JP3366422B2 - 熱可逆性記録材料及びその製法、熱可逆性記録媒体、記録装置 - Google Patents

熱可逆性記録材料及びその製法、熱可逆性記録媒体、記録装置

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JP3366422B2
JP3366422B2 JP07029194A JP7029194A JP3366422B2 JP 3366422 B2 JP3366422 B2 JP 3366422B2 JP 07029194 A JP07029194 A JP 07029194A JP 7029194 A JP7029194 A JP 7029194A JP 3366422 B2 JP3366422 B2 JP 3366422B2
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豊 岡部
洋一 西岡
幸久 岡田
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、熱的手段により可逆
的に記録・消去を繰り返し行なうことができる熱可逆性
記録材料、その製造方法、該材料を用いた熱可逆性記録
媒体、該媒体を用いた記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可逆性記録材料は、熱履歴により当該
材料の透明度(ここでは、可視光に対する透明度につき
論じる。以下、同様)が変化する特性を有するものであ
る。この種の材料の従来例として、例えば特開昭55−
154198号公報に開示されているものがある。これ
は、ポリエステルをはじめとするポリマーから成るマト
リクス材にベヘン酸(ドコサン酸)をはじめとする有機
低分子物質を分散させて構成されたものである。具体的
には、この公報の実施例には、以下の〜の構成の、
かつ特性を有する熱可逆性記録材料がそれぞれ開示され
ている。:芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジオール
をベースにした高分子直鎖コポリエステルと、ドコサン
酸とを含むもの。これは、72℃に加熱して冷却すると
安定した透明性を示すものであり、また77℃以上の温
度に再加熱することによってのみ不透明状態に戻すこと
ができるものであった。:塩化ビニリデンおよびアク
リロニトリロの共重合体と、ドコサン酸と、流動性改善
のためのフルオラッド潤滑剤とを含むもの。これは、6
3℃にまで加熱して冷却すると安定した透明性を示すも
のであり、また74℃以上の温度に再加熱することによ
ってのみ不透明状態に戻すことができるものであった。
:塩化ビニルおよび酢酸ビニルの共重合体と、ドコサ
ノールとを含むもの。これは、68℃にまで加熱して冷
却すると安定した透明性を示すものであり、また70℃
以上の温度に再加熱することによってのみ不透明状態に
戻すことができるものであった。:ポリエステルと、
ドコサン酸とを含むもの。これは、72℃にまで加熱し
て冷却すると安定した透明性を示すものであり、また7
7℃以上の温度に再加熱することによってのみ不透明状
態に戻すことができるものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、詳細は
後に比較例を参照して説明するが、従来の熱可逆性記録
材料では、記録及び消去を繰り返し行なってゆくと、画
像における透明部と白濁部とのコントラストが低下し易
いという問題があった。
【0004】さらに、従来の熱可逆性記録材料では、透
明状態を形成出来る温度範囲が、上記のものにあって
は(77−72)=5℃、のものにあっては(74−
63)=11℃、のものにあっては(70−68)=
2℃、のものにあっては(77−72)=5℃という
ように、最大でも11℃でしかなかった。熱可逆性記録
材料を用いてコントラスト等が良好な記録(表示)を行
なわせる場合、例えば、熱可逆性記録材料で構成した表
示板の裏面に着色板を設け、そしてこの表示板の所望部
分を例えばサーマルヘッド等の熱的手段により選択的に
加熱して透明状態に変化させそれ以外の部分は白濁状態
のままとし、前記透明状態となった部分のみ着色板の色
が透けて見えるようにして表示を行なわせる方法が考え
られる。このようなとき、熱可逆性記録材料の透明状態
を形成出来る温度範囲が上記のごとく狭いと、(a) 熱的
手段の温度制御が大変、(b) 画像をくり返し作成する際
に安定した透明度を得るのが難しいなどの不具合が生じ
る。
【0005】さらに、従来の熱可逆性記録材料では、形
成された画像に60数℃(上記のものでは63℃)程
度の温度が加わりその後この画像が冷却されるという事
態が起きると、画像中の白濁部分は透明化してしまうの
で画像の視認性が低下してしまう。つまり、通常の使用
において生じるであろう70℃程度の温度で画像の視認
性が低下してしまうのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、この出願の第一
発明の熱可逆性記録材料によれば、マトリクス材及び有
機低分子物質を含み熱履歴により透明度が変化する熱可
逆性記録材料において、マトリクス材としてポリビニル
アセタールとエポキシ樹脂(ただし硬化剤で硬化したも
の)とを含み、有機低分子物質として飽和カルボン酸及
び飽和カルボン酸の誘導体の群から選ばれる少なくとも
1つのもの(以下、「所定のカルボン酸」ともいう。)
を含むことを特徴とする。なお、この第一発明でいう熱
可逆性記録材料には、当該熱可逆性記録材料中に硬化前
のエポキシ樹脂および未反応の硬化剤が残存している場
合のものも含まれるものとする。
【0007】また、この出願の第二発明によれば、第一
発明の熱可逆性記録材料を製造するための好適な方法と
して、有機低分子物質としての、飽和カルボン酸及び飽
和カルボン酸の誘導体の群から選ばれる少なくとも一つ
のものと、マトリクス材形成のための、ポリビニルアセ
タール、エポキシ樹脂、及びエポキシ樹脂用の硬化剤と
を混合し、これらの混合物を所定時間放置するか、或
は、該混合物に対し熱処理する方法を主張する。なお、
この第二発明の実施に当たっては、所定のカルボン酸
と、ポリビニルアセタールと、エポキシ樹脂と、該エポ
キシ樹脂用の硬化剤とを混合することを適当な溶媒中で
行なうのが良い。また、エポキシ樹脂と硬化剤との反応
を促進するために適当な触媒を用いるようにしても良
い。また、この第二発明でいう放置時間、熱処理条件は
目的の硬化が進み得るようエポキシ樹脂や硬化剤の種類
に応じ決定する。
【0008】ここで、用い得るエポキシ樹脂としては、
これに限られるものではないが、先ず下記(I)または
(II)の構造式で示されるものを挙げることができる。
【0009】
【化1】
【0010】これら構造式(I)または(II)で示され
るものの具体例としては例えば、(A).エポキシプロ
パン、エポキシブタン、エポキシペンタン、エポキシド
デカン、エポキシテトラデカン、エポキシヘキサデカ
ン、エポキシオクタデカン、エポキシエイコサン、エポ
キシドコサン、エポキシテトラコサン、アリルグリシジ
ルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、
フェニルグリシジルエーテル、フェノール(EO)5
リシジルエーテル、P−ターシャリーブチルグリシシジ
ルエーテル、ディブロモフェニルグリシジルエーテル、
ラウリルアルコール(EO)15グリシジルエーテルなど
のモノエポキシ樹脂、(B).ジエポキシプロパン、ジ
エポキシブタン、ジエポキシペンタン、ジエポキシドデ
カン、ジエポキシテトラデカン、ジエポキシヘキサデカ
ン、ジエポキシオクタデカン、ジエポキシエイコサン、
ジエポキシドコサン、ジエポキシテトラコサン、エチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリ
コールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジ
グリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリ
シジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジル
エーテル、1,6ヘキサネディオールジグリシジルエー
テル、ブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエー
テル、O−ファタリックアシドジグリシジルエーテルな
どのジエポキシ樹脂、(C).グリセロールポリグリシ
ジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジル
エーテル、ディグリセロールポリグリシジルエーテル、
ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトー
ルポリグリシジルエーテルなどのポリエポキシ樹脂、
(D).エポミック(商標、三井石油化学工業(株)
製)、デナコール(商標、ナガセ化成工業(株)製)、
エピコート(商標、シェル化学(株)製)、アイカアイ
ボン(商標、アイカ工業(株)製)、A.E.R(商
標、旭化成工業(株)製)、アラルダイト(商標、昭和
高分子(株)製)、スミエポキシ(商標、住友化学工業
(株)製)、エピクロン(商標、大日本インキ化学工業
(株)製)などを挙げることが出来る。また、下記の
(III)または(IV)の構造式で示されるものもこの発明
で用い得るエポキシ樹脂とできる(ただし、式中のRは
炭化水素およびその誘導体である。)。
【0011】
【化2】
【0012】また、エポキシ樹脂を硬化させるための硬
化剤として用い得るものは、これに限られるものではな
いが、 (a).メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミ
ン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、
ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシ
ルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデ
シルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミ
ン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタ
デシルアミン、ノナデシルアミン、エイコシルアミンな
どの一級アミン、 (b).ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピル
アミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシ
ルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノ
ニルアミン、ジデシルアミン、ジウンデシルアミン、ジ
ドデシルアミン、ジトリデシルアミン、ジテトラデシル
アミン、ジペンタデシルアミン、ジヘキサデシルアミ
ン、ジヘプタデシルアミン、ジオクタデシルアミン、ジ
ノナデシルアミン、ジエイコシルアミン、メチルエチル
アミン、メチルプロピルアミン、メチルブチルアミン、
メチルペンチルアミン、メチルヘキシルアミン、メチル
ヘプチルアミン、メチルオクチルアミン、メチルノニル
アミン、メチルデシルアミン、メチルウンデシルアミ
ン、メチルドデシルアミン、メチルトリデシルアミン、
メチルテトラデシルアミン、メチルペンタデシルアミ
ン、メチルヘキサデシルアミン、メチルヘプタデシルア
ミン、メチルオクタデシルアミン、メチルノナデシルア
ミン、メチルエイコシルアミンなどの二級アミン、 (c).メチルアルコール、エチルアルコール、プロピ
ルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコー
ル、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチ
ルアルコール、ノニルアルコールなどのアルコール (d).フェノール、クレゾール、キシレノール、ナフ
トール、カテコール、レソルシノール、ヒドロキノン、
フェニルエタノール、ベンゼントリオール、ビフェニル
−ジオールなどのフェノール (e).ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カ
プロン酸、エナント酸、カプリル酸などの有機酸 (f).無水フタル酸、無水コハク酸、ヘキサヒドロ無
水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ドデセニルコ
ハク酸、無水酢酸、無水酪酸、無水マロン酸、無水グル
タル酸、無水アジピン酸、無水マレイン酸、無水フマル
酸、無水リンゴ酸、無水安息香酸などの酸無水物、 (g).塩酸、硝酸、硫酸などの無機酸、 (h).水、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、ポ
リアミドアミン、脂肪族ポリエーテルポリアミン、ポリ
アミド、メルカプタンなどを挙げることが出来る。
【0013】また、エポキシ樹脂と硬化剤との反応促進
のために触媒を用いる場合の当該触媒としては、これに
限られるものではないが、(1).トリエチルベンジル
アンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニ
ウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライ
ド、テトラメチルアンモニウムクロライドなどの、四級
アンモニウム塩、(2).トリメチルアミン、トリエチ
ルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、ト
リペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチル
アミン、トリオクチルアミン、ベンジルメチルアミン、
