JP2943355B2 - 交流電圧の差電圧演算方法 - Google Patents

交流電圧の差電圧演算方法

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JP2943355B2 JP3037650A JP3765091A JP2943355B2 JP 2943355 B2 JP2943355 B2 JP 2943355B2 JP 3037650 A JP3037650 A JP 3037650A JP 3765091 A JP3765091 A JP 3765091A JP 2943355 B2 JP2943355 B2 JP 2943355B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、発電機と系統を接続
する遮断器によって発電機が系統に同期した状態で投入
するのに使用される自動同期投入装置、系統に事故が発
生した場合に系統の保護のために遮断された遮断器を僅
かの時間経過後に再度投入して事故が継続している場合
には再度遮断器を遮断する自動復旧装置又は保護継電装
置に自動同期投入装置や自動復旧装置の機能を追加した
装置であるネットワークリレーと称されている装置等に
おいて、遮断器両端の電圧の差を求めるために両端の交
流電圧の振幅の差及び位相の差を演算する交流電圧の差
電圧演算方法に関する。
【0002】
【従来の技術】前述の交流電圧の差電圧演算を行う装置
では、アナログ演算又はディジタル演算によって遮断器
両端の2つの交流電圧の差が演算され、その値によって
遮断器が実際に投入状態にあるか遮断状態にあるかの判
断、投入又は遮断された時点の検出あるいは同期状態に
なったかどうかの判断などが行われる。
【0003】図9は従来の2つの交流電圧の差電圧を演
算する機能を備えた装置の回路図であり、この装置をこ
こでは差電圧演算装置3と称する。この図において、遮
断器1の両端の電圧が計器用変圧器21,22で計測さ
れて差電圧演算装置3に入力される。差電圧演算装置3
は外部回路と内部回路とを電気的に遮断するための絶縁
変圧器31,32、絶縁変圧器31,32の二次側に接
続されたアナログフィルタ33,34、サンプリング周
波数で決まるサンプリング時点ごとにアナログフィルタ
33,34の出力値を一時的に保持するサンプルホール
ド回路35,36、サンプルホールド回路35,36で
保持されている電圧値を所定の順序にしたがって選択し
取り出すマルチプレクサ37、アナログ値であるこのマ
ルチプレクサ37の出力をディジタルデータに変換する
A/D変換器38及びディジタル演算処理が行われるマ
イクロコンピュータとしてのプロセッサ39からなって
いる。
【0004】実際の前述の装置では2つの電気量だけで
なく電流などの計測値が入力される場合もありこれらに
対してもそれぞれ絶縁変圧器、アナログフィルタ及びサ
ンプルホールド回路が備えられているがこの図では省略
してある。なお、この回路構成はディジタル形保護継電
装置などディジタル形の装置に共通する構成であり、プ
ロセッサ39内で処理されるソフトウエアや図示しない
出力信号とその処理機器が装置の機能ごとに異なるもの
である。
【0005】アナログフィルタ33,34は外部から侵
入してくるノイズを除去するとともに、サンプリング特
有の誤差である折り返し誤差の要因になる高周波成分を
除去するための低域通過フィルタであるのが普通で、良
好な特性を得るために演算増幅器を使用したアナログフ
ィルタが使用される。計器用変圧器21,22や絶縁変
圧器31,32は電圧を変換するものであるがこれらは
それぞれに誤差があり、また、アナログフィルタ33,
34も同様に増幅率が完全に一致しているものではな
い。したがって、ディジタルデータに変換された後プロ
セッサ39によって遮断器1の両端の電圧の差を演算す
る際にこれらの誤差の相違が大きな電圧差の演算誤差に
なることがある。
【0006】測定される電圧は交流なのでその電圧差と
しては振幅の差及び位相の差とがそれぞれ別個に演算さ
れる。サンプリングされたディジタルデータを基に電圧
の振幅や位相を演算するアルゴリズムは種々あるが、こ
