JP3370246B2 - 電解コンデンサ高圧陽極用アルミニウム合金およびその箔 - Google Patents

電解コンデンサ高圧陽極用アルミニウム合金およびその箔

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電解コンデンサ高圧
陽極用アルミニウム合金およびその軟質箔に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】アルミニウムは、陽極酸化により表面に
耐電圧性の緻密な酸化皮膜が形成され誘電体として利用
できること、そしてさらに電気化学的にエッチングする
ことにより表面積を拡大できることを活かしてコンデン
サとして利用されている。即ちこのようなコンデンサに
利用されるアルミニウムは、陽極材においては純度が9
9.97%以上、好ましくは99.98%以上のアルミニウ
ムをベースに、その他の有意または不純物元素を必要範
囲に配合溶製し、脱ガス、不純物除去等の処理を施した
のち、鋳造、溶体化処理、熱間圧延、冷間圧延して、厚
さ約0.3mmの箔地となし、焼鈍再結晶させたのち、ある
いは焼鈍なしで、さらに圧延して厚さ約0.1mmの電解コ
ンデンサ用箔とされるものである。
【0003】上記のようにして得られた箔は、エッチン
グ工程で電気化学的に穿孔されて表面積を拡大し、次の
化成工程で処理液、条件を変えて、誘電体酸化皮膜を電
気化学的に形成させる。次に、製品幅に切断し、リード
を取付け、セパレーター紙に挟み、巻取って電解液を含
浸させてケースに入れ、封口材で封口する。その後、電
圧を印加し、加工中に付けた誘電体皮膜の傷を修復して
完成品とされる。
【0004】箔の静電容量は、エッチング処理後の有効
表面積に比例するので、表面積の増大を目的として、高
圧陽極用箔は高い静電容量を得るために、箔面に平行な
(100)面方位占有率の高いことが要求される。これ
までに、例えば、特開平1−214108号の公報で
は、箔表面のエッチング孔を密に均一に形成させる手段
として、Si、Fe、Cu、Zn、In等の含有微量元素の種類と
濃度の規制をなし、また、特開平8−3673号公報で
は、箔の表面酸化皮膜中とアルミニウム地中との双方に
おけるFe、Ni、Co、Cr、Mn、Ti、V、Zr、MoやPb、Bi、
In、Snの不純物微量元素の種類と含有量を規制すること
等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したような従来技
術においては、種々の含有微量元素の規制条件に対応す
る、電解コンデンサ高圧陽極用アルミニウム箔に本来要
求される、箔(100)面方位の高占有率化の関係が明
らかにされていない。したがって、様々な含有微量元素
の種類、量を規制したことで箔(100)面方位の占有
率化が高くなり、その結果、静電容量が向上するのか、
あるいは微量元素の種類、量の規制が溶解減量を低減さ
せることで静電容量向上をもたらすのか不明瞭であっ
た。また、主要不純物元素である、Fe、Si、Cuと同時に
存在する、他の含有微量不純物元素の効果が明らかにさ
れていないので、製造工程において、箔(100)面方
位占有率および静電容量が高く、同時に溶解減量の低い
高圧陽極用箔を、高品質で、且つ、安定的に、製造する
ことは容易でない不利を有していた。
【0006】また、アルミニウムの主要不純物元素であ
る、Fe、Si、Cuをはじめとする種々の含有微量不純物元
素は、特に本発明の対象とする、高圧陽極用箔における
箔圧延工程および次工程である最終焼鈍工程における、
(100)面方位の再結晶過程に重要な影響を及ぼすこ
とは周知の事実であるが、このような含有微量元素量が
非常に極微量のために、従来においては製造工程上、管
理でき得なかった元素が多々存在していた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記したような
従来技術における課題に鑑み、(100)面方位占有率
の高い電解コンデンサ高圧陽極用アルミニウム箔を高品
質で、しかも安定して製造するための諸条件中で合金組
成を制御することにより安定して(100)面方位占有
率が高く、しかも静電容量が高くて同時に溶解減量の低
