JP3369338B2 - 帯電装置 - Google Patents

帯電装置

Info

Publication number
JP3369338B2
JP3369338B2 JP30892194A JP30892194A JP3369338B2 JP 3369338 B2 JP3369338 B2 JP 3369338B2 JP 30892194 A JP30892194 A JP 30892194A JP 30892194 A JP30892194 A JP 30892194A JP 3369338 B2 JP3369338 B2 JP 3369338B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
charging roller
current
photoconductor
charging
measured
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP30892194A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08166707A (ja
Inventor
久典 長瀬
誠一 鈴木
善雄 梅田
昭行 仲
敏記 山村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP30892194A priority Critical patent/JP3369338B2/ja
Publication of JPH08166707A publication Critical patent/JPH08166707A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3369338B2 publication Critical patent/JP3369338B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真プロセスを利
用した画像形成装置、特に帯電ローラを用いた接触帯電
方式による帯電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8は従来の帯電装置を有する画像形成
装置の一例を示す概略構成図である。図8において、10
1は帯電ローラ、102は電流測定用抵抗、103は電流測定
装置、104は制御装置、105は帯電ローラ用高圧電源、10
6は除電ランプ、107は露光装置、108は現像装置、109は
回収スリーブ、110はトナー回収磁極、111は現像装置用
高圧電源、112は転写材、113は感光体、114はトナー保
持磁極、115は転写装置、116は転写装置用高圧電源、11
7はトナー除去装置、118は定着装置、119はトナーであ
る。
【0003】以上のように構成された画像形成装置につ
いて、以下その動作を説明する。まず準備として、図8
中図示の方向に回転する感光体113が除電ランプ106通過
前に有していた静電潜像は、除電ランプ106からの光照
射を受けて消去される。感光体113は無機または有機の
光導電体をアルミニウム等の素管に塗工または蒸着など
の方法により形成したもので、従来例では負帯電の有機
感光体を使用している。
【0004】帯電ローラ101は感光体113に当接し従動回
転する。帯電ローラ101は、金属等の芯金の周囲に導電
性樹脂などを射出成形したものであり、感光体113の局
所欠陥部への電流の集中を防ぎ、かつ感光体113への接
触帯電にとって最適な抵抗値になるように導電性粒子が
分散されていて、抵抗値は一般的に106〜1012Ωcm程度
となっている。導電性樹脂の材質はEPDM,NBR,
シリコン,ウレタン,ポリエステル,ポリメタクリル酸
などの絶縁性樹脂にカーボン,アルミ,酸化インジウ
ム,二酸化チタンなどの導電性粒子を分散させた導電性
粒子分散絶縁樹脂や、エチルセルロース,共重合ナイロ
ンなどの樹脂またはその化合物などである。また抵抗値
の異なる導電性樹脂の多層構造になっているものや他の
絶縁性樹脂を表面に薄くコーティングしたものも実用化
されている(特開昭50−843号公報,特開昭64−73364号
公報等参照)。
【0005】上記のような帯電ローラ101に帯電ローラ
用高圧電源105からの電圧が印加されることにより、帯
電ローラ101と感光体113との間に微小放電が生じ感光体
113表面を帯電させる。続いて露光装置107により感光体
113表面が露光されて、目的の静電潜像が感光体113上に
形成される。
【0006】従来例の現像装置108は磁気カスケード現
像方式、トナー119は磁性1成分絶縁性負帯電のものを
用いており、回収スリーブ109には現像装置用高圧電源1
11により−300V程度の直流と、ピーク電圧−1.6kVp-
p,周波数2kHz程度の矩形波の重畳された電圧が印加さ
れている。感光体113内部に固定されたトナー保持磁極1
14の磁力、及び回収スリーブ109と感光体113との間の直
流成分を重畳した交番電界により、現像装置108内から
感光体113表面にトナー119が感光体113上にほぼ一様に
付着する。感光体113が回転し回収スリーブ109近傍に接
近、そして通過するときに、トナー回収磁極110からの
磁力により感光体113の静電潜像以外に付着したトナー1
19は剥離して回収スリーブ109に付着し、静電潜像上に
付着したトナー119は剥離せずそのまま残る。また回収
スリーブ109と感光体113との間の交番電界は、感光体11
3の静電潜像以外に付着したトナー119の感光体113から
の剥離を促進させる。上記のプロセスにより感光体113
上の静電潜像は顕像化される。
【0007】転写装置115はコロナ放電デバイスを使用
しており、感光体113に近接した位置にある。転写材112
が転写装置115と感光体113との近接部を通過する際に、
転写装置用高圧電源116より転写装置115にトナー119の
帯電極性と逆極性の電圧約+2kVが印加され、感光体11
3上のトナー119は転写材112に転写される。転写材112は
感光体113より分離したのち、定着装置118に搬送され
る。一方、転写材112に転写されずに感光体113上に残っ
たトナー119は、トナー除去装置117に回収される。
【0008】常に安定した画像濃度を得るためには、感
光体113の帯電電位は一定でなければならないが、実際
には帯電ローラ101や帯電ローラ用高圧電源105の個体差
などによりばらつきが発生する。そこで感光体113の帯
電電位を一定値に保持する方法として本発明者らは、感
光体113をコンデンサとみなし、感光体113が無帯電状態
から帯電されるときに帯電ローラ101に流れる電流か
ら、感光体113表面に蓄積された電荷量を算出すること
で感光体113の帯電電位を推定し、制御する方式を検討