のようなディジタル形の装置では基本演算機能として備
えられている。したがって、2つの電圧の差を求める際
にはそれぞれの電圧の振幅と位相を求めることによって
位相差も考慮した電圧差を求めるという方法が採用され
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、電力系統の自動
復旧装置などの遮断器投入条件に用いられる差電圧検出
レベルは、定格電圧の1〜2%程度が要求されることが
ある。その結果、差電圧演算誤差は検出レベルの10%
程度が望まれるため、定格電圧に対しては誤差が0.1
%レベルの高精度が要求されることになる。
【0008】差電圧誤差は計器用変圧器21,22から
マルチプレクサ37に至るハードウエアの誤差が累積さ
れる。計器用変圧器21,22や絶縁変圧器31,32
などは最大1%程度の誤差があり、アナログフィルタ3
3,34の特性も同様であるが、アナログフィルタ3
3,34の場合には経年変化によって増幅率が10パー
セント程度変化することもある。したがって、前述のよ
うな誤差の小さな高精度の差電圧演算のためには変圧器
や増幅器に起因する誤差が極力小さくなるよう高精度の
部品を使用するなど高価なものになるという問題があ
り、特にアナログフィルタ33,34の経年変化による
特性の変化を極小に維持するのは困難なために差電圧演
算における精度確保に重大な欠点になっているという問
題がある。
【0009】この発明の目的は、計器用変圧器やアナロ
グフィルタの誤差による差電圧演算誤差を改善した高精
度の差電圧演算装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明によれば、遮断器の両端の交流電圧を測定
する電圧測定手段によってそれぞれ測定された2つの交
流電圧の振幅の差及び位相の差が差電圧演算手段によっ
て演算される交流電圧の差電圧演算方法において、前記
差電圧演算手段による演算誤差の補償値演算の実行を指
令する差電圧誤差補償値演算指令手段の指令に基づい
て、あらかじめ差電圧誤差補償値演算手段によって前記
遮断器が閉路の状態における前記振幅の差及び位相の差
を演算してその値を補償値とし、前記遮断器が任意の状
態での2つの交流電圧の振幅の差及び位相の差の演算値
から前記補償値をそれぞれ差し引いた値を前記差電圧演
算手段による演算結果とするものとし、更に、差電圧誤
差補償値演算指令手段が、差電圧演算手段を備えた差電
圧演算装置の稼働開始時に補償値演算指令を発するもの
とし、また、差電圧誤差補償値演算指令手段が、差電圧
演算装置の外部からの演算指令に基づいて補償値演算指
令を発するものとし、また、差電圧誤差補償値演算指令
手段が、遮断器閉路操作時に補償値演算指令を発するも
のとし、また、差電圧誤差補償値演算指令手段が所定の
期間ごとに補償値演算指令を発するものとする。
【0011】
【作用】この発明の構成において、差電圧誤差補償値演
算指令手段による指令に基づいて遮断器が閉の状態にお
いて電圧測定手段によって測定された遮断器両端の2つ
の交流電圧の振幅の差及び位相の差を差電圧誤差補償値
演算手段であらかじめ演算してこれらを補償値とし、遮
断器が開閉の任意の状態における両端の交流電圧の差電
圧演算手段による振幅の差及び位相の差の演算時に、こ
れら補償値をそれぞれ差し引いて補償することにより、
2つの電圧測定手段の誤差の違いに基づく振幅の差及び
位相の差の演算値の誤差が補償されて、補償しない場合
に比べて誤差が略1桁小さくなる。更に、差電圧誤差補
償値演算指令手段が、差電圧演算装置の稼働開始時に電
源が投入されたことを検出して演算指令を発することに
より、差電圧演算装置動作開始とともに差電圧誤差の補
償が可能になる。また、差電圧誤差補償値演算指令手段
が、外部からの操作に基づいて演算指令を発することに
より、操作者の判断による最適の時点での補償値の演算
が可能になる。また、差電圧誤差補償値演算指令手段
が、遮断器閉路操作を検出して演算指令を発することに
より、より高い頻度で補償値を演算することができる。
また、差電圧誤差補償値演算指令手段が、あらかじめ設
