JPH08257815A - 切屑排出用カバー付きドリル - Google Patents
切屑排出用カバー付きドリルInfo
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- JPH08257815A JPH08257815A JP6461495A JP6461495A JPH08257815A JP H08257815 A JPH08257815 A JP H08257815A JP 6461495 A JP6461495 A JP 6461495A JP 6461495 A JP6461495 A JP 6461495A JP H08257815 A JPH08257815 A JP H08257815A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 穴の加工面の面粗度を悪化させることなく、
切屑を排出できる。 【構成】 シャンク３の外周面に切刃４ａ，５ａの外径
Ｄ1と同一か又は若干小さい外径Ｄ2の筒状のカバー１７
を固定する。切刃の回転方向後方側に、その外径が若干
小さくなる段部９，１０を形成し、カバー先端の係止部
１８を係止させる。カバー１７の先端に、チップ４，５
の装着部を避けるよう凹曲面状に切り欠いた凹部１９を
設ける。カバー先端の切屑排出溝６，７に対面する領域
に、厚み方向の外周面から内周面に向けて傾斜する面取
り２０を施す。切刃４ａ，５ａの逃げ面１２、１３に油
穴１４，１５を穿設する。
切屑を排出できる。 【構成】 シャンク３の外周面に切刃４ａ，５ａの外径
Ｄ1と同一か又は若干小さい外径Ｄ2の筒状のカバー１７
を固定する。切刃の回転方向後方側に、その外径が若干
小さくなる段部９，１０を形成し、カバー先端の係止部
１８を係止させる。カバー１７の先端に、チップ４，５
の装着部を避けるよう凹曲面状に切り欠いた凹部１９を
設ける。カバー先端の切屑排出溝６，７に対面する領域
に、厚み方向の外周面から内周面に向けて傾斜する面取
り２０を施す。切刃４ａ，５ａの逃げ面１２、１３に油
穴１４，１５を穿設する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、ドリル本体に切屑排出
用カバーを取り付けたドリルに関する。
用カバーを取り付けたドリルに関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、ドリルには、先端面にドリル本体
の回転軸線に対してほぼ回転対称に例えば一対の切刃が
形成され、切刃の回転方向を向くすくい面部分に略Ｖ字
状の切欠がチップポケットとしてそれぞれ形成され、切
屑排出溝の一部を構成している。この切屑排出溝は、ド
リル本体のシャンクの外周面に先端から後端に向けて、
回転軸線に沿って螺旋状、或いは一部または全部が直線
状に形成されている。このようなドリルを用いて穴明け
加工を行う場合、先端の切刃で切削され生成された被削
材の切屑は、複数の切屑排出溝に沿って後端側に押し出
され、穴の外に排出されるようになっている。
の回転軸線に対してほぼ回転対称に例えば一対の切刃が
形成され、切刃の回転方向を向くすくい面部分に略Ｖ字
状の切欠がチップポケットとしてそれぞれ形成され、切
屑排出溝の一部を構成している。この切屑排出溝は、ド
リル本体のシャンクの外周面に先端から後端に向けて、
回転軸線に沿って螺旋状、或いは一部または全部が直線
状に形成されている。このようなドリルを用いて穴明け
加工を行う場合、先端の切刃で切削され生成された被削
材の切屑は、複数の切屑排出溝に沿って後端側に押し出
され、穴の外に排出されるようになっている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな穴明け加工では、切屑排出溝によって誘導される切
屑が、ドリルのシャンクと被削材の穴の加工面との間に
挟まり、加工面を擦ることがあるために、穴の加工面の
面粗度を悪化させるという欠点がある。特に、深穴加工
に際しては、切屑の排出経路が長くなるために、加工面
の面粗度が悪化する可能性が一層高くなる。
うな穴明け加工では、切屑排出溝によって誘導される切
屑が、ドリルのシャンクと被削材の穴の加工面との間に
挟まり、加工面を擦ることがあるために、穴の加工面の