ベンジルエチルアミン、ベンジルブチルアミン、ベンジ
ルプロピルアミン、ベンジルヘプチルアミン、ベンジル
オクチルアミン、ベンジルペンチルアミン、ベンジルヘ
キシルアミンなどの三級アミン、(3).2−エチル−
4−エチルイミダゾール、2−メチル−4−エチルイミ
ダゾール、2−ブチル−4−エチルイミダゾール、2−
プロピル−4−エチルイミダゾール、2−ペンチル−4
−エチルイミダゾール、2−ヘキシル−4−エチルイミ
ダゾール、2−ヘプチル−4−エチルイミダゾール、2
−オクチル−4−エチルイミダゾール、2−エチルイミ
ダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ブチルイミダ
ゾール、2−プロピルイミダゾール、2−ペンチルイミ
ダゾール、2−ヘキシルイミダゾール、2−ヘプチルイ
ミダゾール、2−オクチルイミダゾールなどのイミダゾ
ール化合物、(4).水、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、塩化スズ、フッ化硼素などを挙げることが出来
る。
【0014】また、所定のカルボン酸の具体例としては
例えば次のようなものがある。
【0015】(A).炭素数が少なくとも10であるモ
ノカルボン酸としては、次のものに限られないが、カプ
リン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミ
リスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデ
カン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ヘ
ンエイコサン酸、ベヘン酸、トリコサン酸、リグノセリ
ン酸、ペンタコサン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、
オクタコサン酸、ノナコサン酸、トリアコンタン酸、ヘ
ントリアコンタン酸、ドトリアコンタン酸、トリトリア
コンタン酸、テトラトリアコンタン酸、ペンタトリアコ
ンタン酸、ヘキサトリアコンタン酸、ヘプタトリアコン
タン酸、ノナトリアコンタン酸、テトラコンタン酸、ヘ
ンテトラコンタン酸、ドテトラコンタン酸、トリテトラ
コンタン酸、テトラテトラコンタン酸、ペンタテトラコ
ンタン酸、ヘキサテトラコンタン酸、ヘプタテトラコン
タン酸、オクタテトラコンタン酸、ノナテトラコンタン
酸、ペンタコンタン酸、ヘンペンタコンタン酸、ドペン
タコンタン酸、トリペンタコンタン酸、テトラペンタコ
ンタン酸、ペンタペンタコンタン酸、ヘキサペンタコン
タン酸、ヘプタペンタコンタン酸、オクタペンタコンタ
ン酸、ノナペンタコンタン酸、ヘキサコンタン酸、ドヘ
キサコンタン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン
酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、
ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オクタデセン酸、ノ
ナデセン酸、エイコセン酸、ヘンエイコセン酸、ドコセ
ン酸、トリコセン酸、テトラコセン酸、ペンタコセン
酸、ヘキサコセン酸、ヘプタコセン酸、オクタコセン
酸、ノナコセン酸等から選ばれるモノカルボン酸を挙げ
ることが出来る。
【0016】(B).また、炭素数が少なくとも10で
あるジカルボン酸としては、次のものに限られないが、
デカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカ
ン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサ
デカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノ
ナデカン二酸、エイコサン二酸、ヘンエイコサン二酸、
ドコサン二酸、トリコサン二酸、テトラコサン二酸、ペ
ンタコサン二酸、ヘキサコサン二酸、ヘプタコサン二
酸、オクタコサン二酸、ノナコサン二酸、トリアコンタ
ン二酸、ヘントリアコンタン二酸、ドトリアコンタン二
酸、トリトリアコンタン二酸、テトラトリアコンタン二
酸、ペンタトリアコンタン二酸、ヘキサトリアコンタン
二酸、ヘプタトリアコンタン二酸、ノナトリアコンタン
二酸、テトラコンタン二酸、ヘンテトラコンタン二酸、
ドテトラコンタン二酸、トリテトラコンタン二酸、テト
ラテトラコンタン二酸、ペンタテトラコンタン二酸、ヘ
キサテトラコンタン二酸、ヘプタテトラコンタン二酸、
オクタテトラコンタン二酸、ノナテトラコンタン二酸、
ペンタコンタン二酸、ヘンペンタコンタン二酸、ドペン
タコンタン二酸、トリペンタコンタン二酸、テトラペン
タコンタン二酸、ペンタペンタコンタン二酸、ヘキサペ
ンタコンタン二酸、ヘプタペンタコンタン二酸、オクタ
ペンタコンタン二酸、ノナペンタコンタン二酸、ヘキサ
コンタン二酸、ドヘキサコンタン二酸、デセン二酸、ウ
ンデセン二酸、ドデセン二酸、トリデセン二酸、テトラ
デセン二酸、ペンタデセン二酸、ヘキサデセン二酸、ヘ
プタデセン二酸、オクタデセン二酸、ノナデセン二酸、
エイコセン二酸、ヘンエイコセン二酸、ドコセン二酸、
トリコセン二酸、テトラコセン二酸、ペンタコセン二
酸、ヘキサコセン二酸等から選ばれるジカルボン酸を挙
げることが出来る。
【0017】(C).また、炭素数が少なくとも10で
あるモノカルボン酸の誘導体としては、次のものに限ら
れないが、(C-1).デカン酸アミド、ウンデカン酸アミ
ド、ドデカン酸アミド、トリデカン酸アミド、テトラデ
カン酸アミド、ペンタデカン酸アミド、ヘキサデカン酸
アミド、ヘプタデカン酸アミド、オクタデカン酸アミ
ド、ノナデカン酸アミド、エイコサン酸アミド、ヘンエ
イコサン酸アミド、ドコサン酸アミド、トリコサン酸ア
ミド、テトラコサン酸アミド、ペンタコサン酸アミド、
ヘキサコサン酸アミド、ヘプタコサン酸アミド、オクタ
コサン酸アミド、ノナコサン酸アミド、トリアコンタン
酸アミド、ヘントリアコンタン酸アミド、ドトリアコン
タン酸アミド、トリトリアコンタン酸アミド、テトラト
リアコンタン酸アミド、ペンタトリアコンタン酸アミ
ド、ヘキサトリアコンタン酸アミド、ヘプタトリアコン
タン酸アミド、ノナトリアコンタン酸アミド、テトラコ
ンタン酸アミド、ヘンテトラコンタン酸アミド、ドテト
ラコンタン酸アミド、トリテトラコンタン酸アミド、テ
トラテトラコンタン酸アミド、ペンタテトラコンタン酸
アミド、ヘキサテトラコンタン酸アミド、ヘプタテトラ
コンタン酸アミド、オクタテトラコンタン酸アミド、ノ
ナテトラコンタン酸アミド、ペンタコンタン酸アミド、
ヘンペンタコンタン酸アミド、ドペンタコンタン酸アミ
ド、トリペンタコンタン酸アミド、テトラペンタコンタ
ン酸アミド、ペンタペンタコンタン酸アミド、ヘキサペ
ンタコンタン酸アミド、ヘプタペンタコンタン酸アミ
ド、オクタペンタコンタン酸アミド、ノナペンタコンタ
ン酸アミド、ヘキサコンタン酸アミド、ドヘキサコンタ
ン酸アミド、デセン酸アミド、ウンデセン酸アミド、ド
デセン酸アミド、トリデセン酸アミド、テトラデセン酸
アミド、ペンタデセン酸アミド、ヘキサデセン酸アミ
ド、ヘプタデセン酸アミド、オクタデセン酸アミド、ノ
ナデセン酸アミド、エイコセン酸アミド、ヘンエイコセ
ン酸アミド、ドコセン酸アミド、トリコセン酸アミド、
テトラコセン酸アミド、ペンタコセン酸アミド、ヘキサ
コセン酸アミド、ヘプタコセン酸アミド、オクタコセン
酸アミド、ノナコセン酸アミド等のアミド、(C-2).デ
カン酸アミン、ウンデカン酸アミン、ドデカン酸アミ
ン、トリデカン酸アミン、テトラデカン酸アミン、ペン
タデカン酸アミン、ヘキサデカン酸アミン、ヘプタデカ
ン酸アミン、オクタデカン酸アミン、ノナデカン酸アミ
ン、エイコサン酸アミン、ヘンエイコサン酸アミン、ド
コサン酸アミン、トリコサン酸アミン、テトラコサン酸
アミン、ペンタコサン酸アミン、ヘキサコサン酸アミ
ン、ヘプタコサン酸アミン、オクタコサン酸アミン、ノ
ナコサン酸アミン、トリアコンタン酸アミン、ヘントリ
アコンタン酸アミン、ドトリアコンタン酸アミン、トリ
トリアコンタン酸アミン、テトラトリアコンタン酸アミ
ン、ペンタトリアコンタン酸アミン、ヘキサトリアコン
タン酸アミン、ヘプタトリアコンタン酸アミン、ノナト
リアコンタン酸アミン、テトラコンタン酸アミン、ヘン
テトラコンタン酸アミン、ドテトラコンタン酸アミン、
トリテトラコンタン酸アミン、テトラテトラコンタン酸
アミン、ペンタテトラコンタン酸アミン、ヘキサテトラ
コンタン酸アミン、ヘプタテトラコンタン酸アミン、オ
クタテトラコンタン酸アミン、ノナテトラコンタン酸ア
ミン、ペンタコンタン酸アミン、ヘンペンタコンタン酸
アミン、ドペンタコンタン酸アミン、トリペンタコンタ
ン酸アミン、テトラペンタコンタン酸アミン、ペンタペ
ンタコンタン酸アミン、ヘキサペンタコンタン酸アミ
ン、ヘプタペンタコンタン酸アミン、オクタペンタコン
タン酸アミン、ノナペンタコンタン酸アミン、ヘキサコ
ンタン酸アミン、ドヘキサコンタン酸アミン、デセン酸
アミン、ウンデセン酸アミン、ドデセン酸アミン、トリ
デセン酸アミン、テトラデセン酸アミン、ペンタデセン
酸アミン、ヘキサデセン酸アミン、ヘプタデセン酸アミ
ン、オクタデセン酸アミン、ノナデセン酸アミン、エイ
コセン酸アミン、ヘンエイコセン酸アミン、ドコセン酸
アミン、トリコセン酸アミン、テトラコセン酸アミン、
ペンタコセン酸アミン、ヘキサコセン酸アミン、ヘプタ
コセン酸アミン、オクタコセン酸アミン、ノナコセン酸
アミン等のアミン、(C-3).デカン酸アニリド、ウンデ
カン酸アニリド、ドデカン酸アニリド、トリデカン酸ア
ニリド、テトラデカン酸アニリド、ペンタデカン酸アニ
リド、ヘキサデカン酸アニリド、ヘプタデカン酸アニリ
ド、オクタデカン酸アニリド、ノナデカン酸アニリド、
エイコサン酸アニリド、ヘンエイコサン酸アニリド、ド
コサン酸アニリド、トリコサン酸アニリド、テトラコサ
ン酸アニリド、ペンタコサン酸アニリド、ヘキサコサン
酸アニリド、ヘプタコサン酸アニリド、オクタコサン酸
アニリド、ノナコサン酸アニリド、トリアコンタン酸ア
ニリド、ヘントリアコンタン酸アニリド、ドトリアコン
タン酸アニリド、トリトリアコンタン酸アニリド、テト
ラトリアコンタン酸アニリド、ペンタトリアコンタン酸
アニリド、ヘキサトリアコンタン酸アニリド、ヘプタト
リアコンタン酸アニリド、ノナトリアコンタン酸アニリ
ド、テトラコンタン酸アニリド、ヘンテトラコンタン酸
アニリド、ドテトラコンタン酸アニリド、トリテトラコ
ンタン酸アニリド、テトラテトラコンタン酸アニリド、
ペンタテトラコンタン酸アニリド、ヘキサテトラコンタ
ン酸アニリド、ヘプタテトラコンタン酸アニリド、オク
タテトラコンタン酸アニリド、ノナテトラコンタン酸ア
ニリド、ペンタコンタン酸アニリド、ヘンペンタコンタ
ン酸アニリド、ドペンタコンタン酸アニリド、トリペン
タコンタン酸アニリド、テトラペンタコンタン酸アニリ
ド、ペンタペンタコンタン酸アニリド、ヘキサペンタコ
ンタン酸アニリド、ヘプタペンタコンタン酸アニリド、
オクタペンタコンタン酸アニリド、ノナペンタコンタン
酸アニリド、ヘキサコンタン酸アニリド、ドヘキサコン
タン酸アニリド、デセン酸アニリド、ウンデセン酸アニ
リド、ドデセン酸アニリド、トリデセン酸アニリド、テ
トラデセン酸アニリド、ペンタデセン酸アニリド、ヘキ
サデセン酸アニリド、ヘプタデセン酸アニリド、オクタ
デセン酸アニリド、ノナデセン酸アニリド、エイコセン
酸アニリド、ヘンエイコセン酸アニリド、ドコセン酸ア
ニリド、トリコセン酸アニリド、テトラコセン酸アニリ
ド、ペンタコセン酸アニリド、ヘキサコセン酸アニリ
ド、ヘプタコセン酸アニリド、オクタコセン酸アニリ
ド、ノナコセン酸アニリド等のアニリド、(C-4).デカ
ノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノー
ル、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカ
ノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデ
カノール、エイコサノール、ヘンエイコサノール、ドコ
サノール、トリコサノール、テトラコサノール、ペンタ
コサノール、ヘキサコサノール、ヘプタコサノール、オ
クタコサノール、ノナコサノール、トリアコンタノー
ル、ヘントリアコンタノール、ドトリアコンタノール、
トリトリアコンタノール、テトラトリアコンタノール、
ペンタトリアコンタノール、ヘキサトリアコンタノー
ル、ヘプタトリアコンタノール、ノナトリアコンタノー
ル、テトラコンタノール、ヘンテトラコンタノール、ド
テトラコンタノール、トリテトラコンタノール、テトラ
テトラコンタノール、ペンタテトラコンタノール、ヘキ
サテトラコンタノール、ヘプタテトラコンタノール、オ
クタテトラコンタノール、ノナテトラコンタノール、ペ
ンタコンタノール、ヘンペンタコンタノール、ドペンタ
コンタノール、トリペンタコンタノール、テトラペンタ
コンタノール、ペンタペンタコンタノール、ヘキサペン
タコンタノール、ヘプタペンタコンタノール、オクタペ
ンタコンタノール、ノナペンタコンタノール、ヘキサコ
ンタノール、ドヘキサコンタノール、デセノール、ウン
デセノール、ドデセノール、トリデセノール、テトラデ
セノール、ペンタデセノール、ヘキサデセノール、ヘプ
タデセノール、オクタデセノール、ノナデセノール、エ
イコセノール、ヘンエイコセノール、ドコセノール、ト
リコセノール、テトラコセノール、ペンタコセノール、
ヘキサコセノール、ヘプタコセノール、オクタコセノー
ル、ノナコセノール等のアルコール、(C-5).オクタコ
サン酸デシル、オクタコサン酸ウンデシル、オクタコサ
ン酸ドデシル、オクタコサン酸トリデシル、オクタコサ
ン酸テトラデシル、オクタコサン酸ペンタデシル、オク
タコサン酸ヘキサデシル、オクタコサン酸ヘプタデシ
ル、オクタコサン酸オクタデシル、デカン酸メチル、ウ
ンデカン酸メチル、ドデカン酸メチル、トリデカン酸メ