い箔を得ることに成功したものであって以下の如くであ
る。
【0008】(1)アルミニウム純度が99.98重量
%以上で、Siを5〜60ppm 、Feを5〜60ppm 、Cuを
10〜70ppm 、Znを0.1〜40ppm 含有すると共に、
0.001Na≦5(単位:ppm、以下同じ),0.1≦T
i,V≦5,0.1≦Cr,Mn,Zr≦10,0.1≦Ga≦3
0,Mg≦7を含有し、かつ、下記の関係式を満足し、 −4≦(Ti+V+Cr+Mn+Zr+Na+Ga−Mg)≦34, しかも他の金属元素を各0.2ppm 未満に規制することを
特徴とするアルミニウム電解コンデンサ高圧陽極用合
金。
【0009】(2)アルミニウム純度が99.98重量
%以上で、Siを5〜60ppm 、Feを5〜60ppm 、Cuを
10〜70ppm 、Znを0.1〜40ppm 、かつPbを0.2〜
2ppm含有すると共に、0.001≦Na≦5(単位:pp
m、以下同じ),0.1≦Ti,V≦5,0.1≦Cr,Mn,Zr
≦10,0.1≦Ga≦30,Mg≦7を含有し、かつ、下記
の関係式を満足し、 −4≦(Ti+V+Cr+Mn+Zr+Na+Ga−Mg)≦34, しかも他の金属元素を各0.2ppm 未満に規制することを
特徴とするアルミニウム電解コンデンサ高圧陽極用合
金。
【0010】(3) アルミニウム純度が99.98重量
%以上で、Siを5〜60ppm 、Feを5〜60ppm 、Cuを
10〜70ppm 、Znを0.1〜40ppm 含有すると共に、
0.001≦Na≦5(単位:ppm、以下同じ),0.1≦
Ti,V≦5,0.1≦Cr,Mn,Zr≦10,0.1≦Ga≦3
0,Mg≦7,0.2≦Pb≦2を含有し、かつ、下記の関
係式を満足し、 −4≦(Ti+V+Cr+Mn+Zr+Na+Ga−Mg)≦34, かつ、表面から0.1μm までを表層部分とし、該表層部
分には鉛が40〜2000ppm 存在し、さらに他の金属
元素を各0.2ppm 未満に規制していることを特徴とする
アルミニウム電解コンデンサ高圧陽極用合金箔。
【0011】(4)前記(1)〜(3)項の何れか1つ
に記載のアルミニウム合金であって、(100)面方位
占有率が95%以上である電解コンデンサ高圧陽極用ア
ルミニウム合金箔。
【0012】
【発明の実施の形態】上記したような本発明によるもの
の具体的な実施態様について説明すると、本発明者等は
純度が99.98重量%以上で種々の組成のアルミニウム
を用い、それらを配合することによってTi、V、Cr、M
n、Zr、Na、Ga、Mgの含有量を変え、厚さ400mmのD
Cスラブを作製した。なお、配合の際、必要に応じてPb
を少量添加した。Pbは表面の溶解性を調整するために添
加したものである。配合前のアルミニウムの非金属元素
は、C:20ppm 、N:10ppm 、O:5ppm であり、
Si、Fe、CuおよびZnの含有量については純度99.99%
のもの、および99.98%のものにおいて、それぞれ次
の表1の組成であった。
【0013】
【表1】
【0014】上記したような表1に示すアルミニウムを
種々の割合で配合し、必要に応じてPbを添加した溶湯を
鋳造して鋳塊とした。これらの鋳塊は600℃で10時
間のソーキング後、約590℃を開始温度として熱間粗
圧延を板厚60mmまで行ってから両端を切断し、次いで
約530℃を開始温度として6パスで熱間仕上げ圧延を
行い、板厚6mmとしたが、このときの板温度は約270
℃であった。その後中間焼鈍なしで冷間圧延に続いて板
厚0.14mmにおいて大気中で250℃、5時間の中間焼
鈍を施した後、箔圧延を行い、厚さ104μm の箔を
得、試料とした。
【0015】上記のようにして得られた箔に対し、10
-4Torr以下の圧力下で、550℃で3時間の焼鈍を行っ
た後、通常組成の王水でエッチングして(100)面方
位占有率を画像解析装置にて求めた。一方、グロー放電
質量分析計で鋳塊の微量不純物元素量を分析した。ま
た、同箔を5重量% HCl+3重量%H2SO4 の水溶液(液
温75℃)中において、電流密度0.15A/cm2 にて直
流電解エッチングに供した。この時、エッチング前後の
重量差から箔の溶解減量を測定した。続いて、5重量%
ほう酸アンモニウム水溶液(液温85℃)中で、375
