JP3362418B2 - ディスクカートリッジローディング装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、記録再生可能な光磁気
ディスク等のディスクを収納したディスクカートリッジ
をローディング、エジェクト（アンローディング）させ
るディスクカートリッジローディング装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、磁化容易方向が膜面に垂直で保
磁力の大きな磁性膜上の微小領域をレーザ光等で加熱し
て磁化反転部分（記録ビット）をつくり、これを磁気光
学効果を利用して再生する光磁気記録（magnet optical
recording）方式を利用した小型の光磁気ディスクが知
られている。この光磁気ディスクは持ち運び及び取り扱
い等を便利にするために上下ハーフから成るディスクカ
ートリッジに収納され、このディスクカートリッジをデ
ィスクカートリッジローディング装置により所定装着位
置にローディングすることにより記録、再生が可能とな
る。

【０００３】このディスクカートリッジをローディング
したり、エジェクトするディスクカートリッジローディ
ング装置は、ディスクカートリッジを挿入保持するカー
トリッジホルダに、ディスクカートリッジの係合凹部が
係合、離反する爪部を設けたローディングスライダを摺
動可能に取付けてあり、このローディングスライダを駆
動機構によりカートリッジホルダに対して往復摺動させ
て、カートリッジホルダに挿入されてローディングスラ
イダの爪部に係合されたディスクカートリッジを引き込
み、押し出すように構成されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに構成される従来のディスクカートリッジローディン
グ装置ではディスクカートリッジのエジェクト動作にお
いては、ディスクカートリッジはカートリッジホルダに
対してローディングスライダの復摺動の摺動量に対応す
る長さ押し出されるだけである。特に、小型タイプで
は、ローディングスライダの摺動量を多く取ることがで
きないため、ディスクカートリッジをエジェクト動作に
おいて取り出しに充分な長さに押し出すことはできない
ことになり、エジェクト時の操作性が悪くなる不具合が
ある。

【０００５】そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなさ
れたもので、簡単な構成によりエジェクト動作時のディ
スクカートリッジ押し出し量を増加させて挟持し易く
し、操作性の向上を図ったディスクカートリッジローデ
ィング装置を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、ディスクカー
トリッジを挿入保持するカートリッジホルダと、カート
リッジホルダにディスクカートリッジの挿入方向に往復
摺動可能に取付けられ、ディスクカートリッジのローデ
ィング・エジェクト動作により摺動されるローディング
スライダと、ローディングスライダに摺動及び回動可能
に連結され、ディスクカートリッジの係合凹部に係合さ
れる係合爪を備えたロックレバーとを有し、ローディン
グスライダの往動によりカートリッジホルダに挿入され
てロックレバーの係合爪に係合されたディスクカートリ
ッジを引き込み、ローディングスライダの復動によりデ
ィスクカートリッジを所定位置まで押し出し、ローディ
ングスライダに対するロックレバーの摺動によりディス
クカートリッジを更に押し出すように構成してある。

【０００７】また、上記ロックレバーの係合爪は板ばね
部を介して取付けて構成してある。

【０００８】また、上記ロックレバーは上記ローディン
グスライダに対して常時前方へばね部材により付勢さ
れ、後方への摺動状態で係止されるように構成してあ
る。

【０００９】さらに、上記カートリッジホルダに上記ロ
ックレバーの上記ローディングスライダに対する係止を
解除する解除部材を設けて構成してある。

【００１０】

【作用】以上のように構成される本発明のディスクカー
トリッジローディング装置は、ディスクカートリッジを
カートリッジホルダに挿入すると、ローディングスライ
ダに連結されたロックレバーの係合爪に、ディスクカー
トリッジの係合凹部が係合し、この状態でロックレバー
がローディングスライダに対して所定距離摺動して係合
し、このローディングスライダとロックレバーが一体的
に往摺動されてディスクカートリッジは所定部位にロー
ディングされる。エジェクト動作は、ローディングスラ
イダの復摺動によりディスクカートリッジがカートリッ
ジホルダから所定位置まで押し出された状態でロックレ
バーが摺動されてディスクカートリッジはさらに押し出
される。このロックレバーの摺動はばね部材の付勢力に
より行うようにすればディスクカートリッジは飛び出す
ように押し出されることになる。

【００１１】

【実施例】以下、この発明の一実施例を図面と共に詳述
する。

【００１２】図１〜図７においては、１はディスクカー
トリッジローディング装置の全体を示し、図１３に示す
如き光磁気ディスク１０１を収納したディスクカートリ
ッジ１００を記録再生駆動機構に対してローディング／
アンローディング（エジェクト）させるものである。こ
のディスクカートリッジローディング装置１の矩形金属
板状のシャーシ２の中央には、駆動機構を構成するター
ンテーブル３をモータの駆動軸４を介して回転自在に支
持してある。このシャーシ２の中央から図において右端
縁に垂下した右側部２ａ側にかけて略矩形の切欠部２ｂ
を形成してある。この切欠部２ｂに対向するシャーシ２
の下側には、スライドガイド軸５と送りねじ６を介して
光学ピックアップ７をターンテーブル３に載置される光
磁気ディスク１０１のラジアル方向に沿って往復移動自
在に配設してある。図２に示すように、光学ピックアッ
プ７の取付台７ｂの下面後部には側面略Ｌ字形の支持板
８の下部を固定しある。この支持板８の上部に形成され
た一対の孔部８ａ，８ａには支軸９を介して略Ｌ字形の
支持アーム１０の中途部１０ａを上下方向に揺動自在に
支持してある。この支持アーム１０の先端部１０ｂに取
付けられたジンバル１１はシャーシ２の切欠部２ｂの上
方まで延びている。このジンバル１１には外部磁界発生
手段としてのフライング磁気ヘッド１２をピックアップ
７の対物レンズ７ａに対向するように取付けてあり、こ
の光学ピックアップ７とフライング磁気ヘッド１２によ
り記録再生機構を構成している。また、この支持アーム
１０の下端部１０ｃにはシャーシ２の右側部２ａ側まで
延びる軸１３を取付けてある。尚、支持アーム１０の中
途部１０ａを支持している支軸９には、支持アーム１０
の先端部１０ｂを常に上方に付勢する捩りコイルバネ１
４を巻装してある。

【００１３】また、シャーシ２上にはその右側部２ａに
平行になるようにその前後方向に一対のガイドピン１
８，１８を突設してあると共に、このシャーシ２の左端
縁に垂下した左側部２ｃに平行になるようにその前後方
向に一対のガイドピン１９，１９を突設してある。この
一方の一対のガイドピン１８，１８は各頭部１８ａが円
錐状に形成してあると共に各軸部１８ｂが円柱状に形成
してあってディスクカートリッジ１００のローディング
動作完了時の位置決めピンを兼ねている。また、他方の
一対のガイドピン１９，１９はフラットな各頭部を有し
たＴ字形に形成してある。そして、このシャーシ２上に
は各一対のガイドピン１８，１８及び１９，１９を介し
て金属板製のメインスライダ２０の前後方向に所定距離
（例えば片道約７ｍｍ）裕福摺動自在に支持してある。