チル、テトラデカン酸メチル、ペンタデカン酸メチル、
ヘキサデカン酸メチル、ヘプタデカン酸メチル、オクタ
デカン酸メチル、ノナデカン酸メチル、エイコサン酸メ
チル、ヘンエイコサン酸メチル、ドコサン酸メチル、ト
リコサン酸メチル、テトラコサン酸メチル、ペンタコサ
ン酸メチル、ヘキサコサン酸メチル、ヘプタコサン酸メ
チル、オクタコサン酸メチル、ノナコサン酸メチル、ト
リアコンタン酸メチル、ヘントリアコンタン酸メチル、
ドトリアコンタン酸メチル、トリトリアコンタン酸メチ
ル、テトラトリアコンタン酸メチル、ペンタトリアコン
タン酸メチル、ヘキサトリアコンタン酸メチル、ヘプタ
トリアコンタン酸メチル、ノナトリアコンタン酸メチ
ル、テトラコンタン酸メチル、ヘンテトラコンタン酸メ
チル、ドテトラコンタン酸メチル、トリテトラコンタン
酸メチル、テトラテトラコンタン酸メチル、ペンタテト
ラコンタン酸メチル、ヘキサテトラコンタン酸メチル、
ヘプタテトラコンタン酸メチル、オクタテトラコンタン
酸メチル、ノナテトラコンタン酸メチル、ペンタコンタ
ン酸メチル、ヘンペンタコンタン酸メチル、ドペンタコ
ンタン酸メチル、トリペンタコンタン酸メチル、テトラ
ペンタコンタン酸メチル、ペンタペンタコンタン酸メチ
ル、ヘキサペンタコンタン酸メチル、ヘプタペンタコン
タン酸メチル、オクタペンタコンタン酸メチル、ノナペ
ンタコンタン酸メチル、ヘキサコンタン酸メチル、ドヘ
キサコンタン酸メチル、デセン酸メチル、ウンデセン酸
メチル、ドデセン酸メチル、トリデセン酸メチル、テト
ラデセン酸メチル、ペンタデセン酸メチル、ヘキサデセ
ン酸メチル、ヘプタデセン酸メチル、オクタデセン酸メ
チル、ノナデセン酸メチル、エイコセン酸メチル、ヘン
エイコセン酸メチル、ドコセン酸メチル、トリコセン酸
メチル、テトラコセン酸メチル、ペンタコセン酸メチ
ル、ヘキサコセン酸メチル、ヘプタコセン酸メチル、オ
クタコセン酸メチル、ノナコセン酸メチル、デカン酸ビ
ニル、ウンデカン酸ビニル、ドデカン酸ビニル、トリデ
カン酸ビニル、テトラデカン酸ビニル、ペンタデカン酸
ビニル、ヘキサデカン酸ビニル、ヘプタデカン酸ビニ
ル、オクタデカン酸ビニル、ノナデカン酸ビニル、エイ
コサン酸ビニル、ヘンエイコサン酸ビニル、ドコサン酸
ビニル、トリコサン酸ビニル、テトラコサン酸ビニル、
ペンタコサン酸ビニル、ヘキサコサン酸ビニル、ヘプタ
コサン酸ビニル、オクタコサン酸ビニル、ノナコサン酸
ビニル、トリアコンタン酸ビニル、ヘントリアコンタン
酸ビニル、ドトリアコンタン酸ビニル、トリトリアコン
タン酸ビニル、テトラトリアコンタン酸ビニル、ペンタ
トリアコンタン酸ビニル、ヘキサトリアコンタン酸ビニ
ル、ヘプタトリアコンタン酸ビニル、ノナトリアコンタ
ン酸ビニル、テトラコンタン酸ビニル、ヘンテトラコン
タン酸ビニル、ドテトラコンタン酸ビニル、トリテトラ
コンタン酸ビニル、テトラテトラコンタン酸ビニル、ペ
ンタテトラコンタン酸ビニル、ヘキサテトラコンタン酸
ビニル、ヘプタテトラコンタン酸ビニル、オクタテトラ
コンタン酸ビニル、ノナテトラコンタン酸ビニル、ペン
タコンタン酸ビニル、ヘンペンタコンタン酸ビニル、ド
ペンタコンタン酸ビニル、トリペンタコンタン酸ビニ
ル、テトラペンタコンタン酸ビニル、ペンタペンタコン
タン酸ビニル、ヘキサペンタコンタン酸ビニル、ヘプタ
ペンタコンタン酸ビニル、オクタペンタコンタン酸ビニ
ル、ノナペンタコンタン酸ビニル、ヘキサコンタン酸ビ
ニル、ドヘキサコンタン酸ビニル、デセン酸ビニル、ウ
ンデセン酸ビニル、ドデセン酸ビニル、トリデセン酸ビ
ニル、テトラデセン酸ビニル、ペンタデセン酸ビニル、
ヘキサデセン酸ビニル、ヘプタデセン酸ビニル、オクタ
デセン酸ビニル、ノナデセン酸ビニル、エイコセン酸ビ
ニル、ヘンエイコセン酸ビニル、ドコセン酸ビニル、ト
リコセン酸ビニル、テトラコセン酸ビニル、ペンタコセ
ン酸ビニル、ヘキサコセン酸ビニル、ヘプタコセン酸ビ
ニル、オクタコセン酸ビニル、ノナコセン酸ビニル、デ
カン酸フェニル、ウンデカン酸フェニル、ドデカン酸フ
ェニル、トリデカン酸フェニル、テトラデカン酸フェニ
ル、ペンタデカン酸フェニル、ヘキサデカン酸フェニ
ル、ヘプタデカン酸フェニル、オクタデカン酸フェニ
ル、ノナデカン酸フェニル、エイコサン酸フェニル、ヘ
ンエイコサン酸フェニル、ドコサン酸フェニル、トリコ
サン酸フェニル、テトラコサン酸フェニル、ペンタコサ
ン酸フェニル、ヘキサコサン酸フェニル、ヘプタコサン
酸フェニル、オクタコサン酸フェニル、ノナコサン酸フ
ェニル、トリアコンタン酸フェニル、ヘントリアコンタ
ン酸フェニル、ドトリアコンタン酸フェニル、トリトリ
アコンタン酸フェニル、テトラトリアコンタン酸フェニ
ル、ペンタトリアコンタン酸フェニル、ヘキサトリアコ
ンタン酸フェニル、ヘプタトリアコンタン酸フェニル、
ノナトリアコンタン酸フェニル、テトラコンタン酸フェ
ニル、ヘンテトラコンタン酸フェニル、ドテトラコンタ
ン酸フェニル、トリテトラコンタン酸フェニル、テトラ
テトラコンタン酸フェニル、ペンタテトラコンタン酸フ
ェニル、ヘキサテトラコンタン酸フェニル、ヘプタテト
ラコンタン酸フェニル、オクタテトラコンタン酸フェニ
ル、ノナテトラコンタン酸フェニル、ペンタコンタン酸
フェニル、ヘンペンタコンタン酸フェニル、ドペンタコ
ンタン酸フェニル、トリペンタコンタン酸フェニル、テ
トラペンタコンタン酸フェニル、ペンタペンタコンタン
酸フェニル、ヘキサペンタコンタン酸フェニル、ヘプタ
ペンタコンタン酸フェニル、オクタペンタコンタン酸フ
ェニル、ノナペンタコンタン酸フェニル、ヘキサコンタ
ン酸フェニル、ドヘキサコンタン酸フェニル、デセン酸
フェニル、ウンデセン酸フェニル、ドデセン酸フェニ
ル、トリデセン酸フェニル、テトラデセン酸フェニル、
ペンタデセン酸フェニル、ヘキサデセン酸フェニル、ヘ
プタデセン酸フェニル、オクタデセン酸フェニル、ノナ
デセン酸フェニル、エイコセン酸フェニル、ヘンエイコ
セン酸フェニル、ドコセン酸フェニル、トリコセン酸フ
ェニル、テトラコセン酸フェニル、ペンタコセン酸フェ
ニル、ヘキサコセン酸フェニル、ヘプタコセン酸フェニ
ル、オクタコセン酸フェニル、ノナコセン酸フェニル等
のエステル、(C-6).ラウロン、ステアロン、19−ヘ
プタトリアコンタノン、20−ノナトリアコンタノン、
21−ヘンテトラコンタノン、22−トリテトラコンタ
ノン等のケトン、(C-7).オクタデカン酸Ca、オクタ
デカン酸Co、オクタデカン酸Cu、オクタデカン酸F
e、オクタデカン酸K、オクタデカン酸Li、オクタデ
カン酸Mg、オクタデカン酸Mn、オクタデカン酸N
i、オクタデカン酸Pb、オクタデカン酸Sn、オクタ
デカン酸Zn、オクタデカン酸Zr、デカン酸Ca、ウ
ンデカン酸Ca、ドデカン酸Ca、トリデカン酸Ca、
テトラデカン酸Ca、ペンタデカン酸Ca、ヘキサデカ
ン酸Ca、ヘプタデカン酸Ca、オクタデカン酸Ca、
ノナデカン酸Ca、エイコサン酸Ca、ヘンエイコサン
酸Ca、ドコサン酸Ca、トリコサン酸Ca、テトラコ
サン酸Ca、ペンタコサン酸Ca、ヘキサコサン酸C
a、ヘプタコサン酸Ca、オクタコサン酸Ca、ノナコ
サン酸Ca、トリアコンタン酸Ca、ヘントリアコンタ
ン酸Ca、ドトリアコンタン酸Ca、トリトリアコンタ
ン酸Ca、テトラトリアコンタン酸Ca、ペンタトリア
コンタン酸Ca、ヘキサトリアコンタン酸Ca、ヘプタ
トリアコンタン酸Ca、ノナトリアコンタン酸Ca、テ
トラコンタン酸Ca、ヘンテトラコンタン酸Ca、ドテ
トラコンタン酸Ca、トリテトラコンタン酸Ca、テト
ラテトラコンタン酸Ca、ペンタテトラコンタン酸C
a、ヘキサテトラコンタン酸Ca、ヘプタテトラコンタ
ン酸Ca、オクタテトラコンタン酸Ca、ノナテトラコ
ンタン酸Ca、ペンタコンタン酸Ca、ヘンペンタコン
タン酸Ca、ドペンタコンタン酸Ca、トリペンタコン
タン酸Ca、テトラペンタコンタン酸Ca、ペンタペン
タコンタン酸Ca、ヘキサペンタコンタン酸Ca、ヘプ
タペンタコンタン酸Ca、オクタペンタコンタン酸C
a、ノナペンタコンタン酸Ca、ヘキサコンタン酸C
a、ドヘキサコンタン酸Ca、デセン酸Ca、ウンデセ
ン酸Ca、ドデセン酸Ca、トリデセン酸Ca、テトラ
デセン酸Ca、ペンタデセン酸Ca、ヘキサデセン酸C
a、ヘプタデセン酸Ca、オクタデセン酸Ca、ノナデ
セン酸Ca、エイコセン酸Ca、ヘンエイコセン酸C
a、ドコセン酸Ca、トリコセン酸Ca、テトラコセン
酸Ca、ペンタコセン酸Ca、ヘキサコセン酸Ca、ヘ
プタコセン酸Ca、オクタコセン酸Ca、ノナコセン酸
Ca等の金属塩、(C-8).デシルイミダゾール、ウンデ
シルイミダゾール、ドデシルイミダゾール、トリデシル
イミダゾール、テトラデシルイミダゾール、ペンタデシ
ルイミダゾール、ヘキサデシルイミダゾール、ヘプタデ
シルイミダゾール、オクタデシルイミダゾール、ノナデ
シルイミダゾール、エイコシルイミダゾール、ヘンエイ
コシルイミダゾール、ドコシルイミダゾール、トリコシ
ルイミダゾール、テトラコシルイミダゾール、ペンタコ
シルイミダゾール、ヘキサコシルイミダゾール等のイミ
ダゾール、等から選ばれるモノカルボン酸の誘導体を挙
げることができる。
【0018】(D).また、炭素数が少なくとも10で
あるジカルボン酸の誘導体としては、次のものに限られ
ないが、(D-1).デカン二酸アミド、ウンデカン二酸アミ
ド、ドデカン二酸アミド、トリデカン二酸アミド、テト
ラデカン二酸アミド、ペンタデカン二酸アミド、ヘキサ
デカン二酸アミド、ヘプタデカン二酸アミド、オクタデ
カン二酸アミド、ノナデカン二酸アミド、エイコサン二
酸アミド、ヘンエイコサン二酸アミド、ドコサン二酸ア
ミド、トリコサン二酸アミド、テトラコサン二酸アミ
ド、ペンタコサン二酸アミド、ヘキサコサン二酸アミ
ド、ヘプタコサン二酸アミド、オクタコサン二酸アミ
ド、ノナコサン二酸アミド、トリアコンタン二酸アミ
ド、ヘントリアコンタン二酸アミド、ドトリアコンタン
二酸アミド、トリトリアコンタン二酸アミド、テトラト
リアコンタン二酸アミド、ペンタトリアコンタン二酸ア
ミド、ヘキサトリアコンタン二酸アミド、ヘプタトリア
コンタン二酸アミド、ノナトリアコンタン二酸アミド、
テトラコンタン二酸アミド、ヘンテトラコンタン二酸ア
ミド、ドテトラコンタン二酸アミド、トリテトラコンタ
ン二酸アミド、テトラテトラコンタン二酸アミド、ペン
タテトラコンタン二酸アミド、ヘキサテトラコンタン二
酸アミド、ヘプタテトラコンタン二酸アミド、オクタテ
トラコンタン二酸アミド、ノナテトラコンタン二酸アミ
ド、ペンタコンタン二酸アミド、ヘンペンタコンタン二
酸アミド、ドペンタコンタン二酸アミド、トリペンタコ
ンタン二酸アミド、テトラペンタコンタン二酸アミド、
ペンタペンタコンタン二酸アミド、ヘキサペンタコンタ
ン二酸アミド、ヘプタペンタコンタン二酸アミド、オク
タペンタコンタン二酸アミド、ノナペンタコンタン二酸
アミド、ヘキサコンタン二酸アミド、ドヘキサコンタン
二酸アミド、デセン二酸アミド、ウンデセン二酸アミ
ド、ドデセン二酸アミド、トリデセン二酸アミド、テト
ラデセン二酸アミド、ペンタデセン二酸アミド、ヘキサ
デセン二酸アミド、ヘプタデセン二酸アミド、オクタデ
セン二酸アミド、ノナデセン二酸アミド、エイコセン二
酸アミド、ヘンエイコセン二酸アミド、ドコセン二酸ア
ミド、トリコセン二酸アミド、テトラコセン二酸アミ
ド、ペンタコセン二酸アミド、ヘキサコセン二酸アミ
ド、ヘプタコセン二酸アミド、オクタコセン二酸アミ
ド、ノナコセン二酸アミド等のアミド、(D-2).デカン二
酸アミン、ウンデカン二酸アミン、ドデカン二酸アミ
ン、トリデカン二酸アミン、テトラデカン二酸アミン、
ペンタデカン二酸アミン、ヘキサデカン二酸アミン、ヘ
プタデカン二酸アミン、オクタデカン二酸アミン、ノナ
デカン二酸アミン、エイコサン二酸アミン、ヘンエイコ
サン二酸アミン、ドコサン二酸アミン、トリコサン二酸
アミン、テトラコサン二酸アミン、ペンタコサン二酸ア
ミン、ヘキサコサン二酸アミン、ヘプタコサン二酸アミ
ン、オクタコサン二酸アミン、ノナコサン二酸アミン、
トリアコンタン二酸アミン、ヘントリアコンタン二酸ア
ミン、ドトリアコンタン二酸アミン、トリトリアコンタ
ン二酸アミン、テトラトリアコンタン二酸アミン、ペン
タトリアコンタン二酸アミン、ヘキサトリアコンタン二
酸アミン、ヘプタトリアコンタン二酸アミン、ノナトリ
アコンタン二酸アミン、テトラコンタン二酸アミン、ヘ
ンテトラコンタン二酸アミン、ドテトラコンタン二酸ア
ミン、トリテトラコンタン二酸アミン、テトラテトラコ
ンタン二酸アミン、ペンタテトラコンタン二酸アミン、
ヘキサテトラコンタン二酸アミン、ヘプタテトラコンタ
ン二酸アミン、オクタテトラコンタン二酸アミン、ノナ
テトラコンタン二酸アミン、ペンタコンタン二酸アミ
ン、ヘンペンタコンタン二酸アミン、ドペンタコンタン
二酸アミン、トリペンタコンタン二酸アミン、テトラペ
ンタコンタン二酸アミン、ペンタペンタコンタン二酸ア
ミン、ヘキサペンタコンタン二酸アミン、ヘプタペンタ
コンタン二酸アミン、オクタペンタコンタン二酸アミ
ン、ノナペンタコンタン二酸アミン、ヘキサコンタン二
酸アミン、ドヘキサコンタン二酸アミン、デセン二酸ア
ミン、ウンデセン二酸アミン、ドデセン二酸アミン、ト
リデセン二酸アミン、テトラデセン二酸アミン、ペンタ
デセン二酸アミン、ヘキサデセン二酸アミン、ヘプタデ
セン二酸アミン、オクタデセン二酸アミン、ノナデセン
二酸アミン、エイコセン二酸アミン、ヘンエイコセン二
酸アミン、ドコセン二酸アミン、トリコセン二酸アミ
ン、テトラコセン二酸アミン、ペンタコセン二酸アミ
ン、ヘキサコセン二酸アミン、ヘプタコセン二酸アミ
ン、オクタコセン二酸アミン、ノナコセン二酸アミン等
のアミン、(D-3).デカン二酸アニリド、ウンデカン二酸
アニリド、ドデカン二酸アニリド、トリデカン二酸アニ
リド、テトラデカン二酸アニリド、ペンタデカン二酸ア
ニリド、ヘキサデカン二酸アニリド、ヘプタデカン二酸
アニリド、オクタデカン二酸アニリド、ノナデカン二酸
アニリド、エイコサン二酸アニリド、ヘンエイコサン二
酸アニリド、ドコサン二酸アニリド、トリコサン二酸ア
ニリド、テトラコサン二酸アニリド、ペンタコサン二酸
アニリド、ヘキサコサン二酸アニリド、ヘプタコサン二
