なるパラメータ間に関連性
を持たせることができ、真の感情表現となる。 【0034】上記の実施例では、感情曲線の式を記憶す
るようにしているが、感情曲線の値そのものを予め演算
して記憶しておき、この記憶されている感情曲線の値を
再生時のテンポクロックに同期して逐次読み出すように
してもよい。 【0035】また、感情データのピーク値だけを記憶す
るようにしているが、データグリッパ91における握り
具合いに応じて出力される感情データをテンポクロック
に対応させてそのまま記憶するようにしてもよい。 【0036】 【0037】また、演奏を再生しながら感情データを入
力する方法に限らず、例えばディスプレイに演奏データ
を楽譜等で表示するなど、演奏曲の感じがつかめるよう
な状態にし、感情のピークとなるような所をピックアッ
プして所望レベルの感情データを入力するようにしても
よい。 【0038】 【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1の
自動演奏装置によれば、自動演奏における感情の起伏に
対応させた感情データを、手で把持されるグリップ型の
入力手段で把持される手の握力に相当するデータとして
入力してそのピーク値と該ピーク値間のデュレーション
を検出して該ピーク値をとデュレーションを記憶し、自
動演奏データに基づいて自動演奏を行なうときに、変換
手段により、感情データのピーク値とデュレーションと
に基づいて補間した感情曲線のデータを生成し、該感情
曲線のデータを複数の制御パラメータに変換し、この複
数の制御パラメータに基づいて自動演奏の楽音要素を制
御するようにしたので、入力するデータは一種類の感情
データだけでよく、この一種類のデータに複数の制御パ
ラメータが対応するので異なる楽音要素間で関連性のあ
る制御となる。したがって、楽音の変化が自然で感情表
現が付加された自動演奏を簡単な操作で実現することが
できる。また、把持される手の握力に相当する感情デー
タを入力するので、感情表現の違いを表すのに適した握
る動作により、わかりやすく感情表現を自動演奏に反映
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の自動演奏装置のブロック図であ
る。 【図2】実施例におけるデータグリッパを示す図であ
る。 【図3】実施例における感情曲線を説明する図である。 【図4】実施例の記憶装置における記録フォーマットを
示す図である。 【図5】実施例の演奏データトラックと感情データトラ
ックにおける記録フォーマットを示す図である。 【図6】実施例における制御の一例を説明する図であ
る。 【符号の説明】 7…記憶装置、9…感情データ入力装置、11…感情曲
線作成回路、13…制御回路、14…感情パターンテー
ブル、91…データグリッパ。
る。 【図2】実施例におけるデータグリッパを示す図であ
る。 【図3】実施例における感情曲線を説明する図である。 【図4】実施例の記憶装置における記録フォーマットを
示す図である。 【図5】実施例の演奏データトラックと感情データトラ
ックにおける記録フォーマットを示す図である。 【図6】実施例における制御の一例を説明する図であ
る。 【符号の説明】 7…記憶装置、9…感情データ入力装置、11…感情曲
線作成回路、13…制御回路、14…感情パターンテー
ブル、91…データグリッパ。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 自動演奏データを記憶する演奏データ記
憶手段と、 手で把持されるグリップ型の入力手段であって、把持さ
れる手の握力に相当する感情データを入力する感情デー
タ入力手段と、 入力された感情データのピーク値と該ピーク値間のデュ
レーションを検出して該ピーク値とデュレーションを記
憶する感情データ記憶手段と、 該感情データ記憶手段に記憶された感情データのピーク
値とデュレーションとに基づいて補間した感情曲線のデ
ータを生成し、該感情曲線のデータを複数の制御パラメ
ータに変換する変換手段と、 前記演奏データ記憶手段に記憶された自動演奏データに
基づく自動演奏を行なうとともに前記変換手段からの複
数の制御パラメータに基づいて楽音要素を制御する制御
手段と、 を備えたことを特徴とする自動演奏装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00191392A JP3372048B2 (ja) | 1992-01-09 | 1992-01-09 | 自動演奏装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00191392A JP3372048B2 (ja) | 1992-01-09 | 1992-01-09 | 自動演奏装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05188937A JPH05188937A (ja) | 1993-07-30 |
JP3372048B2 true JP3372048B2 (ja) | 2003-01-27 |
Family
ID=11514825
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00191392A Expired - Fee Related JP3372048B2 (ja) | 1992-01-09 | 1992-01-09 | 自動演奏装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3372048B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107077837B (zh) | 2014-10-17 | 2021-05-18 | 雅马哈株式会社 | 内容控制设备和存储介质 |
JP6790362B2 (ja) * | 2016-01-18 | 2020-11-25 | ヤマハ株式会社 | 電子音響装置 |
-
1992
- 1992-01-09 JP JP00191392A patent/JP3372048B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05188937A (ja) | 1993-07-30 |
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