【００１４】このメインスライダ２０は、底部２１と、
この底部２１の両側から垂直に一体起立成形した一対の
側部２２ａ，２２ｂとで正面略凵字形に形成してある。
このメインスライダ２０の底部２１には、各一対のガイ
ドピン１８，１８及び１９，１９が挿入される各一対の
溝孔２１ａ，２１ａ及び２１ｂ，２１ｂをそれぞれ形成
してある。また、このメインスライダ２０の底部２１の
シャーシ２の切欠部２ｂに対向する位置にはこの切欠部
２ｂより大形の略矩形の切欠部を形成してある。このメ
インスライダ２０の両側部２２ａ，２２ｂの前後側に
は、それぞれ前側から後側に亘って徐々に上昇するよう
に形成された各一対のカム溝孔２２ａ₁ ，２２ｂ₁ を有
している。また、このメインスライダ２０の右側部２２
ａの中央は水片部２２ｃを外側に突出するように一体折
曲げ形成してある。この水平片部２２ｃの前端部には第
１の突当片２２ｄとこの突当片２２ｄから後方へ所定の
間隔を置いて第２の突当片２２ｅを一体に切起状に形成
してある。

【００１５】また、このメインスライダ２０の右側部２
２ａの前端上端部には水平に二叉状の係合片２２ｆを形
成し、後端上端部には水平に支持片２２ｇを形成してあ
り、一方、左側部２２ｂのほぼ中央部には水平方向に支
持ピン２２ｈを突設してある。

【００１６】そして、メインスライダ２０の右側部２２
ａの水平片部２２ｃの後部には矩形板状のラック２３を
ネジ止めにより水平になるように取付けてあり、このラ
ック２３の外縁部の前側に形成された歯部２３ａ（図５
参照）は駆動ギヤ２４の上部の間欠ギヤ部２４ａに噛合
している。この駆動ギヤ２４は、シャーシ２の右側部２
ａにネジ止めされたサブシャーシ１５に軸１６を介して
回動自在に支持してある。また、この駆動ギヤ２４の下
部のギヤ部２４ｂは、４つの減速ギヤ列２５を介してサ
ブシャーシ１５に固定されたモータ２６のウォームギヤ
２７に噛合してある。このモータ２６の回動（正，逆回
転）によりメインスライダ２０はシャーシ２上の前後方
向を往復摺動するようになっている。

【００１７】また、図５に示すように、ラック２３の後
側には３つの段差部２３ｂ₁ 〜２３ｂ₃ を有した孔状の
カム溝２３ｂを形成してある。このカム溝２３ｂには、
ラック２３の下方のシャーシ２上に枢支ピン２８で枢支
された略三角形のカム２９のピン３０を遊嵌してある。
このカム２９のメインスライダ２０側の頂部にはピン３
１を突設してある。このピン３１は、ラック２３に隣接
してシャーシ２上にピン３２により前後方向にスライド
自在に支持された合成樹脂のスライド板３３の略中央部
に貫通枢着してある。このスライド板３３の後側下面に
は凹部３３ａを形成してある。この凹部３３ａに前述し
た支持アーム１０の下端部１０ｃに枢支された軸１３を
遊嵌してある。そして、メインスライダ２０の往復摺動
で上記ラック２３も前後方向に往復移動することにより
支持アーム１０の先端部１０ｂ側が３段階に上下方向に
揺動するようになっている。即ち、カム２９のピン３０
がラック２３のカム溝２３ｂの段差部２３ｂ₁ の位置の
時に、支持アーム１０の先端側に取付けられた磁気ヘッ
ド１２が光学ピックアップ７の対物レンズ７ａから最も
離れた待機ポジション（エジェクトポジション）にな
り、また、カム２９のピン３０が図 に示すようにラッ
ク２３のカム溝２３ｂの段差部２３ｂ₂ の位置の時に、
支持アーム１０の先端側に取付けられた磁気ヘッド１２
が光学ピックアップ７の対物レンズ７ａに近接した再生
ポジションになり、さらに、カム２９のピン３０がラッ
ク２３のカム溝２３ｂの２３ｂ₃ の位置の時に、アーム
１０の先端側に取付けられた磁気ヘッド１２が光学ピッ
クアップ７の対物レンズ７ａに最も近接した記録ポジシ
ョンになるように構成してある。この再生ポジション
は、図４に示すようにサブシャーシ１５に取付けられた
位置決めスイッチ３４の操作レバー３４ａがメインスラ
イダ２０の第１の当片２２ｄに当たることにより検出さ
れるようになっていると共に、記録ポジションは、サブ
シャーシ１５に取付けられた位置決めスイッチ３５の操
作レバー部３５ａがメインスライダ２０の第２の突当片
２２ｅに当たることにより検出されるようになってい
る。また、メインスライダ２０の右側部２２ａの前端上
縁部に形成された二叉状の係合片２２ｆはシャーシ２に
軸着した回転支持体３６に係合されている。この回転支
持体３６はシャーシ２に植立された軸ピン３７に枢支さ
れる軸筒部３６ａに支持アーム片部３６ｂと係合アーム
片部３６ｃを軸筒部３６ａと直交する方向、即ち水平方
向に突出形成してあり、係合アーム片部３６ｃに突設し
た突子３６ｃ₁ を二叉状の係合片２２ｆの二叉部２２ｆ
₁ に係合してある。

【００１８】このように構成されるメインスライダ２０
の両側部２２ａ，２２ｂ間には、ディスクカートリッジ
１００が挿入保持されるカートリッジホルダ４０をシャ
ーシ２に対して上下方向に移動自在に支持してある。こ
のカートリッジホルダ４０は、図６及び図７に示すよう
に上面部４１と、この上面部４１の両側から垂直下方に
一体成形された両側部４２ａ，４２ｂとで正面逆凵字形
に形成してある。このカートリッジホルダ４０の上面部
４１のシャーシ２の切欠部２ｂにほぼ対向する位置には
矩形の窓部４１ａを形成してある。このカートリッジホ
ルダ４０のメインスライダ２０の両側部２２ａ，２２ｂ
の前後に一対のカム溝孔２２ａ₁ ，２２ｂ₁ に対向する
位置にはこの各一対のカム溝孔２２ａ₁ ，２２ｂ₁ に遊
嵌される前後に各一対の係合ピン４３ａ，４３ｂをそれ
ぞれ突設してある。このカートリッジホルダ４０の両側
部４２ａ，４２ｂの後側の各係合ピン４３ａ，４３ｂ
は、シャーシ２の両側部２ａ，２ｃの後方に起立した各
凹部２ｄにさらにそれぞれ遊嵌してある。また、カート
リッジホルダ４０の両側部４２ａ，４２ｂの内面前側の
下縁にはディスクカートリッジ１００を載置する一対の
水平片部４２ａ₁ ，４２ｂ₁ を対向するように折り曲げ
一体成形してあり、右側部４２ａの内側の中央及び左側
部４２ｂの内側の後部にはディスクカートリッジ１００
の両側の長、短ガイド溝１００ｂ，１００ｃに遊嵌され
る突出部４２ｃ，４２ｄをそれぞれ水平に折り曲げ形成
してある。さらに、カートリッジホルダ４０の右側部４
２ａの上側には長溝孔４２ｅを形成してあると共に、そ
の前側には突出部４２ｆを外側に垂直に折り曲げ形成し
てあり、また、前部には隆起状に突当部４２ｇを突出形
成してある。