酸アニリド、オクタコサン二酸アニリド、ノナコサン二
酸アニリド、トリアコンタン二酸アニリド、ヘントリア
コンタン二酸アニリド、ドトリアコンタン二酸アニリ
ド、トリトリアコンタン二酸アニリド、テトラトリアコ
ンタン二酸アニリド、ペンタトリアコンタン二酸アニリ
ド、ヘキサトリアコンタン二酸アニリド、ヘプタトリア
コンタン二酸アニリド、ノナトリアコンタン二酸アニリ
ド、テトラコンタン二酸アニリド、ヘンテトラコンタン
二酸アニリド、ドテトラコンタン二酸アニリド、トリテ
トラコンタン二酸アニリド、テトラテトラコンタン二酸
アニリド、ペンタテトラコンタン二酸アニリド、ヘキサ
テトラコンタン二酸アニリド、ヘプタテトラコンタン二
酸アニリド、オクタテトラコンタン二酸アニリド、ノナ
テトラコンタン二酸アニリド、ペンタコンタン二酸アニ
リド、ヘンペンタコンタン二酸アニリド、ドペンタコン
タン二酸アニリド、トリペンタコンタン二酸アニリド、
テトラペンタコンタン二酸アニリド、ペンタペンタコン
タン二酸アニリド、ヘキサペンタコンタン二酸アニリ
ド、ヘプタペンタコンタン二酸アニリド、オクタペンタ
コンタン二酸アニリド、ノナペンタコンタン二酸アニリ
ド、ヘキサコンタン二酸アニリド、ドヘキサコンタン二
酸アニリド、デセン二酸アニリド、ウンデセン二酸アニ
リド、ドデセン二酸アニリド、トリデセン二酸アニリ
ド、テトラデセン二酸アニリド、ペンタデセン二酸アニ
リド、ヘキサデセン二酸アニリド、ヘプタデセン二酸ア
ニリド、オクタデセン二酸アニリド、ノナデセン二酸ア
ニリド、エイコセン二酸アニリド、ヘンエイコセン二酸
アニリド、ドコセン二酸アニリド、トリコセン二酸アニ
リド、テトラコセン二酸アニリド、ペンタコセン二酸ア
ニリド、ヘキサコセン二酸アニリド、ヘプタコセン二酸
アニリド、オクタコセン二酸アニリド、ノナコセン二酸
アニリド等のアニリド、(D-4).デカン二酸アルコール、
ウンデカン二酸アルコール、ドデカン二酸アルコール、
トリデカン二酸アルコール、テトラデカン二酸アルコー
ル、ペンタデカン二酸アルコール、ヘキサデカン二酸ア
ルコール、ヘプタデカン二酸アルコール、オクタデカン
二酸アルコール、ノナデカン二酸アルコール、エイコサ
ン二酸アルコール、ヘンエイコサン二酸アルコール、ド
コサン二酸アルコール、トリコサン二酸アルコール、テ
トラコサン二酸アルコール、ペンタコサン二酸アルコー
ル、ヘキサコサン二酸アルコール、ヘプタコサン二酸ア
ルコール、オクタコサン二酸アルコール、ノナコサン二
酸アルコール、トリアコンタン二酸アルコール、ヘント
リアコンタン二酸アルコール、ドトリアコンタン二酸ア
ルコール、トリトリアコンタン二酸アルコール、テトラ
トリアコンタン二酸アルコール、ペンタトリアコンタン
二酸アルコール、ヘキサトリアコンタン二酸アルコー
ル、ヘプタトリアコンタン二酸アルコール、ノナトリア
コンタン二酸アルコール、テトラコンタン二酸アルコー
ル、ヘンテトラコンタン二酸アルコール、ドテトラコン
タン二酸アルコール、トリテトラコンタン二酸アルコー
ル、テトラテトラコンタン二酸アルコール、ペンタテト
ラコンタン二酸アルコール、ヘキサテトラコンタン二酸
アルコール、ヘプタテトラコンタン二酸アルコール、オ
クタテトラコンタン二酸アルコール、ノナテトラコンタ
ン二酸アルコール、ペンタコンタン二酸アルコール、ヘ
ンペンタコンタン二酸アルコール、ドペンタコンタン二
酸アルコール、トリペンタコンタン二酸アルコール、テ
トラペンタコンタン二酸アルコール、ペンタペンタコン
タン二酸アルコール、ヘキサペンタコンタン二酸アルコ
ール、ヘプタペンタコンタン二酸アルコール、オクタペ
ンタコンタン二酸アルコール、ノナペンタコンタン二酸
アルコール、ヘキサコンタン二酸アルコール、ドヘキサ
コンタン二酸アルコール、デセン二酸アルコール、ウン
デセン二酸アルコール、ドデセン二酸アルコール、トリ
デセン二酸アルコール、テトラデセン二酸アルコール、
ペンタデセン二酸アルコール、ヘキサデセン二酸アルコ
ール、ヘプタデセン二酸アルコール、オクタデセン二酸
アルコール、ノナデセン二酸アルコール、エイコセン二
酸アルコール、ヘンエイコセン二酸アルコール、ドコセ
ン二酸アルコール、トリコセン二酸アルコール、テトラ
コセン二酸アルコール、ペンタコセン二酸アルコール、
ヘキサコセン二酸アルコール、ヘプタコセン二酸アルコ
ール、オクタコセン二酸アルコール、ノナコセン二酸ア
ルコール等のアルコール、(D-5).オクタコサン二酸デシ
ル、オクタコサン二酸ウンデシル、オクタコサン二酸ド
デシル、オクタコサン二酸トリデシル、オクタコサン二
酸テトラデシル、オクタコサン二酸ペンタデシル、オク
タコサン二酸ヘキサデシル、オクタコサン二酸ヘプタデ
シル、オクタコサン二酸オクタデシル、デカン二酸メチ
ル、ウンデカン二酸メチル、ドデカン二酸メチル、トリ
デカン二酸メチル、テトラデカン二酸メチル、ペンタデ
カン二酸メチル、ヘキサデカン二酸メチル、ヘプタデカ
ン二酸メチル、オクタデカン二酸メチル、ノナデカン二
酸メチル、エイコサン二酸メチル、ヘンエイコサン二酸
メチル、ドコサン二酸メチル、トリコサン二酸メチル、
テトラコサン二酸メチル、ペンタコサン二酸メチル、ヘ
キサコサン二酸メチル、ヘプタコサン二酸メチル、オク
タコサン二酸メチル、ノナコサン二酸メチル、トリアコ
ンタン二酸メチル、ヘントリアコンタン二酸メチル、ド
トリアコンタン二酸メチル、トリトリアコンタン二酸メ
チル、テトラトリアコンタン二酸メチル、ペンタトリア
コンタン二酸メチル、ヘキサトリアコンタン二酸メチ
ル、ヘプタトリアコンタン二酸メチル、ノナトリアコン
タン二酸メチル、テトラコンタン二酸メチル、ヘンテト
ラコンタン二酸メチル、ドテトラコンタン二酸メチル、
トリテトラコンタン二酸メチル、テトラテトラコンタン
二酸メチル、ペンタテトラコンタン二酸メチル、ヘキサ
テトラコンタン二酸メチル、ヘプタテトラコンタン二酸
メチル、オクタテトラコンタン二酸メチル、ノナテトラ
コンタン二酸メチル、ペンタコンタン二酸メチル、ヘン
ペンタコンタン二酸メチル、ドペンタコンタン二酸メチ
ル、トリペンタコンタン二酸メチル、テトラペンタコン
タン二酸メチル、ペンタペンタコンタン二酸メチル、ヘ
キサペンタコンタン二酸メチル、ヘプタペンタコンタン
二酸メチル、オクタペンタコンタン二酸メチル、ノナペ
ンタコンタン二酸メチル、ヘキサコンタン二酸メチル、
ドヘキサコンタン二酸メチル、デセン二酸メチル、ウン
デセン二酸メチル、ドデセン二酸メチル、トリデセン二
酸メチル、テトラデセン二酸メチル、ペンタデセン二酸
メチル、ヘキサデセン二酸メチル、ヘプタデセン二酸メ
チル、オクタデセン二酸メチル、ノナデセン二酸メチ
ル、エイコセン二酸メチル、ヘンエイコセン二酸メチ
ル、ドコセン二酸メチル、トリコセン二酸メチル、テト
ラコセン二酸メチル、ペンタコセン二酸メチル、ヘキサ
コセン二酸メチル、ヘプタコセン二酸メチル、オクタコ
セン二酸メチル、ノナコセン二酸メチル、デカン二酸ビ
ニル、ウンデカン二酸ビニル、ドデカン二酸ビニル、ト
リデカン二酸ビニル、テトラデカン二酸ビニル、ペンタ
デカン二酸ビニル、ヘキサデカン二酸ビニル、ヘプタデ
カン二酸ビニル、オクタデカン二酸ビニル、ノナデカン
二酸ビニル、エイコサン二酸ビニル、ヘンエイコサン二
酸ビニル、ドコサン二酸ビニル、トリコサン二酸ビニ
ル、テトラコサン二酸ビニル、ペンタコサン二酸ビニ
ル、ヘキサコサン二酸ビニル、ヘプタコサン二酸ビニ
ル、オクタコサン二酸ビニル、ノナコサン二酸ビニル、
トリアコンタン二酸ビニル、ヘントリアコンタン二酸ビ
ニル、ドトリアコンタン二酸ビニル、トリトリアコンタ
ン二酸ビニル、テトラトリアコンタン二酸ビニル、ペン
タトリアコンタン二酸ビニル、ヘキサトリアコンタン二
酸ビニル、ヘプタトリアコンタン二酸ビニル、ノナトリ
アコンタン二酸ビニル、テトラコンタン二酸ビニル、ヘ
ンテトラコンタン二酸ビニル、ドテトラコンタン二酸ビ
ニル、トリテトラコンタン二酸ビニル、テトラテトラコ
ンタン二酸ビニル、ペンタテトラコンタン二酸ビニル、
ヘキサテトラコンタン二酸ビニル、ヘプタテトラコンタ
ン二酸ビニル、オクタテトラコンタン二酸ビニル、ノナ
テトラコンタン二酸ビニル、ペンタコンタン二酸ビニ
ル、ヘンペンタコンタン二酸ビニル、ドペンタコンタン
二酸ビニル、トリペンタコンタン二酸ビニル、テトラペ
ンタコンタン二酸ビニル、ペンタペンタコンタン二酸ビ
ニル、ヘキサペンタコンタン二酸ビニル、ヘプタペンタ
コンタン二酸ビニル、オクタペンタコンタン二酸ビニ
ル、ノナペンタコンタン二酸ビニル、ヘキサコンタン二
酸ビニル、ドヘキサコンタン二酸ビニル、デセン二酸ビ
ニル、ウンデセン二酸ビニル、ドデセン二酸ビニル、ト
リデセン二酸ビニル、テトラデセン二酸ビニル、ペンタ
デセン二酸ビニル、ヘキサデセン二酸ビニル、ヘプタデ
セン二酸ビニル、オクタデセン二酸ビニル、ノナデセン
二酸ビニル、エイコセン二酸ビニル、ヘンエイコセン二
酸ビニル、ドコセン二酸ビニル、トリコセン二酸ビニ
ル、テトラコセン二酸ビニル、ペンタコセン二酸ビニ
ル、ヘキサコセン二酸ビニル、ヘプタコセン二酸ビニ
ル、オクタコセン二酸ビニル、ノナコセン二酸ビニル、
デカン二酸フェニル、ウンデカン二酸フェニル、ドデカ
ン二酸フェニル、トリデカン二酸フェニル、テトラデカ
ン二酸フェニル、ペンタデカン二酸フェニル、ヘキサデ
カン二酸フェニル、ヘプタデカン二酸フェニル、オクタ
デカン二酸フェニル、ノナデカン二酸フェニル、エイコ
サン二酸フェニル、ヘンエイコサン二酸フェニル、ドコ
サン二酸フェニル、トリコサン二酸フェニル、テトラコ
サン二酸フェニル、ペンタコサン二酸フェニル、ヘキサ
コサン二酸フェニル、ヘプタコサン二酸フェニル、オク
タコサン二酸フェニル、ノナコサン二酸フェニル、トリ
アコンタン二酸フェニル、ヘントリアコンタン二酸フェ
ニル、ドトリアコンタン二酸フェニル、トリトリアコン
タン二酸フェニル、テトラトリアコンタン二酸フェニ
ル、ペンタトリアコンタン二酸フェニル、ヘキサトリア
コンタン二酸フェニル、ヘプタトリアコンタン二酸フェ
ニル、ノナトリアコンタン二酸フェニル、テトラコンタ
ン二酸フェニル、ヘンテトラコンタン二酸フェニル、ド
テトラコンタン二酸フェニル、トリテトラコンタン二酸
フェニル、テトラテトラコンタン二酸フェニル、ペンタ
テトラコンタン二酸フェニル、ヘキサテトラコンタン二
酸フェニル、ヘプタテトラコンタン二酸フェニル、オク
タテトラコンタン二酸フェニル、ノナテトラコンタン二
酸フェニル、ペンタコンタン二酸フェニル、ヘンペンタ
コンタン二酸フェニル、ドペンタコンタン二酸フェニ
ル、トリペンタコンタン二酸フェニル、テトラペンタコ
ンタン二酸フェニル、ペンタペンタコンタン二酸フェニ
ル、ヘキサペンタコンタン二酸フェニル、ヘプタペンタ
コンタン二酸フェニル、オクタペンタコンタン二酸フェ
ニル、ノナペンタコンタン二酸フェニル、ヘキサコンタ
ン二酸フェニル、ドヘキサコンタン二酸フェニル、デセ
ン二酸フェニル、ウンデセン二酸フェニル、ドデセン二
酸フェニル、トリデセン二酸フェニル、テトラデセン二
酸フェニル、ペンタデセン二酸フェニル、ヘキサデセン
二酸フェニル、ヘプタデセン二酸フェニル、オクタデセ
ン二酸フェニル、ノナデセン二酸フェニル、エイコセン
二酸フェニル、ヘンエイコセン二酸フェニル、ドコセン
二酸フェニル、トリコセン二酸フェニル、テトラコセン
二酸フェニル、ペンタコセン二酸フェニル、ヘキサコセ
ン二酸フェニル、ヘプタコセン二酸フェニル、オクタコ
セン二酸フェニル、ノナコセン二酸フェニル等のエステ
ル、(D-6).ラウロン、ステアロン、19−ヘプタトリア
コンタノン、20−ノナトリアコンタノン、21−ヘン
テトラコンタノン、22−トリテトラコンタノン等のケ
トン、(D-7).オクタデカン二酸Ca、オクタデカン二酸
Co、オクタデカン二酸Cu、オクタデカン二酸Fe、
オクタデカン二酸K、オクタデカン二酸Li、オクタデ
カン二酸Mg、オクタデカン二酸Mn、オクタデカン二
酸Ni、オクタデカン二酸Pb、オクタデカン二酸S
n、オクタデカン二酸Zn、オクタデカン二酸Zr、デ
カン二酸Ca、ウンデカン二酸Ca、ドデカン二酸C
a、トリデカン二酸Ca、テトラデカン二酸Ca、ペン
タデカン二酸Ca、ヘキサデカン二酸Ca、ヘプタデカ
ン二酸Ca、オクタデカン二酸Ca、ノナデカン二酸C
a、エイコサン二酸Ca、ヘンエイコサン二酸Ca、ド
コサン二酸Ca、トリコサン二酸Ca、テトラコサン二
酸Ca、ペンタコサン二酸Ca、ヘキサコサン二酸C
a、ヘプタコサン二酸Ca、オクタコサン二酸Ca、ノ
ナコサン二酸Ca、トリアコンタン二酸Ca、ヘントリ
アコンタン二酸Ca、ドトリアコンタン二酸Ca、トリ
トリアコンタン二酸Ca、テトラトリアコンタン二酸C
a、ペンタトリアコンタン二酸Ca、ヘキサトリアコン
タン二酸Ca、ヘプタトリアコンタン二酸Ca、ノナト
リアコンタン二酸Ca、テトラコンタン二酸Ca、ヘン
テトラコンタン二酸Ca、ドテトラコンタン二酸Ca、
トリテトラコンタン二酸Ca、テトラテトラコンタン二
酸Ca、ペンタテトラコンタン二酸Ca、ヘキサテトラ
コンタン二酸Ca、ヘプタテトラコンタン二酸Ca、オ
クタテトラコンタン二酸Ca、ノナテトラコンタン二酸
Ca、ペンタコンタン二酸Ca、ヘンペンタコンタン二
酸Ca、ドペンタコンタン二酸Ca、トリペンタコンタ
ン二酸Ca、テトラペンタコンタン二酸Ca、ペンタペ
ンタコンタン二酸Ca、ヘキサペンタコンタン二酸C
a、ヘプタペンタコンタン二酸Ca、オクタペンタコン
タン二酸Ca、ノナペンタコンタン二酸Ca、ヘキサコ
ンタン二酸Ca、ドヘキサコンタン二酸Ca、デセン二
酸Ca、ウンデセン二酸Ca、ドデセン二酸Ca、トリ
デセン二酸Ca、テトラデセン二酸Ca、ペンタデセン
二酸Ca、ヘキサデセン二酸Ca、ヘプタデセン二酸C
a、オクタデセン二酸Ca、ノナデセン二酸Ca、エイ
コセン二酸Ca、ヘンエイコセン二酸Ca、ドコセン二
酸Ca、トリコセン二酸Ca、テトラコセン二酸Ca、
ペンタコセン二酸Ca、ヘキサコセン二酸Ca、ヘプタ
コセン二酸Ca、オクタコセン二酸Ca、ノナコセン二
酸Ca等の金属塩、或はイミダゾール等から選ばれるジ
カルボン酸の誘導体を挙げることが出来る。
【0019】なお、上記各カルボン酸において炭素数が
