JP3360048B2

JP3360048B2 - 紙葉類印字装置のインクリボン駆動機構

Info

Publication number: JP3360048B2
Application number: JP31563499A
Authority: JP
Inventors: 浩士植田
Original assignee: NEC Computertechno Ltd
Current assignee: NEC Computertechno Ltd
Priority date: 1999-11-05
Filing date: 1999-11-05
Publication date: 2002-12-24
Anticipated expiration: 2019-11-05
Also published as: JP2001130117A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、主として、紙葉類
印字装置（プリンタ）において、ギヤ列を介して、リボ
ンフィーダに、トルク伝達する駆動モータを備えたイン
クリボン駆動機構に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種のインクリボン駆動機構では、カ
セット内のリボンを移動するためのフィーダに、スペー
シングモータなどの駆動モータから、ギヤ列を介して、
トルク伝達がなされるが、インクリボンカセット内で、
インクリボンがジャミングした場合に、フィーダが止ま
り、伝達トルクによって、ギヤ歯面が損傷される場合が
ある。この破損防止対策として、従来から以下に示すよ
うな方法が用いられている。

【０００３】１）リボンカセット内のリボンフィードギ
ヤ（フィーダの一部）とインクリボンとの接触抵抗を小
さくして、インクリボンがジャムった時に前述のインク
リボン面とリボンフィードギヤの間でスリップさせる。

【０００４】２）ギヤ列の何れかのギヤにトルクリミッ
タなどを装着して、トルクの吸収を図る。

【０００５】３）インクリボンの駆動モータの発生トル
クを、予め、低く設定しておくことにより、フィーダが
止まり、ギヤがロックした場合の負荷で、モータ自体を
脱調させる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】以上のような方法で、
ギヤ破損を回避する場合、何れも以下の問題点があっ
た。

【０００７】１）インクリボンとリボンフィードギヤの
間で滑らす場合は、インクリボンの使用状態、リボンフ
ィードギヤの歯面の摩耗状態などにより、その製造状態
で、スリップ力にばらつきがあり、更に、使用状況での
変化などで、一定なスリップ力の実現が困難であった。
また、リボンフィードギヤが、インクリボンとの間で長
時間スリップすると、インクリボンの表面が劣化する。

【０００８】２）インクリボン駆動機構に、新たにトル
クリミッタなどを装着する場合は、実装エリアに余裕が
ないと、トルクリミッタの装着ができず、仮に、装着エ
リアに余裕があり、トルクリミッタを装着できた場合で
もコスト面で不利である。

【０００９】３）インクリボンの駆動モータの発生トル
クを低く設定する場合は、インクリボン駆動機構のみに
動力供給する場合には、有効な手段であっても、同じ駆
動モータからキャリアへの摺動のための動力を同時に供
給する機構では、キャリアの摺動動作に悪影響を及ぼ
す。

【００１０】本発明は、上記事情に基づいてなされたも
ので、インクリボンのフィーダに対して十分なトルク伝
達がなされ、しかも、リボンのジャミング発生などで、
フィーダが止まっても、ギヤ列に無理な負荷が掛からな
いように工夫した紙葉類印字装置のインクリボン駆動機
構を提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】このため、本発明では、
ギヤ列を介して、リボンフィーダに、トルク伝達する駆
動モータを備えた紙葉類印字装置のインクリボン駆動機
構において、該ギヤ列は、その動力伝達系に、太陽ギヤ
と、該太陽ギヤの回転中心で揺動するスイングアーム
と、前記太陽ギヤと噛み合い状態で前記スイングアーム
に軸支された第１の遊星ギヤと、該遊星ギヤに係脱可能
に噛み合う第２の遊星ギヤと、少なくとも、第２の遊星
ギヤを第１の遊星ギヤへの噛み合い方向に付勢する付勢
手段とを具備していることを特徴とする。

【００１２】この場合、本発明の好ましい実施の形態と
して、前記付勢手段で噛み合い方向に付勢される第２の
遊星ギヤの移動は、動力伝達に際しての、第１の遊星ギ
ヤとの噛み合い位置までに制限されていることが、ま
た、前記スイングアームの揺動範囲が、少なくとも、動
力伝達に際しての、第１および第２の遊星ギヤの噛み合
い位置までに制限されていることが有効である。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照して、具体的に説明する。なお、図１は本発明
に係わる紙葉類印字装置のインクリボン駆動機構の上面
図、図２はその側面図、また、図３はこのインクリボン
駆動機構がインクリボンカセットのフィーダへの動力伝
達を行う際の、前記カセットの詳細図である。