【００１９】また、カートリッジホルダ４０の上面部４
１に窓部４１ａより左側部面に位置して、一対の円錐状
の位置決めピン４４ａ，４４ｂを植設してあり、この位
置決めピン４４ａ，４４ｂは頭部４４ａ₁ ，４４ｂ₁ が
円錐状で、軸部４４ａ₂ ，４４ｂ₂ が円柱状に形成され
て、この軸部４４ａ₂ ，４４ｂ₂ の下部にはフランジ４
４ａ₃ ，４４ｂ₃ が形成され、このフランジ４４ａ₃ ，
４４ｂ₃ とカートリッジホルダ４０の上面部４１の表面
との間に所定の間隙が設けられている。また、このカー
トリッジホルダ４０の上面部４１の四角部にはディスク
カートリッジ１００の押えばね４５ａ，４５ｂ，４５
ｃ，４５ｄを配設してある。

【００２０】そして、このように構成されるカートリッ
ジホルダ４０の上面部４１には、この上面部の前後方向
に突出した一対のガイドピン４６ａ，４６ｂ等を介して
ディスクカートリッジ１００を係止して光学ピックアッ
プ７側に引き込んだり、前側にエジェクトするローディ
ングスライダ５０を往復摺動自在に取付けてある。この
ローディングスライダ５０は金属板により水平部５１
と、この水平部５１の右端縁の下方に垂直に折り曲げ形
成された右側面部５２と、この右側面部５２の下端縁か
ら水平に折り曲げ形成された水平部５３とにより形成し
てある。このローディングスライダ５０の水平部５１は
カートリッジホルダ４０の上面部４１の略右半部に対応
する幅で、この上面部４１の前後方向の寸法より短寸の
長さの平面板状で、カートリッジホルダ４０の窓部４１
ａと対応する窓部５１ａを形成してあり、右側部には前
述した一対のガイドピン４６ａ，４６ｂに遊嵌される一
対のガイド長孔５１ｂ，５１ｃを前後に形成し、また、
後端縁には下方に垂直に折り曲げられた係合片５１ｄを
形成してある。そしてこの水平部５１の内側縁、即ち、
左側縁をカートリッジホルダ４０の上面部４１とその中
央部側の位置決めピン４４ａのフランジ４４ａ₃ との間
の間隙に係合すると共にガイド長孔５１ｂ，５１ｃをガ
イドピン４６ａ，４６ｂに遊嵌することによりローディ
ングスライダ５０をカートリッジホルダ４０に前後方向
に往復摺動自在に取付ける。

【００２１】また、このローディングスライダ５０の水
平片部５３には、ディスクカートリッジのロックレバー
５４が取付けられている。このロックレバー５４はディ
スクカートリッジ１００の係合凹部１００ｇに係合、離
反する合成樹脂製の係合爪５５を先端部に固定した板ば
ね部５６の基端部上縁から水平に摺動面部５７を折り曲
げ形成し、この摺動面部５７の前後部に前端に係合縁５
７ａ₁ を有する係合ガイド長孔５７ａとやや傾斜するガ
イド長孔５７ｂを形成すると共に側縁に、ガイド長孔５
７ｂの略中央に対応してばね掛爪部５７ｃを立上げ形成
して構成されている。

【００２２】このロックレバー５４はローディングスラ
イダ５０の水平片部５３の下面側にガイド長孔５７ｂを
介して係合ピン５８により前後方向に摺動自在に取付
け、係合ガイド長孔４７ａを水平片部５３の前端に立下
げ形成した係合爪部５３ａに係合させるようにしてあ
り、このロックレバー５４を後方に摺動させた状態で係
合ガイド長孔５７ａの係合縁５７ａ₁ が係合爪部５３ａ
に係合され、また、このロックレバー５４はばね掛爪部
５７ｃとローディングスライダ５０の右側面部５２の前
部に水平に折曲形成した突押片部５２ａとの間に引張り
コイルばね５９を張架してロックレバー５４を常時前方
へ摺動付勢させている。このように、ロックレバー５４
はローディングスライダ５０に取付けられることにより
板ばね部５６の先端部の係合爪５５がローディングスラ
イダ５０の右側面部５２からカートリッジホルダ４０の
内側に右側部４２ａの下縁側から突出され、またロック
レバー５４の摺動面部５３の内側縁が、ローディングス
ライダ５０の前方への摺動時にカートリッジホルダ４０
の右側部４２ａの前部に突出形成した突当部４２ｇに当
接するようになされている。

【００２３】そして、図４に示すようにローディングス
ライダ５０の水平片部５３の後部にディスクカートリッ
ジ挿入完了検出スイッチ６０を取付けてあると共に、そ
の前部にはエジェクト完了検出スイッチ６１を設けてあ
る。このディスクカートリッジ挿入完了検出スイッチ６
０の揺動式の操作レバー部６０ａはカートリッジホルダ
４０の右側部４２ａの長溝孔４２ｅより内側に突出して
おり、ローディングスライダ５０の後方への摺動前にお
いてカートリッジホルダ４０の右側部４２ａの突出部４
２ｃのやや後方に位置される（図３参照）。また、エジ
ェクト完了検出スイッチ６１のプッシュ式の操作レバー
部６１ａはカートリッジホルダ４０の右側部４２ａの突
出部４２ｆに対向する位置に位置している。

【００２４】また、ローディングスライダ５０の水平片
部５３の中央にはピン６２を下方に垂直に突出するよう
にカシメ固定してある。このピン６２には図４に示すよ
うに前述したサブシャーシ１５に起立した支柱６３の軸
６４に揺動自在に支持された第１の揺動板６５の凹部６
５ａに遊嵌してある。この第１の揺動板６５の前述した
駆動ギヤ２４側には円弧カム溝６５ｂを形成してある。
また、この第１の揺動板６５の上側には第２の揺動板６
６を軸６４に揺動自在に支持してある。この第２の揺動
板６６の駆動ギヤ２４側には円弧カム溝６５ｂとでカム
溝孔６７を形成する円弧カム面６６ｂを形成してある。
このカム溝孔６７には駆動ギヤ２４の上面に偏心して突
出した駆動ピン６８を遊嵌してあり、この駆動ギヤ２４
の回転によりローディングスライダ５０がカートリッジ
ホルダ４０上を所定距離（例えば片道１６．５ｍｍ）往
復摺動自在に構成してある。さらに、第１の揺動板６５
の凹部６５ａと第２揺動板６６の基端部６６ａとの間に
は引張りコイルバネ６９を張架してある。

