JP3360500B2 - 角速度センサ - Google Patents

角速度センサ

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JP3360500B2
JP3360500B2 JP23088595A JP23088595A JP3360500B2 JP 3360500 B2 JP3360500 B2 JP 3360500B2 JP 23088595 A JP23088595 A JP 23088595A JP 23088595 A JP23088595 A JP 23088595A JP 3360500 B2 JP3360500 B2 JP 3360500B2
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二郎 寺田
雅巳 田村
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英行 清水
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、航空機、自動車、ロボ
ット、船舶、車両等の移動体の姿勢制御やナビゲーショ
ン等に利用できる振動型角速度センサ、あるいはスチル
カメラやビデオカメラ等の手振れ防止用、遠隔操作用の
リモコン用等に用いられる角速度センサに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】この種の角速度センサにおいては、コ字
状の振動部材に圧電体を貼り付け、駆動部と検出部とを
構成し、前記振動部の圧電体素子の電極に単一の駆動電
源から供給した信号により圧電体の音叉アームを駆動
し、この駆動により検出部に発生したコリオリの力を検
出部の圧電体より角速度信号として抽出するように構成
している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の構成において
は、検出電極から取り出される信号には角速度信号以外
に駆動信号により誘起される成分が混入しているので、
混入信号を分離する回路が必要となる。この場合、角速
度信号以外の信号分離が完全には出来ず、どうしても、
その一部が残り、これがノイズ成分となって検出特性を
高めることが難しいという課題を有していた。
【0004】そこで、本発明は、駆動信号による上記ノ
イズ成分の影響を排除し、角速度信号の検出特性を高め
ることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の角速度センサ
は、検出電極を介して重合させられたコ字状の第1、第
2の圧電体と、前記第1の圧電体は少なくとも一方の音
叉アームの検出電極の反対側の面に設けた第1、第2の
駆動電極と、前記第1、第2の駆動電極が設けられた音
叉アームに対向する前記第2の圧電体の音叉アームにお
ける検出電極とは反対側の面に設けた第3、第4の駆動
電極とを備え、前記第1〜第4の駆動電極の内、検出電
極を介して対角線上にある第1、第3の駆動電極には第
1の駆動電源を接続し、同様に、検出電極を介して対角
線上にある第2、第4の駆動電極には前記第1の駆動電
源とは逆相となる信号を供給するように第2の駆動電源
を接続し、かつ前記コ字状の第1、第2の圧電体の少な
くとも一方の音叉アームは重合させられた厚み方向と同
一方向に第1、第2の圧電体を分極した音叉アーム構造
としたことを特徴とするものである。
【0006】
【作用】上記の構成とすれば、音叉アームの対角線上に
ある第1、第3の駆動電極には第1の駆動電源から駆動
信号が供給され、また、第2、第4の駆動電極には第2
の駆動電源から第1の駆動電源とは逆相の駆動信号が供
給され、この音叉アームを駆動する信号は、検出電極を
介して駆動されるため、駆動信号は検出電極上で互いに
キャンセルされ、検出信号には混入されることがなく、
結果として角速度信号抽出の検出能力を高めることがで
きるものである。
【0007】
【実施例】以下、本発明の角速度センサについて説明す
る。図1、図2、図3は本発明の角速度センサの一実施
例を示す。図1において、1は下面が開口した鉄製のキ
ャップであり、その表裏面にはニッケルメッキが設けら
れている。このキャップ1の下面の開口部には、円盤状
のベース2が嵌合され、これによりキャップ1内は密閉
空間となる。
【0008】この密閉空間内にキャップ1の内面と非接
触状態で検出素子3が配置されており、この検出素子3
はベース2上に接着剤により立設固定されている。前記
検出素子3は、図1、図2に示す様にコ字状の第1、第
2の圧電体4,5を同じくコ字状をしたAg−Pg系の
検出電極6を介して重合させ、一体焼成することにより
形成されたものである。また、前記第1、第2の圧電体
4,5のそれぞれの音叉アーム4a,4b,5a,5b
の検出電極6とは反対の面、つまり外部に表出している
面には縦長形状のAg−Pg系電極7,8,9,10,
11,12,13,14を印刷し、焼き付けにより設け
ている。これらの電極の内、7,8,11,12が駆動
電極、9,10,13,14がモニタ電極となってい
る。すなわち、図2に示す様に音叉アーム4a,5aの
重合体において、検出電極6を介して対角線上にある駆
