JP3371802B2 - リーマ - Google Patents

リーマ

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JP3371802B2
JP3371802B2 JP11575498A JP11575498A JP3371802B2 JP 3371802 B2 JP3371802 B2 JP 3371802B2 JP 11575498 A JP11575498 A JP 11575498A JP 11575498 A JP11575498 A JP 11575498A JP 3371802 B2 JP3371802 B2 JP 3371802B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被加工物に形成さ
れた下穴を所定の内径に仕上げ加工するためのリーマに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】リーマは、被加工物にドリルなどによっ
て明けられた下穴を所定の内径に仕上げ加工するのに用
いられる。かかるリーマにおいては、一般的に略円柱状
の工具本体の先端部に切刃が工具外周側に突出するよう
に設けられ、工具本体をその軸線回りに回転させつつ該
軸線方向先端側に送り出して上記下穴に挿入することに
より、上記切刃によって下穴の内周を切削して所定の内
径に仕上げてゆく。ここで、このようなリーマでは、上
記切刃が、工具本体に着脱自在に装着されるスローアウ
ェイチップに形成された、いわゆるスローアウェイ式リ
ーマが知られている。
【0003】そして、深い下穴や間隔をあけて配置され
た複数のリブを貫通するような下穴を加工する場合のよ
うに工具本体が長尺とならざるを得ない場合には、この
工具本体を上記軸線に沿って真っ直ぐに送り出すため
に、工具本体の外周部に、工具外周側に突出して上記軸
線方向に延びるガイドパッドを設け、このガイドパッド
を、加工すべき下穴の開口部に臨んで配置されたブッシ
ュの内周に摺接させたり、あるいは切刃によって所定の
内径に仕上げられた下穴に摺接させたりして、工具本体
を案内することが行われている。ここで、このようなガ
イドパッドは、一般的に鋼材等からなる工具本体よりも
耐摩耗性に優れた超硬合金によって形成され、工具本体
の外周にろう付けされて取り付けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
ガイドパッドが設けられたリーマでは、切刃が設けられ
る工具本体の先端部が上記軸線に沿って真っ直ぐに案内
されなければ下穴も真っ直ぐに仕上げ加工されないた
め、特にこの工具本体の先端部においては、上記ガイド
パッドの外周面を、その上記軸線に直交する断面が上記
切刃の軸線回りの外径と略等しい外径の円周上に位置す
るように形成し、このガイドパッドが、上記ブッシュの
内周や切刃によって仕上げられた下穴の内周に常に確実
に摺接するようにしなければならない。ところが、この
ように工具本体の先端部においてガイドパッドが常にブ
ッシュや仕上げられた下穴の内周に摺接していると、如
何に耐摩耗性に優れた超硬合金によって形成されていて
も、この工具本体先端部のガイドパッドに摩耗が生じて
しまい、工具本体の直進性が損なわれてしまう。しかる
に、上記従来の一般的なリーマにあっては、このガイド
パッドが上述のように工具本体にろう付けされて固定さ
れているため、このようにガイドパッドに摩耗が生じて
もこれを交換するようなことは困難であり、通常は工具
本体ごと廃棄せざるを得なかった。
【0005】本発明は、このような背景の下になされた
もので、上記ガイドパッドに摩耗が生じても工具本体ご
と廃棄する必要がなく、工具本体の直進性を回復せしめ
てその有効利用を図ることが可能なリーマを提供するこ
とを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに
回転される略円柱状の工具本体の先端部に、切刃が工具
外周側に突出されて設けられてなるリーマにおいて、上
記工具本体の外周部に、工具外周側に突出して上記軸線
方向に延びるガイドパッドを設け、このガイドパッドの
うち上記工具本体の先端側の部分を着脱可能とし、その