【００２５】また、サブシャーシ１５に取付けられた位
置決めスイッチ３４，３５側の電気回路７０とローディ
ングスライダ５０の水平片部５３に取付けたディスクカ
ートリッジ挿入完了検出スイッチ６０、エジェクト完了
検出スイッチ６１側の電気回路７１とをフレキシブル配
線基板７２により接続してある。この配線基板７２は第
１の基板部７３と、第２の基板部７４と、この両基板部
７４を連結する狭幅帯状の結線部７５とから形成されて
おり、第１の基板部７３は位置決めスイッチ３４，３５
側の電気回路７０側に固着され、第２の基板部７４は検
出スイッチ６０，６１側の電気回路７１側に固着されて
いる。

【００２６】そして、結線部７５は一方の基板部７３に
対して垂直に固定され、Ｕ字状にたるませた状態で第２
の基板部７４側において半回転のねじりが加えられてＵ
字状たるみ部７５ａが常時下方へ偏倚させるように成さ
れている。

【００２７】以上のように構成されるディスクカートリ
ッジローディング装置１は図３及び図４に示すように外
装のサブシャーシ８０内に収納支持される。このサブシ
ャーシ８０は図８及び図９に示すように上面部８１と前
面部８２と両側面部８３，８４を有する筐体状に形成さ
れており、前面部８１にはディスクカートリッジの挿入
開口部８５が形成され、この挿入開口部８５を開閉する
シャッタ８６と開口部８５に対応する表示プレート８７
が備えられている。

【００２８】また、シャッタ８６は前述したローディン
グスライダ５０の摺動動作に連動する開閉機構８９によ
り開閉動作される。この開閉機構８９はサブシャーシ８
０の前面部８２の内面右側部に上下方向に回動自在に軸
着され、シャッタ８６と係合する回動部材８９ａと、上
面部８１の内面右側部に水平方向に回動自在に軸着さ
れ、前述したローディングスライダ５０の摺動により突
押片部５２ａによって押圧されて回動する搖動部材８９
ｂとから構成される。回動部材８９ａは略扇形状で中央
部において軸ピン８９ｃに軸着され、その一端部側に係
合ピン８９ａ₁ が突設されてシャッタ８６の右側端部に
形成された二叉爪８６ａに係合されており、また他端部
には連動ピン８９ａ₂ が突設されて搖動部材８９ｂの前
端の立上り二叉爪８９ｂ₁ に係合されている。搖動部材
８９ｂは後端部においてねじピン８９ｄにより軸着され
ており、内側縁には前述した突押片部５２ａが当接する
立上げ当接縁８９ｂ₂ が形成されている。また、回動部
材８９ａは軸ピン８９ｃに巻装されたねじりコイルスプ
リング８９ｅにより常時シャッタ８６を閉塞させる方向
に回動付勢されている。

【００２９】このように構成されるサブシャーシ８０に
収納されるディスクカートリッジローディング装置１は
外部からの振動の影響を受けないようにサブシャーシに
対し前後左右及び上下、即ちＸＹ方向及びＺ方向に揺動
可能にダンパー機構を介して支持される。このため、図
１〜図３に示すようにディスクカートリッジローディン
グ装置１のシャーシ２の右側部２ａの前後部及び左側部
側の中央部下面にダンパー機構の支持部材９１，９２及
び９３が取り付けられている。

【００３０】このうち、右側部２ａ側の支持部材９１，
９２は円形のフランジ部９１ａ，９２ａの中心部に支持
ロッド９１ｂ，９２ｂを突設して形成されて、フランジ
部９１ａ，９２ａを直接、シャーシ２の右側部２ａに固
着してあり、また左側部側の支持部材９３は前述の支持
部材９１，９２と同様に円形のフランジ部９３ａと支持
ロッド９３ｂから形成されるが、これは脚片９３ｃに一
体的に形成されて、この脚片９３ｃによりシャーシ２の
左側部側の中央部下面に固着してある。

【００３１】このように構成される支持部材９１，９２
及び９３に夫々支持されるダンパー機構９４，９５及び
９６を介して装置１がサブシャーシ８０支持される。こ
のダンパー機構９４，９５及び９６は圧縮コイルばね９
４ａ，９５ａ及び９６ａとオイルを充填したゴム製弾性
体９４ｂ，９５ｂ及び９６ｂとこの弾性体を嵌入し圧縮
コイルばねに連結する固定台座９４ｃ，９５ｃ及び９６
ｃから構成されている。そして、このダンパー機構９
４，９５及び９６は圧縮コイルばね９４ａ，９５ａ及び
９６ａの口端部を支持部材９１，９２及び９３のフラン
ジ部９１ａ，９２ａ及び９３ａに嵌合し、固定台座９４
ｃ，９５ｃ及び９６ｃの外端面に形成した係合爪９４ｃ
₁ ，９５ｃ₁ 及び９６ｃ₁ をサブシャーシ８０の両側面
部８３及び８４に形成した係合溝孔８３ａ，８３ｂ及び
８４ａに係合することにより、装置１のシャーシ２とサ
ブシャーシ８０との間に介装する。これにより装置１は
サブシャーシ８０に対してＸＹ方向及びＺ方向に揺動可
能に支持される。

【００３２】なお、このダンパー機構９４と９５は装置
１の右側にまた、ダンパー機構９６は左側に介装され、
２対１の状態となるので、両側のバランスを取るために
左側のダンパー機構９６の圧縮コイルばね９６ａの弾性
力を右側のダンパー機構９４と９５の圧縮コイルばね９
４ａと９５ａの弾性力より大にしてある。

【００３３】また、サブシャーシ８０には装置１をロー
ディング及びアンローディング動作時に位置決め固定状
態で支持できるように係合機構が設けられている。この
係合機構はサブシャーシ８０の上面部８１の右側内面に
固定され、前述した装置１のメインスライダ２０の右側
部２２ａの後端上縁部に水平に形成された支持片２２ｇ
が挿入係合される係合支持片９７ａと、この係合支持片
９７ａの前方に位置して固定され、前述したシャーシ２
の右側前部に枢支される回転支持体３６の支持アーム片
３６ｂが係合される係合支持片９７ｂと、サブシャーシ
８０の左側面部８４に形成され、前述したメインスライ
ダ２０の左側部２２ｂのほぼ中央部に水平方向に突設し
た支持ピン２２ｈが係合される係合溝孔９８と、サブシ
ャーシ８０の上面部８１に穿設され、前述したカートリ
ッジホルダ４０の上面部４１の左側部面側に位置して植
設された一対の位置決めピン４４ａ，４４ｂが嵌挿され
る一対の係合孔９９ａ，９９ｂとから構成される。

