JP3358653B2 - コンクリート型枠からの粉塵を利用した脱塩素剤 - Google Patents

コンクリート型枠からの粉塵を利用した脱塩素剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼材製コンクリー
ト型枠の表面に付着したコンクリートをショットブラス
トにより清浄した際に生じる粉塵を利用した廃プラスチ
ックなどからの脱塩素剤に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】近年、廃棄物やゴミな
どの埋め立て処分場の確保が困難になってきており、こ
れと共にこれら廃棄物の有効利用に対する社会的要求が
各種分野において高まってきている。例えば、コンクリ
ート製品の分野では、その製造工程において鋼材製の型
枠に付着したコンクリートをショットブラストで型枠か
ら落として型枠を清浄化しているが、この際微粉状に破
砕されたコンクリートと鋼材製の型枠がショットブラス
トにより微細に研磨されて生じる研磨粉などを含む粉塵
が発生する。この粉塵は集塵機などで回収して、埋め立
て処分されているのが現状であるが、前述したようにこ
の粉塵を廃棄せずに何らかの用途の原材料として有効利
用を図ることが要望されている。さらに、もしこの粉塵
の有効利用可能な用途があれば、その用途の原材料を安
価に提供できるなどの効果も期待できる。
【0003】ところで、最近、やはり資源の有効利用の
面から混合廃プラスチック、いわゆるプラスチックごみ
を油化あるいはガス化するなどして燃料として再利用す
ることが盛んに試みられており、一部実用化されてきて
いる。しかしながら、混合廃プラスチックは、ポリプロ
ピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン類の他にポ
リ塩化ビニルなどの塩素分を含有するプラスチックをも
含んでいるため、廃プラスチックを油化やガス化する際
に加熱溶融したり、また油化物中に塩素分が残留したま
ま燃焼させたりすると塩化水素ガスなどの塩素系の腐食
性ガスが発生し、廃プラスチックの処理装置や焼却炉な
どの燃焼装置の腐食を招きやすいという問題点があっ
た。特に、近年ダイオキシン類が社会的に大きな問題に
なってきており、廃プラスチック再生燃料中に塩素分が
含まれていると、これを燃料として燃焼させた際にダイ
オキシン類の発生が懸念されるため、混合廃プラスチッ
クを再生燃料とする場合には、塩素分を完全に除去して
やることが必要である。このため、ポリ塩化ビニルを含
有しない廃プラスチックを用いるなどしているが、混合
廃プラスチック中からポリ塩化ビニルだけを選択して完
全に除去するのは困難である。また、ポリ塩化ビニルな
どの塩素を含有するプラスチックは、現在では各種製品
として広く氾濫しており、これを処理できなければ廃プ
ラスチックの再利用を実現化したとはいえない。
【0004】この対策として、例えば特開平6−296
710号公報に記載されているようにポリ塩化ビニルな
どの有機塩素化合物を鉄、タングステン、モリブデン、
銅又はこれらの酸化物と不活性ガス中で400〜800
℃で反応させることにより塩素を除去してやる方法を適
用してやることが考えられるが、これらの金属は線材や
リングなどの形態で用いるのが一般的であり、このため
形状的な制限が大きく、油化物やガス化物などのいずれ
の場合にも脱塩素剤として対応させるのには無理があ
る。また、微粉末状のものを用いることが考えられる
が、これらの金属を微粉末状に加工したものを用いてい
たのではコストがかかるため、廃プラスチックを再利用
するメリットがなくなるため、その普及が望めないとい
う問題点がある。
【0005】本発明はこれらの課題に鑑みてなされたも
のであり、従来廃棄されていた鋼材製コンクリート型枠
からの粉塵を利用して脱塩素剤を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み、本発明
者らが、鋼材製コンクリート型枠のショットブラストに
よる粉塵の再利用について鋭意研究した結果、この粉塵
にはコンクリート成分に由来する炭酸カルシウムとショ
ットブラストにより研磨された鋼材製の型枠に由来する
