JP3371348B2 - 積載重量算出装置 - Google Patents

積載重量算出装置

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JP3371348B2
JP3371348B2 JP05889995A JP5889995A JP3371348B2 JP 3371348 B2 JP3371348 B2 JP 3371348B2 JP 05889995 A JP05889995 A JP 05889995A JP 5889995 A JP5889995 A JP 5889995A JP 3371348 B2 JP3371348 B2 JP 3371348B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トラック等の車両にお
ける積載重量を算出する積載重量算出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の積載重量の計測は、主としてトラ
ック等の大型車両を対象とし、例えば過積載による横転
等の交通事故や車両劣化の促進を防ぐ目的で行われてい
る。在来の車両の積載重量計測は、俗に看貫(かんか
ん)と呼ばれる台秤に計測対象の車両を載せて行ってい
たが、施設が大掛かりで広い設置スペースを必要とする
ため、設置できる台秤の台数が制限され多くの車両を計
測することができない他、設置コストが嵩んでしまう。
そこで、近年では、車両自体に搭載して積載重量を算出
する積載重量算出装置が提供されている。
【0003】車両搭載型の従来の積載重量算出装置では
一般に、荷台フレームの前後左右箇所とフロント、リア
の両アクスル(車軸)の左右両端部との間に介設される
円弧状のリーフスプリングに、例えばひずみ式ゲージセ
ンサ等、重量測定用のセンシング素子を取り付け、前後
左右の各センシング素子の測定値の合計により積載重量
を算出するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来の積載重量算出装置では、荷台上の偏った位置に荷物
を積むと、それにより発生する偏荷重の影響や、車両自
身の重量配分の特性等により、前後左右の各センシング
素子の測定値の合計で正しい積載重量を割り出すことが
できない場合があった。
【0005】本発明は前記事情に鑑みなされたもので、
本発明の目的は、ひずみ式ゲージセンサ等のセンサを用
いて車両の積載重量を算出するに当り、車両に掛る荷重
の偏りに関係なく、各センサの出力信号の合計で正しい
積載重量を算出することができる積載重量算出装置を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明は、図1の基本構成図に示すように、車両1に取
り付けられた複数のセンサ21と、該センサ21の出力
信号の合計を基に重量を算出する重量算出手段33Aと
を備え、該重量を基に前記車両1の積載重量を算出する
装置において、前記各センサ21の出力信号を基に、前
記車両1に掛る荷重の偏りを割り出す偏荷重検出手段3
3Bと、前記車両1に掛る荷重の偏りに応じた前記重量
算出手段33Aの算出重量の補正値データZ(1,1)
〜Z(n,n)を保持する補正値データ保持手段35と
を備え、前記偏荷重検出手段33Bで割り出した前記荷
重の偏りに対応する前記補正値データ保持手段35中の
前記補正値データZ(1,1)〜Z(n,n)により、
前記重量算出手段33Aの算出重量を補正して前記車両
1の積載重量を算出するようにしたことを特徴とする。
【0007】また、本発明は、前記偏荷重検出手段33
Bは、前記車両1の前後方向における前記荷重の比率
と、該前後方向と直交する前記車両1の左右方向におけ
る前記荷重の比率を割り出し、前記補正値データ保持手
段35は、前記前後及び左右方向における荷重の比率に
対応付けた複数の前記補正値データZ(1,1)〜Z
(n,n)を保持しているものとした。さらに、本発明
は、前記各センサ21の特性が相互に合致するように該
各センサ21の出力信号を補正するセンサレベル補正手
段33Cをさらに備え、前記偏荷重検出手段33Bは前
記センサレベル補正手段33Cにより補正した後の前記
各センサの出力信号レベルを基に、前記車両1に掛る荷
重の偏りを割り出すものとした。また、本発明は、前記
補正値データZ(1,1)〜Z(n,n)により前記重
量算出手段33Aの算出重量を補正して算出した前記車
両1の積載重量を表示する積載重量表示手段37をさら
に備えるものとした。さらに、本発明は、前記補正値デ
ータZ(1,1)〜Z(n,n)の入力設定手段Aをさ
らに備えるものとした。
【0008】また、本発明は、前記偏荷重検出手段33
Bにより割り出された前記車両1に掛る荷重の偏りの該
車両1に対する方向を判定する偏荷重方向判定手段33
Dと、該偏荷重方向判定手段33Dが判定した前記車両
1に掛る荷重の偏りの該車両1に対する方向を表示する
偏荷重方向表示手段39とをさらに備えるものとした。
さらに、本発明は、前記算出した前記車両1の積載重量
と所定の過積載重量との大小を基に過積載状態の有無を
判定する過積載状態判定手段33Eと、過積載状態があ
ると前記過積載状態判定手段33Eが判定したときに、
該過積載状態であることを報知する過積載状態報知手段
Bとをさらに備えるものとした。
【0009】
【作用】本発明によれば、車両1に掛る荷重の偏りに起
因する偏荷重の影響や、車両自身の重量配分の特性等に
より、車両1に取り付けられた複数のセンサ21の出力
信号の合計を基に重量算出手段33Aで算出した重量
が、実際の車両1の積載重量と異なるような場合であっ
ても、偏荷重検出手段33Bが割り出した車両1に掛る
荷重の偏りに応じた補正値データ保持手段35中の補正
値データZ(1,1)〜Z(n,n)により、重量算出
手段33Aの算出重量を補正することで、その補正後の
重量と、実際の車両1の積載重量との誤差が解消され
る。
【0010】また、偏荷重検出手段33Bが割り出す車
両1の前後及び左右方向のそれぞれにおける荷重の比率
に対応付けた複数の前記補正値データZ(1,1)〜Z
(n,n)を、補正値データ保持手段35が保持するこ
とで、偏荷重検出手段33Bが割り出す前記2方向の荷