した。具体的には、電流測定用抵抗102の両端電圧より
電流測定装置103が帯電ローラ101に流れる電流を予め定
められた時間の間測定し、その測定結果から制御装置10
4が帯電ローラ101への印加電圧を帯電ローラ用高圧電源
105に指示する構成となっている。
【0009】ここで感光体113の厚さをd、真空の誘電
率をεo、比誘電率をε、感光体の移動速度をvp、帯電
ローラ101の有効帯電幅をL、無帯電状態から初めて帯
電されるときに帯電ローラ101に印加する電圧をVin1、
帯電ローラ101に流れる電流をI1、そのときの感光体の
推定表面電位をVo1、露光部電位をVLとしたときに、
制御装置104内で以下の計算が行われる。 Vo1=I1・d/(ε・εo・L・vp)+VL ……………………(1) さらに所望の帯電電位をVo*、現在の帯電ローラへの印
加電圧をVin1、所望の表面電位Vo*を得るための印加
電圧をVin*とすると、 Vin*=Vin1+(Vo*−Vo1) …………………………………(2) となり、制御装置104はこの値に基づいて帯電ローラ用
高圧電源105に帯電ローラ101への印加電圧の指示を送
り、帯電ローラ101に指示された電圧が印加されて、感
光体113が帯電される。
【0010】以上の式に従って、直径12mmのEPDM製
の帯電ローラ,実測の露光部電位VLが−50Vである負
帯電有機感光体を使用し、vp=32.5mm/s、Vin1=−10
00V、Vo*=−550V、d=20μm、ε=3、L=240m
m、I1を0.2s測定すると設定した場合において、帯電
ローラ用高圧電源,電流測定装置,制御装置ほかを十分
ウオームアップさせた上で実験した結果、I1=−3.63
μA、リップル成分0.25μAp-pと結局I1はほぼ安定でリ
ップル分もなく一定の値として測定できた。I1からVo
1を求めるとVo1=−400Vとなり、(式2)から感光体を
Vo*まで帯電させるための印加電圧Vin*はVin*=−11
50Vと計算された。実際に感光体の表面電位を計測する
と、帯電ローラにVin1印加時の感光体の帯電電位Vo1R
は−405V、Vin*印加時の感光体実測帯電電位Vo*Rは
−553Vが観測され、I1の再現性も±0.12μA以内、実
測でのVo*Rの再現性は±12V以内と、感光体を所望の
帯電電位に帯電することができることが確認された。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らの実験により、実際に従来例の画像形成装置で特に
長時間連続で使用した場合で、帯電ローラの表面素材と
してEPDMなどの有機系樹脂を用いる場合、表面に局
所的な劣化,破壊などが発生し、そのため、例えばA4
サイズ紙換算で10,000枚以上に相当するような長時間に
わたって使用したときには、帯電ローラの表面に削れ,
はがれ,傷,ひび割れなどの表面劣化が生じることが確
認された。削れ,はがれ,ひび割れなど、突起部分ある
いは陥没部分が帯電ローラ表面に形成されることにより
帯電ローラから感光体への微小放電に影響を及ぼし、そ
の結果、帯電ローラの表面劣化部分では、感光体が過剰
に帯電されたり、帯電が不足するなどの変化により帯電
ローラに流れる電流が変動し、結局、帯電ローラの回転
周期で帯電ローラに流れる電流は変動を受けることにな
り、電流の測定に誤差を与え、制御されていたはずの感
光体の帯電電位が所望の帯電電位からずれる問題があっ
た。
【0012】また、特に無使用状態が長時間続いた後に
上記の帯電電位制御を行うと、帯電ローラに電圧を印加
した直後は、帯電ローラや帯電ローラ用高圧電源などの
内部容量成分への充電に電流の一部が使われたり、帯電
ローラ用高圧電源自体の過渡特性により電流自体が安定
しない。このため、帯電ローラに電圧を印加した直後に
電流値を測定した場合、正確な値を計測できない。また
感光体の残留キャリアの濃度に局所的なむらが発生する
ため、帯電ローラに流れる電流が一定にならない問題が
あった。
【0013】さらに、感光体表面に取り扱いミスでの物
理的衝撃やリーク等により、感光体素管の地肌が露出し
た場合、帯電ローラが感光体の地肌露出部に当接する
と、電流が急激かつ集中して流れる。このときの電流値
を基に制御装置内では、(式1)により、制御後の感光体
の帯電電位は希望の帯電電位よりも大幅に低下してしま
う制御異常が発生する問題があった。
【0014】また、高圧の電流が印加される現像装置や
転写装置は電磁ノイズの発生源となる場合があり、現像
装置や転写装置などから発生した、あるいはその他の外
来の電磁ノイズが帯電電位の制御系に侵入することがあ
り得る。特に帯電ローラを流れる電流にノイズが混入し
た場合、ノイズ成分が電流の計測に誤差を与え、制御後
の感光体の帯電電位が所望の帯電電位からずれる問題が
あった。
【0015】本発明は上記問題点に鑑み、帯電ローラの
周方向の抵抗むら、また帯電ローラの表面劣化や感光体
の地肌の露出等による帯電ローラに流れる電流の誤計測
および制御の誤作動を起こさずに表面電位の制御を行う
ことを可能とする帯電装置を提供することを目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の帯電装置は次のような構成を有する。 (1) まず、移動する感光体に当接または近接して回転
する帯電ローラと、前記帯電ローラに少なくとも2種類
以上の異なる電圧を印加する電源と、前記電源から前記
帯電ローラへ流れる電流を測定する電流測定手段と、前
記電流測定手段の電流測定結果に基づいて演算し前記電
源の出力電圧を決定,制御する制御手段と、前記感光体
を除電する除電手段とを少なくとも具備し、前記電流測
定手段は、前記制御手段により予め設定された電圧が前
記帯電ローラに印加され、前記除電手段により除電され
た前記感光体が帯電されるとき、前記電源から前記帯電
ローラに流れる電流のうち、帯電ローラが1周回転する
時間の整数倍の間の電流を測定し、前記制御手段は、前
記電流測定手段が測定した電流の時間平均値を算出し、
その電流時間平均値に基づいて、前記帯電ローラへの印
加電圧の大きさを変更することを特徴とするものであ
る。
【0017】(2) また、移動する無端状の感光体に当
接または近接して回転する帯電ローラと、前記帯電ロー
ラに少なくとも2種類以上の異なる電圧を印加する電源
と、前記電源から前記帯電ローラへ流れる電流を測定す
る電流測定手段と、前記電流測定手段の電流測定結果に
基づいて演算し前記電源の出力電圧を決定,制御する制
御手段と、前記感光体を除電する除電手段とを少なくと
も具備し、前記電流測定手段は、前記制御手段により予
め設定された電圧が前記帯電ローラに印加され、前記除
電手段により除電された前記感光体が帯電されるとき、
前記除電手段による除電を開始した後でかつ前記帯電ロ
