JP3166601B2 - スローアウェイ式ドリルおよびスローアウェイチップ - Google Patents

スローアウェイ式ドリルおよびスローアウェイチップ

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JP3166601B2
JP3166601B2 JP07489396A JP7489396A JP3166601B2 JP 3166601 B2 JP3166601 B2 JP 3166601B2 JP 07489396 A JP07489396 A JP 07489396A JP 7489396 A JP7489396 A JP 7489396A JP 3166601 B2 JP3166601 B2 JP 3166601B2
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triangular
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドリル本体の先端
に略三角形板状のスローアウェイチップ(以下、チップ
と称する。)が着脱自在に装着されたスローアウェイ式
ドリル(以下、ドリルと称する。)、およびこのような
ドリルに用いて最適なチップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のチップおよびドリルとしては、
例えば特開平4−269108号公報に記載されたもの
が知られている。この公報に記載されたドリルは、軸線
回りに回転されるドリル本体の先端部に形成されたチッ
プ取付座に、正三角形板状をなし、その一の三角形面と
一の側面との稜線部に切刃が形成されたネガティブチッ
プが、上記三角形面をすくい面としてドリル回転方向側
に向け、かつ上記一の側面を先端逃げ面としてドリル本
体の先端側に向けて着脱自在に装着されたものであり、
上記切刃には負の径方向すくい角が与えられているとと
もに、その内周側の部分は、上記チップ取付座への着座
面となる他の三角形面側に向けて、すなわちドリル回転
方向の後方側に向けて、凸状に湾曲するように形成され
ている。なお、すくい面とされる上記一の三角形面の縁
部にはブレーカ溝が形成されている。しかるに、このよ
うな構成のドリルによれば、切刃の内周側が上述のよう
に凸状に湾曲形成されているため、特に大きな切削負荷
が作用するドリルの回転中心部近傍において、高い切刃
強度を得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記ドリル
においては、その上記チップが、上記三角形面と側面と
が直交する方向に形成されたネガティブチップであるた
め、逃げ面とされる上記一の側面と、上記切刃の外周側
においてこの一の側面に隣接する他の一の側面との交差
稜線部も、すくい面とされる上記三角形面および上記切
刃に対して直交する方向に形成されることとなる。従っ
て、切刃によって形成された加工穴の内周からこの交差
稜線部を逃がすために、上記ドリルでは切刃に負の径方
向すくい角を与えているのであるが、このような構成を
採った場合、上記チップは、上記切刃の外周端における
上記三角形面の角部でのみ、加工穴の内周と接触するこ
ととなり、このためドリルの送りを速くした場合などに
は、加工穴の内周面の仕上げ面粗度が損なわれることが
避けられない。また、このようにチップと加工穴とがチ
ップの角部でしか接触していないことから、径方向の振
れに対するドリルの案内性が損なわれ易く、直進精度の
高い穴加工を行うことが困難ともなる。
【0004】さらに、上記切刃の外周側の端部において
は、すくい面とされる三角形面の角部が鋭角となるた
め、たとえ当該チップがネガティブチップであったとし
ても、その強度が不十分となることが免れず、切刃に欠
損等が生じ易いという問題もある。一方、このようなド
リルによる削孔においては、切刃の各部位の軸線に対す
る回転径の違いから、切刃の外周側では内周側よりも切
屑が長く生成されることとなる。しかしながら、上記チ
ップにおいては、すくい面とされる三角形面の縁部に切
屑処理のためのブレーカ溝が形成されてはいるものの、
このブレーカ溝は切刃の全長に渡って均一なものであ
り、特に切刃の外周側において生成される切屑に対して
