JP2003246656A - 無機質固化体の製造方法 - Google Patents
無機質固化体の製造方法Info
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Abstract
て、その化学組成にかかわらず、建築用や土木用の骨材
として満足すべき高い強度を有する無機質固化体の製造
方法を提供する。 【解決手段】 灰を含む原料混合物を組成条件(a)〜
(d)を満たすように配合し、成形して1000〜12
50℃で焼成する。(a)無機質固化体中のNa 2Oに
換算したSiO2、Al2O3、K2OとNa2Oの合
計量を100重量%としたとき、重量比Na2O/(A
l2O3+Na2O)をSiO2が75重量%以上95
重量%未満のとき0.1〜0.9に、45重量%以上75
重量%未満のときは0.1〜0.6とし、(b)CaOを
40重量%未満とする。焼結性向上のため、全原料混合
物中の(c)鉄酸化物量と、その還元剤である(d)炭
素量も調整する。
Description
に発生する灰を主原料として、建築用または土木用等に
使用する骨材(無機質固化体)を製造する方法に関す
る。
焼却炉内には主灰が残り、焼却炉の排ガス中に飛散した
灰(以下、飛灰という)は電気集塵器で集められる。こ
のようにして集められた主灰と飛灰(以下、単に灰と言
う)は、廃棄物として地中に埋めることにより処分され
ていた。
た灰、特に飛灰には、鉛、亜鉛、カドミウム等の有害な
重金属類が多量に含まれているため、埋立て後この灰か
ら地中に溶出した重金属類が、環境汚染を引き起こす原
因となっていた。
の溶出を防ぐ手段として、集められた灰をセメントで固
化する方法、有害な重金属類を薬剤で化学的に固定して
不溶化する方法、集められた灰を1300℃以上の温度
で溶触してガラス質のスラグとする方法等が行われてい
る。
を焼却して得られた灰は、そのまま直接地中に埋められ
るか、または有害な重金属類を固定化又は不溶化して地
中に埋めるかして処分されるのが実情であり、従来は殆
ど再利用されることはなかった。
た灰を焼成固化することにより、灰の中に含まれる鉛、
亜鉛、カドミウム等の重金属類を揮発させて除去すると
共に、建築用又は土木用等に使用する骨材として再利用
する方法を検討してきた。
た灰の化学組成は、焼却炉の形式や灰の処理方法等によ
り大きく異なる。そのため、灰の化学組成の違いによっ
て、同じ方法で焼成固化しても、得られた固化体の強度
が大幅に変動するのを避けることは出来なかった。
都市ゴミの焼却によって発生する灰の化学組成にかかわ
らず、建築用又は土木用等に使用する骨材として満足す
べき強度を有する無機質固化体を製造する方法を提供す
ることを目的とする。
を達成するため、都市ゴミを焼却して得られた灰に組成
調整材を添加することにより組成を調整し、これを焼成
して高強度な固化体とする方法について検討した。その
結果、都市ゴミを焼却して得られる灰の主な化学成分で
あるSiO2、Al2O3、K2O、Na2O、CaO
について、焼成により高強度な固化体が得られる化学組
成範囲を見出した。
成して固化体を得る場合、焼結促進剤として鉄の酸化物
を、その還元剤として炭素を添加することが好ましいこ
とが分った。しかし、これらの鉄酸化物や炭素は、高温
での焼成後の固化体の性状に影響することが判明した
が、このような影響のない適正な組成範囲についても明
らかにすることが出来た。
れる灰を主原料とする無機質固化体の製造方法におい
て、該灰を含む原料混合物を下記組成条件(a)〜
(d)を満足するように配合し、該原料混合物に水を加
えて成形体とし、該成形体を1000〜1250℃の温
度で焼成することを特徴とするものである; (a) 焼成後の無機質固化体中のSiO2、Al2O
3、K2Oを等モルでNa2Oに換算し、Na2Oに換
算したSiO2、Al2O3、K2OとNa2Oの合計
量を100重量%としたとき、SiO2が75重量%以
上95重量%未満の場合はNa2O/(Al2O3+N
a2O)の重量比を0.1〜0.9とし、またSiO2が
45重量%以上75重量%未満の場合にはNa2O/
(Al2O3+Na2O)の重量比を0.1〜0.6と
し、(d) 焼成後の無機質固化体中のCaOを40重
量%未満とし、(c) 全原料混合物中の鉄酸化物量
を、ヘマタイトに換算したときの内割りで、全原料混合