ーラに電圧印加を開始後、前記感光体および前記帯電ロ
ーラ双方が少なくとも1周以上回転した後の前記電源か
ら前記帯電ローラに流れる電流のうち少なくとも前記帯
電ローラが1周以上回転する時間の間の電流を測定し、
前記制御手段は、前記電流測定手段が測定した電流の時
間平均値を算出し、その電流時間平均値に基づいて、前
記帯電ローラへの印加電圧の大きさを変更することを特
徴とするものである。
【0018】(3) さらに、移動する感光体当接または近
接して回転する帯電ローラと、前記帯電ローラに少なく
とも2種類以上の異なる電圧を印加する電源と、前記電
源から前記帯電ローラへ流れる電流を予め設定されたサ
ンプリング間隔で離散的に測定する電流測定手段と、前
記電流測定手段の電流測定結果を記録,演算し前記電源
の出力電圧を決定,制御する制御手段と、前記感光体を
除電する除電手段とを少なくとも具備し、前記電流測定
手段は、前記制御手段により予め設定された電圧が前記
帯電ローラに印加され、前記除電手段により除電された
前記感光体が帯電されるとき、前記電源から前記帯電ロ
ーラに流れる電流のうち少なくとも前記帯電ローラが1
周以上回転する時間の間の電流を予め設定されたサンプ
リング間隔で離散的に測定し、前記制御手段は、前記電
流測定手段が測定した前記電流の離散的測定値を記録
し、予め設定された電流幅での度数分布を取ったときの
最頻値を算出し、その最頻値に基づいて、前記帯電ロー
ラへの印加電圧の大きさを変更することを特徴とするも
のである。
【0019】
【0020】
【作用】上記構成によれば、帯電ローラが少なくとも1
周以上回転する時間の帯電ローラに流れる電流を測定
し、時間平均値を求めることで、帯電ローラに流れる電
流の周期的変動を除去し真の電流値を推定するので、従
来例で述べた制御において帯電電位のずれを防止する。
【0021】また、帯電ローラに電流を印加してから感
光体および帯電ローラの双方が少なくとも最低1周以上
回転した後に電流値を測定するため、帯電ローラに電圧
を印加する電源の出力が安定し、帯電ローラ内の容量成
分にも充電が完了し、電流の計測値の誤差を低減させ
る。また感光体の残留キャリアの濃度を一定にし、作画
時の帯電電位の局所的な不均一をなくす。
【0022】また、帯電ローラに流れる電流を少なくと
も帯電ローラが1回転以上する時間内に、予め設定され
たサンプリング間隔で離散的に測定し、測定した電流値
を予め設定した電流幅で階級分けし、度数分布を取って
度数分布の最頻値を求めることにより、帯電ローラの表
面劣化による電流の周期的変動が除去されて真の電流値
を推定することができ、従来例で述べたような制御にお
いての帯電電位の制御ずれを防止することが可能となる
だけでなく、帯電ローラに流れる電流が通常時に比べて
急峻かつ過大あるいは過小であるような異常な電流測定
値を除外することになり、上記と同様に帯電ローラに異
常な電流が流れることによる帯電電位の制御ずれを防止
することが可能となる。
【0023】
【0024】
【実施例】
(第1実施例)以下、本発明の第1の実施例について図面
を参照しながら詳細に説明する。図1は請求項1,2に
おける帯電装置を搭載した画像形成装置の概略構成を示
したもので、1は帯電ローラ、2は電流測定用抵抗、3
は電流測定装置、4は制御装置、5は帯電ローラ用高圧
電源、6は除電ランプ、7は露光装置、8は現像装置、
9は回収スリーブ、10はトナー回収磁極、11は現像装置
用高圧電源、12は転写材、13は感光体、14はトナー保持
磁極、15は転写装置、16は転写装置用高圧電源、17はト
ナー除去装置、18は定着装置、19はトナーで、制御装置
4以外の基本的な構成,動作,設定条件などは従来例と
同一である。
【0025】感光体13の裏面は接地されており、図示し
ないメインモータにより矢印の方向に回転する。本実施
例では負帯電の有機感光体を使用し、感光体13の直径D
1は30mm、感光体の移動速度はvp=32.5mm/sである。感
光体13には帯電ローラ1が当接し従動回転する。本実施
例では、帯電ローラ1の直径D2は12mm、表面硬度はJ
ISAで30度のEPDM製のものを使用している。感光
体13が帯電ローラ1当接部近傍まで到達する前には除電
ランプ6からの光照射により感光体13がそれまで有して
いた電位が除去されて、感光体13の帯電電位は露光後表
面電位(VL)に均一化される。帯電ローラ1に帯電ロー
ラ用高圧電源5から電圧が印加されて、帯電ローラ1と
感光体13との間に微小放電が生じ、表面電位がVLに均
一化された感光体13表面を帯電させる。
【0026】電流測定装置3は、帯電ローラ1と帯電ロ
ーラ用高圧電源5との間に挿入された電流測定用抵抗2
の両端に発生する電圧を計測することにより帯電ローラ
1に流れる電流を求めて、制御装置4に伝達される。制
御装置4は、伝達された電流値を基に帯電ローラ用高圧
電源5に、帯電ローラ1への印加電圧の指示信号を伝達
する。なお、本実施例ではVin1=−1000V、Vo*=−5
50V、d=20μm、ε=3、L=240mmとして設定してあ
り、実測よりVL=−50Vであった。
【0027】以上の構成の帯電装置において、帯電ロー
ラ1に流れる電流の計測タイミングなどのシーケンスを
示したのが図2である。図2において、上から感光体13
を駆動する図示しないメインモータ、除電ランプのオン
・オフ、帯電ローラ用高圧電源5から帯電ローラ1への
印加電圧、帯電ローラ1による帯電直後の感光体13の表
面電位、電流測定装置3の測定電圧を抵抗2の抵抗値で
割った値、すなわち帯電ローラ1に流れる電流を求めた
ものを、それぞれ横軸を時間軸としてシーケンスを示し
ている。
【0028】図1,図2において、まずメインモータが
オンになり、感光体13が回転を始める。次に、帯電ロー
ラ1に帯電ローラ用高圧電源5から電圧Vin1が印加さ
れ、感光体13の表面電位はVo1に帯電される。ただし、
Vin1は感光体13と帯電ローラ1との帯電開始電圧より
も大きく設定してある。
【0029】帯電ローラ1や帯電ローラ用高圧電源5の
ウォームアップが完了している場合では、帯電ローラに
直ちにほぼ一定の電流が流入するが、帯電ローラ1の回
転周期、TCR=π×D2/vpの周期で変動を起こしてい
ることが本発明者らの実験で確認されている。したがっ
て、測定時間Tは少なくてもTCR以上で、本実施例では
TCRに等しくした。電流測定装置3により計測された電
流値は制御装置4にリアルタイムで転送され、本実施例
では制御装置4内部で積分処理など公知の方法による計
測電流値の平均化を行い、この値をI1として(式1)、
そして(式2)に相当する演算処理を行った後、帯電ロー
ラ用高圧電源5に(式2)の結果に相当する電圧Vin*を
出力する指示を送り、帯電ローラ1へ電圧Vin*が印加
され、感光体13は所望の帯電電位Vo*に帯電される。