少なくとも10としている理由は、そうでないものが室
温にて液体状であるのでこの発明の目的にそぐわないか
らである。
【0020】なお、この発明の実施に当たり、マトリク
ス材と、有機低分子物質との混合比は、有機低分子物質
を重量比でいって、1:2より多く含ませると熱可逆性
記録材料の層の成膜が困難となり、20:1より少なく
すると熱可逆性が小さくなるので、1:2〜20:1の
範囲内とするのが好適である。
【0021】また、第一発明において、ポリビニルアセ
タールとエポキシ樹脂(硬化剤で硬化したもの)との混
合比であるが、仕込み組成(ポリビニルアセタールと硬
化前のエポキシ樹脂との比)でいって、ポリビニルアセ
タール60重量部に対し硬化前のエポキシ樹脂1重量部
の割合で両者を混ぜた場合からこの発明の効果が発現す
ることを確認している。また、エポキシ樹脂を混合させ
る上限は、熱可逆性記録材料が有する、熱履歴により透
明度が変化するという性質が失われない範囲であるが、
少なくともポリビニルアセタール1重量部に対し硬化前
のエポキシ樹脂2重量部までエポキシ樹脂を混合しても
熱可逆性が得られることを確認している。これらのこと
から、ポリビニルアセタールと硬化前のエポキシ樹脂と
の混合比は重量比でいって60:1〜1:2、より好ま
しくは20:1〜1:2程度が良いと考えられる。
【0022】また、第二発明においてエポキシ樹脂用硬
化剤の混合量は、エポキシ樹脂を硬化させるに好適な
量、これに限られないが例えばエポキシ当量に相当する
硬化剤の反応部当量(硬化剤がアミン類の場合ならアミ
ン当量、硬化剤が酸類の場合なら活性水素当量、硬化剤
がアルコール等の場合なら水酸基当量のこと)若しくは
その近傍の量とするのが良い。
【0023】また、第一発明において、マトリクス材と
してポリビニールアセタールを含み、有機低分子物質と
して所定のカルボン酸を含むとは、これらのみの場合は
もちろんのこと、これらに加え熱可逆性記録材料で形成
される層の膜質を向上させる物質、潤滑性を向上させる
物質など他の物質を含む場合も意味する。
【0024】また、熱可逆性記録媒体の作製に当たって
は、マトリクス材及び有機低分子物質を支持体に被着さ
せるために、マトリクス材及び有機低分子物質を含む塗
布液を調製する場合がある。その際には、マトリクス材
および有機低分子物質を溶剤に溶かして塗布溶液を得る
のが良い。そして、この溶剤としては、これに限られる
ものではないが、テトラヒドロフラン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、四塩化
炭素、エタノール、トルエンおよびベンゼン等の中から
選ばれた1種を用いるかまたは2種以上を混合して用い
るのが良い。また、塗布溶液は、必要とあれば加熱して
用いても良い。
【0025】また、この出願では第三発明として熱可逆
性記録媒体を主張するが、ここでいう媒体とは、具体的
には、例えばテレフォンカード、オレンジカード、ハイ
ウエイカードなどのプリペイドカード、また、種々の分
野で利用されているラベル、また、掲示用の看板、ま
た、感熱記録方式を採用しているワードプロセッサやフ
ァクシミリ用の記録紙、さらには、オーバーヘッドプロ
ジェクタやスライド等の投影画像形成装置用のシートな
どであることができる。
【0026】
【作用】この発明の熱可逆性記録材料によれば、後述す
る実験結果からも明らかなように、記録・消去を繰り返
しおこなった場合でも、画像における透明部と白濁部と
のコントラストの低下が従来に比べ起こりにくい。
【0027】また、ポリビニルアセタール及び所定の飽
和カルボン酸を含むことから、この発明の熱可逆性記録
材料は、図1に示すように、温度T2 以上に加熱した後
に急冷却(例えば50℃/秒以上)した場合(図1中1
1で示す履歴の場合)に最大透明度を示し、T1 (T1
<T2 )以上T2 以下に加熱した後に急冷却(例えば5
0℃/秒以上を指す)した場合、または、T1 以上に加
熱した後に徐冷却(例えば50℃/秒未満を指す)した
場合(図1中13で示す履歴の場合)それぞれの場合に
最少透明度を示すという、熱履歴−透明度特性を有する
ものとなる。なお。図1においてRTとは室温を示す。
ここで、透明状態を不透明状態にするための一つの方法
としての、T1 〜T2 の範囲で加熱し急冷却するという
方法において上記T1 〜T2 の幅は、少なくとも30数
度とできる。また、透明状態を不透明状態にするための
他の方法として、T1 以上に加熱した後に徐冷却(例え
ば50℃/秒未満を指す)する方法がとれる。そしてこ
れら方法でのT1 という温度はカルボン酸の選択により
80℃程度に容易にできる。これらのことから、この発
明の媒体は透明状態を不透明状態にする条件が従来より
ゆるく、かつ、透明状態が従来より高温まで安定なもの
である。
【0028】
【実施例】以下、図面を参照してこの出願の各発明の実
施例についてそれぞれ説明する。なお、説明に用いる各
図はこの発明が理解できる程度に概略的に示してあるに
すぎない。また、以下の実施例で述べる使用材料および
数値的条件はこの発明の範囲内の単なる一例にすぎず、
従って、この発明がこれら使用材料および数値的条件に
のみ限定されるものでないことは理解されたい。
【0029】1.第一発明及び第二発明の説明 第一発明である熱可逆性記録材料の実施例と、第二発明
である熱可逆性記録材料の製法の実施例とについて併せ
て説明する。
【0030】1−1.実施例1 この実施例では、ポリビニルアセタールとして積水化学
工業(株)のエスレックKS−1(商品名)を、またエ
ポキシ樹脂としてエポミックR362(商標、三井石油
化学工業(株))を、また所定のカルボン酸として炭素
数が22のモノカルボン酸であるベヘン酸を、また硬化
剤として一級アミンの一種であるブチルアミンをそれぞ
れ用意する。そして、この実施例では、エスレックKS
−1を5重量部、エポミックR362を5重量部、ベヘ
ン酸を3重量部、ブチルアミンを1重量部の割合で、5
0重量部のテトラヒドロフラン(THF)中に入れる。
このようにして得た液状物(熱可逆性記録材料の塗布液
となる)中では、エポキシ樹脂と硬化剤との反応が、両
者を混合した瞬間より始まるので、最終的には液状物自
体は固化する。この実施例1の場合では、液状物が固化
するには室温では数週間レベルの時間が必要なことが分
かっている。ところで、液状物自体が固化してしまう
と、支持体上に熱可逆性記録材料を塗布することができ
なくなるので目的の熱可逆性記録材料の層や熱可逆性記
録媒体を形成できないことになる。この実施例1の場合
では、液状物が固化するまでには室温では数週間レベル
の時間が必要であるので、塗布に支障を来すことはない
が、以下の他の実施例のものの中には液状物自体の固化
が比較的速く起こるものもあるので手当が必要なことも
ある。このような点を考慮すると、液状物の調製に当た
っては、硬化剤以外のもの(ポリビニルアセタール、エ
ポキシ樹脂、所定のカルボン酸)を溶剤(ここではTH
F)に入れておき硬化剤は最後に添加するなど、エポキ
シ樹脂と硬化剤との共存タイミングを調整するのが望ま
しい。
【0031】次に、この実施例では図2に示すように、
支持体21として、この場合ポリエチレンテレフタレー
ト基板を用意する。そして、この支持体21上に上記塗
布液をバーコート法により所定の厚さに塗布する。次
に、この試料を例えば所定の温度で所定時間熱処理し
て、熱可逆性記録材料の層25を得る。ここでの熱処理
は、主に、塗布液調整に用いたTHFを除去できる条件
とする。ここでは大気雰囲気において120℃の温度で
所定時間熱処理している。このように形成した熱可逆性
記録材料の層25は全面白濁しているものとなる。ここ
で塗布方法としてはロールコート法、グラビアコート
法、ブレードコート法など他の好適な方法も用い得る。
なお、この実施例1の熱可逆性記録材料では、液状物の
状態での固化は室温で数週間必要と先に説明したが、皮
膜の状態となると液状物の状態のときに比べエポキシ樹
脂と硬化剤との反応は進み易くなるので液状物の時より
短い適当な放置時間によって目的の熱可逆性記録層25
が得られる。ただし、放置時間をあまり長くとれない場
合は硬化を促進させるための熱処理をしても良い。実施
例1においては皮膜中の溶剤(ここではTHF)を除去
するための熱処理において上記硬化をも促進させてい
る。
【0032】なお、支持体21とこの支持体21上に形
成された熱可逆性記録材料の層25とで構成される構造
体は最も基本的な構成の熱可逆性記録媒体26(第1実
施例の熱可逆性記録媒体26)といえる。この媒体26
において熱可逆性記録層25への熱印加は、熱可逆性記
録層25側からこの層25を加熱する方法の他、支持体
21が熱伝導率の良いものの場合であれば支持体21側
から支持体21を介して層25を加熱する方法がとれ
る。なお、図2において、「光」という文字を付した矢
印は媒体26への光の入射状態を示したもの、「目」と
いう文字を付した矢印は媒体26に形成された画像を人
が見る方向を示したもの、「加熱」という文字を付した
矢印は上述の2つの方法による熱の印加方向を示したも
のである(以下の図3以降の媒体において同じ。)。こ
の図2の例は媒体26からの反射光の有無により画像を
認識する例である。もちろん、図2の構成において、光
を支持体21側から媒体26に入射させるようにして透
過光の有無で画像を認識するようにしても良い。
【0033】次に、この熱可逆性記録材料の層25の熱
履歴に対する透明度の変化の特性を調べる。その結果、
この熱可逆性記録材料の層25は、図1に示したよう
に、これをT2 以上に加熱した後に急冷却(この場合、
50℃/秒以上を指す)した場合に最大透明度を示し、
1 以上T2 (T1 <T2 )以下に加熱した後に急冷却
(この場合、50℃/秒以上を指す)した場合、また
は、T1 以上の任意の温度Tn (ただしポリビニルアセ
タールの軟化点(エスレックKS−1では200℃))
を越えない温度Tn に加熱した後に徐冷却(この場合5
0℃/秒未満を指す)した場合それぞれの場合に最少透
明度(白濁状態)を示すというような、熱履歴−透明度
特性を示すものであり、かつ、T1 =80℃、T2 =1
20℃を示すものであることが分かった。すなわち、こ
の実施例1の熱可逆性記録材料の場合、透明状態を形成
出来る温度は120〜200℃のうちのいずれでもよく
その範囲は80℃もあり、また、白濁状態を形成出来る
温度は80〜200℃のうちのいずれでもよくその範囲
は120℃もあるのである。
【0034】また、この実施例1の熱可逆性記録材料の
層の透明状態時と白濁状態時おのおのでの波長550n
mの光の透過率をそれぞれ求める。前者の状態での透過
率は80%であり、後者の状態での透過率は4%であっ
た。これら透過率の比から求めたコントラストは20と
なる。
【0035】また、この実施例1の熱可逆性記録材料の
層について、140℃の温度に加熱した後急冷する条件
で透明化する処理と、その後、140℃の温度に再び加
熱した後徐冷する条件で白濁化する処理とを1サイクル
とする記録・消去処理を100サイクル繰り返す。そし
て、100サイクル終了後に上記透過率を再び測定して
コントラストを算出する。このときのコントラストも初
期値同様20であることが分かった。記録・消去の繰り
返しをしてもコントラストが低下しずらい理由は、マト
リクス材としてエポキシ樹脂の硬化物をも含んでいるの
で、有機低分子物質の分散具合が、エスレックKS−1
のガラス転移点(120℃)を超える上記140℃の熱
を加える処理でも変化しないためではないかと考える。
【0036】1−2.実施例2〜実施例11 エポキシ樹脂用の硬化剤を下記のようにそれぞれ変えた
こと以外は実施例1と同様にして、実施例2〜実施例1
1の熱可逆性記録材料を調整する。
【0037】(実施例2):二級アミンの一種であるジ
エチルアミンを用いる。
【0038】(実施例3):アルコールの一種であるブ
チルアルコールを用いる。
【0039】(実施例4):フェノールの一種であるク
レゾールを用いる。
【0040】(実施例5):有機酸の一種である酪酸を
用いる。
【0041】(実施例6):酸無水物の一種である無水
フタール酸を用いる。
【0042】(実施例7):無機酸の一種である塩酸を
用いる。
【0043】(実施例8):脂肪族ポリアミンであるエ
ポミックQ604(商標、三井石油化学工業(株)製)
を用いる。
【0044】(実施例9):芳香族ポリアミンであるエ
ポミックQ640(商標、三井石油化学工業(株)製)
を用いる。
【0045】(実施例10):ポリアミドアミンである
エポミックQ651(商標、三井石油化学工業(株)
製)を用いる。
【0046】(実施例11):脂肪族ポリエーテルポリ
アミンであるエポミックQ691(商標、三井石油化学
工業(株)製)を用いる。
【0047】なお、このように調整した各材料の液状物
自体が固化してしまう条件は次のようなものであった。
【0048】実施例2〜実施例7:実施例1のものと同
様である。すなわち、室温では数週間レベルの時間を経
ないと液状物自体の固化は生じない。
【0049】実施例8:室温で30分で液状物自体が固
化する。
【0050】実施例9:室温で10時間で液状物自体が
固化する。
【0051】実施例10:室温で1時間で液状物自体が
固化する。
【0052】実施例11:室温で3時間で液状物自体が
固化する。
【0053】次に、実施例1同様バーコート法により支
持体上に実施例2〜11の材料の層を形成する。ただ
し、実施例2〜実施例11の皮膜の乾燥条件はそれぞれ
以下のようなものとしている。
【0054】実施例2,3,7:大気中、50℃の温度
で2時間の熱処理。
【0055】実施例4,5,6:大気中、70℃の温度
で2時間の熱処理。
【0056】実施例8〜11:実施例1と同じ条件。
【0057】次に、実施例2〜11の熱可逆性記録材料
の層の特性を実施例1と同様な手順でそれぞれ測定す
る。
【0058】これら実施例2〜実施例11の熱可逆性記
録材料それぞれは、実施例1と同様な熱履歴−透明度特
性を示すものであることが分かった。さらに、初期のコ
