JP3369493B2 - Cdi装置 - Google Patents

Cdi装置

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JP3369493B2
JP3369493B2 JP34614698A JP34614698A JP3369493B2 JP 3369493 B2 JP3369493 B2 JP 3369493B2 JP 34614698 A JP34614698 A JP 34614698A JP 34614698 A JP34614698 A JP 34614698A JP 3369493 B2 JP3369493 B2 JP 3369493B2
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国裕 大和
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の点火装置
に関し、特にコンデンサ(キャパシタ)に蓄えた電荷を
放電することによりイグニッションコイルに電流を供給
するCDI(キャパシタ・ディスチャージ・イグニッシ
ョン)装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のCDI装置は、コンデンサに充電
した電荷をサイリスタなどのスイッチィング素子を介し
て内燃機関の回転に同期して放電させ、イグニッション
コイルに瞬間的に流れる電流を供給する構成となってい
る。
【0003】図2は従来の典型的CDI装置の回路図で
ある。コイルT1の鉄芯はトランスT2の鉄芯と共通で
あるが便宜上トランスT2から分けて示されている。コ
イルT1のセンタタップには車載のバッテリの正の端子
から図示省略のスイッチを介して+12Vが与えられて
いる。コイルT1の両端は、それぞれ2つのトランジス
タQ1、Q2のコレクタに接続される。トランジスタQ
1、Q2のエミッタは、それぞれ接地される。トランジ
スタQ1、Q2のベースは、抵抗R1、R2をそれぞれ
介してトランスT2の一次コイルの両端に接続される。
トランスT2の一次コイルの両端は、それぞれダイオー
ドD1、D2のカソードに接続され、そのアノードは接
地される。
【0004】トランスT2の二次コイルは、4つのダイ
オードD3、D4、D5、D6からなるダイオードブリ
ッジ10に接続され、ダイオードブリッジ10の出力端
子の一方は接地され、他方は抵抗R3を介して接地され
るとともに、サイリスタ12のアノードと充放電用コン
デンサC1の一方の端子に接続される。コンデンサC1
の他方の端子は、イグニッションコイルT3の一次コイ
ルと二次コイルのそれぞれの一端(+端子)に接続され
る。
【0005】サイリスタ12のカソードは接地され、そ
のゲートには、コンデンサC2と抵抗R6の各一端が接
続される。抵抗R6の他端は接地される。コンデンサC
2の他端は抵抗R5とダイオードD11の並列回路の一
端に接続される。この並列回路の他端は抵抗R4を介し
て前述の正の電圧源(+12V)に接続される。また、
この並列回路の他端はオン−オフ型スイッチ16の一端
子に接続されていて、このスイッチ16の他の端子は接
地されている。
【0006】イグニッションコイルT3の一次コイルの
他端は接地され、二次コイルの他端は図示省略の点火プ
ラグに高圧を供給する高圧出力端子となる。図2の従来
のCDI装置は、スイッチ16が図示省略の内燃機関
(例えば2サイクルエンジン又は4サイクルエンジン)
の回転に同期してオン−オフする。すなわち、スイッチ
16はタイミング信号を生成するコンタクトブレーカと
して動作する。今、ダイオードブリッジ10を介して供
給される直流電圧がコンデンサC1に印加されていると
すると、コンデンサC1は充電され、その容量分の電荷
を保持している。コンタクトブレーカ16がオンからオ
フに変化すると、サイリスタ12のゲートに正の電圧が
印加され、サイリスタ12はオン状態となり、コンデン
サC1に保持されていた電荷はサイリスタ12を介して
接地に放電される。この放電が急激に生じるため、イグ
ニッションコイルT3の二次コイルに高電圧を誘起する
こととなる。
【0007】図3はコンデンサC1に加わる電圧波形を
示す図である。シンクロスコープによる測定では、1:
10のプローブを使用しているので、波形の縦軸の1目
盛は100Vとなる。よってコンデンサC1に加わる電
圧のピークは約800Vであることがわかる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のCDI装置
においては、イグニッションコイルT3の一次コイル両
端の電圧波形を示す図5からわかるように、コンデンサ
C1を介してイグニッションコイルT3の一次コイルに
流れ込む電流の方向が正から負となり、両方向の電流が
順次生じている。また、図3に示すように、コンデンサ
C1に加わる電圧のピーク値は約800Vと比較的高い
値となっている。イグニッションコイルT3の一次コイ
ル電流の向きが正負の双方生じることは、パルストラン