【0030】(第1の比較例)第1の実施例と比較のため
に、帯電ローラの電流測定以外、第1の実施例と構成,
動作,設定条件などまったく同様な、すなわち従来使わ
れている帯電装置を用いて感光体の帯電電位の制御実験
も行った。図3は図2と同様に第1の比較例の帯電ロー
ラの電流測定タイミングを示す。帯電ローラに流れる電
流を計測するタイミングは帯電ローラに電圧が印加され
てから0.3s後より0.2s測定する。このときに計測され
た電流より(式1),(式2)相当の演算処理を行った後、
帯電ローラ用高圧電源に(式2)の結果に相当する電圧V
in*を出力する指示を送り、帯電ローラへ電圧Vin*が印
加され、感光体は所望の帯電電位Vo*に帯電される。
【0031】帯電ローラや帯電ローラ用高圧電源のウォ
ームアップが完了している条件で、感光体帯電電位の制
御の効果を、感光体帯電電位など実測を交えて調べた。
また、制御時の感光体帯電電位の所望の感光体帯電電位
からのずれ、すなわち制御誤差についても同時に測定し
た。所望の帯電電位Vo*を−550Vと設定し、帯電電位
の制御を20回測定したうちのVo*からの散らばり範囲を
帯電電位の制御誤差と定義している。なお、ここでは帯
電ローラの表面状態に拘わらず、所望の帯電電位より±
15V以内に制御できる場合を実用上「制御可能」とし
た。
【0032】まず初めに未使用の帯電ローラを用いた場
合、第1の実施例と第1の比較例を試験した結果、第1
の比較例での帯電電位の制御方法では帯電ローラに流れ
る電流に重畳するリップル成分が0.25μAp-pの状態で、
I1=−3.69±0.1μAと良好な値で測定できた。これか
ら感光体の推定電位Vo1は−406±10Vと推定された。
これに対して、I1測定時の感光体実測帯電電位をVo1
R、制御後の感光体実測帯電電位をVo*Rとすると、それ
ぞれVo1R=−411±10V、Vo*R=−555±10Vとなっ
た。
【0033】また第1の実施例でも帯電ローラに流れる
電流に重畳するリップル成分が0.26μAp-pの条件下で、
I1=−3.61±0.05μA、Vo1=−398V、Vo1R=−402
±5V、Vo*R=−554±5Vと測定された。なお、第1
の比較例,第1の実施例ともにリップル成分は主として
外来ノイズによるものであった。
【0034】第1の比較例,第1の実施例ともに、本発
明者らが画像形成装置全体の条件より決めた実用上十分
な精度、すなわち所望の帯電電位±15V以内で感光体の
帯電電位が制御できており、感光体を所望の帯電電位に
帯電可能であることが確認された。
【0035】次にA4サイズ紙、10,000枚相当のランニ
ング終了後の帯電電位制御の効果を調べた。帯電ローラ
や帯電ローラ用高圧電源のウォームアップが完了してい
る条件で、第1の比較例と第1の実施例を試験した結
果、実施例,比較例ともに帯電ローラに傷,削れなどの
表面劣化が1cm2当たり2〜3箇所に見られる状態で、
傷,削れの最大深さも約0.1mm程度であった。
【0036】第1の比較例での帯電電位の制御方法で
は、帯電ローラに流れる電流に重畳するリップル成分が
0.4μAp-pの状態で、主として帯電ローラ1回転ピッチ
の周期であった。その結果、I1=−3.71±0.2μAと測
定された。これから感光体の推定電位Vo1は−408±19
Vと推定され、実測の感光体帯電電位もそれぞれVo1R
=−415±20V、Vo*R=−557±21Vとなり、制御後の
帯電電位がばらつくことが確認された。
【0037】さらに帯電ローラを未使用のものに交換
し、感光体,帯電ローラ用高圧電源,現像装置など帯電
ローラ以外の機材は、A4サイズ紙10,000枚ランニング
を終了したものをそのまま使用して実験した。その結
果、帯電ローラに流れる電流に重畳するリップル成分は
0.28μAp-pとなり、I1=−3.67±0.13μAと測定され
た。これから感光体の推定電位Vo1は−404±13Vと推
定され、実測の感光体帯電電位もそれぞれVo1R=−408
V、Vo*R=−555±12Vとなり、感光体の帯電電位制御
は正常に動作することが確認された。
【0038】以上の結果より、A4サイズ紙10,000枚ラ
ンニングを行うことにより、帯電ローラを流れる電流に
重畳するリップル成分が増大しI1の測定誤差が大きく
なるため、感光体を所望の帯電電位に制御することが困
難になること、また重畳リップル成分の増大はA4サイ
ズ紙10,000枚ランニングによる帯電ローラの表面劣化が
原因であることが明らかになった。
【0039】一方、A4サイズ紙10,000枚相当のランニ
ング終了後の第1の実施例では、帯電ローラに流れる電
流に重畳するリップル成分は0.42μAp-pと、第1の比較
例程度に悪い結果となっているが、帯電ローラが1周す
る間に流れる電流の平均値を計測するので、I1=−3.6
5±0.14μAと安定した値で測定することが可能となっ
た。その結果、感光体推定電位もVo1=−402±13V、
実測の感光体帯電電位もそれぞれVo1R=−404±12V、
Vo*R=−552±12Vと測定され、帯電ローラ表面に表面
劣化が発生しても、第1の実施例の方法により、実用上
十分な精度である所望の帯電電位±15V以内で感光体の
帯電電位が制御できることが実証された。
【0040】なお、帯電ローラに流れる電流を測定する
時間を、帯電ローラが1周回転する時間の整数倍の時間
とすることにより、帯電ローラに流れる電流の周期的変
動のうち最も顕著に現れる帯電ローラ1周分の電流変動
を制御手段での平均化処理により効率よく吸収し、さら
に高い精度で真の電流値の推定が可能となる。
【0041】(第2の実施例)以下、本発明の第2の実施
例について図4および図1を参照しながら説明する。図
4は請求項2における帯電装置を搭載した画像形成装置
において、帯電ローラに流れる電流の計測タイミングな
どを示すシーケンスを示したものである。なお制御装置
の動作を除いての構成,動作,条件設定などは第1の実
施例と同様である。また、感光体と帯電ローラの直径D
1,D2はそれぞれ第1の実施例と同様にD1=30mm、D2
=12mmである。
【0042】図4において、上から感光体13を駆動する
図示しないメインモータ、除電ランプのオン・オフ、帯
電ローラ用高圧電源5から帯電ローラ1への印加電圧、
帯電ローラ1による帯電直後の感光体13の表面電位、電
流測定装置3の測定電圧を抵抗2の抵抗値で割った値、
すなわち帯電ローラ1に流れる電流を求めたものを、そ
れぞれ横軸に時間をとりシーケンスを示している。
【0043】図1,図4において、まず図示しないメイ
ンモータがオンとなり、感光体13が回転を始める。次
に、帯電ローラ1に帯電ローラ用高圧電源5から電圧V
in1が印加され、感光体13の表面電位はVo1に帯電され
る。ただし、Vin1は感光体13と帯電ローラ1との帯電