重比率をアドレスポインタとして、適用する補正値デー
タZ(1,1)〜Z(n,n)を特定することが可能と
なる。さらに、各センサ21の特性が相互に合致するよ
うに該各センサ21の出力信号をセンサレベル補正手段
33Cで補正することにより、センサ21間の特性のば
らつきによる積載重量の算出誤差の発生が防止される。
また、補正値データZ(1,1)〜Z(n,n)による
補正後の算出積載重量を表示する積載重量表示手段37
を設けることで、精度の高い算出積載重量を表示に供す
ることが可能となる。
【0011】さらに、補正値データZ(1,1)〜Z
(n,n)の入力設定手段Aを設けることで、車両1の
車種やセンサ21の違いに合わせて補正値データZ
(1,1)〜Z(n,n)を個別に設定することが可能
となる。また、車両1に掛る荷重の偏りの車両1に対す
る方向を判定する偏荷重方向判定手段33Dと、その方
向を表示する偏荷重方向表示手段39を設けることで、
偏った荷重を基に戻す際の参考となる情報を得ることが
可能となる。同様に、算出した積載重量が過積載状態で
あるか否かを判定する過積載状態判定手段33Eと、過
積載状態と判定された場合にこれを報知する過積載状態
報知手段Bを設けることで、過積載であることを容易に
認識しその状態を解消する手当てをより早い時期に行う
ことが可能となる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図2乃至図12を参
照して説明する。図2は本発明の一実施例に係る積載重
量計測装置のセンシング素子が配設される車両箇所を示
す説明図で、(a)は側面図、(b)は平面図、図3は
図2のリーフスプリングを車両の荷台フレームに支持さ
せる構造の分解斜視図、図4は図3のシャックルピン内
に設けられたセンシング素子を示す断面図である。
【0013】図2(a),(b)において1は車両で、
車両1は、車輪3、荷台フレーム5、並びに、荷台7を
有している。前記車輪3は前後左右の4輪設けられ、前
2輪と後2輪はそれぞれ前後のアクスル(車軸)9の左
右両端で支持されている。前記荷台7は前記荷台フレー
ム5上に支持されており、この荷台フレーム5の前後左
右に間隔を置いた箇所は、リーフスプリング11を介し
て前記前後のアクスル9の左右両端箇所によりそれぞれ
支持されている。
【0014】前記リーフスプリング11は、図3に示す
ように、帯状のバネ板を重ね合わせて地上側に凸状の略
円弧形に形成されており、その長手方向の両端が、荷台
フレーム5の前後に間隔を置いた箇所に取着された2つ
のブラケット13により支持され、特に、リーフスプリ
ング11で車両1の後側の端部は、ブラケット13とリ
ーフスプリング11の間に介設されたシャックル15に
より、ブラケット13に対して揺動可能に支持されてい
る。尚、図中17は、ブラケット13とシャックル15
を揺動可能に連結するシャックルピンを示す。
【0015】このような構成の車両1において、荷重測
定用のセンシング素子21(センサに相当)は、前後左
右の4つの前記ブラケット13とシャックル15を連結
する前記各シャックルピン17内に配設されている。前
記各センシング素子21は、本実施例では磁歪式のゲー
ジセンサからなり、図4に示すように、前記シャックル
ピン17の一端から軸方向に沿って穿設された孔17a
内に収容された保持部材19のウェブ19aに取着され
ている。尚、前記センシング素子21が磁歪型の場合に
は、前記ウェブ19aに形成した収容孔(図示せず)に
嵌合される。
【0016】前記前後左右の4つのシャックルピン17
内に配設された前後左右の4つのセンシング素子21は
それぞれ、図5にブロック図で示すように、センサ23
と、電圧/周波数変換部(以下、V/F変換部と略記す
る)25からなる。前記センサ23は、磁歪素子23a
と、この磁歪素子23aを磁路とするトランス23bと
で構成されている。前記V/F変換部25は、前記トラ
ンス23bの1次巻線に接続された発振器25aと、ト
ランス23bの2次巻線に接続された検波器25bと、
この検波器25bに接続されたV/F変換回路25cと
を備えている。
【0017】前記センシング素子21は、発振器25a
からの出力信号によってトランス23bの1次巻線に電
流を流し、これによりトランス23bの2次巻線に交流
電圧を誘起させ、この交流電圧を検波器25bが直流電
圧に変換し、さらに、V/F変換回路25cがこの直流
電圧をその電圧値に比例した周波数のパルス信号に変換
して、外部に出力するように構成されている。尚、前記
発振器25aとトランス23bの1次巻線との間には、
高抵抗値の抵抗25dが接続されており、この抵抗25
dにより、前記トランス23bの1次巻線に誘起される
交流電圧の電圧値は、発振器25aの出力信号が少々変
動しても変化することがない。また、前記検波器25b
によるトランス23bの2次巻線に誘起する交流電圧の
直流電圧への変換は、この交流電圧と抵抗25dの両端
に発生する電圧とを乗算することで行われ、この乗算に
よる検波で、交流電圧中に含まれる雑音成分が減縮され
る。
【0018】そして、前記センシング素子21では、磁
歪素子23aにかかる荷重により該磁歪素子23aの透
磁率が変化し、これにより、発振器25aからの出力信
号によってトランス23bの2次巻線に誘起される交流
電圧が変化することで、V/F変換回路25cから出力
されるパルス信号の周波数が増減する。
【0019】前記前後左右の4つのシャックルピン17
内に配設された前後左右の4つのセンシング素子21の
測定値を基にした車両1の積載重量の計測は、図6に正
面図で示す積載重量算出装置31内に配設されたマイク
ロコンピュータ(以下、マイコンと略記する)33によ
り行われる。前記積載重量算出装置31の前面31aに
は、マイコン33で測定された積載重量を表示する例え
ば7セグメントの発光ダイオード群からなる積載重量表
示部37と、荷重の偏り状態を表示する前後左右の4つ
の偏荷重表示ランプ39a〜39dと、測定された積載
重量が所定の最大積載重量を超えたことを表示する過積
載表示ランプ41と、荷重の偏り状態及び過積載状態報
知用の警報ブザー43と、オフセット調整値設定キー
5と、過積載重量値設定キー47と、前後左右の偏荷重
判定値設定キー49a〜49dと、偏り補正値設定キー