ントラスト及び100サイクルの透明化及び白濁化処理
後のコントラストはいずれも20であることが分かっ
た。
【0059】1−3.実施例12〜実施例14 エポキシ樹脂を下記のようにそれぞれ変えたこと以外は
実施例1と同様にして、実施例12〜実施例14の熱可
逆性記録材料を調整すること、これら材料の層を支持体
上に形成すること、これら層の特性を測定することをそ
れぞれ行なう。なお、実施例12〜14の各材料は、実
施例1のものと同じく、室温では数週間レベルの時間を
経ないと液状物自体の固化は生じないものである。
【0060】(実施例12):モノエポキシ樹脂の一種
であるアリルグリシジルエーテル(具体的には、ナガセ
化成工業(株)製のデナコールEX−111(商品
名))を用いる。
【0061】(実施例13):ジエポキシ樹脂の一種で
あるエチレングリコールジグリシジルエーテル(具体的
には、ナガセ化成工業(株)製のデナコールEX−81
0(商品名))を用いる。
【0062】(実施例14):ジエポキシ樹脂の一種で
あるグリセロールポリグリシジルエーテル(具体的に
は、ナガセ化成工業(株)製のデナコールEX−313
(商品名))を用いる。
【0063】これら実施例12〜実施例14の熱可逆性
記録材料は、実施例1と同様な熱履歴−透明度特性を示
すものであることが分かった。さらに、初期のコントラ
スト及び100サイクルの透明化及び白濁化処理後のコ
ントラストいずれも20であることが分かった。
【0064】2.比較例 2−1.比較例1 実施例1の構成において用いたエスレックKS−1、エ
ポキシ樹脂及び硬化剤の代わりに、塩化ビニリデンとア
クリロニトリルとの共重合体(具体的にはダウケミカル
社製のサランF310と称されるもの)を10重量部用
いる。それ以外は、実施例1と同様にして、比較例1の
熱可逆性記録材料を調整すること、この材料の層を支持
体上に形成すること、この層の特性を測定することをそ
れぞれ行なう。
【0065】この比較例1の熱可逆性記録材料の熱履歴
に対する透明度変化特性は、従来技術において説明した
材料と同様な特性、具体的には、63℃にまで加熱し
て冷却すると安定した透明状態を示しこれを74℃以上
の温度(ただしサランF310の軟化点160℃以下)
に再加熱すると白濁状態を示すという特性であった。す
なわち、この比較例1の熱可逆性記録材料の場合、透明
状態を形成出来る温度は63〜74℃というようにその
範囲は11℃でしかなく、また、白濁状態を形成出来る
温度は74〜160℃というようにその範囲は86℃で
しかない。
【0066】また、この比較例1の熱可逆性記録材料の
層の透明状態時と白濁状態時おのおのでの波長550n
mの光の透過率をそれぞれ求める。前者の状態での透過
率は60%であり、後者の状態での透過率は10%であ
った。これら透過率の比から求めたコントラストは6と
なる。
【0067】また、この比較例1の熱可逆性記録材料の
層について、70℃の温度に加熱した冷却する条件で透
明化する処理と、その後、140℃の温度に再び加熱し
た後冷却する条件で白濁化する処理とを1サイクルとす
る記録・消去処理を100サイクル繰り返す。そして、
100サイクル終了後に上記透過率を再び測定してコン
トラストを算出する。このときの透明状態での透過率は
60%であり、白濁状態での透過率は20%であった。
したがって、コントラストは3となり初期値が6であっ
たのに対し悪化することが分かった。
【0068】2−2.比較例2 実施例1の構成において硬化剤(ブチルアミン)を用い
ないこととしこれ以外は実施例1と同様にして、比較例
2の熱可逆性記録材料を調整すること、この材料の層を
支持体上に形成すること、この層の特性を測定すること
をそれぞれ行なう。
【0069】この比較例2の熱可逆性記録材料の熱履歴
に対する透明度変化特性は実施例1の材料と同じとなっ
た。また、作製直後のコントラストも実施例1のものと
同じ値を示した。しかし、比較例2の熱可逆性記録材料
の層について、140℃の温度に加熱した後急冷する条
件で透明化する処理と、その後、140℃の温度に再び
加熱した後徐冷する条件で白濁化する処理とを1サイク
ルとする記録・消去処理を100サイクル繰り返した後
の、透明状態及び白濁状態おのおのでの波長550nm
光に対する透過率は、前者は80%、後者は20%とな
った。つまり、記録・消去処理を100サイクルする前
に比べ白濁状態が悪化したため、20であったコントラ
ストは4まで悪化してしまうことが分かった。
【0070】上述の実施例1〜実施例14、比較例1及
び比較例2の熱可逆性記録材料おのおのの、透明状態や
白濁状態を形成できる温度範囲と初期コントラストを下
記第1表に、また、記録・消去100サイクル後の透過
率及びコントラストを下記第2表にまとめて示した。
【0071】上述の説明から明らかなように、実施例の
熱可逆性記録材料の方が比較例(特に比較例1)のもの
に比べ、透明状態や白濁状態を形成する温度条件がゆる
いことが分かる。さらに、一度形成した透明状態や白濁
状態は従来より高温まで安定であることが分かる。さら
に、記録・消去を繰り返し行なった場合のコントラスト
の低下は少なくとも100サイクルまでは起きないこと
からみて、従来よりコントラスト低下が生じにくいもの
であることが分かる。
【0072】
【表1】
【0073】3.第三発明(熱可逆性記録媒体)の実施
例の説明 次に、第三発明である熱可逆性記録媒体の実施例につい
て説明する。
【0074】3−1.第三発明の第1実施例 第三発明の熱可逆性記録媒体のもっとも基本的な構造例
(第1実施例)は、上述において図2を参照して説明し
たものである。すなわち、第一発明の熱可逆性記録材料
で構成した層(熱可逆性記録材料の層)と、該層を維持
するための支持体とを積層した構造である。ここで支持
体は熱可逆性記録媒体の設計に応じた任意好適な形状、
構成材料及び膜厚のものとできる。たとえば、可視光に
対し透明なもの、或は可視光の一部または全部を反射す
るもの、或は可視光の一部又は全部を吸収するものな
ど、いずれもこの第二発明の支持体となり得る。
【0075】この第三発明の構成の場合、熱可逆性記録
層側から熱可逆性記録層を選択的に加熱することにより
熱可逆性記録層に透明部及び不透明部を選択的に形成す
ることが出来る(表示が行なえる)し、また、支持体を
熱伝導率の良好な材料で構成した場合は、該支持体に加
熱手段を接触させ該支持体を介して熱可逆性記録層を加
熱するというように、支持体側から(媒体の裏面側か
ら)透明部及び不透明部を選択的に形成出来る(表示が
行なえる)。支持体側からも表示が出来るような構成と
した場合、熱可逆性記録媒体を表示装置の表示画面その
ものとして用いる場合に人が該媒体を見る側に加熱手段
を配置することなく所望の表示が行なえるという利点が
得られる。支持体側から(媒体の裏面側から)表示がで
きる場合、設計によっては、上記利点に加えさらに他の
利点も得られる(詳細は後の該当する実施例において説
明する。)。
【0076】なお、支持体の構成材料の例として、これ
に限られないが、たとえば、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエステル、ポリプロピレン、セロファン、ポリ
塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、
ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリ
カーボネート、ポリアリレート、ポリサルホン、フッ素
樹脂、ポリアクリルニトリル、ポリエーテルサルファ
ン、ポリブタジエン、ポリイミド等のプラスチック、
紙、合成紙、熱伝導率の良い無機繊維紙さらには、セラ
ミック、金属、さらにはカーボン粉や金属粉を分散させ
たプラスチックなどを挙げることが出来る。
【0077】また、第三発明の熱可逆性記録媒体の用途
の拡大さらに特性の向上を図るために、第三発明の第1
実施例の構成に加え、中間層として、熱可逆性記録媒体
を保護するための保護層、熱可逆性記録媒体の構成成分
間の固定強度を向上させるための接着層、反射層又は光
吸収層(詳細は後述する。)、表示のコントラストを向
上させるためのエンハンス層から、熱可逆性記録媒体の
設計に応じ選択される1以上の層、さらには、人間では
直接認識出来ないが情報読み取り装置等で読み取り可能
なバーコード情報や磁気情報などを記録するための記録
層(本発明の熱可逆性記録層とは別の意味での記録層)
を任意好適に配置して熱可逆性記録媒体を構成すること
も出来る。これらの具体的な例について以下の各実施例
により説明する。
【0078】3−2.第三発明の第2実施例 第2実施例の熱可逆性記録媒体は、図3に断面図で示し
たように、支持体21と、該支持体21上に設けられ中
間層の一種としての反射層又は光吸収層23と、反射層
又は光吸収層23上に設けられ、第一発明の熱可逆性記
録材料(可逆性感熱記録材料)の層25(以下、熱可逆
性記録層25と略称することもある。)とで構成してあ
る。また、図3及び以下の説明で用いる各断面図では、
断面を示すハッチングを、反射層又は光吸収層23と熱
可逆性記録層25とについてのみ付し、それ以外の層へ
のハッチングは省略している。
【0079】このような第2実施例の熱可逆性記録媒体
(可逆性感熱記録媒体ともいう)27はここでは次のよ
うに作製した。支持体21は、ここでは、所定厚さのポ
リエチレンテレフタレート基板で構成している。この支
持体21上に、バインダーとしての塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体(ユニオンカーバイト社(UCC)製VY
HH)及び着色顔料としてのカドミウムレッドをテトラ
ヒドロフランに溶解させた塗布溶液を塗布する。得られ
た塗布膜を乾燥させると、支持体21上には赤色の光を
主に反射しそれ以外の光は吸収又は透過する層(着目す
る波長により反射層とも光吸収層とも光透過層ともい
え、また別の見方でいえば着色層とも言える層。この層
を反射層または光吸収層23ということにする。)23
が形成される。また、このようにして作製した反射層又
は光吸収層23上に、第一発明の実施例1〜実施例14
で用いた各塗布液を用いて熱可逆性記録層25を第一発
明の実施例で述べた手順で形成する。
【0080】これら第2実施例の熱可逆性記録媒体27
の熱可逆性記録層25に加熱手段(例えばサーマルヘッ
ド)を接触させ該層25を選択的に加熱して透明部(印
字部)を形成したところ、朱文字による印字ができた。
また、第一発明同様に記録・消去の繰り返し実験を行っ
たところ、印字の劣化は認められないことが分かった。
もちろん、この第2実施例の場合も、第1実施例同様、
支持体21を熱伝導の良好なもので構成し、該支持体側
から該支持体を介して熱可逆性記録層25を加熱しても
良い。
【0081】なお、反射層又は光吸収層23は、赤色顔
料を含む層で構成されるものに限られない。用いる顔料
を赤色以外のものとしたり、或は、色素を含む層、或
は、銅粉若しくはアルミニウム粉などの金属粉を含む層
などで、反射層又は光吸収層23を構成しても良い。ま
た、支持体21上に、インキなどを塗布して反射層又は
光吸収層23を構成しても良い。また、表示のコントラ
ストを向上させる目的で複数色のインキを印刷するよう
にしても良い。また、反射層または光吸収層23を作製
する際には熱伝導率の良い顔料、色素、金属粉を用いる
こととし、熱可逆性記録媒体の熱応答性の向上を図るよ
うにすることも出来る。
【0082】3−3.第三発明の第3実施例 第3実施例の熱可逆性記録媒体は、図4(A)に断面図
で示すように、上記第2実施例の熱可逆性記録媒体の構
成に加え、熱可逆性記録層25上に可視光に対し透明で
かつ熱可逆性記録層25を保護するための保護層29を
具えたものである。該保護層29の構成材料の例とし
て、これに限られないが、たとえば、ポリエステル、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、セロファン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリ塩
化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボ
ネート、ポリアリレート、ポリサルホン、フッ素樹脂、
ポリアクリロニトリル、ポリエーテルサルファン、ポリ
ブタジエン、UV硬化樹脂などのプラスチック、また、
SiO2 、TiO2 、Al23 などの無機物質を挙げ
ることが出来る。保護層29の膜厚は、熱可逆性記録層
25を加熱するための手段(たとえばサーマルヘッド)
からの熱が熱可逆性記録層25に良好に伝わり、かつ、
保護層としての機能が得られる範囲の好適な膜厚とすれ
ば良い。
【0083】なお、保護層29の表面のうち、熱可逆性
記録層の表示領域上に当たらない部分上に、文字や図形
(例えば、該熱可逆性記録媒体の用途例えば「○○○○
カード」というような文字)を印刷しても良い。また、
この第3実施例の場合も、支持体を熱伝導が良好な材料
で構成することができる。この構成の場合、媒体の人が
見る側に加熱手段を配することなく印字が出来ることに
加え、保護層29表面に印刷されている文字や図形に加
熱手段からの熱の影響が及びにくいという利点が得られ
る。これは、保護層29表面に水性または油性のマジッ
クインキなどで文字や図形を書く場合などに該書かれた
文字や図形の保護の点で有用と考えられる。
【0084】また、必要に応じて、図4(B)に示した
ように、保護層29と熱可逆性記録層25との間、及び
又は、熱可逆性記録層25と反射層又は光吸収層23と
の間に、中間層の一種として両層25、23の接着強度
を向上するための接着層31を設けても良い。接着層3
1の構成材料の例として、これに限られないが、例え
ば、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂を
挙げることが出来る。また、中間層の他の例として、文
字や図形を印刷するための専用の層(印刷層)33を熱
可逆性記録媒体(第3実施例のものに限られない。)の