鉄あるいは酸化鉄とが多量に含まれており、これら炭酸
カルシウムや鉄あるいは酸化鉄は、いずれも塩素との反
応性に富み、塩化物や塩化水素ガスと反応して塩化鉄や
塩化カルシウムとなることを見出した。そこで、本発明
者らは、この鋼材製コンクリート型枠のショットブラス
トによる粉塵を廃プラスチックの油化あるいはガス化工
程における塩素除去剤や各種油分及びその分解ガスから
の塩素除去剤として使用したところ、優れた塩素分の除
去効果を発揮することを見出した。特に、この粉塵は微
粉末であるので、バグフィルターなどに担持させたり、
ペレット状に加工して触媒層を構成したり、濾過フィル
ターに用いたりすることにより油化物にもガス化物にも
好適に対応可能であることを見出した。これらに基き本
発明に想到した。
【0007】すなわち、本発明の請求項1記載の脱塩素
剤は、鋼材製コンクリート型枠の表面に付着したコンク
リートを鋼粒のショットブラストにより清浄した際に生
じる粉塵からなり、前記型枠の鉄系成分の微粉末と、前
記コンクリートのカルシウム系成分の微粉末とを主成分
とするものある。
【0008】また、請求項2記載の脱塩素剤は、前記鉄
系成分の微粉末は鉄又は酸化鉄を含有し、前記カルシウ
ム系成分の微粉末は炭酸カルシウム又は酸化カルシウ
含有するものである。
【0009】
【発明の実施形態】以下、本発明のコンクリート型枠の
清浄の際の粉塵を利用した脱塩素剤について詳細に説明
する。
【0010】本発明においてコンクリート型枠からの粉
塵とは、コンクリート成型品を製造する際に鋼材製のコ
ンクリート型枠の表面の所々にコンクリート残存物が付
着する。これを残存させたままコンクリートの成型を続
けると、得られる成型品の形状が崩れるばかりか、機械
的強度も低下しかねない。そこで、ショットブラストに
よりコンクリート型枠の表面に付着したコンクリート残
存物を落としてやっている。このショットブラストは鋼
粒ショットを圧縮空気などにより型枠表面に吹き付けて
コンクリート残存物を微細に粉砕して清浄化するもので
あり、この際に発生する粉塵のことである。
【0011】この粉塵には、コンクリートだけでなく、
ショットブラストにより摩耗した鋼材製の型枠の微細粉
も混入している。したがって前記粉塵は、鉄、酸化鉄
(主にマグネタイト(Fe34))などの鋼材製型枠に
由来する鉄系成分の微粉末と、炭酸カルシウム、酸化カ
ルシウム(生石灰)などのコンクリートに由来するカル
シウム系成分の微粉末とを主成分とし、その他石英、ア
ルミナなどの微量成分を含有する。さらに回収直後には
約30%程度の強熱減量成分(有機化合物、水分、その他
の揮発性成分など)を含んでいる。好ましくは鉄系成分
とカルシウム系成分との比は、重量比で30:70〜7
0:30である。この鉄、酸化鉄などの鉄系成分は、一
般に塩化水素ガスや塩素化合物などの塩素分と容易に反
応して塩化鉄に転化することで脱塩素剤として機能す
る。また、炭酸カルシウム、酸化カルシウム(生石灰)
などのカルシウム系成分も塩素分と容易に反応して塩化
カルシウムに転化することで脱塩素剤として機能する。
このような粉塵は、そのまま用いてもよいし、加熱処理
により強熱減量成分を除去したものを用いてもよい。た
だし、加熱処理を施した場合には、主に鉄系成分は酸化
鉄(ヘマタイト(Fe23))となり、カルシウム系成
分は酸化カルシウム(生石灰)となるが、この場合でも
塩素との反応性を損なうことはなく、その脱塩素剤とし
ての機能は失われない。上述したような粉塵は0.3〜
100μmの粒度を有する。なお、本明細書中において
は、以降この粉塵を微粉末状塩素除去剤と呼ぶことにす
る。
【0012】本発明においては、このコンクリート型枠
からの粉塵を混合廃プラスチックなどを油化あるいはガ
ス化する際の塩素除去剤、あるいは塩素を含有するオイ
ルあるいはガスからの塩素除去剤として使用する。
【0013】以下、第1実施例である本発明の脱塩素剤
を用いた廃プラスチックの油化物から塩素を除去する場
合について説明する。図1は廃プラスチックの油化装置
を示し、1はバーナ1aを備えた加熱分解炉であり、こ
の加熱分解炉1は、ポリ塩化ビニルなどの廃プラスチッ
クストッカ2に連通していて、図示しないフィーダーに