開始電圧よりも大きく設定してある。
【0044】そのときに帯電ローラ1に流れる電流は、
図4に示すように最初は過剰な電流が流れ、漸近的に飽
和値に下がっていく。特に、無使用状態が長く続いた後
に帯電装置を再稼働する場合などに顕著に見られるが、
この現象は帯電ローラ1の静電容量成分を充電するため
に生じ、そのときの電流は感光体13の帯電に使われる電
流よりも大きい。また帯電ローラ用高圧電源5の電圧印
加開始時の過渡特性も大きく影響している。
【0045】時間が経過するにつれ帯電ローラ1に流入
する電流は飽和値I1に近づくが、第1の実施例と同様
に、帯電ローラ1の回転周期での変動やさらに周期の短
い外来ノイズ等により帯電ローラ1に流れる電流は飽和
値I1に収束せず、常にリップル成分を持つ状態になっ
ている。
【0046】本実施例ではD1>D2なので、感光体13が
回転を始めてから感光体13が少なくとも1周以上、本実
施例では1周回転する頃には、帯電ローラ用高圧電源5
の出力も安定し、帯電ローラ1内の容量成分にも充電が
完了するため、帯電ローラ1に流れる電流も回転開始直
後の過剰な電流は治まり、リップル分を含んだ状態で定
常化する。こうした状態で、電流測定装置3は帯電ロー
ラ1に流入する電流の計測を少なくとも帯電ローラが1
周以上回転する間にわたって行うことにより、帯電ロー
ラに電圧を印加する電源の出力が安定し、帯電ローラ1
に流れる電流の計測値の誤差を低減させることが可能と
なる。なお、本実施例では帯電ローラ1に流入する電流
の計測を帯電ローラが1周回転する間にわたって行って
いる。
【0047】(第2の比較例)第2の実施例と比較のため
に、帯電ローラの電流測定以外、第2の実施例と構成,
動作,設定条件などまったく同様な、すなわち従来使わ
れている帯電装置を用いて2種類の感光体の帯電電位の
制御実験を行った。
【0048】まず、第2の比較例その1として、第1の
比較例と同様の条件で実験を行った。図5は図4と同様
に本比較例の帯電ローラの電流測定タイミングを示す。
帯電ローラに流れる電流を計測するタイミングは前記の
第1の比較例と同様で、帯電ローラに電圧が印加されて
から0.3s後より0.2s測定する。このときに計測された
電流より(式1),(式2)相当の演算処理を行った後、帯
電ローラ用高圧電源に(式2)の結果に相当する電圧Vin
*を出力する指示を送り、帯電ローラへ電圧Vin*が印加
され、感光体は所望の帯電電位Vo*に帯電される。
【0049】次に第2の比較例その2として、帯電ロー
ラに流れる電流の測定タイミングを第1の実施例と同様
とした場合についても実験を行った。すなわち図2に示
すように、帯電ローラに電圧が印加された直後より帯電
ローラが1周回転する間帯電ローラに流れる電流を測定
するもので、その後の演算処理は第1の実施例と同様と
した。
【0050】無使用状態が長く続いた後に再稼働する条
件で第2の実施例と第2の比較例その1,その2を比較
したが、まず始めに未使用の帯電ローラを用いた場合、
第2の実施例と第2の比較例を試験した結果、第2の比
較例での帯電電位の制御方法では帯電ローラの容量成分
への充電電流、および帯電ローラ用高圧電源の過渡応答
のため、過剰な電流が流れている状態で帯電ローラに流
れる電流の測定を始めるために、帯電ローラに流れる電
流の重畳リップル成分が電流測定時に1.7μAp-pの状態
で、第2の比較例その1ではI1=5.1±0.9μAと測定さ
れ、過渡現象のため再現性も悪く、電流測定時の感光体
の表面電位は表面電位計による実測値ではVo1R=−405
±80Vに対し、推定値ではVo1=−542±90V、制御後
の感光体実測帯電電位Vo*Rは−413±80Vとなった。
【0051】第2の比較例その2でもI1=4.5±0.5μA
と測定され、第2の比較例その1より過渡現象の影響は
受けにくくなってはいるものの、同様に再現性は悪く、
電流測定時の感光体の表面電位は、表面電位計による実
測値ではVo1R=−405±35Vに対し、推定値ではVo1=
−484±40V、制御後の感光体実測帯電電位Vo*Rは−47
1±40Vとなり、無使用状態が長く続いた後に再稼働す
る条件では、帯電ローラに流れる電流を計測する時間に
拘わらず所望の帯電電位への制御は不能であった。
【0052】しかし第2の実施例では、帯電ローラに電
圧を印加を開始してからの過渡現象が収束してから帯電
ローラに流れる電流を測定するので、帯電ローラに電圧
を印加した直後の重畳リップル成分は1.7μAp-pに対
し、電流測定時での重畳リップル成分は0.24μAp-pとな
り、I1=−3.62±0.05μA、Vo1=−400V、Vo1R=−
402±5V、Vo*R=−554±5Vと測定され、実用上十
分な精度である所望の帯電電位±15V以内で感光体の帯
電電位が制御できることが実証された。
【0053】なお、電流測定時のリップル成分は、第2
の比較例では両方とも過渡現象と外来ノイズによるもの
であったが、第2の実施例では主として外来ノイズによ
るもののみであった。
【0054】次にA4サイズ紙10,000枚相当のランニン
グ終了後の帯電電位制御の効果を調べた。同じく無使用
状態が長く続いた後に再稼働する条件で、第2の比較例
その1,その2と第2の実施例を試験した結果、実施
例,比較例ともに帯電ローラに傷,削れ,はがれなどの
表面劣化が、1cm2当たり数箇所に見られる状態で、
傷,はがれの最大深さも約0.1mm程度であった。
【0055】第2の比較例での帯電電位の制御方法で
は、帯電ローラに流れる電流に重畳するリップル成分が
電流測定時に1.42μAp-pの状態で、主として帯電ローラ
1回転ピッチの周期であった。帯電ローラに流れる電流
は、第2の比較例その1ではI1=5.3±0.8μAと測定さ
れ、過渡現象のため再現性も悪く、電流測定時の感光体
の表面電位は表面電位計による実測値ではVo1R=−411
±70Vに対し、推定値ではVo1=−561±77V、制御後
の感光体実測帯電電位Vo*Rは−401±73Vとなった。第
2の比較例その2でもI1=4.7±0.8μAと測定され、同
様に過渡現象のため再現性も悪く、電流測定時の感光体
の表面電位は表面電位計による実測値ではVo1R=−411
±70Vに対し、推定値ではVo1=−504±77V、制御後
の感光体実測帯電電位Vo*Rは−457±73Vとなり、長時
間のランニング後、無使用状態が長く続いた後に再稼働
する条件では、帯電ローラに流れる電流を計測する時間
に拘わらず、帯電電位が所望の電位にさらに制御しにく
くなってしまうことが明らかになった。
【0056】第2の実施例ではランニング前と同様に、
帯電ローラに電圧を印加を開始してからの過渡現象が収
束してから帯電ローラに流れる電流を測定するので、帯
電ローラに電圧を印加した直後の重畳リップル成分は1.
