JP2005344128A - 連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置 - Google Patents

連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来の場合よりも鋼板から風箱前面までの距離が短くて冷却室が小さくても、鋼板の急速冷却および均一冷却をし得る(即ち、鋼板の急速冷却性能および均一冷却性能を確保した上で、従来の場合よりも鋼板から風箱前面までの距離を短くし得て冷却室を小さくし得る)連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置を提供する。
【解決手段】 冷却室内に鋼板を挟んで鋼板の両側に配置され、ノズルより冷却ガスを吹付けて鋼板を冷却する風箱と、前記冷却室から導入されるガスを冷却し、これを前記風箱へ供給する手段とを有する連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置であって、前記風箱のノズルの先端部と鋼板との距離(h)が前記ノズルの径(d)に対して10倍以下であると共に、前記風箱の鋼板パスライン方向での長さ(L)が鋼板の幅(W)に対して2/3以下であることを特徴とするもの等。
【選択図】 図4

Description

本発明は、連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置に関する技術分野に属するものである。
特開昭62-116724 号公報(特許文献1)には、連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置が記載されている。この公報に記載された連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置は、鋼板へのガス流速の減衰を防止するため、鋼板からノズル先端までの距離aを70mm以下とすると共に風箱前面からのノズルの突出長さbをb=(100 −a)mm以上とし、これにより、鋼板への吹付け後のガスが炉内自由空間(鋼板とノズル群の先端面との間を除いた炉内空間)に逃げるようにし、このため、この鋼板への吹付け後のガスが他のノズルからの吹付けガス流れの邪魔になることを低減するようにしている。なお、上記風箱は上記公報では冷却ガス室と記載されている。
特開昭62-116724 号公報
前記特開昭62-116724 号公報に記載された連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置においては、前述のように鋼板からノズル先端までの距離aを70mm以下とすると共に風箱前面からのノズルの突出長さbをb=(100 −a)mm以上とするので、鋼板から風箱前面までの距離が100mm 以上になり、鋼板を挟んで相対する風箱間の距離は200mm 以上となり、このため、冷却室を大きくする必要がある。なお、上記冷却室は上記公報では炉室と記載されている。
冷却室を大きくすると、冷却室の単位冷却長当たりの断熱材重量が増加し、熱容量が大きくなるため、冷却室温度の応答性(熱慣性)が低下する。このため、目標の機械的特性が異なる鋼板を連続処理し、冷却条件が前後で異なる場合に、目標とする冷却終了鋼板温度に対する温度制御性が低下し、ひいては製品の機械的特性の確保が困難となる。また、冷却室建設コストの増加を招くという問題も生じる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、前記従来の技術の有する問題点を改善し、鋼板から風箱前面までの距離が短くて冷却室が小さくても、鋼板の急速冷却および均一冷却をし得る連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置、即ち、鋼板の急速冷却性能および均一冷却性能を確保した上で、鋼板から風箱前面までの距離を短くし得て冷却室を小さくし得る連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置を提供しようとするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意研究を行なった結果、本発明を完成するに至った。本発明によれば上記目的を達成することができる。
このようにして完成され上記目的を達成することができた本発明は、連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置に係わり、これは請求項1〜7記載の連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置(第1〜7発明に係る鋼板のガスジェット冷却装置)であり、それは次のような構成としたものである。