【００３４】このうち、後側の係合支持片９７ａは水平
部９７ａ₁ と垂直部９７ａ₂ を有し、この両部９７ａ₁
と９７ａ₂ との間の角部に後方に開放するスリット部９
７ａ₃ が形成されて、このスリット部９７ａ₃ に支持片
２２ｇが、水平部９７ａ₁ に摺接状態で挿入されて上下
方向に支持される。また、前側の係合支持片９７ｂは水
平方向の係合溝部９７ｂ₁ が形成され、この係合支持片
９７ｂ₁ の前端の上下縁に上下方向に傾斜する案内片部
９７ｂ₂ ，９７ｂ₃ を突設して形成されており、この係
合溝部９７ｂ₁ に案内片部９７ｂ₂，９７ｂ₃ に案内さ
れて回転支持体３６の支持アーム３６ｂが挿入され、上
下方向に支持される。

【００３５】係合溝孔９８は前部が支持ピン２２ｈの直
径とほぼ等しいか、やや大の幅を有する係合溝孔部９８
ａと、この後端から上下方向に傾斜する案内部９８ｂと
この案内部９８ｂから後方へ連続する幅広孔部９８ｃと
から形成され、支持ピン２２ｈは幅広孔部９８ｃから案
内部９８ｂを通して係合溝孔９８ａに係合されて上下方
向に支持される。

【００３６】また、一方の位置決めピン４４ａが嵌挿さ
れる一方の係合孔９９ａは、位置決めピン４４ａの軸部
４４ａ₂ と同径かやや大径の真円に形成され、他方の位
置決めピン４４ｂが嵌挿される他方の係合孔９９ｂは、
前後方向の径は位置決めピン４４ｂの直径と同一かやや
大で、左右方向の径を大にした横長円形に形成されてお
り、一方の位置決めピン４４ａは前後、左右方向に位置
決め支持され、他方の位置決めピン４４ｂは前後方向に
位置決め支持される。

【００３７】以上のようにサブシャーシ８０に収納支持
されるディスクカートリッジローディング装置１は例え
ば図１２に示す如き外装ケース１１０にサブシャーシ８
０を介して内蔵される。

【００３８】前述したディスクカートリッジ１００は図
１３に示すように上下ハーフより筐形に形成されてその
内部に記録、再生可能な小型（例えば直径６５ｍｍ）の
光磁気ディスク１０１を回転自在に収納してある。この
光磁気ディスク１０１の中央には金属製のチャッキング
ハブ１０２を固着してある。このチャッキングハブ１０
２はディスクカートリッジ１００の下ハーフ中央の円形
の開口部１００ａより外に露出している。また、ディス
クカートリッジ１００の両側部には長ガイド溝１００ｂ
と短ガイド溝１００ｃを形成してある。この長ガイド溝
１００ｂ側の上下ハーフには記録再生用の矩形の開口部
１００ｄを形成してある。この開口部１００ｄは金属製
でコ字型のシャッタ１０３により開閉自在になってい
る。さらに、ディスクカートリッジ１００の底部の長ガ
イド溝１００ｂ側の前後には一対の位置決め丸穴部１０
０ｅ及び位置決め長穴部１００ｆを形成してあると共
に、長ガイド溝１００ｂのシャッタ１０３の先端部１０
３ａ側には係合凹部１００ｇを形成してある。このシャ
ッタ１０３の先端部１０３ａはディスクカートリッジ１
００内の長ガイド溝１００ｂ側に設けられた略Ｕ字形の
ロックレバー１０４により閉状態をロックされるように
なっている。尚、シャッタ１０３は図示してバネにより
開口部１００ｄを常に閉じる方向に付勢されている。

【００３９】以上実施例のディスクカートリッジローデ
ィング装置１によれば、光磁気ディスク１０１が収納さ
れたディスクカートリッジ１００をローディングする前
の状態ではカートリッジホルダ４０はメインスライダ２
０が前進されてこの両側部２２ａ，２２ｂのカム溝孔２
２ａ₁ ，２２ｂ₁ に遊嵌している係合ピン４３ａ、４３
ｂを介して上昇されて上面部４１の位置決めピン４４
ａ，４４ｂがサブシャーシ８０の上面部８１の係合孔９
９ａ，９９ｂに嵌挿されて前後方向及び左方向、即ちＸ
Ｙ方向に位置決めされている。

【００４０】一方、メインスライダ２０の前進によりこ
の右側部２２ａの後端上縁部に形成された支持片２２ｇ
がサブシャーシ８０の上面部８１の内側に固定された係
合支持片９７ａのスリット部９７ａ₃ に、水平部９７ａ
₁ に摺接状態で挿入されると共に右側部２２ａの前端上
縁部に形成された二叉状係合片２２ｆによりシャーシ２
に軸着した回転支持体３６が回転されてこの回転支持体
３６の支持アーム片３６ｂが係合支持片９７ｂの係合溝
部９７ｂ₁ に挿入され、また左側部２２ｂの支持ピン２
２ｈが係合溝９８の係合溝孔９８ａに係合されてメイン
スライダ２０はサブシャーシ８０に対し上下方向、即ち
Ｚ方向に位置決めされている。

【００４１】また、この状態でローディングスライダ５
０の右側水平片部５３に支持されたロックレバー５４は
引張りコイルばね５９により前方へ摺動されて板ばね部
５６の先端部の係合爪５５がカートリッジホルダ４０の
右側部４２ａの内側に下縁側から突出されて突出部４２
ｃのほぼ下側に位置している。

【００４２】このように、ローディング前の状態ではメ
インスライダ２０及びカートリッジホルダ４０がサブシ
ャーシ８０に対して位置決めされることにより装置１は
全体的にサブシャーシ８０に対し固定状態で支持され
る。また、この状態でローディングスライダ５０は前進
されているため、この突押片部５２ａがサブシャーシ８
０側のシャッタ開閉機構８９の搖動部材８９ｂを押圧し
て回動させ、これにより回動部材８９ａを介してシャッ
タ８６が押し下げられて開口部８５が開放されており、
この開放された開口部８５の前側には表示プレート８７
が回動自在に垂下されている。

【００４３】この状態でディスクカートリッジ１００を
サブシャーシ８０の開口部８５から表示プレート８７を
押し込むようにしてカートリッジホルダ４０に挿入する
と、先ずディスクカートリッジ１００の係合凹部１００
ｇが、カートリッジホルダ４０の右側部４２ａの内側に
突出しているロックレバー５４の係合爪５５に係合し、
この状態でディスクカートリッジ１００を押込むとロッ
クレバー５４がディスクカートリッジ１００と共にロー
ディングスライダ５０の水平片部５３に沿って引張りコ
イルバネ５９の弾力に抗して摺動（例えば６ｍｍ摺動）
され、ディスクカートリッジ１００の挿入側端がローデ
ィングスライダ５０の後端縁の係合片５１ｄに当接され
る。