51と、数値入力用のテンキー53と、入力数値確定用
のセットキー55が配設されている。
【0020】前記マイコン33は、図7に示すように、
CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)3
3aと、RAM(Random Access Memory)33bと、R
OM(Read-Only Memory)33cとで構成されている。
前記CPU33aには、電源供給が断たれても格納デー
タが失われない不揮発性メモリ(NVM)35と、前記
オフセット調整値設定キー45、過積載重量値設定キー
47、前後左右の偏荷重値設定キー49a〜49d、偏
り補正値設定キー51、テンキー53、並びに、セット
キー55がそれぞれ直接接続されており、また、入力イ
ンタフェース33dを介して、前記各センシング素子2
1と、車両1の走行に応じて走行パルスを発生する走行
センサ57が接続されている。さらに、前記CPU33
aには、出力インタフェース33eを介して、前記積載
重量表示部37(積載重量表示手段に相当)、前後左右
の偏荷重表示ランプ39a〜39d(偏荷重方向表示手
段39に相当)、過積載表示ランプ41、警報ブザー4
3がそれぞれ接続されている。
【0021】前記RAM33bは、図8にメモリエリア
マップで示すように、各種データ記憶用のデータエリア
及び各種処理作業に用いるワークエリアを有しており、
このうち、前記ワークエリアには、演算、偏り補正前合
計周波数レジスタ、合計周波数レジスタ、前後周波数比
レジスタ、左右周波数比レジスタ、並びに、積載重量レ
ジスタの各エリアと、前後左右の4つの偏りフラグエリ
ア、偏荷重及び過積載の各フラグエリア等が設けられて
いる。前記ROM33cには、CPU33aに各種処理
動作を行わせるための制御プログラムが格納されてい
る。
【0022】前記NVM35には、各センシング素子2
1の出力パルス信号に対するオフセット調整値及び特性
補正値の各テーブルと、オフセット調整及び特性補正後
の各センシング素子21の出力パルス信号の周波数の合
計値に対する偏り補正値テーブルと、重量換算式と、過
積載の重量値と、前後左右の4つの偏荷重判定値が、前
もって格納されている。
【0023】前記オフセット調整値テーブルの調整値
は、4つのセンシング素子21が車両1の風袋状態にお
いてそれぞれ出力するパルス信号の周波数のばらつきを
なくすためのもので、この調整値は、車両1の風袋状態
における設定処理により、各センシング素子21毎に設
定される。各センシング素子21の調整値は、各センシ
ング素子21の風袋状態における出力パルス信号の周波
数と、積載重量=0トン時のパルス信号の基準周波数で
ある200Hzとの差値(単位Hz)であり、調整値の
具体的な範囲は+170Hz〜−500Hzの間であ
る。従って、この調整値によりオフセット調整可能なセ
ンシング素子21は、風袋状態における出力パルス信号
の周波数の値が30Hz〜700Hzの範囲内のもので
ある。
【0024】前記特性補正値テーブルの特性補正値は、
各センシング素子21に掛る荷重と出力パルス信号との
相関に関する特性の、各センシング素子21間でのばら
つきを補正するためのもので、この特性補正値は、セン
シング素子21をシャックルピン17内に配設する前の
段階において、各センシング素子21毎に設定される。
各センシング素子21の特性補正値は、センシング素子
21に掛る荷重と出力パルス信号との相関を示す線の傾
きを、基準特性を示す線の傾きに合致させるための、各
センシング素子21が出力するパルス信号の周波数に乗
じる補正係数である。そして、前記センシング素子21
が、出力パルス信号の周波数帯域によってある特性から
別の特性にパルス信号の特性が変化するような、非直線
的な特性を有する場合には、その変化点の周波数以下に
適用する特性補正値と、前記変化点の周波数以上に適用
する特性補正値の2つの特性補正値が1つのセンシング
素子21に対して設定される。
【0025】前記偏り補正値テーブルエリアの偏り補正
値テーブルは、荷台7の前後左右方向への荷重の偏り具
合を起因として生じる、4つのセンシング素子21が実
際に出力するパルス信号の周波数の合計値と、4つのセ
ンシング素子21に掛る荷重に見合った各センシング素
子21が本来出力すべきパルス信号の周波数の合計値と
の誤差を補正するためのもので、図9に示すように、こ
の偏り補正値テーブル内の偏り補正値Z(1,1)〜Z
(n,1),Z(1,2)〜Z(n−1,n),Z
(n,n)は、車両1の風袋状態における設定処理によ
り、車両1の車種毎に設定される。この偏り補正値テー
ブルは具体的には、荷台7を前後左右にそれぞれ所定の
等間隔でマトリクス状に区画した各エリアに1対1に対
応するマトリクス状に構成されており、図9中の二重枠
で示すテーブル箇所は、図2(b)に示す、風袋状態に
おける荷台フレーム5から上側の車両1部分についての
重心S上にある荷台7のエリア箇所に対応するテーブル
箇所を示す。
【0026】各マトリクス状のテーブル箇所内に割り付
けられる偏り補正値Z(1,1)〜Z(n,n)〔補正
値データに相当〕は、次のようにして求められる。即
ち、既知の重量の重り(図示せず)を、偏り補正値Z
(1,1)〜Z(n,n)の割り付けテーブル箇所に対
応する荷台7上のエリア箇所に載置した状態で、4つの
センシング素子21の出力パルス信号を固有の調整値に
よりそれぞれオフセット調整し、さらに、固有の特性補
正値によりそれぞれ特性補正した後、それら4つの周波
数の合計値、即ち、偏り補正前の合計周波数を求める。
次に、前記重りの重量と、前記風袋状態における荷台フ
レーム5から上側の車両1部分についての重量との合計
重量が、前記4つのセンシング素子21に分散して(例
えば均等に)掛った場合を想定し、その場合に各センシ
ング素子21が本来出力すべきパルス信号の周波数の合
計値、即ち、基準合計周波数を求める。そして、前記偏
り補正前の合計周波数を基準合計周波数で除すること
で、前記重りを載置した荷台7上のエリア箇所に対応す
る偏り補正値テーブル上のテーブル箇所に割り付ける偏
り補正値Z(1,1)〜Z(n,n)が求められる。
【0027】尚、前記偏り補正値テーブル上において、
前記重心S上の荷台7のエリア箇所に対応する二重枠の