即ち、請求項1記載の連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置は、冷却室内に鋼板を挟んで鋼板の両側に配置され、ノズルより冷却ガスを鋼板に向けて吹付けて鋼板を冷却する風箱と、前記冷却室から導入されるガスを冷却し、これを冷却ガスとして前記風箱へ供給する手段とを有する連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置であって、前記風箱のノズルの先端部と鋼板との距離(h)が前記ノズルの径(d)に対して10倍以下であると共に、前記風箱の鋼板パスライン方向での長さ(L)が鋼板の幅(W)に対して2/3以下であることを特徴とする連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置である〔第1発明〕。
請求項2記載の連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置は、前記風箱のノズルが円形または多角形の孔の群により形成され、これらの孔の群が碁盤目または千鳥に配置されている請求項1記載の連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置である〔第2発明〕。
請求項3記載の連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置は、前記風箱のノズルの鋼板パスライン方向でのノズル段数が4以上、幅方向でのノズル列数が4以上である請求項1または2記載の連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置である〔第3発明〕。
請求項4記載の連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置は、前記風箱の鋼板パスライン方向での数が2以上であり、隣の風箱との隙間(z)が前記風箱のノズルの先端部と鋼板との距離(h)との比(z/h)で1.0 〜4.0 である請求項1〜3のいずれかに記載の連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置である〔第4発明〕。
請求項5記載の連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置は、前記風箱の鋼板に対向する面が平面形状をなし、前記風箱のノズルの先端部と鋼板との距離(h)が鋼板の幅方向で等しく、鋼板パスライン方向で相違し、鋼板パスライン方向で上流側から下流側になるに従って増大する請求項1〜4のいずれかに記載の連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置である〔第5発明〕。
請求項6記載の連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置は、前記風箱の鋼板に対向する面が鋼板パスライン方向で凸形状をなし、この面が鋼板パスライン方向で曲面または複数平面からなる段差面もしくは2つ以上の傾斜面よりなる請求項1〜4のいずれかに記載の連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置である〔第6発明〕。
請求項7記載の連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置は、前記風箱の断面であって鋼板パスライン方向と平行で且つ鋼板と直交する断面の形状が矩形であり、前記風箱における冷却ガスの供給口が鋼板パスライン方向での上流側または下流側の風箱端部の側面および/または背面に設けられ、前記矩形部の断面積(A)が前記風箱のノズルの開口部面積の総和(S)との比(A/S)で1.0 〜3.0 である請求項1〜6のいずれかに記載の連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置である〔第7発明〕。
本発明に係る連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置によれば、鋼板から風箱前面までの距離が短くて冷却室が小さくても、鋼板の急速冷却および均一冷却をし得る。即ち、鋼板の急速冷却性能および均一冷却性能を確保した上で、鋼板から風箱前面までの距離を短くし得て冷却室を小さくし得る。
連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置(以下、ガスジェット冷却装置ともいう)により、鋼板をガス冷却するに際し、鋼板を急速冷却すると共に均一冷却することは極めて重要である。ガスジェット冷却装置(連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置)としては、一般には、冷却室内に鋼板を挟んで鋼板の両側に配置され、ノズルより冷却ガスを鋼板に向けて吹付けて鋼板を冷却する風箱と、前記冷却室から導入されるガスを冷却し、これを冷却ガスとして前記風箱へ供給する手段とを有するものが用いられる。かかるガスジェット冷却装置により、鋼板のガス冷却をするに際し、鋼板を急速冷却するには、前記風箱のノズルの先端部と鋼板との距離を短くしておくとよい。しかし、この距離を短くするために、単に風箱前面を鋼板に近づけた場合には、鋼板の幅方向での均一な冷却をすることが難しくなる。