Vの電圧を30分間印加して化成処理を行い、その後、
LCRメータを用いて直列等価回路で120Hzの条件下
で静電容量を求めた。
【0016】上記のようにして求めた、特定の微量不純
物の元素量と(100)面方位占有率の関係を、静電容
量、溶解減量の値とともに要約して示すと次の表2に示
す如くである。
【0017】
【表2】
【0018】即ち、上記した表2において明かなよう
に、Ti、V、Cr、Mn、Zr、Na、Ga、Mgの元素で構成され
る、(Ti+V+Cr+Mn+Zr+Na+Ga−Mg)なる元素量の
加減算による計算値が、−4以上34ppm 以下である場
合に、アルミニウム箔の(100)面方位占有率は高
く、従って静電容量が高いと同時に、エッチングにおけ
る溶解減量は低く抑制されていることが理解される。
【0019】上記したような本発明において、Si、Fe、
Cu、Znの含有量を限定するが、これの限定理由を説明す
ると以下の如くである。 Si:5〜60ppm とするが、このSiは、アルミニウム箔の(100)面方
位の形成にFeの次に影響を及ぼす元素である。前記下限
値未満では、最終焼鈍後の再結晶粒は(100)面方位
以外の成長に妨げられるために、(100)面方位占有
率は低下し、静電容量は低下する。またこの下限値未満
にSiを減少せしめることは、高価な製造コストの箔とな
るために望ましくない。逆に、上限値を超える場合は、
(100)面方位以外の方位が増加するため箔の(10
0)面方位占有率は低下するとともに、エッチングの起
点が過密となり、有効な表面積増加が行われずに過溶解
となる。従って、Si含有量は、5〜60ppm に限定し
た。望ましくは、10〜50ppm である。
【0020】Fe:5〜60ppm このFeはアルミニウム箔の(100)面方位の形成に大
きな影響を及ぼす元素であり、下限値未満では、中間焼
鈍後での再結晶粒は大きくなり、最終焼鈍後の再結晶粒
は(100)面方位以外の方位の成長に妨げられるため
に、(100)面方位占有率は低下するため、静電容量
は低下する。またこの下限値未満にFeを減少せしめるこ
とは、高価な製造コストを発生させることとなり望まし
くない。逆に、上限値を超える場合は、箔の(100)
面方位の形成が抑制されるために、(100)面方位占
有率は低くなるとともに、エッチングの起点が過密とな
るため、有効な表面積増大につながらず過溶解になる。
よって、Fe含有量は、5〜60ppm に限定した。望まし
くは、10〜50ppm である。
【0021】Cu:10〜70ppm このCuは、アルミニウム箔の溶解性を増大し、エッチン
グを均一にする作用を有する。これはCuがアルミニウム
に固溶して、アルミニウム地の電位を僅かに貴として、
局所的に濃度分布のできた固溶Cu周囲の、相対的に卑な
電位のアルミニウム地の溶解性が増大することによるも
のと考えられる。下限値未満の場合は、エッチング性向
上の効果は見られない。逆に、上限値を超える場合は、
過度に箔の溶解減量が増え、有効な箔表面積の増大が図
れない。よって、Cu含有量は、10〜70ppm に限定し
た。望ましくは、20〜60ppm である。
【0022】Zn:0.1〜40ppm アルミニウム箔中にZnを含有している場合、Znはアルミ
ニウム地の電位を僅かに卑にすることにより、箔のエッ
チング工程における、エッチング反応の進行を促進す
る。Zn含有量が下限値未満の場合は、エッチング反応促
進の効果は乏しく、上限値を超える場合は、逆にエッチ
ング反応が過度に進行してしまう。従って、Zn含有量
は、0.1〜40ppm に限定する。望ましくは、このZn含
有量は、0.5〜30ppm である。
【0023】Pb:0.2〜2.0ppm Pbは必要に応じて添加含有させる元素であって、これを
アルミニウム箔中に含有させると、箔の製造過程で箔の
表面に集中し、エッチングに際して、箔の表面溶解性を
良好に調整できるものであって、その含有量が0.2ppm
未満ではその効果が少なく、また2.0ppm を越えると表
面溶解性が強過ぎて過溶解になって好ましくない。した
がって、Pbは0.2〜2.0ppm としたが、より好ましくは
0.2〜0.8ppm である。また、Pbの箔表面から0.1μm