面粗度を悪化させるという欠点がある。特に、深穴加工
に際しては、切屑の排出経路が長くなるために、加工面
の面粗度が悪化する可能性が一層高くなる。
【０００４】本発明は、このような課題に鑑みて、穴等
の加工面の面粗度を悪化させることなく切屑をスムーズ
に加工面の外に排出できるようにした切屑排出用カバー
付きドリルを提供することを目的とする。
の加工面の面粗度を悪化させることなく切屑をスムーズ
に加工面の外に排出できるようにした切屑排出用カバー
付きドリルを提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明による切屑排出用
カバー付きドリルは、ドリル本体の先端面に切刃が設け
られ、この切刃のすくい面からシャンク外周面に沿って
切屑排出溝が形成されてなるドリルにおいて、シャンク
の外周面に切刃の外径と同一か又は若干小さい外径の筒
状のカバーが取り付けられていて、切屑は、切屑排出溝
とカバーによって形成された空間を通ってシャンク後端
側に誘導されて排出されるようにしたことを特徴とする
ものである。
カバー付きドリルは、ドリル本体の先端面に切刃が設け
られ、この切刃のすくい面からシャンク外周面に沿って
切屑排出溝が形成されてなるドリルにおいて、シャンク
の外周面に切刃の外径と同一か又は若干小さい外径の筒
状のカバーが取り付けられていて、切屑は、切屑排出溝
とカバーによって形成された空間を通ってシャンク後端
側に誘導されて排出されるようにしたことを特徴とする
ものである。
【０００６】カバー先端の切屑排出溝に対面する領域に
は、このカバーの厚み方向で外周面から内周面に向けて
傾斜する面取りが施されていてもよい。又、切刃の回転
方向後方側のドリル本体外周面に、その外径が若干小さ
くなる段部が形成され、カバーの先端部にはこの段部に
係合する係止部が形成されていることを特徴とする。切
屑排出溝の先端の回転方向を向くドリル本体の壁面にス
ローアウェイチップが固定されて切刃を構成し、カバー
先端の切屑排出溝に対面する領域は、スローアウェイチ
ップを覆わないように凹状に切り欠いて形成されていて
もよい。ドリル本体の先端領域にクーラント供給用の油
穴が穿設されている。
は、このカバーの厚み方向で外周面から内周面に向けて
傾斜する面取りが施されていてもよい。又、切刃の回転
方向後方側のドリル本体外周面に、その外径が若干小さ
くなる段部が形成され、カバーの先端部にはこの段部に
係合する係止部が形成されていることを特徴とする。切
屑排出溝の先端の回転方向を向くドリル本体の壁面にス
ローアウェイチップが固定されて切刃を構成し、カバー
先端の切屑排出溝に対面する領域は、スローアウェイチ
ップを覆わないように凹状に切り欠いて形成されていて
もよい。ドリル本体の先端領域にクーラント供給用の油
穴が穿設されている。
【０００７】
【作用】カバーの外径は先端の切刃の外径と同一か又は
若干小さいので、穴加工時に切削の邪魔にならずにドリ
ル本体を進退させることができ、しかも、先端の切刃で
生成された切屑は、切屑排出溝とカバーによって形成さ
れた空間を通ってシャンク後端側にスムーズに誘導され
て排出されるから、穴加工面を擦過したりすることがな
く、加工面の面粗度の悪化を防止できる。又、カバー先
端面に面取りが施されているから、切屑はこの面取りに
ガイドされてカバー内の切屑排出溝に誘導される。又、
ドリル本体先端部の段部に、カバーの係止部が係合して
取り付けられているから、ドリル本体に対してカバーの
位置決めが容易であり、カバーがガタついたりすること
がなく、確実に一体回転する。切屑排出溝の先端の回転
方向を向く壁面にスローアウェイチップが固定されてい
る場合、カバーが装着された状態でチップ交換作業等が
行える。油穴からクーラントを供給することで、切屑の
カバー内を通ってのスムーズな排出が促進される。
若干小さいので、穴加工時に切削の邪魔にならずにドリ
ル本体を進退させることができ、しかも、先端の切刃で
生成された切屑は、切屑排出溝とカバーによって形成さ
れた空間を通ってシャンク後端側にスムーズに誘導され
て排出されるから、穴加工面を擦過したりすることがな
く、加工面の面粗度の悪化を防止できる。又、カバー先
端面に面取りが施されているから、切屑はこの面取りに
ガイドされてカバー内の切屑排出溝に誘導される。又、
