JP3367828B2 - アジャスター装置の固定構造 - Google Patents

アジャスター装置の固定構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キャビネットの下
面に配設されてキャビネットの高さ調整をするためのア
ジャスター装置が横方向に移動しないようにするための
アジャスター装置の固定構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からキャビネット1の下面部にアジ
ャスター装置2を配設して、アジャスター装置2により
キャビネット1の上下方向の高さ調整を行うようにした
ものが知られている。そして、アジャスター装置2が横
方向に移動しないようにするには、図11に示すよう横
方向移動防止具40を用いていた。この横方向移動防止
具40は両端部に固着具挿入孔41を有する板部42の
上面部にアジャスター装置2の下端部を回転自在な状態
で嵌め込むことのできる嵌め込み部43を設けて構成し
てある。
【0003】上記横方向移動防止具40を用いる場合、
まず、床5の上に横方向移動防止具40を載設し、この
状態で横方向移動防止具40の嵌め込み部43にアジャ
スター装置2の下端部を載せてアジャスター装置2を回
転することで高さ調整を行っていた。なお、図10にお
いて30は蹴込み板を示しており、この蹴込み板30に
は背面部に弾性を有するC字状をした把持具31が突設
して設けてあり、該把持具31をアジャスター装置2の
軸部3に着脱自在に前方より取付けることで蹴込み板3
0をキャビネット1の前端下方位置に取付けるようにし
ている。この蹴込み板30はアジャスター装置2が露出
しないように隠す役目をしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来例
にあっては、先に横方向移動防止具40を床5の所定の
位置に設置してビスにより固定しておく必要があり、位
置決めが面倒であり、また、従来例にあっては、アジャ
スター装置2の横方向の移動は防止できるが、アジャス
ター装置2が浮き上がるのを防止することができないと
いう問題があった。また、従来にあっては、横方向移動
防止具40を床5にはじめに固定することなく、アジャ
スター装置2を横方向移動防止具40の嵌め込み部43
に嵌め込んで設置した後にビスにより固定しようとした
場合、横方向移動防止具40にアジャスター装置2を介
してキャビネット1の荷重がかかっているため、固定し
やすい位置に横方向移動防止具40の固定部分を移動す
るのが面倒である。
【0005】本発明は上記の従来例の問題点に鑑みて発
明したものであって、アジャスター装置を床に設置した
後に固定金具によるアジャスター装置の固定ができ、ま
た、アジャスター装置の横方向の移動を防止し、また、
上方への浮き上がりを防止し、更に、固定金具による固
定後においても、アジャスター装置の高さ調整ができ、
また、固定片による固定位置を固定しやすい位置に選ぶ
ことができ、また、固定金具の取付けを強固にし、更に
また、1種類のアジャスター装置で上下方向の大きな調
整と小さな調整とが可能なアジャスター装置の固定構造
を提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のアジャスター装置の固定構造は、キャビネ
ット1の下面部に取付けられて回転により上下方向に伸
縮自在となったアジャスター装置2の軸部3の下端部に
設けた軸部3よりも大径となった大径部4を床5に設置
し、ねじ孔に固定ねじ24を螺合させてある立ち上がり
片7を固定片6の端部から上方に突設し且つ立ち上がり
片7の上端から固定片6と反対方向に二股となった上横
片8を連出し且つ各上横片8の先端から垂下片9を垂設
して固定金具10を構成し、アジャスター装置2の軸部
3に二股の上横片8間を通して上横片8と垂下片9と立
ち上がり片7とでアジャスター装置2の大径部4や軸部
3が回転はできるが横方向に移動しないように大径部4
を覆って固定片6を床5に固定すると共に、固定ねじ2
4の先端部を大径部4に押圧して大径部4が回転しない
ようにして成ることを特徴とするものである。このよう
な構成とすることで、アジャスター装置2を床に設置し
た後に、アジャスター装置2を固定金具10により横方
向に移動したり、床5から浮き上がらないように固定す
ることができるものであり、しかも、ビス15により固
定片6を床5に固定する前に固定金具10により大径部
4を覆った状態で固定金具10を回転して固定片6を固
定しやすい位置に位置させてビス15により固定するこ
とができるものである。また、固定金具10により固定
した後であっても、大径部4や軸部3が回転自在となっ