スとしてのイグニッションコイルT3の動作効率を低下
させる原因となっている。また、コンデンサC1に加わ
る電圧が比較的高いことにより、コンデンサC1の耐圧
を高いものとしなければならず、コストを低減すること
の妨げとなっていた。さらに、イグニッションコイルの
二次側の電圧波形は、比較的時間幅が短く、スパークプ
ラグで得られる火花の持続時間は短く、エンジンの出力
を十分に高めることができなかった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来の課
題を解決するために、充放電用コンデンサとイグニッシ
ョンコイルの一次コイルとの間にチョークコイルと両波
整流回路の直列回路を挿入、イグニッションコイルT3
の一次コイルの他端と二次コイルの高圧出力側でない方
の端子とを接続し、かつこれを接地せずに両波整流回路
の出力端子の他端に接続したものである。
【0010】すなわち、本発明によれば、直流電圧が印
加されることにより、充電されるコンデンサと、内燃機
関の回転に同期したタイミング信号を受けて、前記コン
デンサに充電された電荷を放電する手段と、前記コンデ
ンサの一端子に一端が接続されたチョークコイルと、前
記チョークコイルの他端と接地間に入力端子が接続され
た両波整流回路と、前記両波整流回路の正負の出力端子
が一次コイルの両端に接続され、二次コイルの一端が前
記一次コイルの一端に接続され、他端が高圧出力端子と
なるイグニッションコイルとを、有するCDI装置が提
供される。
【0011】
【0012】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の好ま
しい実施の形態について説明する。図1は本発明の好ま
しい実施の形態の回路図である。コイルT1の鉄芯はト
ランスT2の鉄芯と共通であるが便宜上トランスT2か
ら分けて示されている。コイルT1のセンタタップには
車載のバッテリの正の端子から図示省略のスイッチを介
して+12Vが与えられている。コイルT1の両端は、
それぞれ2つのトランジスタQ1、Q2のコレクタに接
続される。トランジスタQ1、Q2のエミッタは、それ
ぞれ接地される。トランジスタQ1、Q2のベースは、
抵抗R1、R2をそれぞれ介してトランスT2の一次コ
イルの両端に接続される。トランスT2の一次コイルの
両端は、それぞれダイオードD1、D2のカソードに接
続され、そのアノードは接地される。
【0013】トランスT2の二次コイルは、4つのダイ
オードD3、D4、D5、D6からなるダイオードブリ
ッジ10に接続され、ダイオードブリッジ10の出力端
子の一方は接地され、他方は抵抗R3を介して接地され
るとともに、サイリスタ12のアノードと充放電用コン
デンサC1の一方の端子に接続される。コンデンサC1
の他方の端子は、チョークコイルL1を介してもう1つ
のダイオードブリッジ14の入力端子の1つに接続され
る。ダイオードブリッジ14は4つのダイオードD7〜
D10からなる。ダイオードブリッジ14の他の入力端
子は接地される。ダイオードブリッジ14の1つの出力
端子、すなわちダイオードD7、D10の接続点は、イ
グニッションコイルT3の一次コイルの+端子に接続さ
れる。なお、この+端子は内部で二次コイルの+端子に
接続されている。ダイオードブリ14の他の出力端子、
すなわちダイオードD8、D9の接続点は、イグニッシ
ョンコイルT3の一次コイルの−端子に接続される。
【0014】サイリスタ12のカソードは接地され、そ
のゲートには、コンデンサC2と抵抗R6の各一端が接
続される。抵抗R6の他端は接地される。コンデンサC
2の他端は抵抗R5とダイオードD11の並列回路の一
端に接続される。この並列回路の他端は抵抗R4を介し
て前述の正の電圧源(+12V)に接続される。また、
この並列回路の他端はオン−オフ型スイッチ16の一端
子に接続されていて、このスイッチ16の他の端子は接
地されている。
【0015】イグニッションコイルの二次コイルの−端
子は図示省略の点火プラグに高圧を供給する高圧出力端
子となる。スイッチ16が図示省略の内燃機関(例えば
2サイクルエンジン又は4サイクルエンジン)の回転に
同期してオン−オフする。すなわち、スイッチ16はタ
イミング信号を生成するコンタクトブレーカとして動作
する。今、ダイオードブリッジ10を介して供給される
直流電圧がコンデンサC1に印加されているとすると、
コンデンサC1は充電され、その容量分の電荷を保持し
ている。コンタクトブレーカ16がオンからオフに変化
すると、サイリスタ12のゲートに正の電圧が印加さ
れ、サイリスタ12はオン状態となり、コンデンサC1
に保持されていた電荷はサイリスタ12を介して接地に
放電される。この放電電流、すなわちコンデンサC1を
流れる電流はチョークコイルL1を介してダイオードブ
リッジ14を流れるので、ダイオードブリッジ14の整
流作用により、一方向にのみ流れる。したがって、イグ
ニッションコイルT3の一次コイルに流れる電流は単極
パルス状となる。この単極パルス状の電流によりイグニ
