JP3362500B2 - ポリエステル/セルロース系複合繊維織物 - Google Patents
ポリエステル/セルロース系複合繊維織物Info
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Description
得られるポリエステル/セルロース系複合繊維織物に関
する。さらに詳しくは、セルロース系繊維の強力がアル
カリ減量加工した後も低下しておらず、かつ風合いの優
れたポリエステル/セルロース系複合繊維織物に関す
る。
ルクタッチ、マイクロパウダータッチなどの特殊な風合
いを与える、あるいは、より濃い色の染色を可能とする
ために、一般的には、アルカリ減量加工が行われてい
る。このアルカリ減量加工は、ポリエステル織物に限ら
ず、ポリエステル/セルロース系複合繊維織物に対して
も、一般的に行われている。
ステル/セルロース系複合繊維織物に行った際には、上
記複合繊維織物に含有されるポリエステル繊維の減量と
同時に、ポリエステル繊維以外の組成素材であるセルロ
ース系繊維が劣化してしまい、セルロース系繊維の強力
が低下し、更にはアルカリ減量加工後のポリエステル/
セルロース系複合繊維織物の強力まで低下する。
色機を用いて行った場合には、ポリエステル/セルロー
ス系複合繊維織物を構成する経糸に表面摩擦や張力がよ
り加り、経糸が劣化して、得られるポリエステル/セル
ロース系複合繊維織物の強力がさらに低下する。この経
糸がセルロース系繊維を含有する経糸である場合には、
より著しくこの経糸が劣化し、得られるポリエステル/
セルロース系複合繊維織物の強力もさらに低下する。特
に、織物の表面に経糸が長く存在する綾織物などにおい
ては、上記のような影響を非常に受けやすく、このアル
カリ減量加工したポリエステル/セルロース系複合繊維
織物の強力の低下が、より問題となっている。
ル/セルロース系複合繊維織物をアルカリ減量加工した
際に起こる上記問題点を解決することを課題とするもの
であり、その目的とするところは、ポリエステル/セル
ロース系複合繊維織物に含有されるセルロース系繊維の
強力がアルカリ減量加工により低下しない、風合いの優
れたポリエステル/セルロース系複合繊維織物を提供す
ることにある。
再生セルロース系複合繊維織物は、織物重量に対して1
〜15重量%の糊剤が付与されたポリエステル/再生セ
ルロース系複合繊維織物を、水酸化ナトリウム水溶液を
用いてアルカリ減量加工して得られる。
/再生セルロース系複合繊維織物は、少なくとも再生セ
ルロース系繊維を含有する経糸から構成される綾織物で
ある。
ース系複合繊維織物は、ポリエステル繊維とセルロース
系繊維とを含有する織物であれば、いずれの複合繊維織
物であってもよく、これらの織物を得るための繊維の複
合方法もまた、特に限定されない。例えば、ポリエステ
ル繊維とセルロース系繊維とを、混繊、混紡などにより
複合糸とし、この複合糸を少なくとも経糸または緯糸の
いずれかに使用した織物;ならびに、少なくともポリエ
ステル繊維を含有する糸と少なくともセルロース系繊維
を含有する糸とを交織した交織織物が用いられ得る。例
えば、本発明におけるポリエステル/セルロース系複合
繊維織物として、少なくともセルロース系繊維を含有す
る経糸から構成されるポリエステル/セルロース系複合
繊維織物を用いてもよい。
織物には、ポリエステル繊維およびセルロース系繊維に
加え、さらに、羊毛、絹、ナイロンなどの種々の繊維
を、1種またはそれ以上複合してもよい。
繊維織物に用いられるポリエステル繊維の太さおよび長
さは、特に限定されず、通常衣料用途などに使用される
ポリエステル繊維はいずれも使用され得る。
繊維織物に用いられるセルロース系繊維は、綿、麻など
の天然セルロース繊維、ビスコースレーヨン、ポリノジ
ックレーヨン、銅アンモニアレーヨンなどの再生セルロ
ース系繊維、および、これらのセルロースの誘導体を用
いた繊維のいずれもが使用され得る。これらのセルロー
ス系繊維の太さおよび長さは、特に限定されない。
ース系複合繊維織物は、これらポリエステル繊維および
セルロース系繊維をそれぞれ少なくとも1種含有する。
ース系複合繊維織物の織物組織は、特に限定されず、平
織、綾織、朱子織などの織物組織を有するポリエステル
/セルロース系複合繊維織物が用いられ得る。
に経糸に付けられる通常の糊剤が挙げられ、例えば、澱
粉、アルギン酸ソーダ、ソジウムカルボキシメチルセル
ロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、
アクリル系糊剤が、単独でまたは複合して用いられ得
る。
織物に、この糊剤を付与する方法としては、ポリエステ
ル/セルロース系複合繊維織物を構成する整経前または
整経後の経糸の時点で糊剤を付与し、この糊剤が付与さ
れた経糸からポリエステル/セルロース系複合繊維織物
を製造する方法が、通常は用いられ得る。
法などの方法を用いて、製造されたポリエステル/セル
ロース系複合繊維織物に、直接上記糊剤を付与する方法