効率的な切屑処理を行うには、不十分といわざるを得な
い。
【0005】本発明は、このような事情を鑑みて為され
たもので、切刃の内周側における強度を維持しつつ、加
工穴の内周面の仕上げ面粗度を向上させることができ、
また切刃の外周端における強度を十分に確保することが
でき、さらにはより効率的な切屑処理を図ることが可能
なドリル、およびそのようなドリルに用いて最適なチッ
プを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、か
かる目的を達成するために、本発明の請求項1に係るド
リルは、そのチップを略三角形の平板状として、その一
の三角形面をすくい面としてドリル回転方向側に向ける
とともに、一の側面を先端逃げ面としてドリル先端側に
向け、かつこれらすくい面と逃げ面との稜線部に形成さ
れた切刃が、その一端を上記ドリル本体先端の回転中心
近傍に位置させるとともに他端を外周に位置させるよう
にして配置し、上記切刃の一端側の部分を、該一端側に
向かうに従い凸状をなしてドリル回転方向後方側に向か
うように形成する一方、上記切刃の他端部においては、
上記一の側面とこれに隣接する他の一の側面との交差稜
線部に、上記軸線を中心とした円筒面を該軸線方向に延
びるように形成し、穴加工時に上記円筒面が加工穴の内
周面に摺接するようにしたたことを特徴とするものであ
る。
【0007】また、本発明の請求項5に係るチップは、
略三角形の平板状をなし、その一の三角形面をすくい面
とするとともに一の側面を逃げ面とし、かつこれらすく
い面と逃げ面との稜線部に切刃を形成してなり、この切
刃の一端側の部分を、該一端側に向かうに従い凸状をな
して他の三角形面側に向かうように形成する一方、上記
切刃の他端側の部分においては、上記一の側面とこれに
隣接する他の一の側面との交差稜線部に、上記一の三角
形面から上記他の三角形面側に向けて凸状をなす円筒面
を、上記一の側面から他の一の側面に延びるように形成
したことを特徴とする。
【0008】しかるに、このように構成されたチップ、
および該チップを装着した上記ドリルによれば、ドリル
先端の回転中心近傍に配置される切刃の一端側の部分
が、この一端側に向かうに従い凸状をなして他の三角形
面側、すなわちドリル回転方向後方側に向かうように形
成されているので、その切刃強度を確実に維持すること
ができる。そして、その一方で、ドリルの外周に配置さ
れる切刃の他端側においては、この外周側に位置するチ
ップの側面同士の交差稜線部に、凸状をなす円筒面が、
チップの一の三角形面から上記他の三角形面側に向けて
延びるように、すなわちドリルの軸線方向に延びるよう
に形成されており、ドリルにおいてはこの円筒面をドリ
ル回転軸線を中心としたものとすることにより、ドリル
が加工穴を削孔する際に、この円筒面がマージン部とし
て加工穴の内周面に摺接することとなり、バニシング効
果が生じて加工穴の内周面を平滑に仕上げることが可能
となる。
【0009】また、このように凸状の円筒面が形成され
ることにより、切刃の他端側の角部においてチップの厚
さ方向のチップの肉厚を大きくすることができ、しかも
この円筒面は、チップの一の側面から他の一の側面に延
びるように、すなわちドリルにあってはその軸線方向に
延びるように形成されているので、この切刃の他端側に
おける切刃強度を確保して、欠損等の防止を図ることも
できる。ここで、この切刃の他端側における切刃強度の
一層の向上を図るには、上記円筒面を切刃に対して鈍角
に交差する方向に形成するのが望ましい。この場合、当
該ドリルにおいては切刃に負の径方向すくい角が与えら
れることとなるので、より一層の切刃強度の向上が促さ
れることともなる。
【0010】一方、ドリルによる削孔の際に切刃の外周
側で長く生成される切屑の効率的な処理を図るため、ド
リルにおいては、上記すくい面の切刃側の縁部に、ドリ
ル本体の内周側から外周側に向けて漸次幅広となった
り、漸次深溝となったりするブレーカ溝を形成するのが
望ましく、このような構成を採った場合、切刃の外周側
においてより大きなチップブレーカ作用が生じるので、
長く生成される切屑を確実かつ効率的に処理することが
できる。また、チップにおいても、そのすくい面の切刃
側の縁部に、該切刃の上記一端側から他端側に向けて漸