ドリル本体先端部の段部に、カバーの係止部が係合して
取り付けられているから、ドリル本体に対してカバーの
位置決めが容易であり、カバーがガタついたりすること
がなく、確実に一体回転する。切屑排出溝の先端の回転
方向を向く壁面にスローアウェイチップが固定されてい
る場合、カバーが装着された状態でチップ交換作業等が
行える。油穴からクーラントを供給することで、切屑の
カバー内を通ってのスムーズな排出が促進される。
【０００８】
【実施例】以下、本発明の好適な一実施例を図１乃至図
６により説明する。図１は、本発明の実施例によるドリ
ルの側面図、図２は図１に示すドリル先端面の正面図、
図３はカバーを取り除いた状態のドリル先端面の正面
図、図４はカバーの側面図、図５はカバー先端面の正面
図、図６はカバー先端部の斜視図である。図１乃至図３
において、ドリル１は例えばツイストドリルであって、
ドリル本体２の先端方向に略円柱状のシャンク３が設け
られ、図２及び３に示すその先端面２ａには、一対の例
えば略三角形板状のスローアウェイチップ４，５が配設
されている。この先端面２ａにおいて、各チップ４，５
の先端側切刃４ａ，５ａが、ドリル本体２の回転軸線Ｏ
に対して略対称に略径方向に位置し、且つそのすくい面
に略Ｖ字状の切欠がそれぞれチップポケット６ａ，７ａ
として形成されて、切屑排出溝６，７の一部を構成して
いる。この切屑排出溝６，７の回転方向を向く壁面であ
るチップ着座面２ｂ，２ｃに、それぞれスローアウェイ
チップ４，５が着座して、クランプネジ８によって固定
されている。
６により説明する。図１は、本発明の実施例によるドリ
ルの側面図、図２は図１に示すドリル先端面の正面図、
図３はカバーを取り除いた状態のドリル先端面の正面
図、図４はカバーの側面図、図５はカバー先端面の正面
図、図６はカバー先端部の斜視図である。図１乃至図３
において、ドリル１は例えばツイストドリルであって、
ドリル本体２の先端方向に略円柱状のシャンク３が設け
られ、図２及び３に示すその先端面２ａには、一対の例
えば略三角形板状のスローアウェイチップ４，５が配設
されている。この先端面２ａにおいて、各チップ４，５
の先端側切刃４ａ，５ａが、ドリル本体２の回転軸線Ｏ
に対して略対称に略径方向に位置し、且つそのすくい面
に略Ｖ字状の切欠がそれぞれチップポケット６ａ，７ａ
として形成されて、切屑排出溝６，７の一部を構成して
いる。この切屑排出溝６，７の回転方向を向く壁面であ
るチップ着座面２ｂ，２ｃに、それぞれスローアウェイ
チップ４，５が着座して、クランプネジ８によって固定
されている。
【０００９】このドリル本体２の先端面２ａには、チッ
プポケット６ａ，７ａ間に回転軸線Ｏを中心として一対
のチゼルエッジが対向して形成された芯厚２２が形成さ
れている。この芯厚２２の寸法は、シャンク３の外径を
Ｄとすると、（１／５〜２／５）Ｄ程度とされる。又、
スローアウェイチップの各先端側切刃４ａ，５ａは、シ
ャンク３の外径Ｄよりも外側にその切刃端縁が位置する
（その外径をＤ1とする：Ｄ1＞Ｄ）ようになっている。
又、先端面２ａにおいて、切り屑排出溝６，７に対面す
るチップ着座面２ｂ，２ｃの回転方向後方には段部９，
１０が形成され、各段部の後方はチップ着座面２ｂ，２
ｃの外径寸法より小さい外径寸法とされて、隣接する切
屑排出溝７，６にそれぞれ接続されるようになってい
る。又、切刃４ａ，５ａの各逃げ面１２，１３（先端面
２ａの一部をなす）には、それぞれ油穴１４，１５が穿
設されている。尚、油穴１４，１５の位置は逃げ面１
２，１３に限定されることなく、ドリル本体２の先端領
域の適所、例えばチップポケット６ａ，７ａの回転方向
を向く壁面のチップ４，５近傍に設けてもよい。
プポケット６ａ，７ａ間に回転軸線Ｏを中心として一対
のチゼルエッジが対向して形成された芯厚２２が形成さ
れている。この芯厚２２の寸法は、シャンク３の外径を
Ｄとすると、（１／５〜２／５）Ｄ程度とされる。又、
スローアウェイチップの各先端側切刃４ａ，５ａは、シ
ャンク３の外径Ｄよりも外側にその切刃端縁が位置する
（その外径をＤ1とする：Ｄ1＞Ｄ）ようになっている。
又、先端面２ａにおいて、切り屑排出溝６，７に対面す
るチップ着座面２ｂ，２ｃの回転方向後方には段部９，
１０が形成され、各段部の後方はチップ着座面２ｂ，２