なども用いられ得る。この製造されたポリエステル/セ
ルロース系複合繊維織物に糊剤を付与する方法は、上記
経糸に糊剤を付与する方法に比較すると、生産性やコス
トの点でやや不利である。
ス系複合繊維織物に対し、好ましくは1〜15%OWF、
特に好ましくは3〜7%OWFで付与され得る。
ロース系複合繊維織物に、通常の方法によりアルカリ減
量加工が施される。従来、経糸に付与されていた糊剤
は、製織中の経糸の損傷や糸切れを防止するために用い
られており、アルカリ減量加工工程の前に除去されてい
た。本発明の方法においては、糊剤が除去されることな
く、そのままアルカリ減量加工が行われる。本発明の方
法においては、アルカリ減量加工は、例えば、1〜50
%程度の水酸化ナトリウム溶液に浸漬することにより行
われ得る。この加工におけるアルカリ濃度、処理時間、
処理温度などは特に限定されず、当業者に周知であるい
ずれの方法も用いられ得る。このアルカリ減量加工の条
件は、所望の減量率でポリエステルの減量が行われるよ
うに、任意に設定され得る。この工程に使用される処理
機もまた、特に限定されない。パディングマングルおよ
び常圧スチーマーまたは高圧スチーマーなどを用いた連
続法や、ジッカー染色機、液流タイプの染色機などを用
いた浸漬法などが行われ得る。本発明では、経糸が表面
摩擦、張力などの影響を受けてフィブリル化しやすいと
されていた液流タイプの染色機もまた、好適に用いられ
得る。
の加工、例えば、染色、乾燥、および仕上げ加工が行わ
れる。これらの加工には、特に限定がなく、その他種々
の加工工程と組み合わせることが可能である。
ス系複合繊維織物に含有されるセルロース系繊維の強力
がアルカリ減量加工により低下しない、アルカリ減量加
工ポリエステル/セルロース系複合繊維織物が得られ
る。しかも、このアルカリ減量加工ポリエステル/セル
ロース系複合繊維織物は、従来のアルカリ減量加工によ
り得られる優れた風合いもまた有する。本発明により、
ポリエステル繊維およびセルロース系繊維の種類、それ
らの複合方法、および織組織に関わらず、最終仕上げ加
工を経た製品の経糸に含有されるセルロース系繊維の強
力が保持される製品が製造され得る。特に、綾織などの
経糸が織物表面に長く存在する織物について、より顕著
な効果が得られ得る。
%)とポリノジックレーヨン短繊維(70%)とからな
る80番手双糸の経糸の整経時に、PVAを主体とする
糊剤を4%owf付与した。この糊剤を付与した経糸、お
よびポリエステル短繊維(30%)とポリノジックレー
ヨン短繊維(70%)とからなる糊剤が付与されていな
い緯糸から、平織物(目付117g/m2)を得た。こ
の得られた平織物を、液流染色機(日阪製作所製サーキ
ュラー)でアルカリ減量加工(80℃×20分)した。
その後、通常の方法で、この平織物を構成する上記ポリ
エステル短繊維部分を染色するために分散染料で染色処
理を行った後、上記レーヨン短繊維部分を染色するため
に反応性染料で染色処理を行い、次いで、柔軟剤を付与
して仕上げ加工を施し、アルカリ減量加工平織物を得
た。得られた織物の経糸に含有されるポリノジックレー
ヨン短繊維の強度(DT;g/d)および伸度(DE;
%)を、試料長10mmとした以外はJIS L101
5 7.7.1に記載の方法で測定した。この測定によ
り得られたタフネス(DT×√(DE))を、以下の表
1に示す。
減量加工する前に、糊抜き、精錬して、付与した経糸の
糊剤を落としたこと以外は、実施例1と同様の方法で、
アルカリ減量加工平織物を得た。実施例1と同様にし
て、得られた織物の経糸に含有されるポリノジックレー
ヨン短繊維の強度および伸度を測定した。この測定によ
り得られたタフネスを、以下の表1に示す。
194g/m2)にする以外は、実施例1と同様にして
アルカリ減量加工綾織物を得た。実施例1と同様にし
て、得られた織物の経糸に含有されるポリノジックレー
ヨン短繊維の強度および伸度を測定した。この測定によ
り得られたタフネスを、以下の表1に示す。
は、比較例1と同様にしてアルカリ減量加工綾織物を得
た。実施例1と同様にして、得られた織物の経糸に含有
されるポリノジックレーヨン短繊維の強度および伸度を
測定した。この測定により得られたタフネスを、以下の
表1に示す。
%)とポリノジックレーヨン短繊維(34%)とからな
る60番手混紡糸の経糸の整経時に、アクリル系糊剤を
主体とする糊剤を4%owf付与した。この糊剤を付与し
た経糸、およびポリエステル長繊維(105d/48
f)からなる緯糸から、平織物(目付111g/m2)
を得た。この得られた平織物を、液流染色機(日阪製作
所製サーキュラー)でアルカリ減量加工(80℃×20
分)した。その後、通常の方法で、この平織物を構成す
る上記ポリエステル短繊維部分を分散染料で常法により
染色処理を行った後、上記レーヨン短繊維部分を反応性
染料で常法により染色処理を行い、次いで、柔軟剤を付
与して仕上げ加工を施した。得られた織物の経糸に含有
されるポリノジックレーヨン短繊維を、JIS L10
