JP3418520B2 - ドリル本体とスローアウェイチップとのセット、及びスローアウェイ式ドリルの主切刃の先端角調整方法 - Google Patents

ドリル本体とスローアウェイチップとのセット、及びスローアウェイ式ドリルの主切刃の先端角調整方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、穴明け加工等に用
いられる2枚刃等のスローアウェイ式ドリルを構成する
ドリル本体とスローアウェイチップとのセット、及びス
ローアウェイ式ドリルの主切刃の先端角調整方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
2枚刃のスローアウェイ式ドリルを用いて穴明け加工を
行う場合、ドリル本体の先端に取り付けられた2枚のス
ローアウェイチップの主切刃でもって回転切削が行われ
る。ところで、このようなスローアウェイ式ドリルで穴
加工を行う際、穴の内径が異なると、その内径に応じた
外径寸法を備えた主切刃を有する別のスローアウェイチ
ップを、そのチップを装着できるチップ取付座を備えた
別のドリル本体に装着して切削加工していた。そのた
め、加工する穴寸法に応じてそれぞれ対応するスローア
ウェイチップとこれを装着するドリル本体を個別に用意
する必要があり、コスト高になり、穴加工時における所
望寸法のチップとこれに適合するドリル本体の選別が煩
雑であるという欠点があった。
【0003】本発明は、このような課題に鑑みて、1種
類のスローアウェイチップを用いて複数種類の径の穴加
工が可能なスローアウェイ式ドリルを提供することを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によるドリル本体
とスローアウェイチップとのセットは、それぞれチップ
取付座が形成される複数種類のドリル本体と、前記チッ
プ取付座に取り付けられた状態で先端側に突出する主切
刃を有する略多角形板状のスローアウェイチップとのセ
ットであって、前記ドリル本体には、外周面に先端から
基端側に向けて回転軸線に対して傾斜するように切屑排
出溝が設けられ、各切屑排出溝の回転方向を向く壁面に
前記チップ取付座が形成され、複数の前記スローアウ
ェイチップの側面が当接する前記チップ取付座の回転軸
線側の側壁は切屑排出溝の壁面よりも外側に形成されて
いると共に、前記チップ取付座の回転軸線側の側壁と回
転軸線とでなす角度(α)によって前記スローアウェイ
チップの主切刃の先端角(β)が設定され、前記各ドリ
ル本体は、それぞれ前記角度(α)が相違させられてお
り、前記スローアウェイチップの主切刃は、回転軸線側
の先端部が凸曲線状とされ、後端部がノーズRとされて
いて、前記ドリル本体は、複数の前記スローアウェイチ
ップが、先端部を前記ドリル本体の回転軸線から離間
せて装着されて、これらスローアウェイチップの先端部
に挟まれる前記ドリル本体の中央部が凹部をなす構成と
されており、これらスローアウェイチップを、前記チッ
プ取付座の回転軸線側の側壁と回転軸線とでなす角度
(α)の異なる前記ドリル本体に装着することで前記先
端角(β)が変更可能とされていることを特徴とする。
チップ取付座の回転軸線側の側壁が、回転軸線となす角
度(α)が互いに相違する複数種類のドリル本体使い
分けることで、同一のチップを装着して、先端角(β)
の相違する、即ち外形寸法Dの異なる主切刃を有する複
数種類のスローアウェイ式ドリルを得ることができる。
しかも、チップ取付座の側壁が切屑排出溝の回転方向後
方を向く壁面よりも外側に突出していることで、ドリル
本体の剛性が高められる。また主切刃の先端部が漸次着
座面に近づく凸曲線状とされていることで喰い付き時の
主切刃の欠損を抑制し、後端部がノーズRとされている
ことで主切刃の取付角度の変化によらず欠損が抑制され
る。周速の小さい回転軸線付近が凹部とされることで、
スラスト抵抗が小さくなり、凹部にできる削り残しも切
屑やドリル本体で押しつぶすことができる。また、スロ
ーアウェイチップの主切刃は、途中に段差が形成され、
段差の前後で分離した切屑が生成されてもよい。 切屑が
細かく分断されることで、排出性が良くなる。
【0005】本発明によるスローアウェイ式ドリルの主
切刃の先端角調整方法は、ドリル本体の外周面に先端か
ら基端側に向けて回転軸線に対して傾斜するように切屑
排出溝が設けられ、各切屑排出溝の回転方向を向く壁面