次幅広となったり、深溝となったりするブレーカ溝を形
成するのが望ましく、かかる構成を採ったチップは、上
記ドリルに用いる場合以外にも、例えばスローアウェイ
式バイトに装着して被削材の旋削加工を行なう場合など
においても同様の作用効果を奏する。
【0011】さらに、チップにおいては、上記一の三角
形面の反対側の他の三角形面と、上記一の側面に上記切
刃の他端側において隣接する他の一の側面との稜線部
に、この他の三角形面をすくい面とするとともに他の一
の側面を逃げ面とする他の切刃を形成し、かつ上記一の
側面と他の一の側面との交差稜線部に、上記切刃に対し
て所定の角度で交差する方向に形成された第1の上記円
筒面と、上記他の切刃に対して上記所定の角度と等しい
角度で交差する方向に形成された第2の上記円筒面とを
形成するようにすれば、一つのチップに上記切刃と他の
切刃との二つの切刃を具備せしめて2回の使い回しを可
能とすることができるとともに、これらの切刃を使用す
る際に、使用する切刃に対するそれぞれの円筒面の角度
を等しくして、同一の使用状態を再現することができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】図1ないし図3は、本発明のドリ
ルの一実施形態を示すものである。これらの図において
ドリル本体1は軸線Oを中心とする略円柱状に形成され
ており、その先端部外周には、ドリル本体1の先端に開
口して軸線O回りにドリル回転方向Tの後方側に捩れつ
つ基端側に向かう一対の切屑排出溝2,2が、軸線Oを
挟んで形成されている。また、このドリル本体1の内部
には、その基端面1Aから軸線Oに沿ってシャンク1B
の部分を通って先端側に延び、先端部近傍において分岐
してドリル本体1の先端面1Cに開口する潤滑冷却剤等
の供給路3が形成されている。さらに、上記切屑排出溝
2,2のそれぞれ先端部には、そのドリル回転方向T側
を向く内壁面に、ドリル回転方向Tの後方側に一段凹む
ようにしてチップ取付座4,4が形成されており、これ
らのチップ取付座4,4に、図4ないし図9に示すよう
な本発明の一実施形態のチップ5がそれぞれ取り付けら
れている。
【0013】このチップ5は、超硬合金等の硬質材料に
より、略正三角形平板状(より厳密には等脚台形平板
状)に形成されてなるネガティブチップであって、その
二つの三角形面6,6の中央部には、チップ5をその厚
さ方向に貫くように取付穴7が形成されている。そし
て、上記三角形面6,6のうち一方の三角形面6Aと、
これら三角形面6,6に直交するチップ5の3つの側面
8…のうちの一の側面8Aとの稜線部には第1の切刃9
Aが、また、他方の三角形面6Bと他の一の側面8Bと
の稜線部には第2の切刃9Bが、それぞれ形成されてい
る。また、両三角形面6A,6Bと残りの一の側面8C
との稜線部には、それぞれ面取り部10,10が形成さ
れている。
【0014】ここで、上記一方の三角形面6Aにおいて
上記側面8Aと側面8Cとが交差する角部11Aの部分
は、該角部11A側に向かうに従い凸状の円筒面を描き
つつ全体的に他方の三角形面6B側に向かって湾曲する
ように形成されており、これに伴い該角部11A側に位
置する上記第1の切刃9Aの一端部9aも、該一端部9
a側に向かうに従い他方の三角形面6B側に向けて凸曲
線状に湾曲するように形成されている。また、他方の三
角形面6B側における上記側面8Bと側面8Cとの角部
11Bは、凸状の円筒面を描きつつ一方の三角形面6A
側に湾曲形成され、これにより上記第2の切刃9Bの一
端部9aは、一方の三角形面6A側に向けて凸曲線状に
湾曲形成されることとなる。
【0015】一方、上記第1、第2の切刃9A,9Bの
他端9b,9b側においては、上記一の側面8Aと他の
一の側面8Bとの交差稜線部12が、一方の三角形面6
Aから他方の三角形面6Bにかけて切り欠かれており、
これによって該交差稜線部12における両三角形面6
A,6Bの角部11C,11Dが上記残りの一の側面8
Cに平行な方向に延びるように形成されることにより、
上述のように当該チップ5はより厳密には等脚台形平板
状に形成されることとなる。そして、この切り欠かれた
交差稜線部12には、上記一方の三角形面6A側に第1
の円筒面13Aが、また上記他方の三角形面6B側に第