外周面の断面がなす円弧の上記軸線に対する直径が上記
切刃の軸線回りの回転直径と等しくなるように設定する
一方、後端側の部分のガイドパッドはろう付けして固定
し、その外周面の断面がなす円弧の上記軸線に対する直
径が上記回転直径よりも0.005mm以上小さくなるよ
うに設定するとともに、上記工具本体の外周には、上記
軸線に平行に延びる凹溝を、該工具本体の周方向に複数
条間隔をあけて形成し、これらの凹溝を、上記工具本体
の先端側の部分の着脱可能なガイドパッドが取り付けら
れる先端側凹溝と、上記後端側の部分のガイドパッドが
嵌挿された上でろう付けされる後端側凹溝とに分割し
て、一部の凹溝においては上記先端側凹溝を他の凹溝の
先端側凹溝よりも工具後端側に長く形成し、これらの凹
溝間で先端側凹溝の長さの異なる部分では、上記一部の
凹溝の着脱可能なガイドパッドと、他の凹溝のろう付け
されたガイドパッドとを配設したことを特徴とする。従
って、このようなリーマによれば、工具本体の先端部の
ガイドパッドが加工を重ねるうちに摩耗を生じても、こ
れを取り外して新たな摩耗のないガイドパッドを取り付
けることにより、工具本体の直進性を速やかに回復する
ことができて、再び高精度の加工を行うことが可能とな
る。また、この着脱可能なガイドパッドの後端側にろう
付けされて取り付けられるガイドパッドは、その外周が
切刃の回転直径よりも小さな外径の円弧状をなすもので
あるから、通常の加工時には下穴に接することはなく、
抵抗の増大や摩耗が生じたりすることはない反面、工具
本体の案内に寄与することもないのであるが、このよう
なガイドパッドを設けることによって工具本体の剛性が
向上するため、加工時の工具本体の直進性をさらに確保
するとともに、万一工具本体に振れが生じたりしたとき
でも、このガイドパッドが下穴等に接触することによ
り、振れが拡大するのを抑えることができる。
【0007】ここで、この着脱可能とされるガイドパッ
ドは、上記切刃の先端から、この切刃の上記軸線回りの
回転直径Dに対して少なくとも6×Dの長さに渡る範囲
に配設されるのが望ましい。これは、かかるリーマによ
って深い下穴の内周を加工する場合は勿論、上述のよう
な間隔をあけて配置された複数のリブを貫通するような
下穴を加工する場合でも、着脱可能なガイドパッドの長
さが上記範囲以上であれば、ブッシュや加工された下穴
の内周に当該ガイドパッドを摺接させて工具本体の直進
性を確保することが可能であり、逆にこの着脱自在なガ
イドパッドの長さが上記範囲よりも短いと、工具本体の
直進性が損なわれるおそれがあるからである。
【0008】そして、さらに本発明のリーマでは、上記
工具本体の外周に、上記軸線に平行に延びる凹溝を、該
工具本体の周方向に複数条間隔をあけて形成し、これら
の凹溝を、着脱可能なガイドパッドが取り付けられる先
端側凹溝と、ガイドパッドが嵌挿された上でろう付けさ
れる後端側凹溝とに分割して、一部の凹溝においては上
記先端側凹溝を他の凹溝の先端側凹溝よりも工具後端側
に長く形成し、これらの凹溝間で先端側凹溝の長さの異
なる部分では、上記一部の凹溝の着脱可能なガイドパッ
ドと、他の凹溝のろう付けされたガイドパッドとを配設
しており、これにより、切刃の回転直径と等しい外径の
着脱可能なガイドパッドとこの回転直径よりも小さな外
径のろう付けされたガイドパッドとがオーバーラップす
る部分が設けられることとなるので、軸線方向において
これらのガイドパッドの間に該ガイドパッドが存在しな
い部分が生じるのを避けて、工具本体の送り出しや加工
後の引き戻しを円滑に行うことが可能となる。また、こ
のように工具本体先端部のガイドパッドを着脱自在とし
た場合には、従来のろう付けによって固定されている場
合に比べ、ガイドパッドの取付安定性が損なわれること
は避けられない。特に、かかるガイドパッドは軸線回り
に回転される工具本体の外周に取り付けられるものであ
って、加工時には工具外周側に向けて遠心力を受けるこ
ととなるから、取付強度が不十分であると工具本体から
外れて脱落してしまうおそれが生じる。そこで、この着
脱可能とされるガイドパッドを、工具本体の外周部に形
成された凹溝に嵌装して取り付けるようにするととも
に、このガイドパッドおよび上記凹溝の断面形状を、上
記工具外周側に向かって先細り形状となるように形成す