本発明に係るガスジェット冷却装置は、前述のように、冷却室内に鋼板を挟んで鋼板の両側に配置され、ノズルより冷却ガスを鋼板に向けて吹付けて鋼板を冷却する風箱と、前記冷却室から導入されるガスを冷却し、これを冷却ガスとして前記風箱へ供給する手段とを有する連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置であって、前記風箱のノズルの先端部と鋼板との距離(h)が前記ノズルの径(d)に対して10倍以下であると共に、前記風箱の鋼板パスライン方向での長さ(L)が鋼板の幅(W)に対して2/3以下であることを特徴とする連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置である。
このように風箱のノズルの先端部と鋼板との距離(h)がノズルの径(d)に対して10倍以下であり、これにより鋼板の急速冷却を達成することができる。
また、風箱の鋼板パスライン方向での長さ(L)が鋼板の幅(W)に対して2/3以下であり、これにより、ノズルより噴出後の冷却ガスの流れの内、パスライン方向への流れ成分を増やし、鋼板幅方向への流れ成分を低減することが可能となる。従って、鋼板の急速冷却の達成という点から前記のように風箱のノズルの先端部と鋼板との距離hを短くする(h≦10dとする)ために、風箱前面を鋼板に近づけた場合でも、鋼板の幅方向での均一な冷却をすることができる。
即ち、鋼板の急速冷却の達成という点から風箱のノズルの先端部と鋼板との距離を短くするために、単に風箱前面を鋼板に近づけた場合には、鋼板の幅方向での均一な冷却をすることが難しくなるが、風箱の鋼板パスライン方向での長さ(L)を鋼板の幅(W)に対して2/3以下の長さとした場合、風箱前面を鋼板に近づけても、鋼板の幅方向での均一な冷却をすることができる。前記従来技術(特開昭62-116724 号公報記載のガスジェット冷却装置)の場合は、前述のようにノズルを突出させ、炉内自由空間(鋼板とノズル群の先端面との間を除いた炉内空間)を形成しているが、本発明に係るガスジェット冷却装置の場合は、このようなノズルの突出もノズルの突出による炉内自由空間の形成も必要でなく、ノズルの突出長さが短くても、また、ノズルが突出していなくても、鋼板の幅方向で均一な冷却をすることができる。
故に、本発明に係るガスジェット冷却装置の場合は、ノズルの突出長さを小さくすることができ、また、ノズルが突出していなくてもよく、鋼板から風箱前面までの距離を短くすることができ、ひいては冷却室を小さくすることができる。
従って、本発明に係るガスジェット冷却装置によれば、鋼板から風箱前面までの距離が短くて冷却室が小さくても、鋼板の急速冷却および均一冷却をすることができる。即ち、鋼板の急速冷却性能および均一冷却性能を確保した上で、鋼板から風箱前面までの距離を短くすることができ、ひいては冷却室を小さくすることができる。
このように冷却室を小さくすることができると、冷却室の単位冷却長当たりの断熱材重量が低減し、熱容量が小さくなるため、冷却室温度の応答性(熱慣性)が向上する。このため、目標の機械的特性が異なる鋼板を連続処理し、冷却条件が前後で異なる場合においても、目標とする冷却終了鋼板温度に対する温度制御性が向上し、ひいては製品の機械的特性の確保が容易となる。また、冷却室建設コストの低減がはかれる。
本発明に係るガスジェット冷却装置において、風箱のノズルの先端部と鋼板との距離(h)をノズルの径(10d)に対して10倍以下としているのは、10d超にすると鋼板の冷却速度が低下して、鋼板の急速冷却が不充分となるからである。
風箱の鋼板パスライン方向での長さ(L)を鋼板の幅(W)に対して2/3以下としているのは、2/3W(即ち、W×2/3)超にすると、鋼板の急速冷却性能を確保した上で、鋼板の均一冷却性能を確保することが難しくなるからである。即ち、鋼板の急速冷却のために前記のように風箱のノズルの先端部と鋼板との距離hをh≦10dとするが、この場合に鋼板の幅方向での均一な冷却をすることが難しくなるからである。
本発明に係るガスジェット冷却装置において、風箱のノズルの形状および配置は特には限定されず、種々のものとすることができ、例えば、風箱のノズルが円形または多角形の孔の群により形成され、これらの孔の群が碁盤目または千鳥に配置されているものとすることができる〔第2発明〕。
風箱のノズル数は特には限定されず、種々のノズル数とすることができ、例えば、鋼板パスライン方向でのノズル段数が4以上、幅方向でのノズル列数が4以上であるものとすることができる〔第3発明〕。この例示した風箱の場合、多孔噴流による強制対流伝熱の形態を確実に形成することができる。
