JP3368322B2 - 制御イオン導入方法および装置 - Google Patents

制御イオン導入方法および装置

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、一般に電子伝達方法および装置に関する。
特に、本発明の方法は、活性電極容器環境を選択制御し
て電子伝達を行い利益を得る方法に関する。本発明は、
特に、制御活性電極環境を供給し電子伝達を行う装置に
も関する。電子伝達方法に関し、本発明が特に好ましく
適用された2つの方法は、イオン導入方法と電気浸透方
法である。本文記載の原理には、(電子伝達を含まず)
受動伝達過程に適用し利益を得られるものもある。
背景技術 本発明は、一般には電子伝達を介する治療剤の経皮伝
達に好ましい方法および装置に関する。本文に用いる
「電子伝達」とは、帯電非帯電に関わらず、電解質含有
容器に起電力を加えることによって経皮伝達する方法お
よび装置に関する。伝達される特定の治療剤が帯電され
るか否かは、選択された特定の方法によって決まる。伝
達される治療薬剤を帯電させる方法は、イオン導入方法
と呼ばれる。治療薬剤を帯電させない場合、電気浸透方
法または電気流体無定位運動、電気対流、電気誘導浸透
などの電気力学的方法によって伝達されると考えられ
る。一般に、後者の非帯電薬剤を組織に伝達する電気力
学的方法では、溶媒が移行し、電解質容器に起電力を加
えた結果として非帯電薬剤がその溶媒中に溶解される。
この過程を通じ、複数の帯電薬剤の伝達も当然起こる。
一般に、イオン導入方法といえば、電流によって体内
組織に可溶塩を導入する方法である。特に、イオン導入
方法は、適切な電極極性を利用して、伝達すべきイオン
分子(またはこれらイオンの前駆体)を含む電解質溶液
を介して電流経過によって、イオン(帯電)薬剤を(患
者の皮膚を介するなどして)組織に伝達する方法および
技術に関する。すなわち、イオンは、電解質容器に起電
力を与えることによって、電解質容器から組織に輸送さ
れる。
本文の説明の多くは、イオン導入方法およびそれに用
いる装置に焦点を当ている。ただし、それらの方法およ
び装置が一般に、非電荷治療薬剤に関する電気学的現象
を含む電子伝達に適用できることは理解できよう。この
ため、このような現象は、一般に、複数の帯電薬剤の伝
達に関し、非帯電薬剤の所望の運動と同時に起こる。
例えば、イオン治療を受ける患者がヒトであり、薬剤
が経皮伝達される場合を考えてみよう。イオン導入方法
によって、正に帯電した薬剤または負に帯電した薬剤を
容易に患者に経皮伝達することができる。これは、2つ
の電極(陽極と陰極)装置間で皮膚に電気接触させて、
適切な電位を与えることによって行われる。正に帯電し
た薬剤を経皮伝達する場合、容器の陽極接続側に正に帯
電した薬剤を配置し、適切な起電力を生成することがで
きる。同様に、皮膚伝達する薬剤が負に帯電している場
合、容器の陰極に薬剤を配置して起電力を生成させるこ
とができる。当然、単一の装置を使用して正および負に
帯電した薬剤を所定の時刻に患者に伝達することがで
き、1種類以上の陽極の薬剤と1種類以上の陰極の薬剤
またはそのいずれか一方を選択処置中に単一の装置から
伝達することができる。イオン導入方法の一般的説明に
ついては、Phipps,J.B.etal;「Transport of Ionic Spe
cies Through Skin」Solid State Ionics;Vol.28−30,
p.1778−1783(1988);Phipps,J.B.,et al;「Iontophor
etic Delivery of Model Inorganic and Drug Ions」;
J.Pharm.Sciences;Vol.78,No.5,p.365−369(May 198
9);and Chien,Y.M.et al;「Iontophoretic Delivery o
f Drugs:Fundamentals,Developments and BiomedicalAp
plications」;J.Controlled Relese,Vol.7,p.1−24(19
88)を参照されたい。これらの3文献の開示内容は、本
文中に参考として取り入れている。
イオン導入方法を含む電子伝達方法から、治療的伝達
方法がさまざまにあることがわかった。このような伝達
方法には、イオン薬剤すなわち帯電有機薬剤または治療
的金属イオンの伝達に関することもあった。伝達には、
状態および診断の治療に関することもあった。例えば、
イオン導入方法を利用して、膵嚢胞性繊維症の診断に使
用するピロカルピンを伝達してきた。イオン導入方法を
利用して、ヒアルロニダーゼを強皮症およびリンパ水腫
の診断で伝達してきた。さらに、イオン導入方法は、ア
レルギー試験、真菌感染症、性病、潰瘍、滑液嚢炎およ
び筋障害の治療用金属イオン伝達、血管拡張剤の伝達、
麻酔剤およびステロイドの伝達にも利用されてきた。上
述のChien,Y.W.,et alなどを参考にされたい。
さまざまなイオン導入装置が現在知られている。例え
ば、Phippsらの米国特許第4,744,788号、Phippsらの米
国特許第4,747,819号、Taperらのヨーロッパ特許出願広
告第0299631号、Patelenzらの米国特許第4,752,285号、
並びに、Parsi,E.J.,の米国特許第4,731,049号などを参
照されたい。
イオン導入装置などの従来の一般的な電子伝達装置で
は、2極使用が一般的である。両電極は一般に2個の離
れた電解質含有容器によって被検者(ヒトや動物)の複
数部分(一般には皮膚)に密接な電気接触するよう設置
され、電流は皮膚と電極の間に電流が流れる。一方の電
極は、本文では「活性電極」と呼ばれ、この電極から起
電力を利用して物質(薬剤、薬剤先駆体または薬物)を
体内伝達する。もう一方の電極は、一般に「不活性」電
極または「接地」電極と呼ばれ、身体に通じる電気回路
を閉じる役割を果たす。ある場合には、両電極から薬剤
を伝達することができる。このような場合には、各電極
は「対」電極、「不活性」電極、「遠隔」電極、または
「接地」電極の機能を果たす。すなわち、電極が「活
性」か「不活性」かは、伝達される特定の材料に関して
分類される。本文では、電極またはその変形体はこの文
脈で使用される場合は、導電部材のことであり、処置中
にこの部材を電流は通過する。
電子伝達方法がイオン導入方法である場合、一般に活
性電極は帯電イオンとしての治療薬剤または帯電イオン
の前駆体などを含み、起電力を帯電治療薬剤に加えるこ
とによって伝達が行われる。別の電子伝達現象では、伝
達は起電力で励起されるが、治療薬剤は非帯電形態で伝
達される。例えば、供給電流は非治療薬剤の運動を誘導
し、非治療薬剤を水とともに被検者に輸送する。この水
は、この中で治療薬剤を分解してしまうと考えられる。
このため、非治療帯電薬剤の電子伝達は、非帯電薬剤以
外の治療薬剤の運動を誘導する。
電極との電気的に接続している患者の皮膚に関し、回
路は、バッテリまたは適切に調整した交流電源などの電
気エネルギー源に2極を接続することによって直流回路
として達成される。例えば、体内に伝達すべきイオン物
質が正に帯電している場合、正極が活性電極になり、負
極が回路を達成する役割を果たす。伝達するべき物質が
負に帯電している場合、負極が活性電極になり、正極が
不活性電極になる。
また、電子伝達装置は、一般に体内に移動または導入
される薬剤(またはこれらの前駆体)源として容器が必
要である。電子伝達装置がイオン導入装置である場合、
一般に容器は水性電解質や親水性電解質溶液含有のゲル
もしくはゲル基質または吸収材料などの電解質溶液のプ
ールである。このような薬剤容器は、イオン誘導装置の
正極または負極に電気接続された場合、電子伝達用の1
種以上のイオン薬剤源となる。
本文では、電子伝達過程では、活性正極に接続した容
器を「活性電極容器」と呼ぶ。まさに、この容器は、伝
達用の「標的薬剤」または「治療薬剤」を、特に電子伝
達用には帯電薬剤を含む容器である。本文では、もう一
方の電極に帯電した容器は、「不活性」電極容器または
「中性」電極容器とよばれる。
本発明の利用に特定の利益をもたらすシステムは、
「密閉」容器システムである。このようなシステムで
は、処置中は、活性電極容器が電解質溶液の遠隔源で供
給されない。このため、電子伝達中の容器含量の変化
は、(拡散に加え)一般に電極処置によるものである。
従来の電子伝達処置中、伝達すべき帯電薬剤類または
治療薬剤に加え、イオン薬剤は、活性電極で生成すなわ
ち供給される。例えば、活性電極が陰極で装置の操作電
圧下で酸化可能な金属から形成されている場合、電極が
形成される材料に一致する金属陽イオン源として役立
つ。また、ヒドロニウムイオン含量(すなわちpH)は、
(白金電極、ガラス炭素電極、ステンレス鋼電極など
の)特定の電極作用中に変化する場合もある。
イオン導入中、治療剤を帯電させるので、皮膚経由で
患者に電子伝達する際、印加した電圧である起電力下
で、その他の同様の容器内の帯電イオンと競合しなけれ
はならない。例えば、活性電極が負極であり、薬剤は正
極に帯電した形態で伝達される場合、正極に帯電した薬
剤を、伝達に際し、容器内のその他の正極帯電薬剤と競
合させるか、電極作用中に生成して、容器中の溶液に残
留させなければならない。続いて、活性電極の作用が活
性電極容器内の競合薬剤の生成(または励起)に関係す
る場合、一定電極に対し、皮膚粘膜を横切る所望の薬剤
類の伝達効率は低下する。この結果は、活性電極の正負
に関わらず変わらないと考えられる。
本文では、イオン導入方法によって電子伝達(または
伝達)に際し選択薬剤に同様に帯電させた(すなわち標
的イオンTiまたは治療イオンTiに同様に帯電させた)活
性電極容器内の薬剤を「外来イオン薬剤」(Xi)と呼
ぶ。例えば、選択的に伝達すべき薬剤は、正に帯電した
薬剤である場合、活性電極容器中の他の陽イオンすべて
を「外来イオン薬剤」または「外来陽イオン薬剤」と呼
ぶ。選択的に、皮膚経由で伝達すべき薬剤または治療薬
剤が負に帯電している場合には、他のすべての陰イオン
薬剤を「外来イオン薬剤」または「外来陰イオン薬剤」
と呼ぶ。一般に、外来イオンが存在すると、所定のイオ
ン導入システムの選択(すなわち標的または治療)イオ
ンの輸送効率は低下する。
選択的に、(治療薬剤が帯電している場合には)治療
薬剤以外で、外来イオン薬剤を印加電位下で活性電極容
器から輸送することができるイオンであると定義するこ
とができる。すなわち、治療剤を帯電していない場合、
外来イオン薬剤は印加電圧下で装置の動作中に容器から
伝達されるイオンである。
本文では、「標的薬剤」(「治療薬剤」)およびその
変異体は、一般に、その薬剤類が帯電か非帯電かを問わ
ず、電圧印加などによって被検者或は対象に選択輸送す
べき薬剤を言う。本文では、「標的イオン薬剤」(「治
療イオン薬剤」)およびその変異体は、治療用のイオン
導入方法によって伝達すべき特定のイオン薬剤である。
多くの場合、標的イオン薬剤は、薬剤イオンまたは選択
金属イオンである。これらの薬剤は、被検者の体内で作
用する厳密な治療剤でなくても良い。例えば、このよう
な薬剤の前駆体であっても良い。これらの用語は、診断
を容易にするなど、ある条件を処理する以外の目的で伝
達されるイオンをその範囲内に含む。このため、「治
療」およびその他の処置法は、状態の処置、診断手順お
よび薬剤を被検者に伝達するその他の薬剤処置を含む。
相対的に外来イオンがない装置、または、外来イオン
濃度を低減する装置がさまざまな方法からが考案されて
きた。例えば、Phippsらの米国特許第4,747,819号およ
び第4,744,787号に記載された方法および装置が考案さ
れてきた。このような方法の基本的原理は、活性電極お
よび活性電極容器構成要素またはいずれか一方を選択
し、作用中の活性電極で行われる電気化学的反応によっ
て、輸送用選択イオン薬剤に干渉も競合もしない薬剤
(すなわち標的薬剤または治療的イオン薬剤)を提供す
るものである。例えば、伝達すべき薬剤が正に帯電し
て、この薬剤が塩酸塩として容器に存在している場合、
活性電極は負極になる。銀(または銀/塩化銀)電極を
負極として使用した場合、電極作用中、陰極で生成され
る陽イオン薬剤は銀陽イオンである。この容器は、薬剤
の塩酸塩から得られる溶液中の塩化物イオンを含むの
で、(不溶性)塩化銀が電極作用中に継続的に生成され
ることになる。塩化銀は、活性電極表面で溶液から生じ
沈殿する。この結果、電極の作用は継続し、正に帯電し
た薬剤(すなわち外来陽イオンとしての銀陽イオン)を
流動形態で負極容器に添加せずに、薬剤陽イオンに起電
力を供給する。このため、活性電極容器の外来イオン濃
度は、最小限に維持されるか、少なくとも装置の動作中
は増加しない。
実際、一般的な電子伝達装置から完全に外来イオンを
除外することは現実的ではない。この理由には、親水性
容器(一般には、ゲルまたはゲル基質を含む水性装置)
は、その中に、伝達すべき薬剤(または伝達すべき薬剤
の前駆体)に加え、緩衝剤、抗菌剤などを含むことがあ
るという事実が含まれる。さらに、多くの場合、電極作
用中にイオン(選択的に移送すべき一切のイオン以外)
を完全に除去し、そのようなイオンを完全に懸濁するこ
とは非現実的である。このため、Phippsらの米国特許第
4,747,819号および第4,744,787号の方法をさらに装置内
に外来イオンを導入するのを防ぐために実行したとして
も、一般的なイオン導入装置は、一般に、最初から有意
な濃度の外来イオンを含むことになろう。以下の説明か
ら分かるように、この外来イオン濃度は、イオン導入方
法の実行に際し有意な効果がある。ある場合には、方法
の効果が否定的になろう。
発明の大要 本発明は、一般に制御環境電子伝達技術および方法
と、制御環境電子伝達方法を実行する装置に関する。本
文で用いる用語「制御環境電子伝達」およびその変形語
は、活性電極容器のイオン内容物を選択的に制御し、所
望の結果を達成することができる電子伝達方法を言う。
各例は、イオン内容物の制御を維持し、標的薬剤の伝達