物中のヘマタイト量最大値(重量%)=(1250−焼
成温度(℃))×(8/250)+7と、全原料混合物
中のヘマタイト量最小値(重量%)=(1250−焼成
温度(℃))×(1/250)+1との範囲内に調整
し、且つ(d) 全原料混合物中の炭素量(重量%)を、
内割で、全原料混合物中の炭素量最大値(重量%)=全
原料混合物中のヘマタイト量最大値×0.8と、全原料
混合物中の炭素量最小値(重量%)=全原料混合物中の
ヘマタイト量最小値との範囲内に調整する。
いては、前記組成条件(a)〜(b)の調整のため、少
なくともSiO2源、Al2O3源、Na2O源、Ca
O源のいずれかとなる組成調整材を主原料の灰に添加す
ることを特徴とする。主にSiO2源となる前記組成調
整材としては、珪砂、陶石、長石、カオリナイト、木節
粘土、石炭灰、都市ゴミ焼却飛灰及び下水道焼却汚泥か
ら選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
法においては、前記組成条件(c)の調整のため、鉄酸
化物として、ウスタイト又はヘマタイトを用いることが
できる。更に、前記組成条件(d)の調整のため、炭素
源として、石炭又はコークスを添加することが好まし
い。
いては、前記原料混合物の平均粒径を15μm以下とす
ることが好ましい。また、前記成形体がペレット状であ
り、ロータリーキルンを用いて焼成することが好まし
い。更には、前記原料混合物に、粘結剤として、ベント
ナイト、糖蜜、及びパルプ廃液から選ばれた少なくとも
1種を添加することができる。
即ち、焼却炉内に残った主灰及び灰ガス中に飛散した飛
灰は、SiO2、Al2O3、Fe2O3、CaO、M
gO、Na2O、K2O等の種々の化合物から成ってい
る。かかる灰について、その組成を各種成分の添加によ
り調整しながら焼結過程を検討した結果、SiO2と、
Al2O3と、Na2O又はK2Oとの3元系相平衡図
で示される加熱変化に近い焼成過程をたどることが分っ
た。
により、焼成後の無機質固化体の化学組成におけるSi
O2、Al2O3、K2Oを等モルでNa2Oに換算
し、このNa2Oに換算したSiO2、Al2O3、K
2Oと本来のNa2Oの合計量を100重量%としたと
き、Na2O/(Al2O3+Na2O)の重量比の値
を特定の範囲に制御することによって、高強度の固化体
が焼成温度1000から1250℃で得られることが判
明した。
体の組成条件(a)において、(a−1)SiO2が7
5重量%以上95重量%未満の場合には、Na2O/
(Al 2O3+Na2O)の値が0.1〜0.9の範囲と
なるように、また、(a−2)SiO2が45重量%以
上75重量%未満の場合には、Na2O/(Al2O3
+Na2O)の値が0.1〜0.6の範囲となるように、
主原料である灰に各種の組成調整材を添加することによ
り原料混合物を配合する。
O2が75重量%以上95重量%未満であって且つNa
2O/(Al2O3+Na2O)の値が0.1〜0.9の
範囲は、SiO2、Al2O3、Na2Oの3元系相平
衡図ではトリジマイド、アルバイト、ムライトの初晶域
にあって、シリカ、アルバイト、Na2O・2SiO 2
の最も低い共融点(740℃)から離れている。そのた
め、焼成時の昇温に伴って急激に液相が出現することが
なく、十分に焼結が進行するため、緻密で高強度な固化
体が得られる。
量%未満の場合に、Na2O/(Al2O3+Na
2O)の値が0.1未満では、焼成温度が1250℃以
上となり、焼成に要する燃料コストの増加や設備の高耐
熱化のためのコストが増加して好ましくない。また、N
a2O/(Al2O3+Na2O)の値が0.9を越え
ると、焼成温度が1000℃以下となると共に、液相が
急激に生成するため、高強度な固化体が得られなくな
る。
て、SiO2が45重量%以上75重量%未満であって
且つNa2O/(Al2O3+Na2O)の値が0.1
〜0.6の範囲は、SiO2、Al2O3、Na2Oの
3元系相平衡図ではムライト、コランダム、アルバイ
ト、ネフェリン、カーネギエイトの初晶域にある。この
組成範囲でも700℃付近が最も近い共融点であるが、
この低共融点から上記初晶域が離れているため、焼結が
緩慢且つ十分に進行し、緻密で高強度な焼結固化体が得
られる。
量%未満の場合も同様に、Na2O/(Al2O3+N
a2O)の値が0.1未満では、焼成温度が1250℃
以上となるため、焼成に要する燃料コストの増加や設備