2の円筒面13Bが形成されている。ここで、これらの
円筒面13A,13Bは、互いに三角形面6A,6Bの
一方から他方に向けて、すなわちチップ5の厚さ方向に
向けて、それぞれチップ5の外側に膨らむ凸状をなすよ
うに湾曲形成されるとともに、いずれも上記一の側面8
Aと他の一の側面8Bとの間に渡って形成されている。
【0016】ここで、これら第1、第2の円筒面13
A,13Bは、図5および図6に示すようにチップ5の
上記側面8Cに平行で、かつ側面8A,8Bに対向する
方向から見て、それぞれ切刃9A,9Bの他端9b,9
bにおいて第1、第2の切刃9A,9Bに対して、互い
に等しくかつ鈍角をなす角度θで交差するように形成さ
れている。さらに、本実施形態ではこれら第1、第2の
円筒面13A,13Bのチップ厚さ方向の幅は、図7に
示すように、第1の円筒面13Aが側面8A側から側面
8B側に向かうに従い漸次幅広となるように、また第2
の円筒面13Bは側面8B側から側面8A側に向かうに
従い漸次幅広となるようにそれぞれ設定されており、こ
れにより、これら第1の円筒面13Aと第2の円筒面1
3Bとがなす交差稜線Sは、側面8A側から側面8B側
に向けて三角形面6A側から三角形面6B側に向かうよ
うに傾斜して形成されることとなる。
【0017】さらにまた、本実施形態では、上記チップ
5の三角形面6A,6Bの切刃9A,9B側の縁部に、
それぞれ該切刃9A,9Bに沿うようにしてブレーカ溝
14,14が形成されている。このブレーカ溝14は、
図9に示すように切刃9に直交する断面においてその底
面14Aが円弧状をなすものであり、その溝幅Wは切刃
9に沿ってその一端部9aから他端9b側に向かうに従
い漸次幅広となるように形成されるとともに、その溝深
さDも切刃9の一端部9aから他端9b側に向かうに従
い漸次深くなるように形成されている。
【0018】このように構成された本実施形態のチップ
5は、その三角形面6A,6Bの一つをすくい面として
ドリル回転方向T側に向けるとともに、このすくい面と
される三角形面6に切刃9を介して隣接する側面8を先
端逃げ面としてドリル先端側に向け、かつ、この切刃9
が、その上記一端部9aをドリル本体1先端のドリル回
転中心近傍に位置させ、また他端9bがドリル本体1の
先端部の外周側に突出するように位置させて上記チップ
取付座4,4に装着され、さらに上記取付穴7に挿通さ
れたクランプネジ15によってドリル本体1に固定さ
れ、これにより上記実施形態のドリルが構成される。こ
こで、本実施形態のドリルにおいてチップ5は、上記残
りの一の側面8Cが上記軸線Oに平行となるように、ま
たドリル先端に配される上記切刃9に負の軸方向すくい
角および負の径方向すくい角が与えられるように配置さ
れている。なお、両チップ取付座4,4に装着されるチ
ップ5,5は互いに同大同形状のものであって、軸線O
について対称に取り付けられており、このため両チップ
5,5のドリル先端に位置する切刃9,9がなす先端角
は略120°に設定されることとなる。
【0019】そして、さらに本実施形態のドリルおよび
チップ5においては、該チップ5の上記第1、第2の円
筒面13A,13Bのうちドリル先端に配される切刃9
に交差する円筒面13が、上記軸線Oを中心とし、かつ
軸線Oから切刃9の他端9bまでの距離、すなわち当該
ドリルの切刃9の半径Rを半径とする円筒面となるよう
に形成されており、従ってこの円筒面13は、当該ドリ
ルの外周面にあって軸線O方向に延び、逃げ角が付され
ないマージン部を形成することとなる。なお、上記切刃
9には負の径方向すくい角が与えられているため、上記
マージン部となる円筒面13は軸線O方向先端側から見
て、図3に示すように切刃9の外周端となる他端9bを
通り切刃9に直交する仮想線Lよりも、ドリル外周側に
湾曲するように配されることとなり、これに従って本実
施形態では当該円筒面13が上述のように切刃9に対し
て鈍角をなす角度θで交差することになる。
【0020】しかるに、このように構成されたドリルに
おいては、まずチップ5,5に形成された切刃9,9の
一端部9aが、すくい面とされる三角形面6側から反対
側の三角形面6側に向けて凸状をなすように形成されて
おり、従ってこの切刃9の一端部9aをドリル回転中心
近傍に位置させてチップ5,5が装着されることによ