れば、この断面先細り形状とされた凹溝にガイドパッド
を係合させることができ、遠心力が作用してもガイドパ
ッドの脱落を防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1ないし図4は、本発明を上述
したスローアウェイ式リーマに適用した場合の一実施形
態を示すものである。本実施形態において工具本体1は
軸線Oを中心とした長尺の略円柱状をなし、その後端部
には当該工具本体1を工作機械の主軸等に取り付けるた
めのフランジ2が装着されるとともに、先端部には超硬
合金製のリング3が取り付けられている。また、この工
具本体1の先端部には、この先端部の外周が軸線Oに直
交する断面において図3に示すようにL字状に切り欠か
れるようにしてチップポケット4が形成されるととも
に、このチップポケット4の工具回転方向T側を向く壁
面にはチップ取付座5が形成され、このチップ取付座5
にスローアウェイチップ6がその切刃7を工具外周側に
突出させてクランプネジ8により着脱自在に取り付けら
れている。
【0010】さらに、上記工具本体1の外周には、軸線
O方向において工具本体1の先端から上記フランジ2の
手前に至るように軸線Oに平行に延びる凹溝9が、該工
具本体1の周方向に複数条(本実施形態では7条)間隔
をあけて形成されている。ここで、これらの凹溝9…
は、それぞれ軸線O方向において工具本体1の先端から
工具後端側に向けて延びる先端側凹溝10と、この先端
側凹溝10との間に僅かな間隔をあけてさらに工具後端
側に延びる後端側凹溝11とから構成されており、かつ
図2に示されるように一部の凹溝9は、その上記先端側
凹溝10が他の凹溝9の先端側凹溝10よりも工具後端
側に長く延びて、この他の凹溝9の後端側凹溝11にオ
ーバーラップするように形成されている。そして、これ
らの凹溝9…には、それぞれ上記先端側凹溝10と後端
側凹溝11とに超硬合金等の硬質材料よりなるガイドパ
ッド12…,13…が取り付けられており、このうち各
先端側凹溝10…に取り付けられるガイドパッド12…
は、工具本体1に対して着脱可能とされている。
【0011】すなわち、本実施形態では、これらのガイ
ドパッド12…,13…のうち、上記先端側凹溝10に
着脱可能に取り付けられるガイドパッド12…は、本実
施形態では軸線O方向に分割された複数のパッド部材1
2A…が該軸線O方向に隙間なく連続させられて構成さ
れており、それぞれのパッド部材12A…が、工具外周
側からねじ込まれる一対のクランプネジ14,14によ
って先端側凹溝10に取り付けられることにより、上述
のように工具本体1に対して着脱可能とされる。また、
この先端側凹溝10は、その上記軸線Oに直交する断面
が略等脚台形状をなすように形成されて、工具外周側に
向かうに従い先細りとなる形状とされる一方、この先端
側凹溝10に取り付けられるガイドパッド12も、その
軸線Oに直交する断面が略等脚台形状とされて、同様に
工具外周側に向かうに従い先細りとなる形状とされ、工
具先端側から上記先端側凹溝10に嵌装された上で上記
クランプネジ14…により工具本体1に固定されてい
る。なお、これらガイドパッド12および先端側凹溝1
0の断面がなす上記等脚台形は、その両側斜辺が底辺に
直交する直線に対してなす傾斜角θが1°以上となるよ
うに形成されるのが望ましい。
【0012】また、本実施形態では、これらの先端側凹
溝10に取り付けられるガイドパッド12のうち、他の
凹溝9の先端側凹溝10よりも工具後端側に最も長く延
びるように形成された凹溝9の先端側凹溝10に取り付
けられるガイドパッド12は、上記スローアウェイチッ
プ6の切刃7の先端から当該ガイドパッド12の工具後
端側の端部までの軸線O方向の長さLが、この切刃7の
軸線O回りの回転直径Dに対して6×Dとなるように設
定されている。従って、本実施形態では、この工具本体
1に着脱可能に取り付けられるガイドパッド12は、切
刃7の上記回転直径Dに対して6×Dの長さの範囲に亙
って取り付けられることとなる。さらに本実施形態で
は、上記長さLと、凹溝9…のうち上記先端側凹溝10
が工具後端側に最も短く延びるように形成された凹溝9
において該先端側凹溝10に取り付けられるガイドパッ
ド12の工具後端側の端部までの長さとの差Mは、上記
