JP3366877B2 - 接触型電荷供給装置 - Google Patents
接触型電荷供給装置Info
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Description
オプリンター、ファクシミリ、複写機、ディスプレー等
の画像形成装置に使用される接触帯電装置あるいは接触
転写装置等の接触型電荷供給装置の技術分野に属する。
帯電用部材を被帯電体に接触させて、被帯電体を帯電も
しくは除電させる接触帯電装置、及び、外部より電圧を
印加した転写用部材と被帯電体との間に転写材を通過さ
せ、被帯電体上から現像剤を転写材に転写する接触転写
装置等の接触型電荷供給装置の技術分野に属する。な
お、本明細書では帯電用部材あるいは転写用部材を総じ
て単に接触部材ともいう。
感光体ドラムに静電潜像を形成し、この静電潜像にトナ
ーを吸着させ、さらにこのトナーを転写材に転写するよ
うに構成されている。
ラムの表面に下引き層を形成し、その上に光の照射を受
けた場合に電気導電度が変化する感光層を形成した感光
体ドラムが用いられる。もしくは、基体となるドラム表
面に下引き層を形成することなく、感光層を形成した感
光体ドラムが用いられる。
度の剛性を備えるとともに、表面に強固な電気絶縁皮膜
の形成しやすい金属材料で構成されている。また下引き
層は、ドラムの表面に酸化物を形成したり、また電気絶
縁物の被膜を形成することにより構成されている。
では帯電電荷を保持できる程度の電気絶縁性を備え、ま
た光照射を受けた場合には電荷を逃がすことができる程
度の導電性を示す有機物質や無機物質が用いられてい
る。そして感光層を形成する物質が有機物質の場合には
溶媒に溶かした調製液に、下引き層が形成されたドラム
を浸漬することにより、また無機物質の場合には下引き
層の表面に蒸着等することにより形成されている。
ロナ帯電装置や接触帯電装置等により一定電位に帯電さ
せられた状態で、画像データに対応する光ビームや光像
が照射され、静電潜像が形成される。この光照射によ
り、光照射を受けた部分だけが選択的に電気抵抗が低下
するため、この表面に存在していた電荷が消失し電位が
変化する。
に、帯電させたトナーを接触させると、光照射を受けた
部分だけ、もしくは光照射を受けなかった部分だけに選
択的にトナーを静電気力により吸着させることができ
る。
ムの表面に転写材を、感光体ドラムの回転に同期させて
移動させ、転写材にトナーの帯電極性と逆極性の電荷を
与えると、感光体ドラムのトナーが転写材に吸引され、
トナーが記録材に転写されることになる。
や、感光体ドラムに残留している電荷を除去する除電装
置、さらにはトナーを転写材に転写するための転写装置
は、何れも感光体ドラムに対して電荷を付与したり、ま
た電荷を除くための装置で、従来においては、コロナ放
電により発生した帯電粒子を利用する、いわゆるコロナ
帯電装置が用いられていた。
るという問題があり、近年はコロナ放電に比較してオゾ
ンの発生量が極めて少ない接触帯電装置、接触転写装置
が利用されるようになっている。
た導電性繊維からなるブラシや、導電性弾性材料で形成
されたローラ等を感光体ドラムの表面に直接接触させ、
これら部材と感光体ドラムとが相対的に運動して、部材
と感光体ドラム表面との接触面が近づくもしくは離れる
瞬間に形成されるわずかな間隙で微弱な火花放電を生じ
させ、感光体ドラムを帯電させるものである。
加された導電性繊維からなるブラシや、導電性弾性材料
で形成されたローラ等を感光体ドラムの表面に転写材を
介して接触させ、これら部材と転写材とが相対的に運動
して、部材と転写材表面との接触面が近づくもしくは離
れる瞬間に形成されるわずかな間隙で微弱な火花放電を
生じさせ、感光体ドラムからトナーを転写材に転写させ
るものである。また、部材と感光体ドラムとの間に転写
材がない場合、部材のクリーニング用(部材に付着した
トナー等を感光体ドラムに付着させる)の電圧を印加し
て、部材をクリーニングするものもある。
電現象を利用する関係上、コロナ放電に比較すると小さ
いものの、それでも接触部材と感光体ドラムとの間に
0.5〜1.5(kV)程度の電圧を印加している。感
光体ドラムが0.5〜1.5(kV)の耐圧を持つため
には、感光層と下引き層がともに健全で、これらに適当
に電圧が分圧される必要がある。
部が存在してここに塵埃等異物が侵入して導通路が形成
されている場合にはこの導通路に電流が集中的に流れ込
むことになる。
材が接触すると、接触部材に供給されている電圧は、感
光層表面での放電を生じることなく、これよりもインピ
ーダンスの低い、欠陥部やピンホール部内の異物等によ
り形成された導通路に電流を流すことになる。
回路により制限されている値を越えると、帯電用部材に
供給される電圧が降下するため、感光層との表面におけ
る放電が生じなくなり、このピンホール部を含む軸方向
の帯電用部材との接触領域だけが、帯電不良を起こすこ
とになる。このような帯電不良領域は、正規現像では白
帯、反転現像では黒帯が画像上に現れ、著しく画像品質
を低下させる。
中的に過大な電流が流れるため、この領域に接する帯電
用部材やピンホール部の異物が発熱し、帯電用部材の材
質変化や、感光体ドラムのピンホール部の拡大を招き、
致命的な損傷を引き起こすという問題が発生する。
部材の抵抗値の下限値を規定することが、例えば、特開
昭56−132356号公報、特開昭58−49960
号公報、特開昭64−73365号公報に見られるよう
に従来から広く行われており、帯電用部材の体積抵抗率
を105〜1011(Ωcm)の範囲内で規定することが
知られている。
層のそれよりも大きくなるように多層構造を持たせるこ
とは、特開昭64−73364号公報、特開平4−13
8477号公報、米国特許第5126913号明細書な
どにより提案されている。
では、異方導電性を示し、かつ、面方向の抵抗値が10
5(Ω)以上であるような表面層を形成した多層構成の
帯電用部材を用いることが、また米国特許第51269
13号明細書では、ピンホールに電流が集中しても電源
出力の低下を生じさせない程度にまで大きな容量の電源
を用いることにより画像の劣化を防止することが示され
ている。
層を介在させる技術についても、いろいろと提案されて
いるが、これらは、主に、感光層と導電層との密着性改
良、感光層の塗膜性改良、感光体の明・暗減衰特性改良
に関するもので、ただ特開昭61−179464号公報
には放電破壊により感光層にピンホールが発生するのを
抑制するために、下引き層(もしくは、中間層とする)
の帯電電位分圧の下限が絶対値で1(V)に規制するこ
とが開示されている。
同様に、ピンホール部に流れ込む電流値が、回路により
制限されている値を越えると、転写用部材に供給される
電圧が降下するため、転写材との表面における放電が生
じなくなり、このピンホール部を含む軸方向の転写用部
材との接触領域だけが、転写不良を起こすことになる。
中的に過大な電流が流れるため、この領域に接する転写
用部材やピンホール部の異物が発熱し、転写用部材の材
質変化や、感光体ドラムのピンホール部の拡大を招き、
致命的な損傷を引き起こすという問題が発生する。
従来から知られている技術だけでは、感光体に存在する
欠陥部やピンホール部に接触部材が接触した場合、接触
部材等の体積抵抗率に基づいて計算される電流よりも大
きな電流が流れ込む現象を防止することができない。こ
のため、感光体の長手方向の接触部材の接触領域全域に
わたって帯電もしくは転写不良を生じさせず良好な画像
を得ることができない。さらには、ピンホール部に流れ
る電流によって接触部材もしくは感光体のピンホール部
が発熱し、接触部材の劣化もしくは感光体のピンホール
部が拡大するといった現象を防止できない。以上の点が
本発明者等の研究によって判明した。
体の欠陥部による過大な電流の流れ込みによる画像の劣
化や、接触部材、被帯電体の損傷を防止することにあ
る。
せたり、装置の電気制御系統の誤動作や破損を生じさせ
ない新規な接触型電荷供給装置を提供することにある。
ムラ無く被帯電体を帯電することが可能な新規な接触型
電荷供給装置を提供することにある。
めに、請求項1の発明の接触型電荷供給装置は、外部よ
り電圧を印加した接触部材を少なくとも中間層もしくは
下引き層を含む被帯電体に接触させて、前記被帯電体を
帯電もしくは除電する接触型電荷供給装置において、前
記接触部材に印加する電圧をVa(V)、前記中間層も
しくは前記下引き層の耐圧をVb(V)、前記中間層も
しくは前記下引き層に前記耐圧と等しい電圧Vb(V)
を印加した場合に前記中間層もしくは前記下引き層に流
れる電流の電流密度をρi(μA/cm2)、前記被帯
電体に存在する微小欠陥の面積をs(cm2)とした
時、前記接触部材の、前記微小欠陥の面積と等しい面積
s(cm2)に電流ρi×s(μA)を流した時の抵抗
値をRaa(Ω)、前記中間層もしくは下引き層の、前
記微小欠陥の面積と等しい面積s(cm2)に電流ρi
×s(μA)を流した時の抵抗値をRbbとして、これ
らのVa、Vb、Raa、Rbbが、式 |Vb|≧|Va|・Rbb/(Raa+Rbb) を満足するように設定されていることを特徴としてい
る。また、請求項2の発明は、前記接触部材が帯電用部
材であることを特徴としている。更に、請求項3の発明
は、前記接触部材が転写用部材であることを特徴として
いる。
装置においては、測定して得られた耐圧Vb(V)、電
流密度ρi(μA/cm2)、微小欠陥の面積s(c
m2)、接触部材の抵抗値Raa(Ω)、および中間層
もしくは下引き層の抵抗値Rbbに基づいて、Va、V
b、Raa、Rbbが請求項1記載の式を満足する条件
で被帯電体の帯電もしくは除電が行われるので、出荷時
に見落されるような微小欠陥が被帯電体に存在していて
も、中間層もしくは下引き層に分圧される電圧がその耐
圧を越えない。したがって、被帯電体の中間層もしくは
下引き層が破壊することはない。さらに、万が一、欠陥
やピンホールが被帯電体に存在していても、それらに流
れ込む電流を、これら欠陥を拡大させない値に制限する
ことが可能となる。
が形成される感光体に適用した場合、画像に黒帯状や白
帯状の汚れの発生が防止され、また、転写不良が防止さ
れるようになる。
説明する。
欠陥について説明する。
小欠陥に相当)には、図16(a)に示したように、感
光体ドラムの下引き層71には到達せず、ただ感光層7
2表面の一部だけが欠如している欠陥75や、同図
(b)に示したようにブローホール76として感光層7
2に存在する欠陥や、同図(c)に示したように感光層
72だけではなく感光層72から下引き層71に到達し
ている欠陥77や、さらには同図(d)に示したように
感光層72表面から下引き層71を貫通してドラム本体
70にまで到達してピンホールとなっている欠陥78等
いろいろの種類のものが存在する。
うな欠陥は、その開口が比較的大きいため、出荷検査な
どにより欠陥品としてほとんど排除されるため通常は製
品中には存在しないが、同図(a)乃至(c)に示した
ような検査で検出することができない小さな欠陥であっ
ても、後述するように使用中に下引き層をも貫通してし
まう欠損に発達することがある。
た欠陥、つまり感光体の感光層と下引き層が共に破壊さ
れた状態を、以後「ピンホール」という。
光体ドラムを用いて電子写真プロセスを実行すると、図
16(c)に示したような感光層の欠陥77に、トナー
や紙粉等が侵入して感光層表面から下引き層に至る導電
路80が形成されたり(図17(a))、また図16
(a)に示したような感光層の欠陥75に、トナーや紙
粉等が侵入して導電路80が形成される(図17
(b))。このような軽微な欠陥(図16(a)、
(b))にあっても感光層72の厚みが小さくなる箇所
75aが形成されるため導電路80により、感光層72
が受け持つ分圧電圧が小さくなって下引き層71に大き
な電圧が印加されることになる。そして最終的に下引き
層が絶縁破壊される場合がある。
成されると帯電工程や転写工程、さらには除電工程にお
いて、本来感光層に分圧されるべき電圧が、ほとんど下
引き層に印加されることになって、下引き層に耐圧限界
以上の電圧が作用して、下引き層が絶縁破壊を起こす。
この導電路80を通ってドラム本体70に電流が流れ、
正常な場合に比較して大きな電流が欠陥部という狭い領
域に集中的に流れ、この領域にジュール熱が発生し、こ
の熱作用により欠陥部が図16(d)に示したようなピ
ンホール78に発展する。
損傷だけに止まらず、帯電工程や、転写工程で電荷を発