ｃの外径寸法より小さい外径寸法とされて、隣接する切
屑排出溝７，６にそれぞれ接続されるようになってい
る。又、切刃４ａ，５ａの各逃げ面１２，１３（先端面
２ａの一部をなす）には、それぞれ油穴１４，１５が穿
設されている。尚、油穴１４，１５の位置は逃げ面１
２，１３に限定されることなく、ドリル本体２の先端領
域の適所、例えばチップポケット６ａ，７ａの回転方向
を向く壁面のチップ４，５近傍に設けてもよい。
【００１０】図１に示すシャンク３には、各切屑排出溝
６，７が回転軸線Ｏに沿って螺旋状にそれぞれ形成され
ており、その後端側端部６ｂ，７ｂは、ドリル本体２の
テーパ状部分２ｄに形成されていることで、切り屑の排
出が容易になっている。又、ドリル本体２内には、その
後端側から先端面にかけて、油穴１４，１５に接続され
る、クーラント供給用の管路１６が穿設されている。
６，７が回転軸線Ｏに沿って螺旋状にそれぞれ形成され
ており、その後端側端部６ｂ，７ｂは、ドリル本体２の
テーパ状部分２ｄに形成されていることで、切り屑の排
出が容易になっている。又、ドリル本体２内には、その
後端側から先端面にかけて、油穴１４，１５に接続され
る、クーラント供給用の管路１６が穿設されている。
【００１１】このような構成を備えたドリル１に、図４
乃至図６に示すようなカバー１７が装着されている。こ
のカバー１７は、その内径がシャンク３の外径Ｄと同一
かわずかに大きい寸法の筒状とされ、その肉厚は例えば
１ｍｍ程度である。ドリル本体２にカバー１７が装着さ
れた状態で、カバー１７の外径Ｄ2は、切刃４ａ，５ａ
の外径Ｄ1より若干小さく設定されており（同一でもよ
い）、例えば、（Ｄ1−Ｄ2）は０．６〜１．２ｍｍ程度
とする。そして、その先端側端部は、回転軸線Ｏに対し
て略回転対称とされた一対の係止部１８と、凹部１９と
によって形成されている。各係止部１８は、回転方向前
方側の側縁１８ａが回転軸線Ｏと平行に形成されて、ド
リル先端部２ａ周側面の段部９，１０にそれぞれ係止さ
れるようになっている。又、係止部１８の後方側は例え
ば凹曲線状に凹部１９に接続されるよう切り欠かれ、ス
ローアウェイチップ４，５を図１の側面視で覆わないよ
うに切欠スペースが形成されており、カバー１７の装着
状態で、チップ４，５の交換等ができるようになってい
る。この係止部１８の後方側から凹部１９にかけての凹
曲線状部は、切屑排出溝６，７と対面しており、その厚
み方向に、カバー１７の外周面から内周面に向けて内側
に傾斜する面取り２０が施されて、カバー１７内への切
り屑のスムーズな導入がガイドされている。
乃至図６に示すようなカバー１７が装着されている。こ
のカバー１７は、その内径がシャンク３の外径Ｄと同一
かわずかに大きい寸法の筒状とされ、その肉厚は例えば
１ｍｍ程度である。ドリル本体２にカバー１７が装着さ
れた状態で、カバー１７の外径Ｄ2は、切刃４ａ，５ａ
の外径Ｄ1より若干小さく設定されており（同一でもよ
い）、例えば、（Ｄ1−Ｄ2）は０．６〜１．２ｍｍ程度
とする。そして、その先端側端部は、回転軸線Ｏに対し
て略回転対称とされた一対の係止部１８と、凹部１９と
によって形成されている。各係止部１８は、回転方向前
方側の側縁１８ａが回転軸線Ｏと平行に形成されて、ド
リル先端部２ａ周側面の段部９，１０にそれぞれ係止さ
れるようになっている。又、係止部１８の後方側は例え
ば凹曲線状に凹部１９に接続されるよう切り欠かれ、ス
ローアウェイチップ４，５を図１の側面視で覆わないよ
うに切欠スペースが形成されており、カバー１７の装着
状態で、チップ４，５の交換等ができるようになってい
る。この係止部１８の後方側から凹部１９にかけての凹
曲線状部は、切屑排出溝６，７と対面しており、その厚
み方向に、カバー１７の外周面から内周面に向けて内側
に傾斜する面取り２０が施されて、カバー１７内への切
り屑のスムーズな導入がガイドされている。
【００１２】カバー１７には、回転軸線Ｏ方向に沿っ
て、適宜数の小孔２２が穿設されていて、シャンク３に
対してネジ止め或いはスポット溶接することで、カバー
１７がドリル本体２に固定されている。又、カバー１７
の回転軸線方向の長さＬは、被削材の加工穴の深さ＋α
の寸法に設定されており、そのため、シャンク３の長さ
はＬより大きく設定されている。尚、カバー１７の後端