定しておいた期間ごとにスイッチ操作を行う自動駆動指
令回路を備えこのスイッチ操作により演算指令を発する
ことにより、自動的かつ任意の期間に基づく定期的に補
償値を演算することができる。これら補償値演算指令の
方式を適宜組み合わせることによって更に適切な補償値
演算指令を行うことが可能である。
【0012】
【実施例】以下この発明を実施例に基づいて説明する。
図1はこの発明の実施例を示す機能ブロック図である。
この図において、遮断器1の両端の電圧は電圧測定手段
101,102で測定される。一方、差電圧誤差補償値
演算指令手段103は差電圧誤差補償値演算手段104
に対して差電圧誤差補償値の演算指令を発する。この演
算指令が発せられたときには電圧測定手段101,10
2で測定された交流電圧を基にこれらの振幅の差及び位
相の差が演算され、これらの値を補償値とする。補償値
の演算指令を発する方式には後述するように種々の方式
があり、適宜これらを単独に又は組合せて使用される。
【0013】演算指令の有無に係わらず差電圧演算手段
は2つの交流電圧の振幅の差及び位相の差が演算され、
更に前述の補償値が差し引かれて差電圧演算手段の演算
結果となる。以下に各ブロックについて更に詳細に説明
する。
【0014】電圧測定手段101,102 遮断器1の両端の交流電圧を測定して差電圧誤差補償値
演算手段及び差電圧演算手段に入力するもので、前述の
図9では計器用変圧器21と絶縁変圧器31及びアナロ
グフィルタ33が電圧測定手段101に相当し、計器用
変圧器22と絶縁変圧器32及びアナログフィルタ34
が電圧測定手段102に相当する。サンプルホールド回
路35,36も電圧測定手段101,102に含めても
よく、いずれにしても従来の差電圧演算装置に備えられ
ている手段である。
【0015】差電圧誤差補償値演算指令手段103 後述のように演算指令を発する方式には種々あり、これ
らを一部又は全部を組み合わせて対象とする差電圧演算
装置に最適な方式を採用することになる。
【0016】差電圧誤差補償値演算手段104 振幅の差及び位相の差の演算誤差の補償値を演算する。
この演算は図9のプロセッサ39で実行されるソフトウ
エアで処理される。
【0017】遮断器1が閉のときその両端の電圧は本来
振幅、位相とも同じである。一方、電圧測定手段10
1,102を構成する前述のように計器用変圧器21,
22、絶縁変圧器31,32及びアナログフィルタ3
3,34には誤差があるためプロセッサ39内に記憶さ
れたこれら2つの電圧に対応するデータは一致するとは
限らない。
【0018】今、交流電圧の振幅について着目しその補
償値をΔVH とすると、このΔVH は次のようにして求
める。補償値演算時の系統の電圧の振幅をVT 、プロセ
ッサ39に記憶された2つの振幅に関するデータを
T1、VT2とし、比例係数をそれぞれK1、K2 とす
る。 VT1=K1 T 、VT2=K2 T ・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
【0019】補償値ΔVH は次式のようにVT1とVT2
差として定義し演算する。 ΔVH =VT1−VT2 =(K1 −K2 )VT ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
【0020】比例係数K1 は計器用変圧器21、絶縁変
圧器31、アナログフィルタ33及びA/D変換器38
の変換係数を総合した比例係数であり、比例係数K2
同様である。
【0021】差電圧演算手段105 振幅の差及び位相の差の演算誤差の補償値を演算する。
この演算も差電圧誤差補償値演算手段104と同様に図
9のプロセッサ39で実行されるソフトウエアで処理さ
れる。
【0022】遮断器1の一方の電圧の振幅の補償値演算
時の電圧の振幅VTに対する比率をα、他方の比率を
β、VT1、VT2に対応するこのときのデータをVR1、V
R2、求めるべき振幅の差をΔVR とすると、このΔVR
演算時に前述の補償値ΔVH を差し引いて補償すること
を考慮してそれぞれ次式が成立する。 VR1=K1 αVT 、VR2=K2 βVT ・・・・・・・・・・・・・・・(3) ΔVR =VR1−VR2−ΔVH ={K1 (α−1)−K2 (β−1)}VT ・・・・・・・・・(4)
