JP3363992B2 - クローラ駆動軸のシール部構造 - Google Patents
クローラ駆動軸のシール部構造Info
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- JP3363992B2 JP3363992B2 JP06903894A JP6903894A JP3363992B2 JP 3363992 B2 JP3363992 B2 JP 3363992B2 JP 06903894 A JP06903894 A JP 06903894A JP 6903894 A JP6903894 A JP 6903894A JP 3363992 B2 JP3363992 B2 JP 3363992B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンバイン等のクロー
ラ走行車両のクローラ駆動軸のシール部構造に関する。 【0002】 【従来の技術】コンバイン等のクローラ走行車両は、藁
屑等が散乱する軟弱泥土上を走行しながら刈取等の農作
業を行うという過酷な条件に晒されるものである。その
ため、クローラ走行車両は、クローラを駆動するクロー
ラ駆動軸の回転支持(軸受)部分に泥水や藁屑等が侵入
するのを防止するため、クローラ駆動軸を回転可能に収
容する駆動軸保護筒とクローラ駆動軸との間を密封する
シール装置を備えている。 【0003】このシール装置は、駆動軸保護筒の端部に
オイルシールを配置し、該オイルシールにより駆動軸保
護筒とクローラ駆動軸の間を密封し、クローラ駆動軸の
軸受の潤滑油が外部に漏出したり、外部の泥水等が内部
(軸受)側に侵入するのを防止するようになっている。
尚、オイルシールは、駆動軸保護筒の端部内周に嵌着さ
れるアウターシール部と、クローラ駆動軸に嵌着されて
アウターシール部に摺接するインナーシール部と、から
なり、過酷な条件で使用されても所望のシール性能を発
揮するように工夫されている。 【0004】又、このシール装置は、クローラ駆動軸の
端部にスプライン嵌合されるクローラ駆動スプロケット
と前記オイルシールのインナーシール部との間に防塵板
を介装し、該防塵板で駆動軸保護筒の開口端を塞ぎ、よ
り一層シール効果を高めるように工夫されている。尚、
防塵板は、その外周端が駆動軸保護筒に外嵌され、その
内周端がクローラ駆動軸に嵌合されるが、これら駆動軸
保護筒及びクローラ駆動軸に対して相対回動できるよう
に僅かな隙間をもって嵌合されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のクローラ駆動軸のシール構造にあっては、防
塵板の外周端と駆動軸保護筒との僅かな隙間に侵入した
泥等が乾燥固化し、防塵板が駆動軸保護筒側に固定され
たり、防塵板と駆動軸保護筒との間の摩擦抵抗が大きく
なると、防塵板がオイルシールのインナーシール部やク
ローラ駆動スプロケットに対して相対回動し、防塵板と
インナーシール部との摺接部や、防塵板とクローラ駆動
スプロケットとの摺接部に異常摩耗が生じる場合があ
り、クローラ駆動スプロケットの軸方向へのがたつき及
びそれに起因する異音の発生を招来する場合があった。 【0006】そこで、本発明は、防塵板とインナーシー
ル部との摺接部や、防塵板とクローラ駆動スプロケット
との摺接部に異常摩耗が生じるのを防止して、より一層
シール性に優れたクローラ駆動軸のシール部構造を提供
することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みなされたものであり、クローラ駆動軸(3)を軸受
(5)を介して回転可能に支持する駆動軸保護筒(2)
の端部内周に嵌着されるアウターシール部(6a)と、
前記クローラ駆動軸(3)に嵌着されて前記アウターシ
ール部(6a)に摺接するインナーシール部(6b)と
を有し、前記駆動軸保護筒(2)とクローラ駆動軸
(3)との間を密封するオイルシール(6)と、前記ク
ローラ駆動軸(3)にスプライン嵌合され、クローラ
(12)に動力伝達するクローラ駆動スプロケット
(9)と、を備えたクローラ駆動軸(3)のシール部構
造であって、これらオイルシール(6)のインナーシー
ル部(6b)とクローラ駆動スプロケット(9)との間