テーブル箇所に割り付けられる偏り補正値Z(a,a)
は、「1」となる。これは、荷台7の前後左右への荷重
の偏りがなく各センシング素子21に荷重が均等に分散
して掛るためである。
【0028】ところで、積載重量算出装置31の運用中
に、前記偏り補正前の合計周波数から、それに適用する
偏り補正値テーブル上の偏り補正値Z(1,1)〜Z
(n,n)を特定するためのアドレスポインタとして
は、図8中のテーブル枠外に列記した左右周波数比X1
〜Xnと前後周波数比Y1〜Ynを用いる。この前後周
波数比Y1〜Ynは、各テーブル箇所の偏り補正値Z
(1,1)〜Z(n,n)を求める際に算出した、オフ
セット調整及び特性補正後の各センシング素子21の出
力パルス信号の周波数のうち、荷台7の前方2つのセン
シング素子21が出力したパルス信号の周波数の合計値
を、前記偏り補正前の合計周波数で除した値である。同
様に、前記左右周波数比X1〜Xnは、荷台7の左方2
つのセンシング素子21が出力したパルス信号の周波数
の合計値を、前記偏り補正前の合計周波数で除した値で
ある。
【0029】尚、左右周波数比X1〜Xnの枝番号1〜
nと、前後周波数比Y1〜Ynの枝番号1〜nは、あく
まで、前記荷台7上でのエリア箇所、及び、前記偏り補
正値テーブル上でのテーブル箇所の位置を示すもので、
番号が大きいほどパルス信号の周波数の大小関係を示す
ものではない。
【0030】前記重量換算式は、前記偏り補正前の合計
周波数を偏り補正値テーブル上の対応する偏り補正値Z
(1,1)〜Z(n,n)で補正した後の、偏り補正後
合計周波数から、積載重量=0トン時のパルス信号の基
準周波数である200Hzを差し引き、その差し引き後
の積載重量分周波数に、1Hz当りの単位換算重量であ
る0.01トンを乗じる式である。従って、例えば4つ
のセンシング素子21の出力パルス信号の周波数から求
めた偏り補正後合計周波数が700Hzである場合は、
前記重量換算式により積載重量=5トンが算出され、1
200Hzである場合は積載重量=10トンが算出され
る。尚、算出した積載重量の小数点以下第2位は四捨五
入される。
【0031】前記過積載の重量値は、前記積載重量がこ
の値を上回った場合に過積載と判定する重量値で、本実
施例では、車両1の風袋状態における設定処理により、
3.0トン〜17.9トンの間で0.1トン単位で設定
することができる。また、前記前偏荷重判定値は、前記
前後周波数比Y1〜Ynがこの値を上回った場合に、車
両1の前側に荷重が偏っていると判定するための値であ
る。同様に、後偏荷重判定値は、前記前後周波数比Y1
〜Ynがこの値を下回った場合に、車両1の後側に荷重
が偏っていると判定するための値、左偏荷重判定値は、
前記左右周波数比X1〜Xnこの値を上回った場合に、
車両1の左側に荷重が偏っていると判定するための値、
右偏荷重判定値は、前記左右周波数比X1〜Xnこの値
を下回った場合に、車両1の左側に荷重が偏っていると
判定するための値である。そして、本実施例では、車両
1の風袋状態における設定処理により、前及び左の各偏
荷重判定値を、51%〜60%の間で1%単位で設定す
ることができ、同様に、後及び右の各偏荷重判定値を、
40%〜49%の間で1%単位で設定することができ
る。
【0032】次に、前記ROM33cに格納された制御
プログラムに従いCPU33aが行う処理を、図10乃
至図12のフローチャートを参照して説明する。前記車
両の不図示のアクセサリ(ACC)キーの最初のオンに
より、荷重測定装置31の電源が投入され、マイコン3
3が起動してプログラムがスタートすると、CPU33
aは、図10のフローチャートに示すメインルーチンに
従って、初期設定を行う(ステップS1)。この初期設
定では、RAM33bの合計周波数レジスタ、前後周波
数比レジスタ、左右周波数比レジスタ、並びに、積載重
量レジスタの各エリアの格納値をゼロリセットすると共
に、前後左右の4つの偏りフラグエリアと、偏荷重及び
過積載の各フラグエリアのフラグF1〜F6に「0」を
それぞれ設定する。
【0033】続いて、オフセット調整値設定キー45、
過積載重量値設定キー47、前後左右の偏荷重判定値設
定キー49a〜49d、並びに、偏り補正値設定キー5
1の操作による設定モード要求があるか否かを確認し
(ステップS3)、要求がなければ(ステップS3で
N)、後述するステップS7に進み、要求があれば(ス
テップS3でY)、ステップS5の設定処理に進む。
【0034】前記設定処理では、図12のフローチャー
トに示すように、設定モード要求の際に操作されたのが
オフセット調整値設定キー45、過積載重量値設定キー
47、前偏荷重判定値設定キー49a、後偏荷重判定値
設定キー49b、左偏荷重判定値設定キー49c、右偏
荷重判定値設定キー49d、並びに、偏り補正値設定キ
ー51のうちどれであるかにより、それぞれ異なるステ
ップに進む。
【0035】まず、オフセット調整値設定キー45が操
作された場合に進むステップS5aでは、車両1を風袋
状態としておいて、入力インタフェース33dを介して
各センシング素子21から入力されるパルス信号の周波
数を割り出し、次に、割り出した各センシング素子21
の出力パルス信号の周波数から、積載重量=0トン時の
基準周波数である200Hzをそれぞれ差し引いて積載
重量分周波数を算出する演算を、RAM33bの演算エ
リアにおいて行う(ステップS5b)。そして、ステッ
プS5bで算出した4つの周波数の+,−の符号を反転
させた周波数値を、各センシング素子21のオフセット
調整値としてNVM35に書き込んだ後(ステップS5
c)、図10のメインルーチンのステップS3にリター
ンする。
【0036】次に、過積載重量値設定キー47が操作さ
れた場合に進むステップS5dでは、テンキー53によ
る入力値を読み込み、次に、セットキー55が操作され
たか否かを確認する(ステップS5e)。セットキー5
5が操作されていない場合は(ステップS5eでN)、
ステップS5dにリターンし、操作された場合は(ステ
ップS5eでY)、ステップS5dで読み込んだ入力値
を過積載の判定基準とする重量値としてNVM35に書
き込んだ後(ステップS5f)、メインルーチンのステ
ップS3にリターンする。
【0037】続いて、前偏荷重判定値設定キー49aが