【0023】次式で定義される係数m1 、m2 を導入す
る。 m1 =(K1 +K2 )/2、m2 =(K1 −K2 )/2 ・・・・・・・(5) 係数m1 、m2 を用いてK1 ,K2 を表すと次式とす
る。 K1 =m1 +m2 、K2 =m1 −m2 ・・・・・・・・・・・・・・・(6) これらの式を(4)式に代入して整理すると結果的に次
式が得られる。 ΔVR =m1 (α−β)+m2 (α+β−2) ・・・・・・・・・・・(7)
【0024】また、真の電圧差ΔVRtは次式となる。 ΔVRt=αVT −βVT =(α−β)VT ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(8) したがって、誤差率をr1 とすると、次式で求められ
る。 r1 =(ΔVR −ΔVRt)/ΔVRt =(m1 ─1)+m2 (α+β−2)/(α−β) ・・・・・・・(9) ちなみに、補償値ΔVH を差し引く補償をしないときの
誤差率をr0 とすると、誤差率r0 は次式となる。 r0 =(m1 ─1)+m2 (α+β)/(α−β) ・・・・・・・・(10)
【0025】補償値を演算した時点での系統の電圧VT
が定格電圧であったとし、系統の電圧は定格電圧に対し
て±10パーセントの間を変動するものとすると、α、
βはそれぞれ0.9〜1.1の間の値をとりうる。ま
た、比例係数K1 ,K2 も同様に0.9〜1.1とし
て、誤差率r0 、r1 を計算した結果を次図に示す。
【0026】図2はK1 =1.1、K2 =0.9、α=
1.1に固定してβを0.9から1.1の間変化させた
ときの誤差率r0 、r1 の値を示すグラフである。この
図の条件ではm1 =1なので(9)、(10)式とも第
1項は常に0であり、第2項だけが誤差率となってい
る。これらの式の第2項の値をr12,r22とすると、こ
れらr12,r22は前の2式から明らかなようにm2 に比
例する。この図の条件でのm2 は0.1であり、また、
α+βはβが0.9〜1.1の変化に対して2.0〜
2.2に変化し、α+β−2は0.0〜0.2に変化す
る。したがって、この図におけるr1 はr0 の少なくと
も10分の1に小さくなっている。ちなみに、β=0.
9のときのr1 、r0 はそれぞれ0%、100%であ
り、β=1.0のときの値はそれぞれ10%、210%
である。β→1.1に接近するにしたがって、r1
0 とも急激に値が大きくなる傾向を示しているが、こ
れは分母の(α−β)が0に接近するためであり、誤差
の絶対値はそれほど大きくなるわけではない。βが1.
1に近いあたりではr1 ≒r0 /10となっている。こ
のように、前述のような補償値を演算し実際の差電圧演
算時にこの補償値を差し引くことによって少なくとも誤
差が10分の1に小さくなるという効果が得られる。
【0027】図3は別の条件の計算における誤差率
0 、r1 の値を示すグラフである。この図では、K1
=1.1、α=0.9、β=1.1としてK2 を0.9
から1.1の間に変化させたものである。この図の条件
ではα+β−2=0なので、r12は常に0である。した
がって、この図のr1 は全て(9)式の第1項による誤
差率である。これをr11とする。(9)式の第1項をr
21とすると、常にr11=r 22である。したがって、この
補償方法ではこの項を小さくする補償はできないことを
表す。r11はm1 −1なので、大きくても10パーセン
ト程度でありこの項の実用上の影響は小さい。一方、図
3及び前述の図2から分かるようにr22は条件によって
100%を越える大きな値になり、差電圧の誤差の主要
素になっている。このr22を補償してr11とすることに
よって1桁小さな誤差率となるという前述の効果が得ら
れたものである。
【0028】2つの交流電圧の位相差は2つの電圧のサ
ンプリングデータを基にして演算される。したがって、
遮断器1が閉のときに演算された位相差ΔΦT を補償値
ΔΦ H として、サンプリングごとに演算される位相差Δ