までの表層部分での濃度は40〜2000ppmが望まし
い。この場合も、表層部分での濃度が40ppm 未満では
その効果が少なく、また、2000ppm を越えると表面
溶解性が強過ぎて過溶解となるからである。
【0024】Ti、V、Cr、Mn、Zr、Na、Ga含有量につい
ては以下の如くである。 0.1≦Ti,V≦5ppm 、 0.1≦Cr,Mn,Zr≦10ppm 、 0.1≦Ga≦30ppm 、 0.001≦Na≦5ppm Ti、V、Cr、Mn、Zr、Na、Gaの元素は、いずれも適量が
結晶粒界に拡散、偏析することによって再結晶粒の粗大
化を抑制するため、再結晶粒は細かくなり、結果とし
て、圧延工程における(100)面方位の核発生の場所
が増加するため、(100)面方位の成長が促進され
る。なかでも、固溶度の小さい元素であるNaは、その効
果が大きい。また、アルミニウム地に固溶している、T
i、V、Cr、Mn、Zr、Naは、Feと同等ないしそれ以上
に、局所的に電気導電率を減少させることにより、箔表
面のエッチングの開始点を均一に分散させて良好なエッ
チング性を付与する。然して何れの元素においても含有
量が下限値未満の場合は効果が乏しく逆に上限値を超え
る場合は、再結晶粒の核発生の場所が過密になるため、
(100)面方位の正常な成長が阻害され、(100)
面方位占有率は向上し得ないばかりか、むしろ、エッチ
ングの起点が過度に密になるために、エッチングピット
が連結したり、過溶解が起きるために、静電容量は低下
する。各元素の最適含有濃度範囲は、Ti、Vが0.1以上
5ppm 以下、Cr、Mn、Zrは0.1以上10ppm 以下、Naは
0.001以上5ppm 以下、Gaは0.1以上30ppm 以下で
ある。好ましくは、Ti、Vが0.2以上3ppm 以下、Cr、
Mn、Zrが0.2以上6ppm 以下、Naが0.005以上3ppm
以下、Gaが0.5以上20ppm 以下である。
【0025】Mg:≦7ppm Mgは、固溶度が大きいため、結晶粒界に偏析せずに、適
量のMgはむしろ再結晶粒の粗大化を助長する結果、圧延
工程における(100)面方位の核発生の場所が減少
し、(100)面方位の成長が阻害される。Mg含有量が
上限値を超える場合は、その負の効果は無視できず、箔
の(100)面方位占有率は低下する。また、アルミニ
ウム箔中の含有Mgは、アルミニウム地を僅かに卑な電位
とするため、箔のエッチング工程において、上限値以下
の場合はエッチング性を向上させるが、上記値を超える
場合は過溶解が生じ易くなる。よって、Mg含有量は、7
ppm以下に限定した。好ましくは、5ppm 以下である。
【0026】微量不純物元素濃度の複合効果 いま、箔の(100)面方位占有率の向上に対して、正
の効果を有するTi、V、Cr、Mn、Zr、Na、Gaの一連の元
素を正の元素群、負の効果を有するMgの元素群を負の元
素群と各々呼称することにすると、正の元素は、いずれ
もこれらの元素間同志で金属間化合物等を生成しないた
めに、添加濃度分は有効に寄与すると考えられる。この
時、(100)面方位占有率は、基本的に、−4≦(正
の元素群の全濃度−負の元素群の全濃度)≦34(単
位:ppm )である場合に高い値を呈する。さらに安定的
に、箔(100)面方位占有率を高く製造するには、こ
の値の範囲が−0.5以上28以下であることが好まし
い。
【0027】上述した元素を除くその他の元素につき、
各0.2ppm 未満とする。これは0.2ppm 以上となると
(100)面方位の占有率が低くなり、エッチングの際
過溶解が生じ好ましくない。
【0028】なお、表層部の鉛の含有量は、以下の方法
により定めた。即ち、まず、表面積が片面で100cm
2 であるアルミニウム箔を50℃の混酸液(塩酸+硝酸
+水を1:1:4に混ぜた液)中に浸漬し、高純度アル
ミニウムの20℃における密度2.69g/cm2 を用い
て計算して、箔の重量減が0.10μm の厚みに相当する
ようにする。次いで、このアルミニウム箔の溶出液中の
鉛濃度を原子吸光法により測定し、表層部の鉛濃度を求
めた。
【0029】
【発明の効果】以上説明したような本発明によるときは
電解コンデンサ高圧陽極用アルミニウム合金として(1
00)面方位の形成に関与する。特定の含有微量元素の