率を選択的に制御するか、pHや伝道率などの環境パラメ
ータを制御するものである。ある好ましい用途では、関
連する電子伝達技術がイオン導入方法であるので、この
方法は一般的に制御環境イオン導入方法である。
一般に、本発明に係る制御環境電子伝達を実行する方
法は、活性電極容器から標的薬剤の移送用に起電力を提
供する一次電極装置を選択操作し、前記電極容器内の相
対濃度に影響し前記一次電極とは異なる(または異なる
態様の)二次電極装置を選択操作し、電子伝達を実行す
るステップを含む。一般に、前記二次電極は、継続的ま
たは周期的に操作することができる。前記二次電極は、
前記一次電極装置作用中に操作することができるし、他
の用途では、電流が一次電極装置を流れていない場合に
も操作することができる。前記一次電極装置および二次
電極装置を同時に(少なくとも一時的に)操作する方法
では、前記一次電極装置および二次電極装置を通じる相
対電流は過程で変化しても良い。所定の時間を問わず、
前記一次電極装置または二次電極装置の電流が高率にな
っても良い。前記一次電極装置および二次電極装置は、
両方が陰極および陽極として機能することができ、ある
態様では、一方が陰極として他方が陽極として機能する
こともできる。
本文中の用語「電子伝達」、「伝達」およびそれらの
変形語は、本文脈では、起電力を印加することによって
活性電極容器からイオンを伝達することを言う。拡散、
電気化学的変化などのその他の手段によってイオン内容
物が損失することを、この用語には適用しない。一般
に、本発明の方法は、活性電極容器が標的薬剤と外来イ
オン薬剤を含む場合の電子伝達を実行するために特に十
分適合し、標的薬剤を帯電させる(すなわちイオンの)
場合に特に有用である。本文での、「標的イオン薬剤」
とは、医療目的で電極容器から移送すべき治療用イオン
またはその他のイオンを言う。例えば、標的イオン薬剤
は、患者に伝達すべき薬剤、そのような薬剤の前駆体、
治療用金属イオン薬剤、診断手続きにある形態で使用す
る薬剤、または非帯電治療薬剤の電気浸透伝達を容易に
する薬剤であっても良い。標的イオン薬剤は、当該の装
置に依存し、陽イオン薬剤であっても陰イオン薬剤であ
っても良い。用語「外来イオン」とは、一般に、電極操
作中に被検体に伝達用の起電力の影響を受ける活性電極
容器内の治療薬剤または標的薬剤以外のイオンを言う。
標的薬剤がイオンである場合(すなわちイオン導入方法
の場合)、外来イオンは標的イオンに対して(符号にお
いて)類似する電荷からなるイオンであるが、標的イオ
ンとは異なる。
ある態様では、前記二次電極装置を操作し、選択的に
前記活性電極容器の特定の外来イオン薬剤のレベルを一
定に維持することが好ましい。例えば、二次電極装置を
操作して、一定のpH(すなわちヒドロニウムイオン定
数)を前記活性電極容器内で維持することができる。本
文では、薬剤濃度を実質的に一定であるという場合、特
定値の±約30.0%に維持されることが好ましく、特定値
の±約10.0%以下であることが好ましい。
本発明のある態様では、前記二次電極装置を操作し
て、拡散およびイオン移送用に活性電極容器に印加され
る起電力またはそのいずれか一方によって、電気化学的
に前記電極容器に損失される薬剤を導入することが好ま
しい。
ある好ましい態様では、上述に示した一定pHを維持す
るためなど、外来イオンが失われるのと同率で損失外来
イオンを置換することが望ましい。他の場合では、ある
所望の効果を達成するために損失率とは異なる率でイオ
ンを置換することが望ましい。例えば、前記一次電極装
置によって供給される起電力によって外来イオンの損失
が標的薬剤の伝達率に影響に望ましくないような場合
(相殺されない場合)、前記二次電極を標的薬剤に対す
る所望の伝達率を維持するように、ある率で損失外来イ
オンを置換するよう操作することができる。この特定の
例は、以下の説明でわかるように、活性電極装置内で標
的イオン薬剤の一定モル比率を維持する方法で、イオン
導入中の二次電極装置の操作である。
本文では、標的イオンのモル比率を実質的に一定に維
持するという場合は、電子伝達過程を通じてそのレベル
を約30.0%内に維持することが好ましく、約10.0%内に
維持することがより好ましい。
以下の詳細の説明からわかるように、ある態様では、
二次電極装置を操作し外来イオンを除去するのに有用で
あることが好ましい。さらに別の態様では、二次電極操
作し標的薬剤の存在率を変化(すなわち除去または添加
によって)させることが望ましい。本文では、(除去ま
たは添加によって)二次電極装置を操作して薬剤の存在
率に影響を与えるという場合、被検者またはその他への
単なる移送以外またはそれに加えた手段によることを意
味する。さらに、効果が一次電極装置から生じる効果と
は違う効果であることを意味する。
好ましい態様では、本発明の方法は、イオン導入被検
者を通じる電流全体を実質的に一定に維持するような方
法で実行される。すなわち、活性電極容器と対を成す電
極容器との間の電流が被検者を通じることによって実質
的に維持されるのである。本文で、電流全体を実質的に
一定に維持するという場合、電子伝達過程を通じて、特
定数値の約30.0%内、好ましくは約10.0%で維持するこ
とが好ましい。一定電流の維持は、活性電極容器内で必
要に応じて一次電極装置と二次電極装置の間の相対電流
を調整することによって行うことができる。
本発明に係る好ましい装置は、本発明の方法を実行す
るために有用であり、少なくとも1つの標的イオン薬剤
種及び少なくとも1つの外来イオン薬剤を含む活性電極
容器と、前記容器に接続され起電力を提供して前記活性
電極容器から薬剤を移送する一次電極構成と具備する電
子伝達装置であり、当該装置が、前記容器に関連され且
つ前記一次電極構成とは直接接していない二次電極構成
にであり、前記一次電極構成とは異なって、前記活性電
極容器内の種の相対濃度に選択的に影響するように動作
できる二次電極構成を特徴としている。2つの電極装置
を同時にまたは互いに関連する選択時間に操作するよう
構成することができる。ある好ましい装置では、装置は
一次電極構成および二次電極構成の選択同時操作用手段
を有する。操作を自在にする際、一次電極構成および二
次電極構成は、活性電極装置内で電解質含有媒質に導電
接触することが望ましい。活性電極装置内の電解質含有
媒質は、水性電解質含有溶液、電解質含有エルまたはゲ
ルなどであっても良く、一般に電子伝達に使用されるも
のである。
好ましい装置は、制御手段を有し、一次電極構成およ
び二次電極構成を通じる電流の流れを制御する。前記制
御手段は、必要に応じて電子伝達過程の被検者を通じて
一定電流を維持することが好ましい。
ある好ましい態様は、活性電極容器の選択特性を検出
するセンサ手段を有することが好ましい。例えば、選択
特性は、総イオン含量、有機イオン含量、無機イオン含
量、ある特定のイオン定数などであっても良い。例えば
センサ手段は、伝導度などのイオンの存在に関する活性
電極容器内の電解質含有材料の特定の物理特性を検出す
る手段であっても良い。上述の操作用センサ手段は、pH
メーター、光学センサ、イオン選択電極、伝道度測定装
置などを含んでいてもよい。センサ手段は、被検者に直
接隣接(すなわち伝達が生じる表面に隣接)するイオン
濃度または電解質含有溶液特性を測定するように電子伝
達処置の被検者皮膚表面に直接隣接する活性電極容器の
一部に設置されることが好ましい。
本発明に係る好ましいイオン導入方法に一般に使用で
きる電子伝達装置は、ある濃度の標的イオンおよびある
濃度の外来イオンを含む活性電極容器と、装置の操作
中、活性電極容器から選択イオン(一般にはイオン導入
用標的イオンまたは治療用イオン)の伝達率を実質的に
一定に維持する手段とをゆうすることが好ましい。この
手段は、適切な制御手段に接続された場合、上述のよう
に一次電極装置および二次電極装置を有する装置手段で
あってもよい。特に、制御手段と一次電極装置と二次電
極装置は、イオン導入処置を通じて、伝達用標的イオン
のモル濃度を実質的に一定に維持することができること
が望ましい。イオン導入処置の被検者を通じる電流を一
定に維持している間、標的薬剤の伝達率を制御する手段
を提供することも好ましい。
本発明に係る好ましい別の電子伝達装置は、ある濃度
の標的薬剤およびある濃度の外来イオンを含む活性電極
容器と、操作を通じて活性容器内の選択外来イオン薬剤
濃度を実質的に一定に維持する手段と、を有することが
好ましい。ある例では、一定pHを二次電極装置の使用を
通じて維持する。特にこのような装置は、二次電極装置
が酸化イリジウム装置、すなわち、Ir(III)およびIr
(IV)の酸化還元反応に使用できる電極であることかり
好ましい。必要に応じ、pHセンサフィードバック装置を
使用して制御を容易にすることができる。
ある態様では、伝達容器内の2つの電極を使用して、
容器の伝達処理端に容易に設置することができることが
好ましい。例えば、簡便に設置する目的で、2電極を操
作して残留薬剤を問わず容器内で不活性にすることがで
きる。事前プログラミングまたはセンサ手段を使用して
この処理を容易にすることができる。
ある態様では、本文記載の技術および装置を使用し
て、容器内の拡散可能な薬剤濃度を制御する容器内の一
次電極および二次電極を操作することによって薬剤の受
動伝達(すなわち電子伝達よりむしろ拡散による伝達)
を容易にすることができる。例えば、薬剤に帯電形態お
よび非帯電形態があり、薬剤の非帯電形態が帯電形態よ
りも(拡散によって)移動しやすい場合、本発明の技術
を使用して容器のpHを制御し非帯電形態の濃度(および
これに伴う伝達率)を制御することができる。このよう
な方法は、電子伝達に関しては必要とは限らないが、本
分岐際の原理に利益をもたらす態様である。
本発明の原理は、パルス操作に関する装置に適用する
ことができ、この場合、例えば電流のパルスは被検者を
通過する。
本発明に係るこの他に関連する一般処理および利益
は、以下の詳細な説明から明らかになろう。以下の説明
は、本発明の原理を具体化するものであり、本発明の一
般的な用途および原理以外に制約されるものではない。
ある場合には、図中、関連材料または構成の厚さやサイ
ズを理解を容易にするために誇張している場合もある。
図面の簡単な説明 図1は、外来イオンに関する4つの異なる装置に関し
て、特定の薬剤の伝達率を経時変化で示すグラフ図であ
り、実験1に関して記載されたものである。
図2は、本発明によって使用可能な装置を一般的に示
す概略図である。
図3は、被検者皮膚表面で操作できるように配置した
本発明によって使用可能な特定の好ましい装置を示す断
面図である。
図4は、図3に示す装置の上平面図である。
図5は、本文で酸化イリジウムに関して記載した電極
操作によるpH変化を示すグラフ図である。
図6は、実験2に関して記載したイオン伝達率の線依
存グラフ図である。
発明の詳細な説明 A.イオン導入に関する若干の一般的観察結果 本発明に係る方法および装置は、イオン導入方法およ
びイオン導入装置に関して成された特定の一般的観察結
果として、また、結果に応じて一部考案されている。こ
のセクションでは、これらの一般的観察結果およびそれ
らに関する基本原理を説明する。実行された実験に関す
る詳細な説明は、この開示の後半の実験セクションで行
われる。一般的な詳細と本発明に係る方法および装置の
説明は、この詳細な説明の次のセクションで説明する。
1.活性容器内に外来イオンをほとんどまたはまったく含
まないイオン導入装置に関する電流と薬剤伝達との関係 本文では、用語「外来イオン」は、一般に、標的薬剤
が帯電している場合に、活性電極から伝達され活性電極
容器に存在すべき材料(薬剤または薬剤先駆体すなわち
標的薬剤または治療薬剤)のように同じ帯電状態(符
号)のイオンについて使用してきた。正に帯電した薬剤
「D+」または陰極の容器から伝達される標的薬剤に対
し、外来イオンは活性電極の溶液中の外来金属陽イオン
なとのさまざまな陽イオン(標的薬剤以外)である。標
的イオン以外のすべての陽イオンは、まったく同じ電荷
値を輸送するか否かに関わらず、外来イオンと呼ばれ
る。活性電極容器から得られ皮膚膜を通過する薬剤イオ
ンの伝達率はに加えた拡散の結果として生じる伝達量と
(容器内に外来イオンがない場合)一般に起電力供給
(電圧印加)の結果として生じる伝達量を加えた合計で
ある。本文の説明では、拡散処理は一般に印加力に関係
しないので無視するが、これらの処理は皮膚障壁の反対
側の相対薬剤濃度によって制御される。
一般に、電圧印加の結果として生じる伝達量は、電池
を通過する電流量と正比例する。このため、一般に、電
流量を2倍になると、起電力による伝達率も2倍になる
が、Padmanbhan,R.V.et al.,[In vitro and In vivoEv
aluation of Transdermal Iontophoretic Delivery of
Hydromorphone」,J.Controlled Release Vol.11,pages1
23−135(1990)を参照されたい。
実際に、電流量を利用して薬剤伝達率を制御すること
ができる。これは、活性電極と設置電極の間の印加電圧
を変化させる方法と、2電極間の電流通過抵抗を変化さ
せる方法またはそのいずれか一方の方法で、一般に行う
ことができる。実際に、一般的に2電極間のイオン伝導
抵抗は、電極容器の電解質が皮膚を通過し始めるのに伴
い減少する。すなわち、実際に、時間が経過するにつれ
て、2電極間を通過する電流抵抗が低下することが観察
された。このため、持続期間に渡って、外来イオンがほ
とんどまたはまったくない一般的なイオン導入装置に対
し、活性容器内の薬剤イオン濃度を所定の範囲に渡っ
て、標的イオンの伝達率を電圧を低下させながら一定に
維持することができるが、この場合、濃度は著しく調整
されることはなく、伝達薬剤および伝達が生じる組織の
物理的/化学的特性によって決定された限界レベル以上
である。この限界レベルに関する基準は、本文の以下の
セクションで記載される原理に対して得られるものであ