切刃7の回転直径Dと同等か、それ以上となるように設
定されている。
【0013】一方、上記凹溝9のうちの後端側凹溝11
は、本実施形態ではその両側壁が互いに平行かつ底面に
直交し、軸線Oに直交する断面において工具外周側に向
けて開口する「コ」字状をなすように形成されるととも
に、この後端側凹溝11に取り付けられるガイドパッド
13…は、やはり軸線O方向に分割された複数のパッド
部材13A…から構成されて、上記後端側凹溝11に嵌
装可能な断面略長方形状に形成され、こうして後端側凹
溝11に嵌装された上でろう付けされて固定されてい
る。なお、これらのガイドパッド12…,13…の外周
面は、いずれも工具本体1に取り付けられた状態で軸線
Oに直交する断面において該軸線Oを中心とする同一径
の円弧状をなすように形成されている。ただし、本実施
形態では、上記凹溝9のうち先端側凹溝10に取り付け
られたガイドパッド12は、その外周面の断面がなす上
記円弧の軸線Oに対する直径が、上記スローアウェイチ
ップ6の切刃7の軸線O回りの回転直径Dと等しくなる
ように設定される一方、上記後端側凹溝11に取り付け
られたガイドパッド13は、その外周面の断面がなす上
記円弧の軸線Oに対する直径が、上記回転直径Dよりも
0.005mm以上小さくなるように設定されている。
【0014】このように構成されたリーマは、上記フラ
ンジ2が工作機械の主軸に取り付けられて、上記軸線O
回りに工具回転方向Tに回転されつつ該軸線O方向に工
具先端側に送り出され、例えばガンドリル等によって被
加工物に形成された深い下穴や、あるいは図5に示すよ
うにエンジンのシリンダヘッドにおいてカムシャフトを
装着する穴のように、被加工物Wに間隔をあけて配置さ
れた複数のリブR…を貫通するような下穴H1,H2
を、上記スローアウェイチップ6の切刃7によって所定
の内径に仕上げるのに用いられる。また、このリーマを
上記下穴H1,H2…の中心軸に沿って真っ直ぐに該下穴
1,H2…に挿入するために、図5に示すように最初の
下穴H1の開口部に臨んで、上記切刃7の回転直径Dと
等しい内径を有するブッシュBを配置するようにしても
よい。
【0015】しかるに、上記構成のリーマにおいては、
上記凹溝9…のうち工具先端側の先端側凹溝10…に取
り付けられるガイドパッド12…が、その外周面を切刃
7の上記回転直径Dと等しい外径の円弧状断面をなすよ
うにして配設されており、従って工具本体1は、上記切
刃7によってその回転直径Dと等しい内径に加工された
下穴H1,H2…に上記ガイドパッド12…が摺接するこ
とにより、上記軸線Oに沿って真っ直ぐに送り出される
こととなる。すなわち、図5に示すように複数のリブR
…に形成された下穴H1,H2…をブッシュBを用いて仕
上げ加工する場合、最初の下穴H1を加工するときに
は、工具本体1はガイドパッド12がブッシュBの内周
に摺接することによって軸線Oに沿って真っ直ぐに送り
出され、下穴H1が切刃7によってブッシュBの内周と
同軸かつ上記回転直径Dと同径に加工される。
【0016】次いで、工具本体1がさらに工具先端側に
送り出されて第2の下穴H2を加工するときには、上記
ガイドパッド12…は先に加工された最初の下穴H1
内周に摺接し、これにより工具本体1が軸線Oに沿って
真っ直ぐに案内されて、第2の下穴H2が最初の下穴H1
と同様に該下穴H1と同軸かつ回転直径Dと同径に加工
される。さらに、第3の下穴H3を加工するときには、
上記ガイドパッド12…は先に最初の下穴H1と同軸か
つ同径に加工された第2の下穴H2に摺接して工具本体
1を案内し、このような加工が繰り返されることによ
り、すべての下穴H 1,H2…が同軸かつ同径に仕上げ加
工される。なお、このような間隔をおいたリブRに形成
された複数の下穴H1,H2…ではなく、連続する下穴の
加工を行う場合でも、同様に工具本体1は、先に切刃7
によって回転直径Dに加工された部分にガイドパッド1
2…が摺接することにより、軸線Oに沿って真っ直ぐに
案内され、これによって該下穴は上記回転直径Dと等し
い内径で真っ直ぐに仕上げられることとなる。
【0017】このように、上記リーマにあっては、工具
本体1の先端側に取り付けられたガイドパッド12…が
ブッシュBや下穴H1,H2…に摺接することによって工