操作された場合に進むステップS5gでは、テンキー5
3による入力値を読み込み、次に、セットキー55が操
作されたか否かを確認する(ステップS5h)。セット
キー55が操作されていない場合は(ステップS5hで
N)、ステップS5gにリターンし、操作された場合は
(ステップS5hでY)、ステップS5gで読み込んだ
入力値を前側に荷重が偏っていると判定する基準の前偏
荷重判定値としてNVM35に書き込んだ後(ステップ
S5j)、メインルーチンのステップS3にリターンす
る。
【0038】また、後、左、並びに、右の各偏荷重判定
値設定キー49b〜49dが操作された場合にも、前偏
荷重判定値設定キー49aが操作された場合と同様に、
ステップS5k,ステップS5m,ステップS5n、ス
テップS5p,ステップS5r,ステップS5s、並び
に、ステップS5t,ステップS5u,ステップS5w
において、それぞれステップS5g乃至ステップS5j
と同様の処理を行い、後、左、並びに、右の各偏荷重判
定値としてNVM35に書き込んだ後、メインルーチン
のステップS3にリターンする。
【0039】偏り補正値設定キー51が操作された場合
に進むステップS5xでは、車両1を風袋状態としてお
いて、先に説明した内容で各テーブル箇所に割り付ける
偏り補正値Z(1,1)〜Z(n,n)を、既知の重量
の重りを用いて演算エリアでの算出処理により求めて行
く。次に、求めた偏り補正値Z(1,1)〜Z(n,
n)を対応するテーブル箇所にそれぞれ割り付けて、こ
れを、全てのテーブル箇所に偏り補正値Z(1,1)〜
Z(n,n)が割り付けられるまで繰り返し、全テーブ
ル箇所に割り付けた偏り補正値Z(1,1)〜Z(n,
n)をNVM35に書き込んだ後(ステップS5y)、
メインルーチンのステップS3にリターンする。
【0040】尚、偏り補正値Z(1,1)〜Z(n,
n)の対応するテーブル箇所への割り付けは、例えば、
偏り補正値テーブル上のX1,Y1〜Xn,Y1〜X
1,Y2〜Xn,Y2〜X1,Yn〜Xn,Ynのアド
レスポインタのテーブル箇所に対応する荷台7上のエリ
ア箇所の順に、前記既知の重量の重りの載置位置を移動
させつつ、車両1を静止させた状態で例えばセットキー
55を操作することで、行うことができる。従って、こ
の場合には、偏り補正値設定キー51及びセットキー5
5で入力設定手段Aが構成される。
【0041】ステップS3で設定モード要求がない場合
(N)に進むステップS7では、各センシング素子21
から入力されるパルス信号の周波数を割り出し、次に、
走行センサ57からの走行パルスが入力されたか否かを
確認し(ステップS9)、入力された場合は(ステップ
S9でY)、所定時間Tw秒待機した後(ステップS1
1)、ステップS3にリターンする。一方、ステップS
9で走行センサ57からの走行パルスが入力されていな
い場合は(N)、ステップS7で割り出した各センシン
グ素子21の出力パルス信号の周波数が全て、オフセッ
ト調整値によりオフセット調整可能な30Hz〜700
Hzの範囲内であるか否かを確認する(ステップS1
3)。各センシング素子21のうち1つでも、その出力
パルス信号の周波数が30Hz〜700Hzの範囲外で
ある場合には(ステップS13でN)、積載重量表示部
37に例えばアルファベットの「E.Lo」の文字によ
りエラー表示を行った後(ステップS15)、ステップ
S3にリターンし、一方、各センシング素子21の出力
パルス信号の周波数が全て30Hz〜700Hzの範囲
内である場合には(ステップS15でY)、ステップS
17に進む。
【0042】ステップS17では、ステップS7で割り
出した各センシング素子21から入力されるパルス信号
の周波数を、演算エリアにおいて、NVM35のオフセ
ット調整値によりオフセット調整し、次に、オフセット
調整後の各センシング素子21からのパルス信号周波数
を、演算エリアにおいて、NVM35の特性補正値によ
り特性補正する(ステップS19)。そして、このオフ
セット調整及び特性補正後の各センシング素子21から
のパルス信号周波数の合計、即ち、前記偏り補正前の合
計周波数を算出し(ステップS21)、RAM33bの
偏り補正前合計周波数レジスタエリアの格納値を、ステ
ップS21で算出した偏り補正前の合計周波数の値に更
新する(ステップS23)。
【0043】次に、演算エリアにおいて、オフセット調
整及び特性補正後の各センシング素子21の出力パルス
信号の周波数のうち、荷台7の前方2つのセンシング素
子21が出力したパルス信号の周波数の合計値を、前記
偏り補正前合計周波数レジスタエリアの格納値で除し
て、前記前後周波数比Y1〜Ynを算出し(ステップS
25)、RAM33bの前後周波数比レジスタエリアの
格納値を、ステップS25で算出した前後周波数比Y1
〜Ynの値に更新する(ステップS27)。また、演算
エリアにおいて、オフセット調整及び特性補正後の各セ
ンシング素子21の出力パルス信号の周波数のうち、荷
台7の左方2つのセンシング素子21が出力したパルス
信号の周波数の合計値を、前記偏り補正前合計周波数レ
ジスタエリアの格納値で除して、前記左右周波数比X1
〜Xnを算出し(ステップS29)、RAM33bの左
右周波数比レジスタエリアの格納値を、ステップS29
で算出した左右周波数比X1〜Xnの値に更新する(ス
テップS31)。
【0044】続いて、前後周波数比レジスタエリアの格
納値がNVM35の前偏荷重判定値を上回ったか否かを
確認し(ステップS33)、上回った場合は(ステップ
S33でY)、RAM33bの前フラグエリアのフラグ
F1を「1」に設定した後(ステップS35)、ステッ
プS37に進み、上回っていない場合は(ステップS3
3でN)、ステップS35をスキップしてステップS3
7に進む。ステップS37では、前後周波数比レジスタ
エリアの格納値がNVM35の後偏荷重判定値を下回っ
たか否かを確認し、下回った場合は(ステップS37で
Y)、RAM33bの後フラグエリアのフラグF2を
「1」に設定した後(ステップS39)、ステップS4
1に進み、下回っていない場合は(ステップS37で
N)、ステップS39をスキップしてステップS41に
進む。
【0045】ステップS41では、左右周波数比レジス