る。
2.一定電流での薬剤伝達率に対する薬剤イオン濃度の効
果 一般に、薬剤伝達率は電流に比例するが、濃度は少な
くとも限界レベル以上である(また、外来イオンはほと
んどまたはまったくない)場合、一定電流での薬剤伝達
率(Rd)は活性電極容器内の薬剤濃度(すなわち標的薬
剤濃度)とは無関係である。これについては、上述のPa
dmanbhan,R.VらのJ.Controlled Releaseを参照された
い。
3.移動薬剤に対する帯電効果 帯電させた場合、移動薬剤はさまざまな電荷から成
る。例えば、移動薬剤が金属陽イオンである場合、その
金属イオンは、+1価の陽イオン(カリウムイオン、ナ
トリウムイオンなど)か+2価(またはその他の電荷
の)の陽イオン(カルシウムイオン、マグネシウムイオ
ンなど)である。一般に、皮膚表面を通じるその他の同
様の移動度を考える場合、所定の電流にたいして電荷の
大きい薬剤ほど移動度が小さくなる。これは、以下の説
明から明らかになろう。電流を一定に維持するには、+
2価の薬剤が皮膚を通過する2倍の量の+1価の薬剤が
通過しなければならない。このため、+1価の薬剤を含
む第1の装置と+2価の薬剤を含む第2の装置との2つ
の異なる装置において、一定電流(および同じ電流)が
各装置で維持される場合(移動度が他と同じ場合)、+
1価のイオンを含むシステムは、2倍の伝達率で、同じ
電流を維持する。例えば、上述のPhipps,J.B.et al.,So
lid State Ionicsを参照されたい。
4.活性電極容器中の外来イオンの有無に対する効果 活性電極容器中の外来イオンは、本文で定義するよう
に、上述に関連する原理および観察結果に対して重大か
つ有意な効果がある。一般には、仮説装置を考えること
によって理解できよう。一定電流が維持される装置につ
いて考えてみよう。一定電流を維持するのに必要なイオ
ン伝達は、皮膚に伝達する活性電極容器に存在する適切
に帯電したイオン薬剤であれば(さらには皮膚から活性
電極容器に伝達される反対の電荷のイオンによって)達
成することができる。このため、薬剤イオン(帯電して
いる場合)または活性電極容器からの外来イオンによっ
て、電流が流れる。選択的に述べれば、活性電極容器内
の「標的」薬剤および(イオンである場合には)「外
来」薬剤は、印加された起電力の影響を受ける。(ただ
し、標的薬剤および外来薬剤が同じ符号に帯電されてい
るが、程度が違う場合には、上述の異なる力に影響され
る。) 所定の薬剤であれば移動度は、ある意味で、電荷の
他、分子量、サイズ、電荷密度などの関数になる。この
ため、一般に標的薬剤および外来イオンの移動度(およ
び伝達率)は、所定の電流に対して異なる。
この結果は、さらなる仮定を含む仮説的な例から理解
できよう。例えば、伝達すべき薬剤が、塩酸ヒドロモル
ホンの分離化(イオン化)から生じるヒドロモルホン陽
イオン(HM+)などの+1の電荷を輸送する相対的に大
きな有機薬剤であり、すなわち、薬剤が陽子を得たとし
よう。さらに、ヒドロモルホン薬剤を有する活性電極陽
気に存在する外来イオンがナトリウムイオンなどの僅か
に移動度が高い+1価の薬剤であるとしよう。供給電流
が一定である場合、移動度が大きければ、外来イオンの
伝達率はヒドロモルホンイオンの伝達率よりも大きいこ
とが予想できる。これは、活性電極容器内に存在する外
来イオン濃度が、標的薬剤であるヒドロモルホン濃度よ
りも速く現象していることを意味する。
当然、全体のイオン伝達率(すなわち外来イオン伝達
率に標的薬剤伝達率を加えた率)は、このセクションの
第2段落で述べた一般原理に基づきイオン濃度の限界レ
ベルを超えている場合は、一般に一定である。ただし、
外来イオン濃度は、標的薬剤濃度よりも急速に現象する
ので、2つの相対伝達率はやがて変化する。より詳しく
は、後に、外来イオンの絶対伝達減少する一方、標的薬
剤の相対伝達率は増加する。
上述を一般的に述べると、イオン導入装置(伝達薬剤
を帯電させる電子伝達装置)内の印加電圧下では、所定
の薬剤を問わず伝達率は、標的薬剤によって示される全
体の移動可能なイオン薬剤(すなわち標的薬剤に外来薬
剤を加えたもの)の比率に依存する原理と言えよう。
(すべての薬剤が同じ電荷を有していると仮定する場合
であり、そうでなければ、電荷の差異による移動度の際
に対する因子は式に含まれる)。このため、混合イオン
を含む装置に対して、一定の電流条件下では、外来イオ
ン薬剤「Xi」の存在率がである場合の標的イオン薬剤
「Ti」の伝達率は、比率[Ti]/([Ti]+[Xi])に
依存する。この比率は、本文では薬剤のTiに対する「モ
ル比率」または「電荷等価比率」と呼ばれる。式中、活
性電極容器中において、[Ti]はTiに対するモル(また
は電荷)濃度であり、[Xi]は、Xiに対するモル(また
は電荷)濃度である。本文で使用する用語「モル比率」
は、等価の電荷に対する補正値を含む。例えば、Xiが2
価すなわち+2または−2の電荷を輸送する場合、公式
で用いた[Xi]は、薬剤Xiの2倍の濃度に等しい。薬剤
を問わず移動度は、帯電状態の他、分子量、親水性、電
荷密度や、組織(皮膚)との相互作用度によっても決定
される。
上述から導くことができる一般的な原理は、活性電極
容器がその中に帯電標的薬剤および外来イオン薬剤を含
んでいる場合、さらに、標的薬剤と外来イオン薬剤の移
動度が異なる場合、後、所定の電圧(すなわち定電流条
件)下では、標的薬剤の伝達率は変化する。伝達率の増
減は、標的薬剤が外来イオン薬剤よりも多いか少いかに
よって決まる。この原理は、正極や負極のように作用
し、標的薬剤および外来イオン薬剤が等量の電荷を担持
し、印加電圧が時間的に一定か変動し、電流が時間的に
一定か変動する等々である。この理由には、この現象が
一般に帯電標的薬剤と外来イオン薬剤との間の移動度の
差異から生じるという事実が含む。
上述した原理を実験的に示すことができる。これを示
す特定の実験的詳細を以下の実験1に記載する。そのデ
ータは図1に示す。図1は、4つの異なる環境下のイオ
ン導入システムの標的薬剤(ヒドロモルホン陽イオン)
の時間当たりの伝達率をマイクログラムで示したもので
ある。より詳しくは、4つの装置を用意したが、活性電
極容器(負極容器)は初期に選択濃度のヒドロモルホン
と、選択濃度の4種の外来イオンの1つを含んでいた。
すなちわち、4つの実験は、カルシウム(+2)、マグ
ネシウム(+2)、カリウム(+1)またはナトリウム
(+1)の1つを外来イオンとして含んでいた。実験を
通じ、約1mAの一定電流を維持した。図1からわかるよ
うに、各例のおいて、ヒドロモルホン伝達率は、一定電
流下では、次第に増加していくことがわかった。さら
に、この理由は、上述に列挙した一般原理である。すな
わち、 (a)外来イオン薬剤(Ca2+、Mg2+、Kl+またはNa1+
が小さけほど、相対的に大きなヒドロモルホン薬剤より
も移動度が大きく、 (b)薬剤(ヒドロモルホン)伝達率が一定電流下で
は、標的薬剤の帯電濃度に外来イオンの帯電濃度を加え
た濃度によって除算した標的薬剤濃度の関数であるの
で、 (c)外来イオン濃度[Xi]が以下に説明するヒドロモ
ルホン濃度[Ti]よりも急速に減少するにつれて、(モ
ル比率すなわち帯電等価比率に関する)関数で示した率
は増加するため、標的薬剤の伝達率は増加する。(すな
わち、Tiのモル比率は、計時的に増加し、Tiの伝達率
(Rd)も増加する) 図1に記載した実験データに関し、4つの装置各々の
ヒドロモルホンの率の増加は線状であったことに着目さ
れたい。このことから、装置では実験を通して標的イオ
ンおよび外来イオンの濃度が限界レベル以上に維持され
ていると思われる。
5.上述の一般原理および観察結果から生ずる問題点 上述の一般原理および観察結果には、イオン導入技術
を実際に利用する上で重大な問題がある。活性電極容器
に完全に外来イオンがない場合は、一般的な問題はな
い。ただし、上述のように、すくなくとも以下の理由の
ため容易には達成できない。すなわち、外来イオンの存
在が、干渉装置や、抗菌剤などの添加剤を含む装置生物
学的適合性が選択イオンの導入によって好ましい影響を
もたらす装置などに対して必要とされることがあるため
であり、また、外来イオンがない電極容器を得ることは
一般に困難だからである。こために、Phippsらの特許第
4,747,819号および7,744,787号から得られた基本的原理
を使用してイオン導入処理中の外来イオンの生成を避け
ることはできるが、最初の例で外来イオンがない容器を
考案することは相対的に困難であり、ほかの理由から望
ましくない。
一方、活性電極容器が外来性イオンを除外しないもの
である場合、薬剤伝達率全体を正確または十分に制御す
ることは不可能とは言えないまでも困難である。さら
に、特にこのような装置に対して、薬剤伝達率を一定に
維持することが望まれているが、従来の装置ではほとん
ど不可能であった。例えば、外来イオンが薬剤イオンよ
りも移動度が大きい装置で、供給電流が一定の場合に
は、薬剤イオンの伝達率は、上述に示したように次第に
増加する。薬剤イオンの伝達率を印加電圧を下げること
によって(すなわち電流を低下させることによって)減
少させて平衡させることができる。これに伴う問題は、
電極からの電流がどのような変化をしても、薬剤イオン
の伝達率だけではなく、外来イオンの伝達率にも影響が
あるので、再び均衡が破れる。このため、電流量を継続
的に調整して、治療剤の伝達率を正確に制御しなければ
ならない。また、一定率で長期間維持するのに十分な電
流を制御することは、イオン導入状態の患者が許容でき
る最低電流および最大電流に基づく限界があるため、不
可能であることがわかる。また、外来イオン密度や治療
イオン密度などの複数の変数が関係するので、正確な制
御に適切なレベルを計算することは不可能である。当
然、(薬剤イオンと比較して)外来イオンを非常に過度
に使用した場合、移動率の差異は重要度は低くなる。た
だし、標的イオンのモル比率が過度に低くなるので、イ
オン導入法では効果がなくなる。また、活性電極に絶え
ず新鮮な電解質が供給される(すなわち「密閉」容器で
はない)場合、Tiのモル率は一定である。ただし、この
ようなシステムは扱いにくく不便である。
B.本発明の一般的方法 本発明は、特に、活性電極容器内に外来イオンXiが存
在する場合の標的イオンまたは治療用イオンTiの伝達率
を選択制御する際に利用できる方法に関する。本発明の
方法を使用して所望の濃度に選択イオン薬剤を維持する
ことによって、標的薬剤の安定性や生物学的適合性を高
めるなどの利益が得られる。本文では、発明に係る方法
を一般に制御環境電子伝達方法と呼ぶ。
より詳しくは、本発明に係る方法は、「密閉」容器装
置に接続して使用するのに特に十分適しいる。この場合
の装置とは、イオン含有溶液(またはゲル)の特定容量
で初期に調整し、その溶液またはゲルが本来無制限の供
給源からは継続的に供給されないものである。本発明の
方法に適用する基本ステップは、方法を選択して、次第
に活性電極容器内で選択イオンの存在率を調整するもの
である。
1.ある好ましい態様の基本ステップ: イオン導入中に望ましい効果を[Xi]に与える外来イオ
ンの選択生成または除去 本発明によって実行する場合、イオン導入方法は、活
性電極容器内の外来イオンの存在率を選択的に調整する
ステップを含むことが好ましい。外来イオン存在率の調
整は、装置によって異なり、(a)装置に外来イオンを
添加する形式、または、(b)装置から外来イオンを取
る形式のいずれかで行う。一般に、これによってイオン
導入中にpHなどの所望の標的イオンTiのモル比率を得る
(または維持する)かまたは一定の電池状態を維持する
ために行われる。このTiのモル比率は、Tiの伝達率を一
定にするために一定に維持するかまたは必要に応じて増
減することができる。
(a)活性電極容器への外来イオンの添加 (i)容器内の外来イオンが標的イオンまたは治療用
イオンよりも移動度が大きいため、これらが継続的に減
少すると標的イオン伝達率が不要に増加するか、(ii)
イオン導入装置の操作条件下で活性電極容器中の外来イ
オンが、装置からの(経皮)起電伝達以外の方法によっ
て減少し、標的イオンの伝達率が不必要に増加するか、
(iii)減少方法に関係なく、外来イオンが損失し、pH
などの存在率を一定に維持されることが望まれるか、の
少くとも3つの条件いずれかの下で、イオン導入方法を
通じて(すなわち活性電極容器を電流が通過する期間お
よび電子伝達期間)継続的または周期的に、活性電極容
器に外来イオンを添加することによって、活性電極容器
を制御することが望まれる。いずれの場合も、活性電極
容器内の外来イオン濃度の許容できない経時的減少また
は減少率がある場合に応答して、イオン導入処理を通じ
て、継続的または周期的に外来イオンを活性電極容器に
添加することが望まれる一般的な現象と言えよう。
(b)活性電極容器からの外来イオンの除去 同様に、(i)標的イオンの移動度が外来イオンより
も大きいため、標的イオン減少率が外来イオンの濃度に
比較して経時的に急速に減少するにつれて低下するか、
(選択的に言えば、次第にTiのモル比率の減少するか)
(ii)活性電極容内の起電反応によって、Tiの伝達率が
減少する一方、次第に外来イオン濃度が不要に増加する
か、(iii)方法に関係なく[Xi]が増加中であり、ヒ
ドロニウムイオン(H+)またはヒドロキシルイオン
(OH−)の除去によって影響され得る一定のpHなどを一
定に維持することが望まれているか、の少くとも3つの
条件のいずれかの下で、イオン導入方法実行中に継続的
または選択的に活性電極容器から外来イオンを選択的に
除去することが望まれる場合もある。
2.活性電極容器内の外来イオンの存在率を調整する好ま
しい方法: その第2の電極の操作 本発明の好ましい態様では、外来イオンの存在は、第
2のすなわち二次の電極装置を含む活性電極容器内での
操作を通じて、電子伝達処理を通じて(すなわち処置中
の被検者への電子伝達が行われている間)、周期的にま
たは継続的に調整される。すなわち、イオン導入装置の