風箱の鋼板パスライン方向での数が2以上であり、隣の風箱との隙間(z)が風箱のノズルの先端部と鋼板との距離(h)との比(z/h)で1.0 〜4.0 である場合、より確実に鋼板の急速冷却および幅方向の均一冷却をすることができる〔第4発明〕。z/hが1.0 未満の場合、鋼板の幅方向の均一冷却の確実性が低下し、z/hが4.0 超の場合、鋼板の急速冷却の確実性が低下するが、z/hが1.0 〜4.0 の場合、鋼板の急速冷却および幅方向均一冷却をより確実に行うことができる。
風箱の鋼板に対向する面が平面形状をなし、風箱のノズル先端部と鋼板との距離(h)が鋼板の幅方向で等しく、鋼板パスライン方向で相違し、鋼板パスライン方向で上流側から下流側になるに従って増大するようにした場合、ノズルより噴出し鋼板に衝突後のガスがパスライン方向に流れやすくなり、このため、風箱前面を鋼板に近づけた場合でも、鋼板の幅方向での均一な冷却をより確実にすることができるようになり、または、鋼板の急速冷却性能および均一冷却性能を確保した上で、風箱前面を鋼板により近づけることができるようになり、ひいては冷却室をより小さくすることができるようになり、あるいは、これらの両方ができるようになる〔第5発明〕。このような風箱の例を図12に示す。なお、図12において、相対する風箱の各々の前面の間の中央の直線は、走行する鋼板を示し、この鋼板と風箱の前面との間の矢印線は、風箱のノズルより鋼板に向けて吹付けた冷却ガス(ジェットガス)の流れとその方向を模式的に示すものである。
風箱の鋼板に対向する面が鋼板パスライン方向で凸形状をなし、この面が鋼板パスライン方向で曲面または複数平面からなる段差面もしくは2つ以上の傾斜面よりなるようにした場合、上記の場合と同様に、ノズルより噴出し鋼板に衝突後のガスがパスライン方向に流れやすくなり、このため、上記の場合と同様の作用効果を奏することができる〔第6発明〕。このような風箱の例を図13の(A)、(B)及び(C)に示す。なお、図13において、相対する風箱の各々の前面の間の中央の直線は、走行する鋼板を示し、この鋼板と風箱の前面との間の矢印線は、鋼板に衝突後のガスの鋼板パスライン方向への流れとその方向を模式的に示すものである。
風箱の断面であって鋼板パスライン方向と平行で且つ鋼板と直交する断面の形状が矩形であり、風箱における冷却ガスの供給口が鋼板パスライン方向での上流側または下流側の風箱端部の側面および/または背面に設けられ、前記矩形部の断面積(A)が風箱のノズルの開口部面積の総和(S)との比(A/S)で1.0 〜3.0 であるようにした場合、風箱内ガス昇圧がしやすく、この昇圧に要するコストを小さくし得ると共に、冷却室厚みが小さくて冷却室温度の応答性に優れ、目標の機械的特性が異なる鋼板を連続処理し、冷却条件が前後で異なる場合の冷却終了鋼板温度が安定するまでの運転時間が短く、この運転に要するコストを小さくし得、ひいては、鋼板のガスジェット冷却に係るランニングコストを小さくし得る。〔第7発明〕。
即ち、風箱の矩形部の断面積(A)が風箱のノズルの開口部面積の総和(S)に対して小さい場合、風箱における冷却ガスの供給口から各ノズル部までのガス流速が速く、圧力損失が大きくなり、供給ガス圧力は増加し、このため、風箱内でのガス昇圧に要するランニングコストは増加する。一方、風箱の矩形部の断面積(A)が風箱のノズルの開口部面積の総和(S)に対して大きい場合、冷却ガスの供給口から各ノズル部までのガス流速が遅くなり、圧力損失が小さくなり、供給ガス圧力は抑えられ、このため、風箱内でのガス昇圧に要するランニングコストを小さくすることができる。しかし、風箱の矩形部の断面積(A)の増加は風箱の厚みの増加に直結し、ひいては冷却室厚みが増加する。このため、冷却室温度の応答性が低下し、目標の機械的特性が異なる鋼板を連続処理し、冷却条件が前後で異なる場合の冷却終了鋼板温度が安定するまでの運転時間が長くなる。
風箱矩形部の断面積Aと風箱のノズルの開口部面積の総和Sとの比(A/S)が1.0 〜3.0 である場合、風箱内でのガス昇圧に要するランニングコストを小さくし得ると共に、冷却室厚みが小さくて冷却室温度の応答性に優れ、目標の機械的特性が異なる鋼板を連続処理し、冷却条件が前後で異なる場合の冷却終了鋼板温度が安定するまでの運転時間が短く、この運転に要するコストを小さくし得る。従って、鋼板のガスジェット冷却に係るランニングコストを小さくし得る。
このことを図を用いて以下説明する。図15に、流路比すなわち風箱矩形部の断面積Aと風箱のノズルの開口部面積の総和Sとの比(A/S)と所要ランニングコスト指数との関係を示す。なお、この図15において、ガス昇圧に要するコスト(実線)は、昇圧ランニングコスト指数(ノズル部必要昇圧量を1とする)を示し、冷却室運転に要するコスト(点線)は、冷却室温度非定常時間ランニングコスト指数(風箱矩形部断面積A=0のときの冷却室安定に要するコストを1とする)を示すものである。冷却装置所要ランニングコスト(一点鎖線)は、これら(昇圧ランニングコスト指数と冷却室温度非定常時間ランニングコスト指数)の和(合計)を示すものである。