に、外周端が前記駆動軸保護筒(2)に遊嵌される一
方、その内周端が前記クローラ駆動軸(3)に遊嵌され
て、前記駆動軸保護筒(2)の開口端を塞ぐ防塵板
(7)を介装し、該防塵板(7)の内周端に、該防塵板
(7)を前記クローラ駆動軸(3)に係止する係止手段
(7c)を有することを特徴としている。 【0008】 【作用】本発明は、上記構成を備える結果、防塵板
(7)が係止手段(7c)によりクローラ駆動軸(3)
に係止され、防塵板(7)がオイルシール(6)のイン
ナーシール部(6b)及びクローラ駆動スプロケット
(9)と共に一体回動する。 【0009】尚、上記カッコ内の符号は、図面と対照す
るためのものであり、何等本発明の構成を限定するもの
ではない。 【0010】 【実施例】以下、図面に沿って、本発明の実施例につい
て説明する。 【0011】図1はクローラ駆動力伝達機構を示すもの
であり、図2はその要部を拡大したものである。 【0012】これらの図において、クローラ走行車両A
(図4参照)の走行フレーム(図示せず)に固定される
トランスミッション1のケース1aの側面には、中空状
の駆動軸保護筒2が固定されている。そして、その駆動
軸保護筒2の内部には、トランスミッション1の歯車列
に連繋されるクローラ駆動軸3が挿通されている。クロ
ーラ駆動軸3は、その先端側に小径部31 が形成されて
おり、駆動軸保護筒2から外部に突出する部分にスプラ
イン32 が形成されている。そして、このクローラ駆動
軸3は、軸受5により駆動軸保護筒2に回動可能に支持
されている。 【0013】クローラ駆動軸3の小径部31 には、順次
外側(図中右側)に向かってスペーサ4、軸受5、オイ
ルシール6及び防塵板7が嵌合され、さらにスプライン
32にクローラ駆動スプロケット9がスプライン嵌合さ
れている。そして、これらスペーサ4、軸受5、オイル
シール6、防塵板7及びクローラ駆動スプロケット9が
ワッシャ10を介してナット11でクローラ駆動軸3の
軸方向(段部33 )に締付固定されている。尚、クロー
ラ駆動スプロケット9は、クローラ12に動力を伝達す
る。 【0014】この内、オイルシール6は、駆動軸保護筒
2の開口端の内周に嵌着されるアウターシール部6a
と、クローラ駆動軸3に嵌着されて前記アウターシール
部6aに摺接するインナーシール部6bとからなってい
る。このオイルシール6は、駆動軸保護筒2とクローラ
駆動軸3の間を密封し、軸受5の潤滑油が外部に漏出す
たり、外部の泥水等が軸受5側に侵入してくるのを防止
している。尚、アウターシール部6aに対してインナー
シール部6bがクローラ駆動軸3と共に回動する。 【0015】又、防塵板7は、図3にその詳細を示すよ
うに、円板状の側板部7aと、該側板7aの外周端に形
成された円筒部7bとからなり、側板部7aが微小な隙
間をもってクローラ駆動軸3に遊嵌され、円筒部7bが
微小な隙間をもって駆動軸保護筒2の端部外周に遊嵌さ
れるようになっており、駆動軸保護筒2の開口端を塞ぐ
ようになっている。そして、この防塵板7は、側板部7
aの内周端に形成した係止手段としての突起7cがクロ
ーラ駆動軸3のスプライン32 に係合される。従って、
防塵板7は、クローラ駆動軸3と共に一体回動する。 【0016】以上のように本実施例は、防塵板7が係止
手段7cによりクローラ駆動軸3に係止され、防塵板7
が隣接するオイルシール6及びクローラ駆動スプロケッ
ト9と共に回動することとなり、防塵板7に接するオイ
ルシール6のゴム部材や、防塵板7とクローラ駆動スプ
ロケット9との接触部に異常摩耗を生じることがない。
従って、本実施例は、クローラ駆動スプロケット9が軸
方向にがたつきを生じたり、そのがたつきに起因する異
音が発生するということがなく、さらにオイルシール6
またはクローラ駆動スプロケット9と防塵板7との接触
部分のシール性を向上できる。 【0017】尚、突起7cは、2箇所設ける態様を示し
たが、1箇所のみでもよく、又3箇所以上設けるように
してもよい。更に、係止手段としては、防塵板7とクロ
ーラ駆動スプロケット9の端面とを凹凸係合させる態様
のものでもよい。 【0018】図1及び図5は、トランスミッション1の
油圧配管の取り付け状態を示すものである。これらの図
に示すように、トランスミッションケース1aの前面側