動電極7,12には第1の駆動電源15が接続され、ま
た、それにクロスする対角線上の駆動電極8,11には
第2の駆動電源16が接続されている。これらの第1、
第2の駆動電源15,16はそれぞれ駆動電極7,12
及び8,11に音叉共振をさせるための交流信号(音叉
共振周波数)を供給するのであるが、これらの第1、第
2の駆動電源15,16から供給される信号は逆相状態
となっている。
【0009】また、モニタ側となる音叉アーム4b,5
bにおいては対角線上のモニタ電極9,14が共に接地
端子に接続され、それにクロスする対角線上のモニタ電
極10,13はモニタ検出端子17に接続されている。
さらに、検出電極6は検出端子18に接続されている。
図1は、これらの電気的接続状態を示す斜視図であっ
て、19,20が電源端子であり、それぞれリード線A
により接続されている。なお、検出端子18と検出電極
6を接続したリード線Aは、音叉アーム4a,4b,5
a,5bよりも下方において検出電極6と接続されてい
る。
【0010】以上のような構成において、音叉アーム4
a,5aは図2に示す様にその厚さ方向に対して同方向
に電界強度3kV/mmで分極し、また、音叉アーム4
b,5bもそれとは反対方向ではあるが厚み方向に同じ
方向に電界強度3kV/mmで分極した。図2において、
分極方向はP1,P2で示している。
【0011】上記の構成において、前記第1、第2の駆
動電源15,16から前記駆動電極7,8,11,12
に信号が供給されると、音叉アーム4a,5aは図2に
おける横方向に振動することになり、これに呼応するご
とく音叉アーム4b,5bも共振して横方向に振動する
ことになる。
【0012】この点について具体的に以下に説明する
と、今、仮に、ある時点において、音叉アーム4a,5
aの内面側の駆動電極8,12部分には逆相の信号が加
えられ、これを分極方向P1から見ると駆動電極8には
負電界、駆動電極12には正電界が加えられ、これは両
方の音叉アーム4a,5a共に図2における下面側、つ
まり、分極方向とは反対側に負の電界印加となるので、
この結果として音叉アーム4a,5aの内面側、即ち、
音叉アーム4b,5b側が縮み、内方即ち図2の右側に
向けて屈曲する。逆に音叉アーム4a,5aの外側にお
いては、駆動電極7,11から分極方向に対して同じ方
向の電界が印加されるので伸長作用が起り、この結果、
この時点では音叉アーム4a,5aは内方に屈曲する。
この時、音叉アーム4b,5bはそれに呼応して音叉ア
ーム4a,5a側に屈曲する。しかし、次の時点つま
り、第1、第2の駆動電極15,16から供給される信
号が反転すれば、逆に、音叉アーム4a,5a,4b,
5bは共に外方に屈曲し、共振振動することになる。
【0013】次に、この様な内外方への振動を繰り返し
ている状況において角速度が加えられると、コリオリ力
の原理で音叉アーム4a,5a,4b,5bは厚み方向
にたわみ、そのたわみ程度が角速度信号として検出電極
6、検出端子18を介して取り出されることになる。た
とえば、今、音叉アーム4aの図2における下面側が伸
び、音叉アーム5aの図2における上面側が縮む方向に
音叉アーム4a,5aがたわむとすると、駆動電極7,
8にはその分極方向であって、直交する方向で伸び、正
電荷が発生し、駆動電極11,12には分極方向とは逆
で直交方向で縮むこととなり、同じく正電荷が発生する
ことになる。この時、検出電極6が接する音叉アーム4
a,5aの部分には負電荷が発生し、同じく音叉アーム
4b,5bに接続する部分も負電荷が発生し、これが検
出端子18から取り出されることになるのである。角速
度が加わることにより、逆に音叉アーム4a,5aが駆
動電極11,12側が伸び、駆動電極7,8側が縮む場
合、同様の理論により検出端子18には正電荷が取り出
されることになる。
【0014】また、駆動時において音叉アーム4a,5
a,4b,5bを駆動する信号は、音叉アーム4a,5
a,4b,5bの駆動には供給されるが、信号成分とし
ては互いにキャンセルされ、よって、この駆動信号が検
出電極6を介して検出される検出信号に混入されること
はない。
【0015】図3はその回路図を示し、検出端子18は
増幅器21とコンデンサC1で構成したチャージアンプ
の反転入力端子に入力される。前記チャージアンプの出
力端子27には、同期検波回路22、フィルタ23が接
続され、最終的には出力端子24へと接続されている。
尚、抵抗器R1,R2と可変抵抗器Rxと増幅器25で
構成した反転増幅器は、第1、第2の駆動電源15,1
6を作るためのものである。26は音叉の振幅を安定さ
せるためのAGCアンプである。
【0016】図4は本発明の角速度センサの他の実施例
を示し、この実施例においては音叉アーム4b,5bの
分極方向P3を分極方向P1と同じ方向に変更したもの
である。従って、この場合、検出電極は図2に示す場合
の様に音叉アーム4a,5aと4b,5bのコリオリ信
号成分を合算して取ることができないので、それぞれ検
出電極18a,18bと分離し、一方の音叉アームより
得られるコリオリ信号成分を反転させた後に合算する様
にしたものである。
【0017】
【発明の効果】以上の様に本発明の角速度センサは、重
合させられたコ字状の第1、第2の圧電体の少なくとも