生させている接触部材の損傷をも招くことになる。
うな欠陥部や、ピンホールを有する感光体ドラムを継続
的に使用可能、つまりこれら欠陥部やピンホールに起因
する画像汚れを実用上ほとんど問題とならない程度に維
持させるためには、感光層にだけ欠陥が存在する場合
には、この欠陥を感光層内だけに留めさせて下引き層を
貫通するようなピンホールまで拡大させない。
で発展した場合でも、ピンホールへの集中的な電流の流
れ込みによるジュール熱が、感光層や接触部材の劣化を
引き起こさない。
ばよいことを見出した。これらの条件が満足されれば、
黒帯状、白帯状の汚れの発生や、また部品の交換といっ
た致命的な故障への進展を確実に防止することができ
る。
は、ピンホール部に侵入したトナーや紙粉等が導電化し
て形成された導通路、及び感光層自体が有している若干
の導電性により生じる電流の2乗とピンホール部の抵抗
の積に比例した量のエネルギーであるから、これらピン
ホール近傍領域の感光層の部分的な抵抗とピンホールに
侵入している異物の抵抗の合成値が問題となる。
発達するのを防止するためにピンホールに流れ込む電流
を制限するためには、接触部材の抵抗値は従来考えられ
ていたような接触部材の体積抵抗率だけで規定されるも
のではなく、感光層欠陥部、もしくは、ピンホール部か
らながめた抵抗値、つまりピンホールにジュール熱を発
生させるのに寄与している部分の、電流値や面積に依存
して変化する抵抗値が重要なファクターとなる。以下、
この抵抗値をピンホール抵抗値Rqという。
が流れ込む場合には、当然の下引き層を経由するので、
やはり感光層の欠陥部に対応する下引き層の領域の抵抗
値、つまり感光層欠陥部からながめた下引き層の抵抗値
も大きなファクターとなる。
る下引き層の抵抗値rqとする。
抗率で算出できるものではなく、(各層に作用している
電圧)/(流れる電流)から算出したものを使用するの
が極めて妥当である。
が存在する場合には、この欠陥を感光層内だけに留めさ
せて下引き層を貫通するように欠陥までに拡大させない
こと、及び万が一ピンホールにまで発展していてもこ
れへの集中的な電流の流れ込みによるジュール熱を、感
光層や接触帯電部材の劣化を引き起こすよりも小さな値
に制限することを実現するために必要なピンホール抵抗
値Rqについて検討する。
き層の抵抗値(欠陥部もしくはピンホール部からながめ
た下引き層の抵抗値)rqとピンホール抵抗値Rqとの
分圧モデルを立て、下引き層にその耐圧以上の電圧が印
加されない条件を求める。
はトナーや紙粉等が侵入して、これらが導電化している
ため、このトナーや紙粉を介して感光層欠陥部の底と接
触部材とが電気的に接触している場合や、また感光層の
欠陥の壁面を導電路として下引き層に電気的に接触して
いると考えられる。
えると、図1に示したような等価回路が成り立つ。
とすると、下引き層、つまり抵抗rqに分圧される電圧
は、 Va×rq/(rq+Rq) となる。ここで下引き層の耐圧をVtとすると、下引き
層に分圧される電圧が耐圧Vt以下となる条件は、|V
t|≦|Va|の場合には、 |Vt|≧|Va|×rq/(rq+Rq) となる。ここで、Va×Vt≧0であるから、 Rq≧rq×(Va−Vt)/Vt ・・(1) となる。
き層が絶縁破壊されることがない。
電流値をj(μA)とすると、 |j|≦|Va|×106/(Rq+rq) であるから、 Rq+rq≧Va×106/j ・・(2) を満足すれば良い。
となると、前述したようにトナーや紙粉により接触部材
とは金属で形成されているドラム本体と接触する。この
場合には前述のように絶縁物である下引き層が介在しな
いから、この導電路はかなり低抵抗となる。
ル部に流しても良い電流値、つまりここを流れる電流に
より発生するジュール熱に起因してピンホールを現状よ
りも拡大させないための最大電流の値をk(μA)とす
ると、の |Vt|>|Va| の場合と同様に、 Rq≧Va×106/k ・・(3) となる。
ール部に流しても良い電流値とは、前述したようにジュ
ール熱により、感光層欠陥部、もしくは、ピンホール部
を拡大させず、かつ、接触部材も劣化させない最大の電
流値を言う。
ホール部面積が小さいこと、及び、流れる電流値が小さ
いことから、ピンホール抵抗値Rq、感光層欠陥部にお
ける下引き層の抵抗値rqを実測することは難しい。そ
ればかりでなく、ピンホール抵抗値Rqは、接触部材の
体積抵抗率をρ、厚みをL、欠陥部(もしくは、ピンホ
ール部)の面積をsとして、 Rq=ρ×L/s なる計算から求めたマクロな値と一致しないことが判明
した。
形成して、集中的に電流を流そうとしても、電流の導電
路が電極の投影面積よりも広がるため、見かけの抵抗、
つまり電極の面積に一致する導電路から導き出される抵
抗値よりも、実測により得られる抵抗値が電流の広がり
分だけ小さくなるという現象、いわゆる周辺効果が生じ
る。すなわち、接触部材からピンホールに流れ込む電流
と、その時に印加されている電圧から単純に求められる
抵抗値は、ピンホールに侵入した異物により形成された
導電路自体の抵抗値よりも小さくなる。
質は、電圧電流特性が線形(オーミックな関係)でな
く、非線形な半導体特性を備えているから、このような
物質で構成されている接触部材を介して電圧が印加され
るピンホールに流れ込む電流は、ピンホールに流れ込む
電流の値によって、これに印加される電圧が非線形に変
化するので、結果としてピンホールに流れ込む電流値に
より接触部材の抵抗値も変化する。
感光層欠陥部における下引き層の抵抗値rqについて考
える場合には、上記2つの点をも考慮しなければ、感光
体ドラムや接触部材の劣化を防止するための現実的な条
件を導き出すことできない。
た現象を「抵抗の面積依存性」、また(2)の現象を「抵
抗の電流依存性」という。
とは、接触部材の感光体に接触する部分に異なる面積の
測定電極を接触させ、測定電極と接触部材の電極との間
に、同一電流密度の電流を流したときの抵抗の面積依存
性を言う。
は、下引き層のみを形成した感光体に異なる面積の測定
電極を接触させ、測定電極と接触部材の電極との間に、
同一電流密度の電流を流したときの抵抗の面積に対する
依存性を言う。
定方法を示すものであって、この実施例では被測定物と
して、単層ローラとして構成された接触部材を用いた場
合に例を採ったものである。
が形成された接触部材101の表面に、異なる面積の測
定電極104〜106を、図示していない押圧部材で接
触部材101の表面に倣わせて圧接させる。測定電極1
04〜106から配線を取り出し、スイッチ108、電
圧値をモニター可能な電流源(例えば、ソースメジャー
ユニット237型、Keithley製、以降、単に電源とす
る。)109を介して、導電性基体102に接続する。
電源109から流す電流値は、電流密度が一定となるよ
うにする。スイッチ108を切り換えることで、各測定
電極に対する接触部材101の抵抗値が測定できる。こ
こで、測定電極104、105、106をローラ103
の端部近傍に位置させるよりも、ローラ中央部に接触さ
せた方が、電流の広がることができる領域が大きくなっ
て、いっそう周辺効果を確認しやすいので、ローラ中央
部に接触させるのが望ましい。
の抵抗の面積依存性を示すグラフである。横軸に測定電
極の面積の対数値を、縦軸に測定された抵抗値の対数値
を取り、測定点をプロットすると、傾き−βの直線とな
る。ここで、1−β値を接触部材の抵抗の面積依存性と
定義する。
測定すると、その抵抗は、接触部材の場合とは勾配が異
なるもののやはり傾き−αを持つ直線となる。ここで、
1−α値を下引き層の抵抗の面積依存性と定義する。
例する場合、つまり面積依存性がない場合はβ=1、α
=1となる。
触部材が感光体と接触する部分で、かつ、実際に接触部
材と感光体が接触する面積S(cm2)と同等の面積の
測定電極を接触させ、測定電極と接触部材の電極との間
に異なる電流を流したときの抵抗の電流依存性を言う。
定方法を説明するための図で、接触部材として、単層ロ
ーラを用いた場合のものである。以降、同一構成要素に
は、同一符号を付す。
が形成された接触部材101の表面に、実際に接触部材
101と感光体が接触する面積S(cm2)と同等の面
積の測定電極107を、図示しない押圧部材で接触部材
101の表面に倣わせ、圧接させる。測定電極107と
導電性基体102との間に電源109を接続し、これら
の間に流れる電流値を変化させ、その時の接触部材10
1と測定電極107との間に生じる負荷電圧を測定し、
電流値と、電圧/電流とを求めることにより接触部材1
01の抵抗値の電流依存性を求めることができる。ここ
で、測定電極107は、実際に接触部材と感光体が接触
する形状とするのが望ましい。
抵抗の電流依存性を示すグラフであって、横軸に電極の
対数値を、縦軸に測定された抵抗値の対数値を取り、測
定点をプロットしたものである。
る場合には、傾き−γを持つ直線となる。このγの値を
抵抗の電流依存性と定義する。いうまでもなく、電流の
依存性がない場合にはγ=0となる。
部における下引き層の抵抗値rqを導出し、さらに、式
(1)、(2)、(3)を満足するための条件を検討する。
ピンホール抵抗値Rqについて考える。
グラフは、実際の感光体と接触部材との接触面積をS
(cm2)とし、下引き層の面積S(cm2)に耐圧Vt
(V)直前の電圧を印加したときに流れる電流値をi
(μA)として、電流密度i/S(μA/cm2)を一
定としてプロットしたものである。感光層欠陥部の面積
をs(cm2)とすると、面積sでの接触部材の抵抗値
がピンホール抵抗Rqである。面積Sでの接触部材の抵
抗値をRyとすると、グラフの傾き−βであるから、 log(Rq)=log(Ry) +β×log(S/s) ・・(4) である。
すグラフである。前述のように、グラフは、実際の感光
体と接触部材との接触面積S(cm2)一定としてあ
る。下引き層の面積S(cm2)に耐圧Vt(V)直前
の電圧を印加したときに流れる電流値をi(μA)する
と、図6の点Aと図7の点Bとは同じ抵抗値Ryを示す
測定面積、及び電流値として対応する。接触部材に電圧
Vaを印加した場合、感光体に流れ込む電流値をI(μ
A)とし、その時の接触部材の抵抗値をR(Ω)とする
と、グラフの傾き−γであるから、
引き層の抵抗値rqについて考える。
m2)にその耐圧Vt(V)直前の電圧を印加したとき
に流れる電流、抵抗値を各々、i(μA)、Rp
(Ω)、下引き層の抵抗値の面積依存性を1−α、とす
ると、
ピンホール抵抗値Rqについて考える。
すグラフである。ここで、グラフは、感光層欠陥部の面
積s(cm2)に流しても良い電流値j(μA)とし
て、電流密度j/s(μA/cm2)一定としてある。
面積sでの接触部材の抵抗値がピンホール抵抗Rqであ
る。面積S(cm2)での接触部材の抵抗値をRzとす
ると、 log(Rq)=log(Rz) +β×log(S/s) ・・(9) である。
すグラフである。前述のように、グラフは、実際の感光
体と接触部材との接触面積S(cm2)一定としてあ
る。面積S(cm2)に電流値をj×S/s(μA)を
流した時の図8に示す点Cと、図7の点Dとは同一の抵
抗値Rzを電流値と面積をそれぞれ示している。接触部
材に電圧Vaを印加した場合、感光体に流れ込む電流値
をI(μA)とし、その時の接触部材の抵抗値をR
(Ω)とすると、
抵抗値rqについて考える。
(cm2)に流しても良い電流値j(μA)を面積s
(cm2)に流したときの下引き層の抵抗値がrqであ
る。面積S(cm2)に電流j×S/s(μA)を流し
た時の抵抗値をRp(Ω)、下引き層の抵抗値の面積依
存性を1−αとすると、
面積依存性を示すグラフである。ここで、グラフは、ピ
ンホール部の面積s(cm2)に流しても良い電流値k
(μA)とし、その時の電流密度k/s(μA/c
m2)一定としたものである。面積sでの接触部材の抵
抗値がピンホール抵抗Rqである。面積S(cm2)で
の接触部材の抵抗値をRxとすると、 log(Rq)=log(Rx) +β×log(S/s) ・・(14) である。
すグラフである。前述のように、グラフは、実際の感光
体と接触部材との接触面積S(cm2)一定としてあ
る。面積S(cm2)に電流値をk×S/s(μA)を
流した時の点F(図7)と、図9の点Eとは同じ抵抗値
Rxとなる電流値と面積との関係を示している。接触部
材に電圧Vaを印加した場合、感光体に流れ込む電流値
をI(μA)とし、その時の接触部材の抵抗値をR
(Ω)とすると、
き層をある特定の材料で構成した場合に成り立つ関係を
