JP3369038B2 - 移載介助装置の制御機構 - Google Patents

移載介助装置の制御機構

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JP3369038B2
JP3369038B2 JP02186196A JP2186196A JP3369038B2 JP 3369038 B2 JP3369038 B2 JP 3369038B2 JP 02186196 A JP02186196 A JP 02186196A JP 2186196 A JP2186196 A JP 2186196A JP 3369038 B2 JP3369038 B2 JP 3369038B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベッド上に横たわ
った老人、病人、身体障害者等(以下、病弱者と総称す
る)の移載を介助する移載介助装置の制御機構に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ベッド上の病弱者を他のベッド等
へ移載するために、ストレッチャーと称される移載介助
装置が提案されている(特開昭60-185552号、特公昭62-3
0771号、特公昭51-4038号等)。しかし、従来のストレッ
チャーによる移載動作においては、病弱者や介護者に大
きな負担をかける問題があった。
【0003】そこで、出願人は、図1及び図16乃至図
18に示す如きパワーアシスト方式の移載介助装置を開
発した。該移載介助装置は、移動台車(9)に装備したフ
レーム(26)上に、ベッド上面に沿って前後に往復駆動さ
れる移載プレート(23)を設置すると共に、該移載プレー
ト(23)の周囲には、移載プレート(23)の移動方向に沿っ
て周回移動すべき移載ベルト(13)を巻回して構成され、
図16(a)(b)(c)に示す様に、移載プレート(23)を前
進させてベッド(6)上の病弱者(5)の背面へ移載プレー
ト(23)を挿入する挿入モードと、図17(a)(b)に示す
様に、病弱者(5)を載せた移載プレート(23)をフレーム
(26)上へ後退させる移載モードと、同図(c)(d)に示す
様に、病弱者(5)を載せた移載プレート(23)をベッド上
へ前進させる戻しモードと、図18(a)(b)(c)に示す
様に、移載プレート(23)を後退させて、移載プレート(2
3)上の病弱者をベッド上へ移す引抜きモードの4つの動
作モードが切換え設定される。
【0004】即ち、挿入モード及び引抜きモードにおい
ては、移載ベルト(13)の上半周部をフレーム(26)に連結
する一方、移載モード及び戻しモードにおいては、移載
ベルト(13)の上半周部を移載プレート(23)に連結する。
又、挿入モードから移載モードへ移行する際には、移載
ベルト(13)の上半周部をフレーム(26)との連結状態から
移載プレート(23)との連結状態に切り換える一方、戻し
モードから引抜きモードへ移行する際には、移載ベルト
(13)の上半周部をフレーム(26)との連結状態から移載プ
レート(23)との連結状態に切り換える。尚、移載モード
から戻しモードへの移行、及び引抜きモードから挿入モ
ードへの移行の際には、移載ベルト(13)の連結状態は切
り換える必要がなく、移載プレート(23)の駆動方向の切
換えのみが行なわれる。
【0005】上記移載介助装置によれば、病弱者に大き
な苦痛を与えることなく、然も介護者に負担をかけるこ
となく、移載動作を行なうことが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、出願人
がこれまでに開発した移載介護装置においては、前述の
モード切換えを、ソレノイドを駆動源するロック及びロ
ック解除機構によって行なっていたので、ソレノイドの
動作を制御するためのリミットスイッチや制御回路が必
要となり、構成が複雑となるばかりでなく、動作信頼性
にも問題があった。そこで、本発明の目的は、ソレノイ
ド等の特別な駆動源を用いることなく、移載プレート自
体の前後移動を利用して自動的にモード切換えが行なわ
れる移載介助装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決する為の手段】本発明に係る移載介助装置
は、フレーム(26)上に、ベッド上面に沿って前後に往復
駆動される移載プレート(23)を設置すると共に、該移載
プレート(23)の周囲には、移載プレート(23)の移動方向
に沿って周回移動すべき移載ベルト(13)を巻回して構成
される。移載介助装置の動作モードの切換えを行なうた
