JP3365652B2 - 帯板冷却装置 - Google Patents
帯板冷却装置Info
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- Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、連続焼鈍設備や連続
処理ラインにおいて帯板を冷却する帯板冷却装置の改良
に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、この種の帯板冷却装置は、上下
方向に走行する帯板(ストリップ)の両面側に、該帯板
を挟んで対向し、帯板の幅方向に平行なスリット開口を
有する冷却ノズルを備え、該帯板表面に略垂直な方向か
らガスを噴射するように構成されている。そして、この
スリット開口から帯板の幅方向に平行なエアカーテン状
ガスを噴射し、該エアカーテンを帯板の走行によって掃
引させて、帯板表面全体を冷却できるようになっている
(図5)。 【0003】この場合、エアカーテン状のスリット噴射
ガスは、帯板を両面側から動圧で非接触保持する作用も
有しており、帯板を冷却しつつ、その走行状態を安定化
させることができるようになっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の帯板冷却装置において、スリット噴射ガスの動圧によ
る帯板の非接触保持作用は副次的なものでしかなく、帯
板を安定走行させるには甚だ不十分であるという欠点を
有していた。即ち、帯板の走行姿勢が冷却ノズルの噴き
出し面に対して非平行となるツイスト(捩じれ)状態を
生じても、それが準安定状態として維持・増大されてし
まったり、(図6(a))、平行であっても、走行方向
と垂直な方向に低周波の波打ち振動(フラッタリング、
バタツキ現象)を生じてしまう恐れがあった(図6
(b))。 【0005】こうした異常走行状態は、時として帯板と
ノズルの接触事故を招来し、帯板の傷発生を引き起こす
こととなる。このため、従来装置では、冷却ノズルを帯
板に近接させて噴射ガスの伝熱冷却効率を高めることが
できなかった。これは、帯板生産ラインの高速化という
時代ニーズに対応する上で、極めて不都合な問題点であ
った。このため、従来装置では、例えば、隣合う冷却ノ
ズル間の適所に受圧板を設け、噴射された冷却ガスによ
り静圧を発生させ、該静圧によるクッション作用を利用
して、帯板に対する非接触保持機能を高めるといった試
みもなされてきた。 【0006】しかしながら、この種の受圧板は、帯板に
当たって流出方向を反転したガスが帯板に沿って幅方向
に流出し、幅方向に差圧を発生して、ツイスト走行状態
を誘発させる恐れがあった。また、動圧を主体とする従
来のノズルでは、噴射ガスの逃げ方によってバラバラの
吸引作用が生じるために発生する異常走行(バタツキ、
フラッタリング)を抑止できなかった。この発明は上記
の点に鑑み、帯板の両面側、及び幅方向でガス圧の差が
生ぜず、しかも逃げて行くガスによる吸引作用の差異な
どの影響を受ける恐れのない手段により、帯板の走行状
態を安定化させて、冷却能率をより向上できる帯板冷却
装置を提供することを目的としている。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めこの発明は、上下方向に走行する帯板の両面側に、該
帯板を挟んで対向し、帯板の幅方向に平行なスリット開
口を有する冷却ノズルを走行方向に列設してなる帯板冷
却装置において、前記冷却ノズルのうち少なくとも1組
の隣合うノズル間に、環状に構成された噴出口を備えた
センタリングノズルを設けたことを特徴とし、受圧板を
用いることなく帯板近傍に静圧を発生させて、そのエア
クッション作用により帯板走行を安定化できるようにし
たものである。 【0008】また、前記環状に構成された噴出口を備え
たセンタリングノズルは、ガスの静圧を発生しつつ、幅
方向への反転流出を抑制し、帯板幅方向全域にわたりエ
アクッション作用を安定化できるようにしたものであ
る。 【0009】 【作用】前工程で加熱されて上下方向に高速走行する帯
板の両表面には、帯板を挟んで対向し、帯板の幅方向に
平行なスリット開口を有する冷却ノズルから冷却ガスが
噴射され、帯板を冷却する。この冷却ガスは、帯板面に
対してほぼ垂直に噴射されるため、帯板を走行中心に維
持する作用をある程度有しているが、ガス噴射によって