ッションコイルT3の二次コイルに高電圧を誘起するこ
ととなる。
【0016】図4はコンデンサC1に加わる電圧波形を
示す図である。シンクロスコープによる測定では、1:
10のプローブを使用しているので、波形の縦軸の1目
盛は100Vとなる。よってコンデンサC1に加わる電
圧のピークは約620Vであることがわかる。すなわ
ち、従来のCDI装置における図3の波形と比較する
と、約23%程低くなっていることがわかる。したがっ
て、コンデンサC1の耐圧を従来より低くすることがで
きる。
【0017】図6はイグニッションコイルT3の一次コ
イル両端の電圧波形を示す図である。図6の波形からわ
かるように、コンデンサC1を介してイグニッションコ
イルT3の一次コイルに流れ込む電流の方向が負のみの
単極パルスとなっている。したがって、整流した電流が
一次コイルに供給されるイグニッションコイルT3は純
粋なパルストランスとして動作し、変換効率が従来と比
べて大きく向上するのである。なお、コンデンサC1に
かかる電圧が従来より低下しているのは、チョークコイ
ルL1とダイオードブリッジ14の組み合わせをコンデ
ンサC1とイグニッションコイルT3の一次コイルの間
に挿入したため、従来のコンデンサC1と一次コイルの
単純な直列共振回路が変形され、コンデンサC1と一次
コイルの整合が良くなり、一次コイルのインピーダンス
が低下するためと考えられる。特にチョークコイルL1
を用いたことにより、ダイオードブリッジ14に流入す
る電流がある程度抑制され、また流入速度が制御され
る。この結果、イグニッションコイルT3の二次コイル
に発生する高圧の波形の時間方向の幅が従来より広くな
る。すなわち、かかる波形の高圧電圧が供給されるスパ
ークプラグでは、発生する火花の持続時間が長くなり、
エンジンシリンダ内の混合気の燃焼を効率よいものとす
ることができる。その結果、エンジン出力が上昇するこ
ととなる。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればチ
ョークコイルL1とダイオードブリッジ14の組み合わ
せをコンデンサC1とイグニッションコイルT3の一次
コイルの間に挿入したため、イグニッションコイルを純
粋なパルストランスとして動作させることが可能で、変
換効率が向上し、また、コンデンサに加わる電圧が低下
するので、低い耐圧のコンデンサを使用することがで
き、コストダウンと故障の減少をもたらすことができ、
さらに時間幅の広い高圧をイグニッションコイルの二次
側に得ることができ、内燃機関における燃焼効率、出力
の上昇をもたらすことができる。なお、本発明の実施の
形態はCDI装置として説明したが、チョークコイルと
両波整流回路からなる付加回路を従来のCDI装置に付
加するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明CDI装置の好ましい実施の形態の回路
図である。
【図2】従来のCDI装置の一例の回路図である。
【図3】図2の従来のCDI装置における充放電用コン
デンサへの印加電圧を示す波形図である。
【図4】図1の本発明の実施の形態における充放電用コ
ンデンサへの印加電圧を示す波形図である。
【図5】図2の従来のCDI装置におけるイグニッショ
ンコイルの一次コイル両端の電圧波形を示す図である。
【図6】図1の本発明の実施の形態におけるイグニッシ
ョンコイルの一次コイル両端の電圧波形を示す図であ
る。
【符号の説明】
10、14 ダイオードブリッジ(両波整流回路) 12 サイリスタ(放電する手段) 16 スイッチ(コンタクトブレーカ) C1 充放電用コンデンサ D1〜D11 ダイオード L1 チョークコイル Q1、Q2 トランジスタ R1〜R6 抵抗 T1、T2 トランス T3 イグニッションコイル

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電圧が印加されることにより、充電
    されるコンデンサと、 内燃機関の回転に同期したタイミング信号を受けて、前
    記コンデンサに充電された電荷を放電する手段と、 前記コンデンサの一端子に一端が接続されたチョークコ
    イルと、 前記チョークコイルの他端と接地間に入力端子が接続さ
    れた両波整流回路と、 前記両波整流回路の正負の出力端子が一次コイルの両端
    に接続され、二次コイルの一端が前記一次コイルの一端
    に接続され、他端が高圧出力端子となるイグニッション
    コイルとを、 有するCDI装置。
  2. 【請求項2】 前記チョークコイルのインダクタンスが
    100〜200μHである請求項1記載のCDI装置。
  3. 【請求項3】 前記両波整流回路がダイオードブリッジ
    回路である請求項1記載のCDI装置
  4. 【請求項4】 前記放電手段が前記タイミング信号をゲ
    ートに供給されるサイリスタである請求項1記載のCD
    I装置。
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