具本体1が軸線Oに沿って案内され、これら下穴H1
2…を真っ直ぐに仕上げ加工して行く。そして、上記
構成のリーマにおいては、この工具先端側のガイドパッ
ド12…が着脱可能に工具本体1に取り付けられている
ので、上記ブッシュBや下穴H1,H2…との摺接によっ
てこれらのガイドパッド12…に摩耗が生じたりしたと
きには、この摩耗したガイドパッド12…を取り外して
新たなガイドパッド12…に交換することにより、速や
かに工具本体1の直進性を回復することができ、摩耗し
たガイドパッド12…を工具本体1ごと廃棄したりする
ことなく、再び高精度の仕上げ加工を図ることができ
る。従って、上記構成のリーマによれば、工具本体1を
より長期に渡って有効利用することが可能であり、低コ
スト化を促すとともに資源の浪費を避けることができ
る。
【0018】ここで、この着脱可能とされるガイドパッ
ド12…は、その切刃7の先端からの軸線O方向の長さ
Lが短すぎると、連続する下穴を加工する場合はまだし
も、図5に示したように間隔をあけたリブR…の下穴H
1,H2…を加工する場合などにおいては、互いに隣り合
うリブR,Rの間に上記ガイドパッド12…が抜け出し
てしまい、先に加工された下穴にガイドパッド12…を
摺接させて工具本体1を案内することができなくなるお
それが生じる。従って、このガイドパッド12…の長さ
Lは、このような加工の際のリブR…の間隔に応じて設
定されるべきであるが、本実施形態のようにこの着脱可
能なガイドパッド12…を切刃7の軸線O回りの回転直
径Dに対して少なくとも6×Dの長さに渡る範囲に配設
しておけば、一般的な上記リブR…間の加工に対しては
十分に対応することができ、上述のような高い直進性を
工具本体1に確保することが可能となる。
【0019】ただし、その外周が切刃7の回転直径Dと
等しい外径の円弧をなす上記ガイドパッド12…が、工
具本体1の全長に亙って配設されていると、特に連続す
る下穴を加工する場合などにおいて該下穴との摺接によ
る加工時の抵抗の増大やガイドパッド12…の著しい摩
耗を生じるおそれがあるので、上記着脱可能なガイドパ
ッド12…の長さLは、上記切刃7の回転直径Dに対し
て12×Dまでの範囲に抑えられるのが望ましい。
【0020】また、本実施形態では、工具本体1の外周
に形成された凹溝9において、この着脱可能なガイドパ
ッド12…が取り付けられる先端側凹溝10の工具後端
側に後端側凹溝11が形成され、この後端側凹溝11に
も超硬合金よりなるガイドパッド13が、ろう付けされ
て取り付けられている。しかるに、このガイドパッド1
3は、本実施形態ではその外周が切刃7の回転直径Dよ
りも小さな外径の円弧状をなすものであるから、通常の
加工時には下穴H1,H2…に接することはなく、上述の
ような抵抗の増大や摩耗が生じたりすることはない反
面、工具本体1の案内に寄与することもないのである
が、このようなガイドパッド13を設けることによって
工具本体1の剛性が向上するため、加工時の工具本体1
の直進性をさらに確保するとともに、万一工具本体1に
振れが生じたりしたときでも、このガイドパッド13が
下穴H1,H2…等に接触することにより、振れが拡大す
るのを抑えることができるという利点が得られる。
【0021】なお、本実施形態では、このろう付けされ
たガイドパッド13の外周面の断面がなす上記円弧の軸
線Oに対する直径が、切刃7の上記回転直径Dよりも
0.005mm以上小さくなるように設定されているが、
これは、この切刃の回転直径Dとガイドパッド13の外
周面の円弧の上記直径との差が0.005mmを下回るほ
ど小さいと、通常の加工の際にも該ガイドパッド13の
外周が下穴等に摺接してしまい、抵抗の増大や当該ガイ
ドパッド13の摩耗を招くおそれがあるからである。た
だし、その一方で、このろう付けされたガイドパッド1
3の外径が上記回転直径Dに対して小さすぎてその差が
大きくなりすぎると、上述した振れの抑制効果が十分に
奏功されなくなるとともに、このガイドパッド13が配
設される部分において工具本体1自体の外径が小さくな
り、却ってその剛性が損なわれるおそれが生じる。この
ため、上記着脱可能なガイドパッド12の工具後端側に
設けられるガイドパッド13の外周がなす円弧の直径
は、切刃7の上記回転直径Dに対して0.05mm〜0.