帯板を静圧保持するものではない。 【0010】一方、センタリングノズルを構成する環状
開口からは幅方向に対して、複数個のエアカーテンガス
が噴射され、噴射されたガスにより静圧を発生し、その
クッション作用によって帯板を両面側から非接触保持す
る。この時、帯板幅方向に対して複数個の閉鎖状スリッ
トノズルが配列されているため、各スリット内は本来の
静圧効果を高めるとともに、幅方向に反転して逃げるガ
ス流が抑制され、ツイスト状態になるのを防ぐ作用が生
じる。また、バタツキ現象(フラッタリングなど)に対
しては、板幅全体のクッション効果が増大することによ
り、バラツキ現象を抑える作用も当然大きくなり、帯板
の走行保持が安定化する。これにより、帯板と冷却ノズ
ルの間隔を狭めて、冷却能をさらに向上することが可能
となる。 【0011】 【実施例】以下、この発明を添付の図面に基づく実施例
により説明する。図1は本願帯板冷却装置の全体構成を
示す原理図、図2は冷却ノズルの第1実施例を示す正面
図、図3は冷却ノズルの第2実施例を示す正面図であ
る。 【0012】図1において、1は帯板で、該帯板1は、
連続焼鈍設備や連続処理ラインなどの前工程にて熱処理
され、一方向(ここでは、上下方向)へ高速走行してい
る。該帯板1の材質は、鋼、銅、銅系合金などである
が、本願装置は、特に、表面放射率の低い銅、銅系合金
の帯板冷却工程に好適である。該帯板1の両側面には、
帯板表面に冷却用ガスを噴射する冷却ノズル2が走行方
向に列設され、かつ該冷却ノズル2のうち少なくとも1
組の隣合うノズル間に、センタリングノズル3が配設さ
れている。 【0013】該冷却ノズル2に備えられたスリット開口
S1は、前記帯板1の幅方向に平行に構成されており、
該スリット開口S1から噴射されるエアカーテン状ガス
は、帯板1に垂直に噴射されて、その表面を冷却できる
ように構成されている。また、該スリット開口S1から
噴射されたガスは、帯板1を冷却するだけでなく、帯板
1を両面側から非接触保持し、その走行安定性をある程
度維持することもできるようになっている。 【0014】前記センタリングノズル3は、環状に構成
された噴出口を備えており、ガスの静圧を発生しつつ、
幅方向への反転流出を抑制し、帯板の幅方向全域にわた
りエアクッション作用を安定化できるようになってい
る。本実施例におけるセンタリングノズル3は、額縁形
のスリット開口Nを前記帯板1の幅方向に4個列設した
ものからなり、帯板1の走行方向に平行な長さ成分の噴
射ガスにより、帯板1の近傍T2で反転したガスが、帯
板の幅方向から流出するのを防止するように構成されて
いる。即ち、帯板1の両面側の空間領域T0において、
上下方向からは幅方向に平行なスリット噴射ガス(スリ
ット開口Nの上下の辺に対応)が、左右方向からは縦方
向に平行なスリット噴射ガス(スリット開口Nの左右の
辺に対応)が、環状に供給され、適度な静圧を発生でき
るようになっている。 【0015】ここで、センタリングノズル3のスリット
開口は、帯板1の幅方向に平行な長さ成分と、走行方向
に平行な長さ成分とを適宜の比率で備え、静圧域を発生
できるような形状に構成されていればよく、額縁形に限
定されるものでないことはもちろんである。例えば、環
状ノズルの一例として、図3の第2実施例に示すよう
に、複数の菱形スリット開口S2を、帯板1の幅方向に
列設したものであってもよい。この場合、上下2段で交
互に配列することにより、帯板1に対する冷却作用を均
一化できるように構成されている。また、環状ノズルの
別の例として、スポット状噴き出し口を有するノズルを
環状に配置して構成してもよい。 【0016】前記センタリングノズル3のガス噴出口
は、そのノズル形状に応じて形成される空間領域T0側
に向けて配設されていることが望ましい。即ち、前記ス
リット開口Nのような額縁形のガス噴出口であれば、ス
リット開口Nの各辺は、長方形の内側に向けてガス噴出
できるように構成されていることが望ましい。尚、ここ
では、前記冷却ノズル2とセンタリングノズル3から噴
射ガスは、1基のブロワBによって供給されるようにな
っているが、走行ラインの上側と下側で、別々のブロワ
により供給されるように構成してもよい。 【0017】尚、上記では、冷却したガスを帯板1に噴
射する帯板冷却装置の実施例を示したが、加熱したガス
を帯板1に噴射する帯板加熱装置や、室温程度のガスを
噴射する帯板搬送装置などに、本願装置のように構成さ
れたガス噴射手段を適用すれば、同様にして、伝熱効率