42μAp-pに対し、電流測定時の重畳リップル成分は0.4
μAp-pとなり、I1=−3.63±0.12μAと安定した値で測
定することが可能となった。その結果、感光体推定電位
もVo1=−400±11V、実測の感光体帯電電位もそれぞ
れVo1R=−402±10V、Vo*R=−551±10Vと測定さ
れ、帯電ローラ表面に表面劣化が発生しても、第2の実
施例の方法により、実用上十分な精度である所望の帯電
電位±15V以内で感光体の帯電電位が制御できることが
実証された。
【0057】第2の実施例は、過渡応答のために帯電ロ
ーラに感光体の帯電に必要な電流以外の電流が流れる状
態でも、また帯電ローラに表面劣化が発生している状態
でも、感光体の所望の帯電電位への帯電電位の制御が可
能であることが確認された。
【0058】なお、帯電ローラに流れる電流を測定する
時間を、帯電ローラが1周回転する時間の整数倍の時間
とすることにより、帯電ローラに流れる電流の周期的変
動のうち最も顕著に現れる帯電ローラ1周分の電流変動
を制御手段での平均化処理により効率よく吸収し、さら
に高い精度で真の電流値の推定が可能となる。
【0059】(第3の実施例)以下、本発明の第3の実施
例の帯電装置について図6および図1を参照しながら説
明する。図6は請求項3における帯電装置を搭載した画
像形成装置において、離散的に測定された電流の最頻値
を求め、帯電ローラに印加する電圧を変更して制御を完
了するまでの動作を示すフローチャートである。なお制
御装置、および電流測定装置の動作を除いての構成,動
作,条件設定などは第1の実施例と同様である。また、
感光体と帯電ローラの直径は第1の実施例と同様に、そ
れぞれD1=30mm、D2=12mmである。
【0060】具体的な最頻値決定,制御完了までのシー
ケンスは以下の通りとなる。 (1) 帯電装置がスタートし、図示しないメインモータが
起動し感光体13が回転を開始、帯電電位の制御が開始さ
れる(ステップ1)。 (2) 制御装置4が作動し、帯電ローラ用高圧電源5に帯
電ローラ1に電圧Vin1を印加する指令を出し、帯電ロ
ーラ用高圧電源5はVin1を出力する(ステップ2〜
3)。
【0061】(3) 帯電ローラ1が1周する間、予め設定
されたサンプリング間隔t(t<<TCR)で電流測定装置
3は帯電ローラに流れる電流値を測定する(ステップ
4)。 (4) 制御装置4は電流測定装置3からの電流値データを
取り込み、制御装置4内部にすべて保存する(ステップ
5)。
【0062】(5) 電流値のデータを階級分けする(ステ
ップ6〜7)。 I サンプル値 i1,i2,………,in 各階級の境界値 ただし任意のj(整数)に対して ij+1−ij=Δi>0 Δi 階級の境界幅 n(j) 階級jの度数。区間[ij,ij+1]に存在し
た電流値の度数 サンプリング開始前にはすべてのjにてn(j)=0 とすると、サンプル値Iの所属すべき階級をjとすると j=int(1+(I−i1)/Δi) したがって、n(j)は n(j)←n(j)+1 に更新される。
【0063】(6) 帯電ローラ1が1周するまでステップ
5〜7を続ける(ステップ8)。 (7) max(n(j))になるjを求める(ステップ9)。 (8) max(n(j))になるjがただ1つの場合、次の計算に
より電流最頻値I1を計算する(ステップ10〜11)。 I1=(ij+ij+1)/2 (9) max(n(j))がとなるjが複数ある場合はそれらの平
均を新たにkとした後、次の計算により電流最頻値I1
を求める(ステップ10,12〜13)。 I1=i1+Δi×(k-1) (10) ステップ9またはステップで計算された電流最頻
値に従って制御装置4は従来例(数1),(数2)の演算処
理の後、帯電ローラ用高圧電源5にVin*を出力する指
令を出し、帯電ローラ用高圧電源5はVin*を出力して
帯電電位の制御を完了する(ステップ14〜17)。
【0064】なお、サンプリング間隔t,電流の境界値
1,電流の境界幅Δi,階級の数nは、それぞれ100μ
s,−1μA,−0.05μA,150とした。
【0065】本実施例の方式では、例えばリークなど、
感光体13に地肌露出部が発生して帯電ローラ1に急峻か
つ過大な電流が流入したときでも小規模なものであれ
ば、それに対応する階級の度数も自ずと小さなものにな
るため、I1決定時には事実上その影響は無視され、帯
電電位のずれは発生しない。
【0066】(第3の比較例)第3の実施例と比較のため
に、帯電ローラの電流測定以外、第3の実施例と構成,
動作,設定条件などまったく同様な、すなわち従来使わ
れている帯電装置を用いて感光体の帯電電位の制御実験
も行った。帯電ローラに流れる電流を計測するタイミン
グは図3に示すように前記の第1の比較例と同様で、帯
電ローラに電圧が印加されてから0.3s後より0.2s測定
する。このときに計測された電流より従来例(式1),
(式2)相当の演算処理を行った後、帯電ローラ用高圧電
源に(式2)の結果に相当する電圧Vin*を出力する指示
を送り、帯電ローラへ電圧Vin*が印加され、感光体は
所望の帯電電位Vo*に帯電される。
【0067】数箇所故意に傷つけた感光体を用意し、帯
電ローラや帯電ローラ用高圧電源のウォームアップが完
了している条件で第3の実施例と第3の比較例を試験し
た結果、第3の比較例での帯電電位の制御方法では感光
体素管へのリークのためにI1=4.25μAと測定され、
また再現性も±0.5μA以内と良くなく、I1からVo1は
−460±48Vと推定されたのに対し、実際に表面電位計
で感光体の帯電電位Vo1R,Vo*Rを測定した結果、Vo1
R=−408±52V,Vo*R=−498±53Vと所望の帯電電位
への制御は不能であった。
【0068】一方、第3の実施例ではVin1印加時点で
電流の最頻値I1は−3.825μAと測定され、再現性につ
いても±0.1μA以内に収まった。I1からVo1は−419
±10Vと推定された。実際に表面電位計でVo1R,Vo*R
を実測したところ、それぞれVo1R=−421±10V,Vo*
R=−553±11Vが計測されている。第3の実施例での帯
電電位の制御方法で、感光体のリークなど帯電ローラに
流れる急峻かつ過大な電流が流れても影響を受けない、
さらに高精度な感光体の帯電電位が制御できた。
【0069】なお帯電ローラに流れる電流を測定する時
間を、帯電ローラが1周回転する時間の整数倍の時間と
することにより、帯電ローラに流れる電流の周期的変動
のうち最も顕著に現れる帯電ローラ1周分の電流変動を
制御手段での平均化処理により効率よく吸収し、さらに
高い精度で真の電流値の推定が可能となる。
【0070】(第4の実施例) 以下、本発明の第4の実施例について図7を参照しなが
ら説明する。図7は第1の実施例における変形例として
帯電装置を搭載した画像形成装置を示したもので、1
は帯電ローラ、2は電流測定用抵抗、3は電流測定装