一次電極装置に加え、活性電極容器に接触し、イオン導
入中に選択的に操作される二次電極が提供される。この
二次電極装置を必要に応じて操作することによって、外
来イオン存在率および濃度に選択的に影響する。当然、
二次電極装置の操作も複数の装置で電子伝達を引き起こ
す。
(a)外来イオンの添加 外来イオンを生成することができる二次電極装置は、
活性電極容器に接し、継続的または周期的に操作して外
来イオンを生成し、活性電極容器にフィード供給するこ
とができる。例えば、イオン導入処置中減少する複数の
外来イオンに代わる活性電極容器に導入する適切なイオ
ンは、ヒドロニウムイオンであったとしよう。イオン導
入処置の活性電極容器に設置された二次電極がヒドロニ
ウムイオンを生成することができるものであった場合、
選択的に、電流が二次電極を通る場合、二次電極を継続
的または周期的に操作し、減少したイオンに代わるヒド
ロニウムイオンを生成することができる。選択的には、
または、さらに、イオン導入中活性電極容器から損失す
る外来イオンがナトリウムイオンである場合、タングス
テン酸ナトリウム型電極を二次電極にし、陽極として操
作することができる。イオン導入電池操作中減少する外
来イオンがCu2+である場合、陰極として作用する銅電極
は、そこを流れる電流通過に応じ、Cu2+を解放するこ
とができ、活性電極容器に接続し、周期的または継続的
に操作して外来イオンを生成することができる。提示し
た3例(ヒドロニウムイオン、ナトリウムイオンおよび
銅イオンの生成)は、代表例であってそれに限定するも
のでないことは理解できよう。
一般に、伝達によって減少率と同率で外来イオンが生
成することは必要でない場合もある。すなわち、[Xi]
を一定に維持することは必要でない場合もある。この理
由は、[Xi]が一定であり、[Ti]が減少している場
合、TiのRd(伝達率)は減少し、Xiに対するRdは継続的
に増加するからである。当然、患者の快適性および装置
の生物学的適合性のため、または、容器内のある薬剤の
安定性を維持するためにpHを相対的に一定に維持される
場合など、[Xi]を一定に維持することが望まれている
場合もある。生物学的適合性の概念については、Molito
r,H.et al,Am.J.Med.Sci.,Vol.198 pp778−785(1939)
に一般的に説明されている。
外来イオン存在率を調整または修正する電極装置は、
イオン導入用の一次電極装置とは異なる電極装置(すな
わち異なる効果に対して操作する装置)であることが望
ましい。すなわち、本発明の態様においては、2つの異
なる電極装置を活性電極装置に接続するが、その1つは
Tiとは無関係にXiの存在に作用する選択操作用である。
これに関する詳細は、以下の装置の説明で述べる。
本文では、二次電極装置が一次電極と「異なる」と言
う場合、それによって生成される電気化学的反応に対す
る効果は、活性電極容器のイオン含量に依存し、一次電
極の電気化学的効果とは異なるすなわち単なる起電効果
に加えた(または選択的な)効果であり、二次電極によ
って提供されることを意味する。特定の効果および所望
の効果各々は、当該の装置に依存するが、各々は所望の
効果を達成するための選択的な方法で行うために選択さ
れる。ある装置では、両方の電極が同一の材料から成っ
ていても良く、ある装置を陽極として使用し、もう一方
を陰極として使用することもできる。容器のイオン含量
に対するそれらの効果は異なるので、二次電極は上述の
定義に従って「異なる装置」と言えよう。
(b)活性電極容器からの外来イオンの除去 前のセクションの方法に対し、ある環境下では、活性
電極容器に接続した二次電極装置を外来イオンの存在が
減少するような方法で操作することが望まれる場合もあ
る。例えば、標的薬剤の伝達率を望ましく維持するため
に活性電極容器からCu2+を除去したい場合、活性電極
容器からCu2+を除去することができる二次電極装置を
使用することができる。この一例は、陰極として容器中
で銅電極を使用して、活性電極容器から銅イオンを銅金
属として二次電極にめっきするものである。外来イオン
がナトリウム陽イオンであれば、その存在率は、陰極と
してタングステン酸ナトリウムを使用することによって
減少させることができる。これらの例は、本発明に係る
方法を一般的に具体化するものであり、このため外来イ
オン濃度が減少することは理解できよう。
3.選択的方法:標的薬剤濃度を調整する二次電極の操作 標的薬剤の伝達率を制御する重要な率が総イオン含量
に対する標的イオン濃度である場合(すなわち標的イオ
ンのモル比率である場合)、その比率に対する制御は、
上述のセクションB2で述べたように外来イオンの存在率
を調整する方法か、標的イオンの存在率を調整する方法
か、両方の方法を用いるかによって維持することができ
る。多くの装置では、標的イオン濃度の調整は、治療処
置に対する主要薬剤の存在率の調整に関係するので、望
ましくない。ただし、ある態様では、望ましい場合もあ
る。例えば、外来イオン濃度が次第に標的薬剤濃度の変
化以上の率で減少し、皮膚障壁を通過する標的薬剤の率
が増加する傾向にある場合、([Ti]+[Xi])に対す
る[Ti]の比率を伝達せずに[Ti]を周期的または継続
的に減少し所望の数値に維持することによって調整する
ことができる。これは、さまざまな方法で二次電極を使
用して装置別に達成することができる。例えば、標的薬
剤が金属陽イオンである場合、選択した二次電極を陰極
として使用し装置から特定の薬剤を除去することができ
る。標的薬剤が特定の有機陽イオンである場合には、二
次電極は以下のように操作される。まず、ひとつは、当
該有機陽イオンと結合して容器内に不溶性の沈殿物を形
成する陰イオンを生成するものである。これにより、電
気的に移動可能なTi濃度を効果的に低減できる。他の操
作は、当該有機陽イオンを分解(又は、他の方法で不活
性化して)することにより、これまた、Ti濃度を効果的
に低減するものである。
4.陽極または陰極としての二次電極装置の操作 二次電極装置を陰極、陽極のいずれで使用するかは、
それによって沈殿すべき電気化学的反応の性質によって
異なり、同じ容器の一次電極装置を陰極や陽極として使
用するかには因らない。すなわち、一次電極を陽極とし
て使用する場合でも、二次電極はそこで開始される反応
によって陰極または陽極のいずれにも使用することがで
きる。さらに、一次電極装置を陰極として使用する場合
でも、二次電極装置は同様にそこでの沈殿反応によって
陽極または陰極のいずれにも使用することができる。二
次電極装置を一次電極装置と同様に使用する場合(すな
わち両方を陽極または陰極として使用する場合)、各々
に対する対電極は、イオン導入装置の遠隔電極か、不活
性電極か、設置電極である。一方、二次電極装置を一次
電極装置からの電流の流れに対して逆の方法(すなわち
一方を陽極、もう一方を陰極とする場合)で操作し、両
者を同時操作する場合、二次電極装置は、少くとも一部
一次電極装置の電流流れに影響される(すなわち、一次
電極装置と二次電極装置の間では、電流の流れる方向
は、どちらが陽極であるかに依存する)。
一般的は、二次電極装置を一次電極装置と「直接」電
気接続することなく、すなわち、二次電池を容器の電解
質材料によって一次電極装置から隔離し(間隔を空
け)、二次電極装置を活性電極容器の電解質溶液(ゲル
またはゲル基質)と適切に電気接続することが必要であ
る。これを達成する専用の配列と好ましい装置を以下に
述べる。
5.一次電極装置および二次電極装置を流れる電流の相対
量 本文では、用語「一次電極装置」は、従来の装置の場
合に一般に当該の電子伝達装置を定義した電極装置に対
して言及して、用語「二次電極装置」は、(伝達なしに
または伝達に加えて)活性電極容器中の標的イオンおよ
び外来イオンまたはいずれか一方の存在率または相対濃
度を選択的に調整する電極に対して言及して使用してき
た。例えば、これは、一次電極装置の操作によって沈殿
するそれらイオンなど、容器のイオン含量の不要な変化
に応答して用いることができる。この文脈での用語「不
要な変化」には、る望ましくない方法でイオンの伝達率
(Rd)に影響するモル比率の変化と、容器の安定性、患
者の安楽度または生物学的適合性に不要に影響する変化
をその範囲内で含む。この文脈での用語「伝達なしに」
は、イオン導入被検者にイオンを通過し伝達せずに、す
なわち、皮膚を横切る伝達なしに、達成されるイオンの
存在率の変化を意味する。この方法で、用語「一次」お
よび「二次」を使用することによって、2つの電極装置
を通過する電流のある種の必要なまたは好ましい相対量
があることを示唆する意図はない。すなわち、本発明に
係る電子伝達装置の操作において、電流の大半を一次電
極によって流すか、二次電極によって流すことができ、
あるいは、比率すなわち相対量を操作中に変更すること
ができる。一般に、これは、装置のTiおよびXiまたはい
ずれか一方の相対濃度を望ましくするか、[Ti]および
[Xi]またはいずれか一方に対する効果を望ましくする
ために、二次電極装置によって沈殿しなければならない
電気化学的変化量によって異なる。ある装置では、二次
電極装置を使用する一方、一次電極を流れる電流がない
ことが適切な場合もある。これは、少くともある程度、
伝達時の二次電極装置の効果と、伝達を一定に維持する
必要性または望ましさに基づく。
用語「一次電極装置」は、単数の電極に使用するとは
限らないことに留意されたい。すなわち、一次電極は、
単数の電極であっても複数の電極であっても良いし、二
次電極も単数でも複数でも良い。さらに、一次電極装置
および二次電極装置に加えて、複数の電極をある状況で
使用することができる。
6.好ましい態様:Tiの伝達率(RdTi)の一定維持 外来イオンが活性電極容器に存在するイオン導入方法
の態様の多くでは、標的イオンまたは治療用イオンTiの
伝達率(Rd)を一定に維持することのみが望ましい場合
もある。上述の仮説で述べたように、標的イオンTiが一
定電流下の外来イオンXiよりも移動度が小さい場合、Ti
のRdは、より小さい移動度の標的イオンに対する減少度
より大きい移動度の外来イオンの減少率のために、次第
に増加する。すなわち、経時的にTiのモル比率は増加す
る。このような装置に対して、標的イオンの伝達率を一
定に維持することが望まれる場合もある。これは、後で
Tiのモル比率を一定に維持するのに十分な率で外来イオ
ンXiに置換することによって容易に達成することができ
る。密閉容器装置では[Ti]が常時減少するので、Xiの
Rdよりも低い率になる。周期的または継続的に必要に応
じて装置内の外来イオンを生成するのに十分な電流で二
次電極を操作するなどして、Tiのモル比率を相対的に一
定に維持することができる。本文では、Tiなどの薬剤の
モル比率を実質的または相対的に一定に維持するという
場合、イオン導入処置を通じて、その元の値または事前
選択した値の約30.0%に、より好ましくは約10.0%に、
維持することが好ましい。一般に、標的薬剤のモル比率
をある特定値に維持する必要性は、薬剤の治療指標に関
係する。本発明は、高度の制御が必要な態様に十分適し
ていることは理解できよう。
一般に、装置内の外来イオンが、装置内の初期の外来
イオンと同様に、標的イオンTiに対してほぼ同一の移動
度である場合、Tiの伝達率を損失する外来イオンとちょ
うど同じに置換せずに一定に維持することができる装置
もある。例えば、装置内の初期のイオンがナトリウムイ
オンであり、装置の初期の標的イオンがヒドロモルホン
イオンなどの大型で相対的に不動の有機イオンである場
合、経時的に二次電極によって導入された装置内の外来
イオンはナトリウムイオンになるが、同様に帯電し同様
に移動できるイオンにもなり得る。
さらに、ある態様では、治療用イオンまたは標的イオ
ンTi伝達率は、電流および外来イオンの導入率が異なる
移動度を適合させるよう調整されている場合は、損失外
来イオンが実質的に異なる移動度の外来イオンに置換さ
せた場合でさえも、一定に維持することができる。例え
ば、二次電極の使用によって、2倍の移動度の外来イオ
ンによって、第1の移動度の外来イオンが(部分的また
は完全に)置換される場合と、Tiの伝達率を一定に維持
すべき場合は、二次電極の使用によって新たなイオンの
導入率は、初期に存在する外来イオンの損失率の約半分
にすることが望ましい。
外来イオンを(一部または完全に)別の外来イオンに
置換する際の1つの問題は、この装置内の伝達可能なイ
オンのプール全体を、次第に、結果的に初期に存在する
外来イオンおよび二次的に導入された外来イオンの混合
物からなるように調整することが好ましい。このため、
初期の導入後の二次電極の使用には、存在する複数の外
来イオンを考慮しなければならないこともある。ただ
し、適切なモデル装置ならびに計算および検出方法もし
くはいずれか一方またはいずれか一方を使用する場合、
これが、なぜ達成できないかの理由は明らかではない。
7.好ましい態様:外来イオン濃度の一定維持 ある態様では、外来イオン濃度を一定に維持すること
が望ましい場合がある。例えば、これは、(例えば、薬
剤安定性、標的イオンがポリペプチドなどの薬剤帯電状
態および生物学的適合性またはいずれか一方を促進する
など)pHが一定であることが望まれる場合などである。
このような状態では、二次電極を選択し操作し、ヒドロ
ニウムイオンまたはヒドロキシルイオンを置換(または
除去)することができ、必要に応じてその他の手段によ
って容器に対して同率で減少(または増加)させる。こ
のため、pH緩衝剤がない装置でpHを一定に維持すること
ができる。これは、特に、緩衝剤が標的イオン伝達に対
して悪影響を与える状態で役立つ。
8.好ましい態様:被検者を流れる総電流の一定維持 多くの装置では、電子伝達処置中、被検者を流れる電
流を一定に維持することが望まれる。例えば、これによ
って、患者の安楽度および望ましくない副作用の回避を
促進することができる。選択された装置を考慮する場合
にも、便利である。このような効果が望まれる場合、適
切に一次電極装置および二次電極装置を電子制御し、均