に切屑排出用の切欠が設けられていれば、その長さＬは
シャンク３の長さと同等かそれより大きくてもよい。本
実施例によるドリルは、特に加工穴の深さが３Ｄ（Ｄは
ドリルの径）以上あるような、深穴加工に用いられるの
に好適である。
て、適宜数の小孔２２が穿設されていて、シャンク３に
対してネジ止め或いはスポット溶接することで、カバー
１７がドリル本体２に固定されている。又、カバー１７
の回転軸線方向の長さＬは、被削材の加工穴の深さ＋α
の寸法に設定されており、そのため、シャンク３の長さ
はＬより大きく設定されている。尚、カバー１７の後端
に切屑排出用の切欠が設けられていれば、その長さＬは
シャンク３の長さと同等かそれより大きくてもよい。本
実施例によるドリルは、特に加工穴の深さが３Ｄ（Ｄは
ドリルの径）以上あるような、深穴加工に用いられるの
に好適である。
【００１３】本実施例は上述のように構成されているか
ら、本実施例によるドリル１を用いて被削材の穴明け加
工をする場合、ドリル本体２が回転しつつ被削材に押し
込まれることで、その先端面２ａに設けられた切刃４
ａ，５ａで穴加工が行われる。加工穴内で、切刃４ａ，
５ａで切削生成された切屑は、切屑排出溝６，７の先端
を構成する切屑ポケット６ａ，７ａから、カバー１７の
面取り２０でガイドされて、切屑排出溝６，７とカバー
１７との間の空間に誘導され、ドリル１の回転運動に加
えて、新しく生成される切屑によって順次後方に押し出
される。しかも、油穴１４，１５から吐出される切削ク
ーラントは、その圧力が、通常（３〜５ｋｇ／ｃｍ2）
より高い２０〜３０ｋｇ／ｃｍ2に設定されているか
ら、これによってカバー１７内での切屑の滑りがよくな
って移動が促進され、カバー１７内で切屑詰まりを起こ
すことが抑制される。そして、切屑は、カバー１７の後
端から外れた切屑排出溝６，７の後端６ｂ，７ｂで所定
方向に排出される。
ら、本実施例によるドリル１を用いて被削材の穴明け加
工をする場合、ドリル本体２が回転しつつ被削材に押し
込まれることで、その先端面２ａに設けられた切刃４
ａ，５ａで穴加工が行われる。加工穴内で、切刃４ａ，
５ａで切削生成された切屑は、切屑排出溝６，７の先端
を構成する切屑ポケット６ａ，７ａから、カバー１７の
面取り２０でガイドされて、切屑排出溝６，７とカバー
１７との間の空間に誘導され、ドリル１の回転運動に加
えて、新しく生成される切屑によって順次後方に押し出
される。しかも、油穴１４，１５から吐出される切削ク
ーラントは、その圧力が、通常（３〜５ｋｇ／ｃｍ2）
より高い２０〜３０ｋｇ／ｃｍ2に設定されているか
ら、これによってカバー１７内での切屑の滑りがよくな
って移動が促進され、カバー１７内で切屑詰まりを起こ
すことが抑制される。そして、切屑は、カバー１７の後
端から外れた切屑排出溝６，７の後端６ｂ，７ｂで所定
方向に排出される。
【００１４】このようにして、穴加工が進められるが、
シャンク３の外周面に取り付けられたカバー１７は、切
刃４ａ，５ａの外径Ｄ1より若干小さい（又は同一）外
径Ｄ2に設定されているから、ドリル１の切削や進退に
際して、カバー１７が加工穴との関係で障害になること
はない。しかも、生成される切屑は、カバー１７と切屑
排出溝６，７とで形成する空間を進むので、穴加工面に
接触したり、擦過したりするおそれがなく、加工面につ
いて、良好な面粗度を維持できる。
シャンク３の外周面に取り付けられたカバー１７は、切
刃４ａ，５ａの外径Ｄ1より若干小さい（又は同一）外
径Ｄ2に設定されているから、ドリル１の切削や進退に
際して、カバー１７が加工穴との関係で障害になること
はない。しかも、生成される切屑は、カバー１７と切屑
排出溝６，７とで形成する空間を進むので、穴加工面に
接触したり、擦過したりするおそれがなく、加工面につ
いて、良好な面粗度を維持できる。
【００１５】上述のように、本実施例によれば、カバー
１７によって切屑を加工面から分離して、切屑が加工面
を擦過する等して加工面の面粗度を悪化させるのを防止
できると共に、加工穴の先端面で生成された切屑を確実
且つスムーズに誘導して穴の外部に排出できる。しか
も、カバー１７は、ドリル本体２の段部９，１０に係止
した状態で、ネジ止めやスポット溶接等で固定されるか
ら、ドリル本体２に対して、カバー１７の位置決めが容