の高耐熱化のためのコストが増加して好ましくない。ま
た、Na2O/(Al2O3+Na2O)の値が0.6
を越えると、焼成温度が1000℃以下となると共に、
液相が急激に生成するため、高強度な固化体が得られな
い。
O2が95重量%以上では、焼成温度が1250℃以上
となるため、焼成に要する燃料コストの増加や設備の高
耐熱化のためのコストが増加して好ましくない。また、
SiO2が45重量%未満では、Na2O/(Al2O
3+Na2O)の値が0.1〜0.6の範囲にあっても、
やはり焼成温度が1250℃以上となるため、焼成に要
する燃料コストの増加や設備の高耐熱化のためのコスト
が増加して好ましくない。
固化体の組成条件(b)として、CaOを40重量%未
満とする。CaOは、焼成温度1250℃までは耐火剤
として働き、液相の生成を緩慢にして高強度な固化体を
生成するのに寄与する。しかし、CaOが40重量%を
越えると、焼成温度が1250℃以上となり、焼成に要
する燃料コストの増加や設備の高耐熱化のためのコスト
が増加するため好ましくない。
O2、Al2O3、K2O、Na2O、CaO等の含有
量は、多くの場合、上記した組成条件に適合していな
い。従って、本発明においては、灰に各種の組成調整材
を添加して、原料混合物の組成を上記組成条件(a)及
び(b)に合わせて調整する。このような組成調整材と
しては、主にSiO2源となるものとして、シリカ又は
シリカとアルミナを含む鉱物、例えば、珪砂、陶石、長
石、カオリナイト、木節粘土、石炭灰、都市ゴミの焼却
飛灰、及び下水道焼却汚泥等がある。また、主にAl2
O3源となる組成調整材としてはアルミナ等があり、主
にCaO源となる組成調整材としては消石灰等がある。
られる灰には、鉄源となる鉄酸化物と、その還元剤とを
添加することが好ましい。鉄酸化物は、固化体表面の耐
火度向上と共に、固化体内部での液相生成を促進させ、
無機質固化体の強度を向上させるのに寄与するからであ
る。好ましい鉄酸化物としては、ウスタイトやヘマタイ
ト等の2価又は3価の鉄酸化物がある。無機質固化体中
の鉄酸化物は、1重量%未満では添加による効果が不十
分で高強度の固化体を得ることができないが、15重量
%より多くなると液相生成からスラグ化するまでの温度
範囲が極めて狭くなり、均質で高強度な固化体の焼成が
困難となるため、1〜15重量%の範囲とすることが好
ましい。
はコークスが好ましく、無機質固化体中の炭素量は1〜
12重量%とすることが好ましい。炭素量が1重量%未
満では固化体内部での還元効果が不十分で、溶剤として
作用する十分なFeOを生成することができず、また1
5重量%を超えると余剰な炭素が固化体中に残り、焼結
による強度発現を阻害すると共に、固化体表面のFe2
O3の生成を阻害するため、固化体表面の耐火度を十分
上昇することができない。
塩素量は、一般的な石炭灰中のそれよりも多いが、上記
シリカ又はアルミナを含む組成調整材の添加配合により
相対的な塩素量が低減するため、高強度の固化体を得る
ための支障とはならない。
還元されて主にFeOとして存在させると、溶剤として
マトリックスの液相焼結に寄与する。また、固化体の表
面では、鉄酸化物が焼成用燃焼ガス中の過剰空気による
酸素で酸化されてFe2O3の形で存在するため、内部
よりも液相の生成に高温が必要となり、焼成炉内での固
化体相互や炉壁への融着を防止しながら内部で焼結を促
進させ、固化体全体の強度を向上させる効果がある。
リ金属類が多く含まれ焼成温度が低い組成域では有効で
あるが、アルカリ金属類が少なく焼成温度が高い組成域
では注意を要する。即ち、後者の組成域においては、鉄
酸化物が少なくても焼結が十分に進行し、高強度な固化
体が得られ易いため、鉄酸化物の添加量が増加すると、
急激に液相の生成が進行して表面が軟化する前に内部が
溶融し、甚だしい場合には固化体内部が空洞となるから
である。従って、鉄源となる鉄酸化物の添加量に関して
は、組成条件(c)として、全原料混合物中の鉄酸化物
量を、鉄酸化物をヘマタイトに換算したときの内割り
で、全原料混合物中のヘマタイト量最大値(重量%)=
(1250−焼成温度(℃))×(8/250)+7
と、全原料混合物中のヘマタイト量最小値(重量%)=
(1250−焼成温度(℃))×(1/250)+1と
の範囲内に調整する。
と、原料混合物中に含まれる炭素量が多くなり、固化体
表面の酸化を阻害して耐火性皮膜の生成を阻害する。そ
のため、表面と内部の軟化温度差が少なくなり、内部の
焼結が十分に進む前に表面が焼結温度の上限に達するた
め、高強度な骨材が得られなくなる。このような還元剤
に由来する炭素の悪影響を防止するため、更に炭素に関
する組成条件(d)として、全原料混合物中の炭素量
(重量%)を、内割で、全原料混合物中の炭素量最大値
(重量%)=全原料混合物中のヘマタイト量最大値×
0.8と、全原料混合物中の炭素量最小値(重量%)=
全原料混合物中のヘマタイト量最小値との範囲内に調整
することが好ましい。
は主灰に、組成調整材などを添加して組成調整した原料
混合物は、好ましくは平均粒径が15μm以下となるよ
うに混合し粉砕する。飛灰の平均粒径は数μm程度であ
るが、主灰と組成調整材である鉱物等は平均粒径が大き
いため、粉砕機で粉砕しながら混合して平均粒径を15
μm以下とすることが好ましい。原料混合物の平均粒径
が15μmより大きいと、得られる無機質固化体の強度
が低下する傾向がある。
え、所望の骨材形状に成形する。一般的には、転動造粒
又は押出造粒により、直径5〜15mmのペレット状に
成形する。成形方法としては、所定の骨材形状に成形で
きるものであれば如何なる方法でも良いが、ペレット状
の成形体を得るにはパンペレタイザーや押出成形機を用
いると簡便である。
焼成することにより、骨材として必要な強度を備えた無
機質固化体が得られる。焼成炉としては、有害な重金属
類の揮発促進と連続操業性と品質の均一性等とを勘案す
れば、ロータリーキルンを用いることが好ましい。ロー
タリーキルンは設備が簡易であるうえ、加熱用燃焼ガス
気流と原料が接触しやすく、高温で滞留時間も数十分と
長いことから、重金属類のガス中への揮発も促進しやす
い。従って、得られる骨材の品質にばらつきが少なく、
重金属類の溶出を少なくして無害化する場合の信頼性が
高い点で、骨材を焼成する設備として好ましい。
ルン内をペレットが転動して移動する際に擦り減って粉
化しやすい。粉化量が多くなると、粉化物が焼成部でペ
レットに付着し、更にペレットが相互に及びキルン内壁
に付着することにより、焼成操作が困難となり、実収率
の低下や煤塵の捕集設備への負荷を増加させるため好ま
しくない。キルン内での粉化を低減させるためには、原
料混合物にベントナイト等の粘土鉱物、糖蜜、パルプ廃
液等の粘結剤を加えることが好ましい。
れる灰を主原料として、その灰の組成が焼却炉の形式、
都市ゴミの性状、灰の回収方式等により大きく異なって
いても、最少の副原料の添加により焼成固化させて、建
築用又は土木用の骨材として使用し得る高強度な無機質
固化体を製造することができる。これにより、従来は廃
棄されていた都市ゴミの焼却灰を有効に再利用し、再資
源化や環境汚染の解消に大いに寄与することができる。
また、特別な製造設備を必要とせず、セメント等の製造
に使用されているロータリーキルンを用いて製造できる
ため、灰の処理効率を著しく高め、処理コストや設備投
資を大きく軽減することができる。
化体は強度が700N以上であり、建築用や土木用に使
用される骨材として十分満足すべき強度を備えている。
尚、この無機質固化体は、24時間の吸水率が10〜2
0%と比較的高い。これは、主原料である都市ゴミを焼
却して得られる灰が、アルカリ金属や塩素を比較的多く
含むため、焼成時にこれら一部が揮発し飛散して、骨材
に微少な細孔が多数形成されるためと考えられる。
とし、その組成を組成調整材等により調整して焼成する
ことにより、下記のごとく無機質固化体を製造した。実
験に使用した飛灰、組成調整材としての珪砂、アルミ
ナ、消石灰、ヘマタイト、塩化ナトリウム、還元剤とし
てのコークス、粘結剤であるベントナイトについて、そ
れらの化学組成を下記表1に示す。
なるように計量し、振動ミルで粉砕し混合した。尚、粉
砕後の原料混合物の粒度分布をレーザ解析式粒度分布で
測定したところ、実験に供した原料混合物の平均粒径は
全て15μm以下であった。得られた各原料混合物に水
を加えて混練し、押出成形機で直径10mmの円柱状ペ
レットに成形し、乾燥した後、ロータリーキルン(煉瓦
壁の内径920〜700mm×長さ12000mm)に
供給し、焼成して骨材を製造した。
を下記表3に示した。尚、骨材中のSiO2、Al2O
3、K2Oを等モルでNa2Oに換算し、Na2Oに換
算したSiO2、Al2O3、K2OとNa2Oの合計