より所定量づつ加熱分解炉1に廃プラスチックPが供給
されるようになっている。また、3は加熱分解炉1に連
通した管路であり、この管路3の末端には冷却塔4が設
けられていて、さらにこの冷却塔4は廃プラスチック油
化槽5に連通している。そして、この廃プラスチック油
化槽5中には、オイル用塩素除去フィルター6が浸漬さ
れている。
【0014】前記オイル用塩素除去フィルター6として
は、例えば図2に示すように前述した粉塵からなる本発
明の微粉末状塩素除去剤をセメント、バインダ樹脂など
によりペレット状に成型して造粒物11,11…とし、該造
粒物11,11…をセラミックスファイバーあるいはグラス
ファイバーを無機結合材で固化した透油性のパネル12,
12間に形成される空間S内に充填したものを用いること
ができる。なお、パネル12,12の代わりに、セラミック
スファイバーあるいはグラスファイバー製の織布あるい
は不織布、セラミックス製あるいはガラス製の多孔質フ
ィルター、目皿状のセラミックスあるいはガラスなどを
用いることもできる。
【0015】この微粉末状塩素除去剤を用いた廃プラス
チック油化工程について説明する。図1に示す装置にお
いて、廃プラスチックストッカ2から加熱分解炉1に廃
プラスチックPが供給されたら、加熱分解炉1をダイオ
キシンの生成しにくい高温、好ましくは500〜900
℃として廃プラスチックPを加熱分解する。この加熱分
解により生じたガスGは、管路3を流通し冷却塔4で冷
却され、油化物Oとして廃プラスチック油化槽5に回収
される。この廃プラスチック油化槽5には、鉄系成分及
び炭酸カルシウムなどのカルシウム系成分を主成分とす
る微粉末状塩素除去剤の造粒物11からなるオイル用塩素
除去フィルター6が浸漬されているので、鉄系成分及び
カルシウム系成分が廃プラスチックの油化物O中の塩素
と容易に反応して、鉄系成分が塩化鉄にカルシウム系成
分が塩化カルシウムに転化することにより、油化物O中
の塩素分を除去することができる。
【0016】このように廃プラスチックの油化物Oに対
して十分な量の微粉末状塩素除去剤の造粒物11を用いる
ことにより、該油化物O中に含まれる塩素分を除去する
ことができる。特に本発明における塩素除去剤は、鉄系
成分の微粉末とカルシウム系成分の微粉末とを主成分と
している。これら鉄系成分とカルシウム系成分とは、塩
素分との反応温度や反応しやすさなどがそれぞれ相違す
る。本発明の塩素除去剤は、この両者の混合物であるた
め、両者の塩素除去剤としての機能が相補的に発揮され
るため、環境温度や油化物・ガス化物などの状態変化に
対応して優れた塩素除去能力を発揮することができる。
しかも、この塩素除去剤の造粒物11は、従来は廃棄して
いたコンクリート型枠の清浄の際の粉塵を利用したもの
であるため、公共性にも優れており、その上極めて安価
に提供することができる。
【0017】なお、前記実施例においては、オイル用塩
素除去フィルター6としてペレット化した造粒物11を用
いたが、微粉末状塩素除去剤をそのまま目の細かい耐熱
・耐食性の布製フィルター、具体的にはセラミックスフ
ァイバーあるいはグラスファイバー製の織布あるいは不
織布に封入したものを用いてもよいし、あるいは油化物
Oに微粉末状塩素除去剤を直接投入して、塩素分と反応
させた後、油化物Oをフィルターや濾過装置などで濾過
することにより、微粉末状塩素除去剤と油化物Oとを分
離してもよい。
【0018】次に第2実施例である本発明の塩素除去剤
を用いて廃プラスチックの油化工程においてガス化物か
ら塩素を除去する場合について説明する。図3は廃プラ
スチックの加熱分解油化装置を示し、前記第1実施例に
おいて、オイル用塩素除去フィルター6を使用せず、管
路3にガス用塩素除去フィルター7を配置した以外同じ
構成を有する。
【0019】このような装置において、ガス用塩素除去
剤フィルター7としては、例えばバグフィルターなどの
ような気体用のフィルターに微粉末状塩素除去剤を担持
させたものを用いることができる。
【0020】そして、図3に示す装置において、廃プラ
スチックストッカ2から加熱分解炉1に廃プラスチック
Pが供給されたら、分解炉1をダイオキシンの生成しに
くい高温、好ましくは500〜900℃として、廃プラ