タエリアの格納値がNVM35の左偏荷重判定値を上回
ったか否かを確認し、上回った場合は(ステップS41
でY)、RAM33bの左フラグエリアのフラグF3を
「1」に設定した後(ステップS43)、ステップS4
5に進み、上回っていない場合は(ステップS41で
N)、ステップS43をスキップしてステップS45に
進む。ステップS45では、左右周波数比レジスタエリ
アの格納値がNVM35の右偏荷重判定値を下回ったか
否かを確認し、下回った場合は(ステップS45で
Y)、RAM33bの右フラグエリアのフラグF4を
「1」に設定した後(ステップS47)、ステップS4
9に進み、下回っていない場合は(ステップS45で
N)、ステップS47をスキップしてステップS49に
進む。
【0046】ステップS49では、図11のフローチャ
ートに示すように、前後周波数比レジスタエリアの格納
値Y1〜Ynと、左右周波数比レジスタエリアの格納値
X1〜Xnをアドレスポインタとして、NVM35の偏
り補正値テーブル上から、積載重量の算出に適用する偏
り補正値Z(1,1)〜Z(n,n)を特定する。次
に、この特定した偏り補正値Z(1,1)〜Z(n,
n)を用い、演算エリアにおいて、前記偏り補正前合計
周波数レジスタエリアの格納値を補正して偏り補正後合
計周波数を算出する(ステップS51)。そして、演算
エリアにおいて、ステップS51で算出した偏り補正後
合計周波数から、NVM35の重量換算式を用いて積載
重量を算出し(ステップS53)、RAM33bの積載
重量レジスタエリアの格納値を、ステップS53で算出
した積載重量に更新すると共に(ステップS55)、積
載重量表示部37の表示を、ステップS55で積載重量
レジスタエリアに格納した積載重量に更新する(ステッ
プS57)。
【0047】次に、前後左右の各フラグエリアのフラグ
F1〜F4が全て「0」であるか否かを確認し(ステッ
プS59)、前後左右の各フラグエリアのフラグF1〜
F4が全て「0」である場合は(ステップS59で
Y)、偏荷重表示ランプ39a〜39dを全て消灯し
(ステップS61)、偏荷重フラグエリアのフラグF5
を「0」に設定した後(ステップS63)、ステップS
71に進む。一方、フラグF1〜F4のうち1つでも
「0」でない場合は(ステップS59でN)、偏荷重表
示ランプ39a〜39dのうち、「0」でないフラグF
1〜F4に対応する偏荷重表示ランプ39a〜39dを
点灯し(ステップS65)、RAM33bの偏荷重フラ
グエリアのフラグF5を「1」に設定し(ステップS6
7)、さらに、前後左右の各フラグエリアのフラグF1
〜F4を全て「0」に設定した後(ステップS69)、
ステップS71に進む。
【0048】ステップS71では、ステップS55で積
載重量レジスタエリアに格納した積載重量が、NVM3
5の過積載重量値を上回っているか否かを確認し、上回
っていない場合は(ステップS71でN)、過積載表示
ランプ41を消灯し(ステップS73)、過積載フラグ
エリアのフラグF6を「0」に設定した後(ステップS
75)、ステップS81に進み、上回っている場合は
(ステップS71でY)、過積載表示ランプ41を点灯
し(ステップS77)、RAM33bの過積載フラグエ
リアのフラグF6を「1」に設定した後(ステップS7
9)、ステップS81に進む。ステップS81では、偏
荷重及び過積載の各フラグエリアのフラグF5,F6が
両方とも「0」であるか否かを確認し、「0」でない場
合は(ステップS81でN)、警報ブザー43を所定時
間鳴動させた後(ステップS83)、ステップS3にリ
ターンし、「0」である場合は(ステップS81で
Y)、ステップS3にリターンする。
【0049】以上の説明からも明らかなように、本実施
例では、請求項中の重量算出手段33Aが図10のフロ
ーチャートにおけるステップS3とステップS21で構
成され、偏荷重検出手段33Bが図10中のステップS
21乃至ステップS31で構成され、センサレベル補正
手段33Cが図10中のステップS17及びステップS
19と、前記偏り補正値設定キー51と、セットキー5
5とで構成され、偏荷重方向判定手段33Dが図10中
のステップS33乃至ステップS47で構成されてい
る。また、本実施例では、過積載状態判定手段33Eが
図11のフローチャートにおけるステップS71、ステ
ップS75、及び、ステップS79で構成されて、過積
載状態報知手段Bが過積載表示ランプ41及び警報ブザ
ー43で構成されている。
【0050】次に、上述した構成による本実施例の積載
重量算出装置31の動作(作用)について説明する。ま
ず、荷台7上に荷物等を積み込むと、各センシング素子
21に掛る荷重に応じた周波数のパルス信号がそれら各
センシング素子21からそれぞれ出力され、この時に、
車両1が停止していて走行センサ57からの走行パルス
が入力されていない場合には、各センシング素子21か
らのパルス信号の周波数をオフセット調整及び特性補正
した後に合計した偏り補正前の合計周波数が算出され
る。そして、前記偏り補正前の合計周波数に対する、前
左及び前右の前側2つのセンシング素子21からのオフ
セット調整及び特性補正後のパルス信号の合計周波数の
割合により、前後周波数比Y1〜Ynが算出され、同様
に、左前及び左後の左側2つのセンシング素子21から
のオフセット調整及び特性補正後のパルス信号の合計周
波数を基に、左右周波数比X1〜Xnが算出される。
【0051】この前後周波数比Y1〜Yn及び左右周波
数比X1〜Xnにより、荷台フレーム5上の荷台7や荷
台7上の荷物等の荷重が前記重心Sから前後左右のいず
れかの方向に偏っていて、NVM35に書き込まれてい
る前後左右の偏荷重値を上回る(前及び左)か、或は、
下回る(後及び右)と、対応する前後左右の偏荷重表示
ランプ39a〜39dが点灯する。また、前記偏り補正
前の合計周波数が、前記前後周波数比Y1〜Yn及び左
右周波数比X1〜Xnにより特定されるNVM35の偏
り補正値テーブル上の偏り補正値Z(1,1)〜Z
(n,n)により補正され、偏荷重による誤差が取り除
かれた状態の周波数値となった後に、NVM35の重量
換算式により積載重量に換算され、その積載重量が積載
重量表示部37に表示される。さらに、その積載重量が
NVM35に書き込まれた過積載の重量値を超えている