一方の音叉アームは重合させられた厚み方向と同一方向
に第1、第2の圧電体を分極した音叉アーム構造とする
ことにより、音叉アームの対角線上にある第1、第3の
駆動電極には第1の駆動電源から駆動信号が供給され、
また、第2、第4の駆動電極には第2の駆動電源から第
1の駆動電源とは逆相の駆動信号が供給されるので、こ
の音叉アームを駆動する信号成分は音叉駆動として働く
が互いにキャンセルされ、この駆動信号が検出電極を介
して検出される検出信号に混入されることはない。この
結果、角速度の検出能力を高精度に高めることができ
る。
【0018】さらに、左右の音叉アームの分極方向は互
いに反対方向とすることにより、左右の音叉アームで得
たコリオリの力は検出電極上の信号と同相となるため、
合算が検出電極上で処理されるので合算回路は不要とな
り、非常に簡単となる。
【0019】また、左右の音叉アームの分極方向を同一
とすることによっても検出電極18a,18bを分離
し、一方の音叉アームより得られた信号成分を反転させ
た後にそれぞれの音叉アームより得た信号成分を合算す
ることにより角速度の検出能力を高める事ができた。
【0020】さらには、分極の部位として駆動・検出部
に設けた電極部分に分極処理を施すことにより、音叉ア
ームが駆動した場合、電極近傍しか分極処理を行ってい
ないため、不要な振動成分によって生じるノイズ成分を
非常に少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の角速度センサの一実施例を示す組立斜
視図
【図2】同センサの要部を示す模式図
【図3】同センサの回路図
【図4】本発明の角速度センサの他の実施例の要部を示
す模式図
【符号の説明】
4a 音叉アーム 4b 音叉アーム 5a 音叉アーム 5b 音叉アーム 6 検出電極 7 駆動電極 8 駆動電極 9 モニタ電極 10 モニタ電極 11 駆動電極 12 駆動電極 13 モニタ電極 14 モニタ電極 P1,P2 分極方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 英行 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−21643(JP,A) 特開 平7−332988(JP,A) 特開 昭62−140016(JP,A) 特開 平7−134037(JP,A) 米国特許5430342(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 19/56 G01P 9/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出電極を介して重合させられたコ字状
    の第1、第2の圧電体と、前記第1の圧電体は少なくと
    も一方の音叉アームの検出電極の反対側の面に設けた第
    1、第2の駆動電極、前記第1、第2の駆動電極が設け
    られた音叉アームに対向する前記第2の圧電体の音叉ア
    ームにおける検出電極とは反対側の面に設けた第3、第
    4の駆動電極とを備え、前記第1〜第4の駆動電極の
    内、検出電極を介して対角線上にある第1、第3の駆動
    電極には第1の駆動電源を接続し、同様に検出電極を介
    して対角線上にある第2、第4の駆動電極には前記第1
    の駆動電源とは逆相となる信号を供給するように第2の
    駆動電源を接続し、かつ前記コ字状の第1、第2の圧電
    体の少なくとも一方の音叉アームは重合させられた厚み
    方向と同一方向に第1、第2の圧電体を分極した音叉ア
    ーム構造としたことを特徴とする角速度センサ。
  2. 【請求項2】 前記駆動電極は他方の音叉アームにも同
    様に設け、左右の音叉アームの分極方向は互いに反対方
    向であることを特徴とする請求項1記載の角速度セン
    サ。
  3. 【請求項3】 前記駆動電極は他方の音叉アームも同様
    に設け、左右の音叉アームの分極方向は互いに同一方向
    であることを特徴とする請求項1記載の角速度センサ。
  4. 【請求項4】 前記駆動電極を設けた部分にのみ分極処
    理を施した構造としたことを特徴とする請求項1,2,
    3のいずれかに記載の角速度センサ。
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US08/836,482 US5854427A (en) 1995-09-08 1996-09-06 Angular velocity sensor
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JPH0972744A JPH0972744A (ja) 1997-03-18
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JP2001208546A (ja) * 1999-11-16 2001-08-03 Matsushita Electric Ind Co Ltd 角速度センサ

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