衡させなければならない。例えば、二次電極装置の操作
がその他に活性電極容器(および被検者)を通じる電流
の増加に関する場合、その操作を一次電極装置を通じて
供給される電流の減少によって適合させることができ
る。このような均衡は、現在利用できる電子回路を使用
して容易に達成することができる。
本文では、二次電極装置を使用中か否かに関わらず電
子伝達装置を「一定電流」で操作するという場合、一般
に活性電極容器と不活性電極容器との間すなわち被検者
を通じる電流が選択された一定値の±約30.0%で維持さ
れることが好ましい。処置を通じて選択値の±約10.0%
で維持されることがより好ましい。
9.(Xiの存在率の増減かTiの存在率の増減による)標的
イオンもしくは治療用イオンTiの存在率または外来イオ
ンXiの存在率を二次電極によって選択的に調整すること
が望ましい率の測定 一般に本発明に係るある好ましい態様は、標的イオン
に対するモル比率に所望の効果をもたらすために、好ま
しい方法で二次電極を選択操作することに関する。好ま
しい制御態様では、二次電極が適切に所望の効果をもた
らすのに適切レベルを知ることが不可欠である。この場
合の指標となる一般的方法は、モデル装置に基づく装置
を使用する方法または活性電極容器でのフィードバック
センサ装置を使用する方法である。
(i)モデル装置 一般的な態様では、電子伝達装置は、選択された被検
者に関して選択された電流下で操作される場合、その特
定の装置に対してモデル化され試験されてきた標的薬剤
および外来イオンと、それらの薬剤および外来イオンの
濃度に関する。このため、モデル試験から、どの程度、
どの条件下で、二次電極装置を操作すべきかが分かる。
被検者を処置しモデルに基づく既知のパラメータおよび
変数を使用する電子伝達装置の操作では、イオン導入処
置を通じてさまざまな電極を適切に制御することが重要
である。これは、事前プログラム制御装置などによって
達成することができる。
(ii)フィードバックセンサの使用 別の装置では、電極、特に二次電極の操作を、活性電
極容器の(イオン含量などの)検出される環境変化に直
接応答して、調整することが望まれる場合がある。本文
では、このような装置を「フィードバック装置」と呼
び、また、本文では、活性電極容器のイオン含量の変化
を検出する手段を一般に「フィードバックセンサ」手段
またはセンサ手段とよぶ。フィードバックセンサ手段ま
たはセンサ手段を、特定の検出変化に応じて電極を使用
する際に、特定の反応を起こすようプログラムされた一
次電極および二次電極に対する制御装置に接続して変化
の検出のみに使用しても良いし、断続的に装置を使用し
ても良いが、この場合、電極は事前選択値にフィードバ
ックセンサを維持するために、断続的に調整する制御装
置によって操作される。
センサ手段の変更態様を使用しても良く、一般に、選
択された手段は、特定の電気装置および関係する電気化
学的反応に影響される。例えば、ヒドロニウムイオンま
たは水酸化物イオンが、当該の外来イオン含有物である
場合、フィードバックセンサはさまざまなタイプのpHセ
ンサであっても良い。本発明に係る様々な用途に使用す
ることができるその他のセンサ装置またはセンサのタイ
プは、全有機イオン濃度センサ、イオン選択センサ、光
センサ、導電センサなどである。尚、ここでは、すべて
を列挙せずに、選択された効果を達成すべく、一次電極
および二次電極装置を使用して所望の結果を測定するの
に有用な、外来イオン濃度、標的イオン濃度、または、
その他の化学的パラメータもしくは物理的パラメータを
検出することができるさまざまな方法および技術を例示
した。
10.標的薬剤を帯電しない場合の態様 上述から、電子伝達を行うが、標的薬剤を帯電しない
場合の装置における本発明に係る方法の態様について理
解することができる。例えば、電気浸透は、帯電薬剤を
伝達して非帯電の標的薬剤または治療剤の伝達を容易に
するために、電子伝達を利用する方法に関する。このよ
うな装置は、上述の一般的原理の態様に関するが、治療
用に伝達される薬剤そのものは帯電していない。しか
し、制御環境処理が望まれているので、上述のように一
般に操作される一次電極装置および二次電極装置を使用
することができる。特に、二次電極装置を使用して、外
来イオンの存在率(または治療剤の伝達を容易にするた
めに伝達されるイオンの存在率)を制御し、pHまたは導
電率を一定に維持したり、別の方法で活性電極容器に望
ましい影響を与えることができる。
11.処分のために薬剤を不活性にする方法 ある装置では、活性薬剤または標的薬剤が麻酔剤など
の危険な制御物質の場合がある。このような装置では、
使用後の容器の処理が問題になる。ただし、容器中に2
つの選択操作可能な電極装置が含まれる場合、選択電流
または選択電圧をそれらの間に供給し、伝達処理の最終
段階で、十分に分解するか、そうでなければ、薬剤を不
活性にすることができる。
本発明に係る態様および方法に関するより一般的な原
理の詳細は、以下の装置に関する説明から理解できよ
う。
C.使用できる装置および本発明に係る利用法 1.一般的な電極構成 図2は、本発明に係る一般に上述した方法を達成する
のに使用できる装置を示す概略図である。図2では、電
子伝達薬剤伝達装置5全体を描写したものである。この
装置5は、活性電極容器6と、不活性電極容器7とを有
し、両容器とも処置すべき被検者の皮膚表面10に電気接
触している。一般に、活性電極容器6中には、電解質プ
ールがゲルまたはゲル基質15の形態で存在し、伝達すべ
きイオン薬剤16と、外来イオン17とを含む。不活性電極
容器または設置電極容器7内には、ゲルまたはゲル基質
20が有り、その中には電流伝導に十分な塩類溶液などの
電解質を含む。
両容器6および7は、皮膚表面10に電気接触し、それ
ぞれ皮膚に適合する圧力感受性生物医学的粘着層25およ
び26によって維持されることが好ましい。ある場合に
は、導電性接着剤を容器6および7と皮膚10の間に直接
供給して使用することもできる。
装置5の一次電極を概略的に30で示した。この一次電
極装置30は、電源35に電気接触する選択電極材料から成
る極板31を含む。図2では、これは、接続回線36および
37によって制御モジュール40を通じて電源35から電力を
供給されるが、以下にさらに詳細に説明する。
一般に極板31、ゲル基質15と密接に接触(すなわち、
電気接触または導電接触)しているので、電流が極板31
に供給されるにつれて、起電力は(帯電している場合に
は)薬剤16と、外来イオン17などのイオンに印加され、
基質15に支持されて、皮膚表面10にそれらを送り込む。
さらに図2について説明すると、一次電極31と対を成
す電極45は、不活性電極容器または遠隔電極容器7に備
えられている。電極45によって、皮膚10を通過する電流
回路が完成する。電極45は、接続回線46によって電源35
に接続する。
これまで述べてきたように、装置5は従来のイオン導
入電極装置、すなわち、電極30または45の一方が陽極で
あり他方が陰極であり、電源35かり適切な電流源であ
り、制御装置40が装置全体の電流レベルを制御するもの
であっても良い。ただし、装置5は、以下に説明する点
で従来の装置とは異なっている。
さらに図2について説明すれば、装置5の活性電極6
は、二次電極装置50を含む。電極装置50は、システム30
とは異なる。すなわち、操作時に容器6のイオン含量に
対する効果は、電極装置30の効果とはことなる。選択さ
れた特異的効果は、上述の一般的な方法の利用で必要と
される特定の効果に影響される。電極装置50は、容器基
質15と密接に接触(すなわち導電接触)する電極51を含
む。
これまで述べてきたように、制御装置40を使用して活
性電極容器6と不活性電極容器7の間の流れる電流、す
なわち、治療すべき被検者の皮膚を通じる電流全体を制
御することができる。さらに、制御装置40を使用して、
一次電極装置30および二次電極装置50の両方またはいず
れかと、接地電極または不活性電極45を通じる電流を選
択的に制御することができる。これを達成するための制
御装置40に適切な回路装置は、電流の流れに対する回路
を設計する当業者らの知識内の原理を用いる従来の装置
回路によるものであっても良い。
上述したように、制御装置40は、マイクロプロセッサ
手段を有し、一次電極装置30および二次電極装置50を通
じる相対電流を、事前プログラムスケジュールにしたが
って制御することができ、かつ、活性電極容器6内のセ
ンサ装置によって提供されるフィードバックに応じて、
一次電極装置30および二次電極装置50またはいずれかを
流れる電流を、調整する手段を有することができるか、
またはいずれか一方が可能である。図2の装置5につい
て言えば、センサ装置60は容器6内に配置されている
が、皮膚10に隣接配置されたゲル15の端の領域61付近の
ゲル内に漬っていることが好ましい。すなわち、一般
に、イオン存在率を測定する場合に容器6全体の中で最
も重要な領域は、皮膚表面10に直接接している領域であ
るで、一般には、イオン存在率を検出するセンサ装置60
はその位置に置くことが好ましい。
センサ60には、使用される特定の装置によって、さま
ざまな装置が考えられる。たとえば、必要に応じて、pH
センサやイオン選択電極などであっても良い。センサ60
は、ワイヤなどの接続回線65経由で制御装置40に接続さ
れる。センサ60の使用にあたり、制御手段40に適切な回
路装置および処理装置を提供し、電極装置30を流れるセ
ンサ60の電流によって計測される測定値に応じて、電極
装置50を調整して活性電極容器6の外来イオン含量を望
ましく調整することができる。
一般に、図2の概略図は、一次電極装置30を陽極とし
て使用するか陰極として使用するかに関わらず、二次電
極装置を一次電極装置と同様の方法で使用するか否かに
関わらず、また、一次電極装置によって流される電流の
量が二次電極装置よりも多いか、その逆に二次電極装置
の電流量が多い場合に関わらず、適切である。尚、この
図は、すべての好ましい態様の一次電極装置30と二次電
極装置50の相対的配置を示すものではない。これに関し
て上述したように、一般的には、2つの電極が互いに直
接接続しないために、ゲルまたはゲル基質15を通過する
ことなくその2電極間に直接電流が流れることができ、
両電極はゲルまたはゲル基質15に密接に接触(導電接
触)することができなければならない。
一般的な電極装置を示す概略装置を図3に示す。図3
の装置は、一般に、図2の原理によるものであることは
理解されよう。図3に関し、電子伝達薬剤装置105内に
配置された2つのほぼ円形の電極収容部100、101を概略
的に示す断面図である。装置105は、外殻または外皮106
を含み、第1および第2の空洞107、108を定める。外皮
106は、柔軟な不導性材料からなり、イオン導入被検者
に快適かつ便利に適用できることが好ましい。好ましい
材料は、3M Corporation社製Medical Products Divisio
nなどの自立性医療用ポリエチレンフォームである。図
示の装置に関し、空洞107は、活性電極および活性電極
容器をその中に限定し維持し、空洞108はその中に対に
なる「不活性」電極または接地電極および接地電極容器
または不活性電極容器を限定し維持する。
好ましい態様では、外皮106の境界表面115上には、
(好ましくは不導性の)皮膚適合性圧力完納生物医学的
接着剤116があるが、これはイオン導入薬剤伝達中の被
検者皮膚上の適所で電極構造105を維持するためのもの
である。選択的に、ストラップまたはテープなどの別の
手段でイオン導入装置を適所に維持することができ、粘
着部116で例示される粘着部分を必要としない。上述で
提案したように、伝導性皮膚接着剤を容器と皮膚との間
に使用することができる。一般に、装置105から、空洞1
07からの矢印120で示される方向に沿って皮膚下方に伝
達される。
さらに図3について説明すると、空洞108の中には皮
膚表面からその中の電極まで電流を導くのに適切な解質
媒体、一般には伝導性ゲルまたはゲル電解質溶液125を
含む。図3に示す装置では、不活性電極装置または接地
電極装置130は、ワイヤ132に取付けられたコネクタ131
を含んでいる。コネクタ132は、効率上空間108の水平断
面全体に電流が分散するめの極板133に電気接続されて
いる。極板133は、基質125に十分に漬かり、良好な導電
率を確保することが望ましい。米国特許第4,820,263号
に記載された寒天ゲル、ポリビニルピロリドンゲルおよ
びそれらの基質など、さまざまな材料を(いずれの容器
でも)ゲルまたはゲル基質として使用することができ
る。
次に空洞107に注目すると、空洞107は活性電極容器を
限定し含むものである。活性電極容器140は、被検者の
皮膚に経路120に沿って伝達させる治療用薬剤142を含む
ゲル基質141を含む。ゲル基質141は、ゲル基質125につ
いて述べたものとほぼ同様であるが、当然、患者に伝達
すべき標的イオン薬剤または標的薬剤に対する前駆体を
充填したことだけは異なる。一次電極容器140には、導
電接点156および分散極板157を含む一次電極装置155が
浸没している。制御グリッド157からの電気接触。制御
ユニットおよび電源から接点155までは、ワイヤから成
る手段161によって電気接触する。
これまで述べてきたように、上述の装置は、Phippsら
の米国特許第4,747,819号に記載されるような従来のイ
オン導入薬剤伝達装置によるものとほぼ同様である。
図3の装置と従来の装置との大きな違いは、活性電極
容器140内に二次電極装置170を有することである。二次
電極装置170は、分散極板172と電気接触する接触部171
を有する。電源および制御装置などまたはそのいずれか
一方から接触171までは、ワイヤ手段173によって電気接
続される。
電極装置155と二次電極装置170の間の直接的な電気接
続(すなわち接触)は、その間の不導部180によって回
避される。図3では、各極板157および172は、構成フォ
ームに埋め込まれているので、その構成の不導部180に