15 7.7.1に記載の方法を用いて、試料長20m
mで強度および伸度を測定した。この測定により得られ
たタフネスを、以下の表2に示す。
て経糸の糊剤を落としたこと以外は、実施例3と同様の
方法で、アルカリ減量加工平織物を得た。実施例3と同
様にして、得られた織物の経糸に含有されるポリノジッ
クレーヨン短繊維を、JIS L10157.7.1に
記載の方法を用いて、試料長20mmで強度および伸度
を測定した。この測定により得られたタフネスを、以下
の表2に示す。
d/48f)とポリノジックレーヨン短繊維との混繊糸
(ポリエステル38%、レーヨン62%)からなる経糸
の整経時に、PVAを主体とする糊剤を3%owf付与し
た。この糊剤を付与した経糸、および糊剤を付与しない
同じ混繊糸からなる緯糸から、平織物(目付115g/
m2)を得た。この得られた平織物を、実施例3と同様
に、液流染色機でアルカリ減量加工した。その後、通常
の方法で、この平織物を構成する上記ポリエステル短繊
維部分を分散染料で染色処理を行った後、上記レーヨン
短繊維部分を反応性染料で染色処理を行い、次いで、柔
軟剤を付与して仕上げ加工を施し、アルカリ減量加工平
織物を得た。実施例3と同様にして、得られた織物の経
糸に含有されるポリノジックレーヨン短繊維の強度およ
び伸度を測定した。この測定により得られたタフネス
を、以下の表2に示す。
糸の糊剤を落としたこと以外は、実施例4と同様の方法
で、アルカリ減量加工平織物を得た。実施例3と同様に
して、得られた織物の経糸に含有されるポリノジックレ
ーヨン短繊維の強度および伸度を測定した。この測定に
より得られたタフネスを、以下の表2に示す。
1、2で得られた織物の経糸または緯糸に含有されるポ
リノジックレーヨン短繊維の、測定により得られたタフ
ネスを示す。
3、4で得られた織物の経糸に含有されるポリノジック
レーヨン短繊維の、測定により得られたタフネスを示
す。
本発明の実施例では、アルカリ減量加工によりセルロー
ス系繊維の強力が低下しない複合繊維織物が得られた。
ルカリ減量加工では得られなかった、ポリエステル/セ
ルロース系複合繊維織物に含有されるセルロース系繊維
の強力が保持され、そして風合いに優れた、ポリエステ
ル/セルロース系複合繊維織物が得られる。さらに本発
明によれば、ポリエステル繊維とセルロース系繊維の種
類、それらの複合方法および、織組織に関わらず、最終
仕上げ加工を経た製品の経糸に含有されるセルロース系
繊維の強力が保持される製品が製造され得る。特に、綾
織などの経糸が織物表面に長く存在する織物について、
より顕著な効果が得られ得る。
Claims (2)
- 【請求項1】 織物重量に対して1〜15重量%の糊剤
が付与されたポリエステル/再生セルロース系複合繊維
織物を、水酸化ナトリウム水溶液を用いてアルカリ減量
加工して得られる、ポリエステル/再生セルロース系複
合繊維織物。 - 【請求項2】 前記ポリエステル/再生セルロース系複
合繊維織物が、少なくとも再生セルロース系繊維を含有
する経糸から構成される綾織物である、請求項1に記載
のポリエステル/再生セルロース系複合繊維織物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08181494A JP3362500B2 (ja) | 1994-04-20 | 1994-04-20 | ポリエステル/セルロース系複合繊維織物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08181494A JP3362500B2 (ja) | 1994-04-20 | 1994-04-20 | ポリエステル/セルロース系複合繊維織物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07292570A JPH07292570A (ja) | 1995-11-07 |
JP3362500B2 true JP3362500B2 (ja) | 2003-01-07 |
Family
ID=13756972
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08181494A Expired - Lifetime JP3362500B2 (ja) | 1994-04-20 | 1994-04-20 | ポリエステル/セルロース系複合繊維織物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3362500B2 (ja) |
-
1994
- 1994-04-20 JP JP08181494A patent/JP3362500B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07292570A (ja) | 1995-11-07 |
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