種類とその量を適切に規制し安定的に高い(100)面
方位占有率をもった箔を確保することができ、また本発
明によるものは高い静電容量を有し且つ溶解減量が低く
抑制されているので強度の高い電解コンデンサ高圧陽極
用アルミニウム合金箔が得られ、更に純度の低いアルミ
ニウム合金を使用した場合も安定して(100)面方位
占有率が高く、また静電容量の高い前記アルミニウム合
金箔を得しめるなどの効果を有しており工業的にその効
果の大きい発明である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 祐一 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 日本軽金属株式会社グループ技術セン ター内 (72)発明者 片野 雅彦 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 日本軽金属株式会社グループ技術セン ター内 (72)発明者 望月 博 静岡県庵原郡蒲原町蒲原161番地 日本 軽金属株式会社蒲原製造所内 (56)参考文献 特開 平5−5145(JP,A) 特開 平1−176049(JP,A) 特開 平6−124855(JP,A) 特開 平4−143242(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 21/00 - 21/18 H01G 9/042,9/055

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム純度が99.98重量%以上
    で、Siを5〜60ppm 、Feを5〜60ppm 、Cuを10〜
    70ppm 、Znを0.1〜40ppm 含有すると共に、0.00
    1Na≦5(単位:ppm、以下同じ),0.1≦Ti,V≦
    5,0.1≦Cr,Mn,Zr≦10,0.1≦Ga≦30,Mg≦7
    を含有し、かつ、下記の関係式を満足し、 −4≦(Ti+V+Cr+Mn+Zr+Na+Ga−Mg)≦34, しかも他の金属元素を各0.2ppm 未満に規制することを
    特徴とするアルミニウム電解コンデンサ高圧陽極用合
    金。
  2. 【請求項2】 アルミニウム純度が99.98重量%以上
    で、Siを5〜60ppm 、Feを5〜60ppm 、Cuを10〜
    70ppm 、Znを0.1〜40ppm 、かつPbを0.2〜2ppm
    含有すると共に、0.001≦Na≦5(単位:ppm、以
    下同じ),0.1≦Ti,V≦5,0.1≦Cr,Mn,Zr≦1
    0,0.1≦Ga≦30,Mg≦7を含有し、かつ、下記の関
    係式を満足し、 −4≦(Ti+V+Cr+Mn+Zr+Na+Ga−Mg)≦34, しかも他の金属元素を各0.2ppm 未満に規制することを
    特徴とするアルミニウム電解コンデンサ高圧陽極用合
    金。
  3. 【請求項3】 アルミニウム純度が99.98重量%以上
    で、Siを5〜60ppm 、Feを5〜60ppm 、Cuを10〜
    70ppm 、Znを0.1〜40ppm 含有すると共に、0.00
    1≦Na≦5(単位:ppm、以下同じ),0.1≦Ti,V
    ≦5,0.1≦Cr,Mn,Zr≦10,0.1≦Ga≦30,Mg≦
    7,0.2≦Pb≦2を含有し、かつ、下記の関係式を満
    足し、 −4≦(Ti+V+Cr+Mn+Zr+Na+Ga−Mg)≦34, かつ、表面から0.1μm までを表層部分とし、該表層部
    分には鉛が40〜2000ppm 存在し、さらに他の金属
    元素を各0.2ppm 未満に規制していることを特徴とする
    アルミニウム電解コンデンサ高圧陽極用合金箔。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1つに記載のアル
    ミニウム合金であって、(100)面方位占有率が95
    %以上である電解コンデンサ高圧陽極用アルミニウム合
    金箔。
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