よって間隔は維持される。極板152および172が多孔性で
あるため、両者がゲル基質142に密接に接続し、その化
学的内容物およびそこを通過する薬剤の移動に影響を与
えることができる。
図3の装置内には、電子伝達中ゲル基質142の性質ま
たは性質の変化を検出または感知するセンサ装置190を
有する。センサ装置190は、センサ191を有し、センサ19
1は、ゲル基質142に挿入され、(ワイヤ回路などの)接
続回線192によって制御手段などに接続されている。セ
ンサ191は、処置される患者の皮膚表面に実質的に隣接
するゲル基質142の部分に配置することが好ましい。す
なわち、センサ191は、周辺表面115から空洞107内に配
向されることが好ましい。これによってもたらされる利
益は、上述の通りである。
図3の装置を完全に操作する装置制御装置および電源
は、193および194で各々示した。図3の装置に関し、制
御手段193および電源194は、構造115内に挿入されてい
る。ある態様では、そこから離れていても良い。図4
は、図3に示す装置105の上平面図である。
2.一次電極の構成 既に説明したように、一次電極装置は、本発明に係る
原理の特定の用途によって、陰極か陽極のいずれかで操
作するよう構成することができる。一般に、一次電極装
置は、特定の用途によって、「不活性」電極もしくは
「電解」電極、犠牲的電極、メッキ電極およびインター
カレーション型(すなわち挿入型)電極またはそのいず
れかとして使用するよう構成することができる。本文で
は、この文脈において、語句「不活性」電極または「電
解」電極およびその変形語句は、操作中電解質溶液での
化学変化にはそれ自体関与しないものであるが、操作中
一般的な電解過程を通じて溶液内でヒドロニウムイオン
または水酸化物イオンのいずれかを生成する電極として
使用する。このような電極としては、白金電極、炭素電
極などがある。用語「不活性」電極は、メッキ、インタ
ーカルシエーション、挿入、または犠牲を行わずに、容
器の電解質内容に影響する酸化還元反応を起こす電極も
含む。本文では、用語「犠牲的」電極は、電極の犠牲
(すなわち、交換可能な損失)時の操作中、対応する電
極容器にイオンを解放する電極を言い、例えば、銀電
極、亜鉛電極、銅電極など、陽極として使用されるさま
ざまな金属イオンが犠牲的電極となる。この文脈での用
語「メッキ」電極は、その表面で溶液中のイオン薬剤を
メッキるのに使用する電極を言う。このような電極は、
銅イオンを含む溶液中の陰極として使用する銅電極など
である。このような操作中、銅イオンは電極に銅メッキ
をしながら、還元される。用語「インターカルシエーシ
ョン」電極および「挿入」電極は、本文脈では、一般に
その電極の酸化または還元時の電極内外にイオン薬剤を
除去するか取込む装置を言う。このような電極の1つ
は、上述のPhippsの特許4,747,819および4,744,787に記
載されるタングステン酸ナトリウム電極である。このよ
うな電極の別の例は、米国特許第4,679.572および4,71
7,581と、Robblee,L.S.ら、J.Electrochem.Soc.,Vol.13
0,No.3 p.731−733(1983)と、Pickup,P.G.ら、J.Elec
troanal.Chem.,Vol.220 p.83−108(1987)と、Dautrem
ont−Smith,W.D.;Displays,p.67−80(Apr.1982)の酸
化イリジウムである。一次電極の特定の特異的性質は、
実行される特定の伝達に左右される。一次電極装置は、
単一または複数の電極から成る。一次電極は、多孔性極
板から成っていても良いし、異なる構造を有していても
良い。一般には、上述に示したように、ゲル基質との効
果的分散的な電気接触が必要である。
3.二次電極 二次電極は、さまざまな方法で構成することができ、
一次電極について上述したタイプの電極を問わず含み得
る。二次電極を選択して、活性電極容器中のイオン薬剤
濃度の変化を選択することが望ましい。このような変化
または調整は、二次電極装置の構成および操作が一次電
極と同じ場合には達成されない。提供されたシステムに
使用される二次電極装置の特定の特異的な性質は、本文
で上述した原理に基づいて達成すべき容器中のイオン存
在率に対する効果に影響される。
4.遠隔電極装置 遠隔電極装置または対を成す電極装置は、電子伝達装
置に使用されるさまざまな適切な手段のいずれかから構
成される。電極装置は、一次電極装置および二次電極装
置またはそのいずれかについて上述した電極などから成
っている。電極装置は、一般に、一次電極装置および二
次電極装置の基本的方法とは反対の方法用いられる。す
なわち、対と成る電極を選択し、電子伝達中被検者を通
じて所望の電流を得る。
遠隔電極が薬剤伝達に関係させないことが必要な基本
的原理はないことは理解されう。すなわち、遠隔電極容
器からの薬剤または治療用イオンの伝達は、必要に応じ
て一次電極容器からの薬剤および選択イオンまたはいず
れかの伝達と同時に行われる。このため、本発明は、両
方の容器およびイオン薬剤濃度を制御する各容器内の適
切な二次電極装置からの薬剤伝達に関する装置をその範
囲内に含む。
5.本発明に係る構成および方法の複数の例 本発明の一般的原理は、さらに以下の例から理解され
よう。これらの例は、どのように基本的原理を適用でき
るかと、それらの用途に使用される様々な装置を示すた
めのものである。以下の例から、さまざまな装置が治療
用イオン伝達を特異的に制御するために考察できること
が明らかになる。
a.活性電極容器中のpHを制御する二次電極の使用 pH(すなわち、ヒドロニウムイオン含量)を制御する
本発明の使用方法の例について説明する。酸化イリジウ
ムは、可逆的に酸化および還元することができるエレク
トロクロミック材料である。Ir(III)のIr(IV)への
酸化によって、ヒドロニウムイオンは以下の反応で放出
される。
Ir(OH)→IrOx(OH)n-x+xH++xe- この酸化反応は、(Ag/Agclに対して)約0.7ボルトで
生じる。
図5は、酸化イリジウム塗布ワイヤを使用して1mlの
0.05モル(M)塩化ナトリウム水溶液を変化させる実験
結果を示す。図示のように、溶液のヒドロニウムイオン
含量は、数分間10から25マイクロアンペアの電流を供給
して2つの大きさの程度を変更した。数値は、pHを酸化
電圧の印加によって減少し、還元電圧の使用によって増
加することができることに示す。
薬剤の場合、ヒドロニウムイオン含量は、調剤の安定
剤、電荷、生物学的適合性を測定する際に重要なことが
度々ある。所望のレベルにpHを維持するのに使用した従
来の一般的な方法は、(クエン酸塩および燐酸塩または
いずれか一方などの)緩衝剤を使用するものであった。
イオン導入薬剤伝達装置に対する薬剤の場合、このよう
な緩衝剤を使用すると、非薬剤イオン(すなわち外来イ
オン)の導入によって、薬剤伝達率が低減することがあ
る。例えば、(陽イオンとして陰極容器から送出され
た)ヒドロモルホンをイオン導入伝達するために活性電
極容器内で燐酸ナトリウム緩衝剤を使用すると、ヒドロ
モルホンおよびナトリウムイオンの両方が伝達されるこ
とになる。ナトリウムイオンは、ヒドロモルホンイオン
よりも移動度が大きいので、電流の大半がヒドロモルホ
ンの代わりにナトリウムの伝達によって処理されるの
で、装置の電源(電池)の使用効率が悪くなり、上述し
た理由でヒドロモルホンイオの伝達率を一定に維持する
ことができなくなるという2つの問題が生じる。同様
に、燐酸(またはクエン酸)陰イオンがイオン導入中に
(サリチル酸などの)陰イオンとして伝達される薬剤イ
オンとともに伝達されると、能率が悪くなる。
本発明によれば、Ir(III)をIr(IV)に酸化する
[か、またはIr(IV)をIr(III)に還元する]二次電
極を使用して、望みどおりに装置内のpHを選択的に調整
することができる。このため、pHは、さらに緩衝剤を加
えなくても安定にすることができる。すなわち、一次電
極の操作中のpHのドリフトは、二次電極の酸化イリジウ
ムの酸化還元反応によって相殺することができる。
フィードバックによる断続的かつ一定の調整は、酸化
イリジウム電極制御手段に接続した装置にpHセンサを備
えることによって達成される。本発明に係る方法をこの
ように利用すると、pHを一定に維持するが、標的薬剤に
対するモル比率は一定にしない。実際、外来イオンがヒ
ドロニウムイオンおよびヒドロキシルイオンまたはいず
れか一方に限られる場合、このような利用では、標的薬
剤に対するモル比率は、経時的に減少する傾向がある。
装置に対する一定電流は、適切な電子回路手段によっ
て装置内の電極すべての間の電流バランスを維持して、
一定に維持することができる。このため、例えば、酸化
イリジウム電極を装置で陽極として使用し、一次電極装
置を陽極として使用した場合、二次電極装置に対する電
流は増加し、一次電極装置に対する電流は同時に減少
し、装置内の電流全体は一定に維持される。
治療用イオンを伝達するイオン導入装置を利用する場
合などは、非帯電(中性)の治療剤を印加起電力によっ
て標的組織に伝達する電気浸透(電子伝達)装置に対し
て容器のpHを維持することは重要である。例えば、陽極
容器中に懸濁または溶解した中性ポリペプチド治療剤含
み、(塩化ナトリウムなどの塩として添加した)Na+な
どの陽イオンを含む場合を考えよう。(AgClを生成する
ために)銀などの一次電極を陽極として使用する場合、
印加起電力によるNa+が移動する結果、容器からの溶媒
(水)および容器中に溶解したポリペプチドが失われ
る。容器からの溶媒の損失の結果、緩衝剤などのその他
に存在する薬剤も失われる。一般に、ポリペプチドの安
定性は、容器のpHに依存するため、緩衝能力の損失によ
って、容器内のpHは不利に変化し、ポリペプチドは経時
的に崩壊してしまう。容器からの緩衝剤の損失を阻止す
るには、上述のイオン導入装置に類似した態様で(酸化
イリジウムなどの)二次電極を使用してH+/OH-を生成し
て、容器中のpHを好ましく維持する。
この原理は、適切な二次電極を使用して電気浸透装置
を有する活性容器中のイオンを問わず置換したり除去し
たりする際にも適用できる。例えば、電気浸透ポリペプ
チド伝達に関する上述の説明では、Na+の損失を、以下
のセクション5dで説明するタングステン酸ナトリウムか
ら成る二次電極の酸化によって容器内を好ましい濃度に
維持することかできる。
b.電極容器中の薬剤基剤または薬剤酸を薬剤イオンに変
換するための二次電極の使用 薬剤部分の多くは、「遊離基剤」または「遊離酸」の
形態で利用できる。このような薬剤は、水に溶けにく
く、薬剤の塩形態(イオン形態)よりも安定な場合があ
る。このセクションで説明する原理は、薬剤の「遊離基
剤」または「遊離酸」にイオン導入伝達手段を実用的に
する。(酸化イリジウムなどの)二次電極を生成/吸収
するヒドロニウムイオンを使用すると、薬剤の帯電形態
をin situで生成することができ、イオン導入方法によ
って伝達することができる。
例えば、陽極容器がpH8でヒドロゲル中に懸濁した薬
剤基剤ヒドロモルホン(アルカロイド)を含む場合、ア
ルカロイドの半分以上が帯電しない。酸化イリジウムか
ら成る(導電指示材料を被覆した)二次電極の酸化か
ら、次のセクションに提示される反応によって、ヒドロ
ニウムイオンが生成される。
電流および酸化イリジウム二次電極の使用期間は、容
器に存在するヒドロモルホンアルカロイドの量によって
異なる。理論量のH+のみが二次電極によって生成され、
すべてのアルカロイドをヒドロモルホンイオンに変更し
て、過度のH+の生成を避けることが好ましい。二次電極
の使用に対する電流/時間プロフィルは、事前プログラ
ムしたり、容器内のpHセンサによって制御したりするこ
とができる。二次電極によって特定のH+生成率は、ヒド
ロモルホン陽イオンに対するアルカロイド変換率以下で
あることが好ましい。これによって、全体として理論量
でのみ生成されたとしても、H+の生成率が過度に大きく
なる場合ほど、ヒドロニウムイオンは伝達の際にヒドロ
モルホンと実質的に競合しなくなる。
この例の一次電極は、上述の装置のいずれかから成る
が、H+イオンまたはOH-イオンをほとんどまたはまった
く生成しないよう選択することが好ましい。すなわち、
アルカロイドの陽イオンへの変換が主に二次電極の使用
によって制御されることが好ましい。
H+イオンを生成することができる一次電極装置を使用
した場合、その使用によって、所望の伝達率を得るに
は、H+の生成濃度またはH+全体の量が著しく多くなる
(すなわち、理想量よりも多くなる)。この結果、pHは
不安定になり、ヒドロモルホンイオンの伝達効率は悪く
なる。
容器内で過度の量のヒドロモルホンアルカロイドを使
用すると、pHを安定にする例もあるが、ヒドロモルホン
が浪費され、使用後のイオン導入装置を安全に処分でき
なくなる恐れが生じる。
選択的に、二次電極使用時に、ヒドロモルホンアルカ
ロイドを容器内でOH-を除去することによって、陽イオ
ン形態に変換することができる。水分含有容器でOH−を
除去すると、容器のpHは低下市、アルカロイドが陽イオ
ン形態に変換される。
伝達すべき薬剤を入手できる場合、または、(非帯電
の)酸形態で生成できる場合、二次電極装置を使用し
て、ヒドロキシルイオンを生成したリヒドロニウムイオ
ンを除去したりすることができる。例えば、サリチル酸
は、難溶性薬剤である。サリチル酸の伝達は、ガラス炭
素二次電極で水を還元してOH-を生成することによって
または、酸化イリジウム二次電極の還元によって陰極容
器からH+を除去することによって、陰イオンをサリチ
ル酸化する変換するステップを続けて変換して、イオン
導入装置の陽極容器で酸形態を配置することによって達
成するこきとができる。
このような装置では、メッキ電極または犠牲電極と成
り得るが、実質的にはH+またはOH−を生成/除去しな
いことが好ましい一次電極は、(一次電極および二次電
極)全体の起電力がサリチル酸陰イオンを適切な率で皮