030mmの範囲で小さくなるように設定されるのが望ま
しい。
【0022】さらに本実施形態では、これらのガイドパ
ッド12…,13…を取り付けるために工具本体1に形
成される凹溝9が、上記着脱可能なガイドパッド12が
取り付けられる先端側凹溝10と、上記ガイドパッド1
3がろう付けされる後端側凹溝13とに分割されてい
て、しかも一部の凹溝9においては上記先端側凹溝10
が他の凹溝9の先端側凹溝10よりも工具後端側に長く
形成されており、従ってこれらの凹溝9…間で先端側凹
溝10の長さの異なる部分では、上記一部の凹溝9の着
脱可能なガイドパッド12と、他の凹溝9のろう付けさ
れたガイドパッド13とが配設されることとなる。すな
わち、本実施形態のリーマにおいては、切刃7の回転直
径Dと等しい外径の着脱可能なガイドパッド12とこの
回転直径Dよりも小さな外径のろう付けされたガイドパ
ッド13とがオーバーラップする部分が設けられること
となるので、軸線O方向においてこれらのガイドパッド
12,13の間に該ガイドパッド12,13が存在しな
い部分が生じるのを避けて、工具本体1の送り出しや加
工後の引き戻しを円滑に行うことが可能となる。
【0023】なお、本実施形態ではこのガイドパッド1
2,13がオーバーラップする部分の軸線O方向の長
さ、すなわち各凹溝9…の先端側凹溝10…のうち、工
具後端側に最も長く延びる上記先端側凹溝10に取り付
けられた着脱可能なガイドパッド12の長さLと、工具
後端側に最も短く延びる先端側凹溝10に取り付けられ
たガイドパッド12の長さとの差Mは、上述のように上
記切刃7の回転直径Dと同等か、それ以上となるように
設定されているが、これは、このオーバーラップする部
分の長さが切刃7の回転直径Dよりも短いと、各凹溝9
…のガイドパッド12,13同士の間に間隔をあけられ
た部分が軸線O方向に近接してしまい、特に加工後に工
具本体1を引き戻す際に、この部分が加工された下穴に
引っ掛かってしまうおそれがあるからである。その一方
で、このオーバーラップ量が大きすぎると、上記一部の
凹溝9に取り付けられる着脱可能なガイドパッド12が
必要以上に長くなりすぎたり、逆に上記他の凹溝9の着
脱可能なガイドパッド12が短くなりすぎてしまうおそ
れがあるので、このオーバーラップ量、すなわち上記ガ
イドパッド12…の長さの差Mは、上記切刃7の回転直
径Dに対してD〜1.5×Dの範囲に設定されるのが望
ましい。
【0024】一方、本実施形態のリーマでは、上記ガイ
ドパッド12…がクランプネジ14によって工具本体1
に取り付けられて着脱可能とされており、他の手段、例
えばクサビ部材などを用いた場合に比べ、着脱操作が容
易であるとともに部品数も少なくて済むという利点を有
している。そして、本実施形態では、この着脱可能なガ
イドパッド12が取り付けられる上記先端側凹溝10が
断面台形状とされて工具外周側に向けて先細りとなるよ
うに形成されるとともに、ガイドパッド12も断面台形
状の先細り形状とされて上記先端側凹溝10に嵌装され
て取り付けられていて、工具外周側に向けてガイドパッ
ド12が先端側凹溝10に係合することとなるので、ガ
イドパッド12の取付強度の向上を図ることができ、加
工時の工具本体1の回転によりガイドパッド12…に工
具外周側に向けて遠心力が作用しても、これに抗してガ
イドパッド12を確実に保持し、ガイドパッド12の脱
落等を防いで安定した加工を図ることが可能となる。
【0025】なお、本実施形態では、これらガイドパッ
ド12および先端側凹溝10の断面がなす上記等脚台形
を、その両側斜辺が底辺に直交する直線に対してなす傾
斜角θが1°以上となるように形成しているが、これ
は、この傾斜角θが1°を下回るほど小さいと、上記両
側斜辺が平行に近くなりすぎて工具外周側に向けてのガ
イドパッド12の先端側凹溝10への係合が弱くなり、
取付強度の十分な向上を図ることができなくなるおそれ
があるからである。ただし、その一方で、この傾斜角θ
を大きくしすぎると、ガイドパッド12の外周面の幅を
一定とした場合には、先端側凹溝10の底面およびガイ
ドパッド12の台形断面の底辺の幅が大きくなりすぎ、
必要な数のガイドパッド12…を工具本体1に取り付け
ることができなくなるおそれが生じる。このため、この
傾斜角θは、1°〜20°の範囲に設定されるのが望ま
しい。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