図15からわかるように、冷却装置所要ランニングコストすなわち鋼板のガスジェット冷却に係るランニングコストを小さくし得る風箱の形状が存在し、風箱矩形部の断面積Aと風箱のノズルの開口部面積の総和Sとの比(A/S)が1.0 〜3.0 となるようにすることが望ましく、そのようにすると、鋼板のガスジェット冷却に係るランニングコストを小さくし得る。
このような風箱(第7発明に係る風箱)の例を図14に示す。なお、図14において、相対する風箱の各々の前面の間の中央の直線は、走行する鋼板を示し、この鋼板と風箱の前面との間の矢印線は、風箱のノズルより鋼板に向けて吹付けた冷却ガス(ジェットガス)の流れとその方向を模式的に示すものである。風箱端部(上部)の矢印線は、風箱端部の側面および背面に冷却ガスが導入される様子を模式的に示すものである。
連続焼鈍炉のレイアウトの例を図1に示す。この連続焼鈍炉は、予熱帯、加熱帯、均熱帯、急冷帯、再加熱帯、過時効帯、最終冷却帯で構成されている。本発明に係るガスジェット冷却装置は、図1に例示の連続焼鈍炉の場合には急冷帯に設けられる。
焼鈍炉内には、鋼板表面の酸化進行を防止するため、例えばH2濃度5〜10%のH2-N2 混合ガスを供給している。この場合、冷却室内はH2濃度5〜10%のH2-N2 混合ガスの雰囲気となっている。
本発明に係るガスジェット冷却装置の例を図2に示す。炉殻により冷却室(炉室)が形成されている。この冷却室内に、鋼板に冷却ガスを吹付けるノズルを有する風箱(ウインドボックス)が鋼板を挟んで鋼板の両側に配置されている。吹付け後のガスを冷却室内からダクト(吸引ダクト)を介して冷却するためのガスクーラ(ガス冷却装置)と、昇圧するためのファン(循環ファン)が設けられ、これにより冷却ガスを再度風箱に供給するような系統をなしている。これは、本発明に係るガスジェット冷却装置における「冷却室から導入されるガスを冷却し、これを冷却ガスとして風箱へ供給する手段」の一例に相当する。なお、上記冷却ガスの組成は焼鈍炉内に供給されるガスと同様である。即ち、焼鈍炉内に供給されるガスがH2濃度5〜10%のH2-N2 混合ガスの場合は、上記冷却ガスはH2濃度5〜10%のH2-N2 混合ガスである。
本発明に係るガスジェット冷却装置における風箱の形状や鋼板パスライン方向での配置等の例を図4の(A)、(B)、(C)、(D)に示す。この風箱のノズルは、突出しておらず、風箱の前面部に設けられた円形の孔の群により形成され、これらの孔の群が千鳥に配置されている。風箱の鋼板パスライン方向での数は3である。なお、図4の(A)は要部の斜視図、図4の(B)は側面図、図4の(C)は正面図、図4の(D)は上面図である。図4の(B)において、相対する風箱の各々の前面の間の中央の直線は、走行する鋼板を示し、この鋼板と風箱の前面との間の線は、風箱のノズルより鋼板に向けて吹付けた冷却ガス(ジェットガス)の流れを模式的に示すものである。
多孔噴流による強制対流伝熱による冷却形態を形成するには、噴流ガス衝突後に鋼板に沿ったガス流れも冷却に寄与することから、鋼板パスライン方向に複数のノズル段数を配置する必要がある。具体的には、鋼板に噴流ガス衝突後、鋼板に沿ったガス流れは直ちにボックス前面から逃れるため、上端の1段および下端の1段は除外し、その内側(上端の1段と下端の1段との間)に2個(2段)以上存在させることにより、多孔噴流強制対流伝熱による冷却形態が形成できる。よって最低4段以上は必要である。
前記従来技術(特開昭62-116724 号公報記載のガスジェット冷却装置)での風箱の形状等の例を図3の(A)、(B)、(C)、(D)に示す。図3の(A)は要部の斜視図、図3の(B)は側面図、図3の(C)は正面図、図3の(D)は上面図である。図3の(B)において、相対する風箱の各々の前面の間の中央の直線は走行する鋼板を示し、風箱の前面から突出している筒状体はノズルを示し、このノズルの先端部と鋼板との間の線はノズルより鋼板に向けて吹付けた冷却ガス(ジェットガス)の流れを模式的に示すものである。前記従来技術の場合には、この図3に示すように、ノズルを吐出させ、炉内自由空間(鋼板とノズル群の先端面との間を除いた炉内空間)を形成している。前記従来技術の場合には、このような炉内自由空間を形成するために、それに充分なだけノズルを吐出させるので、鋼板から風箱前面までの距離が長く、このため冷却室が大きくならざるを得ない。
これに対し、本発明に係るガスジェット冷却装置の場合は、鋼板から風箱前面までの距離を短くすることができ、このため冷却室を小さくすることができ、このことは図4からも明らかである。
本発明の実施例および比較例を以下説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
〔例a〕