スチックPを加熱分解する。この加熱分解により生じた
ガスGは管路3を流通し、ガス用塩素除去フィルター7
を通過する。この際、ガス用塩素除去フィルター7に担
持させた微粉末状塩素除去剤中の鉄系成分及び炭酸カル
シウムなどのカルシウム系成分が、加熱分解ガスG中の
塩素分と容易に反応して、鉄系成分は塩化鉄にカルシウ
ム系成分は塩化カルシウムに転化する。このようにし
て、加熱分解ガスG中の塩素分を除去することができ
る。そして、塩素分を除去された加熱分解ガスGは、冷
却塔25で冷却されると油化物Oとして廃プラスチック油
化槽5に回収される。
【0021】このように廃プラスチックPの加熱分解ガ
スGをコンクリート型枠からの粉塵を用いたガス用塩素
除去フィルター7を流通させることにより、加熱分解ガ
スG中に含まれる塩素分を除去することができる。これ
により得られる油化物O中の塩素濃度を大幅に低減する
ことができる。特に本発明における塩素除去剤は、鉄系
成分微粉末とカルシウム系成分微粉末とを主成分として
なるので、両者の相補的な作用により前述した液体のみ
ならず気体にも充分対応可能となっている。
【0022】なお、前記実施例においては、ガス用塩素
除去フィルター7としてバグフィルターに微粉末状塩素
除去剤を担持させたものを用いた場合について説明した
が、前述した図2に示すような微粉末状塩素除去剤をペ
レット状に成型した造粒物11,11をパネル12,12間に充
填したものを用いてもよい。
【0023】さらに、第3実施例である本発明の塩素除
去剤により廃プラスチックの油化物から除去する場合に
ついて説明する。図4は他の廃プラスチックの油化装置
を示し、バーナ21aを備えた加熱炉21の上方に攪拌機23
を備えた廃プラスチック油化槽22が配置され、この廃プ
ラスチック油化槽22にはポリ塩化ビニルなどの廃プラス
チックストッカ24に連通していて、図示しないフィーダ
ーにより所定量づつ廃プラスチック油化槽22に廃プラス
チックPが供給されるようになっている。また、25は廃
プラスチック油化槽22に設けられた排気管であり、この
排気管25の途中にはガス用塩素除去フィルター26が設け
られている。上述したような油化装置において、廃プラ
スチック油化槽22内には、油化物O中の塩素を除去する
ためのオイル用塩素除去フィルター27が浸漬されてい
る。
【0024】前記ガス用塩素除去フィルター26及びオイ
ル用塩素除去フィルター27としては、前述した第1実施
例におけるオイル用塩素除去フィルター6、第2実施例
におけるガス用塩素除去フィルター7と同じものをそれ
ぞれ使用することができる。
【0025】次に本実施例の廃プラスチック油化工程に
ついて説明する。図4に示す装置において、廃プラスチ
ックストッカ24から廃プラスチック油化槽22に廃プラス
チックPが供給されたら、必要に応じて各種添加剤、分
解触媒などを添加し、続いてバーナ21aを点火して加熱
炉21の熱により350〜400℃程度に加熱して攪拌機
23で攪拌しながら溶融する。そして、廃プラスチックP
がほぼ分解して油化物Oとなったらオイル用塩素除去フ
ィルター27を浸漬する。このオイル用塩素除去フィルタ
ー27は、鉄系成分と炭酸カルシウムなどのカルシウム系
成分とを主成分とする造粒物11からなるので、廃プラス
チックの油化物O中の塩素と容易に反応して、鉄系成分
は塩化鉄に炭酸カルシウムは塩化カルシウムに転化す
る。このようにして、油化物O中の塩素分を除去するこ
とができる。また、この油化工程において補集されなか
った塩素分は塩化水素ガスなどとして排気管25を流通す
るが、ガス用塩素ガス除去フィルター26により補集され
る。また、ガス用塩素ガス除去フィルター26にその他の
各種触媒等を担持することにより、炭化水素ガスなどの
ガス成分やその他の揮発性の有害物質もここで補集する
ことができる。
【0026】このように本発明の塩素除去剤は、前述し
た第1実施例及び第2実施例のようなタイプの廃プラス
チックの油化装置に限らず、種々のタイプの油化装置に
適用可能である。また、ガス用塩素除去フィルター26と
オイル用塩素除去フィルター27とは本実施例のように併
用してもよい。
【0027】以上本発明について前記実施例に基き説明