に形成されたチップ取付座に、先端側に突出する主切刃
を有する略多角形板状の複数の同一のスローアウェイチ
ップが取り付けられてなるスローアウェイ式ドリルにお
ける前記主切刃の先端角調整方法であって、前記ドリル
本体は、前記スローアウェイチップの側面が当接する前
記チップ取付座の回転軸線側の側壁が切屑排出溝の壁面
よりも外側に形成されていると共に、前記チップ取付座
の回転軸線側の側壁と回転軸線とでなす角度(α)によ
って複数の前記スローアウェイチップの主切刃の先端角
(β)が設定され、前記スローアウェイチップの主切刃
は、回転軸線側の先端部が凸曲線状とされ、後端部がノ
ーズRとされていて、前記ドリル本体は、複数の前記ス
ローアウェイチップが、先端部を前記ドリル本体の回転
軸線から離間させて装着されて、これらスローアウェイ
チップの先端部に挟まれる前記ドリル本体の中央部が凹
部をなす構成とされており、これらスローアウェイチッ
プを、前記チップ取付座の回転軸線側の側壁と回転軸線
とでなす角度(α)の異なる前記ドリル本体に装着する
ことで前記先端角(β)を調整することを特徴とする。
このように、チップ取付座の回転軸線側の側壁が、回転
軸線となす角度(α)が互いに相違する複数種類のドリ
ル本体を使い分けることで、同一のチップを装着して、
先端角(β)の相違する、即ち外形寸法Dの異なる主切
刃を有する複数種類のスローアウェイ式ドリルを得るこ
とができる。しかも、チップ取付座の側壁が切屑排出溝
の回転方向後方を向く壁面よりも外側に突出しているこ
とで、ドリル本体の剛性が高められる。また主切刃の先
端部が漸次着座面に近づく凸曲線状とされていることで
喰い付き時の主切刃の欠損を抑制し、後端部がノーズR
とされていることで主切刃の取付角度の変化によらず欠
損が抑制される。周速の小さい回転軸線付近が凹部とさ
れることで、スラスト抵抗が小さくなり、凹部にできる
削り残しも切屑やドリル本体で押しつぶすことができ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
乃至図6により説明する。図1は実施の形態によるドリ
ル本体とスローアウェイチップとのセットによって得ら
れるスローアウェイ式ドリルの全体図、図2は図1にお
ける刃部の拡大図、図3は図1に示すドリルの先端面拡
大図、図4は図1に示すドリルに装着するスローアウェ
イチップの平面図、図5は図4に示すスローアウェイチ
ップのA方向矢視による側面図、図6は図4に示すチッ
プのB−B線断面図である。図1乃至3において、スロ
ーアウェイ式ドリル1のドリル本体2は、シャンク部3
と刃部4とからなり、ドリル本体2の刃部4の先端面4
aは回転軸線Oとの交点を頂点として略円錐のテーパ面
状に形成され、しかもその頂点付近は基端側に落ち込む
凹部5とされている。刃部4の外周面には、回転軸線O
に対向して断面視略扇型の一対の切屑排出溝6が形成さ
れ(図3参照)、これら切屑排出溝6は回転軸線Oに沿
って外周面を螺旋状に切り欠いて形成されている。
【0007】各切屑排出溝6の回転方向を向く壁面6a
は、その先端部が平面視略V字状に切り欠かれてチップ
取付座8とされ、チップ取付座8は底面8aとその両側
の第一及び第二側壁8b,8cとからなり、第一及び第
二側壁8b,8cの交差部にぬすみが形成されている。
図2に示すように、ドリル本体2の回転軸線Oに近接す
る側の第一側壁8bは、切屑排出溝6の回転方向後方を
向く壁面6bよりも回転軸線Oとのなす角度が大きく
(角度αとする)、外側に突出している。また、第一側
壁8bの角度αは、後述するようにドリル1の主切刃の
先端角β、即ち主切刃の外径寸法に応じて決定されてい
る。
【0008】一対のチップ取付座8に装着されるスロー
アウェイチップ10は、図4乃至図6に示すように多角
形板状に形成されている。このスローアウェイチップ1
0は、略六角形板状とされ、着座面とされる下面11に
対向してすくい面をなす上面12が設けられ、上面12
の中央部から下面11を貫通してネジ挿通用の孔13が
穿孔されている。チップ10は、その側面14が下面1
1から上面12に向けて外側に傾斜して延びるポジチッ
プとされている このチップ10は、上面12と逃げ面を成す主側面14
aとでなす最長のほぼ直線状の交差稜線が主切刃15と
され、この主切刃15の一端は、主切刃15と鋭角で交
差する隣りの辺部付近が下面11に近付くよう湾曲する
凸曲面16とされていることで、半径Raの凸曲線状に
