JP3366661B2 - 深絞り性に優れた高張力冷延鋼板の製造方法 - Google Patents

深絞り性に優れた高張力冷延鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車用鋼板等の使
途に用いて有用な、深絞り性に優れた高張力冷延鋼板の
製造方法に関し、特に安価なエネルギーコストで製造で
きる方法を提案しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】自動車のパネル等に使用される冷延鋼板
には、優れた深絞り性が要求される。このように鋼板が
優れた深絞り性を示すためには、鋼板の機械的特性とし
て、高いr値(ランクフォード値)と良好な延性(El.
)とをそなえていることが必要である。
【0003】一方、近年になって自動車の車体軽量化及
び安全性向上を目的として、引張強さが35〜60kgf/mm2
の如き、より高張力の鋼板を用いようとする機運が急速
に高まってきた。このように高張力の鋼板であっても、
プレス成形の際は、優れた深絞り性を示すことが要求さ
れることは言うまでもなく、したがって、より高張力で
かつ従来鋼と比べても同等以上の高いr値と優れた延性
とをそなえる鋼板について研究開発が進められている。
【0004】ところで近年、省エネルギー・省工程によ
る低コスト化を目的として、連続鋳造したスラブをAr3
変態点以下に降温させることなく熱間圧延を行う、直接
圧延法が試みられ、例えば特開昭52-105520 号公報に
は、低炭素Alキルド鋼に関して、直接圧延にて900 ℃以
上の温度で粗圧延を開始し、しかも連鋳スラブの中心温
度が1100℃まで低下した時点から180 分以内に熱間圧延
を完了することにより、従来工程にて製造されるAlキル
ド鋼板よりも材質の優れた鋼板を経済的に得られること
が開示されている。
【0005】この直接圧延法を、深絞り性に優れた高張
力冷延鋼板の製造に適用した例については特開昭62-287
017 号公報に、極低炭素鋼にTi等を添加した鋼を直接熱
延するに際し、連続鋳造機のカッター位置から圧延開始
までの搬送時間を鋼成分によって所定時間以上に制御す
る方法が開示されている。しかしながらこの方法は、鋼
成分によって連続鋳造機のカッター位置から圧延開始ま
での時間を制限しなければならないことから、鋳造から
圧延開始までの待ち時間が必然的に長時間となって生産
性が著しく低下し、操業上好ましくないという問題があ
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記の問
題を有利に解決するもので、鋼成分及び製造条件を規制
することにより、安価なエネルギーコストでかつ従来工
程で得られた鋼と同等の深絞り性を有する高張力冷延鋼
板を生産性良く製造できる方法を提案することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者らは、鋭意研究を
重ねた結果、以下のように鋼成分及び製造条件を限定す
ることにより、優れた深絞り性を有する高張力冷延鋼板
が製造可能であることを見出した。
【0008】その要旨は次のとおりである。 (1) C:0.01wt%以下、Si:0.5〜1.5 wt%、Mn:0.1
〜3.0 wt%、Ti:0.01〜0.2 wt%、Nb:0.001 〜0.2 wt
%、B:0.0001〜0.0030wt%、Al:0.01〜0.20wt%、
P:0.05〜0.20wt%、S:0.05wt%以下及びN:0.01wt
%以下を含み、かつ上記C,Ti,S及びNの各含有量
〔C〕,〔Ti〕,〔S〕及び〔N〕が次式 〔Ti〕≧48(〔C〕/12+〔N〕/14+〔S〕/32) (wt%) を満足する基本成分組成を有し、残部はFe及び不可避的
不純物よりなる鋼を、連続鋳造後、Ar3 変態点以下に降
温する前に、熱間粗圧延を施して950 〜1100℃の温度域
にて終了し、引き続き熱間仕上圧延を行った後、酸洗、
次いで圧下率60〜95%の冷間圧延を施した後、800 〜98