膚に伝達するような付加的な起電力を供給する。
二次電極によるOH-生成/H+除去の率および期間に対す
る制限(すなわち電流)は、ヒドロモルホンアルカロイ
ドの例で述べたものと同様である。
一次電極とは逆に、二次電極は、ヒドロニウムイオン
を生成するかまたはヒドロキシルイオンを除去するため
のものであり、遊離基剤または遊離酸をイオン形態に変
換する必要があるH+またはOH-の理想量を効率的に生成
できる利点がある。すなわち、一次電極装置を選択して
ヒドロニウムイオンのたはヒドロキシルイオンを同時に
生成せずにイオン伝達に適した起電力を生成することが
できる。これによって、装置内で余分なH+またはOH-
の生成を避けるので、患者の快適さと、pHおよびイオン
伝達に対する制御とを容易に実現することができる。
c.(受動的および能動的)薬剤伝達全体を制御するため
に帯電薬剤および非帯電薬剤を含む混合物を生成する二
次電極の使用方法 一般に、起電力が容器にまったくくたはほとんど印加
されていない場合、非帯電有機薬剤は帯電有機薬剤より
も皮膚を通過しやすい。これは、「受動的」または「拡
散的」薬剤伝達として知られている。この観察結果によ
って、帯電薬剤の非帯電薬剤(ヒドロモルホンまたはサ
リチル酸など)に対する比率を、非帯電薬剤の拡散によ
ってほとんどまたは完全に、帯電(イオン)薬剤の電子
伝達によってほとんどまたは完全に、または、拡散およ
び電子伝達をあわせて完全に変更できる場合に、好まし
い薬剤伝達装置が得られる。容器内で帯電薬剤と非帯電
薬剤の好ましい比率にすることよって拡散および電子伝
達を好ましく組合わせることは、上述の二次電極装置の
使用時に特定のpHを維持することによって達成できる。
これによって、最適なエネルギ効率の伝達装置が得られ
る。
例えば、ヒドロモルホンを鎮痛のために1日のほとん
どの間投与量を低くし、一日のある期間だけ大量に投与
しなければならない患者の場合、低投与量が必要とされ
る場合は上述の好ましい伝達装置をほとんど拡散モード
(すなわち、薬剤の大半が非帯電の場合の容器内pH)で
使用し、高投与量が必要な場合には起電モード(すなわ
ち薬剤の一部またはすべてが陰イオンであり、一次電極
が起電力を供給する場合のpH)で使用することができ
る。
一般的にいえば、この好ましい薬剤伝達装置は、容器
のpHおよび一次電極によって供給される電圧を調整する
ことによって薬剤に印加される起電力のタイプおよび大
きさを変更することができる。起電力のタイプは、実際
にはほとんど化学的なタイプ(化学的電位勾配)から実
際にはほとんど起電力タイプ(起電的電位勾配)に変化
する。最適なエネルギ効率は、患者に必要な治療投与量
をの投与の必要条件に適するように必要な拡散および起
電力の最低のエネルギ消費の組合せによって達成するこ
とができる。一般に、最低のエネルギ消費の組合わせ
は、実際には可及的に拡散的なものである。
患者の最大必要条件に合うのに十分な率で組織(皮
膚)経由での非帯電薬剤が拡散するが、一日を通じて定
期的に患者に低量投与しなければならない特別な場合、
容器のpHを二次電極によって変更し、容器内の帯電薬剤
の比率を増加し、薬剤の伝達を低下させることができ
る。
後者の場合、拡散的な方法は、十分な(治療)量の薬
剤を伝達する以外には必要ではないので、一次電極およ
び二次電極が活性電極容器内に必要であるが、遠隔電極
または接地電極は必要ない。このため、後者の例は、電
子伝達ではなく、むしろ薬剤伝達のために容器内に電極
装置を備えることによって、拡散的方法を容易するため
に本文に説明した原理の応用である。電極装置は、一般
に、第1および第2の操作可能な電極装置を有し、pH制
御に対して選択される。センサ装置、事前プログラム装
置または両方を制御用に使用することができる。
活性または伝達用の電極容器で2つの電極を使用し、
治療剤の透過率を変更するこの原理は、化学的または電
気化学的に広範に変更することができる。例えば、容器
の薬剤前駆体を活性形態および透過しやすい形態または
いずれかの形態に変換する場合なども含まれる。この変
換を、皮膚に容器を接地する前後に行うことができる。
これは、断続的または選択的におこなうことができる。
薬剤が異なる移動度の極性形態および非極性(または極
性の低い)形態である場合、両方の形態が帯電されてい
ない場合でさえ、電極を使用して2つの形態間で薬剤を
変更することができれば、この技術を使用できることは
理解できよう。
d.活性電極容器の無機イオン含量を制御する二次電極使
用方法 Na+、K+、Ca2+、Cl-、SO4 2-、HCO3 -、PO4 3-などの無
機イオンは活性電極内に、容器のある種の特性(薬剤安
定性、pH安定性、導電率および生物学的適合性など)を
高める添加剤として存在することができ、それらの存在
が偶発的または不可避である場合もある(特に、Latti
n,G.A.の米国特許第4,406,658に説明されている逆極性
装置内のイオン導入中に吸収される容器の成分に含まれ
る不純物、皮膚表面に既存のイオンなど)。電子伝達中
の活性容器内の無機イオン濃度の変化すると、上述の標
的イオンの伝達率も変化し得るが、これについて、以下
の実験1で説明する。酸化または還元時に無機イオンを
遊離/生成または吸収/除去する二次電極を使用して、
上述に説明したpHを制御する酸化イリジウム電極を使用
する方法と同様の方法で、活性容器の有機含量を制御す
ることができる。Na+、K+およびCa2+ならびにその他の
無機イオンを遊離または除去する電極の種類は、無機イ
ンータカルシエーション材料または挿入材料である。特
異的な例は、以下の可逆反応によって酸化時にNa+を遊
離し、還元時にNa+を吸収するタングステンブロンズナ
トリウムである。すなわち、 NaxWO3Nax-1WO3+Na++e- その他の二次電極と成り得る材料は、黒煙インターカ
レーション化合物であり、 特に、Na+の遊離または除去の場合は、 nC+Na++e-CnNaであり、 Cl-の遊離または除去の場合は、 CnFeCl2+Cl-CnFeCl3+e- である。
電極材料と成り得る別の材料は、Miller,L.L.らのJ.E
lectronal.Chem.,Vol.247,pages147−164、J.Electrona
l.Chem.,Vol.247,pages173−184に記載の導電ポリマー
である。ポリマー電極は、ポリピロル類、ポリアニリン
類、ポリチオフェン類、およびそれらの態種である。一
般に、高分子電極を使用すると、(有機または無機の)
陰イオンまたは陽イオンが吸収され、その構造内で局部
内に中性に電荷が維持される。例えば、ポリ(N−メチ
ルピロリリウム)およびポリ(スチレンスルホネート)
から成る複合電極は、陰極で陽イオンを陽極で陰イオン
を吸収することができる。陰イオンを陽極に吸収する
か、オリゴマー3−メトキシチオフェンによって陰極で
遊離することができる。
例えば、(塩酸塩などの)薬剤陰イオンヒドロモルホ
ンを含む容器を電極伝達装置の陽極容器として考えよ
う。また、無機外来イオンNa+が陽極容器にあるとも仮
定してみよう。この装置を使用中、ヒドロモルホンと比
較してNa+の経皮移動度が相対的に高いため、ナトリウ
ムイオンはヒドロモルホンが減少するよりも著しく高い
率で、容器から失われる。図1に示し、以下の実験1で
説明するように、一定の電流では、ヒドロモルホンの伝
達率は経時的に増加する。時間が経過してもヒドロモル
ホン伝達率を一定に維持するには、容器中でヒドロモル
ホンのモル比率を一定に維持するのに必要な率でNa+を
生成する二次電極を使用すれば良い。
e.活性容器内の薬剤を不活性形態に変換するための活性
容器の二次電極および一次電極の使用方法 一般に、電子伝達装置からの薬剤伝達が終了した後、
活性容器内には薬剤が残留することがある。薬剤を「不
活性」または「耐抽出性」の形態に「不活性化」、「分
解」または「変換」し、薬剤が不慮または故意に処置後
に使用されないようにすることが好ましい。患者から装
置を取外した後、一次電極または二次電極の一方を他方
に対する対電極として使用すると、薬剤を不活性形態に
変化させることができる。
電極の電圧が十分に大きく、薬剤の酸化還元反応が起
こる場合、いずれか(または両方)の電極によって、薬
剤を電気化学的に直接分解することができる。例えば、
(Ag/Agclに対して)陽極電圧が500mVを超える場合、ヒ
ドロモルホンは電気化学的に分解する。
一次または二次電極材料を選択使用して活性容器の薬
剤を不活性形態または耐抽出形態に直接または間接的に
変換する薬剤を生成することができる。例えば、二次電
極は、ヒドロニウムイオンまたはヒドロキシルイオンを
生成することができる酸化イリジウム、白金、または別
の材料である。薬剤の多くは、高pH値または低pH値で急
速に分解するので、(上述に述べたように)二次電極を
使用してpHを変化させると、薬剤は不活性形態に変換さ
れる。
選択的に、一次電極材料または二次電極材料を、患者
から装置を除去した後に使用して、化学的薬剤を遊離ま
たは生成して、薬剤を反応させるか、薬剤の錯体を生成
するか、それ以外の場合には薬剤を不活性化させるか、
または、薬剤を耐抽出性形態に変換することができる。
例えば、陽極容器がヒドロモルホンを含み、二次電極が
銀である場合、装置取外し後の陽極として二次電極を使
用すると、銀イオンが生成され、ヒドロホルモンが分解
し、さらに、活性容器を銀に富んだものにし、ヒドロモ
ルホンの回収には、大掛かりな処理が必要になる。この
例では、銀から成る二次電極は、患者に接続した場合に
は装置からの電子伝達中には休止し、装置を患者の身体
から除去する場合に活性化される。装置を取外した場
合、制御回路によって一次電極を陰極として機能させ、
銀の二次電極を陽極として機能させる結果、イオン電流
が一次電極と二次電極の間を流れる(遠隔電極は、この
使用モードでは作動しない)。一次電極は、(陰極とし
て素養した場合)、ヒドロキシルイオンを生成したり、
電気化学的に薬剤を還元したりなど、分離機構によって
薬剤を不活性化させることができる。
活性容器が少なくとも2つの電極を含み、電圧がそれ
らの間に印加され、上述の機構(pH制御、電気化学的分
解、化学反応および銀イオンなどによる容器汚染)によ
って一方または両方の電極が薬剤を不活性化することが
できる場合、一般に、装置を除去した時点でほ活性容器
の薬剤を不活性にすることができる。
f.実験例 実験1 以下の実験は、高移動率の外来イオン濃度が存在する
場合、一定電流では経時的に直接伝達率が増加すること
を示す。
ヒドロモルホン(HM)および選択無機イオンを水溶液
を陽イオン濃度全体で0.1モルにした。使用した無機イ
オンは、ナトリウム、カリウム、マグネシウムであり、
塩化物塩として使用した。溶液を2室から成る隔室すな
わち銀の陽極および塩化銀を収容するよう調整したフロ
ースルーガラスセルに入れた。皮膚切除したブタの皮膚
をドナー分室とレセプタ分室との間に配置した。ドナー
溶液と皮膚との間の接触面積は、8cm2だった。0.1モル
の塩化ナトリウム水溶液を時間辺3mlでレセプタ分室を
通じて吸入排出した。1ミリアンペアの電流(cm2当た
り125マイクロアンペア)で3回行った。
以下の表1は、4種の溶液から得た結果を記録したも
のである。表1では、最初と最後のモル濃度およびモル
比率を記載した。これらの数値を比較することによっ
て、ヒドロモルホンおよび外来イオン濃度が、セルの使
用中に減少することがわかった。また、より移動度の高
い外来イオンのモル比率は減少していが、より低い移動
度のモル比率は増加していた。
図1では、さまざまな期間での(1時間当たりのマイ
クログラムに換算した)ヒドロモルホンの伝達率の座標
が示されている。このグラフ図から、初期のHM+と無機
イオンのモル濃度がほぼ等しく含まれている容液の場
合、時間に対する関数として観察されるヒドロモルホン
伝達率が直線的に増加することがわかる。
実験2 外来イオンを含まない装置の場合、供給電圧と標的イ
オンの伝達との関係は線形であることが、以下の例で示
す。この例は、上述のPhippsらの文献「Transport of I
onic Species Through Skin」(1988)にも報告されて
いる。2分室の垂直ガラス拡散競るを使用した。銀/塩
化銀の陰極を、入り口に電極ワイヤを挿入して、レセプ
タ分室に導入した。ウサギ、ブタ、ヒトから約8cm2に切
除した皮膚を切除皮膚を固定するメッシュ上に配置す
る。ドナー分室、切除皮膚、レセプタ分室を共に挟み止
めした。塩化薬剤の1モル水溶液を調整し、ドナー分室
に注入した。試験に使用した陽イオンは、リチウムと、
ナトリウムと、マグネシウムと、カリウムと、カルシウ
ムと、サリチル酸塩と、ピリドスチグミンと、プロプラ
ノロールであった。
銀の陽極は、7ml薬剤溶液を含むドナー分室に配置し
た。隔膜キャップはドナー分室に配置し、蒸発による損
失を最低限にした。各セルに対する陽極ワイヤおよび陰
極ワイヤを9チャネル電源に接続した。各タイプの皮膚
を使用して、24時間、0から2ミリアンペアまでの2通
りの電流で実験を行った。
9種の異なる実験を同時に行うことができるフロース
ルー拡散セル装置を使用した。0.1モルの塩化ナトリウ
ムを9チャネルのぜん動ポンプに供給し、時間当たり6m
lの流量で、レセプター795x分室の9つの拡散セルに吸
入排出した。水ジャケットレセプタ分室を循環バスによ
って37℃に維持し、レセプタ液を9セル磁気駆動コンソ
ール内にセルを配置することによって、撹拌した。9チ
ャネル分留収集器によって2時間間隔でレセプタ分室の
試料取出口から試料を継続的に収集した。各セルに対す
るイオン導入電流は、定電流電源で制御した。
レセプタ分室の薬剤含量は、(無機イオンについて
は)原子吸光分光法または(有機イオンについては)高
性能液体クロマトグラフィで測定した。
各イオンを試験した結果、薬剤伝達率および電流には
直線的関係があることがわかった。この例は、ブタおよ
びウサギの皮膚に対する電流の関数としてのリチウム伝
達率の座標に図6に示した。一般に、薬剤伝達率の効率