湾曲された主切刃15の先端部15aとされている。他
端はノーズRとされた後端部15bとされている。
【0009】また、凸曲面16に隣接して凸曲面16を
斜めにカットする第一側面14bと面取り側面14dを
挟む第二側面14cとは、チップ取付座8の第一及び第
二側壁8b、8cの交角と同一の大きさの交角とされて
おり、全周の側面14のうち第一及び第二側面14b、
14cは上下面12、11に直交する平面とされてい
る。主側面14aと第二側面14cとの間にはサイド逃
げ角γを有する第三側面14eが形成されている。そし
て、上面12において、主切刃15に沿って図6に示す
ような断面円弧状のブレーカ溝17が形成され、このブ
レーカ溝17は先端部15a側では凸曲面16に交差し
て終了し、後端部15b側で第三側面14eに接続され
ている。
【0010】このような一対のスローアウェイチップ1
0が、図2に示すように、ドリル本体2の各チップ取付
座8に、各チップ10の第一及び第二側面14b、14
cがチップ取付座8の第一及び第二側壁8b、8cに当
接してそれぞれ装着され、その際、チップ10の凸曲面
16がチップ取付座8から先端側に突出して回転軸線O
に近接してほぼ平行に位置し、主切刃15は回転軸線O
に直交する線と鋭角θ(例えばθ1とする)をなす取付
け状態でネジ止めされている。そのため、一対のスロー
アウェイチップ10、10の主切刃15、15は、回転
軸線Oの領域で基端側に凹んだ凹部5(チゼル部)を介
して先端角β(例えばβ1とし、β1=180゜−2
θ1)を成している。一対の主切刃15の長さ寸法は予
め設定されているから、主切刃15の角度θ即ち先端角
βによってドリル1の主切刃15の外径φD(例えばD
1とする)が決定される。
【0011】本実施の形態によるスローアウェイ式ドリ
ル1は上述のように構成されているから、切削加工時に
は、ドリル本体2の先端角β1を備えた一対の主切刃1
5,15で穴明け加工が行われる。その際、ドリル本体
2の回転軸線Oの周りは低速となるが、凹部5が設けら
れ切刃がないので、欠損することもない。この部分にチ
ゼルが設けられていないから、切削時のスラスト抵抗が
小さい。そのため、穴明け加工切削時に凹部5の部分に
削り残しができるが、この削り残しは生成される切屑に
よって折断されたり、ドリル1に押しつぶされるため
に、不具合は生じない。また、主切刃15の先端部15
aは凸曲線とされているから、主切刃15の先端側から
漸次被削材に接触することになるが、喰い付き時に主切
刃15に衝撃的な負荷がかからず、先端部15aが欠け
にくい。また、スローアウェイチップ10の切削荷重を
受けるチップ取付座8の回転軸線O側の第一側壁8b
が、切屑排出溝6の回転方向後方を向く壁面6bより外
側に突出しているので、ドリル剛性が高い。
【0012】また、ドリル1の主切刃外径φDをより大
きくして、より大径の穴明けを行う場合には、図7に示
すように、チップ取付座8を除いてドリル本体2と同形
同大のドリル本体20を用いる。チップ取付座8′の第
一側壁8b′の回転軸線Oに対する角度α(例えばα2
とする)をα1より大きく設定して、第一及び第二側壁
8b′、8c′の交角をドリル1と同一に設定すればよ
い。そして、このドリル本体20に上述のスローアウェ
イチップ10を装着すれば、回転軸線Oに直交する線に
対する主切刃15の角度θ(例えばθ2とする)はθ1
り大きくなり、一対のスローアウェイチップ10、10
の主切刃15、15の先端角β(例えばβ2とする)が
角度β1より大きくなり、その主切刃15の外径φD
(例えばD2とする)も所定寸法だけD1より増大する。
【0013】スローアウェイチップ10の装着角度が変
化しても、主切刃15の外周側の後端部15bはノーズ
Rとなっているので、回転切削時に欠損することを抑制
できる。また、チップ10のノーズRにつながる第三側
面14eに、主切刃15の取り得る装着角度θの最大値
に対して加工面を擦過しない大きさのサイド逃げ角γを
設定しておけば、回転切削時にチップ10の第三側面1
4eが加工面を擦過するおそれもない。従って、同一の
スローアウェイチップ10を用いて、第一側壁8bの角
度αの異なるチップ取付座8を備えた各種のドリル本体
,20…を用いることで、先端角βが異なり、外径寸
法φDの異なる主切刃15を有する複数種類のスローア
ウェイ式ドリルを得られることになる。尚、主切刃15