適所に設けることが出来る。図5(A)には、接着層3
1と保護層29との間に印刷層33を有した熱可逆性記
録媒体の例を、また、図5(B)には、反射又は光吸収
層23と接着層31との間に印刷層33を具えた熱可逆
性記録媒体の例をそれぞれ示した。もちろん、接着層や
印刷層を設けるという点はこの第3実施例にかぎられ
ず、他の各実施例にも適用出来る。
【0085】3−4.第三発明の第4実施例 第4実施例の熱可逆性記録媒体は、図6(A)に断面図
で示すように、上記第3実施例のうちの図4(A)に示
した熱可逆性記録媒体の構成に加え、熱可逆性記録層2
5と反射又は光吸収層23との間に、中間層の一種とし
て、表示のコントラストを向上させるためのエンハンス
層35を具えたものである。このエンハンス層35は、
熱可逆性記録層25に形成される透明部と白濁部分との
コントラストを高めて表示のコントラストを向上させる
ものである。エンハンス層33の構成材料の例として
は、これに限られないが、たとえば、ポリエステル、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、セロファン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリ塩
化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボ
ネート、ポリアリレート、ポリサルホン、フッ素樹脂、
ポリアクリロニトリル、ポリエーテルサルファン、ポリ
ブタジエンなどのプラスチック、また、SiO2 、Ti
2 、Al23 などの無機物質を挙げることが出来
る。
【0086】なお、エンハンス層を空気層35aで構成
しても良い。この例を図6(B)に示している。この図
6(B)の例では、反射層または光吸収層23と熱可逆
性記録層25との間の一部に接着層31を設け、そし
て、反射層または光吸収層23と熱可逆性記録層25と
の間の、接着層31を設けていない部分に、空気層35
aを生じさせることによりエンハンス層としている。
【0087】また、この第4実施例の場合も、支持体を
熱伝導が良好な材料で構成することができる。ただし、
エンハンス層を空気層35aで構成する態様では空気層
35aにより熱の熱可逆性記録層25への伝わり具合が
低下するのであまり効果的ではないと考えられる。
【0088】3−5.第三発明の第5実施例 第三発明の熱可逆性記録媒体に備わる熱可逆性記録層2
5は目視できる文字や図形を記録するものである。しか
し、第三発明の熱可逆性記録媒体がコード化された情報
をも記憶かつ書き換えできるものであるなら、直接目視
できる熱記録とコード化された記録との複合された情報
を記録しかつ利用出来る熱可逆性記録媒体が得られるの
で好適である。このような熱可逆性記録媒体が構成出来
れば、これを用いて例えばプリペイドカードを構成し、
該記録層に例えば残高などを示すコード情報を記憶出来
る。さらに該残高情報を外部読み取り装置で読み取りこ
の情報と今使用した金額とから新たな残高を外部制御装
置により計算し、この新たな残高を熱可逆性記録層に表
示しかつ記録層に更新記録することが可能となるなど、
熱可逆性記録媒体の応用が広がるので好適である。以
下、このような記録層を有した熱可逆性記録媒体の例
(第5実施例)について説明する。
【0089】コード情報の記憶・書換が可能な記録層を
熱可逆性記録媒体のどこに設けるかは熱可逆性記録媒体
の設計に応じ任意とできる。この実施例では、第2実施
例において図4(A)を用いて説明した熱可逆性記録媒
体の支持体21の裏面に、記録層37を設け、さらに、
該記録層37を保護するため該層37を覆う第2の保護
層39を設けた例(図7(A)参照)を示している。ま
た、図7(A)の構成において、熱可逆性記録層25と
反射層または光吸収層23との間にエンハンス層35を
具えた構成としてももちろん良い(図7(B)参照)。
なお、第2の保護層39の構成材料は例えば保護層29
を構成し得る各種材料から選ぶことが出来る。
【0090】記録層37への記録形式としては、これに
限られないが、磁気的記録法、光による記録法、電気的
記録法さらには目視ができないコード情報を記録する意
味での熱による記録法のうちの一または複数とできる。
記録層37を例えばICカードそのもので構成する場合
でも良い。
【0091】また、この第5実施例の場合も、支持体を
熱伝導が良好な材料で構成しても良い。
【0092】3−6.第三発明の第6実施例 第6実施例の熱可逆性記録媒体は、図8(A)に断面図
で示すように、可視光に対し透明な材料で構成した支持
体(透明支持体)41上に熱可逆性記録層25と透明保
護層29とをこの順に具え、かつ、透明支持体41の裏
面に反射層または光吸収層23を具えたものである。こ
の構成では、支持体として透明支持体41を用いこれを
熱可逆性記録層25と反射層または光吸収層23との間
に配置してあるので、この透明支持体41自体がエンハ
ンス層的な働きをするようになる。もちろん、図8
(B)に示すように、図8(A)の構成に加え、透明支
持体41と反射層または光吸収層23との間に本来のエ
ンハンス層35(空気層35aでも可)を設けても良
い。
【0093】透明支持体41の構成材料の例としては、
例えば透明プラスチック、例えば、ポリエステル、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、セロファン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化
ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネ
ート、ポリアリレート、ポリサルホン、フッ素樹脂、ポ
リアクリロニトリル、ポリエーテルサルファン、ポリブ
タジエンなどを挙げることが出来る。
【0094】この第6実施例の場合も、例えば、図8
(A)または(B)の構成において、反射層または光吸
収層23下に記録層37と第2の保護層39とを具える
構成とすることができる。
【0095】3−7.第三発明の第7実施例 図4(A)を参照して説明した熱可逆性記録媒体、図4
(B)を参照して説明した熱可逆性記録媒体、図5
(A)を参照して説明した熱可逆性記録媒体、図5
(B)を参照して説明した熱可逆性記録媒体それぞれの
構成において、反射層または光吸収層23を設けないこ
ととし、かつ、支持体21自体を透明支持体で構成する
(第7実施例)。この第7実施例の一態様として、図4
(A)の構成に第7実施例の考えを適用した例を、図9
(A)及び(B)に示す。ここで、図9(A)は、加熱
を透明保護層29側から行なって熱可逆性記録層25に
印字をする例であり、図9(B)は支持体41を熱伝導
が良い材料でかつ透明な材料で構成し、該支持体側から
加熱を行なって熱可逆性記録層25に印字をする例であ
る。いずれの場合も熱可逆性記録媒体の透明支持体41
から光を入れる例を示している。もちろん、透明保護膜
29側から光を入れるようにしても良い。また、この第
7実施例の他の態様として、記録層37を具える構成に
第7実施例の考えを適用した例を、図9(C)に示す。
すなわち、図9(C)には、記録層37及び該記録層3
7を保護する為の第2の保護層39を、透明支持体41
の裏面のうちの、光入射の支障にならない部分に、設け
た例を示している。もちろん、この図9(C)の場合も
透明支持体41を熱伝導の良い材料で構成し、該透明支
持体41を介して熱可逆性記録層25の加熱をおこなっ
ても良い。
【0096】3−8.第三発明の第8実施例 上述の第1〜第7の各実施例の熱可逆性記録媒体は、媒
体に印字されたデータを主に保護膜29側から見るもの
であった。しかし、支持体自体を透明支持体41で構成
し、反射層または光吸収層23を設ける位置を熱可逆性
記録層25と保護層29との間とすることにより、透明
支持体41側から印字データを見るようにしても良い。
以下にいくつかの例を説明する。ただし、この第8実施
例の場合、保護層29は透明性を有していなくとも良
い。
【0097】先ず、図10(A)は、透明性支持体41
上に、熱可逆性記録層25、反射層または光吸収層23
及び保護層29をこの順に設けた例である。ちょうど、
図4(A)の媒体を支持体側で表示が見られるように変
更した例に相当する。また、図10(B)は、透明性支
持体41上に、接着層31、熱可逆性記録層25、接着
層31、反射層または光吸収層23及び保護層29をこ
の順に設けた例である。ちょうど、図4(B)の媒体を
支持体側で表示が見られるように変更した例に相当す
る。また、図10(C)は、透明性支持体41上に、印
刷層33、接着層31、熱可逆性記録層25、接着層3
1、反射層または光吸収層23及び保護層29をこの順
に設けた例である。ちょうど、図5(A)の媒体を支持
体側で表示が見られるように変更した例に相当する。ま
た、図11(A)は、透明性支持体41上に、接着層3
1、熱可逆性記録層25、接着層31、印刷層33、反
射層または光吸収層23及び保護層29をこの順に設け
た例である。ちょうど、図5(B)の媒体を支持体側で
表示が見られるように変更した例に相当する。また、図
11(B)は、透明性支持体41上に、熱可逆性記録層
25、エンハンス35、反射層または光吸収層23及び
保護層29をこの順に設けた例である。ちょうど、図6
(A)の媒体を支持体側で表示が見られるように変更し
た例に相当する。また、図11(C)は、透明性支持体
41上に、熱可逆性記録層25、空気層35から成るエ
ンハンス層、反射層または光吸収層23及び保護層29
をこの順に設けた例である。ちょうど、図6(B)の媒
体を支持体側で表示が見られるように変更した例に相当
する。また、図12(A)は、透明性支持体41上に、
熱可逆性記録層25、反射層または光吸収層23、記録
層37及び第2の保護層39をこの順に設けた例であ
る。ちょうど、図7(A)の媒体を支持体側で表示が見
られるように変更した例に相当する。また、図12
(B)は、透明性支持体41上に、熱可逆性記録層2
5、エンハンス層35(空気層のものでも良い。)、反
射層または光吸収層23、記録層37及び第2の保護層
39をこの順に設けた例である。ちょうど、図7(B)
の媒体を支持体側で表示が見られるように変更した例に
相当する。
【0098】3−9.第三発明の第9実施例 上述の第1〜第8の各実施例では支持体側から光を入れ
る場合に用いる支持体として、支持体の主面に光が直角
に入る構成のものを主に考えていた。しかし、支持体自
体を該支持体に入射された光の進行方向を変化させる性
質を有したものとしても良い。こうすると、例えば、熱
可逆性記録層25と光源との位置関係から来る熱可逆性
記録媒体の設計の制約を軽減できるからである。以下の
例(第9実施例)はその例である。
【0099】図13はこの第9実施例の一態様を示した
した図である。この態様では、板状体51の端面51a
から光を入射すると該光は該板状体51内で直角に曲げ
られて該板状体51の主面から出射されるという(エッ
ジライト方式ともいう。)光路変更機能を有した板状体
51を熱可逆性記録媒体の支持体として用いている例を
示している。このような板状体51の具体的なものとし
ては、例えば、アクリル樹脂を用い三菱レイヨン(株)
から提供されているアクリライト(商品名)を挙げるこ
とが出来る。もちろん、この第9実施例の考えを適用で
きる構造は、図13のものに限られず、上述の第1〜第
8の各実施例の構造などに広く応用できる。
【0100】4.熱可逆性記録媒体への情報の書き込み
等について 次に、第一及び第三発明の理解を深めるために、第三発
明の熱可逆性記録媒体へ情報を書き込む場合の方法の一
例を説明する。図14はその説明に供する図であり、第
三発明の熱可逆性記録媒体100へ情報を書き込むため
の装置例と、媒体100との関係を示した図である。図
14において、200a〜200cはそれぞれいくらか
ずつ機能が異なる記録装置であり、300は記録用の情
報(例えば「あ」「い」「う」「え」「お」)を格納し
かつ記録装置200a〜200cを制御するための制御
装置である。ここで、記録装置200aは情報印字用サ
ーマルヘッド201及び情報消去用の加熱ブロック(或
は加熱ロール)202を具える。記録装置200bは記
録装置200aの構成に加え第三発明において説明した
記録層37の情報の特に光学的記録法で記録された情報
読み取り用の光学読み取り装置203を備える。記録装
置200cは、記録装置200aの構成に加え記録層3
7の情報特にコード化された情報を読み取る読み取りヘ
ッド204とコード化された情報を書き込むための記録
ヘッド205を具える。
【0101】4−1.熱可逆性記録媒体が例えば上記第
三発明のうちの記録層37を有していない構成のものの
場合は、使用者はこの熱可逆性記録媒体100を記録装
置200aに挿入する。制御装置300は熱可逆性記録
媒体100が挿入されたことを感知して、記録用の情報
(例えば「あ」「い」「う」「え」「お」)を印字する
ように記録装置200aに対し指令を送る。この指令を
受けた記録装置200aはサーマルヘッド201を用い
て、所定の電力で所定の時間、熱可逆性記録媒体100
の熱可逆性記録層25を直接又は保護層29若しくは支
持体21を介して選択的に加熱する。熱可逆性記録媒体
100が、図1に示した熱履歴特性を有するものの場合
なら、媒体100の「あ」「い」「う」「え」「お」を
印字したい部分を120〜200℃に熱した後室温に急
冷却することで該当部分が透明状態になりそれ以外の部
分は白濁状態のままとなる。なお、上記印字は印字電力
を例えば0.1W/dotとし、印字時間を1msec
とした条件で行なえる。もちろんこの印字条件は一例で
ある。
【0102】印字が終了した後、使用者が熱可逆性記録
媒体100を記録装置200aから取り出す。取りだし
た媒体100は、「あ」「い」「う」「え」「お」の印
字部分が透明状態のまま固定されたものとなっていた。
さらに、透明部と白濁部との透過率比で示したコントラ
ストは、例えば20(波長550nmの光に対する透過
率でいっている。)となっていた。これにより、使用者