置、4は制御装置、5は帯電ローラ用高圧電源、6は除
電ランプ、20は低域通過フィルタ(LPF)、13は感光体
で、LPF20以外の構成,動作は前記の第1の実施例と
ほぼ同様である。
【0071】LPF20は電流測定装置3からの測定信号
のうち、DC〜カットオフ周波数までの信号成分はほぼ
そのまま通過させて制御装置4に送り、カットオフ周波
数以上の信号成分を遮断し制御装置4に伝達させない。
LPF20はパッシブあるいはアクティブ方式のアナログ
電子回路など公知のものでよい。
【0072】第1の実施例と同様、帯電ローラ1に流れ
る電流は帯電ローラ1の回転周期、TCR=π×D2/vp
の周期で変動を起こしているほか、さらに周期の短い外
来ノイズ等により帯電ローラ1に流れる電流は飽和値I
1に収束せず、常にリップル成分を持つ状態になってい
るため、電流の測定に誤差を与えてしまう。そこでLP
F20のカットオフ周波数をTCRの逆数、すなわち帯電ロ
ーラ1に流れる電流の変動周波数以下に設定することに
よりこれらの周期変動を除去し、制御装置4で真の電流
値を推定し、所望の帯電電位に感光体を帯電させること
が可能となる。
【0073】(第4の比較例)第4の実施例と比較のため
に、LPFの有無以外、第1の実施例と構成,動作,設
定条件などまったく同様な、すなわち従来使われている
帯電装置を用いて感光体の帯電電位の制御実験も行っ
た。帯電ローラに流れる電流を計測するタイミングは前
記の第1の実施例と同様で、図2のとおりである。
【0074】第1の実施例,比較例で用いたA4サイズ
紙10,000枚相当のランニング終了後の感光体および帯電
ローラをそのまま使用して帯電電位制御の効果を調べ
た。帯電ローラや帯電ローラ用高圧電源のウォームアッ
プが完了している条件で第1の比較例と第1の実施例を
試験した結果、実施例,比較例ともに帯電ローラに傷,
削れなどの表面劣化が、1cm2当たり2〜3箇所に見ら
れる状態で、傷,削れの最大深さも約0.1mm程度であっ
た。
【0075】第4の比較例での帯電電位の制御方法では
帯電ローラに流れる電流に重畳するリップル成分が0.4
μAp-pの状態で、主として帯電ローラ1回転ピッチの周
期であった。その結果、I1=−3.65±0.14μAと測定さ
れた。これから感光体の推定電位Vo1は−402±12Vと
推定され、実測の感光体帯電電位もそれぞれVo1R=−4
04±12V、Vo*R=−552±12Vとなり、実用上十分な精
度である所望の帯電電位±15V以内で感光体の帯電電位
が制御できることが実証された。
【0076】第4の実施例でも帯電ローラに流れる電流
に重畳するリップル成分は0.42μAp-pと、第4の比較例
程度の結果となっているが、LPF通過後の電流の平均
値を計測するので、I1=−3.66±0.07μAと安定した値
で測定することが可能となった。その結果、感光体推定
電位もVo1=−403±7V、実測の感光体帯電電位もそ
れぞれVo1R=−404±4V、Vo*R=−551±7Vと測定
され、帯電ローラ表面に表面劣化が発生しても、第4の
実施例の方法により、所望の感光体帯電電位へさらに高
精度な帯電電位の制御ができることが実証された。
【0077】なお、本発明の帯電装置において、電流測
定手段,LPF,制御手段の内部処理およびインターフ
ェースの一部にディジタル処理方式を導入することによ
り、LPFの安定化や計測された電流値などの履歴管
理、制御手段での制御ルールの設定自由度などに有利と
なるだけでなく、少なくとも電流測定手段のA/D変換
部,LPF,制御手段をIC,LSIなどで一体化で
き、装置の小型化,省電力化が可能となった。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
帯電ローラの表面劣化に起因する帯電ローラに流れる電
流の周期的変動、また帯電ローラや帯電ローラ用高圧電
源のなどの過渡現象に起因する帯電ローラに流れる電流
の過渡応答、あるいは感光体のリークなど帯電ローラに
急峻かつ過大な電流が流入する現象等による電流の誤計
測をなくすことができ、感光体の帯電電位の推定および
制御のずれがなく、常に所望の帯電電位を保持すること
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における帯電装置を搭載
する画像形成装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施例における動作説明のため
のシーケンス図である。
【図3】本発明の第1の実施例と比較のための第1の比
較例における動作説明のためのシーケンス図である。
【図4】本発明の第2の実施例における動作説明のため
のシーケンス図である。
【図5】本発明の第2の実施例と比較のための第2の比
較例における動作説明のためのシーケンス図である。
【図6】本発明の第3の実施例における動作説明のため
のフローチャートである。
【図7】本発明の第4の実施例における帯電装置を搭載
する画像形成装置を示す概略構成図である。
【図8】従来例の帯電装置を用いた画像形成装置を示す
概略構成図である。
【符号の説明】
1…帯電ローラ、 2…電流測定用抵抗、 3…電流測
定装置、 4…制御装置、 5…帯電ローラ用高圧電
源、 6…除電ランプ、 13…感光体、 20…低域通過
フィルタ(LPF)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仲 昭行 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 山村 敏記 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−274000(JP,A) 特開 平5−307287(JP,A) 特開 平5−241428(JP,A) 特開 平5−19595(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 13/02 G03G 15/02 - 15/02 103

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動する感光体に当接または近接して回
    転する帯電ローラと、前記帯電ローラに少なくとも2種
    類以上の異なる電圧を印加する電源と、前記電源から前
    記帯電ローラへ流れる電流を測定する電流測定手段と、
    前記電流測定手段の電流測定結果に基づいて演算し前記
    電源の出力電圧を決定,制御する制御手段と、前記感光
    体を除電する除電手段とを少なくとも具備し、 前記電流測定手段は、前記制御手段により予め設定され
    た電圧が前記帯電ローラに印加され、前記除電手段によ
    り除電された前記感光体が帯電されるとき、前記電源か
    ら前記帯電ローラに流れる電流のうち、前記帯電ローラ