めの制御機構は、挿入モード及び引抜きモードにて、移
載ベルト(13)の上半周部の一箇所をフレーム(26)に連結
する第1ロック機構と、移載モード及び戻しモードに
て、移載ベルト(13)の上半周部の一箇所を移載プレート
(23)に連結する第2ロック機構と、挿入モードから移載
モードへ移行する際に、第1ロック機構のロック状態か
ら第2ロック機構のロック状態に切り換える第1ロック
切換え機構と、戻しモードから引抜きモードへ移行する
際に、第2ロック機構のロック状態から第1ロック機構
のロック状態に切り換える第2ロック切換え機構とを具
えている。
【0008】挿入モードにおいては、先ず、移載プレー
ト(23)がフレーム(26)上の後退移動端に設置されると共
に、第1ロック機構がロック状態に設定され、これによ
って移載ベルト(13)の上半周部がフレーム(26)に連結さ
れる。この状態で、移載プレート(23)を前進駆動する
と、移載プレート(23)の移動に伴って移載ベルト(13)の
下半周部がプレート前方端を経てプレート上面へ繰り出
され、ベッド上に横たわった被移載者の背面へ移載プレ
ート(23)が挿入されると共に、移載ベルト(13)が敷き込
まれる。
【0009】移載プレート(23)が前進移動端の近傍まで
移動すると、該移載プレート(23)の移動を動力源とし
て、第1ロック切換え機構が動作を開始し、移載プレー
ト(23)が前進移動端に達した時点で、第1ロック機構に
よるロック状態が解除されると同時に、第2ロック機構
がロック状態に設定される。これによって移載ベルト(1
3)の上半周部が移載プレート(23)に連結され、移載モー
ドが設定される。この状態で、移載プレート(23)を後退
駆動すると、移載プレート(23)及び移載ベルト(13)が一
体に移動し、これに伴って移載プレート(23)上の被移載
者はベッド上からフレーム(26)上へ移動する。
【0010】移載プレート(23)が後退移動端に達した
後、戻しモードにおいて、移載プレート(23)を前進駆動
すると、第2ロック機構のロックによって、移載プレー
ト(23)及び移載ベルト(13)が一体に移動し、これに伴っ
て移載プレート(23)上の被移載者はフレーム(26)上から
他のベッド上へ移動する。
【0011】移載プレート(23)が前進移動端の近傍まで
移動すると、該移載プレート(23)の移動を動力源とし
て、第2ロック切換え機構が動作を開始し、移載プレー
ト(23)が前進移動端に達した時点で、第2ロック機構に
よるロック状態が解除されると同時に、第1ロック機構
がロック状態に設定される。これによって移載ベルト(1
3)の上半周部がフレーム(26)に連結され、引抜きモード
が設定される。この状態で、移載プレート(23)を後退駆
動すると、移載プレート(23)の移動に伴って移載ベルト
(13)の下半周部がプレート後方端を経てプレート上面へ
繰り出され、ベッド上に横たわった被移載者の背面から
移載プレート(23)が引き抜かれ、被移載者は移載プレー
ト(23)上からベッド上に移される。
【0012】具体的構成において、第1ロック機構は、
ベルト上半周部に連結されたベルト固定部材(41)に往復
移動可能に取り付けられて一方向にバネ付勢されたブロ
ック(42)と、ブロック(42)に突設された落し込みピン(4
7)と、フレーム(26)に取り付けられて落し込みピン(47)
が前記バネ付勢によって係合すべき落し込み孔(82)を有
するロック片(8)とから構成される。第2ロック機構
は、ブロック(42)に前記落し込みピン(47)とは逆向きに
突設されたロックピン(45)と、移載プレート(23)に取り
付けられてロックピン(45)が係合すべきロック孔(32)を
有するロックプレート(31)とから構成される。第1ロッ
ク切換え機構は、移載プレート(23)に固定された支持部
材(71)と、支持部材(71)に往復移動可能に取り付けられ
ると共に一方向にバネ付勢されたロック爪(72)と、ブロ
ック(42)に形成されてロック爪(72)が係合すべきカム面
(44)とから構成され、第2ロック切換え機構は、フレー
ム(26)に取り付けられて、ロック爪(72)を前記バネ付勢
に抗して押圧しブロック(42)から離脱させるロック解除
レバー(83)によって構成される。
【0013】上記具体的構成においては、挿入モードに
て、第1ロック機構の落し込みピン(47)がバネ付勢によ
って落し込み孔(82)に係合しており、これによって移載
ベルト(13)の上半周部がフレーム(26)に連結される。
【0014】その後、移載プレート(23)が前進移動端の