易であり、ガタつくことが確実に防止されて、一体回転
する。又、カバー１７の外径は先端側切刃４ａ，５ａの
外径より小さいか或いは同一に設定されているから、加
工穴内でカバー１７が切削やドリル１の進退の邪魔にな
ることもない。
１７によって切屑を加工面から分離して、切屑が加工面
を擦過する等して加工面の面粗度を悪化させるのを防止
できると共に、加工穴の先端面で生成された切屑を確実
且つスムーズに誘導して穴の外部に排出できる。しか
も、カバー１７は、ドリル本体２の段部９，１０に係止
した状態で、ネジ止めやスポット溶接等で固定されるか
ら、ドリル本体２に対して、カバー１７の位置決めが容
易であり、ガタつくことが確実に防止されて、一体回転
する。又、カバー１７の外径は先端側切刃４ａ，５ａの
外径より小さいか或いは同一に設定されているから、加
工穴内でカバー１７が切削やドリル１の進退の邪魔にな
ることもない。
【００１６】尚、上述の実施例では、小孔２２でドリル
本体２にネジ止めしたり、スポット溶接したりしたが、
小孔２２に限定されることなく、他の適宜位置、例えば
係止部１８等でスポット溶接してもよい。又、ろう付け
や接着によってカバー１７を固定するようにしてもよ
い。又、カバー１７は、実施例では、図４に示すように
軸線方向に同一厚さの円筒状に形成されているが、これ
に代えて、先端側から後端側に向けて漸次内径が大きく
なるようにその厚さを減少させて、軸線方向の厚さ断面
をテーパ状に形成してもよい。カバー１７がこのように
構成されれば、外径を変化させることなく後端側におけ
る切屑排出溝６，７とカバー１７の内周面との空間の断
面積が漸次増大して、切屑の排出性が一層向上する。
本体２にネジ止めしたり、スポット溶接したりしたが、
小孔２２に限定されることなく、他の適宜位置、例えば
係止部１８等でスポット溶接してもよい。又、ろう付け
や接着によってカバー１７を固定するようにしてもよ
い。又、カバー１７は、実施例では、図４に示すように
軸線方向に同一厚さの円筒状に形成されているが、これ
に代えて、先端側から後端側に向けて漸次内径が大きく
なるようにその厚さを減少させて、軸線方向の厚さ断面
をテーパ状に形成してもよい。カバー１７がこのように
構成されれば、外径を変化させることなく後端側におけ
る切屑排出溝６，７とカバー１７の内周面との空間の断
面積が漸次増大して、切屑の排出性が一層向上する。
【００１７】又、実施例では、スローアウェイ式のドリ
ルについて説明したが、これに限定されることなく、ソ
リッドタイプやろう付けタイプのドリルであっても、同
様に本発明を適用できる。カバー１７のドリル本体２へ
の装着に際しては、カバー１７を断面視半円状に二分割
しておき、各々をシャンク３に装着して固定すればよ
い。又、実施例では切屑排出溝６，７が同一ピッチのツ
イストドリルを用いたが、ねじれ角が変化するものや、
シャンク全体又は後端側において切屑排出溝が直線状に
形成されるようなドリルであってもよいことはいうまで
もない。
ルについて説明したが、これに限定されることなく、ソ
リッドタイプやろう付けタイプのドリルであっても、同
様に本発明を適用できる。カバー１７のドリル本体２へ
の装着に際しては、カバー１７を断面視半円状に二分割
しておき、各々をシャンク３に装着して固定すればよ
い。又、実施例では切屑排出溝６，７が同一ピッチのツ
イストドリルを用いたが、ねじれ角が変化するものや、
シャンク全体又は後端側において切屑排出溝が直線状に
形成されるようなドリルであってもよいことはいうまで
もない。
【００１８】
【発明の効果】本発明に係る切屑排出用カバー付きドリ
ルは、シャンクの外周面に切刃の外径と同一か又は若干
小さい外径の筒状のカバーが取り付けられていて、切屑
は、切屑排出溝とカバーによって形成された空間を通っ
てシャンク後端側に誘導されて排出されるようにしたか
ら、カバーによって切屑排出溝内の切屑を加工面から分
離して、切屑が加工面を擦過する等して加工面の面粗度
を悪化させるのを防止できると共に、カバーは、加工穴
内で切削やドリルの進退の邪魔になることもない。又、
加工穴の先端奥部で生成された切屑を確実且つスムーズ
に後方に誘導して穴の外部に排出できる。又、カバー先
端面の切屑排出溝に対面する領域には、その厚み方向で
外周面から内周面に向けて傾斜する面取りが施されてい