の向上と帯板の走行安定性向上を図ることができること
はもちろんである。 【0018】上記実施例において、前工程で加熱されて
下から上へ走行する帯板1の両表面には、冷却ノズル2
のスリット開口S1、S1から冷却用ガスが噴射され
る。ここで、スリット開口S1,S1は、帯板1の幅方
向に平行で、帯板1に対してほぼ垂直に構成されている
ため、その噴射ガスは帯板1を冷却しつつ、帯板1を両
側から非接触保持する。これにより、帯板1の走行に係
わる主たる変動はある程度抑制されるが、走行中心への
復元作用はなく、帯板1が一方のノズル側に平行移動し
たり傾動した状態を、準安定状態として許容してしまう
可能性がある。 【0019】これに対し、センタリングノズル3のスリ
ット開口Nは、帯板1の幅方向に平行な長さ成分だけで
なく、走行方向に平行な長さ成分も有しているため、そ
の噴射ガスは、幅方向への反転流出を抑制しつつ、空間
領域T0における静圧発生に積極的に寄与する。このた
め、空間領域T0に発生する静圧は、四方から噴出する
ガスによって維持され、そのエアクッション作用は、帯
板1の走行状態と冷却の安定化をもたらす。 【0020】 【発明の効果】上記のようにこの発明は、上下方向に走
行する帯板の両面側に、該帯板を挟んで対向し、帯板の
幅方向に平行なスリット開口を有する冷却ノズルを走行
方向に列設してなる帯板冷却装置において、前記冷却ノ
ズルのうち少なくとも1組の隣合うノズル間に、環状に
構成された噴出口を備えたセンタリングノズルを設けた
ことを特徴としているので、受圧板を用いることなく帯
板近傍に静圧を発生させて、そのエアクッション作用に
より帯板走行を安定化することができる。また、前記環
状に構成された噴出口を備えたセンタリングノズルは、
反転ガスの幅方向への流出を抑制して静圧発生を促し、
そのエアクッション作用を安定化して、帯板のツイスト
の発生を抑制し、従来の冷却ノズルで発生するフラッタ
リング現象などを抑制することができる。 【0021】この結果、走行する帯板に冷却用ノズルを
より近づけて構成でき、帯板とノズルの衝突によるトラ
ブル防止と冷却効率の向上を同時に実現できるという優
れた効果を奏するものである。
処理ラインにおいて帯板を冷却する帯板冷却装置の改良
に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、この種の帯板冷却装置は、上下
方向に走行する帯板(ストリップ)の両面側に、該帯板
を挟んで対向し、帯板の幅方向に平行なスリット開口を
有する冷却ノズルを備え、該帯板表面に略垂直な方向か
らガスを噴射するように構成されている。そして、この
スリット開口から帯板の幅方向に平行なエアカーテン状
ガスを噴射し、該エアカーテンを帯板の走行によって掃
引させて、帯板表面全体を冷却できるようになっている
(図5)。 【0003】この場合、エアカーテン状のスリット噴射
ガスは、帯板を両面側から動圧で非接触保持する作用も
有しており、帯板を冷却しつつ、その走行状態を安定化
させることができるようになっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の帯板冷却装置において、スリット噴射ガスの動圧によ
る帯板の非接触保持作用は副次的なものでしかなく、帯
板を安定走行させるには甚だ不十分であるという欠点を
有していた。即ち、帯板の走行姿勢が冷却ノズルの噴き
出し面に対して非平行となるツイスト(捩じれ)状態を
生じても、それが準安定状態として維持・増大されてし
まったり、(図6(a))、平行であっても、走行方向
と垂直な方向に低周波の波打ち振動(フラッタリング、
バタツキ現象)を生じてしまう恐れがあった(図6
(b))。 【0005】こうした異常走行状態は、時として帯板と
ノズルの接触事故を招来し、帯板の傷発生を引き起こす
こととなる。このため、従来装置では、冷却ノズルを帯
板に近接させて噴射ガスの伝熱冷却効率を高めることが
できなかった。これは、帯板生産ラインの高速化という
時代ニーズに対応する上で、極めて不都合な問題点であ
った。このため、従来装置では、例えば、隣合う冷却ノ
ズル間の適所に受圧板を設け、噴射された冷却ガスによ
り静圧を発生させ、該静圧によるクッション作用を利用
して、帯板に対する非接触保持機能を高めるといった試
みもなされてきた。 【0006】しかしながら、この種の受圧板は、帯板に
当たって流出方向を反転したガスが帯板に沿って幅方向
に流出し、幅方向に差圧を発生して、ツイスト走行状態