示すものではあるが、これらを構成する材料を他の材料
に代えた場合でも、グラフの傾き、切片が変化するもの
の、同様な傾向を示すことには変わりはない。
法について説明する。
接する(このときの接触面積がS(cm2)である)。
感光体を実際の条件で回転、移動させ、接触部材を実際
の条件で回転、固定、移動させる。接触部材に電圧Va
を印加する。なお、接触部材が接触転写用部材の場合に
は、記録用紙等の転写材を感光体と接触部材との間に介
装しない状態で測定する。この条件下で、感光体に流れ
込む電流値I(μA)を測定する。
の方法を示すもので、被測定物として単層ローラとして
構成された接触部材101を用いた場合を示すものであ
る。
0を設置し、接触部材101と金属電極110とを実際
の条件で圧接する。金属電極110を実際の条件で矢印
W方向に回転させ、接触部材101を実際の条件で回
転、固定、移動させる(図10の場合は、金属電極11
0の回転によって連れ回る、いわゆる、従動状態)。こ
の状態で、接触部材101の導電性基体102と金属電
極110との間に電源109を接続し、電流I(μA)
を流し、このときに印加されている電圧値から抵抗値を
算出する。
抵抗値R(Ω)と定義する。
測定方法について説明する。
ラム本体に下引き層だけが形成され、感光層の形成され
ていないものを試料として用いる。この試料に、その下
引き層の体積抵抗率よりも1桁以上低い体積抵抗率を持
つ部材を面積S(cm2)となるように圧接し、低抵抗
な部材と感光体の導電層との間に電圧を印加する。一定
時間電圧を印加した後、電圧を増加させていき、下引き
層が絶縁破壊を起こす時の電圧を測定する。
の電圧を下引き層の耐圧Vtと定義する。さらに、下引
き層に電圧Vt直前の電圧を印加したときに下引き層が
示す抵抗の値を下引き層の抵抗値Rpと定義する。
は、下引き層が絶縁破壊することがない。この場合は、
下引き層の面積s(cm2)に流しても良い電流値j
(μA)として、面積S(cm2)に電流j×S/s
(μA)を流した時に下引き層が示す抵抗値もってRp
(Ω)とする。
a、Vt、I、i、j、k、S、s、α、β、γの値
が、式(8)もしくは(13)もしくは(17)を満足すれば、た
とえ感光体ドラムにピンホールが発生しても、極端な画
質の低下や、部材の破壊を防止できる。
保持された場合においても同様な議論ができる。という
のは、抵抗値Rは、図10で示す方法で測定した抵抗値
であるので、感光体と接触部材との接触状態を反映した
抵抗値になるからである。ただし、この場合、被帯電体
と接触部材とは接触しないから、接触面積Sは存在しな
い。そこで、実使用状態で、被帯電体を金属電極に変
え、接触部材にI(μA)を流したときの抵抗値を抵抗
値Rと定義する。また、面積依存性の項は0となるの
で、式(8)、(13)、(17)のlog(S/s)の項は0と
なる。
上に直接感光層が形成されている場合は、感光層を貫通
する欠陥が存在すれば、これがそのままピンホールとな
る。
ラムに対しては前述の対策のうちだけが有効となる。
つまり、式(17)を満足すればよい。
子写真方式を用いた画像形成装置に適用する場合につい
て説明する。
電用部材の概略断面図を図11に示す。なお、図11
は、帯電用部材10を被帯電体50に接触した状態で示
し、同一構成要素には同一符号を付してある。
して構成されたものであって、鉄、アルミニウム、ステ
ンレス、真鍮等の金属、合金、カーボン分散樹脂、金属
粒子分散樹脂等からなる導電性基体11上に、下記物質
郡ア)から選ばれる材料と下記物質郡イ)-1.〜イ)-4.から選
ばれる材料とを主成分として構成される導電性弾性層1
2を設けたものである。
あって、鉄、アルミニウム、ステンレス、真鍮等の金
属、合金、カーボン分散樹脂、金属粒子分散樹脂等から
なる導電性基体11上に、下記物質群ア)から選ばれる材
料と下記物質群イ)-4.から選ばれる材料とを主成分とし
て構成される導電性弾性層12を設け、さらに、下記物
質群ウ)-1.〜ウ)ー3.から選ばれる材料とを主成分とした表
面層13を設けたものである。
あって、鉄、アルミニウム、ステンレス、真鍮等の金
属、合金、カーボン分散樹脂、金属粒子分散樹脂等から
なる導電性基体11上に、下記物質群ア)から選ばれる材
料と下記物質群イ)-1.〜イ)-4.から選ばれる材料とを主成
分として構成される導電性弾性層12を設け、さらに、
下記物質群ア)から選ばれる材料と下記物質群ウ)-1.〜ウ)-
3.から選ばれる材料とを主成分とした抵抗層14を設け
たものである。
あるいはフォーム状である。また、導電性弾性層がフォ
ーム状であるとき、導電性の支持部近傍より表面近傍の
セル径が小さい、または、表面にソリッド状のスキン層
を持っていても良い。なお、表面層は、導電性弾性層を
保護し、または、導電性弾性層からの低分子量成分、未
反応物質、添加剤等のしみだしを防止する。また、ロー
ラ状の帯電用部材を用いる場合、感光体とローラの周速
は同等でも異なっていても良い。
ーラであって、鉄、アルミニウム、ステンレス、真鍮等
の金属、合金、カーボン分散樹脂、金属粒子分散樹脂等
からなる導電性基体11上に、下記物質群ア)から選ばれ
る材料と下記物質群イ)-1.〜イ)-4.、ウ)-1.〜ウ)-3.から選
ばれる材料とを主成分として繊維状に成形したブラシ1
5を接合・接着したものである。
ラシとして構成されたものであって、鉄、アルミニウ
ム、ステンレス、真鍮等の金属、合金、カーボン分散樹
脂、金属粒子分散樹脂等からなる導電性基体11上に、
下記物質群ア)から選ばれる材料と下記物質群イ)-1.〜イ)-
4.、ウ)-1.〜ウ)-3.から選ばれる材料とを主成分として繊
維状に成形したブラシ15を接合・接着したものであ
る。
として構成されたものであって、鉄、アルミニウム、ス
テンレス、真鍮等の金属、合金、カーボン分散樹脂、金
属粒子分散樹脂等からなる導電性基体11に、下記物質
群ア)から選ばれる材料と下記物質群イ)-1.〜イ)-4.、ウ)-
1.〜ウ)-3.から選ばれる材料とを主成分として板状に形
成した導電性弾性体16を接合・接着したものである。
として構成されたものであって、鉄、アルミニウム、ス
テンレス、真鍮等の金属、合金、カーボン分散樹脂、金
属粒子分散樹脂等からなる導電性基体11に、下記物質
群ア)から選ばれる材料と下記物質群イ)-1.〜イ)-4.、ウ)-
1.〜ウ)-3.から選ばれる材料とを主成分として板状に形
成した導電性フィルム17を接合・接着したものであ
る。
として構成されたもので、下記物質群ア)から選ばれる材
料と下記物質群イ)-1.〜イ)-4.、ウ)-1.〜ウ)-3.から選ばれ
る材料とを主成分としてフィルム状に形成した導電性フ
ィルム18上に、下記物質群ア)から選ばれる材料と下記
物質群ウ)-1.〜ウ)-3.から選ばれる材料とを主成分とした
抵抗層14を設けたものを折り目がつかないように2つ
折りにして、鉄、アルミニウム、ステンレス、真鍮等の
金属、合金、カーボン分散樹脂、金属粒子分散樹脂等か
らなる導電性基体11に接合・接着したものである。
た抵抗値Rが、式(8)、(13)、(17)のいずれか一つを満
足することが必要となる。しかし、帯電用部材の構成
は、図11(a)〜(h)に限られるものでなく、ま
た、材質も限られない。また、帯電用部材に印加する電
圧は、直流電圧(直流電流)、直流電圧に交流電圧を重
畳した電圧、いずれでも構わない。
用部材に印加する電圧を直流電圧とした場合、帯電用部
材の図10で示す方法で測定した抵抗値Rと印加電圧V
aと被帯電体の帯電電位Vsとには関係があることが解
った。それは、帯電用部材の抵抗値Rが、概ね5×10
7(Ω)以上であると、Vs=−600(V)とするた
めのVaが、Va≦−1.17(kV)であり、さらに
抵抗値Rが上昇すると、指数関数的にVaの絶対値が上
昇する。また、Vs=−600(V)とするためのVa
を、Va≧−2.0(kV)とすると、R≦3×108
(Ω)となる。
108(Ω)以下であることが必要であり、より望まし
くは5×107(Ω)以下が良い。
部材に適用した場合を図12に基づいて説明する。な
お、図12は、転写用部材20を被帯電体50に接触し
た状態で示し、同一構成要素には同一符号を付してあ
る。
あって、鉄、アルミニウム、ステンレス、真鍮等の金
属、合金、カーボン分散樹脂、金属粒子分散樹脂等から
なる導電性基体21上に、下記物質郡ア)から選ばれる材
料と下記物質郡イ)-1.〜イ)-4.から選ばれる材料とを主成
分として構成される導電性弾性層22を設けたものであ
る。
あって、鉄、アルミニウム、ステンレス、真鍮等の金
属、合金、カーボン分散樹脂、金属粒子分散樹脂等から
なる導電性基体21上に、下記物質群ア)から選ばれる材
料と下記物質群イ)-4.から選ばれる材料とを主成分とし
て構成される導電性弾性層22を設け、さらに、下記物
質群ウ)-1.〜ウ)-3.から選ばれる材料とを主成分とした表
面層23を設けたものである。
あって、鉄、アルミニウム、ステンレス、真鍮等の金
属、合金、カーボン分散樹脂、金属粒子分散樹脂等から
なる導電性基体21上に、下記物質群ア)から選ばれる材
料と下記物質群イ)-1.〜イ)-4.から選ばれる材料とを主成
分として構成される導電性弾性層22を設け、さらに、
下記物質群ア)から選ばれる材料と下記物質群ウ)-1.〜ウ)-
3.から選ばれる材料とを主成分とした抵抗層24を設け
たものである。
ーラであって、鉄、アルミニウム、ステンレス、真鍮等
の金属、合金、カーボン分散樹脂、金属粒子分散樹脂等
からなる導電性基体21上に、下記物質群ア)から選ばれ
る材料と下記物質群イ)-1.〜イ)-4.、ウ)-1.〜ウ)-3.から選
ばれる材料とを主成分として繊維状に成形したブラシ2
5を接合・接着したものである。
た抵抗値Rが、式(8)、(13)、(17)のいずれか一つを満
足することが必要となる。しかし、転写用部材の構成
は、図12(a)〜(d)に限られるものでなく、ま
た、材質も限られない。
セチレンブラック)、金属酸化粉(例えば、ITO粉、
SnO2 粉)、金属、合金粉(例えば、Ag粉、Al
粉)、塩(例えば、四級アンモニウム塩、過塩素酸
塩)、導電性を有する樹脂(例えば、ポリアセチレン、
ポリピロール)イ)-1.天然ゴム。
ロシリコンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、ヒドリ
ンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ニ
トリルブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレン
ゴム、イソブチレンイソプレンゴム、エチレンプロピレ
ンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、チオコール、
等の合成ゴム、またはこれらのブレンド。
ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、メタクリル樹脂
等を含むエラストマー材料。
ンフォーム、ポリエチレンフォーム、エラストマーフォ
ーム、ゴムフォーム等の軟質フォーム材料。
ート等のアクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ−1−メチ
ルスチレン等のスチレン樹脂、ブチラール樹脂、ポリビ
ニルクロライド、ポリビニリデンクロライド、ポリビニ
ルフルオライド、ポリビニリデンフルオライド、ポリエ
ステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース樹脂、
ポリアリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ナイロン樹脂
等の熱可塑性樹脂、またはこれらの共重合体、混合体。
アルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアミ
ン、ポリアリルアミン、ポリビニルアクリル酸、ポリビ
ニルメタクリル酸、ポリビニル硫酸、ポリ乳酸、ガゼイ
ン、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、アラビ
アゴム、ポリグルタミン酸、ポリアスバラギン酸、ナイ
ロン樹脂等の水溶性樹脂、またはこれらの共重合体、混
合体。
レタン樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド
樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂等の熱硬化性樹脂。
転写用部材に成形する方法は、公知の成形方法を用いる
ことができる。
図を図13に示す。
電体50であって、ドラム本体である導電性基体51、
下引き層52、感光層である誘電層53とから構成さ
れ、また、図13(b)に示すものは、前述の下引き層
52を設けることなく導電性基体51の表面に直接、誘
電層53を形成した2層構成の被帯電体50である。本
発明が適用可能な被帯電体にはいろいろのバリエーショ
ンがある。
ム、ステンレス、真鍮等の金属、合金、カーボン分散樹
脂、金属粒子分散樹脂等により構成されている。
ルマイト(Al2O3)や酸化シリコン、ベーマイト(A
l・O・OH)、窒化シリコン、炭化シリコン等や、上
記物質群ア)から選ばれる材料と前述の物質群ウ)-1.〜ウ)-
3.から選ばれる材料とを主成分としたものにより構成さ
れている。
光導電体を含む感光層や、上記物質群ウ)-1.〜ウ)-3.から
選ばれた電気絶縁性を示す物質により構成されている。
感光層は、いわゆる、電荷発生層(CGL)と電荷輸送
層(CTL)との2層構成の機能分離型のもの、あるい
は、電荷発生剤(CGM)と電荷輸送剤(CTM)とが
同一層内に、分散・相溶した単層構成のもの、必要に応
じて表面に保護層が形成されたもの等がある。
るものでなく、また、材質も限られない。
用いた画像形成装置について説明する。
って、接触帯電装置として、図11(a)で示す帯電用
部材を用い、図13(a)で示す被帯電体を用いたもの
である。この実施例において帯電用部材は、図10で示
す方法で測定した抵抗値Rが、式(8)、(13)、(17)のい
ずれか一つを満足している。
下引き層52、誘電層53として感光層が形成された被
帯電体50が、画像形成開始信号を受けて、図示してい
ない駆動手段によって矢印Wの方向に所定速度で回転さ
れると、接触帯電装置30を構成しているローラ12も
従動するから、これらの回動中に連続的に形成される間
隙により微弱な火花放電が生じて被帯電体50の表面が
所定電位(例えば−600(V))に帯電される。
10の導電性基体11に電源60から電圧が供給され、
また、押圧手段61によって、被帯電体50に導電性弾
性層12が圧接されている。
るために導電性基体11に供給される電圧は、直流電圧
(直流電流)、あるいは、直流電圧に交流電圧を重畳し
た電圧である。帯電極性は、用いる感光層の特性に合わ
せて決定すれば良い。
る光31により、画像に対応した潜像が被帯電体50上
に形成され、現像手段32から供給されたトナーが被帯
電体50上に画像に対応して選択的に静電吸着されてト
ナー像に変換される。被帯電体50上に吸着されたトナ
ーは、矢印方向に移動する転写材33へと転写手段34
によって転写され、図示していない定着手段によって転
写材33上に定着・固定化される。
は、クリーニング手段35によって除去され、また、必
要に応じ、図示していない光源から出射された除電光3
6によって、被帯電体に残留した電荷が除去される。そ
して、被帯電体50は、再び、接触帯電装置30によっ
て所定電位に帯電される。
LED、LCS等公知の手段を用いることができる。
シ現像手段、1成分磁気ブラシ現像手段、1成分ジャン
ピング現像手段、1成分圧接現像手段等が適用できる。
トナーは、ポリエステル系樹脂、スチレンアクリル系樹
脂等の結着樹脂中に、色材を分散した、粒径5〜20
(μm)の粒子であって、必要に応じ、金属石鹸、ポリ
エチレングリコール等の界面活性剤(分散剤)、電子受
容性の有機錯体、塩素化ポリエステル、ニトロフニン
酸、第四級アンモニウム塩、ピリジウム塩等の帯電制御
剤、ポリプロピレンワックス等の離型剤、タルク等の充
填剤、SiO2、TiO2等の流動性向上剤が内添、もし
くは、外添される。トナーは、現像器内で均一に混合、
分散され、所定電荷に帯電される。現像器内にキャリア
と共に混合しても良い。トナーの帯電極性は、被帯電体
50の帯電極性をマイナスにし、反転現像を行う場合、
マイナスとなる。
転写可能な手段、例えば、コロナ転写手段、接触転写装
置を使用することができる。クリーニング手段35とし
ては、ブレード式クリーニング手段、ファーブラシクリ
ーニング手段がある。除電光36としては、例えば、L
EDランプがある。なお、除電光36を照射しなくと
も、画像形成は可能である。
行われる。
で測定した抵抗値Rが、式(8)、(13)、(17)のいずれか
一つを満足しているから、画像に黒帯を発生させること
も、また、帯電用部材を劣化させることもなく、画像品
質、信頼性が大幅に向上した。
込んだ画像形成装置について説明する。
って、接触転写装置として、図12(a)で示す転写用
部材を用い、図13(a)で示す被帯電体を用いた場合
の例で示す。ここで、転写用部材は、図10で示す方法
で測定した抵抗値Rが、式(8)、(13)、(17)のいずれか
一つを満足している。
に、下引き層52、誘電層53として感光層が形成され
た被帯電体50が、画像形成開始信号を受けて、図示し
ていない搬送手段によって矢印W方向に所定速度で回転
を始め、帯電手段37によって被帯電体50の表面が所
定電位に帯電される。図示していない潜像形成手段より
出射される光31により、画像に対応した潜像が被帯電
体50上に形成され、現像手段32よりトナーが被帯電
体50上に現像される。被帯電体50上に現像されたト
ナーは、矢印方向に移動する転写材33へと接触転写装
置40によって転写され、図示していない定着手段によ
って転写材33上に定着・固定化される。
20の導電性基体21に電源62から、トナーの帯電極
性とは逆極性の電圧が供給され、また、押圧手段63に
よって、被帯電体50に導電性弾性層22が圧接されて
いる。なお、転写用部材20は、被帯電体50の回転に
よって、連れ回っている。
は、クリーニング手段35によって除去され、また、必
要に応じ図示していない光源から出射された除電光36
によって、被帯電体に残留した電荷が除去される。そし
て、被帯電体50は、再び、帯電手段37によって、所
定電位に帯電される。
帯電装置が使用できる。
像が転写位置に達するまでの任意時間に、図示していな
いスイッチによって電源を切り換え、転写用部材をクリ
ーニングすることも可能である。この場合のクリーニン
グ電圧は、トナーの帯電極性と同極性の電圧である。
回転によって連れ回る構成でなく、ギヤ等によって強制
的に回転させる構成であっても構わない。
が行われる。
で測定した抵抗値Rが、式(8)、(13)、(17)のいずれか
一つを満足しているから、画像に黒帯を発生させること
も、また、転写用部材を劣化させることもなく、画像品
質、信頼性が大幅に向上した。
にさらに詳細に説明する。
して、下記に示す有効長22.5(cm)の部材A〜H
を用い、被帯電体として、アルミニウム製の円筒状の導
電性基体、厚み8(μm)のアルマイト層からなる下引
き層、厚み20(μm)の機能分離型・マイナス帯電用
感光層からなる誘電層が積層された、3(cmφ)の円
筒状被帯電体を用いた。
ンフォームを形成したローラ(体積抵抗率107(Ωc
m)、アスカC硬度30(°)、セル径200(μ
m)、肉厚5(mm))。
レタンフォームを形成したローラ(体積抵抗率10
8(Ωcm)、アスカC硬度26(°)、バブルポイン
ト法によるセル径10(μm)、肉厚5(mm))。
を形成したローラ(体積抵抗率9×106(Ωcm)、
アスカC硬度60(°)、肉厚5(mm))。
ンフォーム(体積抵抗率105(Ωcm))を形成し、
その上に抵抗層として過塩素酸塩を内添したナイロン熱
収縮チューブ(体積抵抗率5×109(Ωcm)、厚み
50(μm))を被覆したローラ(アスカC硬度60
(°)、肉厚5(mm))。
ンフォーム(体積抵抗率105(Ωcm))を形成し、
その上に抵抗層としてカーボンブラックを内添したナイ
ロン熱収縮チューブ(体積抵抗率1010(Ωcm))を
被覆したローラ(アスカC硬度60(°)、肉厚(5m
m))。
ンを用いたデッキブラシ(600(D)/100
(F)、100000(F/inch2)、体積抵抗率
108(Ωcm)、ブラシ長さ5(mm)、ブラシ幅8
(mm))。
ブラックを内添したポリエチレンフィルム(体積抵抗率
109(Ωcm)、厚み40(μm))を2つ折り(図
11(h)の構成)にしたフィルム。
状、もしくは、シート状に切り出し、高抵抗抵抗率計
(例えば、ハイレスタIP(三菱油化社製)、100
(V)印加、1分値)を用いて測定した(NN環境(2
0(℃)、50(%RH))、以降も断りがない限り、
NN環境下とする)。
し、この被帯電体、及び、部材A〜Gを図14に示す画
像形成装置に組み込み、画像形成を行って、画像の様子
を調べた。なお、被帯電体は、部材を交換する毎に新し
い被帯電体に交換した。
0.3(mmφ)以上の欠陥部は、目視で検出でき、使
用前に欠陥品としてはねることができる。そこで、欠陥
部の大きさを目視検査の検出限界である0.3(mm
φ)(面積sは、7×10-4(cm2))と決め、0.
3(mmφ)の欠陥を被帯電体に形成した。形成した欠
陥は、いわゆる、ピンホール(下引き層も貫通するよう
な状態に破壊した欠陥)と、下引き層は破壊せず感光層
のみ破壊した(傷つけた)感光層欠陥との2種類を用意
した。
す画像形成装置に組み込み、被帯電体を−600(V)
に帯電させるのに必要な電圧Va、電流Iを測定した。
なお、被帯電体の周速度は3(cm/sec)とした。
その結果、Va=−1.16(kV)、I=−6(μ
A)であった。
がって、部材の抵抗値Rを測定した。なお、測定電流は
−6(μA)とし、金属電極110として、径3(cm
φ)の円筒電極を用い、周速度3(cm/sec)で回
転させた。部材A〜Eについては、部材に1(kg)の
荷重をかけ金属電極110に圧接させ、部材F、Gにつ
いては、部材の導電性基体と金属電極との間隔が3(m
m)になるようにした。結果を表1に示す。
電源の制限電流値を−20(μA)として実験した。実
験結果を表1に併せて示す。
ンホールがある被帯電体を用いて画像形成した場合の画
像(黒帯か黒点か)と、部材の抵抗値Rとの関係は無い
ことが解る。ここで、画像に黒帯が形成されず、ただ黒
点だけのものはピンホールに対しても極端な画像劣化を
招くものではないので、ピンホールに対する対策が取れ
ていると判断することができる。
く、もしくは、部材の体積抵抗率を高くすれば、ピンホ
ール対応が取れるというものではなく、また、部材を多
層構成にすればピンホール対応を取れるというものでも
ないことが解る。
以下のような測定を行った。
に、厚み8(μm)のアルマイト層からなる下引き層の
みが形成された被測定物を用いて、下引き層の耐圧V
t、下引き層の抵抗値Rpを測定した。なお、下引き層
表面に接触させた電極面積Sは6.75(cm2)(ニ
ップ幅3(mm)に相当)とした。その結果、耐圧Vt
は、Vt=−300(V)、抵抗値は、Rp=2×10
6(Ω)であった。従って、i=−300/2×106=
−150×10-6、つまり、−150(μA)であっ
た。
測定した。測定は、電極面積を6.75(cm2)、1
(cm2)、0.5(cm2)、0.1(cm2)の4水
準で、電流密度を(−300/2×106)/6.75
=−22.2×10-6、つまり、−22.2(μA/c
m2)とした。図3のように、横軸に面積の対数値、縦
軸に抵抗の対数値を取り、測定点をプロットしたとこ
ろ、傾き−1の直線になった。したがって、α=1であ
る。
さのピンホールを形成し、ピンホール部を拡大させな
い、もしくは部材を劣化させないための許容電流値を測
定した。
徐々に電流を増加させ、ピンホール径に拡大が生じる電
流、または部材に劣化が認められる電流を求めた。な
お、使用した部材は、部材Aとし、定電流を30分流し
続けた。結果は、−3(μA)まで、ピンホール径の拡
大、また、部材の劣化がなかった。したがって、k=−
3(μA)である。
(V)であるから、|Vt|≦|Va|である。したが
って、ピンホール対応を取るためには、式(8)、(17)の
いずれかを満足する必要がある。また、下引き層を絶縁
破壊させない対応を取る場合、下引き層の面積s(cm
2)に流れる電流は、|−22.2×7×10-4|=|
−0.02(μA)|<|−3(μA)|であるから、
感光層欠陥部の拡大はない。
β、電流依存性γを測定した。
は、電極面積を6.75(cm2)、1(cm2)、0.