0 ℃の再結晶焼鈍を施すことを特徴とする、深絞り性に
優れた高張力冷延鋼板の製造方法(第1発明)。
【0009】 (2) 第1発明の鋼成分に加えてMo:0.01〜1.0 wt% を含有する深絞り性に優れた高張力冷延鋼板の製造方法
(第2発明)。
【0010】
【0011】以下、この発明を開発する基礎となった研
究結果について述べる。 Si:0.5 wt%、Mn:0.5 wt%、P:0.07wt%、S:0.01
wt%、Al:0.05wt%、N:0.002 wt%、Nb:0.007 wt%
及びB:0.0008wt%を含み、C及びTiを、C:0.001 〜
0.01wt%、Ti:0〜0.2 wt%の範囲で種々に変化させて
含有し、残部は実質的にFeの組成になる溶鋼を連続鋳造
後、Ar3 変態点以下に降温させることなく熱間粗圧延及
び熱間仕上圧延を行った。この際の熱間粗圧延の終了温
度及び熱間仕上圧延の終了温度はそれぞれ1000℃及び89
0 ℃と一定にしたものである。その後酸洗し、冷間圧延
を圧下率78%で施して板厚 0.7mmとした後、再結晶焼鈍
を連続焼鈍にて 850℃、20秒間の条件で行い供試鋼とし
た。かくして得られた供試鋼の、r値に及ぼす鋼成分の
影響を、Ti−48(C/12+N/14+S/32)との関係で
調べた結果を図1に示す。また比較のためにNbを含有し
ない以外は前記と同一の条件で製造した鋼についても調
べた。同図から明らかなように、直接熱延材のr値は、
鋼成分に強く影響し、Ti≧48(C/12+N/14+S/3
2)を満足するTi−Nb複合添加鋼が、優れたr値を示
す。
【0012】次にC:0.002 wt%、Si:0.5 wt%、Mn:
0.5 wt%、S:0.01wt%、Al:0.05wt%、N:0.002 wt
%、Ti:0.038wt %、Nb:0.007 wt%及びB:0.0009wt
%を含み、Pを0.01〜0.15wt%の範囲で種々に変化させ
て含有し、残部は実質的にFeの組成になる溶鋼を連続鋳
造後、Ar3 変態点以下に降温させることなく熱間粗圧延
及び熱間仕上圧延を行った。この際の熱間粗圧延の終了
温度及び熱間仕上圧延の終了温度はそれぞれ1000℃及び
890 ℃と一定にしたものである。その後酸洗し、冷間圧
延を圧下率78%で施して板厚 0.7mmとした後、再結晶焼
鈍を連続焼鈍にて 850℃、20秒間の条件で行い供試鋼と
した。かくして得られた供試鋼の、r値に及ぼすP量の
影響を調べた結果を図2に示す。同図から明らかなよう
に、直接熱延材のr値は、P量に強く依存し、P≧0.05
wt %を満足するTi−Nb複合添加鋼が、優れたr値を示
す。
【0013】さらに熱間粗圧延温度がr値に及ぼす影響
を調べるために、C:0.002 wt%、Si:0.5 wt%、Mn:
0.5 wt%、Pを0.07wt%、S:0.01wt%、Al:0.05wt
%、N:0.002 wt%、Ti:0.036wt %、Nb:0.006 wt%
及びB:0.0009wt%を含み、残部は実質的にFeの組成に
なる溶鋼を連続鋳造後、Ar3 変態点以下に降温させるこ
となく熱間粗圧延及び熱間仕上圧延を行った。この際の
熱間粗圧延の終了温度は950 〜1200の範囲で種々に変化
させ、熱間仕上圧延の終了温度は890 ℃と一定にした。
その後酸洗し、冷間圧延を圧下率78%で施して板厚 0.7
mmとした後、再結晶焼鈍を連続焼鈍にて 850℃、20秒間
の条件で行い供試鋼とした。かくして得られた供試鋼
の、r値に及ぼす熱間粗圧延の終了温度の影響を図3に
示す。同図から明らかなように、直接熱延材のr値は、
熱間粗圧延の終了温度に強く依存し、この終了温度を11
00℃以下にして製造することにより、r値が向上した。
【0014】
【作用】この発明に従い、鋼成分のPを0.05%以上と
し、かつ熱間粗圧延を低温で行うことにより、r値が向
上する理由については次のとおりと考えられる。すなわ
ち、Pは鋳造組織の微細化に有効であり、0.05%以上の
P添加により鋳造組織及び熱延板組織が微細になり、そ