【００４４】この際、カートリッジホルダ４０の右側部
４２の突出部４２ｃにディスクカートリッジ１００の長
ガイド溝１００ｂが入りディスクカートリッジ１００の
シャッタ１０３のロック状態が解除される。カートリッ
ジホルダ４０に対してディスクカートリッジ１００を更
に挿入すると、ローディングスライダ５０が引張りコイ
ルバネ６９の張力に抗して摺動し、この摺動の初期の状
態でロックレバー５４は内縁側がカートリッジホルダ４
０の右側部４２の前部の突当部４２ｇから離れて係合ピ
ン５８との係合部を支点として回転し、係合ガイド長孔
５７ａの係合縁５７ａ₁ がローディングスライダ５０の
水平片部５３の係合爪部５３ａに係合してローディング
スライダ５０に対してロックされ一体化状態となる。

【００４５】そして、ディスクカートリッジ１００を更
に押し込むとローディングスライダ５０の右側部５２に
取付けられたディスクカートリッジ挿入完了検出スイッ
チ６０の操作レバー部６０ａがディスクカートリッジ１
００に押されてこの検出スイッチ６０がＯＮになり、か
つエジェクト完了検出スイッチ６１がＯＦＦになってロ
ーディング用のモータ２６をＯＮさせる。ディスクカー
トリッジ挿入完了スイッチ６０は、ディスクカートリッ
ジ１００がカートリッジホルダ４０に正しく挿入された
ときのみ動作されるように、初期位置のカートリッジホ
ルダ４０の突出部４２ｃの後方に位置するようにローデ
ィングスライダ５０の右側部５２に取付けてあり、ディ
スクカートリッジ１００の誤挿入対策も兼ねている。

【００４６】以上のディスクカートリッジ１００のディ
スクカートリッジ４０に対する挿入・押込み動作は連続
したいわゆるワンタッチ方式の一動作により行われ、こ
れにより各機構動作は連続して行われる。この際、スイ
ッチ６０及び６１が動作しない状態、すなわち、モータ
２６が駆動されず、ローディングスライダ５０が摺動さ
れない時は、ロックレバー５４はカートリッジホルダ４
０の突当部４２ｇから離れないため、ローディングスラ
イダに対して係合されず、このためディスクカートリッ
ジ１００は引張りコイルバネ５９の弾力によりロックレ
バー５４は戻り、これによりディスクカートリッジ１０
０はカートリッジホルダ４０から押し出されることにな
る。

【００４７】以上の動作により、カートリッジホルダ４
０にディスクカートリッジ１００が挿入完了され、モー
タ２６がＯＮされると、モータ２６に取付けたウォーム
ギヤ２７や減速ギヤ列２５を介して駆動ギヤ２４が図中
時計方向に回転する。この駆動ギヤ２４の回転により駆
動ギヤ２４上に偏心して突設された駆動ピン６８が後方
に移動する。この駆動ピン６８により第１及び第２の揺
動板６５，６６が図中時計方向に揺動してカートリッジ
ホルダ４０に対してローディングスライダ５０を後方に
摺動（往動）させる。このローディングスライダ５０の
水平方向の摺動によりこのローディングスライダ５０と
一体化状態にあるロックレバー５４の係合爪５５により
ディスクカートリッジ１００がターンテーブル３の上方
に引き込まれると共に、このローディングスライダ５０
によるディスクカートリッジ１００の引き込み時に、停
止しているカートリッジホルダ４０の右側部４２の突出
部４２ｃでディスクカートリッジ１００のシャッタ１０
３が開けられる。

【００４８】このようにディスクカートリッジ１００が
カートリッジホルダ４０内に完全に挿入された状態、即
ちローディングスライダ５０が後退されると、その右側
部前端の突押部５２ａがサブシャーシ８０のシャッタ開
閉機構８９の搖動部材８９ｂから離れ、この搖動部材８
９ｂは押圧が解除されて回動自在となり、これにより回
動部材８９ａがねじりコイルスプリング８９ｅの付勢力
により回動されてシャッタ８６を押し上げ開口部８５が
閉塞される。一方、表示プレート８７はサブシャーシ８
０内に跳上げられた状態で押し上げられたシャッタ８６
により保持される。このシャッタ８６の閉塞状態ではこ
の前面が開口部８５に表出され、ディスクカートリッジ
が挿入されていることを認識させ、またディスクカート
リッジの重複挿入を阻止する。

【００４９】このように、ローディングスライダ５０に
よるディスクカートリッジ１００の引き込み完了後に、
駆動ギヤ２４の間欠ギヤ２４ａがメインスライダ２０の
ラック２３に噛合する。これにより、メインスライダ２
０がシャーシ２に対して後方に摺動（往動）する。この
メインスライダ２０の往動により、このメインスライダ
２０の両側部２２ａ，２２ｂの各一対のカム溝孔２２ａ
₁ ，２２ｂ₁ に各一対の係合ピン４３ａ，４３ｂを遊嵌
しているカートリッジホルダ４０が下降する。このメイ
ンスライダ２０は、ディスクカートリッジ１００の光磁
気ディスク１０１を再生する場合に、メインスライダ２
０の一方の突出部２２ｄが位置検出スイッチ３４の操作
レバー部３４ａに当たって位置決めされる位置まで摺動
し、また、光磁気ディスク１０１に記録する場合に、メ
インスライダ２０の他方の突出部２２ｅが位置検出スイ
ッチ３５の操作レバー部３５ａに当たって位置出しされ
るまでラック２３等でさらに後方に摺動する。そして、
カートリッジホルダ４０の下降によりローディングスラ
イダ５０もカートリッジホルダ４０と共に下降する（例
えば約３．２ｍｍ下降する）。これらの下降により、ロ
ーディングスライダ５０により引き込まれてカートリッ
ジホルダ４０に保持されたディスクカートリッジ１００
の前後の位置決め丸穴１００ｅ及び位置決め長穴１００
ｆがシャーシ２上のメインスライダ２０の摺動をガイド
する位置決め品を兼用した前後一対のガイドピン１８，
１８に嵌入されてディスクカートリッジ１００のシャー
シ２上に位置決めされる。この時、ガイドピン１８の円
錐状の頭部１８ａによりディスクカートリッジ１００の
各孔１００ｅ，１００ｆが確実に案内され、各ガイドピ
ン１８の軸部１８ｂにそれぞれ確実に嵌め込まれてロー
ディング動作が完了するので、ディスクカートリッジ１
００が光磁気ディスク１０１のラジアル方向にがた付く
ことがなく、良好な記録、再生が可能となる。尚、メイ
ンスライダ２０のラック２３と駆動ギヤ２４の間欠ギヤ
部２４ａの噛み合い始めは、第１の揺動板６５でラック
２３が少し動かされることにより確実に噛み合わされ
る。