5(cm2)、0.1(cm2)の4水準とし、電流密度
を(−300/2×106)/6.75=−22.2×
10-6[−22.2(μA/cm2)]と、−3×10
-6/7×10-4=−4.3×10-3[−4.3(mA/
cm2)]の2水準とし、各々の電流密度で、図3のよ
うに、横軸に面積の対数値、縦軸に抵抗の対数値を取
り、測定点をプロットして傾きを求め、βを求めた。
は、電極面積を6.75(cm2)とし、電流値を−
0.1(μA)、−1(μA)、−6(μA)、−10
0(μA)の4水準として、図5に示すように、横軸に
電流の対数値、縦軸に抵抗の対数値をとり、測定点をプ
ロットしてその傾きからγを求めた。
お、電流密度1とは、−22.2(μA/cm2)、電
流密度2とは、−4.3(mA/cm2)のことであ
る。また、表2には、部材A〜GのRも併せて記す。
(V)、S/s=9600、i/I=25、k/I=
0.5、α=1、Vt=−300(V)、Rp=2×1
06(Ω)を用いて、式(8)、(17)が満足されるかを調べ
た。
は、部材の抵抗値Rの対数値、式を満足するかを満足の
欄、満足する場合には○印を、また満足しない場合には
×印を付けて示した。さらに右欄に、各々の式の右辺の
計算値を示す。
まで発展せずに画像が黒点で収まる部材は、式(8)、(1
7)のいずれかが満足されていることが解る。
在しない完全な被帯電体とを用いて、これらを図14に
示す画像形成装置に組み込み、A4サイズの転写材に1
万枚の画像形成を行ったが、いずれの部材によって画像
を形成させても黒帯は発生しなかった。
φ)、アルミニウム製の円筒状の導電性基体、厚み10
(μm)の中抵抗ナイロンからなる下引き層、厚み20
(μm)の機能分離型・マイナス帯電用感光層からなる
誘電層が積層された構成である。
(mmφ)の大きさの欠陥部を形成し、この被帯電体、
及び、帯電用部材として実施例1に示す部材A〜Gを図
14に示す画像形成装置に組み込み、画像形成を行っ
て、画像の様子を調べた。なお、被帯電体は、部材を交
換する毎に新しい被帯電体に交換した。
す画像形成装置に組み込み、被帯電体を−600(V)
に帯電させるのに必要な電圧Va、及び電流Iを測定し
た。
c)とした。その結果、Va=−1.16(kV)、I
=−6(μA)であった。
電源の制限電流値を−20(μA)として実験した。実
験結果を表4に示す。
基体上に、厚み10(μm)の中抵抗ナイロンからなる
下引き層だけが形成された被測定物を用いて、下引き層
の耐圧Vt、下引き層の抵抗値Rpを測定した。なお、
下引き層表面に接触させた電極面積Sは6.75(cm
2)(ニップ幅3(mm)に相当)とした。その結果、
Vt=−1000(V)、Rp=1×107(Ω)であ
った。また、i=−1000/1×107=−100×
10-6、つまり、−100(μA)であった。
測定した。測定は、電極面積を6.75(cm2)、1
(cm2)、0.5(cm2)、0.1(cm2)の4水
準で、電流密度を(−1000/1×107)/6.7
5=−14.8×10-6、つまり、−14.8(μA/
cm2)とした。図3のように、横軸に面積の対数値、
縦軸に抵抗の対数値を取り、測定点をプロットしたとこ
ろ、傾き−0.95の直線になった。したがって、α=
0.95である。
さの欠陥部を形成し、欠陥部が拡大しない、もしくは、
部材が劣化しないための許容電流値を測定した。
徐々に電流を増加させ、ピンホール径に拡大が生じる電
流、または部材に劣化が認められる電流を求めた。な
お、使用した部材は、部材Aとし、定電流を30分流し
続けた。結果は、−0.5(μA)まで、ピンホール径
の拡大、また、部材の劣化がなかった。したがって、k
=−0.5(μA)である。
0(V)であるから、|Vt|≦|Va|である。した
がって、ピンホール対応を取るためには、式(8)、(17)
のいずれかを満足する必要がある。また、下引き層を絶
縁破壊させないためには、下引き層の面積s(cm2)
に流すことのできる電流は、|−14.8×7×10-4
|=|−0.01(μA)|<|−0.5(μA)|
で、この電流値であれば感光層欠陥部も拡大しない。
表2からも明らかなように電流密度が変わっても、その
面積依存性は、ほとんど変わらない。したがって、面積
依存性は、表2の電流密度1の値を用いた。
60(V)、S/s=9600、i/I=16.7、k
/I=0.083、α=0.95、Vt=−1000
(V)、Rp=1×107(Ω)を用いて、式(8)、(17)
が満足されるかを調べた。結果を表4に併せて示す。
を示し、部材の抵抗の対数値をlog(R)の欄に、式
を満足する場合には満足の欄に○印を、また満足しない
場合には×印を付して示し、さらに右欄に、各々の式の
右辺の計算値を示す。
(8)、(17)のいずれかが満足されていることが解る。ま
た、表3と表4とを比較すると、同じ部材でも被帯電体
が変われば、画像が異なる(黒帯、黒点)ことも解る。
つまり、ピンホール対応を取るためには、部材のみなら
ず、被帯電体の特性も考慮しなくてはならないことが解
る。
い被帯電体をそれぞれ図14に示す画像形成装置に組み
込み、A4サイズの転写材に1万枚の画像形成を行った
が、画像に黒帯の発生は見れれなかった。
でピンホール対応を満足した部材C、D、F、G、およ
び、実施例1で使用した被帯電体を環境を変え、ピンホ
ール対応を満足するか調べた。測定した環境は、LL環
境(10(℃)、15(%RH))、HH環境(35
(℃)、65(%RH))とした。
す画像形成装置に組み込み、被帯電体を−600(V)
に帯電させるのに必要な電圧Va、電流Iを環境を変え
て測定した。なお、被帯電体の周速度は3(cm/se
c)とした。その結果、環境を変えても、Va=−1.
16(kV)、I=−6(μA)であった。
電源の制限電流値を−20(μA)として、実施例1と
同じように、被帯電体に故意に0.3(mmφ)の大き
さの欠陥部を形成し、画像形成を行って、画像の様子を
調べた。なお、被帯電体は、部材を交換する毎に新しい
被帯電体に交換した。画像の結果を表7に示す。
p、抵抗の面積依存性1−α、被帯電体に故意に0.3
(mmφ)の大きさの欠陥部を形成し、欠陥部が拡大し
ない、もしくは、部材が劣化しないための許容電流値k
を各々測定した。結果を表5に示す。なお、表5には、
NN環境の値も併せて示す。
t、下引き層の抵抗値Rpは、環境によって値が異なる
ことが解った。
がって、ピンホール対応を取るためには、式(8)、(17)
のいずれかを満足する必要がある。
抵抗の面積依存性1−β、抵抗の電流依存性γを測定し
た結果を表6に示す。なお、表6に示すβ値は、電流密
度がLL、NN、HHで各々、−9.9、−22.2、
−41.2(μA/cm2)の時の値とした。表6に、
NN環境の値も併せて示す。
は、下引き層の抵抗値Rpと同様に、環境によって値が
異なるが、抵抗値の面積依存性1−β、電流依存性γ
は、環境にほとんど依存しなかった。
160(V)、S/s=9600を用いて、式(8)、(1
7)が満足されるかを調べた。その結果を表7に併せて示
す。
を示し、(8)、(17)の欄に各々の式を満足するかを満足
する場合には満足欄に○印を、また満足しない場合には
×印を付けて示し、さらに右欄に式の右辺の値を示す。
と、ピンホールにより画像に黒帯を発生する部材が存在
することが解るが、この場合においても式(8)、(17)の
いずれかを満足してさえいれば、黒帯にいたらず黒点で
すむことが解る。このことから本発明は、環境の変化に
関りなく成り立つことも確認できた。
しない被帯電体を、図14に示す画像形成装置に組み込
み、温湿度調整を行わない室内で、A4サイズの転写材
に1万枚の画像形成を行ったが、画像に黒帯は発生しな
かった。
制限電流値を、被帯電体を所定電位に帯電するのに必要
な電流I(μA)と、ピンホール部に流しても良い電流
k(μA)との和とし、実施例1と同じように、被帯電
体に0.3(mmφ)の大きさの欠陥部を形成したもの
を用意し、これを用いて画像形成を行って画像の様子を
調べた。ここで、帯電用部材として実施例1において用
いた部材C、D、Gを、また被帯電体として実施例1で
用いた被帯電体を用いた。
に1000枚の画像形成を行ったが、ピンホールによる
黒帯の発生のない、良好な画像を形成することができ
た。
判断すると、電源容量Pとしては、
れることが解った。
ない被帯電体を、図14に示す画像形成装置に組み込
み、温湿度調整を行わない室内で、A4サイズの転写材
に1万枚の画像形成を行ったが、画像に黒帯は発生しな
かった。
D、Eを帯電用部材として用い、被帯電体として、下引
き層が形成されていない感光体、つまり、アルミニウム
製の円筒状導電性基体上に直接厚み20(μm)の機能
分離型・マイナス帯電用感光層からなる誘電層を形成し
た、径3(cmφ)の円筒状被帯電体を用いた。また、
被帯電体の周速度を1.5(cm/sec)に変更し
た。
るのに必要な電圧Va、電流Iを測定したところ、Va
=−1.16(kV)、I=−3(μA)であった。
の大きさの欠陥部を形成し、欠陥部が拡大しない、もし
くは、部材が劣化しないための許容電流を実施例1と同
様に求めたところ、−3(μA)であった。
の制限電流値を−6(μA)として、0.3(mmφ)
の欠陥部のある被帯電体を用いて、画像形成を行って画
像の様子を調べたところ、部材C、Dは良好な画像が得
られたが、部材Eでは黒帯画像が発生した。
ていないのでピンホールに対する対策を取るためには、
式(17)を満足すればよい。確認のため式(17)を満足する
か否かを調べたところ、部材C、Dは式(17)を満足して
いたが、部材Eは満足しなかった。このことからも下引
き層が形成されていない場合においても式(17)を満足さ
せれば、黒帯の発生を防止できることが確認できた。
用いた部材C、D、被帯電体として実施例1で用いた被
帯電体を用いた。ここで、帯電用部材に印加する電圧と
して、直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いた。直
流電圧を−600(V)、交流電圧のピーク間電圧を
1.4(kV)、交流電圧の周波数を0.8(kH
z)、交流波形を正弦波とした。それ以外は実施例1と
同様にした。
す画像形成装置に組み込み、被帯電体の帯電実験を行っ
たところ、被帯電体は−600(V)に帯電され、ま
た、その時に流れる電流は−6(μA)であった。
(mmφ)の大きさの欠陥部を形成し、この被帯電体、
及び、部材C、Dを図14に示す画像形成装置に組み込
み、画像形成を行って、画像の様子を調べた。なお、被
帯電体は、部材を交換する毎に新しい被帯電体に交換し
た。結果は、部材C、Dを用いた場合には、欠陥部によ
る黒帯の発生は見られず、黒点ですんだ。
流したときの抵抗値とでき、また、Va=(直流電圧)
+(交流電圧の実効値)=−600−495=−109
5(V)と考えられるので、実施例1のように式(8)、
(17)を満足するか計算したところ、部材C、Dともに、
式(17)を満足することが解った。なお、Va=(直流電
圧)+(交流電圧のピーク間電圧)=−600−140
0=−2000(V)とした場合においても、部材C、
Dともに、式(17)を満足する。
い被帯電体を、図14に示す画像形成装置に組み込み、
直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を帯電用部材に印加