の結果、冷間圧延−再結晶焼鈍後のr値が向上する。ま
た低温域での熱間粗圧延により、鋳造組織が微細にな
り、かつTiC の析出が十分に促進されるため、冷間圧延
−再結晶焼鈍後のr値が向上する。また、連続鋳造後、
直ちに熱間圧延を開始することができるので、生産性が
低下する問題もない。
【0015】このように、この発明では、鋼成分は重要
であり、前記した成分組成範囲を満足しないと、直接熱
延プロセスにおいて優れた深絞り性を確保することがで
きない。以下、各成分について範囲を限定した理由につ
いて説明する。 C:0.01wt%以下 Cは、含有量が少なければ少ない程、深絞り性が向上す
るので好ましいが、その含有量が0.01wt%以下ではさほ
ど悪影響を及ぼさないので0.01wt%以下に限定した。よ
り好ましくは0.008wt %以下である。
【0016】Si:0.5〜1.5 wt% Siは、鋼を強化する作用があり、所望の強度、より具体
的には引張強さ45kgf/mm 2 以上を達成するには、Siを0.5
wt%以上に含有させる必要があり、また、その含有量が
1.5 wt%を超えると深絞り性及び表面性状に悪影響を与
えるので、Si含有量は0.5〜1.5 wt%に限定した。 Mn:0.1 〜3.0 wt% Mnは、鋼を強化する作用があり、所望の強度に応じて必
要量を含有させるものであるが、その含有量が0.1 wt%
以下では強度不足になり、一方3.0 wt%を超えると深絞
り性に悪影響を与えるので0.1 〜3.0 wt%に限定した。
【0017】Ti:0.01〜0.2 wt% Tiは、炭窒化物形成成分であり、鋼中の固溶(C,N)
を低減させるとともに深絞り性に有利な{111 }方位の
結晶粒を優先的に形成させる効果がある。その含有量が
0.01 wt%に満たないと効果がなく、一方0.2 wt%を超
えて含有させても効果の向上が見られないばかりか、却
って延性の劣化を招くので0.01〜0.2 wt%に限定した。
【0018】Nb:0.001 〜0.2 wt% Nbは、炭化物形成成分であり、鋼中の固溶Cを低減させ
る効果があるとともに、熱間仕上圧延前の組織微細化に
有効である。Nbの含有量が0.001 wt%に満たないとその
効果がなく、一方0.2 wt%を超えて含有させても効果の
向上が見られないので0.001 〜0.2 wt%に限定した。
【0019】B:0.0001〜0.0030wt% Bは、耐二次加工ぜい性を改善させるために含有させ
る。その含有量が0.0001wt%に満たないと効果がなく、
一方0.003 wt%を超えるて含有させると深絞り性が劣化
するため0.0001〜0.003 wt%に限定した。 Al:0.01〜0.20wt% Alは、脱酸を行い、炭窒化物形成成分の歩留まりを向上
させるために必要量を含有させるものであり、その含有
量が0.01wt%に満たないとその効果がなく、一方0.20wt
%を超えて含有させても、より一層の脱酸効果は得られ
ないため、0.01〜0.20wt%に限定した。
【0020】P:0.05〜0.20wt% Pは、この発明において重要な成分であり、鋼を強化す
る作用があるとともに、冷間圧延−再結晶焼鈍後の材料
特性にも大きく影響を与える。すなわちPは、鋳造組織
の微細化に有効であり、0.05wt%以上のP含有により鋳
造組織及び熱延板組織が微細になり、その結果、冷間圧
延−再結晶焼鈍後のr値が向上する。一方、0.05wt%に
満たないP含有では、上記の鋳造組織の微細化には有効
ではなく、また0.20wt%を超えるP含有では、逆に深絞
り性に悪影響を与えるので0.05〜0.20wt%に限定した。
より好ましくは0.05〜0.15wt%である。
【0021】S:0.05wt%以下 Sは、少なければ少ない程、深絞り性が向上するので、
できるだけ含有量を抑制することが好ましいが、その含
有量が0.05wt%以下ではさほど悪影響を及ぼさないので
0.05 wt%以下に限定した。
【0022】N:0.01wt%以下 Nは、少なければ少ない程、深絞り性が向上するので、