場合は、過積載表示ランプ41が点灯し、この過積載表
示ランプ41と前記前後左右の偏荷重表示ランプ39a
〜39dのうちいずれか1つでも点灯した場合には、そ
れと同時に警報ブザー43が所定時間鳴動して、偏荷重
状態であることや過積載状態であることを報知する。
【0052】尚、以上の動作は、車両1が走行している
間、即ち、走行センサ57からの走行パルスが入力され
ている間には行われず、走行中の積載重量表示部37の
表示や、前後左右の偏荷重表示ランプ39a〜39d及
び過積載表示ランプ41の点滅状態は、直前の車両1が
停止していた時の最後の状態のまま変わらない。そして
以後、車両1が停止して走行パルスの入力が止まると、
その時点から、荷重の変動や荷物の積み降ろし等に応じ
て、積載重量表示部37の表示や前後左右の偏荷重表示
ランプ39a〜39d及び過積載表示ランプ41の点滅
状態が変化し始める。
【0053】このように本実施例の積載重量算出装置3
によれば、荷台フレーム5と荷台7を連結するブラケッ
ト13とシャックル17の接続用シャックルピン19内
に配設した前後左右4つのセンシング素子21から出力
されるパルス信号の周波数の合計を基に、車両1の積載
重量を算出するに当り、各センシング素子21からのパ
ルス信号の周波数の内容を基にして車両1の前後左右へ
の荷重の偏りの有無を判別し、判別した偏りの内容に応
じて特定される偏り補正値により、センシング素子21
から出力されるパルス信号の周波数の合計、即ち、偏り
補正前の合計周波数を補正し、この偏り補正後の合計周
波数を基に、車両1の積載重量を算出する構成とした。
【0054】このため、車両1の荷重の偏りを起因とす
る、4つのセンシング素子21の出力パルス信号の周波
数の合計から算出される重量と実際の積載重量との誤差
が仮にあったとしても、その誤差を偏り補正値による補
正で解消して、正確な積載重量を算出することができ
る。
【0055】また、本実施例によれば、4つのセンシン
グ素子21のうち前後2つずつのセンシング素子21の
合計周波数の比Y1〜Ynと、左右2つずつのセンシン
グ素子21の合計周波数の比X1〜Xnにより判定し、
NVM35の偏り補正値テーブルのアドレスポインタ
を、前記前後周波数比Y1〜Yn及び左右周波数比X1
〜Xnとしたので、補正に用いる偏り補正値を偏り補正
値テーブル中から容易に特定することができる。さら
に、各センシング素子21間のオフセット量や特性の相
違が、オフセット調整及び特性補正により解消されるの
で、それらの影響を受けることなく、より一層正確な積
載重量の算出を実現することができる。しかも、算出し
た積載重量を積載重量表示部37に表示することで、例
えば、算出積載重量を情報として単に記録して残すため
に用いたりするのに止まらず、車両1の乗務員等に、現
在の正確な積載重量を報知し、必要に応じて積載量の調
整等の手当てを行う際の参考に供することができる。
【0056】さらに、本実施例によれば、偏り補正値設
定キー51やセットキー55の操作により、NVM35
の偏り補正値テーブルに偏り補正値を書き込むことがで
きるので、車両1の車種やセンシング素子21の特性等
の違いに合わせて、偏り補正値テーブルの内容を任意に
設定することができる。また、本実施例によれば、4つ
のセンシング素子21からのパルス信号の周波数の内容
を基にして、車両1への荷重の偏りの方向を判定し、そ
の方向に応じた偏荷重表示ランプ39a〜39dを点灯
させる構成としたので、必要に応じて積み込み具合の調
整等の手当てを行う際の参考に供することができ、しか
も、前記前後周波数比Y1〜Yn及び左右周波数比X1
〜Xnを荷重の偏りの方向の判定に流用することができ
る。
【0057】尚、本実施例では、センシング素子21を
シャックルピン19内に配設する構成について説明した
が、センシング素子21の配設箇所は、例えば、ステア
リングナックルのナックルスピンドルの内部(操舵輪の
場合)や、その他の荷台7側から車輪3への荷重が掛る
車両1部分であれば、本実施例の配設箇所に限定されず
任意である。また、本実施例では、車輪3が前後左右の
4輪であるため4つのセンシング素子21を有するもの
としたが、例えばダンプトラックやトレーラ等の6輪や
それ以上の車輪を有する車両の場合には、その車輪数に
応じたセンシング素子21を用いる構成とすればよく、
本発明は、4輪以外の車輪数の車両にも当然適用可能で
ある。
【0058】さらに、本実施例では、センサとして磁歪
式のセンシング素子21を用いたが、その他の構成の重
量測定センサを用いてもよく、また、偏りに応じた補正
の対象は、本実施例のような、出力信号の周波数に限ら
ず、電圧、電流レベルや、重量換算後の重量値等、セン
サの構成の相違等に合わせて他の値を対象としてもよ
い。また、本実施例では、算出した積載重量の値や荷重
の偏りの方向、過積載状態の表示を全て行う場合の構成
について説明したが、それらのうち一部或は全部の表示
を省略する構成としてもよく、また、荷重の偏りの方向
や過積載状態の表示を行う構成とする場合、それらの判
定の基準となる値は、本実施例のような設定により変更
可能とせずに、固定とされていてもよいのは勿論のこと
である。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、車
両に取り付けられた複数のセンサと、該センサの出力信
号の合計を基に重量を算出する重量算出手段とを備え、
該重量を基に前記車両の積載重量を算出する装置におい
て、前記各センサの出力信号を基に、前記車両に掛る荷
重の偏りを割り出す偏荷重検出手段と、前記車両に掛る
荷重の偏りに応じた前記重量算出手段の算出重量の補正
値データを保持する補正値データ保持手段とを備え、前
記偏荷重検出手段で割り出した前記荷重の偏りに対応す
る前記補正値データ保持手段中の前記補正値データによ
り、前記重量算出手段の算出重量を補正して前記車両の
積載重量を算出する構成とした。
【0060】このため、車両に掛る荷重の偏りに起因す
る偏荷重の影響や、車両自身の重量配分の特性等によ
り、車両に取り付けられた複数のセンサの出力信号の合
計を基に重量算出手段で算出した重量が、実際の車両の
積載重量と異なるような場合であっても、偏荷重検出手
段が割り出した車両に掛る荷重の偏りに応じた補正値デ