ΦR から補償値ΔΦH を差し引くことによって前述の電
圧の場合と同様に誤差の低減が可能である。
【0029】図4は前述の差電圧誤差補償値演算指令手
段103の実施例を示す差電圧演算装置30の回路図で
あり、図9と同じ構成要素に対しては共通の符号を付け
て詳細な説明を省略する。なお、この図では、アナログ
フィルタ33,34をAF、サンプルホールド回路3
5,36をSH、マルチプレックス37をMPX及びA
/D変換回路38をA/Dの略号でそれぞれ示してあ
る。
【0030】電源装置42は前述の図5の差電圧演算装
置3にも備えられているものであり、アナログフィルタ
33,34を始めとする電子回路に電源を供給するもの
であり、スイッチ41を介して差電圧演算装置30の外
部から電力が供給されている。スイッチ41が投入され
ると電源装置42に電圧が印加されその出力に一定の電
圧が生ずる。この電圧を検出する電源電圧検出回路43
を設ける。この電源電圧検出回路43は電源電圧電源が
投入され発生電圧が安定したことを検出して信号を出力
しプロセッサ39に入力することによって前述の補償値
演算を指令するものである。
【0031】タイマ52はスイッチ41と連動するスイ
ッチ51によって電源に投入され所定の時間経過後プロ
セッサ39に対する信号を出力する。
【0032】自動駆動指令回路62は所定の期間ごとに
スイッチ61を閉じることによってプロセッサ39に信
号を出力するもので、差電圧誤差補償値演算指令を定期
的に発するものである。
【0033】補助接点7は遮断器1の開閉に連動して開
閉操作される補助接点であり、前述のように補償値演算
は必ず遮断器1が閉状態にあるときに実行されねばなら
ないので、この補助接点7によるオン・オフ信号がプロ
セッサ39に入力される。
【0034】これらの差電圧誤差補償値演算指令手段を
構成する構成要素を基に実際の差電圧誤差補償値演算指
令の種々の方式について説明する。
【0035】(1)差電圧演算装置の電源印加時に行う
(方式1) この方式は「電源電圧印加直後」に後述の2つの差電圧
演算条件が成立することを確認した上で誤差補償値演算
を実行するものである。2つの差電圧演算条件とは次の
ものをいう。
【0036】差電圧演算条件1 遮断器1が閉路になっているという条件であり、前述の
補助接点7の状態によって検出され「閉」の状態にある
ときこの条件1が成立する。
【0037】差電圧演算条件2 2つの交流電圧の振幅の定格電圧に対する比率が所定の
範囲内にあるときにこの条件2が成立する。条件2が成
立する範囲は定格電圧の80%〜120%の範囲程度と
するのが普通である。系統の電圧は前述のように±10
%の変動はあるが、これ以上の大きな変動は生じないよ
うに制御されており、大きな電圧変動があるときは何ら
かの異常が系統内に発生していると考えられ高調波によ
って振幅や位相差の演算に大きな誤差が生ずることにな
るので、このようなときには誤差補償値の演算は行わな
いものとする。この差電圧演算条件2の成立の判定はプ
ロセッサ39内で電圧振幅値とあらかじめ設定されてい
る前述の範囲を設定する許容最小値、最大値との比較に
よって行われる。
【0038】図5はこの方式1の1つである図4のタイ
マ52を用いる方式のステップを示すフローチャートで
ある。この図において、図4のスイッチ51が閉路され
た時点でタイマ52に電圧が印加されてステップ501
の電源印加信号が確認されたことになり、ステップ50
2においてタイマ52が動作して所定の時間経過後ステ
ップ503に移る。ステップ503は前述の差電圧演算
条件1が成立するかどうかを判定し、ステップ504で
差電圧演算条件2が成立するかどうかを判定し、どちら
かの条件が成立しない場合には以下のステップの実行を
省略する。差電圧条件1、2とも成立しているときにス
テップ505に進み、前述の式に基づいた差電圧演算誤
差補償値の演算を行い、ステップ506で古い補償値に
換えて演算された新しい補償値で差電圧演算誤差補償の
メモリーを書換える。
【0039】図6は電源電圧印加を検出して差電圧誤差
補償値演算指令を発する方式1の別の実施例を示すフロ
ーチャートであり、図4の電源電圧検出回路43を使用