は、分子量の増加およびイオン電荷の増加とともに減少
することがわかった。
実験3 限界濃度以上で一定電流における薬剤の濃度に対する
薬剤伝達率の依存度を以下の例で示す。この例は上述の
Padmanabhan等の“In Vitro and In vivo Evaluat
ion of transdetmal Iontophoretic Delivery of
Hydromorphone"(1990)にも記載されている。実験考
察において2室型の直立分散セルが用いられた。塩化銀
陰極をレセプター室(容量4ml)中に置き、銀メッシュ
の陽極をドナー室に置いた。切除したブタの皮をDelrin
R支持体上に置き、これを角質層がドナー室に向くよう
に2つの室の間に挟んだ。ドナー溶液と切除した皮との
接触面積は8平方cmであった。ブタの皮は、離乳した家
畜ブタの背中の中央部から切除によって得た。厚さは約
600ミクロンであった。使用に供するまで皮のサンプル
は凍結状態で保持された。ジャケット付きのレセプター
室は約37℃の温度に冷却水循環により保持された。同時
に0.1モルのNaCl溶液をポンピングによりレセプター室
を通して毎時約3ml及び6mlの流量で循環させた。ドナー
室は、0.01モル(10ミリモル)乃至0.8モル(800ミリモ
ル)の間の濃度を有する塩酸ヒドロモルフォン溶液(HM
HCl)約7mlで充填された。陽極及び陰極を電流変動幅5
%以内の定電流電源に接続した。実験は最大2.0ミリア
ンペアの電流を用いて24時間にわたって行なわれた。
一般的な実験においては、電流を流す前に、HMHCL溶
液を18時間ドナー室においておいた。こうすることによ
って、ドナー室に何の漏れ口もないことがイオン導入に
先だって確認でき、皮膚の各サンプルにつける受動的ヒ
ドロモルホン融剤を定量することができた。18時間後、
ドナー室を空にして、すすぎ、新しいドラッグ溶液を満
たした。その後、電流を24時間流し続け、それから、24
時間受動的に摘出した。実験によっては、前イオン導入
受動相、および/あるいは、後イオン導入受動相がほど
こされない場合もあった。
66時間におよぶ実験の間、2時間ごとに、サンプルが
採集され続けた。各レセプターサンプルの重量を記録し
て、選択されたサンプルのヒドロモルホン濃度を280ナ
ノメーターの紫外線検出を利用したHPLCで測定した。測
定には、5ナノメーターC18コラム(デュポンインスツ
ルメント、ウィルミントン、DE)を使用した。移動相
は、59%の0.005Mヘプタンスルホン酸、40%のメタノー
ル、1%の酢酸からなっていた。流量は、一分間当たり
1mlに設定した。
皮膚の各サンプルにおける定常摘出量は、定常レセプ
ター濃度(約10時間後に測定されたもの)にレセプター
の流量を掛けることで決定された。レセプターの流量
は、2時間ごとに収集されたサンプルの重量から計算さ
れた。皮膚の各サンプルにおける平均定常量を、電流を
流してから12時間後から24時間後の間の観測された連続
して5回の値について計算した。
下記の表2は、異なった濃度におけるヒドロモルホン
HCL水溶液の、豚の皮膚を通して得られた平均定常摘出
量を比較して示している。この表からわかるように、平
均摘出量(一時間当たりマイクログラムで示してある)
は、ドラッグ濃度にかかわらず、比較的一定であった。
上記のように報告された実験1、2、3により、発明
の詳細な説明の項A1−A3で述べた観察背景が全体的に説
明されて、本発明を適用して、活性電極貯蔵器における
外部イオン濃度を制御するということの基本原理がいく
らか示されているいうことがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−10066(JP,A) 米国特許4717581(US,A) 米国特許4166457(US,A) 米国特許4406658(US,A) 国際公開86/7268(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61N 1/30

Claims (31)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子伝達装置(5)であって、少なくとも
    1つの標的イオン薬剤(16)及び少なくとも1つの外来
    イオン薬剤(17)を含む活性電極容器(6)と、前記容
    器(6)に関連されて該活性電極容器(6)から前記イ
    オン薬剤(16,17)を伝達すべく起電力を提供する一次
    電極構成(30)と、を備え、前記一次電極構成(30)と
    電気的直接触していない二次電極構成(50)であり、且
    つ、該一次電極構成(30)とは異なるような動作が為せ
    るように、前記活性電極容器(6)内の前記イオン薬剤
    の相対的濃度に選択的に影響する二次電極構成(50)を
    特徴とする電子伝達装置(5)。
  2. 【請求項2】前記一次電極構成(30)が陽極を備え、前
    記二次電極構成(50)が陽極を備える、請求項1に記載
    の装置。
  3. 【請求項3】前記活性電極容器(6)が、少なくとも1
    つの標的陽イオン薬剤(16)及び少なくとも1つの外来
    陽イオン薬剤(17)を含み、前記二次電極構成(50)が
    少なくとも1つの外来陽イオン薬剤(17)を前記活性電
    極容器(16)内へ導入するように動作できる、請求項2
    に記載の装置。
  4. 【請求項4】前記二次電極構成(50)が、前記活性電極
    容器(6)内の選択されたイオン薬剤(16,17)の濃度
    を一定レベルに選択的に維持するように動作できる、請
    求項1に記載の装置。
  5. 【請求項5】前記活性電極容器(6)内の選択されたイ
    オン薬剤(16,17)が、ヒドロニウムイオン或はヒドロ
    キシルイオンを含む、請求項4に記載の装置。
  6. 【請求項6】一次電極構成(30)が、少なくとも1つの
    標的イオン薬剤(16)及び少なくとも1つの外来イオン
    薬剤(17)を前記活性電極容器(6)から伝達するよう
    に動作でき、前記二次電極構成(50)が少なくとも1つ
    の外来イオン薬剤(17)を前記活性電極容器内へ導入で
    きるように動作でき、前記二次電極構成(50)によって
    前記活性電極容器(6)内へ導入された前記外来イオン
    薬剤(17)が、前記一次電極構成(30)によって前記活
    性電極容器から伝達されたのと同一の標的イオン薬剤
    (16)及び外来イオン薬剤(17)の少なくとも1つを含
    む、請求項1に記載の装置。
  7. 【請求項7】前記一次電極構成(30)が、前記活性電極
    容器(6)から少なくとも1つの標的イオン薬剤(16)
    及び少なくとも1つの外来イオン薬剤(17)を伝達する
    ように動作でき、前記二次電極構成(50)が、前記電極
    容器(6)から伝達以外の手段で少なくとも1つの外来
    イオン薬剤(17)を除去するように動作できる、請求項
    1に記載の装置。
  8. 【請求項8】電子伝達搬送中、前記一次電極構成(30)
    及び前記二次電極構成(50)を通じて流れる相対電流を
    変更する手段(40)を備える、請求項1に記載の装置。
  9. 【請求項9】前記電子伝達装置(5)からの一定電流を
    維持すべく、前記一次電極構成(30)及び前記二次電極
    構成(50)を通じて流れる相対電流を選択的に調整する
    手段(40)を備える、請求項1に記載の装置。
  10. 【請求項10】前記活性電極容器(6)が、前記一次電
    極構成(30)の動作初期に選択された外来イオン薬剤
    (17)濃度を含み、前記二次電極構成(50)が、前記一
    次電極構成(30)の動作中の初期における外来イオン薬
    剤(17)の濃度の30%以内に、前記外来イオン薬剤(1
    7)の濃度を維持するように動作できる、請求項1に記
    載の装置。
  11. 【請求項11】前記一次電極構成(30)及び前記二次電
    極構成(50)の双方を、前記電子伝達搬送の少なくとも
    一部の間、それらに電流を通過させることによって同時
    に動作する手段を備える、請求項1に記載の装置。
  12. 【請求項12】前記二次電極構成(50)が、選択された
    外来イオン薬剤(17)濃度を生成するように動作するこ
    とができ、それによって標的イオン薬剤(16)の一定搬
    送速度を維持している、請求項1に記載の装置。
  13. 【請求項13】前記装置(5)が、それから流れる略一
    定電流を維持するように動作する、請求項12に記載の装
    置。
  14. 【請求項14】前記二次電極構成(50)が、前記活性電
    極容器(6)内の標的イオン薬剤(16)の略一定のモル
    分率を維持すべく動作できる、請求項12に記載の装置。
  15. 【請求項15】前記一次電極構成(30)が前記活性電極
    容器(6)内に位置決めされており、前記二次電極構成
    (50)が前記活性電極容器(6)内に位置決めされて前
    記一次電極構成(30)との直接触から絶縁されている、
    請求項1に記載の装置。
  16. 【請求項16】前記活性電極容器(6)内の外来イオン
    薬剤(17)の存在に影響すべく、前記二次電極構成(5
    0)の選択的動作のための手段(40)を備える、請求項
    1に記載の装置。
  17. 【請求項17】前記二次電極構成(50)の選択的動作の
    ための前記手段(40)が、外来イオン薬剤(17)を生成
    する手段を含む、請求項16に記載の装置。
  18. 【請求項18】(a)前記活性電極容器(16)内の電解
    質含有ゲル基質(15)と、(b)前記電解質含有ゲル基
    質(15)内の少なくとも1つの標的イオン薬剤(16)
    と、を含む、請求項1に記載の装置。
  19. 【請求項19】前記一次電極構成(30)及び前記二次電
    極構成(50)を通じて流れる相対電流を選択的に制御す
    る制御手段(40)を備える、請求項1に記載の装置。
  20. 【請求項20】(a)不活性電極容器(7)と、(b)
    前記不活性電極容器(7)に電気的に接続された不活性
    電極(45)とを含む、請求項1に記載の装置。
  21. 【請求項21】当該装置内を流れる電流を選択的に維持
    する手段(40)であって、前記電流が、活性電極(31)
    と前記不活性電極(45)と前記活性電極容器(6)と前
    記不活性電極容器(7)とを含む電流路を流れる手段を
    更に備える、請求項20に記載の装置。
  22. 【請求項22】(a)前記活性電極容器(6)の選択さ
    れた特性を選択的に検出するセンサ手段(60)と、 b)前記センサ手段(60)によって検出された前記選択
    された特性に応じて、前記第2電極構成(50)を流れる
    電流を調整する制御手段(40)と、 を含む、請求項1に記載の装置。
  23. 【請求項23】前記装置(5)が、当該装置の動作中に
    おいて実質的に一定速度で、前記活性電極容器(6)か
    ら標的イオン薬剤(16)を搬送するように動作する、請
    求項1に記載の装置
  24. 【請求項24】前記装置によって処理されている対象を
    介して略一定電流を維持する一方で、該対象へ向かって
    の前記標的イオン薬剤(16)の搬送の一定速度を同時に
    維持する手段(40)を含む、請求項23に記載の装置。
  25. 【請求項25】前記センサ手段(60)によって検出され
    た特性に応じて、前記活性電極容器(6)に所望の電気
    化学的影響を与えるように前記二次電極構成(50)を操
    作する、請求項22に記載の装置。
  26. 【請求項26】前記二次電極システム(50)を動作し
    て、前記操作の動作全体にわたって、一定ヒドロニウム
    イオン濃度の維持を達成する手段(40)を含む、請求項
    5に記載の装置。
  27. 【請求項27】前記二次電極構成(50)が、酸化イリジ
    ウム電極を含み、該電極がそれを通じての電流通過に及
    んでIr(III)及びIr(IV)の酸化/還元反応に適合し
    ている、請求項1に記載の装置。
  28. 【請求項28】前記標的イオン薬剤(16)が極性を有す
    る形態及び極性の少ない形態を有し、前記標的イオン薬
    剤(16)の前記極性を有する形態及び極性の少ない形態
    における選択された相対濃度を獲得するように、前記容
    器(6)のpHを制御すべく前記二次電極(50)を選択的
    に動作する手段(40)を含む、請求項5或は26に記載の
    装置。
  29. 【請求項29】前記標的イオン薬剤(16)の極性を有す
    る形態が充電され、前記標的イオン薬剤(16)の極性の
    少ない形態が未充電である、請求項28に記載の装置。
  30. 【請求項30】前記活性電極容器(6)からの前記薬剤
    (16,17)の伝達終了時に、前記一次電極構成(30)及
    び前記二次電極構成(50)のいずれか一方を他方の対電
    極として両電極間に電圧を印可することによって、前記
    容器(6)内の前記標的イオン薬剤を不活性化する手段
    (40)を含む、請求項1に記載の装置。
  31. 【請求項31】前記標的イオン薬剤(16)が薬剤の前駆
    体としての形態及び薬剤としての形態を有しており、前
    記容器(6)が前記標的イオン薬剤(16)の前駆体とし
    ての形態を初期的に含み、前記装置(5)が、前記電極
    構成(30,50)を選択的に動作して、前記標的イオン薬
    剤(16)を前駆体としての形態から薬剤としての形態へ
    選択的に変換する手段(40)を含む、請求項1に記載の
    装置。
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