JP3371221B2 - メタルハニカムコア体の製造方法 - Google Patents

メタルハニカムコア体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の排ガスを浄化
する触媒を担持するメタルハニカム担体及びボイラー、
化学プラント設備等から排出する廃ガス浄化装置並びに
脱臭装置等の触媒を担持するメタルハニカム担体のコア
部であるメタルハニカムコア体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の排ガスを浄化する触媒等を担持
するメタルハニカム担体は、平板と波板とを重ね、これ
らを巻回して断面ハニカム状のメタルハニカムコア体と
これを収納する金属製外筒とによって構成されている。
しかして、このメタルハニカム担体内には自動車の高温
の排気ガスが流通するため、コア部の外径と外筒の内径
とがほぼ等しく、両者の間にできるだけ間隙が生じない
ように嵌合していなければならず、また、メタルハニカ
ムコア体は高温の排気ガスの流通のためにズレ(テレス
コープという)等が生じてはならない。
【0003】従来、メタルハニカムコア体の製造方法と
しては、例えば2分割されたピン或るいは2本のピンよ
りなる巻き取り軸に波板と平板の先端部を重ねて挾み込
み、巻き取り軸を回転させて渦巻状に巻回してハニカム
状としていたが、このような方法で巻き取りを行うと、
セル数が粗くなると鋼板に剛性がないため波板が伸ばさ
れて巻き締まりが発生してセルが潰れ、また、セルが潰
れないようにすると、巻きが緩み隙間の発生やテレスコ
ープの発生が生じ、品質上及び作業上好ましくない。こ
のような欠点を改良する目的で、平板と波板とを重ねて
巻き取る途中でハニカム体の両端面を油圧により移動す
るクランパでクランプし、かつメタルハニカムコア体を
巻取る巻取り方向のトルクを該クランパよりメタルハニ
カムコア体に付与して巻取る方法が開示されている(特
開平6−269878号照)。
【0004】この方法によって平板と波板との当接部分
の面圧を高め、接合強度を充分に確保することができた
が、油圧によってメタルハニカムコア体の両端面をクラ
ンプすることはその油圧を適正に制御しなければなら
ず、作業上困難である。即ち、クランプ力が大きすぎる
とメタルハニカムコア体の両端面は破壊され、また、ク
ランプ力が小さすぎるとメタルハニカムコア体の両端面
でスリップを生じる。また、油圧力でクランパを移動さ
せると、その装置自体が複雑となる欠点があった。この
油圧装置に代えてネジによってメタルハニカムコア体の
両端面をクランプすることが考えられるが、この方法で
はクランプする部位、即ちメタルハニカムコア体の径が
固定されるためクランプされた近傍と巻く終端部では板
にかかる面圧が変化するという欠点が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、より簡単な方法で、巻き締まりによるセルの潰れ、
或いは、巻き緩みが発生しないメタルハニカムコア体の
製造方法について種々検討した結果、本発明を完成した
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、平板と
予めろう材を塗布した波板とを重ねて巻取り軸に挾み、
該巻取り軸を巻回してメタルハニカムコア体を製造する
に当たり、メタルハニカムコア体の両端面又は片端面
を、圧縮空気により作動する押圧板によって押圧するこ
とによりメタルハニカムコア体の径が大きくなるにした
がって、前記平板と前記波板との巻取り軸径を大きくす
ることを特徴とするメタルハニカムコア体の製造方法で
ある。
【0007】即ち、本発明においては平板と波板とを重
ねて巻取り軸を巻回してメタルハニカムコア体を製造す
るに際して、メタルハニカムコア体の径が大きくなるに
したがって、該メタルハニカムコア体の径を固定し、こ
の固定されたメタルハニカムコア体の径を巻取り軸の径
として更に平板と波板とを巻取り、続いて大きくなった
該メタルハニカムコア体の径を固定して巻取り軸の径と
し、このような方法を順次繰り返して所望の径を有する
メタルハニカムコア体を製造するものであって、このよ
うにメタルハニカムコア体の径が大きくなるにしたがっ
て、巻取り軸を固定することによって、巻き締まりや巻
き緩みの発生を防止することができる。そして、メタル
ハニカムコア体の径を固定する方法としては、圧縮空気
によって作動する押圧板でメタルハニカムコア体の両端
面又は片端面を押圧することが好ましく、押圧板は同心
円状に区分された円盤によって構成されていることが好
ましい。しかして、区分された円盤は夫々独立に作動
し、メタルハニカムコア体の径が増大するにしたがって
径の大きな押圧板によってメタルハニカムコア体の両端
面又は片端面を押圧し、これによりメタルハニカムコア
体の径が大きくなるにしたがって巻取り軸の径を大きく
することができる。
【0008】次に実施例として図面をもって本発明を具
体的に説明する。なお、本発明はこの図面のものに限定
されるものではない。 実施例1 図1〜図3は本発明のメタルハニカムコア体の両端面を
押圧するための押圧装置の側面図であり、図4〜図6は
本発明のメタルハニカムコア体の片端面を押圧するため
の押圧装置の側面図である。図1及び図4において、メ
タルハニカムコア体の外径が押圧板の直径a=φ20m
mを超えた場合を示した図であり、図2及び図5はメタ
ルハニカムコア体の外径が押圧板の直径b=φ60mm
を超えた場合を示した図であり、図2及び図6はメタル
ハニカムコア体の外径が押圧板の直径c=φ100mm
を超えた場合を示した図である。また、図7は該押圧装
置における端面の正面図で押圧板3、4、5がエアーシ
リンダー6、7、8により順次押圧された状態を示す。
例えば外径120mm,巾40mm,セル数200cp
2のメタルハニカムコア体を製造するに当たり、先
ず、図1において、巻取り軸1に平板とスラリー状のろ
う材が塗布された波板をセットし、面板2、2’の間隔
をd=40mmにし、該巻取り軸1を巻回することによ
りメタルハニカムコア体9を製造し、該メタルハニカム
コア体9の外径が押圧板の直径a=φ20mmを超えた
とき面板2、2’に設けられた押圧板3、3’をエアー
シリンダー6、6’により該メタルハニカムコア体の両
端面から押圧し、このa=φ20mmを巻取り軸の直径
として更に巻回した。次に図2において、該メタルハニ
カムコア体9の外径が押圧板の直径b=φ60mmを超
えたとき押圧板4、4’のエアーシリンダー7、7’に
より該メタルハニカムコア体9の両端面から押圧し、こ
のb=φ60mmを巻取り軸の直径として更に巻回し
た。次に図3において、該メタルハニカムコア体9の外
径が押圧板の直径c=φ100mmを超えたとき押圧板
5、5’のエアーシリンダー8、8’により該メタルハ
ニカムコア体9の両端面から押圧し、このc=φ100
mmを巻取り軸の直径として該メタルハニカムコア体の
直径が120mmになるまで更に巻回し外径120mm
のメタルハニカムコア体を製造した。なお、このときエ
アーシリンダー6、6’、7、7’8、8’の圧力1.