できるだけ含有量を抑制することが好ましいが、その含
有量が0.01wt%以下ではさほど悪影響を及ぼさないので
0.01wt%以下に限定した。
【0023】この発明では、上記C,Ti,S及びNの各
含有量〔C〕,〔Ti〕,〔S〕及び〔N〕が次式
【数3】 〔Ti〕≧48(〔C〕/12+〔N〕/14+〔S〕/32)(wt%) …(1) を満足しなければならない。Tiは、前述したとおり炭窒
化物形成成分であり、鋼中の固溶(C,N)を低減さ
せ、深絞り性に有利な{111 }方位の結晶粒を優先的に
形成させる作用がある。しかしながら上記(1) 式を満足
しない場合には、図1でも明らかなようにその効果が見
られず、優れた深絞り性が得られないので、
【数4】 〔Ti〕≧48(〔C〕/12+〔N〕/14+〔S〕/32)(wt%) に限定した。
【0024】Mo:0.01〜1.0 wt% Moは、鋼を強化する作用があり、第2発明では所望の強
度に応じて含有させるものであるが、その含有量が0.01
wt%に満たないと効果がなく、一方1.0 wt%を超えると
深絞り性に悪影響を与えるので0.01〜1.0 wt%に限定し
た。
【0025】
【0026】
【0027】次にこの発明で製造工程について限定した
理由について説明する。連続鋳造後の鋼は、直ちに圧延
設備に供給して熱間圧延を開始するか、又は保温処理を
施した後に熱間圧延を開始することで、Ar3 変態点以下
に降温させることなく熱間圧延を行う。連続鋳造スラブ
の保温条件は、鋼成分及び熱間圧延条件がこの発明を満
足すれば任意でよい。
【0028】熱間圧延工程 熱間圧延工程は、この発明で最も重要であり、連続鋳造
後、Ar3 変態点に降温する前に高温の熱間粗圧延を施し
て950 〜1100℃で終了し、引き続き熱間仕上圧延を行う
ことが必要である。上記のように低温の熱間粗圧延を施
すことが鋳造組織の微細化とTiCの析出とを十分に行わ
せるために必要であり、ここに熱間粗圧延の終了温度が
1100℃より高いと、粗圧延による鋳造組織の微細化が十
分に行われず、さらに粗圧延時にTiCの析出が十分に進
行しないため、冷間圧延−再結晶焼鈍終了後に優れた深
絞り性が得られない。一方、熱間粗圧延温度を950 ℃よ
り低くしてもそれ以上の効果が得られず、逆に熱間仕上
温度がAr3 変態点を大きく下回るため、却って深絞り性
が劣化する。そのため熱間粗圧延の終了温度を950 〜11
00℃の範囲に限定した。なお上記熱間粗圧延につき、圧
延開始温度は1150℃以下が好ましく、また圧下率は80%
程度以上が好ましい。
【0029】次に熱間仕上圧延については、特に限定す
るものではないが、仕上圧延終了温度はAr3 変態点以上
が好ましい。しかしAr3 変態点を若干下回っても問題は
ない。熱間仕上圧延後の巻取温度は、特に限定するもの
ではなく、好ましくは500 〜750 ℃の範囲である。
【0030】冷間圧延工程 冷間圧延工程は、高いr値を得るために必須であり、冷
延圧下率は60〜95%とすることが不可欠である。かかる
冷延圧下率が60%未満又は95%を超えると、優れた深絞
り性が得られない。
【0031】焼鈍工程 冷間圧延を経た冷延鋼帯は、連続焼鈍法にて再結晶焼鈍
を施す必要がある。焼鈍温度は800 〜980 ℃の範囲とす
る。焼鈍温度が800 ℃に満たない低温域では、優れた深
絞り性を得ることができない。一方、焼鈍温度が980 ℃
を超えると、α−γ変態により結晶方位がランダム化し
て深絞り性が劣化するので800 〜980 ℃に限定した。な
お焼鈍後の鋼帯に、表面粗度等の調整のために、通常行
われる10%以下の調質圧延を施しても良いことは言うま
でもない。またこの発明にて得られた冷延鋼板は、加工
用表面処理鋼板の原板にも適用できる。表面処理として
は、亜鉛めっき(合金系を含む)、すずめっき、ほうろ
う等がある。
【0032】
【実施例】表1に示す種々の成分組成になる鋼を溶製し
た。
【0033】
【表1】
【0034】これらの溶鋼を連続鋳造後、Ar3 変態点に
降温させることなく、保温して表2に示す粗圧延終了温