する場合である。この図において、ステップ601にお
いて電源電圧検出回路43によって電圧印加がありかつ
電圧が安定したことを確認しする。以下のステップは図
5と同様なので説明を省略する。
【0040】このような電源印加時に補償値を演算する
方式を採用することによって、差電圧演算装置30の動
作開始時から適切な差電圧演算の補償が行われ高精度の
演算結果が得られる。
【0041】(2)誤差補償実施指令により行う(方式
2) 図7はこの方式の実施例を示すフローチャートであり、
ステップ701において誤差補償値演算指令を確認して
以下図5と同じステップを実行する。ステップ701で
の演算指令は図4のスイッチ61を操作者が閉路させる
ことにより行う。図4ではスイッチ61を差電圧演算装
置30の内部に設けているものとして図示してあるが、
実際には自動駆動指令回路62によって動作するスイッ
チではなく外部に設けて操作者が操作できるスイッチと
すればよい。
【0042】(3)遮断器閉路操作時に行う(方式3) 図8はこの方式の実施例を示すフローチャートであり、
ステップ801における遮断器閉路操作の確認は図4の
補助接点7が開の状態から閉の状態に移行したことをプ
ロセッサ39でソフト的に確認した場合にステップ50
3に進む。
【0043】(4)定期的に行う方式(方式4) 図4において自動駆動指令回路62によってスイッチ6
1を所定の期間ごとに定期的に閉路することによって差
電圧誤差補償値演算指令をプロセッサ39に入力し以下
図5などのステップ503以降を実行する。
【0044】下表はこれら差電圧誤差補償の実施方式の
補償効果を比較した表である。この表に示すように差電
圧誤差には、初期誤差と経時誤差とがあり、それぞれ図
1の電圧測定手段101,102の初期特性から決まる
前述の係数K1 とK2 の違いによるものが初期誤差の要
因であり、差電圧演算装置30の使用開始後の時間経過
とともに電子回路の特性が変化する経時変化によって変
化した係数K1 とK2 の違いによるものが経時誤差であ
る。
【0045】この表で◎印は効果が著しい場合、○印は
効果がある場合、△は効果が小さい場合を示す。初期誤
差に対してはの印を付す方式1が効果的であり、代わ
りにこの方式1だけでは長期にわたる経時誤差に対する
補償の効果は充分ではない。また、方式4の定期的に補
償値を演算する方式では期間を適当に設定することによ
って継続的にかつ的確に経時誤差を補償することができ
る。また、最初の補償値演算指令を電源印加時点から余
り離れない時点に設定することによって初期誤差に対し
ても効果がある。
【0046】方式2、3についてはどちらの誤差に対し
ても著しい効果を得ることはできないが方式1、4も含
めて4つの方式を適宜組み合わせることにより装置の使
用条件と目的に応じた適切な差電圧誤差補償値演算指令
手段103を構成することができる。
【表1】
【0047】なお、前述の実施例ではディジタル形の差
電圧演算装置についてのものであるが、補償値の演算な
どは単純な四則演算によるのでアナログ演算回路を用い
て構成することも可能である。
【0048】
【発明の効果】この発明は前述のように、差電圧誤差補
償値演算指令手段による指令に基づいて、遮断器が閉の
ときに電圧測定手段で測定した遮断器両端の2つの交流
電圧の振幅の差及び位相の差を差電圧誤差補償値演算手
段であらかじめ演算してこれらを補償値とし、遮断器が
開閉の任意の状態における両端の交流電圧の差電圧演算
手段による振幅の差及び位相の差の演算時に、これら補
償値をそれぞれ差し引いて補償することにより、2つの
電圧測定手段の誤差の違いに基づく振幅の差及び位相の
差の演算値の誤差が補償されて、補償しない場合に比べ
て誤差が略1桁小さくなり、この差電圧演算装置による
遮断器の開閉制御に関する信頼性が向上するという効果
が得られる。更に、差電圧誤差補償値演算指令手段が、
差電圧演算装置の稼働開始時に電源が投入されたことを
検出して演算指令を発することにより、差電圧演算装置
動作開始とともに差電圧誤差の補償が可能になり初期誤
差が確実に補償されるというという効果が得られる。ま