の回転軸線Oに直交する線に対する角度θと、主切刃1
5の先端角βと外径φDとの各数値について、相互関係
の一例を示せば下の表1のようになる。
【0014】
【表1】
【0015】上述のように、本実施の形態によれば、1
種類のスローアウェイチップ10を用いて、このスロー
アウェイチップ10を装着する先端角βの相違する各種
のチップ取付座8を備えた複数種類のドリル本体を使い
分けることで、主切刃15の外径寸法φDの異なる複数
種類のスローアウェイ式ドリルが得られる。しかも、ド
リル1の先端面4aの中心に凹部5を設けたことで、ス
ラスト抵抗が小さくなり、削り残しも切屑やドリル1等
で押しつぶすことができる。また、チップ取付座8の回
転軸線Oに近接する第一側壁8bを切屑排出溝6の壁面
より外側に位置させたので、ドリル本体2の剛性が高い
という効果を奏する。
【0016】尚、上述の実施の形態では、主切刃15は
直線状とされているが、凸曲線状でもよく、或いは図8
に示すスローアウェイチップ30のように、主切刃31
の途中に段差32を形成して、主切刃31を第一主切刃
31a、第二主切刃31bの2つに分離してもよい。こ
の場合、段差32は上面12から下面11まで逃げ面を
なす主側面14aに形成されていてもよい。このように
構成すれば、切屑は第一主切刃31aと第二主切刃31
bで分離された状態で生成されることになる。あるい
は、図9に示すスローアウェイチップ40のように、主
切刃41の途中に2つの段差42、43を形成して、第
一主切刃41a、第二主切刃41b、第三主切刃41c
を構成して、3つに分離された切屑を生成するようにし
てもよい。尚、上述の説明は2枚刃スローアウェイ式ド
リルについてのものであるが、本発明は3枚刃以上のス
ローアウェイ式ドリルについても適用できる。
【0017】
【発明の効果】上述のように、本発明に係るドリル本体
とスローアウェイチップとのセットでは、ドリル本体
は、複数のスローアウェイチップの側面が当接するチッ
プ取付座の回転軸線側の側壁は切屑排出溝の壁面よりも
外側に形成されていると共に、チップ取付座の回転軸線
側の側壁と回転軸線とでなす角度(α)によってスロー
アウェイチップの主切刃の先端角(β)が設定され、ス
ローアウェイチップの主切刃は、回転軸線側の先端部が
凸曲線状とされ、後端部がノーズRとされていて、複数
の前記スローアウェイチップの先端部はドリル本体の回
転軸線から離間した位置に設けられ、これらスローアウ
ェイチップの先端部に挟まれる前記ドリル本体の中央部
は、凹部とされているから、チップ取付座の回転軸線側
の側壁が回転軸線となす角度を相違させたドリル本体を
使い分けることで、同一のチップを用いて、先端角の相
違する、即ち外径寸法(φD)の異なる主切刃を有する
複数種類のスローアウェイ式ドリルを得ることができ
る。しかも、チップ取付座の側壁が切屑排出溝の壁面よ
りも外側に突出していることで、ドリル本体の剛性が高
められる。また、主切刃の先端部が凸曲線状とされてい
ることで喰い付き時の主切刃の欠損を抑制し、後端部が
ノーズRとされていることで主切刃の取付角度によらず
欠損が抑制される。また、周速の小さい回転軸線付近が
凹部とされることで、スラスト抵抗が小さくなり、削り
残しも切屑やドリル本体で押しつぶすことができる。
【0018】また、スローアウェイチップの主切刃は、
途中に段差が形成され、段差の前後で分離した切屑が生
成されているから、切屑が細く分断されることで、排出
性が良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態によるスローアウェイ式
ドリルの全体図である。
【図2】 図1における刃部の拡大図である。
【図3】 図1に示すドリルの先端面拡大図である。
【図4】 図1に示すドリルに装着するスローアウェイ
チップの平面図である。
【図5】 図4に示すスローアウェイチップのA方向矢
視による側面図である。
【図6】 図4に示すチップのB−B線断面図である。
【図7】 スローアウェイチップを他の種類のドリルに
装着した状態の刃部の拡大図である。
【図8】 スローアウェイチップの別の構成を示す平面
図である。
【図9】 スローアウェイチップの更に別の構成を示す
平面図である。
【符号の説明】
1 スローアウェイ式ドリル 10,30,40 スローアウェイチップ 6 切屑排出溝 8 チップ取付座 8b 第一側壁 8c 第二側壁 15,31,41 主切刃 14b 第一側面 14c 第二側面 32,42,43 段差