るから、切屑はこの面取りにガイドされてカバー内の切
屑排出溝に誘導される。又、切刃の回転方向後方側に、
ドリル本体の外径が若干小さくなる段部が形成され、カ
バーの先端部には段部に係合する係止部が形成されてい
るから、ドリル本体に対して、カバーの位置決めが容易
且つ正確に行え、ガタつくことが確実に防止されて、一
体回転する。又、切屑排出溝の先端の回転方向を向くド
リル本体の壁面にスローアウェイチップが固定されて切
刃を構成し、カバー先端の切屑排出溝に対面する領域
は、スローアウェイチップを覆わないように凹状に切り
欠いて形成されているから、カバーが装着された状態で
チップ交換作業等が行える。又、ドリル本体の先端領域
にクーラント供給用の油穴が穿設されているから、切屑
のスムーズな排出が促進される。
ルは、シャンクの外周面に切刃の外径と同一か又は若干
小さい外径の筒状のカバーが取り付けられていて、切屑
は、切屑排出溝とカバーによって形成された空間を通っ
てシャンク後端側に誘導されて排出されるようにしたか
ら、カバーによって切屑排出溝内の切屑を加工面から分
離して、切屑が加工面を擦過する等して加工面の面粗度
を悪化させるのを防止できると共に、カバーは、加工穴
内で切削やドリルの進退の邪魔になることもない。又、
加工穴の先端奥部で生成された切屑を確実且つスムーズ
に後方に誘導して穴の外部に排出できる。又、カバー先
端面の切屑排出溝に対面する領域には、その厚み方向で
外周面から内周面に向けて傾斜する面取りが施されてい
るから、切屑はこの面取りにガイドされてカバー内の切
屑排出溝に誘導される。又、切刃の回転方向後方側に、
ドリル本体の外径が若干小さくなる段部が形成され、カ
バーの先端部には段部に係合する係止部が形成されてい
るから、ドリル本体に対して、カバーの位置決めが容易
且つ正確に行え、ガタつくことが確実に防止されて、一
体回転する。又、切屑排出溝の先端の回転方向を向くド
リル本体の壁面にスローアウェイチップが固定されて切
刃を構成し、カバー先端の切屑排出溝に対面する領域
は、スローアウェイチップを覆わないように凹状に切り
欠いて形成されているから、カバーが装着された状態で
チップ交換作業等が行える。又、ドリル本体の先端領域
にクーラント供給用の油穴が穿設されているから、切屑
のスムーズな排出が促進される。
【図１】本発明の実施例によるドリルの側面図である。
【図２】図１に示すドリルの先端面の正面図である。
【図３】カバーを取り除いた状態のドリル先端面の正面
図である。
図である。
【図４】カバーの側面図である。
【図５】カバー先端面の正面図である。
【図６】カバー先端部分の斜視図である。
１ ドリル ２ ドリル本体 ４，５ スローアウェイチップ ４ａ，５ａ 切刃 ６，７ 切屑排出溝 ９，１０ 段部 １２，１３ 逃げ面 １７ カバー １８ 係止部 １９ 凹部 ２０ 面取り
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 喜久幸 岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田1528 番地 三菱マテリアル株式会社岐阜製作所 内 (72)発明者 松浦 好明 愛知県豊田市トヨタ町１番地 トヨタ自動 車株式会社内
Claims (5)
- 【請求項１】 ドリル本体の先端面に切刃が設けられ、
この切刃のすくい面からシャンク外周面に沿って切屑排
出溝が形成されてなるドリルにおいて、前記シャンクの
外周面に前記切刃の外径と同一か又は若干小さい外径の
筒状のカバーが取り付けられていて、切屑が、前記切屑
排出溝とカバーによって形成された空間を通って前記シ
ャンク後端側に誘導されて排出されるようにしたことを
特徴とする切屑排出用カバー付きドリル。 - 【請求項２】 前記カバー先端の切屑排出溝に対面する
領域には、このカバーの厚み方向で外周面から内周面に
向けて傾斜する面取りが施されていることを特徴とする
請求項１に記載の切屑排出用カバー付きドリル。 - 【請求項３】 前記切刃の回転方向後方側の前記ドリル
本体外周面に、その外径が若干小さくなる段部が形成さ
れ、前記カバーの先端部にはこの段部に係合する係止部
が形成されていることを特徴とする請求項１又は２に記
載の切屑排出用カバー付きドリル。 - 【請求項４】 前記切屑排出溝の先端の回転方向を向く
