JP3369947B2 - 非水系電解液電池 - Google Patents
非水系電解液電池Info
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Description
とする非水系電解液電池の保存特性を改良する技術を提
案するものである。
ウム電池は、高エネルギー密度電池として注目されてお
り、活発な研究が行われている。
構成する溶媒として、エチレンカーボネート、プロピレ
ンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカー
ボネート、ジエチルカーボネート、スルホラン、ジメト
キシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン等の単
体、二成分あるいは三成分混合物が使用されている。ま
た、この中に溶解される溶質としては、LiPF6、LiBF4、
LiCF3SO3、LiAsF6、LiN(CF3SO2)2、LiC(CF3SO2)3、LiCF
3(CF2)3SO3等を列挙することができる。
ロールなどの環状化合物を添加して、電池のサイクル特
性を向上させることが知られている。しかしながらベン
ゼン、ピロールなどを添加した場合、非水系電解液とリ
チウムを活物質とする負極とが化学的な反応を起こすた
め、保存後の電池容量が低下するという問題がある。
は、この種非水系電解液電池の特性向上において重要な
課題となっている。
系電解液電池を保存した場合の自己放電を抑制し、保存
特性を向上させる優れた非水系電解液への添加剤を提案
するものである。
ウム金属、リチウム合金あるいはリチウムの吸蔵・放出
が可能な材料からなる負極と、溶媒と溶質とからなる非
水系電解液とを備えた非水系電解液電池において、前記
非水系電解液が、マレイミドまたはその誘導体を含有す
ることを特徴とする。
はリチウムの吸蔵・放出が可能な合金、例えばリチウム
−アルミニウム合金、カーボン材料、例えばコークスや
グラファイトを使用することが可能であるが、リチウム
金属からなるものが最適である。
レイミド誘導体は化2に示す構造を有している。
般にアルキル基である。ここで、マレイミドの誘導体と
しては、化3に示されるメチルマレイミド、化4に示さ
れるエチルマレイミドを用いるのが最適である。
ドまたはその誘導体を、非水系電解液に対して0.01重量
%〜20.0重量%含むようにすると良い。更に、好ましく
は0.1重量%〜10.0重量%の含有範囲が最適である。
は、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiN(CF3SO2)2、Li
C(CF3SO2)3、LiCF3(CF2)3SO3の単体あるいは複数成分を
混合して使用することができる。
ては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネー
ト、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジ
エチルカーボネート、スルホラン、ジメトキシエタン、
テトラヒドロフランの単体あるいは複数成分を混合して
使用することができるが、これに限定されるものではな
い。
バルト、ニッケル、バナジウム、ニオブを少なくとも一
種含む金属酸化物を使用することができるがこれに限定
されるものではない。
体は、環状化合物特有の共鳴構造と、窒素原子が環状構
造を構成しているという特異な構造を有している。この
マレイミドまたはその誘導体を非水電解液中に含有させ
ると、添加剤の上記特異な構造によって、電解液中の溶
媒と負極との接触状態に影響を与え、リチウムと非水系
電解液との反応を抑制することができる。この結果、非
水系電解液の分解を抑制するものと考えられる。この様
にして、この種非水系電解液電池の保存特性を向上させ
ることが可能となる。
の実施例につき詳述する。 (実験1)図1に、本発明電池の一実施例としての扁平
形非水系電解液電池の断面図を示す。リチウム金属から
なる負極1は、負極集電体2の内面に圧着されている。
この負極集電体2はフェライト系ステンレス鋼(SUS43
0)からなる断面図コ字状の負極缶3の内底面に固着さ
れている。上記負極缶3の周端はポリプロピレン製の絶
縁パッキング4の内部に固定されている。絶縁パッキン
グ4の外周にはステンレスからなり上記負極缶3とは反
対方向に断面図コ字状をなす正極缶5が固定されてい
る。この正極缶5の内底面には、正極集電体6が固定さ
れている。この正極集電体6の内面には、正極7が固定