は媒体100に記録された情報「あ」「い」「う」
「え」「お」を目視で認識できる。また、この情報
「あ」「い」「う」「え」「お」は媒体を次に使用する
まで保持される。
【0103】また、使用者は、熱可逆性記録媒体100
の前回記録された情報を消去する場合、媒体100を記
録装置200aに挿入する。記録装置200aは媒体1
00が図1の熱履歴特性を有する物の場合は加熱ロール
202により媒体を90〜200℃の範囲の温度で熱し
た後室温まで徐冷する。媒体100は不透明状態となり
前回の記録は消去される。また、消去の済んだ媒体に新
たな情報を記録する場合は上記印字の手順で処理され
る。
【0104】4−2.熱可逆性記録媒体が例えば上記第
三発明のうちの記録層37であって特に光学的記録法に
よる情報を記憶する記録層を有している構成のものの場
合は、使用者はこの熱可逆性記録媒体100を記録装置
200bに挿入する。すると、記録装置200bは光学
読み取り装置203により記録層37に記憶されている
光学情報を読み取りこれを制御装置300に送る。この
光学情報が例えば感熱記録媒体100の所有者の認識情
報であるような場合は制御装置により媒体の使用者の正
否の確認などが行なえるのである。熱可逆性記録層への
情報の書き込みと熱可逆性記録層の情報の消去とは上記
4−1と同様な手順で行なえる。
【0105】4−3.熱可逆性記録媒体が例えば上記第
三発明のうちの記録層37であって例えばコード化した
情報の記憶及びその変更ができる記録層例えば磁気記録
層を有している構成のものの場合は、使用者はこの熱可
逆性記録媒体100を記録装置200cに挿入する。す
ると、記録装置200cは、媒体100の記録層37に
記憶されているコード化した情報を、読み取りヘッド2
04により読み取りこれを制御装置300に送る。ここ
で例えばコード化した情報とは熱可逆性記録媒体100
が例えばプリペイドカードと考えた場合であれば、例え
ば残高情報であることができる。制御装置300は、こ
の残高情報と今使用者が消費した金額とから新たな残高
を計算し、さらにこの新たな残高を媒体100の記録層
37に記録させ及び熱可逆性記録層25に視覚情報とし
て表示させる指令を記録装置200cにそれぞれ送る。
記録装置200cは記録ヘッド205によりこの新たな
残高情報を記録層37に書き込むと共に、サーマルヘッ
ド202により熱可逆性記録層25に形成する。
【0106】なお、第三発明の熱可逆性記録媒体のうち
の、媒体の一方面から表示を見る型のものであって当該
媒体の他方の面から加熱印字をする型のもの(例えば図
9(B)や図10(B)に示した媒体)では、視覚面に
おいて文字が正常にみることができるようにサーマルヘ
ッド201の印字信号を制御装置300において調整す
る必要がある。
【0107】5.第四発明(熱可逆性記録装置)の説明 次に、熱可逆性記録装置(以下、「記録装置」と略称す
る。)の実施例について説明する。
【0108】5−1.第四発明の第1実施例 図15はその説明に供する図である。この記録装置は、
フレーム61と、このフレーム61に設けられ熱可逆性
記録媒体の熱可逆性記録層(図2等参照)全面を消去す
るため板状の発熱体で構成された全体消去具63と、こ
の全体消去具63に接しさせ設けられた当該熱可逆性記
録媒体100と、熱可逆性記録媒体100に印字部(画
像)を形成するための筆記用具65と、熱可逆性記録媒
体100に形成された画像の一部を消去するための局部
消去具67と、全体消去具63の温度を制御するための
温度制御部69とを具えている。
【0109】ここで、フレーム61は、記録装置の設計
に応じた金属、樹脂等の好適な材料で構成できる。ま
た、全体消去具63は例えばパネルヒータで構成出来
る。この全体消去具63は、熱可逆性記録媒体100の
特性(例えば図1参照)に応じた温度を印加できるもの
とする。これを可能とする温度制御部69は、従来公知
のもので構成出来る。また、熱可逆性表示体100は、
第二発明の実施例で説明したものを用いている。また、
筆記用具65は、図示は省略するが、円筒状の本体部
と、その先端部に設けたヘッド部と、本体部に内蔵され
前記ヘッド部を加熱するための発熱部と、発熱部用電源
と、電源スイッチとしてのON/OFFスイッチとを具
えている。筆記用具65のヘッド部は、熱伝導率の良い
材料例えば銅等のような金属やセラミックス等で構成す
るのが良い。また、ヘッド部の形状は、先細形状とする
のが良いがその太さをどの程度とするかについては描き
たい文字の大きさ等を考慮して決定するのが良い。また
発熱部は、例えばニクロムヒーター、セラミックスヒー
タ等のような抵抗発熱体で構成出来る。発熱部用電源
は、直流電源(電池も含む)、交流電源のいずれでも良
い。
【0110】この第1実施例の記録装置によれば、全面
消去具63を図1の熱履歴の条件13に従い動作させる
と記録媒体100の記録層が白濁する。この白濁画面に
対しオン状態の筆記用具65を接触させると、白濁画面
の筆記用具が接した部分では記録層が透明化し着色支持
体の色が透けて見えるようになりこの場合は赤色の印字
部が得られる。この結果、表示体に白色の背景部及び赤
色の印字部で構成された画像が形成出来る。また、画像
の一部のみを消去したい場合は、その部分に局部消去具
67を接することにより画像消去が出来る。
【0111】5−2.第四発明の第2実施例 また、図16は第四発明の第2実施例の記録装置の説明
図である。この第2実施例の記憶装置は、第三発明の熱
可逆性記録媒体をディスプレイの表示面に応用した装置
例である。詳細には、第三発明の熱可逆性記録媒体であ
ってその形状を帯状でかつ閉ループ状としたもの(以
下、ループ状媒体100aともいう。)と、該ループ状
媒体100aを保持及び必要時に周回させるための、第
1のプラテンロール206及び第2のプラテンロール2
07と、前記ループ状媒体100aへの情報記録及び該
媒体の情報消去を行なうための記録装置208と、第1
及び第2のプラテンロール206、207の走行/停止
及び走行速度、記録装置208による上記情報記録及び
消去を制御するための制御装置301とを具えた装置で
ある。ここで、記録装置208は例えば図14を用いて
説明した記録装置200aにより構成出来る。また制御
装置は公知の印字制御技術及び搬送制御技術を用いた任
意好適なもので構成出来る。
【0112】この第2実施例の記録装置はループ状媒体
100aを移動させつつ表示を行なうと例えば電光掲示
板として使用できる。また、媒体を適時停止しておくと
所定情報の掲示板として使用出来る。
【0113】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、こ
の出願の第一発明の熱可逆性記録材料によれば、マトリ
クス材をポリビニルアセタール及びエポキシ樹脂(ただ
し硬化剤で硬化したもの)とし、有機低分子物質として
所定の飽和カルボン酸及び又はその誘導体としたので以
下の〜の効果が得られる。:記録・消去をくり返
し行なった場合の表示コントラスト低下が従来に比べ生
じにくい媒体が得られる。:白濁状態を形成出来る温
度範囲及び透明状態を形成出来る温度範囲いずれも従来
より広い媒体が得られる。このため、サーマルヘッド等
の熱的手段の温度制御の制約が従来より緩和できると考
えられる。:一度形成した白濁状態或は透明状態は従
来より高温まで安定であるので、使用環境温度が高くな
る使用の場合(例えば夏場に車内温度が70〜80℃に
もなる自動車の中での使用等)にも有利である。また、
この出願の第二発明の熱可逆性記録材料の製法によれ
ば、上記〜の効果を示す熱可逆性記録材料および熱
可逆性記録媒体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一発明の熱可逆性記録材料の実施例の説明に
供する図であり、この材料で構成した層の温度変化に対
する透過率の変化を示した図である。
【図2】第一発明の熱可逆性記録材料の説明及び第三発
明の熱可逆性記録媒体の第1実施例の説明に供する図で
ある。
【図3】第三発明の熱可逆性記録媒体の第2実施例の説
明図である。
【図4】第三発明の熱可逆性記録媒体の第3実施例の説
明図である。
【図5】第三発明の熱可逆性記録媒体の第3実施例の図
4に続く説明図である。
【図6】第三発明の熱可逆性記録媒体の第4実施例の説
明図である。
【図7】第三発明の熱可逆性記録媒体の第5実施例の説
明図である。
【図8】第三発明の熱可逆性記録媒体の第6実施例の説
明図である。
【図9】第三発明の熱可逆性記録媒体の第7実施例の説
明図である。
【図10】第三発明の熱可逆性記録媒体の第8実施例の
説明図である。
【図11】第三発明の熱可逆性記録媒体の第8実施例の
図10に続く説明図である。
【図12】第三発明の熱可逆性記録媒体の第8実施例の
図11に続く説明図である。
【図13】第三発明の熱可逆性記録媒体の第9実施例の
説明図である。
【図14】媒体への情報記録及び媒体の情報消去例の説
明図である。
【図15】第四発明の熱可逆性記録装置の第1実施例の
説明図である。
【図16】第四発明の熱可逆性記録装置の第2実施例の
説明図である。
【符号の説明】
21:支持体 23:反射層又は光吸収層 25:第一発明の熱可逆性記録材料の層 27:第2実施例の熱可逆性記録媒体 29:保護層 31:接着層 33:印刷層 35:エンハンス層 35a:空気層で構成したエンハンス層 37:記録層(コード情報用) 39:保護層(第2の保護層) 41:透明支持体 51:光路変更機能を有した板状体で構成した支持体 51a:板状体の端面 61:フレーム 63:全体消去具 65:筆記用具 67:局部消去具 69:温度制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関谷 健之 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電 気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−64318(JP,A) 特開 平2−131987(JP,A) 特開 平3−224787(JP,A) 特開 平5−4478(JP,A) 特開 平5−85044(JP,A) 特開 平5−139080(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/36

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリクス材及び有機低分子物質を含み
    熱履歴により透明度が変化する熱可逆性記録材料におい
    て、 マトリクス材としてポリビニルアセタールとエポキシ樹
    脂(ただし硬化剤で硬化したもの)とを含み、 有機低分子物質として飽和カルボン酸及び飽和カルボン
    酸の誘導体の群から選ばれる少なくとも1つのものを含
    むことを特徴とする熱可逆性記録材料。
  2. 【請求項2】 マトリクス材及び有機低分子物質を含み
    熱履歴により透明度が変化する熱可逆性記録材料を製造
    するに際し、 有機低分子物質としての、飽和カルボン酸及び飽和カル
    ボン酸の誘導体の群から選ばれる少なくとも一つのもの
    と、マトリクス材形成のための、ポリビニルアセター
    ル、エポキシ樹脂、及び該エポキシ樹脂用の硬化剤とを
    混合し、 該混合物を所定時間放置するか、或は、該混合物に対し
    熱処理することにより熱可逆性記録材料を製造すること
    を特徴とする熱可逆性記録材料の製法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の熱可逆性記録材料また
    は請求項2に記載の製法で製造された熱可逆性記録材料
    で構成した層(熱可逆性記録層)と、 該熱可逆性記録層を直接または中間層を介して支持する
    ための支持体とを具えたことを特徴とする熱可逆性記録
    媒体。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の熱可逆性記録媒体にお
    いて、 前記熱可逆性記録層の前記支持体とは反対の面側に直接
    または中間層を介して保護層を具え、 前記支持体及び保護層の少なくとも一方を可視光に対し
    透明性を有する材料で構成してあることを特徴とする熱
    可逆性記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載の熱可逆性記録
    媒体において、 前記中間層を用いる場合、該中間層を、少なくとも反射
    層、光吸収層、エンハンス層及び印刷層の中から、熱可
    逆性記録媒体への光入射方向および該媒体で形成された
    記録を見る方向に応じ選択される1以上の層としてある
    ことを特徴とする熱可逆性記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項3または4に記載の熱可逆性記録
    媒体において、 前記支持体を可視光に対し透明性を有する材料で構成
    し、 該支持体の熱可逆性記録層側とは反対面側に反射層また
    は光吸収層を具えたことを特徴とする熱可逆性記録媒
    体。
  7. 【請求項7】 請求項3または4に記載の熱可逆性記録
    媒体において、 前記支持体を、該支持体に入射された光の進行方向を変
    化させる性質を有したもので構成してあることを特徴と
    する熱可逆性記録媒体。
  8. 【請求項8】 請求項3〜7のいずれか1項に記載の熱
    可逆性記録媒体において、 熱可逆性記録層とは別に、記録層を具えたことを特徴と
    する熱可逆性記録媒体。
  9. 【請求項9】 熱可逆性記録媒体と該媒体への情報記録
    及び該媒体の情報消去を行なう装置とを具える熱可逆性
    記録装置において、 熱可逆性記録媒体として請求項3〜8のいずれか1項に
    記載の熱可逆性記録媒体を用いたことを特徴とする熱可
    逆性記録装置。
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