ていることで、アジャスター装置2による高さ調整が可
能である。そして、高さ調整が完了した状態で且つアジ
ャスター装置を床に固定した状態で、立ち上がり片7に
螺合した固定ねじ24を回して固定ねじ24の先端部を
大径部4に押圧して大径部4が回転しないように固定し
て、軸部3が振動等で不用意に回転して調整した高さが
変わらないようにすることができる。
【0007】また、垂下片9の下端から側方に第2固定
片11を連出して第2固定片11を床5に固定すること
も好ましい。このような構成とすることで、固定金具1
0による固定が確実となるものである。また、切断用表
示部12を設けた軸部3と、該軸部3の下端部を深浅自
在に螺合する大径部4と、軸部3の上端部を嵌合自在と
した被嵌合部13を下面部に有するキャビネット1を支
持するための支持部14とでアジャスター装置2を構成
することも好ましい。このような構成とすることで、上
下方向の大きな調整に当たっては切断用表示部12部分
で切断して大きな調整を行い。また、小さな調整に当た
っては、軸部3と大径部4との螺合深さを調整すること
によって行うものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に示す実
施形態に基づいて説明する。図1、図2に示すように、
アジャスター装置2は、支持部14の下部の筒部17の
内面に雌ねじ部を刻設し、この筒部17の内面に形成し
た雌ねじ部に軸部3の外周部に形成した雄ねじ部18を
深浅自在に螺合して構成してある。軸部3の下端部には
軸部3よりも大径の大径部4が設けてある。支持部14
の上部には大径となった受け部19が設けてあり、該受
け部19の中央部には嵌め込み軸体20が設けてあり、
そして、台所キャビネットのようなキャビネット1の底
板21に設けた孔22に下方より軸体20を嵌め込むと
共に受け部19で底板21の下面を支持するようになっ
ている。
【0009】固定金具10は、固定片6の端部から上方
に向けて立ち上がり片7を突設し、更に、立ち上がり片
7の上端から固定片6と反対方向に二股となった上横片
8を連出し、更に、各上横片8の先端から垂下片9を垂
設して構成してある。立ち上がり片7にはねじ孔が設け
てあって、固定ねじ24が螺合してある。しかして、キ
ャビネット1の底板21の下面に配置されてキャビネッ
ト1を支持するアジャスター装置2を床5に設置し、軸
部3と支持部14の筒部17との螺合深さを調整して高
さ調整をするものである。このようにアジャスター装置
2の高さ調整をすることで、アジャスター装置2で支持
するキャビネット1の高さ調整が行われるのである。
【0010】アジャスター装置2の固定に当たっては、
アジャスター装置2の軸部3に二股の上横片8間を通し
て上横片8と垂下片9と立ち上がり片7とでアジャスタ
ー装置2の大径部4や軸部3が回転はできるが横方向に
移動しないように大径部4を覆い、この状態で固定片6
を床5にビス15により固定するものである。この場
合、ビス15により固定片6を床5に固定する前に固定
金具10により大径部4を覆った状態で固定金具10を
回転して固定片6を固定しやすい位置に位置させてビス
15により固定する。このように大径部4を固定金具1
0で覆った状態で固定することで、アジャスター装置2
が横方向に移動するのが立ち上がり片7と垂下片9によ
り防止され、また、アジャスター装置2が上方に浮き上
がるのが上横片8により防止されることになる。
【0011】上記実施形態ではアジャスター装置2の高
さ調整を行った後に固定金具10を大径部4に被せて固
定金具10を床5に固定した例を示したが、このように
ある程度の高さ調整を行って固定金具10を床5に固定
した後であっても、固定金具10はアジャスター装置2
の大径部4や軸部3が回転はできるが横方向に移動しな
いように覆っているので、アジャスター装置2を回転し
て更に高さ調整と行うことができるものである。
【0012】また、アジャスター装置2による高さ調整
を行う前に、固定金具10を大径部4に被せて固定金具
10を床5に固定し、その後に、軸部3と支持部14の
筒部17との螺合深さを調整して高さ調整をしてもよい
ものである。そして、高さ調整が完了した状態で且つア
ジャスター装置2を床5に固定した状態で、立ち上がり
片7に螺合した固定ねじ24を回して固定ねじ24の先
端部を大径部4に押圧して大径部4が回転しないように
固定して軸部3が振動等で不用意に回転して調整した高
さが変わらないようにするものである。
【0013】図3、図4には固定金具10の一具体例が
示してあり、この実施形態においては垂下片9の水平断
面が大径部4と同じ曲率半径となった弧状をした例を示
していて垂下片9の内面が大径部4の外面に沿うように