(クローラ走行車両)の近傍には、油圧バルブ19(図
6参照)とトランスミッションケース1a内のサイドブ
レーキ(シリンダ)20(図6参照)とを接続するサイ
ドブレーキ用配管21、21を配置すると共に、油圧バ
ルブ19(図6参照)とトランスミッションケース1a
内のサイドクラッチ(シリンダ)22(図6参照)とを
接続するサイドクラッチ用配管23、23を配置してあ
る。 【0019】図6は、これらサイドブレーキ用配管21
及びサイドクラッチ用配管23を使用した油圧回路を示
すものである。この図6に示すように、サイドブレーキ
20とサイドクラッチ22は、それぞれサイドブレーキ
用配管21及びサイドクラッチ用配管23と接続された
油圧バルブ19により、ポンプ25又はオイルタンク2
6に選択的に連通され、油が供給又は排出されるように
なっている。 【0020】このように、サイドブレーキ用配管21及
びサイドクラッチ用配管23をトランスミッションケー
ス1aの近傍に配置すると、これら配管21、23の脱
着が容易になる。又、クローラ走行車両Aは、路上を走
行する際に、前処理部Bをリフトアップして走行するが
(図4参照)、これら配管21、23が直接路面の突起
物にぶつかることがない。 【0021】図7は、クローラ走行車両Aのエンジン3
0の取り付け状態を示すものであり、このエンジン30
は走行フレーム(図示せず)に固定され、その動力がト
ランスミッション1を介して前処理部Bを駆動する前処
理駆動機構部Cの前処理入力プーリ31に入力される。
尚、前処理入力プーリ31は、トランスミッション1の
出力プーリ32にベルト33で連繋されている。 【0022】図8は、クローラ走行車両Aの正面側から
見た場合のエンジン30と前処理駆動機構部Cの関係を
示すものであり、この図に示すように、エンジン30と
前処理駆動機構部Cの前処理入力プーリ31とが車両幅
方向(図中横方向)に略直線状に配置されている(図7
参照)。尚、エンジン30の一端には、ラジエター35
を冷却すると共にエンジン30をも冷却する外気を導入
するためのファン36を取り付けてある。 【0023】図9は、前処理駆動機構部Cの前処理入力
プーリ31の詳細を示すものであり、この前処理入力プ
ーリ31の円板状部311 には円周方向に複数の風穴3
12及び該風穴312 の内周側縁に羽根313 を形成し
てある。尚、前処理入力プーリ31は、伝動ケース37
よりも大きく、トランスミッション1を介してエンジン
30により回動されると、前記羽根313 により空気を
エンジン30側から伝動ケース37側に送り、エンジン
30の熱を強制的に外部に排出し、ファン36と共同し
てエンジン30を冷却する。又、前処理入力プーリ31
は、円板状部311 を切り起こすことにより、風穴31
2 及び羽根313 を形成する。 【0024】このようにすることにより、クローラ走行
車両が最も動力を必要とする刈取作業時に、この刈取作
業時のみ回転する前処理入力プーリ31を利用して効果
的にエンジン30を冷却することができる。尚、消費動
力が少ない通常走行時、エンジン30の熱も比較的低
く、ファン36のみの風量のみで十分にエンジン30が
冷却される。 【0025】図10は、前記図8で示した前処理入力プ
ーリ31に補助ファン40を取り付け、この補助ファン
40によりエンジン30側から伝動ケース37側に向か
う空気の流れを生じさせ、ファン36と共同してエンジ
ン30を冷却する態様を示すものである。 【0026】尚、エンジン30、といわけ、ファン36
と前処理入力プーリ31(補助ファン40)とが略直線
状に配置されることとなり、空気の流れが円滑となるた
め、エンジン30の冷却効果が優れている。 【0027】 【発明の効果】以上説明したように、本発明は、クロー
ラ駆動軸に嵌着されるオイルシールのインナーシール部
とクローラ駆動軸にスプライン嵌合されるクローラ駆動
スプロケットとの間に介装される防塵板を、係止手段に
よりクローラ駆動軸に係止するようになっているため、
互いに接触するオイルシール、防塵板及びクローラ駆動
スプロケットが一体回動し、防塵板とオイルシール及び
防塵板とクローラ駆動スプロケットの接触部の異常摩耗
が防止され、該異常摩耗に起因するクローラ駆動スプロ
ケットのがたつき及び該がたつきに起因する異常音の発