【００５０】このメインスライダ２０の摺動（往動）と
カートリッジホルダ４０の下降の一連の動作において、
メインスライダ２０の摺動により支持片２２ｇがサブシ
ャーシ８０の係合支持片９７ａのスリット部９７ａ₃ か
ら離脱すると共に回転支持体３６が回転されて支持アー
ム片３６ｂが係合支持片９７ｂの係合溝部９７ｂ₁ から
離脱し、また、支持ピン２２ｈが係合溝９８の係合溝孔
部９８ａから幅広孔部９８ｃに移動されることになって
メインスライダ２０と一体結合状態にあるシャーシ２は
サブシャーシ８０に対して上下方向に移動可能、即ち、
上下方向の位置決めが解除される。また、カートリッジ
ホルダ４０の下降により、その上面部４１の位置決めピ
ン４４ａ及び４４ｂはサブシャーシ８０の上面部８２の
係合孔９９ａ及び９９ｂから抜脱されてカートリッジホ
ルダ４０、即ちシャーシ２は前後及び左右方向の位置決
めが解除される。これにより、装置１は全体としてサブ
シャーシ８０に対してダンパー機構９４，９５及び９６
を介して前後、左右及び上下即ちＸ，Ｙ方向及びＺ方向
に搖動可能となり、サブシャーシ８０から装置１側への
振動の伝達が阻止される。

【００５１】このようにメインスライダ２０の往動が位
置検出スイッチ３４により位置決めされて停止（初期状
態より約５ｍｍ移動して停止）される再生可能状態にお
いて、ラック２３は所定位置まで移動している。この
時、このラック２３の下方にあるカム２９によりスライ
ド板３３が図５中実線の位置まで移動し、磁気ヘッド１
２を取付けた支持アーム１０の先端側を光学ピックアッ
プ７側に近接する方向に揺動させる。また、メインスラ
イダ２０の往動が位置検出スイッチ３５により位置決め
されて停止（初期状態より約７ｍｍ移動して停止）され
る記録可能状態において、ラック２３は図５に示す位置
よりさらに後方（図中上方）に移動する。この時、ラッ
ク２３の下方にあるカム２９によりスライド板３３が図
５中２点鎖線の位置まで移動し、磁気ヘッド１２を取付
けた支持アーム１０の先端側を光学ピックアップ７側に
最近接する方向に揺動させる。尚、上記支持アーム１０
の待機状態においてスライド板３３はカム２９により図
５中一点鎖線の位置に位置している。

【００５２】この状態ではメインスライダ２０が前述の
場合より更に後方に摺動することにより支持片２２ｇが
サブシャーシ８０の係合支持片９７ａから大きく離れ、
また、回転支持体３６も更に大きく回転されて支持アー
ム片３６ｂが係合支持片９７ｂから大きく離れる（図４
一点鎖線の状態）。一方、支持ピン２２ｈは係合溝９８
の幅広孔部９８ｃの後部側に位置することになる。

【００５３】そして、この状態でディスクカートリッジ
１００の光学磁気ディスク１０１の再生は光学ピックア
ップ７等により行われ、その記録は光学ピックアップ７
と磁気ヘッド１２等により行われる。

【００５４】以上のようにローディング動作されて記録
及び／又は再生が行われた後のディスクカートリッジ１
００のエジェクト動作は、モータ２６を逆回転させて、
メインスライダ２０及びローディングスライダ５０が前
述の場合と逆の方向に復動することにより行われる。

【００５５】すなわち、エジェクト操作によりモータ２
６を逆回転させると、メインスライダ２０がシャーシ２
に対して前進摺動され、この摺動によりカートリッジホ
ルダ４０がカム溝孔２２ａ，２２ｂと係合ピン４３ａ，
４３ｂとの遊嵌部を介し上昇されて、上面部４１の位置
決めピン４４ａ，４４ｂがサブシャーシ８０の上面部８
２の係合孔９９ａ，９９ｂに嵌挿される。また、メイン
スライダ２０の前進摺動により、その右側後部の支持片
２２ｇがサブシャーシ８０の係合支持片９７ａのスリッ
ト部９７ａ₁ に挿入されると共に、前部の二叉状係合片
２２ｆによりシャーシ２側の回転支持体３６が回転され
て、その支持アーム片３６ｂが係合支持片９７ｂの係合
溝部９７ｂ₁ に挿入され、一方、左側部の支持ピン２２
ｈが係合溝９８の幅広孔部９８ｃから係合溝孔部９８ａ
に係合されてメインスライダ２０およびカートリッジホ
ルダ４０はサブシャーシ８０に対して前後、左右および
上下方向に位置決め支持される。

【００５６】この状態で、モータ８０が更に逆回転され
ることにより、ローディングスライダ５０が前進摺動さ
れ、これと係合され一体化状態にあるロックレバー５４
とによりディスクカートリッジ１００はカートリッジホ
ルダ４０から前方へ押し出される。この際、ローディン
グスライダ５０の摺動により、その突押片５２ａがサブ
シャーシ８０側のシャッタ開閉機構８９の搖動部材８９
ｂを押圧して回動させ、これによりシャッタ８６が押し
下げられて開口部８５が開放される。

【００５７】このようにして、ローディングスライダ５
０の摺動によりディスクカートリッジ１００がサブシャ
ーシ８０の開口部８５からやや突出された状態でローデ
ィングスライダ５０に取付けたエジェクト完了検出スイ
ッチ６１の操作レバー部６１ａがカートリッジホルダ４
０の突出部４２ｆに当たってエジェクト完了検出スイッ
チ６１をＯＮすることによりモータ２６が停止し、ロー
ディングスライダ５０はその位置で停止されるが、この
時、ローディングスライダ５０に係合されているロック
レバー５４がカートリッジホルダ４０の突当部４２ｇに
当たり、回転されてその係合ガイド長孔５７ａの係合縁
５７ａ₁ とローディングスライダ５０の水平片部５３の
係合爪部５３ａとの係合が解除され、このため、ロック
レバー５４は引張りコイルバネ５９の弾力により引っ張
られて摺動し、このロックレバー５４の係合爪５５と係
合状態にあるディスクカートリッジ１００がカートリッ
ジホルダ４０から更に押し出され（例えば６ｍｍ）、サ
ブシャーシ８０の開口部８５から挟持するに充分の長さ
に突出されてエジェクト動作が完了する。

【００５８】このように、カートリッジホルダ４０に挿
入されてローディングスライダ５０に摺動可能に係合さ
れるロックレバー５４の係合爪５５に係合されたディス
クカートリッジ１００を、ローディングスライダ５０の
往復摺動により引き込み、押し出し可能に構成すると共
に、メインスライダ２０の往復摺動によりカートリッジ
ホルダ４０及びローディングスライダ５０をメインスラ
イダ２０に対して昇降自在に構成してディスクカートリ
ッジ１００をローディング／アンローディングさせるよ
うにしたので、簡単な構造によりディスクカートリッジ
７０を確実且つスムーズにローディング動作させたり、
アンローディング動作させてエジェクトさせることがで
きる。従って、従来のように、各部材を付勢するコイル
バネ等の付勢手段や各部材をロックするロックレバー等
のロック手段等が不要となるので、その部品点数を大幅
に削減させることができて低コスト化を図ることができ
ると共に、装置全体の構造を簡素化して計量小型、薄型
を一段と図ることができる。

