JP3360447B2 - 過渡直流成分の除去方法及びこの方法を採用した保護リレー - Google Patents

過渡直流成分の除去方法及びこの方法を採用した保護リレー

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力系統の保護リレー
の演算を行う際に、事故直後の信号に含まれている減衰
直流成分を除去する方法及びこの方法を採用した保護リ
レーに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】電力系
統の保護リレーは、電力系統のどこかに短絡、地絡等の
事故が発生した場合、その事故を検出し速やかに系統か
ら異常の原因を除去するようにしゃ断器へしゃ断命令を
出すことを任務とする。以上の任務を実行するために
は、検出信号を的確にとらえ、正確な判断をすることが
必要とされる。
【0003】ところで、検出信号の波形は、事故時には
過渡的に減衰する直流成分を含んだものとなっている。
この波形をそのまま用いてリレー演算を行うと、リレー
特性に誤差を生じる。これを防止するために従来では、
アナログバンドパスフィルタを用いていたので、温度に
よる特性変化や素子の経年変化等が起こるという問題が
生じていた。
【0004】そこで本発明は、ディジタル技術を用い
て、過渡直流成分を除去する方法を提案することを目的
とする。また本発明は、前記過渡直流成分を除去する方
法を採用する保護リレーを提案することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めの本発明の過渡直流成分の除去方法は、入力信号を等
間隔で一周期あたりnサンプリングし、サンプリングし
たデータをディジタル変換し、ディジタル変換された基
本波の半周期分離れたデータ間の差分を求め、ディジタ
ル変換された基本波の1周期分離れたデータ間の差分を
求め、これらの差分を所定の演算式に当てはめて、減衰
直流成分が除去された交流成分を抽出する方法である。
【0006】また本発明の保護リレーは、前記方法によ
り抽出された交流成分を用いてリレー演算を行うもので
ある。
【0007】
【作用】電力系統事故時の波形は、過渡減衰直流成分を
含んでいる。これをAe-at と表す。電力系統事故時の
波形は、前記過渡減衰直流成分と交流成分との和である
から、 v(t) =Ae-at +v′(t) (1) となる。v′(t) は交流成分である。
【0008】交流基本波の1サイクルをn等分する。サ
ンプリング間隔Tは、 T=1/nf1 (f1 は基本波周波数), 時刻(t0 −jT)(j=0,1,2,…)でのサンプ
リング値は、 v(t0 −jT)=Ae-a(t0-jT) +v′(t0 −jT) と表される。v(t0 −jT)=vj ,v′(t0 −j
T)=v′j と表すと、 vj =Ae-a(t0-jT) +v′j (2) となる。ここでAe-at0=K,eaT= ρとすると、 vj =Kρj +v′j (3) となる。ここで基本波の半サイクルの時間差のある交流
成分同士の差をとる。
【0009】 v′j −v′j+n/2 =vj −Kρj −(vj+n/2 −Kρj+n/2 ) =(vj −vj+n/2 )−Kρj (1−ρn/2 )(4) この半サイクルの時間差のある交流成分同士の差は、基
本波成分を含むものであることは、よく知られている
(例えば、電気学会発行「新版電気工学ハンドブック」
(昭和63年2月28日)第771頁の表1参照)。
【0010】一方、交流成分v′j は、それが高調波成
分を含んでいても、基本波1サイクルの時間差のあるデ
ータに対して、 v′j =v′j+n が成り立つ。このことを用いて、vj −vj+n を計算す
ると、 vj −vj+n =Kρj +v′j −(Kρj+n +v′j+n ) =K(ρj −ρj+n )+(v′j −v′j+n ) =Kρj (1−ρn ) =Kρj (1+ρn/2 )(1−ρn/2 ) (5) この(5) 式を前記(4) 式に適用すると、 v′j −v′j+n/2 =(vj −vj+n/2 )−(vj −vj+n )(1+ρn/2 -1(6) が成り立つ。一方、前記(5) 式でjをj+2/nと置き
換えると、 vj+n/2 −vj+3n/2=Kρj+n/2 (1−ρn ) (7) (5) 式とこの(7) 式より、 ρn/2 =(vj+n/2 −vj+3n/2)/(vj −vj+n ) (8) が成り立つ。したがって、(6) 式の(1+ρn/2
-1は、 (1+ρn/2 -1=(vj −vj+n )/ 〔(vj −vj+n )+(vj+n/2 −vj+3n/2)〕(9) となる。以上より、 v′j −v′j+n/2 =(vj −vj+n/2 ) −(vj −vj+n 2 / 〔(vj −vj+n )+(vj+n/2 −vj+3n/2)〕 (10) この(10)式の右辺第2項が直流補正項となる。
【0011】なお、右辺第2項の (vj −vj+n )/〔(vj −vj+n )+(vj+n/2 −vj+3n/2)〕 をj=0のときに計算して、 (v0 −vn )/〔(v0 −vn )+(vn/2 −v3n/2)〕 それ以後、この式を定数とおいて、 v′j −v′j+n/2 =(vj −vj+n/2 ) −(vj −vj+n )(v0 −vn ) /〔(v0 −vn )+(vn/2 −v3n/2)〕 を使って計算してもよい。
【0012】この差分データv′j −v′j+n/2 は、過
渡減衰直流成分が除去され、かつ、基本波成分が抽出さ
れたデータである。基本波成分が抽出されていることを
簡単に説明する。 xj =v′j −v′j+n/2 とおくと、この半周期ずれた差分演算のゲインは、 2| sin(ω/4f1 )|=2| sin(πf/2f1 )| で与えられる。ωは実際の入力信号の角周波数、fは周
波数である。したがって、基本波成分f=f1 に対して
は、前記ゲインは最大値をとる。
【0013】
【実施例】以下実施例を示す添付図面によって詳細に説
明する。図2は、本発明が適用される保護リレーの電気
的構成を示すブロック図である。保護リレー1は、入力
信号を一定時間Tごとにサンプリングするサンプルホー
ルド回路2、サンプルホールドされた値をディジタル変
換するA/D変換回路3、ディジタル変換されたサンプ
ル値(vj とおく)を記憶するメモリ回路4、本発明の
過渡直流成分の除去方法を実施する直流除去フィルタ
5、過渡直流成分の除去された信号に基づいてリレー演
算を実行するリレー演算回路6を有している。
【0014】前記入力信号の種類は、リレー演算回路6
のリレー演算内容に応じて定められるもので、例えばリ
レー演算が過電圧の検出であれば、各相の電圧信号とい
うことになる。サンプルホールド回路2は、例えば位相
角30°ごとにサンプリングをするもので、サンプリン
グ数nは12、サンプリング周期Tは60Hzの場合
1.389msecとなる。しかし、サンプリング角はこれ
に限定されるものではない。
【0015】直流除去フィルタ5は、図1に示すよう
に、メモリに記憶された1周期分のサンプル値vj (j=
0,1,2, …,n) に基づいて基本波の半サイクルの時間差
のあるサンプル値同士の差分uj を演算する第1差分演
算回路51、基本波の1サイクルの時間差のあるサンプ
ル値同士の差分wj を演算する第2差分演算回路52、
差分uj とwj とに基づいて、過渡直流成分が除去さ
れ、かつ、基本波成分が抽出された差分データv′j
v′j+n/2 (前記(10)式参照)を演算する演算回路53
を有している。
【0016】第1差分演算回路51は、サンプル値vj
を用いて、 u0 =v0 −v61 =v1 −v7 … uj =vj −vj+6 … の計算を行う。第2差分演算回路52は、サンプル値v
j を用いて、 w0 =v0 −v121 =v1 −v13 … wj =vj −vj+12 … の計算を行う。
【0017】演算回路53は、uj とwj とから、 xj =v′j −v′j+6 =uj −wj 2 /(wj +wj+6 ) を算出する。このように算出された値xj は、過渡的に
減衰する直流成分が除去され、かつ、基本波成分が抽出
された差分データ(前記(10)式参照)に相当する。
【0018】リレー演算回路6は、この差分データxj
に基づいて、所定のリレー演算を行う。リレー演算回路
6のリレー演算の種類は、過電流、過電圧、方向、距離
などいかなるものであってもよい。また、リレー演算に
先立って、前記差分データx j を用いて、例えば特公昭
61−60613号公報記載の方法により基本波成分の
みを高精度に抽出し、その後に所定のリレー演算を行っ
てもよい。
【0019】
【発明の効果】以上のように本発明の過渡直流成分の除
去方法によれば、過渡直流成分を除去し、かつ、基本波
成分を抽出することができる。また、本発明の保護リレ
ーによれば、過渡的に減衰する直流成分が除かれた検出
信号波形に基づいてリレー演算ができるので、正確なリ
レー動作をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】直流除去フィルタの機能を示すブロック図であ
る。
【図2】本発明が適用される保護リレーの電気的構成を
示すブロック図である。
【符号の説明】
1 保護リレー 2 サンプルホールド回路 3 A/D変換回路 4 メモリ回路 5 直流除去フィルタ 6 リレー演算回路 51 第1差分演算回路 52 第2差分演算回路 53 演算回路