    が1周回転する時間の整数倍の間の電流を測定し、前記
    制御手段は、前記電流測定手段が測定した電流の時間平
    均値を算出し、その電流時間平均値に基づいて、前記帯
    電ローラへの印加電圧の大きさを変更することを特徴と
    する帯電装置。
  2. 【請求項2】 移動する無端状の感光体に当接または近
    接して回転する帯電ローラと、前記帯電ローラに少なく
    とも2種類以上の異なる電圧を印加する電源と、前記電
    源から前記帯電ローラへ流れる電流を測定する電流測定
    手段と、前記電流測定手段の電流測定結果に基づいて演
    算し前記電源の出力電圧を決定,制御する制御手段と、
    前記感光体を除電する除電手段とを少なくとも具備し、 前記電流測定手段は、前記制御手段により予め設定され
    た電圧が前記帯電ローラに印加され、前記除電手段によ
    り除電された前記感光体が帯電されるとき、前記除電手
    段による除電を開始した後でかつ前記帯電ローラに電圧
    印加を開始後、前記感光体および前記帯電ローラ双方が
    少なくとも1周以上回転した後の前記電源から前記帯電
    ローラに流れる電流のうち少なくとも前記帯電ローラが
    1周以上回転する時間の間の電流を測定し、前記制御手
    段は、前記電流測定手段が測定した電流の時間平均値を
    算出し、その電流時間平均値に基づいて、前記帯電ロー
    ラへの印加電圧の大きさを変更することを特徴とする帯
    電装置。
  3. 【請求項3】 移動する感光体に当接または近接して回
    転する帯電ローラと、前記帯電ローラに少なくとも2種
    類以上の異なる電圧を印加する電源と、前記電源から前
    記帯電ローラへ流れる電流を予め設定されたサンプリン
    グ間隔で離散的に測定する電流測定手段と、前記電流測
    定手段の電流測定結果を記録,演算し前記電源の出力電
    圧を決定,制御する制御手段と、前記感光体を除電する
    除電手段とを少なくとも具備し、 前記電流測定手段は、前記制御手段により予め設定され
    た電圧が前記帯電ローラに印加され、前記除電手段によ
    り除電された前記感光体が帯電されるとき、前記電源か
    ら前記帯電ローラに流れる電流のうち少なくとも前記帯
    電ローラが1周以上回転する時間の間の電流を予め設定
    されたサンプリング間隔で離散的に測定し、前記制御手
    段は、前記電流測定手段が測定した前記電流の離散的測
    定値を記録し、予め設定された電流幅での度数分布を取
    ったときの最頻値を算出し、その最頻値に基づいて、前
    記帯電ローラへの印加電圧の大きさを変更することを特
    徴とする帯電装置。
JP30892194A 1994-12-13 1994-12-13 帯電装置 Expired - Fee Related JP3369338B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30892194A JP3369338B2 (ja) 1994-12-13 1994-12-13 帯電装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30892194A JP3369338B2 (ja) 1994-12-13 1994-12-13 帯電装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08166707A JPH08166707A (ja) 1996-06-25
JP3369338B2 true JP3369338B2 (ja) 2003-01-20

Family

ID=17986888

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30892194A Expired - Fee Related JP3369338B2 (ja) 1994-12-13 1994-12-13 帯電装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3369338B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008164737A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Fuji Xerox Co Ltd 帯電制御装置、帯電装置、画像形成装置及び帯電制御プログラム
JP5153245B2 (ja) * 2007-07-26 2013-02-27 キヤノン株式会社 画像形成装置
JP6456148B2 (ja) * 2015-01-07 2019-01-23 キヤノン株式会社 画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08166707A (ja) 1996-06-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3064643B2 (ja) 被帯電体の厚み検知装置及び画像形成装置
JP2002139891A (ja) 画像形成装置
JPH06194933A (ja) 帯電装置及び画像形成装置
JP3369338B2 (ja) 帯電装置
JP3275682B2 (ja) 帯電装置及び画像形成装置
JP3314041B2 (ja) 画像形成装置
JPH1097148A (ja) 画像形成装置
JP4336608B2 (ja) 帯電装置及び画像形成装置
JPH06175514A (ja) 画像記録装置および画像形成装置
JP3330760B2 (ja) 帯電装置
JP2003280335A (ja) 画像形成装置
JP4194130B2 (ja) カラー画像形成装置
JPH07230195A (ja) 電子写真式画像形成装置
JP2000293083A (ja) 画像形成装置
JP3166940B2 (ja) 反転現像方式の画像形成運転方法と画像形成装置
JP2000314993A (ja) 画像形成装置
JP2003302808A (ja) 画像形成装置、プロセスカートリッジ、及び帯電ローラ
JPH10198196A (ja) 画像形成装置
JPH086313A (ja) 帯電方法及び帯電装置
JP2000075602A (ja) 画像形成装置
JPH11119517A (ja) 帯電装置及び画像形成装置
JPH11167328A (ja) 電子写真記録装置のクリーニング方法
JP2003280456A (ja) 画像形成装置
JP2000293015A (ja) 画像形成装置
JP2000235299A (ja) 帯電装置及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees