JP2006263635A - 高比表面積の無機質固化体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 微細な連通気孔を有し、比表面積の大きな無機質固化体、及びこれを都市ごみや産業廃棄物の焼却又は溶融処理により発生する灰を主原料として製造する方法を提供する。
【解決手段】 主原料に組成調整材を添加して、焼成後の無機質固化体の化学組成においてKOを等モルでNaOに換算して本来のNaOに加算した値を総NaOとし、この総NaOと、SiOと、Alと、CaOとを所定範囲に配合する。この原料混合物に、ガス発生剤として0.2重量%以上3重量%未満の炭化珪素とヘマタイト換算で2重量%以上8重量%未満の鉄酸化物を添加し、更に炭素化合物や粘結剤などを添加して混合・粉砕した後、水を加えて成形し、得られた成形体を加熱焼成することにより無機質固化体とする。
【選択図】 図1

Description

都市ごみ又は産業廃棄物の焼却又は溶融処理時に発生する灰の再資源化に関し、特に灰中の有害物を無害化して高比表面積の無機質固化体を製造する方法、及びこの方法により得られ、吸着材、分子篩、触媒担体などとして好適な高比表面積の無機質固化体に関するものである。
焼却炉において都市ごみや産業廃棄物を焼却処理すると、焼却炉内には焼却主灰が残り、排ガス中には焼却飛灰が飛散する。焼却飛灰は電気集塵器やバグフィルターで集められ、焼却主灰と共に廃棄物として地中に埋めることにより処分されていた。しかし、都市ごみを焼却処理して得られた灰、特に焼却飛灰には、鉛、亜鉛、カドミウムなどの有害な重金属類が多量に含まれているため、埋立て後に灰から地中に溶出した重金属類が環境汚染を引き起こす原因となっていた。
そこで、従来から、これら鉛、亜鉛、カドミウムなどの有害な重金属類の溶出を防ぐ手段として、集められた灰をセメントで固化する方法、有害な重金属類を薬剤で化学的に固定して不溶化する方法、集められた灰を1300℃以上の温度で溶融処理してガラス質のスラグとする方法などが行われている。最近では、この高温での溶融法により、灰だけでなく都市ごみや産業廃棄物を直接溶融処理することも行われ、そのとき発生する飛灰は特に溶融飛灰と称されている。
一方、本発明者らは、都市ごみの焼却飛灰や焼却主灰を原料として再利用し、その中に含まれる鉛、亜鉛、カドミウムなどの重金属類を揮発除去すると共に、建築用、土木用などに骨材として使用できる、高強度で軽質な無機質固化体を製造する方法を開発してきた。例えば、焼却飛灰や焼却主灰の主要成分であるSiO、Al、NaO、KO、CaOの組成を調整し、焼成法により固化して骨材を製造する方法を既に提案している(特開2003−246656公報参照)。
特開2003−246656公報
上記特開2003−246656公報記載の焼成法によれば、都市ごみや産業廃棄物の焼却飛灰、焼却主灰又は溶融飛灰を主原料とし、これらに含まれる重金属類やダイオキシン類の有害成分を十分に揮発又は分解除去して無害化し、有用な無機質固化体を得ることができる。得られた無機質固化体は、安全性に優れ且つ高強度で化学的に安定であるため、建築用や土木用の骨材として好適なものであった。
しかしながら、上記した従来の焼成法で得られる無機質固化体は建築用や土木用の骨材を主な用途としていたため、その気孔径は数μmから数十μmと大きなものであった。そのため、骨材以外の用途に適用することが難しく、特に微細な気孔を有し、高比表面積であることが必要な用途、例えば、吸着材、分子篩、触媒担体などとして用いることは出来なかった。
本発明は、このような従来の事情に鑑み、都市ごみや産業廃棄物の焼却飛灰、焼却主灰又は溶融飛灰を主原料とし、これらに含まれる重金属類やダイオキシン類の有害成分を十分に揮発又は分解除去して無害化すると共に、マトリックス中に表面から連通したnmのオーダーの微細な気孔を形成して、比表面積の大きな無機質固化体を製造する方法、並びに、この方法により得られる吸着材、分子篩、触媒担体などとして好適な無機質固化体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明が提供する無機質固化体の製造方法は、都市ごみ及び/又は産業廃棄物の焼却により発生する灰を主原料とする無機質固化体の製造方法であって、
上記主原料に組成調整材を添加して、焼成後の無機質固化体の化学組成において、KOを等モルでNaOに換算して本来のNaOに加算した値を総NaOとし、その総NaOと、SiOと、Alと、CaOの合計量を100重量%としたとき、SiOが55重量%以上65重量%未満、Alが10重量%以上25重量%未満、CaOが16重量%未満、総NaOが5重量%以上15重量%未満となるように、原料混合物を配合すると共に、
その原料混合物に、内割りで0.2重量%以上3重量%未満の炭化珪素と、ヘマタイトに換算した内割りで2重量%以上8重量%未満の鉄酸化物と、炭素に換算した内割で2重量%以上6重量%未満の炭素化合物とを添加し、
得られた原料混合物を平均粒径15μm以下になるように混合・粉砕した後、その粉砕物に水を加えて成形し、得られた成形体を焼成炉で加熱焼成することを特徴とするものである。
上記本発明の無機質固化体の製造方法においては、前記主原料として、都市ごみ及び/又は産業廃棄物の焼却又は溶融処理により発生する焼却飛灰、焼却主灰、溶融飛灰から選ばれた少なくとも1種の灰を使用することができる。また、前記組成調整材のシリカ源としては、珪砂、陶石、長石、カオリナイト、木節粘度、焼却主灰、石炭灰、下水道焼却汚泥から選ばれた少なくとも1種を用いることができる。
また、上記本発明の無機質固化体の製造方法においては、前記炭化珪素として、粒度が6,000ブレイン以上の炭化珪素微粉末を用いることが好ましい。前記鉄酸化物としては、ウスタイト又はヘマタイトを用いることができる。前記炭素化合物としては、石炭又はコークスを用いることができる。
また、上記本発明の無機質固化体の製造方法においては、前記原料混合物に、粘結剤としてベントナイト、糖蜜、パルプ廃液から選ばれた少なくとも1種を添加することができる。
更に、本発明は、都市ごみ及び/又は産業廃棄物の焼却又は溶融処理により発生する灰を主原料とし、加熱焼成により製造された無機質固化体であって、気孔径100nm以下の微細な連通気孔を有し、比表面積が80〜300m/gであり、絶乾密度が0.8〜1.4g/mlであることを特徴とする無機質固化体を提供するものである。
本発明によれば、都市ごみや産業廃棄物の焼却飛灰、焼却主灰又は溶融飛灰を主原料とし、これらに含まれる重金属類やダイオキシン類の有害成分を揮発又は分解除去して無害化処理すると同時に、高比表面積の無機質固化体を製造することにより、都市ごみや産業廃棄物の再資源化を促進することができる。
また、本発明によれば、マトリックス中に表面から連通したnmのオーダーの微細な連通気孔を有し、特定分子量の有害物などを吸着分離するような吸着材や分子篩、あるいは特定の有機物や触媒を担持する担体として好適な、比表面積の大きな無機質固化体を提供することができる。
主原料である都市ごみや産業廃棄物の焼却又は溶融処理により発生する灰には、焼却処理時に排ガス中に飛散する焼却飛灰、飛散しない焼却主灰、及びこれらを溶融処理する際に発生する溶融飛灰、並びに、都市ごみや産業廃棄物を高温で直接溶融処理する際に発生する溶融飛灰がある。これらの灰は、SiO、Al、Fe、CaO、NaO、KOなど種々の化合物から成っている。その組成を各種成分の添加により調整しながら焼結過程を検討した結果、SiOと、Alと、NaO又はKOとの3元系相平衡図で示される加熱変化に近い焼成過程をたどることを見出した。
この知見から、加熱焼成によって高強度を発現させると同時に、後述する発泡機構により微細な連通気孔を形成するためには、主原料である上記灰に副原料の組成調整材を添加して、原料混合物を以下の組成となるように配合する必要があることが分かった。即ち、焼成後の無機質固化体の化学組成において、KOを等モルでNaOに換算して本来のNaOに加算した値を総NaOとし、その総NaOと、SiOと、Alと、CaOの合計量を100重量%としたとき、SiOが55重量%以上65重量%未満、Alが10重量%以上25重量%未満、CaOが16重量%未満、総NaOが5重量%以上15重量%未満となるように、原料混合物を配合する。
この化学組成はSiO−Al−NaOの3元系相平衡図中のアルバイトの組成に近く、トリジマイト、ムライトの共晶点、コランダム、ネフェリン、アルバイトの共晶点から離れている。そのため、液相の生成が緩慢で焼結を促進でき、高強度の無機質固化体が得られる。しかも、液相が比較的低温から生成するため、焼成温度も1000〜1200℃程度であり、工業的にも特殊な設備や取り扱い技術を必要としない温度で加熱焼成することができる。
しかし、上記焼成後の無機質固化体の化学組成において、SiOが55重量%未満、Alが25重量%以上、CaOが16重量%以上、又はNaOが5%未満の場合には、生成する液相の粘性が高くなり過ぎるため、ガス発生剤から発生するガスによる気孔形成が進まず、単に焼結が進行するだけで連通気孔が形成されない。また、SiOが65重量%以上、Alが10%未満、NaOが15%以上では、生成する液相の粘性が低くなり、発生するガスを補足して発泡膨張するため、数〜数十μmの粗大な気孔が形成される。
原料混合物を上記組成に配合するためには、主原料に組成調整材を添加して行う。一般的に都市ごみや産業廃棄物の焼却処理等により発生する灰はNaCl、KCl等のアルカリ塩化物や、排ガス処理に使用した石灰化合物を多く含み、上記組成に対してシリカ(SiO)成分やアルミナ(Al)成分が不足するため、これらを組成調整材として添加する。例えば、組成調整材のシリカ源としては、珪砂、陶石、長石、カオリナイト、木節粘度、焼却主灰、石炭灰、下水道焼却汚泥の少なくとも1種を用いることが好ましい。
本発明においては、原料混合物を高温焼成することによって得られる高強度な無機質固化体中に微細な連通気孔を形成するため、上記のごとく液相の生成が緩慢となるような化学組成に調整して焼結を促進させると共に、原料混合物にガス発生剤として炭化珪素(SiC)と鉄酸化物を添加する。炭化珪素と鉄酸化物を併用することによって、マトリックス中に液相が生成し始める時点で効果的にガスを発生させ、微細な連通気孔を形成することができる。
即ち、鉄酸化物は、原料混合物が加熱されて液相が生成し始めると、一部の酸素を解離して、液相を形成するシリカのネットワーク中へ拡散する。このとき解離した酸素により炭化珪素が酸化されてCOやCOのガスが発生し、同時に酸素分圧が下がるため鉄酸化物からの酸素の解離が更に進み、ガス発生が一層促進される。このCOやCOのガスが、高温で生成した液相中を吹き抜けることにより、連通した微細な気孔が形成されるものと考えられる。
原料混合物中の炭化珪素量は、内割りで0.2重量%以上3重量%未満とする。炭化珪素が0.2重量%未満では気孔の形成に必要な十分なガス発生量が得られず、3重量%以上添加しても形成される気孔の量は増加しない。また、炭化珪素は、微粉末ほどガス発生時の酸化反応が効果的に進むため好ましく、効果的な反応速度を得るためには、粒度が6,000ブレイン(blaine)以上の微粉末を使用することが好ましい。
一方、原料混合物中の鉄酸化物量は、ヘマタイトに換算したときの内割りで2重量%以上8重量%未満とする。鉄酸化物が2重量%未満では気孔形成に必要な十分な量のガスが発生せず、8重量%以上では還元された鉄の融剤効果によって気孔が粗大に生長し、微細な連通気孔が生成されなくなる。尚、鉄酸化物としては、2価又は3価の鉄酸化物、例えばウスタイトやヘマタイトが好ましいが、より多くの酸素を配位した3価の鉄酸化物が特に好ましい。
また、原料混合物には、粒子表面を酸化状態として耐火度を高め、内部を還元状態としてマトリックス中の液相生成を促進し、強度を発現するために適正量の炭素化合物を添加する必要がある。炭素化合物としては、石炭、コークスなどを使用できる。尚、これらの炭素化合物は、比較的低温から酸化反応が進み、液相が生成する温度では残留している量が極めて少なくなるため、有効なガス発生剤とはなり難い。
原料混合物中の炭素化合物量は、炭素に換算した内割りで2重量%以上6重量%未満とする。炭素量が6重量%以上では、粒子表面まで還元状態となり、表面を酸化状態にして耐火度を上昇させることができない。また、炭素量が2重量%未満では、粒子内部を還元状態に保てないため好ましくない。
上記のごとく調整した原料混合物は、平均粒径15μm以下になるように混合・粉砕した後、その粉砕物に水を加えて成形する。例えば、焼却飛灰の平均粒径は数μm程度であるが、焼却主灰や組成調整材などは平均粒径が大きいため、粉砕機で粉砕しながら混合して、平均粒径を15μm以下とする。平均粒径が15μmを超えると、無機質固化体の強度が低下するため好ましくない。その後、粉砕物に水を加え、転動造粒又は押し出し造粒等により、例えば直径5〜15mmのペレット状に成形する。成形方法としては、特に限定されないが、パンペレタイザーや押し出し成型機を用いると簡便である。
得られた成形体は、焼成炉に供給して、例えば1000〜1200℃で加熱焼成することにより、無機質固化体が得られる。焼成炉としては、有害物の揮発促進、連続操業性、品質の均一性等を勘案すると、ロータリーキルンを用いることが好ましい。ロータリーキルンは設備が簡易であるうえ、加熱用燃焼ガス気流と成形体が接触しやすく、高温での滞留時間も数十分と長いことから、重金属類のガス中への揮発も促進されやすい。更に、焼成した無機質固化体の品質にばらつきが少なく、重金属類の溶出を少なくして無害化する場合の信頼性が高い点で、無機質固化体を焼成する設備として好ましい。
ロータリーキルンで焼成する場合、キルン内をペレット状などの成形体が転動して移動する際に磨り減って粉化しやすい。粉化量が多いと、焼成最高温度部でペレットやキルン内壁へ付着して焼成操作が困難になるうえ、実収率の低下や煤塵の捕集設備への負荷を増加させるため好ましくない。このキルン内での粉化を低減するため、予め原料混合物中に粘結材としてベントナイト、糖蜜、パルプ廃液等を添加しておくことが好ましい。
上記した本発明方法により得られる無機質固化体は、気孔径100nm以下の微細な連通気孔を有し、比表面積が80〜300m/gであって、絶乾密度が0.8〜1.4g/mlである。このように微細な連通気孔を有し、高比表面積を有する無機質固化体は、例えば、吸着材、分子篩、触媒担体などとして特に有用である。
都市ごみの焼却処理により発生した焼却飛灰を主原料として、無機質固化体の製造を行った。実験に使用した焼却飛灰、組成調整材としての石炭灰、珪砂、アルミナ、消石灰、鉄酸化物としてのヘマタイト、炭化珪素、炭素化合物としてのコークス、及び粘結剤としてのベントナイトの化学組成を下記表1に示した。
Figure 2006263635
これらの主原料及び副原料を下記表2に示す配合となるように計量採取し、振動ミルで粉砕混合した。粉砕物の粒度分布をレーザー回折式粒度分布計で測定したところ、実験に使用した粉砕物の平均粒径は全て15μm以下であった。
Figure 2006263635
得られた粉砕物に水を加えながら混練し、押し出し成形機で直径約10mmの円柱状に造粒し、乾燥した後、ロータリーキルン(煉瓦内径650〜500mm×長さ8000mm)に供給し、1000〜1200℃で加熱焼成した。
焼成後の無機質固化体の化学組成を、原料混合物中における炭化珪素、ヘマタイト、炭素の組成(内割り)と共に、下記表3に示した。尚、無機質固化体の化学組成は、KOを等モルでNaOに換算して本来のNaOに加算した値を総NaOとして、SiOと、Alと、CaOと、総NaOの合計量を100重量%として計算した。尚、表中のNaOは上記の総NaOを表す。
Figure 2006263635
得られた各試料の無機質固化体について、絶乾密度、圧潰強度、比表面積を測定し、得られた結果を下記表4に示した。尚、絶乾密度はJIS A 1110に基づいて測定した。圧潰強度の測定は、円柱状の無機質固化体の円柱軸に直角方向から加圧して、破壊する時の荷重を試料毎に20点測定し、その平均値を求めた。比表面積は、JIS R 1655に基づく水銀圧入法により細孔径分布を求め、その細孔径分布から計算によって算出した。また、本発明による試料2の無機質固化体について、水銀圧入法による細孔径分布の測定結果を図1に示した。
Figure 2006263635
以上の結果から、本発明による試料1及び試料2の無機質固化体は、絶乾密度が1.0〜1.2g/ml程度、圧潰強度が500〜1250N程度であって、気孔径が10〜数10nm以下の微細な連通気孔を有し、比表面積が100〜200m/gと大きいことが分かる。
一方、比較例である試料3ではSiO成分が65重量%以上で且つ炭化珪素が0.2重量%未満であり、試料4〜5ではSiO成分が65重量%以上であり、試料6ではSiO成分が65重量%以上で且つヘマタイトが8重量%以上となっている。そのため、得られた比較例の試料3〜6の無機質固化体は、比表面積が20〜50m/g程度と極めて小さい結果となった。
また、比較例である試料7では炭化珪素が0.2重量%未満であり、試料8ではヘマタイトが8重量%以上であり、試料9ではSiO成分が55重量%未満である。更に、試料10ではSiO成分が55重量%未満で且つヘマタイトが8重量%以上であり、試料11ではCaOが16重量%以上である。そのため、得られた比較例の試料7〜11の無機質固化体は、比表面積が10〜40m/g程度と極めて低い結果となった。
本発明による無機質固化体の細孔径分布を水銀圧入法により測定した結果を示すグラフである。

Claims (9)

  1. 都市ごみ及び/又は産業廃棄物の焼却又は溶融処理により発生する灰を主原料とする無機質固化体の製造方法であって、
    上記主原料に組成調整材を添加して、焼成後の無機質固化体の化学組成において、KOを等モルでNaOに換算して本来のNaOに加算した値を総NaOとし、その総NaOと、SiOと、Alと、CaOの合計量を100重量%としたとき、SiOが55重量%以上65重量%未満、Alが10重量%以上25重量%未満、CaOが16重量%未満、総NaOが5重量%以上15重量%未満となるように、原料混合物を配合すると共に、
    その原料混合物に、内割りで0.2重量%以上3重量%未満の炭化珪素と、ヘマタイトに換算した内割りで2重量%以上8重量%未満の鉄酸化物と、炭素に換算した内割で2重量%以上6重量%未満の炭素化合物とを添加し、
    得られた原料混合物を平均粒径15μm以下になるように混合・粉砕した後、その粉砕物に水を加えて成形し、得られた成形体を焼成炉で加熱焼成することを特徴とする無機質固化体の製造方法。
  2. 前記主原料として、都市ごみ及び/又は産業廃棄物の焼却又は溶融処理により発生する焼却飛灰、焼却主灰、溶融飛灰から選ばれた少なくとも1種の灰を使用することを特徴とする、請求項1に記載の無機質固化体の製造方法。
  3. 前記組成調整材のシリカ源として、珪砂、陶石、長石、カオリナイト、木節粘度、焼却主灰、石炭灰、下水道焼却汚泥から選ばれた少なくとも1種を用いることを特徴とする、請求項1又は2に記載の無機質固化体の製造方法。
  4. 前記炭化珪素として、粒度が6,000ブレイン以上の炭化珪素微粉末を用いることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の無機質固化体の製造方法。
  5. 前記鉄酸化物として、ウスタイト又はヘマタイトを用いることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の無機質固化体の製造方法。
  6. 前記炭素化合物として、石炭又はコークスを用いることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の無機質固化体の製造方法。
  7. 前記原料混合物に、粘結剤としてベントナイト、糖蜜、パルプ廃液から選ばれた少なくとも1種を添加することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の無機質固化体の製造方法。
  8. 前記成形体がペレット状であり、前記焼成炉としてロータリーキルンを用いて加熱焼成することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の無機質固化体の製造方法。
  9. 都市ごみ及び/又は産業廃棄物の焼却又は溶融処理により発生する灰を主原料とし、加熱焼成により製造された無機質固化体であって、気孔径100nm以下の微細な連通気孔を有し、比表面積が80〜300m/gであり、絶乾密度が0.8〜1.4g/mlであることを特徴とする無機質固化体。


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