近傍に達すると、ロック爪(72)がブロック(42)のカム面
(44)と接触し、更に移載プレート(23)が前進する過程
で、ブロック(42)をバネ付勢に抗して移動させる。この
結果、ブロック(42)に突設された落し込みピン(47)がロ
ック片(8)の落し込み孔(82)から抜き出されると共に、
ブロック(42)に突設されたロックピン(45)がロックプレ
ート(31)のロック孔(32)と係合することになる。これに
よって、移載ベルト(13)は、フレーム(26)とのロック状
態から移載プレート(23)とのロック状態に切り替わり、
移載モードが設定される。
【0015】移載モード及び戻しモードを経て、移載プ
レート(23)が前進移動端の近傍に達すると、ロック爪(7
2)がロック解除レバー(83)と接触し、更に移載プレート
(23)が前進する過程で、ロック爪(72)はロック解除レバ
ー(83)に押圧され、バネ付勢に抗して移動し、最終的に
ブロック(42)から離脱する。この結果、ブロック(42)が
バネ付勢によって移動し、ロックピン(45)がロック孔(3
2)から抜き出されると共に、落し込みピン(47)が落し込
み孔(82)と係合することになる。これによって、移載ベ
ルト(13)は、移載プレート(23)とのロック状態からフレ
ーム(26)とのロック状態に切り替わり、引抜きモードが
設定される。
【0016】
【発明の効果】本発明に係る移載介助装置の制御機構に
よれば、ソレノイド等の特別な駆動源を用いることな
く、移載プレート自体の前後移動を利用して自動的にモ
ード切換えを行なうことが出来る。従って、構成が簡易
となり、然も高い動作信頼性が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、図面に沿って具体的に説明する。全体構成(図1、図19及び図20参照) 図1に示す様に、移動台車(9)上には、上下機構(91)を
介して設置台(92)が設けられ、該設置台(92)上に移載機
構(2)が配備されている。移載機構(2)は、図19及び
図20に示す様に、設置台(92)上に取り付けられた3枚
のフレーム(25)(26)(27)を具え、これらのフレーム上に
は、上半身部移載プレート(22)、臀部移載プレート(23)
及び脚部移載プレート(24)が、夫々ベッド(6)の上面に
沿って前後移動可能に配備される。臀部移載プレート(2
3)には主操作レバー(20)が突設され、上半身部移載プレ
ート(22)及び脚部移載プレート(24)には夫々、補助操作
レバー(21)が突設されている。
【0018】駆動系(図1参照) 図1は、臀部移載プレート(23)についての駆動系を示し
ているが、上半身部移載プレート(22)及び脚部移載プレ
ート(24)についての駆動系も同様の構成である。移載プ
レート(23)は、移載駆動モータ(12)に連繋するタイミン
グベルト(16)と連結(10)され、移載駆動モータ(12)の駆
動によって前後に移動する。移載プレート(23)の周囲に
は、略全周面を覆って移載ベルト(13)が巻回されてい
る。尚、移載プレート(23)の駆動は、タイミングベルト
(16)に限らず、ワイヤーその他の動力伝達機構によって
行なうことが出来る。
【0019】各操作レバー(20)(21)には夫々、操作力を
検出するための力検出器(3)が取り付けられ、これらの
力検出器(3)の検出信号が前記移載駆動モータ(12)の駆
動回路(図示省略)へ供給されて、操作力に応じた駆動力
が、各移載プレート(22)(23)(24)に対して与えられる。
尚、後述の如く、挿入モードにおいては、3枚の移載プ
レート(22)(23)(24)が夫々の操作レバーの操作によって
独立に駆動制御されるが、移載モード、戻しモード及び
引抜きモードにおいては、主操作レバー(20)の操作によ
って3枚の移載プレート(22)(23)(24)が同時に駆動制御
される。
【0020】制御機構(図2乃至図15参照) 図2乃至図15は臀部移載プレート(23)についての制御
機構を示しているが、上半身移載プレート(22)及び脚部
移載プレート(24)についても同様の制御機構が装備され
ている。図2に示す如く、移載プレート(23)の側部に
は、ロック制御機構(7)が取り付けられ、移載ベルト(1
3)の上半周部には、ベルト動作制御機構(4)が連結さ
れ、更にフレーム(26)の側部には、ロック片(8)及びロ
ック解除レバー(83)が取り付けられている。
【0021】ロック制御機構(7)は、図3に示す如く移
載プレート(23)に固定された支持部材(71)を具え、該支
持部材(71)の前部には、ロック爪(72)が水平面内で回動
自由に枢支(76)されると共に、トーションバネ(77)によ
って反時計方向に回転付勢され、反時計方向の回動端が
ストッパー(図示省略)によって規制されている。ロック
爪(72)の先端部には、向かって右側に第1制御面(73)、
上面に第2制御面(74)、左側に第3制御面(75)が形成さ
れている。又、支持部材(71)の上面には、先端部にロッ
ク孔(32)を有するロックプレート(31)が、基端部にて遊
びをもって支持(33)されている。ロックプレート(31)の
中央部には、支持部材(71)に突設されたガイドピン(34)
が貫通して、ロックプレート(31)の僅かな上下動が案内
されると共に、該ガイドピン(34)に嵌めた圧縮バネ(35)
によって下方へ付勢されている。
【0022】ベルト動作制御機構(4)は、図2に示す如
く、フレーム(26)に対して前後方向へ摺動可能に係合し
たベルト固定部材(41)を具え、該ベルト固定部材(41)に
対して移載ベルト(13)の上半周部が固定部(40)にて固定
されている。ベルト固定部材(41)の側部には、図4に示
す如く昇降ブロック(42)が昇降可能に取り付けられてい
る。該昇降ブロック(42)の上面には、ロックピン(45)及
びガイドピン(46)が突設され、これらのピン(45)(46)
は、ベルト固定部材(41)の内面に内向きに突設されたガ
イドプレート(61)の貫通孔(62)(63)へ夫々、僅かな遊び
をもって嵌入されている。ロックピン(45)及びガイドピ
ン(46)には夫々圧縮バネ(48)(49)が装着され、昇降ブロ
ック(42)を下向きに付勢している。又、昇降ブロック(4
2)の下面には、落し込みピン(47)が突設されている。更
に、昇降ブロック(42)の側面には、楔状の溝(64)が凹設
され、該溝(64)の内面には、前記ロック爪(72)の第1制
御面(73)との対向位置に、前方へ向かって内側寄りに傾
斜する第1カム面(43)が凹設されると共に、該溝(64)の
天井面には、ロック爪(72)の第2制御面(74)との対向位
置に、前方へ向かって低く傾斜する第2カム面(44)が凹
設されている。
【0023】ロック片(8)は、図5に示す如くフレーム
(26)の側面に突設され、その先端部には落し込み孔(82)
が開設されている。又、フレーム(26)の側面には、ロッ
ク片(8)の近傍位置に、ロック解除レバー(83)が水平面
内で回動自由に枢支(80)され、引張バネ(87)によって時
計方向に回転付勢されると共に、ストッパー(86)によっ
て時計方向の回動端が規制されている。ロック解除レバ
ー(83)の後方先端部の両側面には、前記ロック爪(72)の
第3制御面(75)との対向位置に、後述の如くロック爪(7
2)の第3制御面(75)が係合すべき第1係合面(84)と、ロ
ック爪(72)の第1制御面(73)が係合すべき第2係合面(8
5)とが形成されている。
【0024】装置全体の動作 次に、各動作モードにおける移載介助装置の動作につい
て、図19(a)(b)(c)及び図20(a)(b)(c)に沿っ
て説明する。尚、これらの図においては、移載ベルト(1
3)は図示省略している。挿入モードにおいては、図19
(a)(b)(c)の如く介護者(51)は補助操作レバー(21)及
び主操作レバー(20)を操作して、上半身部移載プレート
(22)、脚部移載プレート(24)及び臀部移載プレート(23)
を順次、前進移動させ、これら3枚の移載プレート(22)
(23)(24)をベッド(6)上の病弱者(5)の背面へ挿入す
る。
【0025】次に、移載モードにおいては、図19(c)
から図20(a)に示す様に、主操作レバー(20)のみを操
作することによって、3枚の移載プレート(22)(23)(24)
を同時に後退移動させることが可能であり、これによっ
て移載プレート(22)(23)(24)上の病弱者(5)を設置台(9
2)上へ移動させる。
【0026】その後、移載の目的とする他のベッド(6)
へ移動台車(9)を移動させて、戻しモードに移行する。
戻しモードでは、図20(b)の如く介護者(51)は主操作
レバー(20)のみを操作することによって、3枚の移載プ
レート(22)(23)(24)を同時に前進移動させることが可能
であり、これによって移載プレート(22)(23)(24)上の病
弱者(5)をベッド(6)上へ移動させる。
【0027】続いて、引抜きモードでは、図20(c)の
如く介護者(51)は主操作レバー(20)のみを操作すること
によって、3枚の移載プレート(22)(23)(24)を同時に設
置台(92)上へ後退移動させることが可能であり、これに
よって病弱者(5)はベッド(6)上へ移される。
【0028】本発明に係る移載介助装置の制御機構にお
いては、上記の動作モードの切換えが以下に説明する様
に、移載プレートの移動に伴って自動的に行なわれる。
尚、以下の説明では、臀部移載プレート(23)のみについ
て言及しているが、上半身移載プレート(22)及び脚部移
載プレート(24)についての制御機構の動作も同様であ
る。
【0029】挿入モードの動作 上記移載介助装置の初期状態においては、図16(a)に
示す様に、移載プレート(23)がフレーム(26)上の後退移
動端に設置されている。又、図6及び図10に示す様
に、ベルト動作制御機構(4)の昇降ブロック(42)は、バ
ネ(48)(49)に付勢されて下降し、落し込みピン(47)がロ
ック片(8)の落し込み孔(82)に嵌入している。これによ
って、移載ベルト(13)の上半周部がフレーム(26)に連結
されている。
【0030】この状態で、主操作レバー(20)を操作し
て、移載駆動モータ(12)によって移載プレート(23)を前
進駆動すると、図16(a)(b)(c)に示す様に、移載プ
レート(23)がベッド(6)上面に沿って前進し、これに伴
って移載ベルト(13)の下半周部がプレート前方端を経て
プレート上面へ繰り出される。この結果、移載プレート
(23)が病弱者(5)の背面へ挿入されると共に、移載ベル
ト(13)が病弱者(5)の背面へ敷き込まれることになる。
この過程で、移載ベルト(13)の上半周部と病弱者(5)の
背面との接触部分における相対速度は零であるから、移
載プレート(23)は無理なく、病弱者(5)の背面へ挿入さ
れる。
【0031】挿入モードから移載モードへの移行動作 移載プレート(23)の前進に伴って、図6及び図7に示す
様に、ロック制御機構(7)がベルト動作制御機構(4)に
接近し、移載プレート(23)が前進移動端の近傍に達する
と、ロック爪(72)の第1制御面(73)が昇降ブロック(42)
の第1カム面(43)に当接すると共に、ロック爪(72)の第
2制御面(74)が昇降ブロック(42)の第2カム面(44)に当
接することになる。
【0032】そして、更に移載プレート(23)が前進移動
端まで移動する過程で、図11に示す様に、ロック爪(7
2)の第2制御面(74)が昇降ブロック(42)の第2カム面(4
4)を押し上げ、バネ(48)(49)に抗して昇降ブロック(42)
を上昇させる。これによって、落し込みピン(47)がロッ
ク片(8)の落し込み孔(82)から抜き出されると共に、ロ
ックピン(45)がロックプレート(31)のロック孔(32)へ嵌
入する。この結果、移載ベルト(13)は、フレーム(26)と
の連結状態が解除される一方、移載プレート(23)と連結
されて、移載モードが設定されるのである。
【0033】又、移載プレート(23)が前進移動端まで移
動する過程で、図12(a)(b)及び図13(a)に示す様
に、ロック制御機構(7)のロック爪(72)がベルト動作制
御機構(4)の昇降ブロック(42)に接近し、臀部移載プレ
ート(23)が前進移動端の近傍に達すると、ロック爪(72)
の第1制御面(73)が昇降ブロック(42)の第1カム面(43)
に押圧されて、ロック爪(72)は、前記トーションバネ(7
7)に抗して時計方向に回転する。そして、ロックピン(4
5)がロック孔(32)に嵌入して、ロック制御機構(7)がベ
ルト動作制御機構(4)と完全に連結された状態で、ロッ
ク爪(72)は、図13(a)に示す所定の回転角度姿勢に保
持されることになる。
【0034】移載モードの動作 主操作レバー(20)を操作して、移載駆動モータ(12)によ
って移載プレート(23)を後退駆動すると、図17(a)
(b)に示す様に、移載ベルト(13)と移載プレート(23)が
一体となって移動し、移載プレート(23)上の病弱者(5)
をベッド(6)上からフレーム(26)上へ移動させる。この
過程で、ベルト動作制御機構(4)とロック制御機構(7)
は、図8及び図13(b)に示す様に互いに一体となって
移動し、ロック爪(72)の姿勢は一定に保持される。
【0035】又、ロック爪(72)が移動する過程で、図1
3(a)(b)の如くロック爪(72)の第3制御面(75)とロッ
ク解除レバー(83)の第1係合面(84)とが互いに摺接し、
ロック解除レバー(83)を引張バネ(87)に抗して僅かに反
時計方向へ回動させる。そして、ロック爪(72)がロック
解除レバー(83)から離脱すると、ロック解除レバー(83)
は、引張バネ(87)の付勢によって、ストッパー(86)に当
接した元の位置に復帰する。
【0036】戻しモードの動作 主操作レバー(20)を操作して、移載駆動モータ(12)によ
って移載プレート(23)を前進駆動すると、図17(c)
(d)に示す様に、移載ベルト(13)と移載プレート(23)が
一体となって移動し、移載プレート(23)上の病弱者(5)
をフレーム(26)上から他のベッド(6)上へ移動させる。
この過程で、図14(a)の如く、ロック制御機構(7)の
ロック爪(72)は昇降ブロック(42)の第1カム面(43)と接
触した姿勢のまま、ロック解除レバー(83)へ接近する。
ここで、ロック爪(72)の先端部は、ロック解除レバー(8
3)の先端部よりも内側へ突出している。
【0037】戻しモードから引抜きモードへの移行動作 その後、移載プレート(23)が前進移動端の近傍まで移動
する過程で、図14(b)の様に、ロック爪(72)の第1制
御面(73)がロック解除レバー(83)の第2係合面(85)と接
触し、更に移載プレート(23)が前進移動端まで移動する
と、ロック爪(72)は、第1制御面(73)をロック解除レバ
ー(83)の第2係合面(85)に押圧されて、図15(a)の如
く更に大きく時計方向へ回転する。
【0038】この様にロック爪(72)が大きく時計方向に
回転すると、図9に示す様に、ロック爪(72)は昇降ブロ
ック(42)から離脱することになる。この結果、昇降ブロ
ック(42)は、昇降が自由となって、バネ(48)(49)の付勢
により下降し、これに伴って、ロックピン(45)がロック
プレート(31)のロック孔(32)から抜け出すと共に、落し
込みピン(47)がロック片(8)の落し込み孔(82)へ嵌入す
る。これによって、移載ベルト(13)は、移載プレート(2
3)との連結状態が解除される一方、フレーム(26)と連結
されて、引抜きモードが設定されるのである。
【0039】引抜きモードの動作 主操作レバー(20)を操作して、移載駆動モータ(12)によ
って移載プレート(23)を後退駆動すると、図18(a)
(b)(c)に示す様に、移載プレート(23)がベッド(6)上
面に沿って後退し、これに伴って移載ベルト(13)の下半
周部がプレート後方端を経てプレート上面へ繰り出され
る。この結果、移載プレート(23)が病弱者(5)の背面か
ら抜き出されることになる。この過程で、移載ベルト(1
3)の上半周部と病弱者(5)の背面との接触部分における
相対速度は零であるから、移載プレート(23)は無理な
く、病弱者(5)の背面から抜き出される。
【0040】又、移載プレート(23)が後退する過程で、
図15(b)に示す様にロック爪(72)がロック解除レバー
(83)から離脱し、前記トーションバネ(77)の付勢によっ
て反時計方向に回転し、初期状態の姿勢に戻ることにな
る。
【0041】上述の如く、本発明に係る移載介助装置の
制御機構によれば、移載プレート自体の移動を利用し
て、動作モードの切換えが行なわれるので、ソレノイド
等の特別な駆動源を用いたモード切換え機構の装備は不
要であり、これによって、構成が簡略化されると共に、
動作信頼性が向上する。
【0042】上記実施の形態の説明は、本発明を説明す
るためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を
限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。
又、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許
請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能で
あることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る移載介助装置の一部破断側面図で
ある。
【図2】本発明に係る移載介助装置に装備された制御機
構の一部破断斜視図である。
【図3】ロック制御機構の斜視図である。
【図4】ベルト動作制御機構の一部破断斜視図である。
【図5】ロック片及びロック解除レバーの斜視図であ
る。
【図6】挿入モードにおける制御機構の斜視図である。
【図7】挿入モードから移載モードへの移行状態を表わ
す制御機構の斜視図である。
【図8】移載モードにおける制御機構の斜視図である。
【図9】戻しモードから引抜きモードへの移行状態を表
わす制御機構の斜視図である。
【図10】ベルト動作制御機構とロック片との連結状態
を表わす断面図である。
【図11】ベルト動作制御機構とロック制御機構との連
結状態を表わす断面図である。
【図12】挿入モードにおける制御機構の動作を表わす
平面図である。
【図13】挿入モードから移載モードへ移行する過程、
及び移載モードにおける制御機構の動作を表わす平面図
である。
【図14】戻しモードにおける制御機構の動作を表わす
平面図である。
【図15】戻しモードから引抜きモードへ移行する過
程、及び引抜きモードにおける制御機構の動作を表わす
平面図である。
【図16】挿入モードの動作を表わす側面図である。
【図17】移載モード及び戻しモードの動作を表わす側
面図である。
【図18】引抜きモードの動作を表わす側面図である。
【図19】介護者による挿入操作の様子を表わす斜視図
である。
【図20】介護者による移載操作から引抜き操作の様子
を表わす斜視図である。
【符号の説明】
(12) 移載駆動モータ (13) 移載ベルト (23) 臀部移載プレート (26) フレーム (4) ベルト動作制御機構 (41) ベルト固定部材 (42) 昇降ブロック (7) ロック制御機構 (71) ブロック (72) ロック爪 (31) ロックプレート (32) ロック孔 (8) ロック片 (82) 落し込み孔 (83) ロック解除レバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61G 7/10 A61G 1/00 508

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレーム(26)上に、ベッド上面に沿って
    前後に往復駆動される移載プレート(23)を設置すると共
    に、該移載プレート(23)の周囲には、移載プレート(23)
    の移動方向に沿って周回移動すべき移載ベルト(13)を巻
    回して構成される移載介助装置に於いて、移載プレート
    (23)を前進させてベッド上の被移載者の背面へ移載プレ
    ート(23)を挿入する挿入モードと、被移載者を載せた移
    載プレート(23)をフレーム(26)上へ後退させる移載モー
    ドと、被移載者を載せた移載プレート(23)をベッド上へ
    前進させる戻しモードと、移載プレート(23)を後退させ
    て、移載プレート(23)上の被移載者をベッド上へ移す引
    抜きモードの4つの動作モードを切換え設定するための
    制御機構であって、 挿入モード及び引抜きモードにて、移載ベルト(13)の上
    半周部をフレーム(26)に連結する第1ロック機構と、 移載モード及び戻しモードにて、移載ベルト(13)の上半
    周部を移載プレート(23)に連結する第2ロック機構と、 挿入モードから移載モードへ移行する際に、移載プレー
    ト(23)の移動に伴って、第1ロック機構のロック状態か
    ら第2ロック機構のロック状態に切り換える第1ロック
    切換え機構と、 戻しモードから引抜きモードへ移行する際に、移載プレ
    ート(23)の移動に伴って、第2ロック機構のロック状態
    から第1ロック機構のロック状態に切り換える第2ロッ
    ク切換え機構とを具えた移載介助装置の制御機構。
  2. 【請求項2】 第1ロック機構は、ベルト上半周部に連
    結されたベルト固定部材(41)に往復移動可能に取り付け
    られて一方向にバネ付勢されたブロック(42)と、ブロッ
    ク(42)に突設された落し込みピン(47)と、フレーム(26)
    に取り付けられて落し込みピン(47)が前記バネ付勢によ
    って係合すべき落し込み孔(82)を有するロック片(8)と
    から構成され、第2ロック機構は、ブロック(42)に前記
    落し込みピン(47)とは逆向きに突設されたロックピン(4
    5)と、移載プレート(23)に取り付けられてロックピン(4
    5)が係合すべきロック孔(32)を有するロックプレート(3
    1)とから構成され、第1ロック切換え機構は、移載プレ
    ート(23)に固定された支持部材(71)と、支持部材(71)に
    往復移動可能に取り付けられると共に一方向にバネ付勢
    されたロック爪(72)と、ブロック(42)に形成されてロッ
    ク爪(72)が係合すべきカム面(44)とから構成され、第2
    ロック切換え機構は、フレーム(26)に取り付けられて、
    ロック爪(72)を前記バネ付勢に抗して押圧しブロック(4
    2)から離脱させるロック解除レバー(83)によって構成さ
    れる請求項1に記載の制御機構。
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