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電力系統の保護リレーの演算を行う際に、
    事故直後の信号に含まれている減衰直流成分を除去する
    方法であって、 入力信号を等間隔で一周期あたりnサンプリングし、サ
    ンプリングしたデータをディジタル変換し、ディジタル
    変換された基本波の半周期分離れたデータ間の差分を求
    め、ディジタル変換された基本波の1周期分離れたデー
    タ間の差分を求め、これらの差分を下記の演算式に当て
    はめて、減衰直流成分が除去された交流成分を抽出する
    ことを特徴とする過渡直流成分の除去方法。演算式は、
    基本波の半周期分離れたデータ間の差分をv j −v
    j+n/2 ( jはサンプリング時刻を表す。j=0,1,2,…) 、
    基本波の1周期分離れたデータ間の差分をv j
    j+n 、減衰直流成分が除去された交流成分をx j とす
    ると、 j =(v j −v j+n/2 −(v j −v j+n 2 〔(v j −v j+n )+(v j+n/2 −v j+3n/2 )〕 で表される。
  2. 【請求項2】入力信号を等間隔で一周期あたりnサンプ
    リングするサンプリング手段と、サンプリング手段によ
    りサンプリングされたデータをディジタル変換する変換
    手段と、変換手段によりディジタル変換されたデータか
    ら、基本波の半周期分離れたデータ間の差分を求める第
    1の差分演算手段と、変換手段によりディジタル変換さ
    れたデータから、基本波の1周期分離れたデータ間の差
    分を求める第2の差分演算手段と、前記第1、第2の差
    分演算手段の出力に基づき、下記の演算式に当てはめ
    て、減衰直流成分が除去された交流成分を抽出する演算
    手段とを有し、前記交流成分を用いてリレー演算を行
    とを特徴とする保護リレー。演算式は、基本波の半周
    期分離れたデータ間の差分をv j −v j+n/2 ( jはサン
    プリング時刻を表す。j=0,1,2,…) 、基本波の1周期分
    離れたデータ間の差分をv j −v j+n 、減衰直流成分が
    除去された交流成分をx j とすると、 j =(v j −v j+n/2 −(v j −v j+n 2 〔(v j −v j+n )+(v j+n/2 −v j+3n/2 )〕 で表される。
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