【００５９】また、ディスクカートリッジローディング
装置１は外装のサブシャーシ８０に対してダンパー機構
９４，９５及び９６を介して搖動可能に支持されるの
で、装填されたディスクカートリッジ１００に収納され
る光磁気ディスク１０１の再生時及び記録時において
は、装置１へのサブシャーシ８０側からの振動の伝達が
阻止されて再生・記録が支障なく確実に行なえる。

【００６０】そして、ディスクカートリッジ１００のロ
ーディング動作においては、メインスライダ２０の摺動
動作によりカートリッジホルダ４０をカム溝２２ａ₁ ，
２２ｂ₁ に沿って上昇動作させており、この時、上面部
４１の位置決めピン４４ａ及び４４ｂがサブシャーシ８
０の上面部８１の係合孔９９ａ及び９９ｂに挿入され
て、前後及び左右方向、即ち、ＸＹ方向の位置決めが行
われる。次いで、メインスライダ２０は支持片２２ｇ、
係合片２２ｆと係合する回転支持体３６及び支持ピン２
２ｈがサブシャーシ８０に配設された係合支持片９７
ａ，９７ｂ及び係合溝孔９８に係合されることにより上
下方向、即ち、Ｚ方向の位置決めが行われるので、装置
１はサブシャーシ８０に対して固定状態となってカート
リッジホルダ４０はサブシャーシ８０の開口部８５に確
実に対応されてディスクカートリッジ１００のローディ
ング及びアンローディングを安定して確実に行うことが
できる。

【００６１】更に、メインスライダ２０をＺ方向に位置
決めする１ヶ所の位置決め部材をシャーシ２に軸着され
る回転支持体３６により構成したことにより、小スペー
スを有効に利用できて、その係脱動作を円滑に行うこと
ができる。

【００６２】以上、本発明の一実施例を説明したが、本
発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の
趣旨を逸脱しない範囲で種々変更できるものである。例
えば、ロックレバー５４のローディングスライダ５０に
対する摺動は引張りコイバネ５９等のばね部材の付勢力
によることなく、歯車駆動機構等の他の駆動溝により行
うことができる。また、メインスライダ２０、即ち装置
１をサブシャーシ８０に対してＺ方向に位置決めする位
置決め部材としてはスペースが許せば、３ヶ所の位置決
め部材を全て支持片２２ｇと同様に形成し、サブシャー
シ８０側の係合部材も係合支持片９７ａと同様に形成で
きる。また、装置１をサブシャーシ８０に対し搖動可能
に支持するダンパー機構９４，９５及び９６としてはエ
アクッション等の気体を用いるもの、スプリング材のみ
により構成されるもの等を適用できるものである。

【００６３】

【発明の効果】以上のように本発明によるディスクカー
トリッジローディング装置は、ディスクカートリッジを
挿入保持するカートリッジホルダに摺動可能に取付けら
れるローディングスライダに、ディスクカートリッジの
係合凹部に係合される係合爪を備えたロックレバーを摺
動及び回動可能に連結して構成したので、カートリッジ
ホルダに挿入保持されるディスクカートリッジのエジェ
クト動作においてローディングスライダの摺動量と同量
だけ押し出されたディスクカートリッジがロックレバー
の摺動によりさらに押し出されて、その押し出し量が増
加し、装置からの取り出しが容易となり、エジェクト動
作の操作性が向上される。特に、本発明はローディング
スライダの摺動量を充分取ることのできない小型のディ
スクカートリッジローディング装置に適用してその効果
が大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すディスクカートリッジ
ローディング装置の斜視図。

【図２】同、ディスクカートリッジローディング装置の
右側面図。

【図３】同、ディスクカートリッジローディング装置を
サブシャーシに収納支持した状態の底面図。

【図４】同、ディスクカートリッジローディング装置の
要部の拡大平面図。

【図５】同、ディスクカートリッジローディング装置の
ラックとカム及びスライド板の関係を示す平面説明図。

【図６】同、ディスクカートリッジローディング装置の
カートリッジホルダとローディングスライダの分解斜視
図。

【図７】図６に示すカートリッジホルダとローディング
スライダの組立てた状態の一部分の平面図。

【図８】同、ディスクカートリッジローディング装置を
収納支持するサブシャーシの斜視図。

【図９】同、サブシャーシの一部省略した内面側斜視
図。

【図１０】同、サブシャーシに対するメインスライダと
カートリッジホルダの対応関係を示す断面図。

【図１１】図１０に示す状態の左側面図。

【図１２】本発明によるディスクカートリッジローディ
ング装置を備えてディスクプレーヤの外観斜視図。

【図１３】ディスクカートリッジの斜視図。

【符号の説明】

１ ディスクカートリッジローディング装置 ２ シャーシ ３ ターンテーブル ７ 光学ピックアップ １０ 支持アーム １２ 磁気ヘッド ２０ メインスライダ ２２ａ，２２ｂ 両側部 ２２ｇ 支持片 ２２ｆ 係合片 ２２ｈ 支持ピン ２３ ラック ２４ 駆動ギヤ ２６ モータ ２９ カム ３６ 回転支持体 ４０ カートリッジホルダ ４２ａ，４２ｂ 両側部 ４４ａ，４４ｂ 位置決めピン ５０ ローディングスライダ ５３ 水平片部 ５４ ロックレバー ５５ 係合爪 ６８ 駆動ピン ８０ サブシャーシ ９７ａ，９７ｂ 係合支持片 ９８ 係合溝孔 ９９ａ，９９ｂ 係合孔 １００ ディスクカートリッジ １００ｇ 係合凹部 １０１ 光磁気ディスク

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディスクカートリッジを挿入保持するカ
   ートリッジホルダと、 上記カートリッジホルダにディスクカートリッジの挿入
   方向に往復摺動可能に取付けられ、ディスクカートリッ
   ジのローディング・エジェクト動作により摺動されるロ
   ーディングスライダと、 上記ローディングスライダに摺動及び回動可能に連結さ
   れ、ディスクカートリッジの係合凹部に係合される係合
   爪を備えたロックレバーとを有し、 上記ローディングスライダの往動により上記カートリッ
   ジホルダに挿入されて上記ロックレバーの係合爪に係合
   されたディスクカートリッジを引き込み、上記ローディ
   ングスライダの復動によりディスクカートリッジを所定
   位置まで押し出し、 上記ローディングスライダに対する上記ロックレバーの
   摺動によりディスクカートリッジを更に押し出すように
   したことを特徴とするディスクカートリッジローディン
   グ装置。
2. 【請求項２】 上記ロックレバーの係合爪は板ばね部を
   介して取付けられていることを特徴とする請求項１に記
   載のディスクカートリッジローディング装置。
3. 【請求項３】 上記ロックレバーは上記ローディングス
   ライダに対して常時前方へばね部材により付勢され、後
   方への摺動状態で係止されるようにしたことを特徴とす
   る請求項１に記載のディスクカートリッジローディング
   装置。
4. 【請求項４】 上記カートリッジホルダに上記ロックレ
   バーの上記ローディングスライダに対する係止を解除す
   る解除部材を設けたことを特徴とする請求項３に記載の
   ディスクカートリッジローディング装置。