生やシール性の低下が防止される。
ラ走行車両のクローラ駆動軸のシール部構造に関する。 【0002】 【従来の技術】コンバイン等のクローラ走行車両は、藁
屑等が散乱する軟弱泥土上を走行しながら刈取等の農作
業を行うという過酷な条件に晒されるものである。その
ため、クローラ走行車両は、クローラを駆動するクロー
ラ駆動軸の回転支持(軸受)部分に泥水や藁屑等が侵入
するのを防止するため、クローラ駆動軸を回転可能に収
容する駆動軸保護筒とクローラ駆動軸との間を密封する
シール装置を備えている。 【0003】このシール装置は、駆動軸保護筒の端部に
オイルシールを配置し、該オイルシールにより駆動軸保
護筒とクローラ駆動軸の間を密封し、クローラ駆動軸の
軸受の潤滑油が外部に漏出したり、外部の泥水等が内部
(軸受)側に侵入するのを防止するようになっている。
尚、オイルシールは、駆動軸保護筒の端部内周に嵌着さ
れるアウターシール部と、クローラ駆動軸に嵌着されて
アウターシール部に摺接するインナーシール部と、から
なり、過酷な条件で使用されても所望のシール性能を発
揮するように工夫されている。 【0004】又、このシール装置は、クローラ駆動軸の
端部にスプライン嵌合されるクローラ駆動スプロケット
と前記オイルシールのインナーシール部との間に防塵板
を介装し、該防塵板で駆動軸保護筒の開口端を塞ぎ、よ
り一層シール効果を高めるように工夫されている。尚、
防塵板は、その外周端が駆動軸保護筒に外嵌され、その
内周端がクローラ駆動軸に嵌合されるが、これら駆動軸
保護筒及びクローラ駆動軸に対して相対回動できるよう
に僅かな隙間をもって嵌合されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のクローラ駆動軸のシール構造にあっては、防
塵板の外周端と駆動軸保護筒との僅かな隙間に侵入した
泥等が乾燥固化し、防塵板が駆動軸保護筒側に固定され
たり、防塵板と駆動軸保護筒との間の摩擦抵抗が大きく
なると、防塵板がオイルシールのインナーシール部やク
ローラ駆動スプロケットに対して相対回動し、防塵板と
インナーシール部との摺接部や、防塵板とクローラ駆動
スプロケットとの摺接部に異常摩耗が生じる場合があ
り、クローラ駆動スプロケットの軸方向へのがたつき及
びそれに起因する異音の発生を招来する場合があった。 【0006】そこで、本発明は、防塵板とインナーシー
ル部との摺接部や、防塵板とクローラ駆動スプロケット
との摺接部に異常摩耗が生じるのを防止して、より一層
シール性に優れたクローラ駆動軸のシール部構造を提供
することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みなされたものであり、クローラ駆動軸(3)を軸受
(5)を介して回転可能に支持する駆動軸保護筒(2)
の端部内周に嵌着されるアウターシール部(6a)と、
前記クローラ駆動軸(3)に嵌着されて前記アウターシ
ール部(6a)に摺接するインナーシール部(6b)と
を有し、前記駆動軸保護筒(2)とクローラ駆動軸
(3)との間を密封するオイルシール(6)と、前記ク
ローラ駆動軸(3)にスプライン嵌合され、クローラ
(12)に動力伝達するクローラ駆動スプロケット
(9)と、を備えたクローラ駆動軸(3)のシール部構
造であって、これらオイルシール(6)のインナーシー
ル部(6b)とクローラ駆動スプロケット(9)との間
に、外周端が前記駆動軸保護筒(2)に遊嵌される一
方、その内周端が前記クローラ駆動軸(3)に遊嵌され
て、前記駆動軸保護筒(2)の開口端を塞ぐ防塵板
(7)を介装し、該防塵板(7)の内周端に、該防塵板
(7)を前記クローラ駆動軸(3)に係止する係止手段
(7c)を有することを特徴としている。 【0008】 【作用】本発明は、上記構成を備える結果、防塵板
(7)が係止手段(7c)によりクローラ駆動軸(3)
に係止され、防塵板(7)がオイルシール(6)のイン
ナーシール部(6b)及びクローラ駆動スプロケット
(9)と共に一体回動する。 【0009】尚、上記カッコ内の符号は、図面と対照す
るためのものであり、何等本発明の構成を限定するもの
ではない。 【0010】 【実施例】以下、図面に沿って、本発明の実施例につい
て説明する。 【0011】図1はクローラ駆動力伝達機構を示すもの
であり、図2はその要部を拡大したものである。 【0012】これらの図において、クローラ走行車両A
(図4参照)の走行フレーム(図示せず)に固定される
トランスミッション1のケース1aの側面には、中空状
の駆動軸保護筒2が固定されている。そして、その駆動
軸保護筒2の内部には、トランスミッション1の歯車列
に連繋されるクローラ駆動軸3が挿通されている。クロ
ーラ駆動軸3は、その先端側に小径部31 が形成されて
おり、駆動軸保護筒2から外部に突出する部分にスプラ
イン32 が形成されている。そして、このクローラ駆動
軸3は、軸受5により駆動軸保護筒2に回動可能に支持
されている。 【0013】クローラ駆動軸3の小径部31 には、順次
外側(図中右側)に向かってスペーサ4、軸受5、オイ
ルシール6及び防塵板7が嵌合され、さらにスプライン
32にクローラ駆動スプロケット9がスプライン嵌合さ
れている。そして、これらスペーサ4、軸受5、オイル
シール6、防塵板7及びクローラ駆動スプロケット9が
ワッシャ10を介してナット11でクローラ駆動軸3の
軸方向(段部33 )に締付固定されている。尚、クロー
ラ駆動スプロケット9は、クローラ12に動力を伝達す
る。 【0014】この内、オイルシール6は、駆動軸保護筒
2の開口端の内周に嵌着されるアウターシール部6a
と、クローラ駆動軸3に嵌着されて前記アウターシール
部6aに摺接するインナーシール部6bとからなってい
る。このオイルシール6は、駆動軸保護筒2とクローラ
駆動軸3の間を密封し、軸受5の潤滑油が外部に漏出す
たり、外部の泥水等が軸受5側に侵入してくるのを防止
している。尚、アウターシール部6aに対してインナー
シール部6bがクローラ駆動軸3と共に回動する。 【0015】又、防塵板7は、図3にその詳細を示すよ
うに、円板状の側板部7aと、該側板7aの外周端に形
成された円筒部7bとからなり、側板部7aが微小な隙
間をもってクローラ駆動軸3に遊嵌され、円筒部7bが
微小な隙間をもって駆動軸保護筒2の端部外周に遊嵌さ
れるようになっており、駆動軸保護筒2の開口端を塞ぐ
ようになっている。そして、この防塵板7は、側板部7
aの内周端に形成した係止手段としての突起7cがクロ
ーラ駆動軸3のスプライン32 に係合される。従って、
防塵板7は、クローラ駆動軸3と共に一体回動する。 【0016】以上のように本実施例は、防塵板7が係止
手段7cによりクローラ駆動軸3に係止され、防塵板7
が隣接するオイルシール6及びクローラ駆動スプロケッ
ト9と共に回動することとなり、防塵板7に接するオイ
ルシール6のゴム部材や、防塵板7とクローラ駆動スプ
ロケット9との接触部に異常摩耗を生じることがない。
従って、本実施例は、クローラ駆動スプロケット9が軸
方向にがたつきを生じたり、そのがたつきに起因する異
音が発生するということがなく、さらにオイルシール6
またはクローラ駆動スプロケット9と防塵板7との接触
部分のシール性を向上できる。 【0017】尚、突起7cは、2箇所設ける態様を示し
たが、1箇所のみでもよく、又3箇所以上設けるように
してもよい。更に、係止手段としては、防塵板7とクロ
ーラ駆動スプロケット9の端面とを凹凸係合させる態様
のものでもよい。 【0018】図1及び図5は、トランスミッション1の
油圧配管の取り付け状態を示すものである。これらの図
に示すように、トランスミッションケース1aの前面側
(クローラ走行車両)の近傍には、油圧バルブ19(図
6参照)とトランスミッションケース1a内のサイドブ
レーキ(シリンダ)20(図6参照)とを接続するサイ
ドブレーキ用配管21、21を配置すると共に、油圧バ
ルブ19(図6参照)とトランスミッションケース1a
内のサイドクラッチ(シリンダ)22(図6参照)とを
接続するサイドクラッチ用配管23、23を配置してあ
る。 【0019】図6は、これらサイドブレーキ用配管21
及びサイドクラッチ用配管23を使用した油圧回路を示
すものである。この図6に示すように、サイドブレーキ
20とサイドクラッチ22は、それぞれサイドブレーキ
用配管21及びサイドクラッチ用配管23と接続された
油圧バルブ19により、ポンプ25又はオイルタンク2
6に選択的に連通され、油が供給又は排出されるように
なっている。 【0020】このように、サイドブレーキ用配管21及
びサイドクラッチ用配管23をトランスミッションケー
ス1aの近傍に配置すると、これら配管21、23の脱
着が容易になる。又、クローラ走行車両Aは、路上を走
行する際に、前処理部Bをリフトアップして走行するが
(図4参照)、これら配管21、23が直接路面の突起
物にぶつかることがない。 【0021】図7は、クローラ走行車両Aのエンジン3
0の取り付け状態を示すものであり、このエンジン30
は走行フレーム(図示せず)に固定され、その動力がト
ランスミッション1を介して前処理部Bを駆動する前処
理駆動機構部Cの前処理入力プーリ31に入力される。
尚、前処理入力プーリ31は、トランスミッション1の
出力プーリ32にベルト33で連繋されている。 【0022】図8は、クローラ走行車両Aの正面側から
見た場合のエンジン30と前処理駆動機構部Cの関係を
示すものであり、この図に示すように、エンジン30と
前処理駆動機構部Cの前処理入力プーリ31とが車両幅
方向(図中横方向)に略直線状に配置されている(図7
参照)。尚、エンジン30の一端には、ラジエター35
を冷却すると共にエンジン30をも冷却する外気を導入
するためのファン36を取り付けてある。 【0023】図9は、前処理駆動機構部Cの前処理入力
プーリ31の詳細を示すものであり、この前処理入力プ
ーリ31の円板状部311 には円周方向に複数の風穴3
12及び該風穴312 の内周側縁に羽根313 を形成し
てある。尚、前処理入力プーリ31は、伝動ケース37
よりも大きく、トランスミッション1を介してエンジン
30により回動されると、前記羽根313 により空気を
エンジン30側から伝動ケース37側に送り、エンジン
30の熱を強制的に外部に排出し、ファン36と共同し
てエンジン30を冷却する。又、前処理入力プーリ31
は、円板状部311 を切り起こすことにより、風穴31
2 及び羽根313 を形成する。 【0024】このようにすることにより、クローラ走行
車両が最も動力を必要とする刈取作業時に、この刈取作
業時のみ回転する前処理入力プーリ31を利用して効果
的にエンジン30を冷却することができる。尚、消費動
力が少ない通常走行時、エンジン30の熱も比較的低
く、ファン36のみの風量のみで十分にエンジン30が
冷却される。 【0025】図10は、前記図8で示した前処理入力プ
ーリ31に補助ファン40を取り付け、この補助ファン
40によりエンジン30側から伝動ケース37側に向か
う空気の流れを生じさせ、ファン36と共同してエンジ
ン30を冷却する態様を示すものである。 【0026】尚、エンジン30、といわけ、ファン36
と前処理入力プーリ31(補助ファン40)とが略直線
状に配置されることとなり、空気の流れが円滑となるた
め、エンジン30の冷却効果が優れている。 【0027】 【発明の効果】以上説明したように、本発明は、クロー
ラ駆動軸に嵌着されるオイルシールのインナーシール部
とクローラ駆動軸にスプライン嵌合されるクローラ駆動
スプロケットとの間に介装される防塵板を、係止手段に
よりクローラ駆動軸に係止するようになっているため、
互いに接触するオイルシール、防塵板及びクローラ駆動
スプロケットが一体回動し、防塵板とオイルシール及び
防塵板とクローラ駆動スプロケットの接触部の異常摩耗
が防止され、該異常摩耗に起因するクローラ駆動スプロ
ケットのがたつき及び該がたつきに起因する異常音の発
生やシール性の低下が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】クローラ駆動力伝達機構正面図。
【図2】クローラ駆動軸のシール部(図1の要部)拡大
断面図。 【図3】防塵板の斜視図。 【図4】クローラ走行車両の側面図。 【図5】同クローラ走行車両のトランスミッションの側
面図。 【図6】同トランスミッションの油圧回路図。 【図7】エンジン及びトランスミッションの位置を示す
クローラ走行車両の側面図。 【図8】同クローラ走行車両のエンジン近傍の概略構成
図。 【図9】冷却ファンの斜視図。 【図10】エンジンと冷却ファンとの関係図。 【符号の説明】 2 駆動軸保護筒 3 クローラ駆動軸 5 軸受 6 オイルシール 6a アウターシール部 6b インナーシール部 7 防塵板 7c 係止手段(突起) 9 クローラ駆動スプロケット 12 クローラ
断面図。 【図3】防塵板の斜視図。 【図4】クローラ走行車両の側面図。 【図5】同クローラ走行車両のトランスミッションの側
面図。 【図6】同トランスミッションの油圧回路図。 【図7】エンジン及びトランスミッションの位置を示す
クローラ走行車両の側面図。 【図8】同クローラ走行車両のエンジン近傍の概略構成
図。 【図9】冷却ファンの斜視図。 【図10】エンジンと冷却ファンとの関係図。 【符号の説明】 2 駆動軸保護筒 3 クローラ駆動軸 5 軸受 6 オイルシール 6a アウターシール部 6b インナーシール部 7 防塵板 7c 係止手段(突起) 9 クローラ駆動スプロケット 12 クローラ
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(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B62D 55/12
B62D 55/088
F16J 15/32 311
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 クローラ駆動軸を軸受を介して回転可能
に支持する駆動軸保護筒の端部内周に嵌着されるアウタ
ーシール部と、前記クローラ駆動軸に嵌着されて前記ア
ウターシール部に摺接するインナーシール部とを有し、
前記駆動軸保護筒とクローラ駆動軸との間を密封するオ
イルシールと、 前記クローラ駆動軸にスプライン嵌合され、クローラに
動力伝達するクローラ駆動スプロケットと、 を備えたクローラ駆動軸のシール部構造において、 前記オイルシールのインナーシール部とクローラ駆動ス
プロケットとの間に、外周端が前記駆動軸保護筒に遊嵌
される一方、その内周端が前記クローラ駆動軸に遊嵌さ
れて、前記駆動軸保護筒の開口端を塞ぐ防塵板を介装
し、 該防塵板は、その内周端に、該防塵板を前記クローラ駆
動軸に係止する係止手段を有することを特徴とするクロ
ーラ駆動軸のシール部構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06903894A JP3363992B2 (ja) | 1994-03-14 | 1994-03-14 | クローラ駆動軸のシール部構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06903894A JP3363992B2 (ja) | 1994-03-14 | 1994-03-14 | クローラ駆動軸のシール部構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07251764A JPH07251764A (ja) | 1995-10-03 |
JP3363992B2 true JP3363992B2 (ja) | 2003-01-08 |
Family
ID=13391023
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06903894A Expired - Fee Related JP3363992B2 (ja) | 1994-03-14 | 1994-03-14 | クローラ駆動軸のシール部構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3363992B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4289804B2 (ja) * | 2001-05-15 | 2009-07-01 | Ntn株式会社 | 回転伝達装置 |
CN103075519B (zh) * | 2013-01-17 | 2015-02-18 | 徐州科源液压股份有限公司 | 履带挖掘机行走马达输出轴轴端密封装置 |
-
1994
- 1994-03-14 JP JP06903894A patent/JP3363992B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07251764A (ja) | 1995-10-03 |
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