連続焼鈍炉として図1に示すものを用いた。ガスジェット冷却装置は、この連続焼鈍炉の急冷帯に設けられる。ガスジェット冷却装置としては、図2に示すものと同様のものを用いた。このガスジェット冷却装置の風箱としては、図4に示すものと同様のもの(ただし、ノズル孔群の配置は異なる)を用いた。この風箱のノズルは、突出しておらず、風箱の前面部に設けられた円形の孔の群により形成され、これらの孔の群が千鳥に配置されている。ノズル間隔(ノズルと隣のノズルとの間の距離)は50mmである。
上記のように風箱のノズルは突出していないので、風箱のノズルの先端部と鋼板との距離(h)は、風箱前面と鋼板との距離に等しく、hである。この距離hは50mmとした。風箱のノズルの径(d)は10mmである。故に、この距離hは、ノズルの径dの5倍であり、ノズルの径dに対して10倍以下であるという本発明に係るガスジェット冷却装置での要件を満たしている。従って、鋼板を急速冷却することができる条件となっている。
風箱の幅は鋼板の幅(W)と等しく、Wとした。鋼板の幅は1800mmである。故に、鋼板の幅(W)も風箱の幅もWで、W=1800mmである。風箱の長さ、即ち、風箱の鋼板パスライン方向での長さ(L)は、表1に示すように、1/6W(即ち、W×1/6)、1/3W、1/2W、2/3W、1/1W等と変化させた。この中には、風箱の鋼板パスライン方向での長さLが鋼板の幅Wに対して2/3以下であるという本発明に係るガスジェット冷却装置での要件を満たすものと、満たさないものとがある。なお、表1において、ボックス長(L)は風箱の長さのことであり、これは風箱の鋼板パスライン方向での長さLと等しい。縦横比(L/W)は風箱の長さLと風箱の幅Wとの比のことであり、これは風箱の鋼板パスライン方向での長さLと鋼板の幅Wとの比と等しい。
このような風箱を複数個設置した。即ち、風箱の鋼板パスライン方向での数を変化させた。このとき、隣の風箱との隙間(z)が風箱前面と鋼板との距離すなわち風箱のノズルの先端部と鋼板との距離(h)との比(z/h)で2.0 となるようにした。吹付け後のガスがこの隙間を介して風箱背面に排出される流れ形態となっている。
このような風箱を設けたガスジェット冷却装置を運転し、鋼板の幅方向での均一冷却性等を調べた。このとき、風箱のノズルからの冷却ガスの噴流流速(ノズル先端部での冷却ガスの流速)は80m/sとなるようにした。焼鈍炉内には鋼板表面の酸化進行を防止するためにH2濃度5〜10%のH2-N2 混合ガスを供給した。冷却室内はH2濃度5〜10%のH2-N2 混合ガスの雰囲気となっている。従って、冷却ガスとしてはH2濃度5〜10%のH2-N2 混合ガスを用いたことになる。
この結果を以下に説明する。図5に風箱周囲から噴出するガス流線図〔風箱のノズルより噴出し鋼板へ吹付けられた冷却ガスの流れ(吹付け後の冷却ガスの流れ)〕を示す。図5の(A)は風箱長さLが1/4W(即ち、鋼板の幅Wに対して1/4)の場合、図5の(B)は風箱長さLが1/2Wの場合、図5の(C)は風箱長さLが1/1Wの場合のガス流線図である。図5からわかるように、風箱長さLを長くすると、噴出後のガスは風箱の周囲(風箱全面に相対する鋼板部の周囲)に向って流れ、合流することで流量が増加し、端面(風箱全面に相対する鋼板部の端部)での噴出速度は増加する。更に、風箱端面の四隅では噴出流速が減衰する。
図6に板幅方向における風箱端面での噴出速度分布を示す。図6からわかるように、風箱長さL(パネル長)が長くなるに伴い、板幅方向における風箱端面でのガス噴出速度は大きくなり、中央部と端部の流速差が大きくなる。
板幅方向での噴出流速比(板幅方向における風箱端面での噴出速度と板幅方向におけるガス噴出速度分布の内の最大速度との比)の板幅方向での分布を図7に示す。図7からわかるように、風箱長さL(パネル長)が長くなるに伴って、板幅方向での噴出流速比が小さくなり、板幅方向における噴出流速比の差が大きくなり、流速偏差が増大する。
風箱での板幅方向における冷却能力比(熱伝達係数比)を図8に示す。図8からわかるように、鋼板幅方向の温度分布を均一にするためには、幅方向熱伝達率の偏差を10%以内に抑える必要がある。風箱長さL(パネル長)を長くすると、幅方向熱伝達率の偏差が10%以内となる有効幅が低減する。
風箱縦横比と、板幅方向での中央部と端部の熱伝達率の偏差が10%以内である有効幅比との関係を図9に示す。連続焼鈍炉の風箱の幅は、鋼板の蛇行等を考慮し、最大通板幅よりも10〜20%程度大きくする〔最大通板幅×(1+(0.1〜0.2))程度の幅にする〕。よって、風箱幅の80%以上が熱伝達率偏差10%以内となるようにするには、風箱縦横比は2/3W以内にすればよいことがわかった。