してきたが、本発明は前記実施例に限られるものではな
く、種々の変形実施が可能である。例えば、前記第1乃
至第3実施例においては、いずれも廃プラスチックの油
化工程の場合を例に説明してきたが、第2実施例の場合
には廃プラスチックPの分解ガスGから塩素分を除去し
た後、そのまま気体燃料などとして使用する装置にも適
用可能である。なお、ガス用塩素除去フィルターとして
は、微粉末状塩素除去剤を担持可能であれば、セラミッ
クスフィルター、ガラスフィルターなど各種フィルター
が適用可能である。また、廃プラスチックからの脱塩素
に限らず塩素を含有する各種オイルやその分解ガスから
の脱塩素剤としても利用可能である。
【0028】
【実施例】以下の具体的実施例に基き本発明をさらに詳
細に説明する。 調製例1 微粉末状塩素除去剤の製造 表面に錆止め塗料を塗布してなるSS41製のコンクリ
ート型枠の表面にシンナーとA重油のごく薄い塗膜を形
成した後、コンクリートを打設し、所定形状のコンクリ
ート成形体を製造した。このコンクリート成形体を型枠
より取り外した後、ショットブラストにより型枠表面に
付着したコンクリートを除去した。この際発生した粉塵
を集塵機により回収し、得られた粉塵を各種試験用の微
粉末状塩素除去剤とした。
【0029】この微粉末状塩素除去剤を、800℃で9
0分加熱することにより熱分解性の有機元素や水分など
を強熱減量成分として一括して除去した後、株式会社堀
場製作所製蛍光X線元素分析装置「MESA−500」
により成分分析を行ったところ、その成分比は、酸化鉄
(Fe23)37.4重量%、酸化カルシウム(Ca
O)21.1重量%、SiO2、9.5重量%、アルミ
ナ(Al23)2.2重量%、酸化カリウム(K2O)
0.2重量%、強熱減量成分29.5重量%であった。
なお、上記成分中、酸化カルシウム(CaO)及び酸化
鉄(Fe23)は、加熱前においてはそれぞれ炭酸カル
シウム(CaCO3)及び鉄(Fe)、酸化鉄(Fe3
4)であったと予想される。 塩素含有オイルからの脱塩素試験 実施例1 A重油に2種類の塩素化合物(塩酸(HCl)及びテト
ラクロロエチレン(C2Cl4)を添加して試験用オイル
を調製した。この試験用オイル中の塩素含有率を測定し
たところ、1g当たり94.2mgであった。この試験
用オイル20ミリリットル(17.44g)中に調製例
1で得た微粉末状塩素除去剤1.0044gを添加し、
超音波振動を加えながら3分間攪拌した後、1時間放置
した。このような処理を行った試験用オイルを定量分析
用濾紙5Bで濾過して、濾液中の塩素含有率を測定した
ところ1g当たり2.2mgであった。このことから、
本発明の塩素除去剤により塩素が97.7%除去されて
いるのが確認された。 実施例2 調製例1で得た微粉末状塩素除去剤、セメント、水を
4:1:2.5の重量比で混合し硬化後、粉砕、分級し
て粒径0.5〜1.0mmの塩素除去剤のペレットを作
製した。このペレット4.0210mgを実施例1で調
製した試験用オイル20ミリリットル中に添加し、実施
例1と同様にして攪拌、濾過し、濾液中の塩素含有率を
測定したところ1g当たり0.9mgであった。このこ
とから、塩素が99.0%除去されているのが確認され
た。
【0030】これら実施例1及び実施例2からの本発明
の塩素除去剤は、微粉末状、ペレット状などその形態に
関係することなく、同様に高い塩素除去率を示すことが
わかる。 実施例3 調製例1で得た微粉末状塩素除去剤を廃プラスチック油
化プラントの塩化ビニル樹脂分解オイルに添加して攪拌
した後、得られた塩化ビニル樹脂分解オイルの塩素含有
率を測定したところ、大幅に減少しており、試験用オイ
ルのみならず実際の塩化ビニル樹脂分解オイルにおいて
も顕著な塩素除去効果を発揮することが確認された。 塩素含有ガスからの脱塩素試験 実施例4 実施例1で調製した試験用オイルを加熱分解炉(三菱化
学(株)製 試料燃焼装置QF−02型)を用いて90
0℃で加熱分解させ、発生した分解ガスを実施例2で製
造したペレット20ミリリットル(14.0289g)
を充填した吸収管を通過させて、通過後のガスの塩素濃
度を測定したところ、オイル1g当たり0.02mgで
あった。このことから、塩素除去剤により塩素が99.