ータ保持手段中の補正値データにより、重量算出手段の
算出重量を補正することで、その補正後の重量と、実際
の車両の積載重量との誤差が解消することができる。従
って、ひずみ式ゲージセンサ等のセンサを用いて車両の
積載重量を算出するに当り、車両に掛る荷重の偏りに関
係なく、各センサの出力信号の合計で正しい積載重量を
算出することができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積載重量算出装置の基本構成図であ
る。
【図2】本発明の一実施例に係る積載重量算出装置のセ
ンシング素子が配設される車両箇所を示す説明図で、
(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図3】図2のリーフスプリングを車両の荷台フレーム
に支持させる構造の分解斜視図である。
【図4】図3のシャックルピン内に設けられたセンシン
グ素子を示す断面図である。
【図5】図4に示すセンシング素子の構成を一部ブロッ
クで示す回路図である。
【図6】本発明の一実施例に係る積載重量算出装置の正
面図である。
【図7】図6に示すマイクロコンピュータのハードウェ
ア構成を示すブロック図である。
【図8】図7に示すマイクロピュータのRAMのメモリ
エリアマップである。
【図9】図7に示すNVMにピュータのROMに格納さ
れた制御プログラムに従いCPUが行う処理を示すフロ
ーチャートである。
【図10】図7に示すマイクロピュータのROMに格納
された制御プログラムに従いCPUが行う処理を示すフ
ローチャートである。
【図11】図7に示すマイクロピュータのROMに格納
された制御プログラムに従いCPUが行う処理を示すフ
ローチャートである。
【図12】図10に示す設定処理のサブルーチンを示す
フローチャートである。
【符号の説明】
1 車両 21 センサ 31 積載重量表示装置 33 マイクロコンピュータ 33a CPU 33b RAM 33c ROM 33A 重量算出手段 33B 偏荷重検出手段 33C センサレベル補正手段 33D 偏荷重方向判定手段 33E 過積載状態判定手段 35 補正値データ保持手段 37 積載重量表示手段 39 偏荷重方向表示手段 A 入力設定手段 B 過積載状態報知手段 Z(1,1)〜Z(n,n) 補正値データ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−229916(JP,A) 特開 平8−93045(JP,A) 特開 昭51−151574(JP,A) 特開 昭53−3270(JP,A) 特開 平6−160164(JP,A) 特開 平2−238327(JP,A) 特開 平2−6717(JP,A) 特許2977011(JP,B2) 特許2639759(JP,B2) 特公 平5−52443(JP,B2) 特公 平1−2882(JP,B2) 特表 平2−500049(JP,A) 米国特許3805600(US,A) 英国特許出願公開2191001(GB,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01G 19/08 - 19/12 B60P 5/00 G01G 23/01

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に取り付けられた複数のセンサと、
    該センサの出力信号の合計を基に重量を算出する重量算
    出手段とを備え、該重量を基に前記車両の積載重量を算
    出する装置において、 前記各センサの出力信号を基に、前記車両に掛る荷重の
    偏りを割り出す偏荷重検出手段と、 前記車両に掛る荷重の偏りに応じた前記重量算出手段の
    算出重量の補正値データを保持する補正値データ保持手
    段とを備え、 前記偏荷重検出手段で割り出した前記荷重の偏りに対応
    する前記補正値データ保持手段中の前記補正値データに
    より、前記重量算出手段の算出重量を補正して前記車両
    の積載重量を算出するようにした、 ことを特徴とする積載重量算出装置。
  2. 【請求項2】 前記偏荷重検出手段は、前記車両の前後
    方向における前記荷重の比率と、該前後方向と直交する
    前記車両の左右方向における前記荷重の比率を割り出
    し、前記補正値データ保持手段は、前記前後及び左右方
    向における荷重の比率に対応付けた複数の前記補正値デ
    ータを保持している請求項1記載の積載重量算出装置。
  3. 【請求項3】 前記各センサの特性が相互に合致するよ
    うに該各センサの出力信号を補正するセンサレベル補正
    手段をさらに備え、前記偏荷重検出手段は前記センサレ
    ベル補正手段により補正した後の前記各センサの出力信
    号レベルを基に、前記車両に掛る荷重の偏りを割り出す
    請求項1又は2記載の積載重量算出装置。
  4. 【請求項4】 前記補正値データにより前記重量算出手
    段の算出重量を補正し算出した前記車両の積載重量を表
    示する積載重量表示手段をさらに備える請求項1、2又
    は3記載の積載重量算出装置。
  5. 【請求項5】 前記補正値データの入力設定手段をさら
    に備える請求項1、2、3又は4記載の積載重量算出装
    置。
  6. 【請求項6】 前記偏荷重検出手段により割り出された
    前記車両に掛る荷重の偏りの該車両に対する方向を判定
    する偏荷重方向判定手段と、該偏荷重方向判定手段が判
    定した前記車両に掛る荷重の偏りの該車両に対する方向
    を表示する偏荷重方向表示手段とをさらに備える請求項
    1、2、3、4又は5記載の積載重量算出装置。
  7. 【請求項7】 前記算出した前記車両の積載重量と所定
    の過積載重量との大小を基に過積載状態の有無を判定す
    る過積載状態判定手段と、過積載状態があると前記過積
    載状態判定手段が判定したときに、該過積載状態である
    ことを報知する過積載状態報知手段とをさらに備える請
    求項1、2、3、4、5又は6記載の積載重量算出装
    置。
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