を誘発させる恐れがあった。また、動圧を主体とする従
来のノズルでは、噴射ガスの逃げ方によってバラバラの
吸引作用が生じるために発生する異常走行(バタツキ、
フラッタリング)を抑止できなかった。この発明は上記
の点に鑑み、帯板の両面側、及び幅方向でガス圧の差が
生ぜず、しかも逃げて行くガスによる吸引作用の差異な
どの影響を受ける恐れのない手段により、帯板の走行状
態を安定化させて、冷却能率をより向上できる帯板冷却
装置を提供することを目的としている。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めこの発明は、上下方向に走行する帯板の両面側に、該
帯板を挟んで対向し、帯板の幅方向に平行なスリット開
口を有する冷却ノズルを走行方向に列設してなる帯板冷
却装置において、前記冷却ノズルのうち少なくとも1組
の隣合うノズル間に、環状に構成された噴出口を備えた
センタリングノズルを設けたことを特徴とし、受圧板を
用いることなく帯板近傍に静圧を発生させて、そのエア
クッション作用により帯板走行を安定化できるようにし
たものである。 【0008】また、前記環状に構成された噴出口を備え
たセンタリングノズルは、ガスの静圧を発生しつつ、幅
方向への反転流出を抑制し、帯板幅方向全域にわたりエ
アクッション作用を安定化できるようにしたものであ
る。 【0009】 【作用】前工程で加熱されて上下方向に高速走行する帯
板の両表面には、帯板を挟んで対向し、帯板の幅方向に
平行なスリット開口を有する冷却ノズルから冷却ガスが
噴射され、帯板を冷却する。この冷却ガスは、帯板面に
対してほぼ垂直に噴射されるため、帯板を走行中心に維
持する作用をある程度有しているが、ガス噴射によって
帯板を静圧保持するものではない。 【0010】一方、センタリングノズルを構成する環状
開口からは幅方向に対して、複数個のエアカーテンガス
が噴射され、噴射されたガスにより静圧を発生し、その
クッション作用によって帯板を両面側から非接触保持す
る。この時、帯板幅方向に対して複数個の閉鎖状スリッ
トノズルが配列されているため、各スリット内は本来の
静圧効果を高めるとともに、幅方向に反転して逃げるガ
ス流が抑制され、ツイスト状態になるのを防ぐ作用が生
じる。また、バタツキ現象(フラッタリングなど)に対
しては、板幅全体のクッション効果が増大することによ
り、バラツキ現象を抑える作用も当然大きくなり、帯板
の走行保持が安定化する。これにより、帯板と冷却ノズ
ルの間隔を狭めて、冷却能をさらに向上することが可能
となる。 【0011】 【実施例】以下、この発明を添付の図面に基づく実施例
により説明する。図1は本願帯板冷却装置の全体構成を
示す原理図、図2は冷却ノズルの第1実施例を示す正面
図、図3は冷却ノズルの第2実施例を示す正面図であ
る。 【0012】図1において、1は帯板で、該帯板1は、
連続焼鈍設備や連続処理ラインなどの前工程にて熱処理
され、一方向(ここでは、上下方向)へ高速走行してい
る。該帯板1の材質は、鋼、銅、銅系合金などである
が、本願装置は、特に、表面放射率の低い銅、銅系合金
の帯板冷却工程に好適である。該帯板1の両側面には、
帯板表面に冷却用ガスを噴射する冷却ノズル2が走行方
向に列設され、かつ該冷却ノズル2のうち少なくとも1
組の隣合うノズル間に、センタリングノズル3が配設さ
れている。 【0013】該冷却ノズル2に備えられたスリット開口
S1は、前記帯板1の幅方向に平行に構成されており、
該スリット開口S1から噴射されるエアカーテン状ガス
は、帯板1に垂直に噴射されて、その表面を冷却できる
ように構成されている。また、該スリット開口S1から
噴射されたガスは、帯板1を冷却するだけでなく、帯板
1を両面側から非接触保持し、その走行安定性をある程
度維持することもできるようになっている。 【0014】前記センタリングノズル3は、環状に構成
された噴出口を備えており、ガスの静圧を発生しつつ、
幅方向への反転流出を抑制し、帯板の幅方向全域にわた
りエアクッション作用を安定化できるようになってい
る。本実施例におけるセンタリングノズル3は、額縁形
のスリット開口Nを前記帯板1の幅方向に4個列設した
ものからなり、帯板1の走行方向に平行な長さ成分の噴
射ガスにより、帯板1の近傍T2で反転したガスが、帯
板の幅方向から流出するのを防止するように構成されて
いる。即ち、帯板1の両面側の空間領域T0において、
上下方向からは幅方向に平行なスリット噴射ガス(スリ