0kgf/cm2、押圧板3、3’、4、4’、5、
5’の表面はスベリ止め加工が施してあった。
【0009】実施例2 図4〜図6を用いて本発明のメタルハニカムコア体の片
端面を押圧する場合を説明する。外径120mm、巾4
0mm、セル数200cpi2のメタルハニカムコア体
を製造する場合、先ず、図4において、巻取り軸1に平
板とスラリー状のろう材が塗布された波板をセットし、
面板2、2’の間隔をd=40mmにし、該巻取り軸1
を巻回することによりメタルハニカムコア体9を製造
し、該メタルハニカムコア体9の外径が押圧板の直径a
=φ20mmを超えたとき、面板2に設けられた押圧板
3をエアーシリンダー6により該メタルハニカムコア体
9の片端面から押圧し、このa=φ20mmを巻取り軸
の直径として更に巻回した。図5において、次に該メタ
ルハニカムコア体9の外径が押圧板の直径b=φ60m
mを超えたとき押圧板4をエアーシリンダー7により該
メタルハニカムコア体9の片端面から押圧し、このb=
φ60mmを巻取り軸の直径として更に巻回した。次に
図6において、該メタルハニカムコア体9の外径が押圧
板の直径c=φ100mmを超えたとき押圧板5をエア
ーシリンダー8により該メタルハニカムコア体9の片端
面から押圧し、このc=φ100mmを巻取り軸の直径
として該メタルハニカムコア体の直径が120mmにな
るまで更に巻回し外径120mmのメタルハニカムコア
体を製造した。尚、このときエアーシリンダー6、7、
8、の圧力1.0kgf/cm2、押圧板3、4、5、
の表面はスベリ止め加工が施してあった。図4〜図6は
図1〜図3において、押圧版3、4、5を面板2のみに
設けた場合のものである。
【0010】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は圧縮空気に
よってメタルハニカムコア体の端面を抑え、その直径を
新たな巻きと巻取り軸の直径として巻回を行うもので、
従来のような巻き締まりが発生してセルがつぶれたり、
或るいは、セルがつぶれないようにしたため巻き緩みが
発生することがない。そして、メタルハニカムコア体の
端面を抑える方法として圧縮空気で行うので制御が簡単
であり、また、先行技術として示したような油圧ユニッ
トが不要であり、その巻回装置を簡単にすることができ
た。そして、メタルハニカムコア体の直径の増加にした
がって押圧板の径を順次増加させることができるので強
固に巻回されたメタルハニカムコア体を製造することが
できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1においてメタルハニカム体の外径が押
圧板の直径a=φ20mmを超えた場合の説明図
【図2】実施例1においてメタルハニカム体の外径が押
圧板の直径b=φ60mmを超えた場合の説明図
【図3】実施例1においてメタルハニカム体の外径が押
圧板の直径c=φ100mmを超えた場合の説明図
【図4】実施例2においてメタルハニカム体の外径が押
圧板の直径a=φ20mmを超えた場合の説明図
【図5】実施例2においてメタルハニカム体の外径が押
圧板の直径b=φ60mmを超えた場合の説明図
【図6】実施例2においてメタルハニカム体の外径が押
圧板の直径c=φ100mmを超えた場合の説明図
【図7】実施例1及び2で使用した押圧装置の端面の正
面図
【符号の説明】
1 巻取り軸 2、2’ 面板 3、4、5、3’、4’、5’ 押圧板 6、7、8、6’、7’、8’ エアーシリンダー 9 メタルハニカムコア体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−269878(JP,A) 特開 平9−150217(JP,A) 特開 平9−174178(JP,A) 特開 平7−265978(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21D 47/00 B01J 35/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平板と予めろう材を塗布した波板とを重ね
    て巻取り軸に挾み、該巻取り軸を巻回してメタルハニカ
    ムコア体を製造するに当たり、メタルハニカムコア体の
    両端面又は片端面を、圧縮空気により作動する押圧板に
    よって押圧することによりメタルハニカムコア体の径が
    大きくなるにしたがって、平板と波板との巻取り軸径を
    大きくすることを特徴とするメタルハニカムコア体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】押圧板が同心円状に区分され、各々の区分
    された押圧板が独立して作動する請求項記載のメタル
    ハニカムコア体の製造方法。
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