り、該一端部9aは、ドリル回転方向T後方側に凸状と
なすこととなる。このため、削孔時に特に大きな切削負
荷が作用するドリル回転中心近傍において、高い切刃強
度を得ることができ、この一端部9aにおける切刃9の
欠損を未然に防止することができる。
【0021】そして、その一方で、切刃9の他端9b側
(ドリルの外周側)においては、切刃9に交差する円筒
面13が、チップ5の上記交差稜線部12に軸線O方向
に延びるように形成されているので、ドリル本体1をそ
の軸線O回りに回転させつつ該軸線O方向に送って被削
材を削孔する際、切刃9,9によって形成された加工穴
の内周面に、この円筒面13がマージン部として摺接し
ながら削孔が進められることとなる。従って、上記構成
のドリルによれば、この円筒面13によるバニシング効
果によって加工穴の内周面が平滑に仕上げられるととも
に、ドリル先端部が両チップ5,5の円筒面13,13
により加工穴に沿って案内されるように前進させられる
こととなるので、高い仕上げ面粗度と直進性とを有する
加工穴を得ることが可能となる。
【0022】また、上記構成のチップ5を装着したドリ
ルでは、チップ5の上記円筒面13が切刃9の他端9b
(外周端)において切刃9に鈍角をなす角度θで交差す
るように形成されており、この円筒面13が軸線O方向
に延びていることとも相俟って、該切刃9の他端9bに
おけるチップ5のドリル回転方向Tの肉厚を十分に確保
して高い切刃強度を与えることができ、この他端9bに
おいて切刃9に欠損が生じたりするような事態を防止す
ることができる。従って上記構成のドリルのよれば、上
述のように切刃9の一端部(内周端部)9aにおいても
切刃強度が確保されることと、さらに切刃9に負の径方
向すくい角および軸方向すくい角が与えられることとに
より、切刃9の全体についてその強度の向上を図ること
ができ、このため高速送りを行なう場合などにも十分に
対応し得て、効率的な削孔を促すことが可能となる。
【0023】さらに、上記チップ5においては、そのす
くい面とされる三角形面6の切刃9側の縁部に、該切刃
9に沿ってブレーカ溝14が形成されており、このブレ
ーカ溝14は、切刃9の他端9b側(ドリルの外周側)
に向けて漸次幅広かつ深溝となるように形成されてい
る。従って、かかるチップ5を装着した上記ドリルにお
いては、特にその回転径の相違により切刃9の外周側で
長く生成される切屑に対し、強いチップブレーカ作用を
与えることができるので、このような長い切屑を確実に
分断して効率的な切屑処理を図ることが可能となる。
【0024】なお、本実施形態のチップ5では上述のよ
うにこのブレーカ溝14を切刃9の他端9b側に向けて
幅広かつ深溝となるように形成しているが、例えばこれ
を、溝深さを一定として溝幅が漸次幅広となるように形
成したり、あるいは溝幅を一定として溝深さが漸次深く
なるように形成しても、ドリル外周側におけるチップブ
レーカ作用を強めることは可能である。しかしながら、
より確実かつ効率的な切屑処理を図るには、当該ブレー
カ溝14は、本実施形態のように溝幅Wおよび溝深さD
が、ともに切刃9の他端9b側に向けて大きくなるよう
に形成されるのが望ましい。
【0025】一方、本実施形態のチップ5では、各一対
の三角形面6A,6Bと側面8A,8Bとの稜線部にそ
れぞれ切刃9A,9Bが形成されているため、一つのチ
ップ5で2回の使い回しができ、しかも上記側面8A,
8Bの交差稜線部12には、これらの切刃9A,9Bの
他端9b,9bに互いに等しい角度θでそれぞれ交差す
るように上記円筒面13A,13Bが形成されているの
で、切刃9A,9Bの一方を使いきった後に他方を使用
しようとした場合でも、切刃9と円筒面13との位置関
係が変化することがない。このため、切刃9A,9Bの
いずれを使用する場合においても、同一の使用状態を維
持することが可能であり、すなわち上述の作用効果を等
しく奏することができる。
【0026】なお、本実施形態のチップ5では上記円筒
面13A,13Bが切刃9A,9Bに対して鈍角に交差
するように形成されており、このため両円筒面13A,
13Bは互いに、一方の円筒面13の周方向の延長曲面
に対して他方の円筒面13はその径方向内側に配置され
ることとなる。従って、上述のように切刃9A,9Bの