工具本体の先端部側に設けられて該工具本体を案内する
ガイドパッドが着脱可能とされているので、このガイド
パッドが工具本体を案内する際にブッシュや下穴の内周
に摺接することによって摩耗しても、該ガイドパッドを
交換することによって容易かつ速やかに工具本体の直進
性を回復して、高精度の加工を行うことができる。この
ため、工具本体自体を廃棄したりすることなくその有効
利用を図ることができ、経済的であるとともに資源の浪
費を避けることができる。また、この着脱可能なガイド
パッドの後端側にろう付けされて取り付けられるガイド
パッドを設けることによって工具本体の剛性が向上する
ため、加工時の工具本体の直進性をさらに確保するとと
もに、万一工具本体に振れが生じたりしたときでも、こ
のガイドパッドが下穴等に接触することにより、振れが
拡大するのを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す側面図である。
【図2】 図1に示す実施形態の工具先端側の拡大側面
図である。
【図3】 図1に示す実施形態を工具先端側から見た正
面図である。
【図4】 図2におけるZZ断面図である。
【図5】 図1に示す実施形態を用いて、間隔をあけて
配置された複数のリブR…を貫通する下穴H1,H2…を
加工する場合を示す図である。
【符号の説明】
1 工具本体 6 スローアウェイチップ 7 切刃 9 凹溝 10 先端側凹溝 11 後端側凹溝 12 着脱自在とされたガイドパッド 13 ろう付けされたガイドパッド 14 クランプネジ O 工具本体1の軸線 D 切刃の回転直径 L 切刃7の先端から、工具後端側に最も長く延びる先
端側凹溝10に取り付けられたガイドパッド12の工具
後端側の端部までの軸線O方向の長さ M 長さLと、工具後端側に最も短く延びる先端側凹溝
10に取り付けられたガイドパッド12の工具後端側の
端部までの長さとの差(ガイドパッド12,13のオー
バーラップ量) W 被加工物 R リブ H1,H2… 下穴 B ブッシュ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平1−60823(JP,U) 実開 昭62−42916(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23D 77/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線回りに回転される略円柱状の工具本
    体の先端部に、切刃が工具外周側に突出されて設けられ
    てなるリーマにおいて、上記工具本体の外周部には、工
    具外周側に突出して上記軸線方向に延びるガイドパッド
    が設けられており、このガイドパッドのうち上記工具本
    体の先端側の部分が着脱可能とされ、その外周面の断面
    がなす円弧の上記軸線に対する直径が上記切刃の軸線回
    りの回転直径と等しくなるように設定される一方、後端
    側の部分のガイドパッドはろう付けされて固定され、そ
    の外周面の断面がなす円弧の上記軸線に対する直径が上
    記回転直径よりも0.005mm以上小さくなるように設
    されているとともに、上記工具本体の外周には、上記
    軸線に平行に延びる凹溝が、該工具本体の周方向に複数
    条間隔をあけて形成されて、これらの凹溝は、上記工具
    本体の先端側の部分の着脱可能なガイドパッドが取り付
    けられる先端側凹溝と、上記後端側の部分のガイドパッ
    ドが嵌挿された上でろう付けされる後端側凹溝とに分割
    されていて、一部の凹溝においては上記先端側凹溝が他
    の凹溝の先端側凹溝よりも工具後端側に長く形成されて
    おり、これらの凹溝間で先端側凹溝の長さの異なる部分
    では、上記一部の凹溝の着脱可能なガイドパッドと、他
    の凹溝のろう付けされたガイドパッドとが配設されてい
    ることを特徴とするリーマ。
  2. 【請求項2】 着脱可能とされる上記ガイドパッドは、
    上記切刃の先端から、この切刃の上記軸線回りの回転直
    径Dに対して少なくとも6×Dの長さに渡る範囲に配設
    されていることを特徴とする請求項1に記載のリーマ。
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