して被帯電体を帯電し、A4サイズの転写材に1万枚の
画像形成を行ったが、画像に黒帯は発生しなかった。
電圧を重畳した電圧を印加する場合であっても、その電
圧の実効値、若しくは最大値を加えた値をVaとみなし
て条件を設定すれば、前述した直流電圧を用いる場合と
同様の作用を奏することが確認できた。
して、実施例1に示す部材Aの表面に下記に示す表面層
(抵抗層)を形成した部材AA〜AEを用い、実施例1
で示す被帯電体を用いた。被帯電体を周速3(cm/s
ec)で回転させ、表面を−600(V)に帯電させる
ためには、Va=−1.16(kV)、I=−6(μ
A)が必要であった。
層を20(μm)厚みに形成。
溶ナイロン樹脂を20(μm)厚みに形成。
ロン樹脂を20(μm)厚みに形成。
ン樹脂を20(μm)厚みに形成。
チラール樹脂を20(μm)厚みに形成。
の抵抗値が図10に示す測定方法で測定して、1×10
7(Ω)となるように導電剤の添加量を調整した。
の抵抗値R、抵抗の面積依存性1−β、抵抗の電流依存
性γを測定した。結果を表8に示す。
値の面積依存性1−β、電流依存性γは、環境によって
その値が変化した。これは、表6の傾向と若干異なっ
た。ただし、抵抗値の面積依存性1−βは、部材によっ
て異なるが、一般には、部材の抵抗値が大きくなるとと
もに小さくなり、また電流依存性γは部材の抵抗が大き
くなるとともに大きくなる傾向にある。
被帯電体、部材AA〜AEを図14に示す画像形成装置
に組み込み、LL、NN、HH環境で画像形成を行っ
た。なお、電源の制限電流値を−9(μA)とした。結
果を表9に示す。また、表8に示すR、γ、β、及び、
Va=−1.16(kV)、I=−6(μA)、k=−
3(μA)、S/s=9600、を用いて、式(17)を計
算し、式が満足されるかを調べた結果も表9に併せて記
す。
ですんだ時に黒点と、黒点ですまずローラの軸方向に黒
帯が発生した時に黒帯と記し、また、式(17)の欄に、式
(17)を満足すれば○印を、満足しなければ×印を記し、
さらに、式(17)の右辺の計算結果を記した。
材は、ピンホールが形成された被帯電体を用いて画像形
成しても、画像に重大な欠陥が発生しないことが再確認
できた。
い部材AA、AB、ACを図14に示す画像形成装置に
組み込み、温湿度調整を行わない室内でA4サイズの転
写材に1万枚の画像形成を行ったが、画像劣化は認めら
れなかった。
面積依存性が小さく、かつ、抵抗の電流依存性が小さい
部材の方が、式を満足し易いことが解る。実施例1、7
の結果から、帯電用部材の表面(つまり、被帯電体と接
触する面)には、ウレタンゴム、ウレタン樹脂、ナイロ
ン樹脂特にアルコール可溶性ナイロン樹脂、ポリエチレ
ン樹脂の中から選ばれる層が形成されていると望ましい
ことが解る。
厚みのフィルムを図11(h)に示す2つ折りの構成の
帯電用部材として用いても、全環境で画像に欠陥を生じ
させなかった。なお、この場合、使用したフィルムは、
いわゆる、ナイロン樹脂単層のフィルムである。
2(cm)の部材H〜Jを用い、実施例1で用いた被帯
電体を用いた。
ンフォームを形成したローラ(体積抵抗率107Ω(c
m)、アスカC硬度35(°)、セル径300(μ
m)、肉厚5(mm))。
ンフォームを形成したローラ(体積抵抗率108(Ωc
m)、アスカC硬度35(°)、セル径300(μ
m)、肉厚5(mm))。
付きシリコーンフォームを形成したローラ(体積抵抗率
108(Ωcm)、アスカC硬度30(°)、肉厚5
(mm))。
す画像形成装置に組み込み、転写電圧を+800(V)
とし、その際、被帯電体に流出する電流Iを測定した。
なお、被帯電体の周速度は3(cm/sec)とした。
その結果、I=2(μA)であった。
きさの欠陥部を形成し、この被帯電体、及び、部材H〜
Jを図15に示す画像形成装置に組み込み、画像形成を
行って、画像の様子を調べた。なお、被帯電体は、部材
を交換する毎に新しい被帯電体に交換した。電源の制限
電流値を15(μA)とした。結果を表10に示す。
がって、部材の抵抗値Rを測定した。なお、測定電流は
2(μA)とした。部材の抵抗の面積依存性1−β、電
流依存性γを測定した。また、式(8)、(17)が満足され
るかを調べた。結果を表10に併せて記す。表10で
は、(8)、(17)の欄に各々の式を満足する場合には満足
欄に○印を、また満足しない場合には×印を付け、さら
に右欄に式の右辺の値を示す。
(17)のいずれかを満足しない場合には、画像に転写不良
(白帯抜け)が発生することが解る。
被帯電体を、図15に示す画像形成装置に組み込み、A
4サイズの転写材に1万枚の画像形成を行ったが、画像
に帯状の白抜けが生じるような転写不良の発生はなかっ
た。
して、実施例8に示す部材I、Jを用い、実施例8と同
様の手法を用いると共に、感光層に画像を形成している
期間、つまり転写プロセス以前に、転写用部材にこれを
クリーニングするためのクリーニング電圧−250
(V)を印加し、感光層にトナー像が形成された後にこ
れを転写材に転写して画像形成を行った。
図15に示す画像形成装置に組み込み、A4サイズの転
写材に1万枚の画像形成を行ったが、画像に白帯抜けの
転写不良は見られなかった。
た場合、部材I、Jはとも式(17)を満足しているので、
クリーニング電圧を印加した場合にも前述の条件が成り
たつかを検討した。
りも小さいので、式(13)、(17)が満足されるかを調べた
ところ、式(13)、(17)ともに満足されていた。
ずれかが満足されれば、クリーニング電圧の印加の有無
にかかわりなく転写不良が発生したり、感光層欠陥やピ
ンホールが拡大したり、さらには部材が劣化しないこと
が解った。
として、図11(a)に示す構成のローラを用いた。こ
のローラは、導電性基体11上に導電性弾性層としてソ
リッド状の導電性ウレタンが形成されている。この導電
性ウレタンの抵抗値を変化させ、表11に示すような帯
電用部材a〜jを準備した。なお、部材の抵抗値Rは図
10で示す方法で測定し、表11において抵抗値Rを単
にRと略して記した。
ルマイト層からなる下引き層が形成され、感光層がこの
上に積層された被帯電体を用いた。
圧Vtは、導電性基体を電気的に接地し、アルマイト層
の表面に帯電時と同極の電圧を1分間印加し、破壊が起
こらない最大の電圧を調べることで求めた。なお、アル
マイト層表面に当接させた電極の面積Sは6.15(c
m2)であり、単位面積当たりの荷重は163(g/c
m2)(総荷重1000(g))とした。
tは−300(V)であり、このとき電流iは−100
(μA)で、電極との接触面における電流密度は16
(μA/cm2)であった。30回測定を行い、抵抗を
算出した結果、このアルマイトの抵抗値Rpの[(平均
値)+(3×標準偏差)]は4.3×106(Ω)であ
った。
測定し、抵抗の面積依存性1−αを求めたところ、α=
1、つまり、アルマイトの抵抗は面積に反比例した。し
たがって、欠陥部からながめたアルマイト層の抵抗rq
は、ピンホール面積s=6.15×10-4(cm2)
(0.28(mmφ)に相当)として、4.3×1010
(Ω)となる。なお、電流密度は同じ値(16(μA/
cm2))に設定した。
を求めた。電極の面積を変えて抵抗を測定したところ、
部材a〜jの抵抗も面積に反比例しており、いずれもβ
=1であった。また、部材a〜jの抵抗の電流依存性γ
を求めたところ、いずれも、γ=1であった。したがっ
て、ピンホール抵抗値Rqは、表11に示すように、部
材の抵抗値Rの104倍となる。
なく下引き層に直接接触させ、帯電用部材に電圧を印加
した場合に、下引き層が絶縁破壊するか、否かを調べ
た。我々の知見によれば、ある一つの電位に被帯電体の
表面を帯電させる印加電圧は帯電用部材の抵抗値に依存
する。よって、感光体表面電位を−600(V)に帯電
するために、印加電圧Vaをそれぞれ表11に示すよう
に設定した。なお、電圧印加時間は1分間とした。
下引き層が破壊された場合を×印、破壊されなかった場
合を○印で示した。
とく、 Va×rq/(rq+Rq) であり、計算値を表11に分圧の欄に記した。
は、下引き層にその耐圧Vt以上の電圧が分圧印加され
るため、下引き層が破壊されてしまうが、部材e〜j
は、下引き層には、これの耐圧以下の電圧しか分圧印加
されないので、下引き層は破壊されないことが解る。
φ)程度の欠陥を形成した被帯電体に、部材a〜jを荷
重1000(g)(単位面積あたりの荷重は抵抗測定時
と同等)で当接し、被帯電体の回転に連れ回る構成と
し、反転現像による画像形成を行ってみた。部材a〜c
では、欠陥部でリーク電流が発生し、部材と被帯電体と
のニップ部の長手方向全域が帯電不良となり、印字上黒
帯状の画像ムラが被帯電体の回転周期毎に現れた。
ルマイト層は抵抗が極端に下がって破壊されてピンホー
ルに進展していた。部材dは、欠陥部でリーク電流が発
生したが、部材と被帯電体とのニップ部の長手方向全域
が帯電不良とはならず、黒点が発生したものの、ほぼ良
好な印字が得られた。しかしながら印字を続けるに従い
黒点が徐々に拡大し、200枚印字後は、黒帯状の画像
ムラが被帯電体の回転周期毎に現れた。目視により確認
したところ被帯電体の欠陥部は1(mmφ)程度のピン
ホールに拡大していた。
発生がなく、また、画像に黒点が発生したものの増加す
ることもなく、20000枚を実用上十分な印刷品質で
印字することができた。そして20000枚印字後に目
視により確認したところ欠陥部が拡大した様子も、また
下引き層の破壊も見られなかった。
被帯電体の下引き層共に、抵抗値の面積依存性が0であ
るので、0.28(mmφ)の欠陥のみならず、O.1
〜1(mmφ)の欠陥がたとえ被帯電体に存在したとし
ても、部材e〜jは、下引き層であるアルマイト層を破
壊するようなことがなく、欠陥部がピンホールにまで発
展しないことが確認された。
制御剤により抵抗を調節した有機高分子層とし、また、
帯電用部材の導電性弾性層をバブルポイント法で求めた
セル径が30(μm)であるウレタン製連泡フォーム剤
とした以外は、他の構成を実施例10の場合と同様に設
定し、同様の実験を行った。
−400(V)、抵抗値Rpは1×106(Ω)(電流
iは−400(μA)、面積Sは6.2(cm2))で
あり、αは1であった。したがって、欠陥部からながめ
た抵抗rq(6.15×10-4(cm2)、つまり、
0.28(mmφ)に相当)は1.0×1010(Ω)で
あった。
部材k〜tを用意した。なお、これらの部材は、実施例
10で用いた部材とは異なり、抵抗の面積依存性1−β
が0ではなく、βは0.75であった。また、抵抗の電
流依存性γも0でなかった。
するのでなく、面積6.2(cm2)に電流−400
(μA)を流したときの部材の抵抗Ruを記載する。ま
た、欠陥部からながめた部材の抵抗Rqを併せて表12
に記す。
層を介することなく下引き層に直接接触させ、帯電用部
材に電圧を印加した場合に、下引き層が絶縁破壊するか
を調べた。
引き層が破壊された場合には×印を、破壊されない場合
を○印で示し、さらに部材に印加した電圧Vaも併せて
記載した。
とく、 Va×rq/(rq+Rq) であり、計算値を表12に併せて記す。表12には単に
分圧と略して記した。なお、下引き層にかかる電圧が、
欠陥部からながめた抵抗値Rq、rqでなく、Ru、R