風箱をパスライン方向に複数個配置する場合、冷却能力を高めるためには、連続して風箱を配置し、間隔zを小さくするとよい。しかし、風箱間隔zを小さくすると、風箱間からパスライン方向へ冷却後ガスが排出されず、冷却後ガスは風箱幅方向に排出される。そのため、冷却後ガス流れが板幅方向に沿って流れ、幅方向冷却能力偏差が助長する。そこで、風箱間隔zの影響を調べた。この結果を図10に示す。即ち、パスライン方向での噴出ガス流速分布に及ぼすボックス間隔(風箱間隔z)の影響を図10に示す。なお、この図10の場合、風箱長さLは1200mm(2/3W)である。
この図10からわかるように、風箱間隔zが100mm の場合は、単一ボックスや風箱間隔zが200mm の場合と噴出速度分布が異なり、局部的に流速が低下し、全体平均流速も低下する。そのため、中央部から端部方向に冷却能力が低下せず、局部的な冷却スポットを発生する可能性がある。
そこで、風箱間隔zを風箱のノズル先端部と鋼板との距離hで除した値(z/h)と、風箱端面の平均噴出速度の横縦比(鋼板幅方向での風箱端面の平均噴出速度とパスライン方向での風箱端面の平均噴出速度との比)との関係を調査した。この結果を図11に示す。図11からわかるように、z/hが1.0 以下の場合には、板幅方向での噴出速度が急激に低下し、パスライン方向面への噴出速度が増加し、鋼板幅方向冷却能力偏差が大きくなる。一方、z/hが2.0 以上の場合には、パスライン方向面に対し板幅方向面の噴出速度が上回り、z/hが4.0 以上の間隔では、ほぼ噴出速度の横縦比は一定となる。このため、z/hで4.0 以上となる風箱間隔zでは、冷却能力(急冷特性)が低下するのみとなる。よって、均一冷却と急速冷却を両立するには、z/hで1.0 〜4.0 となる風箱間隔zを確保することが重要である。
〔例b〕
連続焼鈍炉として図1に示すものを用いた。ガスジェット冷却装置は、この連続焼鈍炉の急冷帯に設けられる。ガスジェット冷却装置としては、図2に示すものと同様のものを用いた。このガスジェット冷却装置の風箱としては、図4に示すものと同様のもの(ただし、ノズル孔群の配置は異なる)を用いた。この風箱のノズルは、突出しておらず、風箱の前面部に設けられた円形の孔の群により形成され、これらの孔の群が碁盤目に配置されている。ノズル間隔(ノズルと隣のノズルとの間の距離)は50mmである。
上記のように風箱のノズルは突出していないので、風箱のノズルの先端部と鋼板との距離(h)は、風箱前面と鋼板との距離に等しく、hである。この距離hは50mmとした。風箱のノズルの径(d)は10mmである。故に、この距離hは、ノズルの径dの5倍であり、ノズルの径dに対して10倍以下であるという本発明に係るガスジェット冷却装置での要件を満たしている。従って、鋼板を急速冷却することができる条件となっている。
風箱の幅は鋼板の幅(W)と等しく、Wとした。鋼板の幅は1800mmである。故に、鋼板の幅(W)も風箱の幅もWで、W=1800mmである。風箱の長さ、即ち、風箱の鋼板パスライン方向での長さ(L)は900mm であってL=1/2Wである。この長さLは風箱の鋼板パスライン方向での長さLが鋼板の幅Wに対して2/3以下であるという本発明に係るガスジェット冷却装置での要件を満たしている。
このような風箱を複数個設置した。鋼板パスライン方向での数は3である。鋼板の両側に配置された風箱の合計は6ということになる。このとき、風箱間隔(風箱隙間)z:100mm 、z/hで 100mm/50mm=2.0 になるように風箱を配置した。
このような風箱を連続焼鈍炉の急冷帯のガスジェット冷却装置の風箱として設けた。そして、連続焼鈍を開始すると共に、このガスジェット冷却装置を運転した。このガスジェット冷却装置により、鋼板の急速冷却および均一冷却をすることができた。
前記のように風箱のノズルの先端部と鋼板との距離hは風箱前面と鋼板との距離に等しく、50mmである。この風箱前面と鋼板との距離(50mm)は前記従来技術(特開昭62-116724 号公報記載のガスジェット冷却装置)に比べて短く、1/2の距離もしくはそれ以上に短い距離である。
従って、上記ガスジェット冷却装置は、前記従来技術の場合に比較して鋼板から風箱前面までの距離が短くて冷却室が小さくても、鋼板の急速冷却および均一冷却をし得る。即ち、鋼板の急速冷却性能および均一冷却性能を確保した上で、前記従来技術の場合よりも鋼板から風箱前面までの距離を短くし得て冷却室を小さくし得る。
Figure 2005344128
本発明に係る連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置は、鋼板から風箱前面までの距離が短くて冷却室が小さくても、鋼板の急速冷却および均一冷却をし得、鋼板の急速冷却性能および均一冷却性能を確保した上で、鋼板から風箱前面までの距離を短くし得て冷却室を小さくし得る。従って、冷却室の単位冷却長当たりの断熱材重量が低減し、熱容量が小さくなるので、冷却室温度の応答性(熱慣性)が向上し、このため、目標の機械的特性が異なる鋼板を連続処理し、冷却条件が前後で異なる場合においても、目標とする冷却終了鋼板温度に対する温度制御性が向上し、ひいては製品の機械的特性の確保が容易となり、また、冷却室建設コストの低減がはかれる。かかる点において、連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置として好適に用いることができる。