98%除去されているのが確認された。
【0031】また、上記各実施例により本発明の微粉末
状塩素除去剤は、油化物(オイル)に対してもガス化物
に対しても優れた効果を発揮することも確認された。
【0032】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の脱塩素剤は、鋼
材製コンクリート型枠の表面に付着したコンクリートを
鋼粒のショットブラストにより清浄した際に生じる粉塵
からなり、前記型枠の鉄系成分の微粉末と、前記コンク
リートのカルシウム系成分の微粉末とを主成分とするも
であるので、油化物及びガス化物の両方に対して優れ
た塩素除去効果を得ることができる。しかも、この塩素
除去剤は、従来は廃棄していたコンクリート型枠の清浄
の際の粉塵を利用するものであるため、公共性にも優れ
ており、その上極めて安価である。
【0033】また、請求項2記載のコンクリート型枠の
清浄の際の粉塵を利用した脱塩素剤は、前記請求項1に
おいて、前記鉄系成分の微粉末は鉄又は酸化鉄を含有
し、前記カルシウム系成分の微粉末は炭酸カルシウム又
は酸化カルシウムを含有するものであるので、両者の相
補的な作用により温度や油化物・ガス化物などの状態の
変化に応じて優れた塩素除去能力を発揮することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の脱塩素剤を用いた廃プラ
スチックの加熱分解油化装置を示す概略図である。
【図2】前記装置で使用する塩素除去フィルタを示す部
分破断斜視図である。
【図3】本発明の第2実施例の脱塩素剤を用いた廃プラ
スチックの加熱分解油化装置を示す概略図である。
【図4】本発明の第3実施例の脱塩素剤を用いた廃プラ
スチックの油化装置を示す概略図である。
【符号の説明】
11 造粒物(塩素除去剤)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B09B 5/00 B09B 5/00 F (72)発明者 小柳 哲威 新潟県新潟市小新1丁目5番2号 本間 コンクリート工業株式会社内 (72)発明者 渡辺 秀人 新潟県新潟市小新1丁目5番2号 本間 コンクリート工業株式会社内 (56)参考文献 特開2000−80380(JP,A) 特開 平10−235186(JP,A) 特開 平11−140460(JP,A) 特開 昭47−19666(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 20/06 B01D 53/68 C09K 3/00 C10G 1/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼材製コンクリート型枠の表面に付着し
    たコンクリートを鋼粒のショットブラストにより清浄し
    た際に生じる粉塵からなり、前記型枠の鉄系成分の微粉
    末と、前記コンクリートのカルシウム系成分の微粉末と
    を主成分とすることを特徴とする脱塩素剤。
  2. 【請求項2】 前記鉄系成分の微粉末は鉄又は酸化鉄
    含有し、前記カルシウム系成分の微粉末は炭酸カルシウ
    ム又は酸化カルシウムを含有することを特徴とする請求
    項1記載の脱塩素剤。
JP28175898A 1998-10-02 1998-10-02 コンクリート型枠からの粉塵を利用した脱塩素剤 Expired - Fee Related JP3358653B2 (ja)

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