pに依存すると仮定して、式 Va×Rp/(Rp+Ru) で表されるとした場合の計算結果を「参考」として表1
2に記載する。
その耐圧Vt以上の電圧が分圧されるから、下引き層が
破壊されるのに対して、部材q〜tは、下引き層にその
耐圧以下の電圧しか分圧印加されないので、破壊されな
いことが解る。この場合、計算には、欠陥部もしくはピ
ンホールからながめた部材の抵抗、下引き層の抵抗を用
いないといけないことが再確認できる。つまり、従来の
ように、「参考」で示した値が下引き層の分圧ではなく
(もしそうであると、部材m〜tが下引き層破壊しない
ことになる)、欠陥部もしくはピンホールからながめた
部材の抵抗、下引き層の抵抗を用いる必要がある。
φ)程度の欠陥を形成した被帯電体に、部材k〜tを用
いて画像形成を行なったところ、部材k〜oでは、欠陥
部で集中的なリーク電流が発生し、部材と被帯電体との
ニップ部の長手方向全域への電流供給が行われなくなっ
て帯電不良が生じ、この結果記録用紙上に黒帯状の画像
ムラが被帯電体の回転周期毎に現れた。実験後に調査し
たところ、欠陥部直下のアルマイト層はその抵抗が極端
に下がって破壊され、欠陥がピンホールにまで発達して
いた。
生したが、その値が一定値以下に制限されているため、
部材と被帯電体とのニップ部の長手方向全域には帯電さ
せる程度の電流を供給することができ、帯電不良までに
はいたらず、欠陥部に限定された帯電不良で黒点が発生
したものの、ほぼ全域で良好な印字が得られた。しか
し、印字を続けるに従い黒点が徐々に拡大し、200枚
印字後は、黒帯状の画像ムラが被帯電体の回転周期毎に
現れた。200枚後、被帯電体の欠陥部は1(mmφ)
程度のピンホールに拡大していた。
発生がなく、また、画像に黒点が発生したものの、20
000枚ほぼ良好な印字が得られた。なお、20000
枚印字後に目視により調査したところ、欠陥部に拡大し
た様子もなく、また下引き層が絶縁破壊した様子もなか
った。
は、下引き層)を破壊しない条件について再度検討をす
る。
0を用い、帯電用部材10で帯電させる接触帯電装置の
断面概観図である。感光体150として導電性の支持部
151の上に中間層152を形成し、更に無機あるいは
有機の光導電体などの感光層153を積層したものを例
に挙げ説明する。一般に打痕や異物混入により感光層1
53にピンホール157が発生しても、中間層152に
物理的・化学的変化は無い。なお、帯電用部材10は、
図11(a)で示されるローラで記載し、導電性基体1
1は、外部電源60に接続されている。
装置の等価回路図である。帯電用部材10の導電性基体
11の抵抗は導電性弾性層12の抵抗より十分に小さく
無視できるとする。よって、帯電用部材10の抵抗は導
電性弾性層12の抵抗160で示す。感光層にピンホー
ルが存在しない場合、外部電源60からの電流は導電性
弾性層12の抵抗を通り、感光層の容量163に流れ込
む。外部電源60による印加電圧は帯電時と同極の電圧
である。ピンホールによるスィッチ161はオフであ
り、感光層の容量163に溜まった電荷は保持される。
りピンホールが発生した場合、ピンホールによるスイッ
チ161がオンになる。外部電源60により加えられる
電圧Vaは帯電回路モデルの総抵抗すなわち、導電性弾
性層12の抵抗(以下Raとする)160と中間層の抵
抗(以下Rbとする)162の合成和(Ra+Rb)に
かかる。よって、中間層の抵抗162にかかる分圧をV
cとすると、 Vc/Va=Rb/(Ra+Rb) であるから、 Vc=Va・Rb/(Ra+Rb) となる。
が発生しても、Vcが中間層の耐圧(以下Vbとする)
を越えなければ、中間層は破壊されず、(Ra+Rb)
で制限される電流(以下I1とする)が流れる。ところ
がVcがVbを越えると中間層が破壊され、Raで制限
されるリーク電流(以下I2とする)が流れる。I1<I
2であるので、中間層が破壊された方がより多くの電流
が流れることになる。
えば感光層に異物の混入や打痕によりピンホールが発生
しても、中間層に耐圧より大きい電圧がかからないた
め、中間層が破壊されず、リーク電流が発生しない。こ
のため、電圧降下が起こらず印字に黒帯または白帯が発
生しない。また、ピンホール発生後も、リーク電流が発
生しないため、ピンホールが拡大せず、長期にわたりピ
ンホールの開いた感光体を使用し続けることができる。
式を用いた画像形成装置に適用する場合について説明す
る。
電用部材については、図11(a)〜(f)を用いて既
に説明してある。が、帯電用部材の構成は、図11
(a)〜(f)に限られるものでなく、また、材質も限
られない。例えば、非接触となるが、固体放電部材を用
いても良い。感光体の表面から固体放電部材の表面まで
の距離は数μm〜数十μmであり、抵抗Raは固体放電
部材の導電性の支持部材から表面までの抵抗とする。
々は次の2つの知見を得た。
い。
接し、導電性基体と電極間の抵抗を測定した。そして、
接触電極の大きさと抵抗値との関係をプロットすると、
多くの帯電用部材の抵抗は接触面積に反比例しなかっ
た。
の抵抗の面積依存性を示す図である。横軸は電極の面積
S(mm2)の常用対数値、縦軸は抵抗値R(Ω)の常
用対数値である。図中のイ)は帯電用部材の抵抗値の特
性直線であり、ロ)は中間層の抵抗値の特性直線であ
る。
と図20(b)のロ)は傾きが−1であり、抵抗は面積
に反比例している。よって、電極の面積が1/1000
0になると、抵抗値は10000倍になる。図5(a)
のイ)は傾きが−0.75であり、抵抗が面積に反比例
していない。よって、接触面積が1/10000になっ
ても、抵抗は1000倍にしかならない。ただし、接触
面積に対する帯電用部材の抵抗値の特性は、寸法や素材
の異なる帯電部材によって異なっているため、一つの接
触面積の抵抗値からピンホールに相当する面積の時の抵
抗値を予想するのは困難である。よって、ピンホールに
相当する面積の電極を用いて帯電用部材の抵抗値を測定
する方法が適切となる。しかし、特に高抵抗の帯電用部
材を測定する際には、微小面積の電極を用い抵抗値を測
定する事は困難である。このため、図20(a)のイ)
に示すように数種の面積の電極により抵抗値を測定し、
両対数グラフで直線を引く事によりピンホールに相当す
る面積での抵抗値を予想し、間接的に得ても良い。
の面積に相当するときの帯電用部材や中間層の抵抗値を
直接的または間接的に調べ、RaもしくはRbに用いる
事が必要である。
性)がある。
電極間の抵抗を電流もしくは電圧を変化させて抵抗を測
定した。そして、電流もしくは電圧と抵抗値との関係を
プロットすると、多くの帯電用部材の抵抗は電流もしく
は電圧に依存した。
示す一例図である。横軸は流した電流値、縦軸はその時
の抵抗値の常用対数値である。図21(a)は抵抗に電
流依存性が有る一例図であり、電流が小さいと抵抗は大
きくなり、電流が大きいと抵抗は小さくなる。よって、
帯電用部材の抵抗を測定する際に、帯電用部材と当接す
る電極との接触面における電流密度は、中間層に耐圧を
印加したときの電流密度(以下ρiとする)とほぼ同じ
である必要がある。
例図である。一部の帯電用部材は抵抗に電流依存性が無
く、電流が変化してもほぼ同一の抵抗値を示す。このよ
うな帯電用部材の抵抗値を測定する際の電流は任意で良
い。
次に示す方法で測定する。
電用部材に当接する。当接するための単位面積当たりの
荷重は、感光体に帯電用部材を当接し帯電するときと略
同荷重とする。また、帯電用部材と当接する電極との接
触面における電流密度は、中間層に耐圧に相当する電圧
を印加したときの電流密度ρiと略同一とする。この時
に帯電用部材にかかる電圧と電流から抵抗を算出する。
なお、我々の知見によれば発生するピンホールの大きさ
はφ0.05mm〜φ1mmであり、ピンホール」に相
当する微小面積は2×10-3mm2(φ0.05mmに
相当)〜3mm2(φ1mmに相当)程度である。
無機物から成る。無機物として、アルマイト(Al
2O3)、ベーマイト(Al・O・OH)、非晶質酸化シ
リコン、非晶質窒化シリコン、または、非晶質炭化シリ
コンなどが挙げられる。また、有機物としてポリビニル
アルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルブ
チラール、エチルセルロース、メチルセルロース、エチ
レン−アクリル酸コポリマー、ポリアミドポリエステ
ル、ニトロセルロース、ゼラチン、マレイン酸の共重合
体、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、
ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂な
どが用いられる。必要に応じてアルミニウム、銅、ニッ
ケル、銀、酸化鉄、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化イ
ンジウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、
炭酸バリウム、炭酸カルシウム、ヨウ化銅、カーボンブ
ラック、導電性高分子などの抵抗制御剤を上記の樹脂中
に分散、相溶させる。
(あるいは電圧依存性)があるという知見を得た。よっ
て中間層の抵抗は耐圧を印加したときの抵抗とする。ま
た、前述したように、中間層の抵抗は当接する電極の面
積にほぼ反比例する。
する中間層の抵抗(以下Rbbとする)と、想定するピ
ンホールの面積に対する帯電用部材の抵抗(以下Raa
とする)を用いる必要があることが解る。
層)を破壊しない条件は、
帯電装置を用いた画像形成装置の断面概観図であって、
被帯電体である感光体150は、導電性の支持部151
の上に中間層152を形成し、更にその上に有機または
無機の光導電性材料からなる感光層153を形成したも
のである。この感光体150に対して図11に示すよう
な構成の帯電ローラや帯電ブレード等の帯電用部材10
を用いて帯電を行った後に、レーザーやLED等の図示
していない光源から出た光171を画像に応じて選択的
に感光体150に光照射して電位コントラストを得て所
望の静電潜像パターンを形成する。一方、現像器172
は像形成体であるトナー173を搬送し、静電潜像パタ
ーンを現像し顕像化する。さらに、転写ローラ等の転写
器174を用いて記録紙175上にトナーによる像を転
写し、図示していない熱や圧力を用いる定着装置にてト
ナー173を記録紙175に定着し、所望の画像を記録
紙175上に得ることができる。
破壊しない条件について再度検討した結果を詳細に記載
する。
い、用いた感光体はアルミニウムから成る導電性の支持
部に、中間層であるアルマイト層、感光層をこの順で積
層したものであり、実施例13−1〜10では、同じ仕様
の感光体を用いた。アルマイト層の耐圧は、アルミニウ
ムの支持部を電気的に接地し、アルマイト層の表面に帯
電時と同極の電圧を1分間印加し、破壊が起こらない最
大の電圧とした。なお、当接した電極の面積は615m
m2であり、単位面積当たりの荷重は1.63g/mm2
(総荷重1000g)とした。測定した結果、このアル
マイト層の耐圧は−300Vであり、このとき電流は約
−100μA流れた。電極との接触面における電流密度
ρiは0.16μA/mm2であった。30回測定を行
い、抵抗を算出した結果、このアルマイトの抵抗の
[(平均値)+(3×標準偏差)]すなわちRbは4.