連続焼鈍炉の例を示す模式図である。 本発明に係るガスジェット冷却装置の例を示す模式図である。 従来技術に係る風箱の形状の例を示す模式図であって、図3の(A)は斜視図、図3の(B)は側面図、図3の(C)は正面図、図3の(D)は上面図である。 本発明に係るガスジェット冷却装置における風箱の形状や鋼板パスライン方向での配置例を示す模式図であって、図4の(A)は斜視図、図4の(B)は側面図、図4の(C)は正面図、図4の(D)は上面図である。 風箱周囲から噴出するガスの流れ(ガス流線)を示す模式図であって、図5の(A)は風箱長さLが1/4W(鋼板の幅Wの1/4)の場合、図5の(B)は風箱長さLが1/2Wの場合、図5の(C)は風箱長さLが1/1Wの場合のガス流線図である。 本発明の実施例および比較例に係る風箱の板幅方向における噴出流速の分布(風箱の板幅方向における位置と噴出流速との関係)を示す図である。 本発明の実施例および比較例に係る風箱の板幅方向における噴出流速比の分布(風箱の板幅方向における位置と噴出流速比との関係)を示す図である。 本発明の実施例および比較例に係る風箱の板幅方向における熱伝達係数比の分布(風箱の板幅方向における位置と熱伝達係数比との関係)を示す図である。 冷却風箱縦横比と均一冷却幅比との関係を示す図である。 風箱の板幅方向における噴出流速の分布(風箱の板幅方向における位置と噴出流速との関係)を示す図である。 風箱隙間・ノズル距離比(z/h)と噴出速度比との関係を示す図である。 本発明の第5発明に係る風箱の例を示す模式図である。 本発明の第6発明に係る風箱の例を示す模式図である。 本発明の第7発明に係る風箱の例を示す模式図である。 流路比(A/S)と所要ランニングコスト指数との関係を示す図である。

Claims (7)

  1. 冷却室内に鋼板を挟んで鋼板の両側に配置され、ノズルより冷却ガスを鋼板に向けて吹付けて鋼板を冷却する風箱と、前記冷却室から導入されるガスを冷却し、これを冷却ガスとして前記風箱へ供給する手段とを有する連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置であって、前記風箱のノズルの先端部と鋼板との距離(h)が前記ノズルの径(d)に対して10倍以下であると共に、前記風箱の鋼板パスライン方向での長さ(L)が鋼板の幅(W)に対して2/3以下であることを特徴とする連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置。
  2. 前記風箱のノズルが円形または多角形の孔の群により形成され、これらの孔の群が碁盤目または千鳥に配置されている請求項1記載の連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置。
  3. 前記風箱のノズルの鋼板パスライン方向でのノズル段数が4以上、幅方向でのノズル列数が4以上である請求項1または2記載の連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置。
  4. 前記風箱の鋼板パスライン方向での数が2以上であり、隣の風箱との隙間(z)が前記風箱のノズルの先端部と鋼板との距離(h)との比(z/h)で1.0 〜4.0 である請求項1〜3のいずれかに記載の連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置。
  5. 前記風箱の鋼板に対向する面が平面形状をなし、前記風箱のノズルの先端部と鋼板との距離(h)が鋼板の幅方向で等しく、鋼板パスライン方向で相違し、鋼板パスライン方向で上流側から下流側になるに従って増大する請求項1〜4のいずれかに記載の連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置。
  6. 前記風箱の鋼板に対向する面が鋼板パスライン方向で凸形状をなし、この面が鋼板パスライン方向で曲面または複数平面からなる段差面もしくは2つ以上の傾斜面よりなる請求項1〜4のいずれかに記載の連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置。
  7. 前記風箱の断面であって鋼板パスライン方向と平行で且つ鋼板と直交する断面の形状が矩形であり、前記風箱における冷却ガスの供給口が鋼板パスライン方向での上流側または下流側の風箱端部の側面および/または背面に設けられ、前記矩形部の断面積(A)が前記風箱のノズルの開口部面積の総和(S)との比(A/S)で1.0 〜3.0 である請求項1〜6のいずれかに記載の連続焼鈍炉での鋼板のガスジェット冷却装置。
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