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒川 正人 岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田 1528番地 三菱マテリアル株式会社 岐 阜製作所内 (56)参考文献 特開 平6−134611(JP,A) 実開 昭59−183711(JP,U) 実開 昭60−14810(JP,U) 実開 平2−132686(JP,U) 実公 昭62−18340(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23B 51/00 - 51/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれチップ取付座が形成される複数
    種類のドリル本体と、前記チップ取付座に取り付けられ
    た状態で先端側に突出する主切刃を有する略多角形板状
    のスローアウェイチップとのセットであって、 前記ドリル本体には、 外周面に先端から基端側に向けて
    回転軸線に対して傾斜するように切屑排出溝が設けら
    れ、各切屑排出溝の回転方向を向く壁面に前記チップ
    取付座が形成され、 複数の前記スローアウェイチップの側面が当接する前記
    チップ取付座の回転軸線側の側壁は切屑排出溝の壁面よ
    りも外側に形成されていると共に、前記チップ取付座の
    回転軸線側の側壁と回転軸線とでなす角度(α)によっ
    て前記スローアウェイチップの主切刃の先端角(β)が
    設定され、前記各ドリル本体は、それぞれ前記角度(α)が相違さ
    せられており、 前記スローアウェイチップの主切刃は、回転軸線側の先
    端部が凸曲線状とされ、後端部がノーズRとされてい
    て、前記ドリル本体は、 複数の前記スローアウェイチップ
    が、先端部を前記ドリル本体の回転軸線から離間させて
    装着されて、これらスローアウェイチップの先端部に挟
    まれる前記ドリル本体の中央部が凹部をなす構成とされ
    ており、 これらスローアウェイチップを、前記チップ取付座の回
    転軸線側の側壁と回転軸線とでなす角度(α)の異なる
    前記ドリル本体に装着することで前記先端角(β)が変
    更可能とされている ことを特徴とするドリル本体とスロ
    ーアウェイチップとのセット
  2. 【請求項2】 前記スローアウェイチップの主切刃は、
    途中に段差が形成され、段差の前後で分離した切屑が生
    成されることを特徴とする請求項1記載のドリル本体と
    スローアウェイチップとのセット
  3. 【請求項3】 ドリル本体の外周面に先端から基端側に
    向けて回転軸線に対して傾斜するように切屑排出溝が設
    けられ、各切屑排出溝の回転方向を向く壁面に形成され
    たチップ取付座に、先端側に突出する主切刃を有する略
    多角形板状の複数の同一のスローアウェイチップが取り
    付けられてなるスローアウェイ式ドリルにおける前記主
    切刃の先端角調整方法であって、 前記ドリル本体は、前記スローアウェイチップの側面が
    当接する前記チップ取付座の回転軸線側の側壁が切屑排
    出溝の壁面よりも外側に形成されていると共に、前記チ
    ップ取付座の回転軸線側の側壁と回転軸線とでなす角度
    (α)によって複数の前記スローアウェイチップの主切
    刃の先端角(β)が設定され、 前記スローアウェイチップの主切刃は、回転軸線側の先
    端部が凸曲線状とされ、後端部がノーズRとされてい
    て、 前記ドリル本体は、複数の前記スローアウェイチップ
    が、先端部を前記ドリル本体の回転軸線から離間させて
    装着されて、これらスローアウェイチップの先端部に挟
    まれる前記ドリル本体の中央部が凹部をなす構成とされ
    ており、 これらスローアウェイチップを、前記チップ取付座の回
    転軸線側の側壁と回転軸線とでなす角度(α)の異なる
    前記ドリル本体に装着することで前記先端角(β)を調
    整することを特徴とするスローアウェイ式ドリルの主切
    刃の先端角調整方法。
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