3×106Ωであった。電極の面積を変えて抵抗を測定
したところ、アルマイトの抵抗は面積に反比例してお
り、0.061mm2(φ0.28mmに相当)のとき
の抵抗Rbbは4.3×1010Ωであった。なお、電流
密度ρiは同等(0.16μA/mm2)とした。
帯電用部材10として用いた。ここで、導電性基体11
のまわりに導電性弾性層12としてソリッド状の導電性
ウレタンが形成されているローラを用いた。このローラ
の抵抗は、次のように測定した。ローラ表面に電極を当
接した。当接した電極の面積は615mm2であり、単
位面積あたりの荷重は1.63g/mm2(総荷重10
00g)とした。電流を約−100μA流した。電極と
の接触面における電流密度ρiはアルマイト層に耐圧を
印加したときと同じ0.16μA/mm2とした。この
時の抵抗Raは実施例13−1のローラで1.7×106
Ωであった。電極の面積を変えて抵抗を測定したとこ
ろ、図20(b)のグラフのイ)に示すように、ローラ
の抵抗が面積に反比例しており、0.061mm2(φ
0.28mmに相当)のときの抵抗Raaは1.7×1
010Ωであった。なお、電流密度ρiは同等(0.16
μA/mm2)とした。
本用意した。実施例13の1〜10でローラを1本ずつ用
い、番号が進むにつれ段階的にローラの抵抗を増加し
た。それぞれの抵抗値を表13に示す。表13は実施例
13における1〜10の実験条件とその結果を示す表であ
る。
光体の表面を帯電させる印加電圧は帯電用部材の抵抗値
に依存する。よって、感光体表面電位を−600Vに帯
電するために、印加電圧をそれぞれ表13に示すように
設定した。
に接触した場合について実験した結果を述べる。
壊の有無を試験する場合の断面外観図である。素管15
5はアルミニウムから成る導電性の支持部151に、中
間層152であるアルマイト層を積層したものである。
感光層が無い以外は図18(a)の感光体150と同様
のものである。表13のローラ抵抗と印加電圧の組み合
わせで、素管に圧接したローラに電圧を1分間印加し
た。
接触面積が微小である時の中間層の分圧であり、Raa
とRbbから求めた。表13に示した、VbとVccの
比較から、実施例13の1〜4は式(20)を満たしていな
い。実施例13の1〜4の組み合わせにおいて、中間層は
破壊された(表13の「アルマイト破壊」の項は×とし
た)。実施例13の5〜10の組み合わせは式(20)を満た
し、また中間層は破壊されなかった(表13の「アルマ
イト破壊」の項は○とした)。
様に感光層のある感光体150を用い、帯電用部材10
を当接し、外部電源60により所定の電圧を印加した場
合について述べる。なお、ローラと感光体は同周速とし
た。
い。感光層にφ0.28mm程のピンホールの開いた感
光体に、それぞれのローラを総荷重1000g(単位面
積あたりの荷重は抵抗測定時と同等)で当接し、帯電を
行ったところ、ピンホール部でリーク電流が発生した。
反転現像を行ったところ、ローラと感光体とのニップ部
の長手方向全域が帯電不良となり、印字上黒帯状の画像
ムラが感光体の回転周期毎に現れ、画像品質が著しく低
下した。よって、表13の「黒帯」の項は×とした。な
お、印字前、ピンホール直下のアルマイト層は破壊され
ていなかった。
抵抗が極端に下がっていて、破壊されていた。
い。実施例13の1〜3と同様にピンホールの有る感光体
に帯電を行ったところ、ピンホール部でリーク電流が発
生した。印字を行ったところ、初期は黒点が発生したも
のの、ほぼ良好な印字が得られた。しかし、印字を続け
るに従い黒点が徐々に拡大し、200枚印字後は、印字
上黒帯状の画像ムラが感光体の回転周期毎に現れ、画像
品質が著しく低下した。
た。なお、印字前にピンホール直下のアルマイト層は破
壊されていなかった。200枚後、感光体のピンホール
はφ1mm程に拡大しており、アルマイト層は破壊され
ていた。
る。実施例13の1〜4と同様にピンホールの有る感光体
に帯電を行ったところ、リーク電流は発生しなかった。
また、印字を行ったところ、黒点が発生したものの、2
0000枚ほぼ良好な印字が得られた。よって、表13
の「黒帯」の項は○とした。なお、20000枚印字
後、アルマイト層は破壊されていなかった。
抵抗は電流依存性が無く、またアルミニウム電極との接
触面積に対しほぼ反比例した。ただし、電極を帯電ロー
ラに当接する単位面積当たりの荷重は、RaやRaaの
測定時とほぼ同一とした。
面積に反比例した。ただし、アルマイト層の抵抗は電圧
依存性があるため、印加電圧はアルマイト層の耐圧と同
等とし抵抗測定を行った。このとき接触面における電流
密度ρiはローラの抵抗測定時と同一である。
mmに相当する接触面積のときだけでなく、φO.1m
m〜1mmに相当する接触面積の時にも実施例13の1
〜4は式(20)を満たさず、実施例13の5〜10は満たし、
印字(黒帯)の結果と合致していた。
密度は中間層へVbを印加したときの電流密度と同じ。
面積は全ニップ面積:615mm2)Rb:中間層の抵
抗(印加電圧:Vb、面積:615mm2) Raa:帯電用部材の抵抗(電極との接触面での印加電
流密度は中間層へVbを印加したときの電流密度と同
じ、電極面積:φ0.28mm相当) Rbb:中間層の抵抗(印加電圧:Vb、電極面積:φ
0.28mm相当) Vcc:中間層にかかる電圧、 Vcc=Va・Rbb/(Raa+Rbb) (実施例14)一部の構成要素を除き、実施例13と同
様な実験を行った。異なる要素は、感光体の中間層と帯
電用部材の素材である。
より抵抗を調節してある。また、中間層の耐圧は高く−
400Vであった。耐圧を印加したときに中間層に流れ
る電流は−400μA(電極との接触面積は620mm
2、当接電極に負電圧、感光体の導電性支持部は接地)
であった。ρiは0.65μA/mm2であった。ま
た、この時の抵抗Rbは1MΩと実施例13の中間層の
抵抗より低かった。電極の面積を変えて抵抗を測定した
ところ、中間層の抵抗は面積に反比例しており、0.0
61mm2(φ0.28mmに相当)のときの抵抗Rb
bは1.0×1010Ωであった。なお、電流密度ρiは
同等(0.65μA/mm2)とした。
様な構造である。ただし、導電性弾性層は実施例13と
異なりウレタン製の連泡フォーム材からなり、バブルポ
イント法で求めたセル径は30μmであった。ローラを
実施例13と同様に10本用意した。電極との接触面積
が620mm2の時の抵抗Raを表14に示す。
条件とその結果を示す表である。なお、ρiは中間層に
耐圧を印加したときと同等(0.65μA/mm2)と
した。また、ローラの抵抗の特性は実施例13と異な
り、測定する際の電流に依存し、またローラの抵抗は電
極との接触面積に反比例せず接触面積を4桁小さくして
も抵抗は3桁しか増加しなかった。よって、帯電用部材
と感光体が微小な面積で接触する場合の電圧比を比較し
なければならない。そこで我々は、初期のピンホールを
φ0.28mm程(面積は0.061mm2)とし、上
述した手法で抵抗の面積依存性からこの時のローラ抵抗
を類推した。この時の抵抗をRaaとし、表14に示し
た。ρiは同程度(0.65μA/mm2)となるよう
に調節した。この他の測定条件は実施例13と同様とし
た。なお、表14のVcはRaとRbから、VccはR
aaとRbbから求めた。
に接触した場合について実験した結果を述べる。
せで、素管に圧接したローラに電圧を1分間印加した。
表14に示した、VbとVccの比較から、実施例14
の1〜6は式(20)を満たしていない。実施例14の1〜6の
組み合わせにおいて、中間層は破壊された(表14の
「中間層破壊」の項は×とした)。
(20)を満たし、このとき中間層は破壊されなかった(表
14の「中間層破壊」の項は○とした)。
いた場合について述べる。
となり、抵抗に面積依存性および電流依存性を加味した
式(20)を満たしていなかった。このうち、実施例1
4の3〜5は|Vb|>|Vc|となり、抵抗に面積依存
性および電流依存性を加味しない式 |Vb|≧|Va
|・Rb/(Ra+Rb) は満たしていた。φ0.2
8mm程のピンホールの開いた感光層に、それぞれのロ
ーラを総荷重1000gで当接し、帯電を行ったとこ
ろ、ピンホール部でリーク電流が発生した。ローラと感
光体とのニップ部の長手方向全域が帯電不良となり、反
転現像を行ったところ、印字上に黒帯状の画像ムラが感
光体の回転周期毎に現れ、画像品質が著しく低下した。
よって表14の「黒帯」の項は×とした。このように、
抵抗の面積依存性および電流依存性を考慮しない場合、
実施例14の3〜5では|Vb|>|Vc|となって式
|Vb|≧|Va|・Rb/(Ra+Rb)が満たされ
ているにもかかわらず、中間層が破壊する結果となっ
た。これに対して、本発明のように抵抗の面積依存性お
よび電流依存性を考慮した場合、この実施例14の3〜5
でも|Vb|<|Vcc|となって式(20)を満たさ
なく、中間層が破壊する結果に正確に対応するようにな
る、つまり、抵抗の面積依存性および電流依存性を考慮
した式(20)の条件を満たすことが中間層の破壊をよ
り確実に防止することになる。
字前、ピンホール直下のアルマイト層は破壊されていな
かった。印字後、アルマイト層は破壊されていた。
層)を破壊しない条件は、式 |Vb|≧|Va|・Rb/(Ra+Rb) でなく、式(20)、つまり、 |Vb|≧|Va|・Rbb/(Raa+Rbb) を用いる必要があることが再確認できた。
なり、式(20)を満たしていない。実施例14の1〜5と同
様にピンホールの有る感光体に帯電を行ったところ、ピ
ンホール部でリーク電流が発生した。印字を行ったとこ
ろ、初期は黒点が発生したものの、ほぼ良好な印字が得
られた。しかし、印字を続けるに従い黒点が徐々に拡大
し、200枚印字後は、印字上黒帯状の画像ムラが感光
体の回転周期毎に現れ、画像品質が著しく低下した。よ
って、表14の「黒帯」の項は×とした。なお、印字前
にピンホール直下のアルマイト層は破壊されていなかっ
た。200枚後、感光体のピンホールはφ1mm程に拡
大しており、アルマイト層は破壊されていた。
|となり、式(20)を満たしている。
る感光体に帯電を行ったところ、リーク電流は発生しな
かった。また、印字を行ったところ、黒点が発生したも
のの、20000枚ほぼ良好な印字が得られた。よって
表14の「黒帯」の項は○とした。なお、20000枚
印字後にアルマイト層は破壊されていなかった。
3)、(17)のいずれか一つを満足すればよいと述べてきた
が、もちろんこれに限られるわけでない。例えば、式
(8)と式(13)の両方を満足したり、あるいは式(8)、(1
3)、(17)の全てを満足するなど、それぞれの式の満足関
係についてはどのような組み合わせであってもよい。
供給装置によれば、中間層もしくは下引き層を含む被帯
電体に、外部より電圧を印加した接触部材を接触させ
て、被帯電体を帯電もしくは除電させる接触型電荷供給
装置において、接触部材に印加する電圧をVa(V)、
中間層もしくは下引き層の耐圧をVb(V)、中間層も
しくは下引き層に耐圧と等しい電圧Vb(V)を印加し
た場合に中間層もしくは下引き層に流れる電流の電流密
度をρi(μA/cm2)、被帯電体に存在する微小欠
陥の面積s(cm2)とした時、接触部材の、微小欠陥
の面積と等しい面積s(cm2)に電流ρi×s(μ
A)を流した時の抵抗値をRaa(Ω)、中間層もしく
は下引き層の、微小欠陥の面積と等しい面積s(c
m2)に電流ρi×s(μA)を流した時の抵抗値をR
bbとして、抵抗に面積依存性および電流依存性を加味
した式 |Vb|≧|Va|・Rbb/(Raa+Rbb) を満足させているので、被帯電体に欠陥部が存在しても
接触部材からの集中的な電流の流れ込みの発生を確実に
防止することができ、帯状の帯電不良の発生を防止し
て、品質の高い画像を得ることができるばかりでなく、
集中電流による被帯電体の破損や、電気回路の損傷を防
止して信頼性の高い接触型電荷供給装置を実現すること
ができる。
回路を示す図である。
測定方法を説明するための図である。
グラフである。
測定方法を説明するための図である。
グラフである。
グラフである。
グラフである。
グラフである。
グラフである。
を説明するための図である。
る帯電用部材の概略断面図である。
る転写用部材の概略断面図である。
被帯電体の概略図である。
像形成装置の概略図である。
像形成装置の概略図である。
に生じる欠陥を模式的に示す図である。
ムに生じた欠陥や、ピンホールに接触部材から電流が集
中的に流れ込む導通路を模式的に示す図である。
触帯電装置が接触した時の概略断面図を、(b)は、感
光体の中間層の破壊の有無を試験する方法を示す概略断
面図である。
す図である。
部材及び中間層の抵抗の面積依存性のグラフである。
部材の抵抗の電流依存性のグラフである。
像形成装置の概略図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 外部より電圧を印加した接触部材を少な
くとも中間層もしくは下引き層を含む被帯電体に接触さ
せて、前記被帯電体を帯電もしくは除電する接触型電荷
供給装置において、 前記接触部材に印加する電圧をVa(V)、前記中間層
もしくは前記下引き層の耐圧をVb(V)、前記中間層
もしくは前記下引き層に前記耐圧と等しい電圧Vb
(V)を印加した場合に前記中間層もしくは前記下引き
層に流れる電流の電流密度をρi(μA/cm2)、前
記被帯電体に存在する微小欠陥の面積をs(cm2 )と
した時、前記接触部材の、前記微小欠陥の面積と等しい
面積s(cm 2 )に電流ρi×s(μA)を流した時の
抵抗値をRaa(Ω)、前記中間層もしくは下引き層
の、前記微小欠陥の面積と等しい面積s(cm 2 )に電
流ρi×s(μA)を流した時の抵抗値をRbbとし
て、これらのVa、Vb、Raa、Rbbが、式 |Vb|≧|Va|・Rbb/(Raa+Rbb) を満足するように設定されていることを特徴とする接触
型電荷供給装置。 - 【請求項2】 前記接触部材が帯電用部材であることを
特徴とする請求項1記載の接触型電荷供給装置。 - 【請求項3】 前記接触部材が転写用部材であることを
特徴とする請求項1記載の接触型電荷供給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10825499A JP3366877B2 (ja) | 1992-11-06 | 1999-04-15 | 接触型電荷供給装置 |
Applications Claiming Priority (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29735092 | 1992-11-06 | ||
JP789793 | 1993-01-20 | ||
JP4-297350 | 1993-07-27 | ||
JP5-7897 | 1993-07-27 | ||
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