ット開口Nの上下の辺に対応)が、左右方向からは縦方
向に平行なスリット噴射ガス(スリット開口Nの左右の
辺に対応)が、環状に供給され、適度な静圧を発生でき
るようになっている。 【0015】ここで、センタリングノズル3のスリット
開口は、帯板1の幅方向に平行な長さ成分と、走行方向
に平行な長さ成分とを適宜の比率で備え、静圧域を発生
できるような形状に構成されていればよく、額縁形に限
定されるものでないことはもちろんである。例えば、環
状ノズルの一例として、図3の第2実施例に示すよう
に、複数の菱形スリット開口S2を、帯板1の幅方向に
列設したものであってもよい。この場合、上下2段で交
互に配列することにより、帯板1に対する冷却作用を均
一化できるように構成されている。また、環状ノズルの
別の例として、スポット状噴き出し口を有するノズルを
環状に配置して構成してもよい。 【0016】前記センタリングノズル3のガス噴出口
は、そのノズル形状に応じて形成される空間領域T0側
に向けて配設されていることが望ましい。即ち、前記ス
リット開口Nのような額縁形のガス噴出口であれば、ス
リット開口Nの各辺は、長方形の内側に向けてガス噴出
できるように構成されていることが望ましい。尚、ここ
では、前記冷却ノズル2とセンタリングノズル3から噴
射ガスは、1基のブロワBによって供給されるようにな
っているが、走行ラインの上側と下側で、別々のブロワ
により供給されるように構成してもよい。 【0017】尚、上記では、冷却したガスを帯板1に噴
射する帯板冷却装置の実施例を示したが、加熱したガス
を帯板1に噴射する帯板加熱装置や、室温程度のガスを
噴射する帯板搬送装置などに、本願装置のように構成さ
れたガス噴射手段を適用すれば、同様にして、伝熱効率
の向上と帯板の走行安定性向上を図ることができること
はもちろんである。 【0018】上記実施例において、前工程で加熱されて
下から上へ走行する帯板1の両表面には、冷却ノズル2
のスリット開口S1、S1から冷却用ガスが噴射され
る。ここで、スリット開口S1,S1は、帯板1の幅方
向に平行で、帯板1に対してほぼ垂直に構成されている
ため、その噴射ガスは帯板1を冷却しつつ、帯板1を両
側から非接触保持する。これにより、帯板1の走行に係
わる主たる変動はある程度抑制されるが、走行中心への
復元作用はなく、帯板1が一方のノズル側に平行移動し
たり傾動した状態を、準安定状態として許容してしまう
可能性がある。 【0019】これに対し、センタリングノズル3のスリ
ット開口Nは、帯板1の幅方向に平行な長さ成分だけで
なく、走行方向に平行な長さ成分も有しているため、そ
の噴射ガスは、幅方向への反転流出を抑制しつつ、空間
領域T0における静圧発生に積極的に寄与する。このた
め、空間領域T0に発生する静圧は、四方から噴出する
ガスによって維持され、そのエアクッション作用は、帯
板1の走行状態と冷却の安定化をもたらす。 【0020】 【発明の効果】上記のようにこの発明は、上下方向に走
行する帯板の両面側に、該帯板を挟んで対向し、帯板の
幅方向に平行なスリット開口を有する冷却ノズルを走行
方向に列設してなる帯板冷却装置において、前記冷却ノ
ズルのうち少なくとも1組の隣合うノズル間に、環状に
構成された噴出口を備えたセンタリングノズルを設けた
ことを特徴としているので、受圧板を用いることなく帯
板近傍に静圧を発生させて、そのエアクッション作用に
より帯板走行を安定化することができる。また、前記環
状に構成された噴出口を備えたセンタリングノズルは、
反転ガスの幅方向への流出を抑制して静圧発生を促し、
そのエアクッション作用を安定化して、帯板のツイスト
の発生を抑制し、従来の冷却ノズルで発生するフラッタ
リング現象などを抑制することができる。 【0021】この結果、走行する帯板に冷却用ノズルを
より近づけて構成でき、帯板とノズルの衝突によるトラ
ブル防止と冷却効率の向上を同時に実現できるという優
れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願帯板冷却装置の全体構成を示す原理図であ
る。 【図2】冷却ノズルとセンタリングノズルの第1実施例
を示す正面図である。 【図3】冷却ノズルとセンタリングノズルの第2実施例
を示す正面図である。 【図4】(a)受圧板を用いた従来ノズルの構成を示す
側面図である。 (b)受圧板を用いた従来ノズルの構成を示す正面図で
ある。 【図5】ガス噴射によるエアクッション作用を示す原理