ドリル本体の壁面にスローアウェイチップが固定されて
前記切刃を構成し、前記カバー先端の切屑排出溝に対面
する領域は、スローアウェイチップを覆わないように凹
状に切り欠いて形成されていることを特徴とする請求項
１乃至３に記載の切屑排出用カバー付きドリル。 - 【請求項５】 前記ドリル本体の先端領域にクーラント
供給用の油穴が穿設されていることを特徴とする請求項
１乃至４のいずれかに記載の切屑排出用カバー付きドリ
ル。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6461495A JPH08257815A (ja) | 1995-03-23 | 1995-03-23 | 切屑排出用カバー付きドリル |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6461495A JPH08257815A (ja) | 1995-03-23 | 1995-03-23 | 切屑排出用カバー付きドリル |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08257815A true JPH08257815A (ja) | 1996-10-08 |
Family
ID=13263321
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6461495A Withdrawn JPH08257815A (ja) | 1995-03-23 | 1995-03-23 | 切屑排出用カバー付きドリル |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08257815A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006150552A (ja) * | 2004-12-01 | 2006-06-15 | Tungaloy Corp | 切りくず飛散防止アタッチメント及びドリル |
| CN106735456A (zh) * | 2016-11-11 | 2017-05-31 | 丹阳宝联五金制品有限公司 | 一种内排屑钻头 |
| US9937599B1 (en) * | 2016-10-07 | 2018-04-10 | The Boeing Company | Debris collection for a milling process |
| CN113523367A (zh) * | 2021-07-30 | 2021-10-22 | 常州凯诺精密工具有限公司 | 一种车辆深加工用便于排屑的高强度钨钢钻 |
-
1995
- 1995-03-23 JP JP6461495A patent/JPH08257815A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006150552A (ja) * | 2004-12-01 | 2006-06-15 | Tungaloy Corp | 切りくず飛散防止アタッチメント及びドリル |
| US9937599B1 (en) * | 2016-10-07 | 2018-04-10 | The Boeing Company | Debris collection for a milling process |
| US20180099368A1 (en) * | 2016-10-07 | 2018-04-12 | The Boeing Company | Debris collection for a milling process |
| CN106735456A (zh) * | 2016-11-11 | 2017-05-31 | 丹阳宝联五金制品有限公司 | 一种内排屑钻头 |
| CN113523367A (zh) * | 2021-07-30 | 2021-10-22 | 常州凯诺精密工具有限公司 | 一种车辆深加工用便于排屑的高强度钨钢钻 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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