【００１４】図１および図２において、本発明の紙葉類
印字装置のインクリボン駆動機構は、プリンタヘッド１
を装着しているキャリア２を、ベルト伝動系３を介し
て、スペーシングさせるためのスペーシングモータ４を
具備しており、一方、インクリボンカセット５のフィー
ダ（フィードギヤ：図示せず）への動力伝達系は、ギヤ
列で構成されている。

【００１５】このギヤ列は、スペーシングモータ４の出
力軸に設けた出力ギヤ（図示せず）と噛み合う太陽ギヤ
６と、太陽ギヤ６の回転中心で揺動するスイングアーム
７と、太陽ギヤ６と噛み合い状態でスイングアーム７に
軸支された第１の遊星ギヤ８と、遊星ギヤ８に係脱可能
に噛み合う第２の遊星ギヤ９と、少なくとも、第２の遊
星ギヤ９を第１の遊星ギヤ８への噛み合い方向に付勢す
る付勢手段１０とを具備している。

【００１６】なお、この実施の形態では、付勢手段１０
で噛み合い方向に付勢される第２の遊星ギヤ９の移動
は、動力伝達に際しての、第１の遊星ギヤ８との噛み合
い位置までに制限されている。このために、スペーシン
グモータ４の取付ブラケット１１には、第２の遊星ギヤ
９を軸支した別のスイングアーム１２が、その基端側
で、軸支してあり、また、スイングアーム１２から延長
した、スイング範囲を規制する爪部１２ａが挿入された
スリット１３が形成されている。

【００１７】なお、この実施の形態のギヤ列には、スイ
ングアーム１２の回動中心において、第２の遊星ギヤ９
に噛み合う太陽ギヤ１４を備えており、これには、同軸
的に、また、一体にベベルギヤ１５が連結されている。
そして、軸を交差させて、取付ブラケット１１に軸支し
たシャフト１６には、その一端に、ベベルギヤ１５に噛
み合うベベルギヤ１７が装着してあり、また、その他端
には、リボンカセット５のフィードギヤ（図示せず）に
係脱可能に係合するトルクピース１８が設けてある。

【００１８】また、先述の付勢手段１０は、この実施の
形態では、取付ブラケット１１とスイングアーム１２と
の間に張設された引張コイルスプリングであり、前記ス
イング範囲で、図１においてスイングアーム１２を時計
方向に回動・付勢している。

【００１９】一方、スイングアーム７の揺動範囲は、少
なくとも、動力伝達に際しての、第１および第２の遊星
ギヤ８、９の噛み合い位置までに制限されている。この
ため、取付ブラケット１１には、スイングアーム７の延
長部に形成された、スイング範囲を規制する爪部７ａに
対応して、スリット１９が形成されている。

【００２０】次に、図４〜図６を参照して、本発明に係
わる紙葉類印字装置のインクリボンフィード機構の動作
について説明する。図４において、スペーシングモータ
４の出力ギヤ（図示せず）が上向き（矢印方向）に回転
した場合（反時計方向）、プリンタヘッド１を装着した
キャリア２は、矢印方向に移動しながら、紙葉類に印字
を行う。この時、第１の遊星ギヤ８は、太陽ギヤ６がス
ペーシングモータ４とは反対の方向に回転するため、回
転に伴う慣性力で、スイングアーム７が時計方向に回動
することで、第２の遊星ギヤ２から離れる状態となり、
インクリボンカセット５のフィードギヤ（図示せず）に
は、動力が伝達されず、インクリボンはフィードされな
い。

【００２１】また、図５においては、スペーシングモー
タ４が、図４の場合とは反対方向に回転した場合（時計
方向）を示しているが、この状態は、プリンタヘッド１
を装着したキャリア２は、下向き（矢印方向）に移動し
ながら、紙葉類に印字を行う。この時、第１の遊星ギヤ
８は、図４の状態とは逆に、太陽ギヤ６が矢印方向（反
時計方向）に回転するため、その慣性力で、スイングア
ーム７が回動し、第２の遊星ギヤ９との噛み合い位置に
付勢される。これにより、遊星ギヤ９、ベベルギヤ１５
および１７、シャフト１６、トルクピース１８を介し
て、インクリボンカセット３のフィードギヤ（図示せ
ず）を回転させる。このようにして、インクリボンをフ
ィードさせることで、インクリボンの同一箇所への印字
集中を防止している。