いずれを使用する場合においても、マージン部として加
工穴に摺接する一方の円筒面13に対し、他方の円筒面
13と加工穴の内周面との間には逃げが画成されるの
で、この他方の円筒面13が加工穴に干渉することはな
い。また、本実施形態のチップ5およびドリルでは、切
刃9の一端部9aが、該一端部9a側に向かうに従い他
方の三角形面6B側に向け、すなわちドリル回転方向T
の後方側に向け、凸曲線状に湾曲するように形成されて
いるが、この切刃9の一端部9aが凸状に形成されるの
であれば、このような曲線状に限ることなく、例えば短
い直線を凸状に連ねて該一端部9aを形成するようにし
てもよい。
【0027】ところで、上記の説明においては、本実施
形態のチップ5をドリルに装着した場合について説明し
たが、本発明に係る上記実施形態のチップ5は、例えば
スローアウェイ式ボーリングバーのような他の種の穴加
工工具や、あるいは旋削加工に用いられるスローアウェ
イ式バイトのチップとしても使用可能であり、上記穴加
工工具のチップとして用いた場合には、上述の円筒面1
3によるバニシング効果が同様に得られる他、旋削加工
用のチップとして用いた場合でも、切刃9の両端9a,
9bにおける強度の向上を図ることができる。また、該
チップ5を深切り込みの旋削加工に用いる場合などにお
いては、その一端部9aを回転する被削材の内周側(切
り込み方向側)に位置させるとともに他端9bを外周側
に位置させることにより、回転径の相違によって被削材
の外周側で長く生成される切屑に対し、上記ブレーカ溝
14によってドリルの場合と同様に効率的な切屑処理を
促すことができる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のチップに
おいては、切刃の一端部が凸状に形成される一方、切刃
の他端部側には凸状をなす円筒面が隣接する側面間に渡
って形成されており、従って該チップを装着した本発明
のドリルによれば、上記切刃の一端部をドリル本体の内
周側に配置するとともに他端を外周側に位置させること
により、ドリル内周側での切刃強度を維持しつつ、上記
円筒面を軸線方向に延びるマージン部として加工穴の内
周面に摺接させて、加工穴の仕上げ面粗度と直進性の向
上を図ることができる。また、上記円筒面を上記切刃に
対して鈍角に交差する方向に形成することにより、切刃
の他端における強度をも確実に確保することができ、さ
らに上記切刃に沿って、その他端側に向かうに従い漸次
幅広となったり、深溝となったりするブレーカ溝を形成
することにより、切屑の効率的な処理を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のドリルの一実施形態を示す平面図であ
る。
【図2】図1に示すドリルの先端部の側面図である。
【図3】図1に示すドリルの先端部の正面図である。
【図4】本発明のチップの一実施形態を示す平面図であ
る。
【図5】図4に示すチップ5の矢線A方向視の正面図で
ある。
【図6】図4に示すチップ5の矢線B方向視の背面図で
ある。
【図7】図4に示すチップ5の矢線C方向視の側面図で
ある。
【図8】図4に示すチップのDD断面図である。
【図9】図4に示すチップのEE断面図である。
【符号の説明】
1 ドリル本体 2 切屑排出溝 4 チップ取付座 5 チップ 6(6A,6B) チップ5の三角形面 8(8A,8B,8C) チップ5の側面 9(9A,9B) 切刃 9a 切刃9の一端部 9b 切刃9の他端 11A,11B,11C,11D 三角形面6の角部 12 側面8A,8Bの交差稜線部 13(13A,13B) 円筒面 14 ブレーカ溝 O ドリルの回転軸線 R 切刃9の回転半径 T ドリル回転方向 θ 切刃9に対して円筒面13がなす角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平1−81210(JP,U) 実開 昭63−124416(JP,U) 実開 昭58−191913(JP,U) 実開 昭58−117308(JP,U) 特公 昭59−43249(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23B 51/00,27/14