度(RDT)、仕上圧延終了温度(FDT)の条件で熱
間粗圧延、熱間仕上圧延を行った。
【0035】
【表2】
【0036】得られた熱延板を酸洗後、表2に示した条
件にて冷間圧延を施し板厚0.7 mmの冷延鋼板にして後、
連続焼鈍設備にて表2に示した条件にて再結晶焼鈍を施
した。なお表1及び表2中、数値がこの発明の範囲を外
れる例については、下線を引いてある。かくして得られ
た冷延鋼板の材料特性について調べた結果を表2に併記
した。なお引張特性は、JIS 5 号引張試験片を用いて測
定した。またr値は、15%引張予ひずみを与えたのち、
3点法にて測定し、L方向(圧延方向)、D方向(圧延
方向から45度方向)及びC方向(圧延方向から90度方
向)の平均値を
【数5】r=(rL +2rD +rC )/4 の式から求めた。さらに耐二次加工ぜい性の評価として
は、限界絞り比2.8 にて加工したサンプルを−50℃に冷
却したのち、圧潰試験を行い、ぜい性割れ発生の有無に
て評価した。
【0037】表2から明らかなように、この発明に従う
適合例は、いずれも比較例に比べて優れた深絞り性−高
い引張強度のレベルを有している。
【0038】
【発明の効果】この発明によれば、鋼成分及び製造条件
を限定することにより、深絞り性に優れた高張力冷延鋼
板を、安価なエネルギーコストで製造することが可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、r値に及ぼすr値に及ぼす鋼成分の影
響を、Ti−48(C/12+N/14+S/32)との関係で示
すグラフである。
【図2】図2は、r値に及ぼすP量の影響を示すグラフ
である。
【図3】図3は、r値に及ぼす熱間粗圧延の終了温度の
影響を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−163318(JP,A) 特開 平2−149624(JP,A) 特開 平2−170921(JP,A) 特開 平2−47222(JP,A) 特開 平4−246128(JP,A) 特開 平5−209228(JP,A) 特開 平4−285125(JP,A) 特開 平4−141554(JP,A) 特開 平1−205035(JP,A) 特開 平4−272143(JP,A) 特開 平1−184251(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 9/46 - 9/48 C21D 8/00 - 8/04 C22C 38/00 - 38/60

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.01wt%以下、 Si:0.5〜1.5 wt%、 Mn:0.1 〜3.0 wt%、 Ti:0.01〜0.2 wt%、 Nb:0.001 〜0.2 wt%、 B:0.0001〜0.0030wt%、 Al:0.01〜0.20wt%、 P:0.05〜0.20wt%、 S:0.05wt%以下及び N:0.01wt%以下 を含み、かつ上記C,Ti,S及びNの各含有量〔C〕,
    〔Ti〕,〔S〕及び〔N〕が次式 〔Ti〕≧48(〔C〕/12+〔N〕/14+〔S〕/32) (wt%) を満足する基本成分組成を有し、残部はFe及び不可避的
    不純物よりなる鋼を、連続鋳造後、Ar3変態点以下に降
    温する前に、熱間粗圧延を施して950 〜1100℃の温度域
    にて終了し、 引き続き熱間仕上圧延を行った後、酸洗、次いで圧下率
    60〜95%の冷間圧延を施した後、 800 〜980 ℃の再結晶焼鈍を施すことを特徴とする、深
    絞り性に優れた高張力冷延鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 基本成分組成に加えて Mo:0.01〜1.0 wt% を含有する請求項1記載の深絞り性に優れた高張力冷延
    鋼板の製造方法。
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