量を100重量%として、化学組成を計算した。また、
CaOについては、骨材重量に対する重量%で示した。
更に、下記表3には、ヘマタイト量として全原料混合物
中の酸化鉄のヘマタイト換算量を、及び炭素量として全
原料混合物中の炭素量をそれぞれ内割りで表示した。
の強度及び比重を測定し、焼成温度と共に下記表4に示
した。尚、骨材の強度は、円柱状ペレットの円柱軸に直
角方向から加圧し、破壊時の荷重を試料毎に20個ずつ
測定し、その平均値を圧潰強度として示した。また、骨
材の比重は、JISA1110に基づいて測定した。
方法によって得られた試料1〜16では、焼成温度10
00〜1250℃の間で、圧潰強度750〜1770N
の高強度な骨材が得られた。これらの試料1〜16は、
何れも、本発明の組成条件(a)〜(d)を満たしてい
る。即ち、SiO2が75重量%以上95重量%未満で
あって且つNa2O/(Al2O3+Na2O)の重量
比が0.1〜0.9であるか、又はSiO2が45重量%
以上75重量%未満であって且つNa2O/(Al2O
3+Na2O)の重量比が0.1〜0.6であり、骨材中
のCaOが40重量%未満である。また、全原料混合物
中の酸化鉄のヘマタイト換算量(重量%、内割)が、換
算ヘマタイト量最大値=(1250−焼成温度(℃))
×(8/250)+7と、換算ヘマタイト量最小値=
(1250−焼成温度(℃))×(1/250)+1と
の間にあり、しかも全原料混合物中の炭素量(重量%、
内割)が、その炭素量最大値=全原料混合物中のヘマタ
イト最大値×0.8と、炭素量最小値=全原料混合物中
のヘマタイト最小値との範囲内に調整されている。
のSiO2が95重量%以上である。また、SiO2等
を等モルで換算したNa2O量とNa2O量の合計量を
100重量%とした場合に、Na2O/(Al2O3+
Na2O)の重量比が試料18〜20では0.1未満で
ある。試料21と22はSiO2が45重量%未満であ
り、試料23と24はSiO2が45〜75重量%であ
るが、上記Na2O/(Al2O3+Na2O)の重量
比が0.6よりも大きく、試料25は骨材中のCaOが
40重量%以上である。その結果、試料17〜20及び
25では、焼成温度が1250℃以上となり、十分焼成
できなかった。また、試料21〜24では骨材強度が3
00N以下と極めて低かった。
明の試料12に対して、比較例である試料30〜33は
本発明の試料13に対して、それぞれ組成条件(a)及
び(b)に関しては略同一であるが、組成条件(c)及
び(d)に関しては本発明の範囲外となっている。即
ち、本発明の試料12に対して、試料26はヘマタイト
量が多く、試料27は炭素量が多く、試料28は炭素量
が少なく、そして試料29はヘマタイト量が少ない配合
となっている。また、本発明の試料13に対して、試料
30はヘマタイト量が多く、試料31は炭素量が多く、
試料32は炭素量が少なく、そして試料33はヘマタイ
ト量が少ない配合となっている。
骨材の圧潰強度は290〜480Nであり、本発明の試
料12の890Nに比べて遥かに低い。また、比較例の
試料30〜33の骨材は、比重が1.59〜1.65であ
って本発明の試料13と比較して若干低く、圧潰強度も
370〜620Nであって本発明の試料13の1650
Nに比べて遥かに低かった。
られる灰を主原料として、その灰の化学組成が焼却炉の
形式、都市ゴミの性状、灰の捕集回収方式等により大き
く異なっていても、最少量の副原料の添加により焼結固
化させて、建築用や土木用の骨材として使用し得る高強
度な無機質固化体を製造することができる。
ミの焼却灰を有効に再利用し、再資源化や環境問題の解
消に大いに寄与することができる。また、特別な製造設
備を必要とせず、コンクリートなどの製造に使用されて
いるロータリーキルンを用いて製造できるため、灰の処
理効率を著しく高め、処理コストや設備投資を大きく軽
減することができる。
Claims (8)
- 【請求項1】 都市ゴミを焼却して得られる灰を主原料
とする無機質固化体の製造方法において、該灰を含む原
料混合物を下記組成条件(a)〜(d)を満足するよう
に配合し、該原料混合物に水を加えて成形体とし、該成
形体を1000〜1250℃の温度で焼成することを特
徴とする無機質固化体の製造方法; (a) 焼成後の無機質固化体中のSiO2、Al2O
3、K2Oを等モルでNa2Oに換算し、Na2Oに換