【００２２】図６は、インクリボンカセット３内でイン
クリボンがジャミングした際などに、フィーダギヤ（図
示せず）が止まり、ベベルギヤ１５、１７などの回転が
スムーズに行われず、ロックする場合の説明であるが、
この場合は、ベベルギヤ１５からインクリボンカセット
３までの間が回転しないため、遊星ギヤ８が遊星ギヤ９
に噛み合った状態でも、遊星ギヤ９は回転することが不
可能となるが、遊星ギヤ８は、矢印方向（時計方向）に
回転していて、そのピッチ円の接線方向に、スペーシン
グモータ４の回転トルクが働いているから、遊星ギヤ９
の歯面にも、同様に、法線方向の力が掛かっている。

【００２３】しかし、この接線方向の力を遊星ギヤ９の
歯面が受けることで、遊星ギヤ９には、その接線方向に
移動しようとする力が発生する。このため、遊星ギヤ９
の回転力が、スイングアーム１２を回動する慣性力とし
て働き、ベベルギヤ１５の軸を支点として、コイルスプ
リング１０の引張力に抗して、スイングアーム１２が回
動することにより、遊星ギヤ９の歯面に受ける法線方向
の力が一定値に達する過程で、遊星ギヤ８から離れて、
遊星ギヤ８の歯と遊星ギヤ９の歯の間で、歯飛びを起こ
す。これにより、ギヤ列における歯面の破損が回避され
る。

【００２４】なお、図６はスペーシングモータ４が矢印
方向（時計方向）に回転した場合についての説明だが、
反対方向（反時計方向）に回転した場合は、図４の状態
となるので、遊星ギヤ８と遊星ギヤ９とは、離れた状態
となることから、スペーシングモータ４の駆動力が伝達
されないため、ギヤロックによる歯面破損は発生しな
い。

【００２５】なお、この実施の形態では、遊星ギヤ９を
保持しているスイングアーム１２を、引張コイルスプリ
ングで付勢しているが、付勢手段としては、トーション
スプリングなどを用いても、同様の効果が得られる。

【００２６】

【発明の効果】本発明は、以上詳述したようになり、イ
ンクリボン駆動機構のギヤ列を構成している遊星ギヤ
が、所要の時に退避するので、トルクリミッタなどを装
着することなく、十分な伝達トルクを維持しながら、し
かも、ギヤロックによる破損を回避することができる。
また、トルクリミッタを用いないので、安価で、しか
も、実装エリアが少なくて済み、更に、信頼性の高い機
構となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態を示す要部の平面図であ
る。

【図２】同じく、側面図である。

【図３】リボンカセットの正面図である。

【図４】同じく、本発明の実施態様（非動力伝達）を説
明するための平面図である。

【図５】同じく、本発明の実施態様（動力伝達）を説明
するための平面図である。

【図６】同じく、本発明の実施態様（ジャミング時）を
説明するための平面図である。

【符号の説明】

１プリンタヘッド２キャリア３ベルト伝動系４スペーシングモータ（駆動モータ）５インクリボンカセット６太陽ギヤ７スイングアーム７ａ爪部８遊星ギヤ９遊星ギヤ１０付勢手段（引張コイルスプリング）１１取付ブラケット１２スイングアーム１２ａ爪部１３スリット１４太陽ギヤ１５ベベルギヤ１６シャフト１７ベベルギヤ１８トルクピース１９スリット

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】ギヤ列を介して、リボンフィーダに、ト
ルク伝達する駆動モータを備えた紙葉類印字装置のイン
クリボン駆動機構において、該ギヤ列は、その動力伝達
系に、太陽ギヤと、該太陽ギヤの回転中心で揺動するス
イングアームと、前記太陽ギヤと噛み合い状態で前記ス
イングアームに軸支された第１の遊星ギヤと、該遊星ギ
ヤに係脱可能に噛み合う第２の遊星ギヤと、少なくと
も、第２の遊星ギヤを第１の遊星ギヤへの噛み合い方向
に付勢する付勢手段とを具備していることを特徴とす
る、紙葉類印字装置のインクリボン駆動機構。
【請求項２】前記付勢手段で噛み合い方向に付勢され
る第２の遊星ギヤの移動は、動力伝達に際しての、第１
の遊星ギヤとの噛み合い位置までに制限されていること
を特徴とする請求項１に記載の、紙葉類印字装置のイン
クリボン駆動機構。
【請求項３】前記スイングアームの揺動範囲は、少な
くとも、動力伝達に際しての、第１および第２の遊星ギ
ヤの噛み合い位置までに制限されていることを特徴とす
る請求項１あるいは２に記載の、紙葉類印字装置のイン
クリボン駆動機構。