されている。この正極7と前記負極1との間には、本発
明の要点である非水系電解液が含浸されたセパレータ8
が介装されている。
した二酸化マンガンを活物質として用い、この二酸化マ
ンガンと、導電剤としてのカーボン粉末と、結着剤とし
てのフッ素樹脂粉末とを85:10:5の重量比で混合す
る。次に、この混合物を加圧成形した後、300℃で熱処
理して作製したものである。
ものであって、リチウム圧延板を所定寸法に打ち抜くこ
とにより作製し、負極集電体2の内面に固定されてい
る。そして、非水系電解液として、プロピレンカーボネ
ート(PC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒
に、溶質としてLiCF3SO3を1モル/リットルの割合で溶
解したものを用いた。そして、この非水系電解液に、化
1に示すマレイミドを夫々0.1重量%、1.0重量%添加し
た。
て、外径20.0mm、厚み2.5mmの各本発明電池を作製し
た。
用いた非水系電解液を使用して、同様の電池を作製し、
それらを比較電池とした。
比較した。この結果を、表1に示す。この時の実験条件
は、各電池を作製後、60℃で2ヶ月保存し、実際に電池
を放電させ保存前の容量と比較し、自己放電率(%)を
算出するというものである。これより、マレイミドを含
有する各本発明電池では、各比較電池に比して、自己放
電率が小さく、保存時に自己放電が抑制されていること
がわかる。
前記実験1において、添加剤としてのマレイミド0.1重
量%を使用したものに代えて、化3に示すメチルマレイ
ミド0.1重量%、化4に示すエチルマレイミド0.1重量%
を夫々使用した以外は、上記本発明電池(PC:DEC重量
比=5:5、溶質LiCF3SO3、溶質濃度1モル/リット
ル、リチウム金属からなる負極)と同様の構成を有する
各電池を作製した。
エチルマレイミドを用いて、負極のリチウム金属に代え
て、天然黒鉛からなる炭素負極とした各電池を作製し
た。
した。この時の実験条件は、各電池を作製後、60℃で2
ヶ月保存し、実際に電池を放電させ保存前の容量と比較
し、自己放電率(%)を算出するというものである。
種類、添加剤の種類と保存後の自己放電率(%)との関
係を示したものである。負極をリチウム金属にすること
により、負極として炭素材料からなるものを用いた電池
に比べて、保存後の電池容量の低下の抑制効果がより大
きいことが認められた。
験1の本発明電池(PC:DEC重量比=5:5、溶質LiCF3
SO3、溶質濃度1モル/リットル、リチウム金属からな
る負極)と同様の構成を有する各電池を作製した。濃度
を0.01〜3.0モル/リットルの範囲で変更し、保存後の
電池の放電容量を比較した。この時の実験条件は、各電
池を作製後、60℃で2ヶ月保存し、実際に電池を放電さ
せ保存前の容量と比較し、自己放電率(%)を算出する
というものである。
としてのマレイミドの添加量と、各電池の保存後の自己
放電率(%)との関係を示したものである。
は、0.01〜20.0重量%、特に好ましくは0.1重量%〜10.
0重量%とすることにより、自己放電率が小さく、保存
後の電池容量の低下が抑制されていることがわかる。
イミド以外のマレイミド誘導体であっても、同様に観察
される。
では、非水系電解液にマレイミドまたはその誘導体が添
加されているので、自己放電率が小さくなりこの種電池
の保存特性を向上させるものであり、その工業的価値は
極めて大きい。
Claims (5)
- 【請求項1】 正極と、リチウム金属、リチウム合金あ
るいはリチウムの吸蔵・放出が可能な材料からなる負極
と、溶媒と溶質とからなる非水系電解液とを備えた非水
系電解液電池において、 前記非水系電解液が、マレイミドまたはその誘導体を含
有することを特徴とする非水系電解液電池。 - 【請求項2】 前記負極が、リチウム金属から構成され
ることを特徴とする請求項1記載の非水系電解液電池。 - 【請求項3】 前記非水系電解液が、前記マレイミドま
たはその誘導体を、非水系電解液に対して0.01重量%〜
20.0重量%含むことを特徴とする請求項1記載の非水系
電解液電池。 - 【請求項4】 前記非水系電解液が、前記マレイミドま
たはその誘導体を、非水系電解液に対して0.1重量%〜1
0.0重量%含むことを特徴とする請求項1記載の非水系
電解液電池。 - 【請求項5】 前記マレイミドの誘導体が、メチルマレ
イミドもしくはエチルマレイミドであることを特徴とす
る請求項1記載の非水系電解液電池。
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