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線回りに回転されるドリル本体の外周
    に、先端から基端側に延びる切屑排出溝が形成され、こ
    の切屑排出溝の先端部に形成されたチップ取付座にスロ
    ーアウェイチップが着脱自在に装着されてなるスローア
    ウェイ式ドリルにおいて、上記スローアウェイチップ
    は、略三角形の平板状をなし、その一の三角形面をすく
    い面としてドリル回転方向側に向けるとともに、一の側
    面を先端逃げ面としてドリル先端側に向け、かつこれら
    すくい面と逃げ面との稜線部に形成された切刃が、その
    一端を上記ドリル本体先端の回転中心近傍に位置させる
    とともに他端を外周に位置させて配置されており、上記
    切刃の一端側の部分は、該一端側に向かうに従い凸状を
    なしてドリル回転方向後方側に向かうように形成される
    一方、上記切刃の他端部においては、上記一の側面とこ
    れに隣接する他の一の側面との交差稜線部に、上記軸線
    を中心とした円筒面が該軸線方向に延びるように形成さ
    、穴加工時に前記円筒面が加工穴の内周面に摺接する
    ようにしたことを特徴とするスローアウェイ式ドリル。
  2. 【請求項2】 上記円筒面は、上記切刃に対して鈍角に
    交差する方向に形成されていることを特徴とする請求項
    1に記載のスローアウェイ式ドリル。
  3. 【請求項3】 上記すくい面の上記切刃側の縁部には、
    該切刃の上記一端部側から他端側に向けて漸次幅広とな
    るブレーカ溝が形成されていることを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載のスローアウェイ式ドリル。
  4. 【請求項4】 上記すくい面の上記切刃側の縁部には、
    該切刃の上記一端部側から他端側に向けて漸次深溝とな
    るブレーカ溝が形成されていることを特徴とする請求項
    1ないし請求項3のいずれかに記載のスローアウェイ式
    ドリル。
  5. 【請求項5】 略三角形の平板状をなし、その一の三角
    形面がすくい面とされるとともに一の側面が逃げ面とさ
    れ、かつこれらすくい面と逃げ面との稜線部に切刃が形
    成されてなり、この切刃の一端側の部分は、該一端側に
    向かうに従い凸状をなして他の三角形面側に向かうよう
    に形成される一方、上記切刃の他端側の部分において
    は、上記一の側面とこれに隣接する他の一の側面との交
    差稜線部に、上記一の三角形面から上記他の三角形面側
    に向けて凸状をなす円筒面が、上記一の側面から他の一
    の側面に延びるように形成されていることを特徴とする
    スローアウェイチップ。
  6. 【請求項6】 上記円筒面は、上記切刃に対して鈍角に
    交差する方向に形成されていることを特徴とする請求項
    5に記載のスローアウェイチップ。
  7. 【請求項7】 上記すくい面の上記切刃側の縁部には、
    該切刃の一端部側から他端側に向けて漸次幅広となるブ
    レーカ溝が形成されていることを特徴とする請求項5ま
    たは請求項6に記載のスローアウェイチップ。
  8. 【請求項8】 上記すくい面の上記切刃側の縁部には、
    該切刃の一端側から他端側に向けて漸次深溝となるブレ
    ーカ溝が形成されていることを特徴とする請求項5ない
    し請求項7のいずれかに記載のスローアウェイチップ。
  9. 【請求項9】 上記他の三角形面と上記他の一の側面と
    の稜線部には、上記他の三角形面をすくい面とするとと
    もに上記他の一の側面を逃げ面とする他の切刃が形成さ
    れており、かつ上記一の側面と上記他の一の側面との交
    差稜線部には、上記切刃に対して所定の角度で交差する
    方向に形成された第1の上記円筒面と、上記他の切刃に
    対して上記所定の角度と等しい角度で交差する方向に形
    成された第2の上記円筒面とが形成されていることを特
    徴とする請求項5ないし請求項8のいずれかに記載のス
    ローアウェイチップ。
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