なっている。図5、図6には固定金具10の他の具体例
が示してあり、この実施形態においては垂下片9の水平
断面が直線の例を示している。
【0014】また、図7、図8には固定金具10の他の
具体例が示してある。この実施形態においては、垂下片
9の下端から側方に第2固定片11を連出した例を示し
ており、固定金具10を床5に固定するに当たり、第2
固定片11もビス15により床5に固定することで、固
定金具10の床5への固定がより強固になるものであ
る。
【0015】なお、図示を省略しているがキャビネット
1の前端部の下方位置には図10に示す従来例と同様に
蹴込み板を取付けるものであり、該蹴込み板の取付けに
当たっては、従来例と同様に蹴込み板の背面部にC字状
をした把持具を設け、該把持具をアジャスター装置2の
軸部3に着脱自在に前方より取付けることで蹴込み板を
キャビネット1の前端下方位置に取付けるようにしてい
る。
【0016】図9には本発明の他の実施形態が示してあ
る。この実施形態においては、アジャスター装置2を切
断用表示部12を設けた軸部3と、該軸部3の下端部を
深浅自在に螺合する大径部4と、軸部3の上端部を嵌合
自在とした被嵌合部13を下面部に有するキャビネット
1を支持するための支持部14とで構成した例が示して
ある。軸部3に設けた切断用表示部12は軸部3の上下
方向に一定間隔で複数個切溝部12aを設けて、該切溝
部12aを切断用表示部12としてある。支持部14は
板状をした受け部19の下面部の中央部に軸部3の上端
部を嵌合自在とする被嵌合部13を設けると共に受け部
19の上面部の中央部に嵌め込み軸体20を上方に向け
て突設して構成してある。
【0017】しかして、この実施形態においては、大き
な高さ調整に当たっては、あらかじめ軸部3の切断用表
示部12を構成する切溝部12aのうち任意の切溝部1
2a部分において、軸部3を切断して大きな高さ調整を
し、切断後に軸部3の上端部に支持部14の被嵌合部1
3を嵌め込み(このように被嵌合部13に軸部3の切断
端部を嵌め込むことで、切断バリが露出しない)、この
状態で台所キャビネットのようなキャビネット1の底板
21に設けた孔22に下方より軸体20を嵌め込むと共
に受け部19で底板21の下面を支持するものであり、
アジャスター装置2を床5に設置した後、大径部4と軸
部3との螺合深さを調整することで、小さな高さ調整
(例えば、20mm程度の幅での小さな高さ調整)を行
うものである。このアジャスター装置2の床5への固定
に当たっては、前述の実施形態と同様にして大径部4に
固定金具10を被せて固定金具10を床5に固定するこ
とにより行うものであり、具体的取付けに当たっては、
前述の実施形態と同じであるので詳細は省略する。
【0018】ところで、図5、図6に示す実施形態、図
7、図8に示す実施形態、図9に示す実施形態におい
て、固定ねじ24を図示していないが、これらの実施形
態においても、図3、図4に示す実施形態と同様に固定
ねじ24を設けてもよいものである。
【0019】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の発明にあって
は、上述のように、キャビネットの下面部に取付けられ
て回転により上下方向に伸縮自在となったアジャスター
装置の軸部の下端部に設けた軸部よりも大径となった大
径部を床に設置し、ねじ孔に固定ねじを螺合させてある
立ち上がり片を固定片の端部から上方に突設し且つ立ち
上がり片の上端から固定片と反対方向に二股となった上
横片を連出し且つ各上横片の先端から垂下片を垂設して
固定金具を構成し、アジャスター装置の軸部に二股の上
横片間を通して上横片と垂下片と立ち上がり片とでアジ
ャスター装置の大径部や軸部が回転はできるが横方向に
移動しないように大径部を覆って固定片を床に固定する
と共に、固定ねじの先端部を大径部に押圧して大径部が
回転しないようにしてあるので、固定金具の取付けに当
たって、アジャスター装置を床に設置した後に行うこと
ができ、固定金具の配置位置の位置決めを先に行う必要
がなく、また、アジャスター装置を設置した後であって
も、アジャスター装置の横方向の移動を防止すると共に
上方への浮き上がりを防止することができるものであ
り、更に、固定金具による固定後においても、アジャス
ター装置の高さ調整ができるものであり、また、固定金
具を大径部に被せた状態で固定金具を回転することで、
固定片による固定位置を固定しやすい位置に選ぶことが
できるものである。そして、高さ調整が完了した状態で
且つアジャスター装置を床に固定した状態で、立ち上が
り片に螺合した固定ねじを回して固定ねじの先端部を大
径部に押圧して大径部が回転しないように固定して、軸