算したSiO2、Al2O3、K2OとNa2Oの合計
量を100重量%としたとき、SiO2が75重量%以
上95重量%未満の場合はNa2O/(Al2O3+N
a2O)の重量比を0.1〜0.9とし、またSiO2が
45重量%以上75重量%未満の場合にはNa2O/
(Al2O3+Na2O)の重量比を0.1〜0.6と
し、(d) 焼成後の無機質固化体中のCaOを40重
量%未満とし、(c) 全原料混合物中の鉄酸化物量
を、ヘマタイトに換算したときの内割りで、全原料混合
物中のヘマタイト量最大値(重量%)=(1250−焼
成温度(℃))×(8/250)+7と、全原料混合物
中のヘマタイト量最小値(重量%)=(1250−焼成
温度(℃))×(1/250)+1との範囲内に調整
し、且つ(d) 全原料混合物中の炭素量(重量%)を、
内割で、全原料混合物中の炭素量最大値(重量%)=全
原料混合物中のヘマタイト量最大値×0.8と、全原料
混合物中の炭素量最小値(重量%)=全原料混合物中の
ヘマタイト量最小値との範囲内に調整する。 - 【請求項2】 前記組成条件(a)〜(b)の調整のた
め、少なくともSiO2源、Al2O3源、Na2O
源、CaO源のいずれかとなる組成調整材を主原料の灰
に添加することを特徴とする、請求項1に記載の無機質
固化体の製造方法。 - 【請求項3】 主にSiO2源となる前記組成調整材
が、珪砂、陶石、長石、カオリナイト、木節粘土、石炭
灰、都市ゴミ焼却飛灰及び下水道焼却汚泥から選ばれた
少なくとも1種からなることを特徴とする、請求項2に
記載の無機質固化体の製造方法。 - 【請求項4】 前記組成条件(c)の調整のため、鉄酸
化物として、ウスタイト又はヘマタイトを用いることを
特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の無機質固
化体の製造方法。 - 【請求項5】 前記組成条件(d)の調整のため、炭素
源として、石炭又はコークスを添加することを特徴とす
る、請求項1〜4のいずれかに記載の無機質固化体の製
造方法。 - 【請求項6】 前記原料混合物の平均粒径を15μm以
下とすることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに
記載の無機質固化体の製造方法。 - 【請求項7】 前記成形体がペレット状であり、ロータ
リーキルンを用いて焼成することを特徴とする、請求項
1〜6のいずれかに記載の無機質固化体の製造方法。 - 【請求項8】 前記原料混合物に、粘結剤として、ベン
トナイト、糖蜜、及びパルプ廃液から選ばれた少なくと
も1種を添加することを特徴とする、請求項1〜7のい
ずれかに記載の無機質固化体の製造方法。
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Cited By (2)
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JP2007308310A (ja) * | 2006-05-16 | 2007-11-29 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 鉛ガラスの無害化を伴う無機質固化体の製造方法 |
CN101928132A (zh) * | 2010-06-23 | 2010-12-29 | 平定莹玉陶瓷有限公司 | 一种普细瓷 |
-
2002
- 2002-12-05 JP JP2002353217A patent/JP2003246656A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007308310A (ja) * | 2006-05-16 | 2007-11-29 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 鉛ガラスの無害化を伴う無機質固化体の製造方法 |
CN101928132A (zh) * | 2010-06-23 | 2010-12-29 | 平定莹玉陶瓷有限公司 | 一种普细瓷 |
CN101928132B (zh) * | 2010-06-23 | 2013-01-23 | 平定莹玉陶瓷有限公司 | 一种普细瓷 |
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