説明図である。 【図6】(a)ツイスト走行の説明図である。 (b)フラッタリングの説明図である。 【符号の説明】 1 帯板 2 冷却ノズル 3 センタリングノズル S1 幅方向スリット開口 N 額縁型スリット開口 S2 菱形スリット開口
る。 【図2】冷却ノズルとセンタリングノズルの第1実施例
を示す正面図である。 【図3】冷却ノズルとセンタリングノズルの第2実施例
を示す正面図である。 【図4】(a)受圧板を用いた従来ノズルの構成を示す
側面図である。 (b)受圧板を用いた従来ノズルの構成を示す正面図で
ある。 【図5】ガス噴射によるエアクッション作用を示す原理
説明図である。 【図6】(a)ツイスト走行の説明図である。 (b)フラッタリングの説明図である。 【符号の説明】 1 帯板 2 冷却ノズル 3 センタリングノズル S1 幅方向スリット開口 N 額縁型スリット開口 S2 菱形スリット開口
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭62−214135(JP,A)
特開 昭57−171627(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C21D 9/573 101
C21D 9/63
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 上下方向に走行する帯板の両面側に、該
帯板を挟んで対向し、帯板の幅方向に平行なスリット開
口を有する冷却ノズルを走行方向に列設してなる帯板冷
却装置において、前記冷却ノズルのうち少なくとも1組
の隣合うノズル間に、環状に構成された噴出口を備えた
センタリングノズルを設けたことを特徴とする帯板冷却
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18686693A JP3365652B2 (ja) | 1993-06-29 | 1993-06-29 | 帯板冷却装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18686693A JP3365652B2 (ja) | 1993-06-29 | 1993-06-29 | 帯板冷却装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0711344A JPH0711344A (ja) | 1995-01-13 |
JP3365652B2 true JP3365652B2 (ja) | 2003-01-14 |
Family
ID=16196044
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18686693A Expired - Lifetime JP3365652B2 (ja) | 1993-06-29 | 1993-06-29 | 帯板冷却装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3365652B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2796139B1 (fr) * | 1999-07-06 | 2001-11-09 | Stein Heurtey | Procede et dispositif de suppression de la vibration des bandes dans des zones de soufflage de gaz, notamment des zones de refroidissement |
CN104878188B (zh) * | 2015-05-20 | 2017-02-22 | 东北大学 | 一种可实现铝带气垫式热处理的实验装置及实验方法 |
WO2022110167A1 (zh) * | 2020-11-30 | 2022-06-02 | 苏州中门子工业炉科技有限公司 | 气垫和辊子复合式铝带卷材的连续固溶热处理设备及工艺 |
-
1993
- 1993-06-29 JP JP18686693A patent/JP3365652B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH0711344A (ja) | 1995-01-13 |
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