部が振動等で不用意に回転して調整した高さが変わらな
いようにすることができるものである。
【0020】また、請求項2記載の発明にあっては、上
記請求項1記載の発明の効果に加えて、垂下片の下端か
ら側方に第2固定片を連出して第2固定片を床に固定し
てあるので、固定金具による床への固定がより確実とな
るものである。また、請求項3記載の発明にあっては、
上記請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、
切断用表示部を設けた軸部と、該軸部の下端部を深浅自
在に螺合する大径部と、軸部の上端部を嵌合自在とした
被嵌合部を下面部に有するキャビネットを支持するため
の支持部とでアジャスター装置を構成してあるので、上
下方向の大きな調整に当たっては切断用表示部部分で切
断して大きな調整と行い、且つ、小さな調整に当たって
は、軸部と大径部との螺合深さを調整することによって
行うことができるものであり、また、切断用表示部にお
いて切断して大きな調整をおこなった後、軸部を受け部
の被嵌合部に嵌め込んで簡単にアジャスター装置を組み
立て構成できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の斜視図である。
【図2】同上のアジャスター装置を固定金具で覆って固
定している状態の正面図である。
【図3】同上に用いる固定金具の一実施形態を示し、
(a)は正面断面であり、(b)は平面図である。
【図4】同上の取付け状態の一部省略した正面図であ
る。
【図5】同上に用いる固定金具の他の実施形態を示し、
(a)は正面図であり、(b)は平面図である。
【図6】同上の取付け状態の一部省略した正面図であ
る。
【図7】同上に用いる固定金具の更に他の実施形態を示
し、(a)は正面図であり、(b)は平面図である。
【図8】同上の取付け状態の一部省略した正面図であ
る。
【図9】本発明に用いるアジャスター装置の他の実施形
態を示す正面断面図である。
【図10】従来例を示す断面図である。
【図11】従来例の横方向移動防止部を示し、(a)は
平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は側面図
である。
【符号の説明】
1 キャビネット 2 アジャスター装置 3 軸部 4 大径部 5 床 6 固定片 7 立ち上がり片 8 上横片 9 垂下片 10 固定金具 11 第2固定金具 12 切断用表示部 13 被嵌合部 14 支持部 15 ビス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭58−109280(JP,U) 実開 昭59−66454(JP,U) 実開 昭62−155640(JP,U) 実開 平5−9348(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47B 91/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビネットの下面部に取付けられて回
    転により上下方向に伸縮自在となったアジャスター装置
    の軸部の下端部に設けた軸部よりも大径となった大径部
    を床に設置し、ねじ孔に固定ねじを螺合させてある立ち
    上がり片を固定片の端部から上方に突設し且つ立ち上が
    り片の上端から固定片と反対方向に二股となった上横片
    を連出し且つ各上横片の先端から垂下片を垂設して固定
    金具を構成し、アジャスター装置の軸部に二股の上横片
    間を通して上横片と垂下片と立ち上がり片とでアジャス
    ター装置の大径部や軸部が回転はできるが横方向に移動
    しないように大径部を覆って固定片を床に固定すると共
    に、固定ねじの先端部を大径部に押圧して大径部が回転
    しないようにして成ることを特徴とするアジャスター装
    置の固定構造。
  2. 【請求項2】 垂下片の下端から側方に第2固定片を連
    出して第2固定片を床に固定して成ることを特徴とする
    請求項1記載のアジャスター装置の固定構造。
  3. 【請求項3】 切断用表示部を設けた軸部と、該軸部の
    下端部を深浅自在に螺合する大径部と、軸部の上端部を
    嵌合自在とした被嵌合部を下面部に有するキャビネット
    を支持するための支持部とでアジャスター装置を構成し
    て成ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のア
    ジャスター装置の固定構造。
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