た、差電圧誤差補償値演算指令手段が、外部からの操作
に基づいて演算指令を発することにより、操作者の判断
による最適の時点での補償値の演算が可能になるという
効果が得られる。また、差電圧誤差補償値演算指令手段
が、遮断器閉路操作を検出して演算指令を発することに
より、より高い頻度で補償値を演算することができる。
また、差電圧誤差補償値演算指令手段が、あらかじめ設
定しておいた期間ごとにスイッチ操作を行う自動駆動指
令回路を備えこのスイッチ操作により演算指令を発する
ことにより、自動的かつ任意の期間に基づく定期的に補
償値を演算することができるので、特にアナログフィル
タなどの特性の経時変化による経時誤差に対する補償を
確実に行うことができるという効果が得られる。これら
補償値演算指令の方式を適宜組み合わせることによって
差電圧演算装置の使用条件と目的に応じたより適切な補
償値演算指令を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す機能ブロック図
【図2】誤差率の計算結果の一例を示すグラフ
【図3】誤差率の計算結果の別の例を示すグラフ
【図4】この発明の実施例を示す差電圧演算装置の回路
【図5】差電圧誤差補償値演算指令方式1を示すフロー
チャート
【図6】差電圧誤差補償値演算指令方式2を示すフロー
チャート
【図7】差電圧誤差補償値演算指令方式3を示すフロー
チャート
【図8】差電圧誤差補償値演算指令方式4を示すフロー
チャート
【図9】従来の差電圧演算装置を示す回路図
【符号の説明】
1 遮断器 101 電圧測定遮断 102 電圧測定遮断 103 差電圧誤差補償値演算指令手段 104 差電圧誤差補償値演算手段 105 差電圧演算手段 3 差電圧演算装置 30 差電圧演算装置 21 計器用変圧器 22 計器用変圧器 31 絶縁変圧器 32 絶縁変圧器 33 アナログフィルタ 34 アナログフィルタ 35 サンプルホールド回路 36 サンプルホールド回路 37 マルチプレクサ 38 A/D変換器 39 プロセッサ 41 スイッチ 42 電源装置 43 電源電圧検出装置 51 スイッチ 52 タイマ 61 スイッチ 62 自動駆動指令回路 7 補助接点

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遮断器の両端の交流電圧を測定する電圧測
    定手段によってそれぞれ測定された2つの交流電圧の振
    幅の差及び位相の差が差電圧演算手段によって演算され
    る交流電圧の差電圧演算方法において、前記差電圧演算
    手段による演算誤差の補償値演算の実行を指令する差電
    圧誤差補償値演算指令手段の指令に基づいて、あらかじ
    め差電圧誤差補償値演算手段によって前記遮断器が閉路
    の状態における前記振幅の差及び位相の差を演算してそ
    の値を補償値とし、前記遮断器が任意の状態での2つの
    交流電圧の振幅の差及び位相の差の演算値から前記補償
    値をそれぞれ差し引いた値を前記差電圧演算手段による
    演算結果とすることを特徴とする交流電圧の差電圧演算
    方法。
  2. 【請求項2】差電圧誤差補償値演算指令手段が、差電圧
    演算手段を備えた差電圧演算装置の稼働開始時に補償値
    演算指令を発することを特徴とする請求項1記載の交流
    電圧の差電圧演算方法。
  3. 【請求項3】差電圧誤差補償値演算指令手段が、差電圧
    演算装置の外部からの演算指令に基づいて補償値演算指
    令を発することを特徴とする請求項1又は2記載の交流
    電圧の差電圧演算方法。
  4. 【請求項4】差電圧誤差補償値演算指令手段が、遮断器
    閉路操作時に補償値演算指令を発することを特徴とする
    請求項1、2又は3記載の交流電圧の差電圧演算方法。
  5. 【請求項5】差電圧誤差補償値演算指令手段が所定の期
    間ごとに補償値演算指令を発することを特徴とする請求
    項1、2、3又は4記載の交流電圧の差電圧演算方法。
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